タイトル: | 公開特許公報(A)_美白剤及びこれを含有する美白化粧料 |
出願番号: | 2007315393 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | A61K 8/67,A61Q 19/02 |
落合 康宣 岡野 由利 JP 2009137879 公開特許公報(A) 20090625 2007315393 20071206 美白剤及びこれを含有する美白化粧料 日光ケミカルズ株式会社 000226437 株式会社コスモステクニカルセンター 301068114 落合 康宣 岡野 由利 A61K 8/67 20060101AFI20090529BHJP A61Q 19/02 20060101ALI20090529BHJP JPA61K8/67A61Q19/02 6 OL 12 4C083 4C083AA082 4C083AA122 4C083AB242 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC182 4C083AC242 4C083AC262 4C083AC302 4C083AC342 4C083AC352 4C083AC422 4C083AC442 4C083AC782 4C083AC792 4C083AD162 4C083AD172 4C083AD332 4C083AD352 4C083AD392 4C083AD572 4C083AD621 4C083AD622 4C083AD662 4C083BB51 4C083CC04 4C083CC05 4C083CC06 4C083DD30 4C083DD33 本発明は、美白剤、メラニン産生抑制剤、チロシナーゼ産生抑制剤、チロシナーゼ分解促進剤及びこれらを含有する日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝班等の予防及び改善等の肌に対して美白効果を発揮する美白化粧料に関する。 皮膚のしみやそばかす等の色素沈着は、紫外線やその他の刺激により引き起こされるメラニンの過剰な産生の亢進の結果とされており、美容上大きな問題となる。メラニンは、メラノサイト内において、必須アミノ酸であるチロシンがチロシナーゼにより酵素的に酸化された後、数段階の反応を経て形成されると考えられている。従って、反応の第1段階であるチロシナーゼをコントロールすることが、メラニンの産生を抑制し、皮膚のしみやそばかす等の発生を抑制する上で重要である。チロシナーゼの活性を阻害する物質として、アルブチン、コウジ酸などが知られており、美白剤の有効成分として広く使用されている。 分子中に不飽和結合を2つ以上もつリノール酸もまた、チロシナーゼにはたらきかけることで、培養メラノーマ細胞のメラニンの産生を抑制し、皮膚に形成された色素沈着の消退を促進することが知られている。このメラニン産生抑制作用には、チロシナーゼ分解促進作用が関与していると考えられている。(特許文献1、非特許文献1参照)しかしながら、リノール酸は単独で使用してもその効果が十分であるとはいえないことから、リノール酸の効果を高める物質として、ビタミンE酢酸エステル、抗炎症剤、紫外線吸収剤および/または紫外線散乱剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、アスコルビン酸などの活性成分との併用や、(特許文献2〜6参照)リノール酸の誘導体であるリノール酸−ビタミンCエステルを利用するなどの方法が見出されてきた。(特許文献7参照) 一方、レチノール(ビタミンAアルコール)は、ほかのビタミンA類と同様に、表皮細胞の分化を促進し、表皮の古い角層を取り除き、皮膚を柔軟にする効果や一重項酸素捕捉効果が認められている。しかしながら、レチノールは、空気中で容易に酸化され、特に熱、光によって酸化されやすく不安定であること、また、それ自体が刺激性を有することから、通常パルミチン酸レチノールなどのレチノール誘導体が用いられている。(特許文献8参照) レチノールと分子中に不飽和結合を2つ以上もつ脂肪酸とのエステルについては、リノール酸レチニル、リノレン酸レチニル、アラキドン酸レチニルなどが報告されている。これらは、炎症をおこさずに皮膚の輝きを促進させ、しわ等の老化現象、並びに、にきび、小胞状および病変丘疹、光線性角化症、オイリースキン等の皮膚疾患を治療するのに有用であることが見出されている。(特許文献9参照)しかしながら、レチノールと炭素数18〜22かつ分子構造中の不飽和結合数が2以上の脂肪酸とのエステルが極めて優れた美白作用を発揮することは知られていない。特開昭63−284109号公報特開平1−93520号公報特開平1−186809号公報特開平1−186810号公報特開平3−209305号公報特開平1−186811号公報特開平1−85907号公報特開昭58−208207号公報特開平10−45533号公報J.Soc.Cosmet.Chem.Japan.,33,3,1999 本発明は、優れた美白効果を有する美白剤、メラニン産生抑制剤、チロシナーゼ産生抑制、チロシナーゼ分解促進剤を提供すること、さらに肌に対して優れた美白効果を発揮する美白化粧料を提供することにある。 本発明者らは、満足できる美白効果を発揮する美白化粧料を提供すべく鋭意研究した。その結果、レチノールと炭素数18〜22かつ分子構造中の不飽和結合数が2以上の脂肪酸とのエステルが美白効果を有すること、また、これらを配合した美白化粧料は、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝班等の予防及び改善等、肌に対して安全で優れた美白効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。 レチノールと炭素数18〜22かつ分子構造中の不飽和結合数が2以上の脂肪酸とのエステルのヒトメラノサイトを用いたチロシナーゼ産生評価試験及びチロシナーゼ分解促進試験、3D皮膚モデルを用いたメラニン産生抑制試験、紫外線照射により惹起された色素沈着に対する美白試験を実施したところ、いずれもその効果が顕著であった。これらの成分を配合することで、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝班等の予防及び改善等、肌に対して優れた美白効果を発揮する美白化粧料が得られる。 本発明に用いるレチノールと炭素数18〜22かつ分子構造中の不飽和結合数が2以上の脂肪酸とのエステルは、公知の方法で合成することができる。 本発明のレチノールと炭素数18〜22かつ分子構造中の不飽和結合数が2以上の脂肪酸とのエステルの合成で用いられる脂肪酸の代表的なものとしては、リノール酸、リノエライジン酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、リノレン酸、リノレン酸、リノレンエライジン酸、プソイドエレオステリン酸、α−パリナリン酸、β−パリナリン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサジエン酸などが挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられる。リノール酸、リノレン酸を用いるのが好ましく、さらに好ましくはリノール酸が好適である。 よって、本発明に用いるレチノールと炭素数18〜22かつ分子構造中の不飽和結合数が2以上の脂肪酸とのエステルとしては、リノール酸レチニル、リノレン酸レチニルを用いるのが好ましく、さらに好ましくはリノール酸レチニルが好適である。リノール酸レチニルは、市販されているものを使用することもでき、例えば、遼東化学工業株式会社のリノール酸レチノールを使用することができる。 レチノールと炭素数18〜22かつ分子構造中の不飽和結合数が2以上の脂肪酸とのエステルの美白化粧料への配合量は、用途、剤型、配合目的等によって異なり、特に限定されるものではないが、一般的には、美白化粧料中0.001〜20.0質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜10.0質量%である。 本発明においては、レチノールと炭素数18〜22かつ分子構造中の不飽和結合数が2以上の脂肪酸とのエステルとともに、既存の美白薬剤であるL−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸グルコシド、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、コウジ酸、システイン、アルブチン、グルタチオン等を配合することにより、相乗的な美白効果が認められる可能性がある。 美白剤の配合量は,美白化粧料中0.001〜5質量%が好ましく,さらに好ましくは0.01〜2質量%である。 本発明の美白剤及びこれを含有する美白化粧料は、レチノールと炭素数18〜22かつ分子構造中の不飽和結合数が2以上の脂肪酸とのエステルを必須成分とするが、本発明の効果を損なわない範囲でその他化粧品、医薬部外品等の皮膚美白化粧料に配合される成分を配合することができる。 例えば、油脂類、エステル類、炭化水素類、ロウ類、シリコーン系の油相成分、脂肪酸類、低級アルコール類、高級アルコール類、多価アルコール類、界面活性剤、水溶性高分子類、香料、水、各種溶媒等と併用することができ、さらに、老化防止剤、保湿剤、育毛剤、発毛剤、経皮吸収促進剤、紫外線吸収剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、その他生理活性成分、防腐防カビ剤等を配合することができる。 本発明の美白剤及びこれを含有する美白化粧料は、医薬品組成物、化粧料等に好適に応用することができる。美白化粧料の使用形態として任意であり、例えば化粧水、ローション、乳液、クリーム、パック、軟膏、分散液、固形物、ムース、貼付剤等が挙げられる。美白化粧料の基剤としては、公知の外用基剤でよく、特に限定されない。 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれらに限定されるものではない。1.メラニン産生抑制試験 1−1.方法 B16マウスメラノーマF0株(B16F0)に5%仔牛血清(FBS)含有ダルベッコ変法MEM(DMEM/5)を6穴プレートに播種した。培養24時間後に所定の濃度の試料を含有したDMEM/5と交換した。1週間継続培養後細胞ペレットを作成し、目視判定で細胞ペレットの色調をスコア化(5段階スコア:1白−5黒)した。次にメラニン生成量をアルカリ可溶化法にて測定した。細胞ペレットを5%トリクロロ酢酸、エタノール/ジエチルエーテル溶液、ジエチルエーテルで洗浄した後、1N水酸化ナトリウムを添加して加熱溶解(100℃、5分)した。マイクロプレートリーダーを用いて430nmの吸光度を測定した。メラニン量は、合成メラニン(シグマ社製)を標準品として作成した検量線から算出した。同時にタンパク量を定量した。全細胞のタンパク質量でメラニン量を除することによって単位タンパク質量あたりのメラニン量を算出し、コントロールとの差を評価した。 1−2.試料 リノール酸レチニル、リノレン酸レチニル、リノール酸 1−3.結果 リノール酸レチニル処理及びリノレン酸レチニル処理により、細胞色調の白色化およびメラニン産生量の減少が認められた(表1)。従って、リノール酸レチニル処理及びリノレン酸レチニルにはメラニン産生抑制作用がある。2.チロシナーゼ産生抑制試験 2−1.方法 リノール酸レチニルのチロシナーゼ産生に対する抑制効果を、ウェスタンブロットを用いたチロシナーゼタンパク質の検出にて評価した。 正常ヒトメラノサイトをMedium 254(クラボウ製)を用いて90mm ディッシュに播種した。一晩培養後に所定の濃度の試料を含有した試験培地と交換した。試料含有培地で48時間継続培養した後、RIPA bufferで細胞の総タンパク質を抽出した。このときタンパク質濃度を測定し、細胞数の指標とした。各々の試料処理細胞のタンパク質濃度を10μg/mLに調製し、7.5%アクリルアミドゲルを用いてSDS-PAGEを行なった。泳動タンパク質をPVDF膜にトランスファーした後、免疫染色を行なった。1次抗体反応は、抗チロシナーゼ抗体、2次抗体反応は西洋ワサビ由来ぺルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体を用いた。検出されたバンドの密度を画像解析にて半定量した。 2−2.試料 リノール酸レチニル、リノレン酸レチニル、リノール酸 2−3.結果 リノール酸レチニル処理及びリノレン酸レチニル処理により、チロシナーゼ産生は有意に抑制された(表2)。従って、リノール酸レチニル処理及びリノレン酸レチニル処理によるメラニン産生抑制作用はチロシナーゼ産生抑制作用によると予想される。3.チロシナーゼ分解促進試験 3−1.方法 リノール酸レチニルのチロシナーゼ産生に対する抑制効果を、ウェスタンブロットを用いたチロシナーゼタンパク質の検出にて評価した。 正常ヒトメラノサイトをMedium 254(クラボウ製)を用いて90mmディッシュに播種した。播種24時間後に所定の濃度の試料およびタンパク質合成阻害剤シクロヘキシミド(CHX)を含有した試験培地と交換した。試料含有培地で8時間継続培養した後、RIPA bufferで細胞の総タンパク質を抽出した。このときタンパク質濃度を測定し、細胞数の指標とした。各々の試料処理細胞のタンパク質濃度を10μg/mLに調製し、7.5%アクリルアミドゲルを用いてSDS−PAGEを行なった。泳動タンパク質をPVDF膜にトランスファーした後、免疫染色を行なった。1次抗体反応は、抗チロシナーゼ抗体、2次抗体反応は西洋ワサビ由来ぺルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体を用いた。検出されたバンドの密度を画像解析にて半定量した。 3−2.試料 リノール酸レチニル、リノレン酸レチニル、リノール酸 3−3.結果 リノール酸レチニル処理及びリノレン酸レチニル処理により、チロシナーゼ分解促進は有意に抑制された(表3)。従って、リノール酸レチニル処理及びリノレン酸レチニル処理によるメラニン産生抑制作用はチロシナーゼ分解促進作用によると予想される。4.美白効果試験 4−1.方法 紫外線照射による色素沈着の作成 被験部位は日常生活で日光暴露されにくい左上腕内側部とし、各被験者の最小紅班量(MED)を右上腕内側部であらかじめ測定後、左上腕内側部に1.5MEDに相当する紫外線を照射し、直径1cmの色素沈着を作成した。光源としてMultiport Solar UV Simulator Model 601(Solar Light Co.Inc.)で波長範囲300〜400nm、ピーク波長356nmを用い、その照射強度は多機能計測システム モデルPMA2100(Solar Light Co.Inc.)を用いて測定した。 4−2.被験製剤 以下に示す処方の被験製剤を用いる。水中油型乳化組成物の調製方法の常法に従い被験製剤を得た。 4−3.塗布方法および塗布期間 被験製剤は各々の紫外線照射部位を含む2×2cm2に約20mgを朝夕1日2回紫外線照射直後から3週間塗布した。 4−4.皮膚色測定および評価 観察日に、被験部位を分光測色計CR−13(ミノルタ)を用いて測色した。測色パラメーターとしてはL*を用い、色素沈着はΔL*値(=紫外線照射前のL*値−紫外線照射後のL*値)を用いて評価した。 美白効果の評価は以下の基準で行った。 ×:ΔL*値がコントロールの値と同じ △:ΔL*値が(コントロールの値−1.0)以上 ○:ΔL*値が(コントロールの値−1.0)未満 5−5.結果 表5の結果より本発明のリノール酸レチニルはアルブチンより優れた美白効果を有することがわかる。 以下に、本発明に係る化合物を配合した美白化粧料の実施例を挙げる。配合量は質量%を表す。実施例5〜13で得られた美白化粧料はいずれも美白効果試験において効果が認められた。クリーム1(処方) 質量%油相 リノール酸レチニル 0.5 スクワラン 3.0 べヘニルアルコール 4.0 ワセリン 3.0 流動パラフィン 15.0水相 モノステアリン酸POE(20)ソルビタン 3.0 1,3−ブチレングリコール 3.0 防腐剤 適量 香料 適量 精製水 残部(調製方法)水中油型乳化組成物の製法の常法に従い調製した。美容液(処方) 質量% リノレン酸レチニル 0.1 スクワラン 1.0 べヘニルアルコール 4.0 ワセリン 3.0 流動パラフィン 15.0 モノラウリン酸デカグリセリル 1.0 モノステアリン酸POE(20)ソルビタン 3.0 キサンタンガム 0.1 1,3−ブチレングリコール 10.0 防腐剤 適量 香料 適量 精製水 残部(調製方法)水中油型乳化組成物の製法の常法に従い調製した。化粧水(処方) 質量% リノール酸レチニル 0.01 スクワラン 0.2 モノラウリン酸デカグリセリル 2.0 ヒアルロン酸ナトリウム 0.2 1,3−ブチレングリコール 3.0 エチルアルコール 10.0 防腐剤 適量 香料 適量 精製水 残部(調製方法)全ての成分を50℃で均一になるまで混合し、調製した。クリーム2(エモリエントタイプ)(処方) 質量%油相 リノール酸レチニル 1.0 スクワラン 10.0 ミリスチン酸イソセチル 6.0 トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 3.0 マカデミアナッツ油 1.0 ジメチルポリシロキサン(6cs) 0.2 セタノール 5.0 POE(20)セチルエーテル 1.0 テトラオレイン酸POE(40)ソルビット 0.5 モノステアリン酸グリセリル 1.0水相 水素添加大豆レシチン 0.2 1,3−ブチレングリコール 5.0 キサンタンガム 0.1 ヒアルロン酸ナトリウム 0.01 クエン酸 0.1 クエン酸ナトリウム 0.4 防腐剤 適量 精製水 残部(調製方法)水中油型乳化組成物の製造方法の常法に従い調製した。美容オイル(処方) 重量% リノール酸レチニル 3.0 ミリスチン酸イソセチル 10.0 ホホバ油 5.0 天然ビタミンE 0.1 スクワラン 残部(調製方法)全ての成分を50℃で均一になるまで混合し、調製した。スキンローション(処方) 質量%油相 リノール酸レチニル 0.1 トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル 0.1 POP(4)POE(20)セチルエーテル 0.6水相 プロピレングリコール 10.0 ヒアルロン酸ナトリウム 0.1 防腐剤 適量 精製水 残部(調製方法)水中油型乳化組成物の製造方法の常法に従い調製した。乳液(処方) 質量%油相 リノール酸レチニル 0.6 エイコサペンタエン酸レチニル 0.2 ドコサヘキサエン酸レチニル 0.2 d−δ−トコフェロール 0.1 スクワラン 5.0 2−エチルヘキサン酸セチル 5.0 ジメチルポリシロキサン(100mPa・s) 0.5 パルミチン酸セチル 0.5 ベヘニルアルコール 1.5 ステアリン酸 0.5 親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0 モノステアリン酸POE(20)ソルビタン 1.0 テトラオレイン酸POE(40)ソルビタン 1.5水相 プロピレングリコール 7.0 キサンタンガム 0.1 防腐剤 適量 精製水 残部(調製方法)水中油型乳化組成物の製造方法の常法に従い調製した。クリーム3(油中水型エモリエントタイプ)(処方) 質量%油相 リノール酸レチニル 0.5 リノレン酸レチニル 0.5 ジメチコンコポリオール 0.5 デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0 トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 15.0 ミツロウ 2.0 ペンタヒドロキシ酸デカグリセリル 2.0 イソステアリン酸 1.0水相 グリセリン 4.5 ヒアルロン酸ナトリウム 0.01 防腐剤 適量 精製水 残部(調製方法)油中水型乳化組成物の乳化法の常法に従い、乳化組成物を調製した。サンスクリーンクリーム(処方) 質量%油相 テトラコサジエン酸レチニル 0.5 流動パラフィン 7.0 デカメチルシクロペンタシロキサン 3.0 セチルアルコール 4.0 縮合リシノール酸ヘキサグリセリル 0.5 POE(20)セチルエーテル 1.0 パラメトキシ桂皮酸オクチル 7.0粉体相 酸化チタン 3.0水相 セチル硫酸ナトリウム 1.0 ステアロイルメチルタウリンナトリウム 0.3 1,3−ブチレングリコール 5.0 キサンタンガム 0.3 防腐剤 適量 精製水 残部(調製方法)粉体相を油相中に添加した後、油中水型乳化組成物の乳化法の常法に従い、乳化組成物を調製した。 従来皮膚の柔軟促進剤、活性酸素消去剤、老化防止剤として用いられてきたレチノールと炭素数18〜22かつ分子構造中の不飽和結合数が2以上の脂肪酸とのエステル及び/若しくはこれを配合する美白化粧料を皮膚に塗布することにより、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝班等の予防及び改善等、肌に対して優れた美白効果を有する美白化粧料を得ることができる。レチノールと炭素数18〜24かつ分子構造中の不飽和結合数が2以上の脂肪酸とのエステルを有効成分とする美白剤。請求項1に記載の脂肪酸がリノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサジエン酸から選ばれるものであることを特徴とする美白剤。請求項1又は2のいずれか1項に記載のエステルを有効成分とするメラニン産生抑制剤。請求項1又は2のいずれか1項に記載のエステルを有効成分とするチロシナーゼ産生抑制剤。請求項1又は2のいずれか1項に記載のエステルを有効成分とするチロシナーゼ分解促進制。請求項1〜5のいずれか1項に記載のエステルを1種または2種以上配合することを特徴とする美白化粧料。 【課題】本発明は、優れた美白効果を有する美白剤、メラニン産生抑制剤、チロシナーゼ産生抑制剤、チロシナーゼ分解促進剤を提供すること、さらに肌に対して優れた美白効果を発揮する美白化粧料を提供することにある。【解決手段】レチノールと炭素数18〜22かつ分子構造中の不飽和結合数が2以上の脂肪酸とのエステルが美白効果を有すること、また、これらを配合した美白化粧料は、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝班等の予防及び改善等、肌に対して安全で優れた美白効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。【選択図】なし