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タイトル:公開特許公報(A)_チャフロサイド高含有茶葉およびその製造方法
出願番号:2007308046
年次:2009
IPC分類:A23F 3/14,A23F 3/06,A23L 1/30,G01N 30/88,G01N 30/06,G01N 30/26,G01N 30/72,G01N 30/86,G01N 27/62


特許情報キャッシュ

糠谷 東雄 石田 均司 JP 2009131161 公開特許公報(A) 20090618 2007308046 20071128 チャフロサイド高含有茶葉およびその製造方法 財団法人浜松科学技術研究振興会 802000020 朝日奈 宗太 100065226 糠谷 東雄 石田 均司 JP 2007286752 20071102 A23F 3/14 20060101AFI20090522BHJP A23F 3/06 20060101ALI20090522BHJP A23L 1/30 20060101ALI20090522BHJP G01N 30/88 20060101ALI20090522BHJP G01N 30/06 20060101ALI20090522BHJP G01N 30/26 20060101ALI20090522BHJP G01N 30/72 20060101ALI20090522BHJP G01N 30/86 20060101ALI20090522BHJP G01N 27/62 20060101ALI20090522BHJP JPA23F3/14A23F3/06 ZA23L1/30 BG01N30/88 NG01N30/88 CG01N30/06 ZG01N30/26 AG01N30/72 CG01N30/86 JG01N27/62 X 13 OL 19 2G041 4B018 4B027 2G041CA01 2G041DA05 2G041EA04 2G041GA09 2G041HA01 2G041KA01 2G041LA08 4B018MD59 4B018ME06 4B018ME07 4B018ME14 4B018MF04 4B027FB17 4B027FC06 4B027FP90 4B027FR05 本発明は、チャフロサイドを高い割合で含有しているチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末または茶渋に係わるものであり、また、チャフロサイドが微量しか含有していない乾燥された茶葉(例えば、通常の緑茶、ほうじ茶、紅茶、ウーロン茶など各種の茶葉製品)からチャフロサイドを高い割合で含有している茶葉またはその茶葉の粉末を生成する、チャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末または茶渋の製造方法に係わる。 チャフロサイドは、フラボン誘導体の一種であるフラボンC配糖体であり、ウーロン茶から単離され、次に示す構造式の物質として知られており、医薬品としてはチャフロサイドAと命名されている。上記の化合物の正式名称は、OTAC:(2R,3S,4S,4aS,11bS)-3,4,11-trihydroxy-2-(hydroxymethyl)-8-(4-hydroxyphenyl)-3.4.4a.11b-tetrahydro-2H,10H-pyrano[2'3':4.5]furo[3.2-g]chromen-10-one である。 チャフロサイドは、抗酸化作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、発癌抑制作用を示すことが知れているが、通常の茶葉製品(例えば、緑茶、ほうじ茶、紅茶、ウーロン茶など)には、チャフロサイドが極めて微量しか含有しておらず、その作用の有効な利用のために、茶葉中にチャフロサイドを高い割合で含有している茶葉を容易に製造できる方法、並びに、チャフロサイド高含有茶葉が提供されることが期待されている。 チャフロサイドは、ウーロン茶から抽出などで微量単離されているが、そのチャフロサイドの含有率を高い精度で測定することが困難であり、具体的に正確な含有率を定量的に分析する方法が明らかになっておらず、一般にかなり微量な含有量であるとされていた。 例えば、緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶などの茶葉製品中に、チャフロサイドがどの程度の割合で含有されているかについて、正確に明らかになっていなかった。 最近、特許文献2の実施例1において、茶葉中の茶葉抽出物(Oolong tea active compound:OTAC)の含有率について、HPLC分析法、LC/MS/MS分析法などの定量分析方法によるデータが開示されている。 そのHPLC分析法によれば、緑茶で80ng/g(茶葉)、焙じ茶で2.4μg/g(茶葉)、ウーロン茶で25μg/g(茶葉)、紅茶で80ng/g(茶葉)程度であった。 特許文献2の実施例1によれば、「焙じ茶は、緑茶を180℃以上の高温で処理したものであるが、同一茶葉を熱処理することによって、OTACの含量が数倍増加するという結果が得られた。」と記載されている。 しかし、特許文献2の実施例1においては、この実験で最初に用いられた各種の茶葉がどのような量であるか、どのような履歴の茶葉であるかが具体的に示されておらず、表1に記載された『OTACであるチャフロサイドの含量』が本当に適正な含量であるかどうか明確でない。 一般的に、緑茶を180℃以上の高温で加熱処理すると、茶葉中のチャフロサイドがかなり熱分解してしまうということが起こることが知られている。 特許文献2と同じ発明者が含まれている先願の特許文献1における実施例1によれば、ウーロン茶5.0kgから、980μgの前記式(1)の化合物(フラボンC配糖体)およびその異性体(下記式(2))147μgが得られたことが記載されている。すなわち、式(1)のチャフロサイドが、191ng/g(茶葉)の割合で、そして、式(2)のチャフロサイドが29.4ng/g(茶葉)の割合で、ウーロン茶中に含有されていたことが開示されていることからも明らかである。 特許文献2の実施例1においても、特許文献1の実施例と同じように『ウーロン茶5.0kg』を用いてチャフロサイドの定量分析が行われたとすれば、チャフロサイドの含量が125ng/g(茶葉)程度の割合であったと推測され、特許文献1の実施例におけるチャフロサイドの含量割合『191ng/g(茶葉)』とかなり近い値となる。 従って、特許文献2の実施例1におけるウーロン茶の定量分析で測定されたと記述されているチャフロサイドの含量(620μg/25g茶葉)が正しい含有割合を示しているものではないと考えられる。 なお、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7などには、茶葉の製茶工程において、かなり高温の熱風を製茶機内へ供給して乾燥しながら、茶葉の揉みこみが行われていることが知られているが、その乾燥工程においては、茶葉中にかなり多量の水分が含有されているので、茶葉からの水分の蒸発によって、茶葉自体が100℃以上の高温になることが実質的になかったのである。 特許文献5には、杜仲茶用の茶葉の製造は、産地で収穫した茶葉を天日で乾燥し、この乾燥品を通常100〜140℃で30〜50分間焙煎し、さらに適当な大きさに切断することにより行われていることが記載されているが、この場合における杜仲茶用の茶葉の乾燥とは、生茶に付着していた水分の一部を蒸発させることであり、その乾燥された生茶中にはかなり多量の水分を含有していて通常100〜140℃(熱風温度)で30〜50分間焙煎しても生茶葉中にかなりの水分を含んでいるものである。 特許文献5の発明における杜仲茶用の茶葉の製造では、杜仲茶生茶を蒸熱する工程、杜仲葉(水分を多量に含んでいる)を攪拌および揉圧しながら乾燥する工程、杜仲葉を粉砕する工程、および杜仲葉に対して遠赤外線を照射することにより、杜仲葉を乾燥する工程によって行われている。 さらに特許文献5の発明における杜仲茶用の茶葉の製造では、前述の製法で得られた杜仲茶葉を70〜150℃の圧縮空気(熱風)を用いてジェットミルにより平均径が3〜14μmの粉末に粉砕して杜仲葉緑色粉末が製造される。この公知の杜仲葉緑色粉末は、水分含有率が2%であった。 しかし、特許文献5には、本発明におけるように、十分に乾燥された茶葉自体を115〜150℃に加熱する加熱処理について開示されておらず、前記の杜仲葉緑色粉末中にチャフロサイドがどの程度含有されているかどうかについて全く開示されていない。 すなわち、従来、茶葉中のチャフロサイドを高い精度で定量的に測定する分析法が明らかになっていなかったと共に、茶葉中にチャフロサイドを高い含有率で含有する茶葉を再現性よく製造する方法は具体的に明らかになっていなかったのである。 緑茶の製造工程において、茶葉の主に芽の部分などの比較的もろい部分から出る粉茶あるいはこれが固まったものを、茶業界では茶渋と称し、茶渋自体が茶の品質を低下させ、また細菌の汚染源になることから、茶渋の処理は大きな問題となっている。このため、茶渋を有効に利用する方法の開発が望まれている。特開2004−035474号公報特開2006−342103号公報特開平05−344843号公報特開平11−155537号公報特開2005−287469号公報特開2006−034277号公報特開2006−042678号公報 本発明は、抗酸化作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、発癌抑制作用をあることが知れているチャフロサイド(フラボンC配糖体)を極めて高い割合で含有している茶葉(特に、緑茶)またはその茶葉(特に、緑茶)の粉末もしくは茶渋を提供し、そして、チャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末もしくは茶渋を容易に製造する方法を提供することを目的とするものである。 さらに本発明は、茶葉中のチャフロサイドを高い精度で定量的に測定する定量分析法を提供することを目的とするものである。 この出願において、第1の発明は、チャフロサイドがHPLC−MS/MS分析法により測定して1gの茶葉に対して5〜50μgの割合で茶葉またはその茶葉の粉末もしくは茶渋中に含有されていることを特徴とするチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末もしくは茶渋に関する。 前記の第1の発明において、茶葉またはその茶葉の粉末が、例えば、緑茶用茶葉またはその緑茶用粉末または紅茶用茶葉またはその紅茶用粉末であり、また、茶渋が緑茶から得られる茶渋であって、チャフロサイドがHPLC−MS/MS分析法により測定して1gの茶葉または茶葉の粉末もしくは茶渋に対して、5〜50μg(好ましくは5〜30μg)の割合で含有されていることが好ましい。 第2の発明は、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末中に、チャフロサイドを微量含有していて、水分含有率が0〜5wt%(好ましくは0.05〜3wt%)である乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末を、115〜125℃で100〜350分間(好ましくは130〜300分間)、あるいは125〜150℃で10〜240分間(好ましくは10〜120分間、さらに好ましくは20〜100分間)加熱処理して、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末が加熱処理前に含有していたチャフロサイドの含有割合に対して、10〜1000倍(好ましくは15〜800倍)の含有割合でチャフロサイドを含有している茶葉またはその茶葉の粉末を生成させるチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末の製造方法に関する。 本発明において、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末とは、その水分含有率が0〜5wt%であり、好ましくは0.05〜3wt%であり、さらに好ましくは0.1〜2wt%である乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末である。 本発明においては、たとえば、105℃で5〜10時間乾燥させて得られる乾燥状態の高い乾燥茶葉またはその粉末であって、水分含有率が0.1〜2.0wt%である乾燥茶葉またはその粉末は、115〜150℃の温度で比較的短時間、加熱処理することによって、茶葉の品質(茶の味、風味など)が高いレベルに維持され、かつ、茶葉中のチャフロサイドの生成が好適に行なわれるので、チャフロサイド高含有茶葉またはその粉末が再現性よく得られ、特に好ましい。 前記の乾燥茶葉の水分含有率の測定については、茶業研究報告 第71号、43〜47頁(1990)(文献A)における『茶の分析法』の記載、および、茶業技術研究 第43号,41〜44頁(1971)における『乾燥法による茶の水分の定量』の記載を参照することができる。文献Aによれば、茶の水分含有量(含有率)は、荒茶の段階で6〜7wt%であり、仕上げ茶で4〜5wt%であることが記載されている。茶の水分含有量(wt%)については、一般に、秤量容器に均質にした試料A(g)(一般に、A=3g)を採取し、98〜105℃の温度で恒量B(g)となるまで、約5〜10時間乾燥し、乾燥減量A−B(g)を水分とすることで、下記の計算式により算出される。本発明においても、茶葉の水分含有率は下記計算式により算出した。茶の水分含有量(含有率 wt%)=〔(A−B)/A〕×100 前記の第2の発明のチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末の製造方法において、前記の加熱処理によって得られた茶葉中のチャフロサイドの含有率の定量分析は、(a)チャフロサイドを含有している茶葉を粉砕して(さらに必要であれば、その茶葉粉末を水に分散させ)、その茶葉粉末1gに対して5〜20ミリリットルの40〜60wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、5〜70℃(好ましくは15〜60℃)で5〜30分間(好ましくは15〜20分間)の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得る抽出工程、(b)(a)の抽出工程で得られた抽出液を減圧下で十分に加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質を得る濃縮・乾固工程および(c)(b)の濃縮・乾固工程で得られたチャフロサイドを含有する乾固物質を、水とn−ブタノールを用いて液液分配し、そのn−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法によるチャフロサイドの定量分析、を含む茶葉中のチャフロサイドの定量分析法で行うことが好ましい。 茶葉の抽出液を用いる本発明に係るHPLC−MS/MS分析法においては、チャフロサイドAおよびBの標品を、報文(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、2004年、Vol.14、p.3201−3203)の記載に従って、イソビテキシン(isovitexin)とビテキシン(vitexin)を原料として用いてそれぞれ合成し、その標品より定量用の標準溶液を調製した。具体的には、1000、100、10、1および0.1ng/ミリリットルの濃度の溶液を調製して、それらの標準溶液を用いて測定された標準データと、前記の茶葉の抽出液によるHPLC−MS/MS分析法のデータとを比較することによって、定量分析が行われる。当該定量分析法によって、茶葉中のチャフロサイド(チャフロサイドAおよびB)含有割合を高い精度で測定することができる。 第3の発明は、水分含有率が0〜5wt%である乾燥状態の茶渋を125〜150℃で10〜120分間加熱処理することにより、チャフロサイドを茶渋1gあたり5〜50μg含有するチャフロサイド高含有茶渋の製造方法に関する。 前記の第3の発明のチャフロサイド高含有茶渋の製造方法において、前記の加熱処理によって得られた茶渋中のチャフロサイドの含有率の定量分析は、(a)チャフロサイドを含有している茶渋を粉砕して、その茶葉粉末1gに対して5〜20ミリリットルの40〜60wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、5〜70℃で5〜30分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得る抽出工程、(b)(a)の抽出工程で得られた抽出液を減圧下で、その沸点まで加熱して濃縮し、さらに、その濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質を得る濃縮・乾固工程および(c)(b)の濃縮・乾固工程で得られたチャフロサイドを含有する乾固物質を、水とn−ブタノールを用いて液液分配し、そのn−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法によってチャフロサイドを定量分析する工程、を含む茶渋中のチャフロサイドの定量分析法で行うことが好ましい。 第4の発明は、チャフロサイドがHPLC−MS/MS分析法により測定して1gの茶葉に対して5〜50μgの割合で茶葉またはその茶葉の粉末中に含有されているチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末を含むチャフロサイド高含有茶葉組成物に関する。 第5の発明は、チャフロサイドがHPLC−MS/MS分析法により測定して1gの茶葉に対して5〜50μgの割合で茶葉またはその茶葉の粉末中に含有されているチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末を含むチャフロサイド高含有茶葉組成物からなる健康食品に関する。 第6の発明は、(a)チャフロサイドを含有している茶葉または茶渋を粉砕して(さらに必要であれば、その茶葉粉末または茶渋粉末を水に分散させ)、その茶葉粉末または茶渋粉末1gに対して5〜20ミリリットルの40〜60wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、5〜70℃で5〜30分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得る抽出工程、(b)(a)の抽出工程で得られた抽出液を減圧下でその沸点より40℃高い温度で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質を得る濃縮・乾固工程、および、(c)(b)の濃縮・乾固工程で得られたチャフロサイドを含有する乾固物質を、水とn−ブタノールで液液分配し、n−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法を用いたチャフロサイドの定量分析工程、を含むことを特徴とするチャフロサイドの定量分析法に関する。 本発明のチャフロサイド高含有茶葉または茶渋は、抗酸化作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、発癌抑制作用を有することが知られているチャフロサイド(フラボンC配糖体)を極めて高い割合で含有している茶葉(特に、緑茶)またはその茶葉(特に、緑茶)の粉末もしくは茶渋を提供することができる。 本発明のチャフロサイド高含有茶葉は、チャフロイドの含有量が極めて高い割合で含有されているので、チャフロサイドに基づく、健康を維持するための種々の効果(予防的な効果)を有する茶葉製品が得られ、健康食品として利用することができる。 本発明のチャフロサイド高含有茶葉の製造方法は、チャフロサイドを高い含有率で含有する茶葉を容易に製造する方法を提供することができ、しかも、カフェインの含有量が低下し、タンニン成分が変化して、さらにシュウ酸の含有量が減少して、茶葉を飲料として飲んだ場合に、渋味が消えて、甘味をより感じるようになり、茶葉本来の好ましい味を維持し、より良い味になり、茶葉製品として高い品質を与えることができる。 さらに、本発明のチャフロサイド高含有茶渋の製造方法は、チャフロサイドを高い含有率で含有する茶渋を容易に製造する方法を提供することができ、茶渋を有効に利用することができる。 本発明におけるチャフロサイドの定量分析法は、従来の茶葉中のチャフロサイドを定量分析する方法に対して、茶葉または茶渋中のチャフロサイドを高い精度で容易に測定することができる。 本願の第1の発明のチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末において、茶葉としては、例えば、緑茶用茶葉、焙じ茶用茶葉、紅茶用茶葉、ウーロン茶などを挙げることができるが、特に、緑茶用茶葉、紅茶用茶葉が好ましい。 本発明のチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末においては、チャフロサイドがHPLC−MS/MS分析法により測定して1gの緑茶用茶葉に対して5〜50μg(好ましくは5〜30μg)の割合で緑茶用茶葉またはその緑茶用茶葉の粉末中に含有されているチャフロサイド高含有緑茶用茶葉またはその緑茶用茶葉の粉末が最適である。 本願の第1の発明のチャフロサイド高含有茶渋において、渋茶としては、緑茶の製造工程において、茶葉の主に芽の部分などの比較的もろい部分から出る粉茶あるいはこれが固まったものを使用することができる。 本願の第1〜第6の発明におけるHPLC−MS/MS分析法は、茶葉中のチャフロサイドの定量分析法であって、茶葉または茶葉の粉末の抽出工程で得た抽出液を濃縮・乾固し、かかる濃縮・乾個工程で得られたチャフロサイドを含有する固化物を、水とn−ブタノールで液液分配し、そのn−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液溶媒によるHPLC−MS/MS分析工程によりチャフロサイドを定量分析することを含み、茶葉中のチャフロサイドを高い精度で定量分析することができるので好ましい。 本願の第1〜第6の発明におけるHPLC−MS/MS分析法は、すくなくとも、(a)抽出工程、(b)濃縮・乾固工程、および(c)チャフロサイドの定量分析工程を含む定量分析法であることが、茶葉中のチャフロサイドを高い精度で定量分析することができるので好ましい。 前記のHPLC−MS/MS分析法では、たとえば、インタクト株式会社製のC18カラムを用い、特定の溶媒を用いる、「Cadennza CD C18のHPLC−MS/MS分析法」を用いることができる。 前記(a)抽出工程では、チャフロサイドを含有している茶葉または茶渋を粉砕して(さらに必要であれば、その茶葉粉末または茶渋粉末を水中に十分に分散させ)、その茶葉粉末または茶渋粉末1gに対して5〜20ミリリットルの40〜60wt%(好ましくは45〜55wt%)メタノール水溶液を抽出液として用い、5〜70℃(特に好ましくは15〜60℃)で5〜30分間(特に好ましくは10〜25分間)の抽出操作を行うことが特に好ましい。 前記(a)抽出工程において、茶葉粉末または茶渋粉末を水に分散する場合には、その茶葉粉末または茶渋粉末1gに対して5〜20ミリリットルのメタノール水溶液を抽出液として用い、該抽出液を、前記茶葉粉末または茶渋粉末を分散した水に加えた後のメタノール濃度が40〜60wt%(好ましくは45〜55wt%)であることが好ましい。 前記(b)濃縮・乾固工程においては、前記(a)抽出工程で得られた抽出液を減圧下(好ましくは10〜500mmHgの減圧下)で十分な温度にまで加熱して、抽出液の溶媒を蒸発させて濃縮し、さらにその濃縮温度でその加熱を続けて溶媒を実質的に除去して、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質を得ることが特に好ましい。 前記(c)チャフロサイドの定量分析工程においては、前記(b)濃縮・乾固工程で得られたチャフロサイドを含有する乾固物質を水とn−ブタノールで液液分配し、そのn−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法によりチャフロサイドの定量分析を行なうことが特に好ましい。 前記のメタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液は、20〜80wt%のメタノール水溶液、または、10〜60wt%のアセトニトリル水溶液であることが、HPLC−MS/MS分析法において特に高い精度で茶葉中のチャフロサイドを定量分析することができるので、さらに好ましい。 本願の第2の発明(製造方法)においては、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末は、一般に、乾燥された緑茶製品、焙じ茶製品、ウーロン茶製品、紅茶製品や、一般の製茶工程において、水分含有率が0〜5wt%(好ましくは0.05〜3wt%、さらに好ましくは0.1〜2wt%)である乾燥茶葉をあげることができ、さらに、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉1gあたりチャフロサイドが0.5〜300ng(好ましくは1〜200ng)の含有割合で乾燥茶葉中に含有されているものを用いることが好ましい。 本願の第2の発明(製造方法)において用いられる乾燥茶葉としては、前記乾燥状態にある緑茶用茶葉、ウーロン茶用茶葉または紅茶用茶葉が好ましく、特に、緑茶用茶葉が最適である。 本願の第2の発明では、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末中に、チャフロサイドを微量含有していて、水分含有率が0〜5wt%(好ましくは0.05〜3wt%、さらに好ましくは0.1〜2wt%)である乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末を、115〜125℃で100〜350分間(好ましくは130〜300分間)、あるいは125〜150℃で10〜240分間(好ましくは10〜120分間、さらに好ましくは20〜100分間)加熱処理して、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末が加熱処理前に含有していたチャフロサイドの含有割合に対して10〜1000倍(好ましくは15〜800倍)の含有割合でチャフロサイドを含有している茶葉またはその茶葉の粉末を生成させるチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末の製造方法が好ましい。 本願の第2の発明では、低い加熱温度では、加熱時間が十分に長い加熱処理をする必要があり、たとえば、120℃の加熱温度では300〜350分間程度の加熱処理を行い、一方、高い加熱温度では短い加熱時間であればよく、たとえば、135℃では20〜40分間程度の加熱処理を行えばよい。 前記加熱処理は、加熱処理を行っている間、茶葉中のチャフロキサイドの含有率を前記のHPLC−MS/MS分析法で測定しながら行うことが好ましい。 本願の第2の発明では、加熱処理装置として、茶葉の加熱温度の測定と調節ができるものであればよく、一般の電熱装置を用いることが好ましい。 本願の第3の発明では、水分含有率が0〜5wt%(好ましくは0.05〜3wt%、さらに好ましくは0.1〜2wt%)である乾燥茶渋の粉末を、125〜150℃で10〜240分間(好ましくは10〜120分間、さらに好ましくは20〜100分間)加熱処理して、チャフロサイド高含有茶渋を製造する方法が好ましい。 本願の第4の発明(組成物)および第5の発明(健康食品)では、チャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末中に含まれているチャフロサイドが、HPLC−MS/MS分析法により測定して1gの茶葉に対して8〜50μg(好ましくは10〜30μg)の割合で含有されており、そのチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末が5〜95wt%(特に10〜90wt%)の割合で含まれていることが適当である。 つぎに本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。実施例1(市販緑茶:品種オクムサシのチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:品種オクムサシの茶葉から作られた市販緑茶をコーヒーミルで粉末化し、その緑茶粉末2gについて、20ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(100mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.0gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.0gを4ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの30wt%メタノール水溶液に溶解し、この10マイクロリットルについて、40wt%メタノール水溶液を展開溶媒として用いるHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 HPLC−MS/MS分析法には、HPLCとして、定量用カラムのCadenza CD C18(内径3mm、カラム長150mm)を装着したAgellent 1100を用い、MS装置としてAPI2000またはAPI3000(アプライドバイオシステムズ社(製))を用いた。なお、展開溶媒として40wt%メタノールを使用した。チャフロサイドAおよびBの保持時間は、カラム流速0.2ミリリットル/分で、それぞれ14.8分および15.6分であった。MS/MSの測定は、エレクトロスプレーイオン化法により行った。 チャフロサイドAのMS/MSによる測定は、下記条件で行なった。 前駆体/生成物(m/z、イオンと極性) 413.0(M−H)-/293.0 衝突エネルギー(eV) 36 キャピラリー電圧(kV) 4 温度(℃) 500 チャフロサイドBのMS/MSによる測定は、下記条件で行なった。 前駆体/生成物(m/z、イオンと極性) 413.0(M−H)-/292.8 衝突エネルギー(eV) 36 キャピラリー電圧(kV) 4 温度(℃) 500 上記の定量分析の結果、この市販緑茶(オクムサシ)は、チャフロサイドが55ng/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。(乾燥状態にある茶葉の製造) オクムサシの茶葉から作られた市販緑茶110g(水分含有率5wt%)を、105℃で1時間乾燥させて、乾燥状態にある茶葉(乾燥茶葉)を得た。得られた乾燥茶葉は、105℃で5時間乾燥することによって、乾燥茶葉から減量した水分量を測定し、前記計算式により乾燥茶葉の水分含有率を算出した。その結果、得られた乾燥茶葉の水分含有率は2wt%であった。(市販緑茶:品種オクムサシからチャフロサイド高含有茶葉の製造) 上記のごとく得られた乾燥茶葉100g(水分含有率2wt%)を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、140℃で30分間加熱して、チャフロサイドが増量して高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有茶葉を製造した。(市販緑茶:品種オクムサシ由来のチャフロサイド高含有茶葉の定量分析)(a)抽出工程:加熱処理して製造された前記チャフロサイド高含有茶葉をコーヒーミルで粉末化し、その緑茶粉末2gについて、20ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を加熱・乾固させて、乾固物質0.9gを得た。(c)定量分析工程:濃縮・固化工程で得られた乾固物質0.9gを4ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出し、得られたn−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの40wt%メタノール水溶液に溶解し、40wt%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法で茶葉中のチャフロサイドの定量分析を行った。 その定量分析の結果、前述のように市販緑茶(オクムサシ)の加熱処理で得られた茶葉は、チャフロサイドが11μg/g(茶葉)の含有割合で含有されていた。茶葉のチャフロサイド含有量は、加熱処理前に比較して、加熱処理後は200倍となった。実施例2(市販緑茶:品種静7312のチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:品種静7312の茶葉から作られた市販緑茶をコーヒーミルで粉末化し、その緑茶粉末3gについて、36ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で20分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.6gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.6gを10ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、60ミリリットルの30%メタノール水溶液に溶解し、50%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販茶葉(静7312)は、チャフロサイドが80ng/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。(市販緑茶:品種静7312からチャフロサイド高含有茶葉の製造) 品種静7312の茶葉から作られた市販緑茶110gを、実施例1と同様にして加熱、乾燥し、乾燥茶葉(水分含有率2wt%)を得た。その乾燥茶葉を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、130℃で240分間加熱して、チャフロサイドが増量して高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有茶葉を製造した。(市販緑茶:品種静7312由来のチャフロサイド高含有茶葉の定量分析)(a)抽出工程:加熱処理して製造された前記チャフロサイド高含有茶葉をコーヒーミルで粉末化し、その茶葉粉末3gについて、36ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で20分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.7gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.7gを10ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。そのn−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、60ミリリットルの30%メタノール水溶液に溶解し、50%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販緑茶(静7312)由来の茶葉は、チャフロサイドが18μg/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。茶葉のチャフロサイド含有量は、加熱処理前に比較して、加熱処理後は225倍となった。実施例3(市販緑茶:品種静サヤマカリオのチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:種静サヤマカオリの茶葉から作られた市販緑茶をコーヒーミルで粉末化し、その緑茶粉末4gについて、32ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で20分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質2.1gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質2.1gを15ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、80ミリリットルの30%アセトニトリル水溶液に溶解し、30%アセトニトリル水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販緑茶は、チャフロサイドが63ng/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。(市販緑茶:品種静サヤマカリオからチャフロサイド高含有緑茶の製造) 品種静サヤマカオリの茶葉から作られた市販緑茶100gを、実施例1と同様にして加熱、乾燥し、乾燥茶葉(水分含有率2wt%)を得た。その乾燥茶葉を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、150℃で10分間加熱して、チャフロサイドが増量して高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有茶葉を製造した。(市販緑茶:品種静サヤマカリオ由来のチャフロサイド高含有茶葉の定量分析)(a)抽出工程:加熱処理して製造された前記チャフロサイド高含有茶葉をコーヒーミルで粉末化し、その茶葉粉末4gについて、32ミリリットルの60wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、60℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.8gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.8gを15ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、80ミリリットルの30%アセトニトリル水溶液に溶解し、30%アセトニトリル水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販茶葉(静サヤマカリオ)由来の茶葉は、チャフロサイドが18μg/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。茶葉のチャフロサイド含有量は、加熱処理前に比較して、加熱処理後は286倍となった。実施例4(市販緑茶:品種ヤブキタのチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:品種ヤブキタの茶葉から作られた市販緑茶をコーヒーミルで粉末化し、その緑茶粉末5gを12ミリリットルの水に分散させ、そこへ38ミリリットルの70wt%メタノール水溶液を加えて抽出液(53wt%メタノール水溶液)とし、60℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質2.5gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質2.5gを12ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、100ミリリットルの30%メタノール水溶液に溶解し、50%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販緑茶は、チャフロサイドが74ng/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。(市販緑茶:品種ヤブキタからチャフロサイド高含有緑茶の製造) 品種ヤブキタの茶葉から作られた市販緑茶100gを、実施例1と同様にして加熱、乾燥し、乾燥茶葉(水分含有率2wt%)を得た。その乾燥茶葉を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、140℃で50分間加熱して、チャフロサイドが増量して高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有緑茶を製造した。(市販緑茶:品種ヤブキタ由来のチャフロサイド高含有緑茶の定量分析)(a)抽出工程:加熱処理して製造された前記チャフロサイド高含有茶葉をコーヒーミルで粉末化し、その茶葉粉末5gを12ミリリットルの水に分散させ、そこへ38ミリリットルの60wt%メタノール水溶液を加えて抽出液(46wt%メタノール水溶液)とし、60℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質2.3gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質2.3gを12ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、100ミリリットルの30%メタノール水溶液に溶解し、50%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販緑茶(ヤブキタ)由来茶葉は、チャフロサイドが13μg/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。茶葉のチャフロサイド含有量は、加熱処理前に比較して、加熱処理後は176倍となった。実施例5(市販ウーロン茶:品種静7312のチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:品種静7312の茶葉から作られた市販ウーロン茶をコーヒーミルで粉末化し、その茶葉粉末2gについて、30ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で20分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.6gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.6gを12ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの30%メタノール水溶液に溶解し、30%アセトニトリル水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販ウーロン茶(静7312)は、チャフロサイドが112ng/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。(市販ウーロン茶:品種静7312からチャフロサイド高含有ウーロン茶の製造) 品種静7312の茶葉から作られた市販ウーロン茶100gを、実施例1と同様にして加熱、乾燥し、乾燥茶葉(水分含有率2wt%)を得た。その乾燥茶葉を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、130℃で240分間加熱して、チャフロサイドが増量して高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有ウーロン茶を製造した。(市販ウーロン茶:品種静7312由来のチャフロサイド高含有ウーロン茶の定量分析)(a)抽出工程:加熱処理して製造された前記チャフロサイド高含有茶葉をコーヒーミルで粉末化し、その茶葉粉末2gを10ミリリットルの水に分散させ、そこへ25ミリリットルの60wt%メタノール水溶液を加えて抽出液(43wt%メタノール水溶液)とし、50℃で20分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質0.9gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質0.9gを5ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの30%メタノール水溶液に溶解し、30%アセトニトリル水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販ウーロン茶(静7312)由来の茶葉は、チャフロサイドが22μg/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。茶葉のチャフロサイド含有量は、加熱処理前に比較して、加熱処理後は196倍となった。実施例6(市販ウーロン茶:品種オクムサシのチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:品種オクムサシの茶葉から作られた市販ウーロン茶をコーヒーミルで粉末化し、そのウーロン茶粉末2gを8ミリリットルの水に分散させ、そこへ25ミリリットルの60wt%メタノール水溶液を加えて抽出液(46wt%メタノール水溶液)とし、60℃で15分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.1gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.1gを10ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの40%メタノール水溶液に溶解し、40%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販ウーロン茶(オクムサシ)は、チャフロサイドが72ng/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。(市販ウーロン茶:品種オクムサシからチャフロサイド高含有ウーロン茶の製造) 品種オクムサシの茶葉から作られた市販ウーロン茶100gを、実施例1と同様にして加熱、乾燥し、乾燥茶葉(水分含有率2wt%)を得た。その茶葉を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、130℃で240分間加熱して、チャフロサイドが増量して高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有ウーロン茶を製造した。(市販ウーロン茶:品種オクムサシ由来のチャフロサイド高含有ウーロン茶の定量分析)(a)抽出工程:加熱処理して製造された前記チャフロサイド高含有ウーロン茶をコーヒーミルで粉末化し、そのウーロン茶粉末2gを8ミリリットルの水に分散させ、そこへ25ミリリットルの60wt%メタノール水溶液を加えて抽出液(46wt%メタノール水溶液)とし、60℃で15分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.0gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.0gを5ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの40%メタノール水溶液に溶解し、40%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販ウーロン茶(オクムサシ)由来の茶葉は、チャフロサイドが14μg/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。茶葉のチャフロサイド含有量は、加熱処理前に比較して、加熱処理後は194倍となった。実施例7(市販紅茶:品種キーモンのチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:品種キーモンの茶葉から作られた市販紅茶をコーヒーミルで粉末化し、その紅茶粉末2gについて、20ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらに、その濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.1グラムを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.0gを4ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの30wt%メタノール水溶液に溶解し、40wt%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。この定量分析の結果、この市販紅茶(キーモン)は、チャフロサイドが72ng/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。(市販紅茶:品種キーモンからチャフロサイド高含有紅茶の製造) 品種キーモンの茶葉から作られた市販紅茶120gを、実施例1と同様にして加熱、乾燥し、乾燥茶葉(水分含有率2wt%)を得た。その乾燥茶葉を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、140℃で45分間加熱して、チャフロサイドが増量して高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有茶葉を製造した。(市販紅茶:品種キーモン由来のチャフロサイド高含有紅茶の定量分析)(a)抽出工程:品種キーモンの市販紅茶から加熱処理して製造された前記のチャフロサイド高含有紅茶をコーヒーミルで粉末化し、その紅茶粉末1gについて、20ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を加熱・乾固させて、乾固物質1.0gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質0.9gを4ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。得られたn−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、20ミリリットルの40wt%メタノール水溶液に溶解し、40wt%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法で茶葉中のチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販紅茶(キーモン)の加熱処理で得られた茶葉は、チャフロサイドが15μg/g(茶葉)の含有割合で含有されていた。茶葉のチャフロサイド含有量は、加熱処理前に比較して、加熱処理後は208倍となった。実施例8(茶渋:品種ヤブキタの茶渋のチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:品種ヤブキタの茶葉から作られた茶渋を凍結乾燥後、コーヒーミルで粉末化し、その渋茶粉末2gについて、20ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらに、その濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.0gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.0gを4ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、10ミリリットルの30wt%メタノール水溶液に溶解し、40wt%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この茶渋(ヤブキタ)は、チャフロサイドが検出されなかった。(茶渋:品種ヤブキタからチャフロサイド高含有茶渋の製造) 品種ヤブキタの茶葉から作られた茶渋の粉末120gを凍結乾燥して、その乾燥された茶渋(水分含有率は3wt%:実施例1と同様にして算出した)を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、140℃で45分間加熱して、チャフロサイドを高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有茶渋を製造した。(茶渋:品種ヤブキタ由来のチャフロサイド高含有茶渋の定量分析)(a)抽出工程:品種ヤブキタの茶渋から加熱処理して製造された前記のチャフロサイド高含有茶渋を凍結乾燥後コーヒーミルで粉末化し、その渋茶粉末1gについて、10ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)加熱して濃縮し、さらに、その濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を加熱・乾固させて、乾固物質0.8gを得た。(c)定量分析工程:濃縮・固化工程で得られた乾固物質0.8gを4ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出し、得られたn−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの40wt%メタノール水溶液に溶解し、40wt%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法で茶葉中のチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、前述のように茶渋(ヤブキタ)の凍結乾燥品の加熱処理で得られた茶渋は、チャフロサイドが22μg/g(茶渋)の含有割合で含有されていた。チャフロサイドがHPLC−MS/MS分析法により測定して1gの茶葉または茶渋に対して5〜50μgの割合で茶葉またはその茶葉の粉末もしくは茶渋中に含有されていることを特徴とするチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末もしくは茶渋。茶葉が緑茶用茶葉または紅茶用茶葉である請求項1記載のチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末。茶渋が緑茶から得られる茶渋である請求項1記載のチャフロサイド高含有茶渋。HPLC−MS/MS分析法が、茶葉または茶葉の粉末もしくは茶渋を抽出工程で得た抽出液を濃縮・乾固する濃縮・乾個工程で得られたチャフロサイドを含有する固化物を、水とn−ブタノールで液液分配し、n−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析工程によるチャフロサイドの定量分析することを含む茶葉または茶渋中のチャフロサイドの定量分析法である請求項1記載のチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末もしくは茶渋。乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末1gあたりチャフロサイドを0.5〜300ng含有していて、水分含有率が0〜5wt%である乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末を、115〜125℃で100〜350分間、あるいは125〜150℃で10〜240分間加熱処理して、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末の加熱処理前に含有していたチャフロサイドの含有割合に対して10〜1000倍の含有割合でチャフロサイドを含有している茶葉またはその茶葉の粉末を生成させることを特徴とするチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末の製造方法。(a)チャフロサイドを含有している茶葉を粉砕して、その茶葉粉末1gに対して5〜20ミリリットルの40〜60wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、5〜70℃で5〜30分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得る抽出工程、(b)(a)の抽出工程で得られた抽出液を減圧下で、その沸点まで加熱して濃縮し、さらに、その濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質を得る濃縮・乾固工程および(c)(b)の濃縮・乾固工程で得られたチャフロサイドを含有する乾固物質を、水とn−ブタノールで液液分配し、n−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法によってチャフロサイドを定量分析する工程を含む茶葉中のチャフロサイドの定量分析法によって、得られた茶葉中のチャフロサイドの含有率を定量することからなる請求項5記載のチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末を製造する方法。茶葉が緑茶用茶葉または紅茶用茶葉である請求項5または6記載のチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末の製造方法。水分含有率が0〜5wt%である乾燥状態の茶渋を125〜150℃で10〜240分間加熱処理することにより、チャフロサイドを茶渋1gあたり5〜50μg含有するチャフロサイド高含有茶渋の製造方法。(a)チャフロサイドを含有している茶渋を粉砕して、その茶渋粉末1gに対して5〜20ミリリットルの40〜60wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、5〜70℃で5〜30分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得る抽出工程、(b)(a)の抽出工程で得られた抽出液を減圧下で、その沸点まで加熱して濃縮し、さらに、その濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質を得る濃縮・乾固工程および(c)(b)の濃縮・乾固工程で得られたチャフロサイドを含有する乾固物質を、水とn−ブタノールで液液分配し、n−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法によってチャフロサイドを定量分析する工程を含む茶渋中のチャフロサイドの定量分析法によって得られた茶渋中のチャフロサイドの含有率を定量することからなる請求項8記載のチャフロサイド高含有茶渋の製造方法。茶渋が緑茶から得られる茶渋である請求項8または9記載のチャフロサイド含有茶渋の製造方法。チャフロサイドがHPLC−MS/MS分析法により測定して1gの茶葉に対して5〜50μgの割合で茶葉またはその茶葉の粉末中に含有されているチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末を含むことを特徴とするチャフロサイド高含有茶葉組成物。チャフロサイドが、HPLC−MS/MS分析法により測定して1gの茶葉に対して5〜50μgの割合で茶葉またはその茶葉の粉末中に含有されているチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末を含んでいるチャフロサイド高含有緑茶用茶葉組成物からなる健康食品。(a)チャフロサイドを含有している茶葉または茶渋を粉砕して水に分散させ、その茶葉または茶渋粉末を前記水の5〜20倍容量の40〜60wt%メタノール水溶液を用いて、5〜70℃で5〜30分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得る抽出工程、(b)(a)の抽出工程で得られた抽出液を減圧下で、該抽出液の沸点より40℃高い温度で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質を得る濃縮・乾固工程および(c)(b)の濃縮・乾固工程で得られたチャフロサイドを含有する乾固物質を、水とn−ブタノールで液液分配し、そのn−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法を用いたチャフロサイドの定量分析工程、を含むことを特徴とするチャフロサイドの定量分析法。 【課題】本発明は、抗酸化作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、発癌抑制作用をあることが知れているチャフロサイド(フラボンC配糖体)を極めて高い割合で含有している茶葉(特に、緑茶)またはその茶葉(特に、緑茶)の粉末もしくは茶渋を提供し、そして、チャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末もしくは茶渋を容易に製造する方法を提供することを目的とするものである。【解決手段】チャフロサイドがHPLC−MS/MS分析法により測定して1gの茶葉または茶渋に対して5〜50μgの割合で茶葉またはその茶葉の粉末もしくは茶渋中に含有されていることを特徴とするチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末もしくは茶渋、特に、茶葉が緑茶用茶葉または紅茶用茶葉であり、茶渋が緑茶から得られる茶渋であるチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末もしくは茶渋である。【選択図】なし


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特許公報(B2)_チャフロサイド高含有茶葉およびその製造方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_チャフロサイド高含有茶葉およびその製造方法
出願番号:2007308046
年次:2013
IPC分類:A23F 3/14,A23F 3/06,A23L 1/30,G01N 30/88,G01N 30/06,G01N 30/26,G01N 30/72,G01N 30/86,G01N 27/62


特許情報キャッシュ

糠谷 東雄 石田 均司 JP 5214226 特許公報(B2) 20130308 2007308046 20071128 チャフロサイド高含有茶葉およびその製造方法 株式会社 資生堂 000001959 岩橋 祐司 100092901 糠谷 東雄 石田 均司 JP 2007286752 20071102 20130619 A23F 3/14 20060101AFI20130530BHJP A23F 3/06 20060101ALI20130530BHJP A23L 1/30 20060101ALI20130530BHJP G01N 30/88 20060101ALI20130530BHJP G01N 30/06 20060101ALI20130530BHJP G01N 30/26 20060101ALI20130530BHJP G01N 30/72 20060101ALI20130530BHJP G01N 30/86 20060101ALI20130530BHJP G01N 27/62 20060101ALI20130530BHJP JPA23F3/14A23F3/06 ZA23L1/30 BG01N30/88 NG01N30/88 CG01N30/06 ZG01N30/26 AG01N30/72 CG01N30/86 JG01N27/62 X A23F A23L G−Search 食品関連文献情報(食ネット) 特開2006−342103(JP,A) 国際公開第2004/005296(WO,A1) 国際公開第2005/099488(WO,A1) 7 2009131161 20090618 19 20101118 小暮 道明 本発明は、チャフロサイドを高い割合で含有しているチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末または茶渋に係わるものであり、また、チャフロサイドが微量しか含有していない乾燥された茶葉(例えば、通常の緑茶、ほうじ茶、紅茶、ウーロン茶など各種の茶葉製品)からチャフロサイドを高い割合で含有している茶葉またはその茶葉の粉末を生成する、チャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末または茶渋の製造方法に係わる。 チャフロサイドは、フラボン誘導体の一種であるフラボンC配糖体であり、ウーロン茶から単離され、次に示す構造式の物質として知られており、医薬品としてはチャフロサイドAと命名されている。上記の化合物の正式名称は、OTAC:(2R,3S,4S,4aS,11bS)-3,4,11-trihydroxy-2-(hydroxymethyl)-8-(4-hydroxyphenyl)-3.4.4a.11b-tetrahydro-2H,10H-pyrano[2'3':4.5]furo[3.2-g]chromen-10-one である。 チャフロサイドは、抗酸化作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、発癌抑制作用を示すことが知れているが、通常の茶葉製品(例えば、緑茶、ほうじ茶、紅茶、ウーロン茶など)には、チャフロサイドが極めて微量しか含有しておらず、その作用の有効な利用のために、茶葉中にチャフロサイドを高い割合で含有している茶葉を容易に製造できる方法、並びに、チャフロサイド高含有茶葉が提供されることが期待されている。 チャフロサイドは、ウーロン茶から抽出などで微量単離されているが、そのチャフロサイドの含有率を高い精度で測定することが困難であり、具体的に正確な含有率を定量的に分析する方法が明らかになっておらず、一般にかなり微量な含有量であるとされていた。 例えば、緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶などの茶葉製品中に、チャフロサイドがどの程度の割合で含有されているかについて、正確に明らかになっていなかった。 最近、特許文献2の実施例1において、茶葉中の茶葉抽出物(Oolong tea active compound:OTAC)の含有率について、HPLC分析法、LC/MS/MS分析法などの定量分析方法によるデータが開示されている。 そのHPLC分析法によれば、緑茶で80ng/g(茶葉)、焙じ茶で2.4μg/g(茶葉)、ウーロン茶で25μg/g(茶葉)、紅茶で80ng/g(茶葉)程度であった。 特許文献2の実施例1によれば、「焙じ茶は、緑茶を180℃以上の高温で処理したものであるが、同一茶葉を熱処理することによって、OTACの含量が数倍増加するという結果が得られた。」と記載されている。 しかし、特許文献2の実施例1においては、この実験で最初に用いられた各種の茶葉がどのような量であるか、どのような履歴の茶葉であるかが具体的に示されておらず、表1に記載された『OTACであるチャフロサイドの含量』が本当に適正な含量であるかどうか明確でない。 一般的に、緑茶を180℃以上の高温で加熱処理すると、茶葉中のチャフロサイドがかなり熱分解してしまうということが起こることが知られている。 特許文献2と同じ発明者が含まれている先願の特許文献1における実施例1によれば、ウーロン茶5.0kgから、980μgの前記式(1)の化合物(フラボンC配糖体)およびその異性体(下記式(2))147μgが得られたことが記載されている。すなわち、式(1)のチャフロサイドが、191ng/g(茶葉)の割合で、そして、式(2)のチャフロサイドが29.4ng/g(茶葉)の割合で、ウーロン茶中に含有されていたことが開示されていることからも明らかである。 特許文献2の実施例1においても、特許文献1の実施例と同じように『ウーロン茶5.0kg』を用いてチャフロサイドの定量分析が行われたとすれば、チャフロサイドの含量が125ng/g(茶葉)程度の割合であったと推測され、特許文献1の実施例におけるチャフロサイドの含量割合『191ng/g(茶葉)』とかなり近い値となる。 従って、特許文献2の実施例1におけるウーロン茶の定量分析で測定されたと記述されているチャフロサイドの含量(620μg/25g茶葉)が正しい含有割合を示しているものではないと考えられる。 なお、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7などには、茶葉の製茶工程において、かなり高温の熱風を製茶機内へ供給して乾燥しながら、茶葉の揉みこみが行われていることが知られているが、その乾燥工程においては、茶葉中にかなり多量の水分が含有されているので、茶葉からの水分の蒸発によって、茶葉自体が100℃以上の高温になることが実質的になかったのである。 特許文献5には、杜仲茶用の茶葉の製造は、産地で収穫した茶葉を天日で乾燥し、この乾燥品を通常100〜140℃で30〜50分間焙煎し、さらに適当な大きさに切断することにより行われていることが記載されているが、この場合における杜仲茶用の茶葉の乾燥とは、生茶に付着していた水分の一部を蒸発させることであり、その乾燥された生茶中にはかなり多量の水分を含有していて通常100〜140℃(熱風温度)で30〜50分間焙煎しても生茶葉中にかなりの水分を含んでいるものである。 特許文献5の発明における杜仲茶用の茶葉の製造では、杜仲茶生茶を蒸熱する工程、杜仲葉(水分を多量に含んでいる)を攪拌および揉圧しながら乾燥する工程、杜仲葉を粉砕する工程、および杜仲葉に対して遠赤外線を照射することにより、杜仲葉を乾燥する工程によって行われている。 さらに特許文献5の発明における杜仲茶用の茶葉の製造では、前述の製法で得られた杜仲茶葉を70〜150℃の圧縮空気(熱風)を用いてジェットミルにより平均径が3〜14μmの粉末に粉砕して杜仲葉緑色粉末が製造される。この公知の杜仲葉緑色粉末は、水分含有率が2%であった。 しかし、特許文献5には、本発明におけるように、十分に乾燥された茶葉自体を115〜150℃に加熱する加熱処理について開示されておらず、前記の杜仲葉緑色粉末中にチャフロサイドがどの程度含有されているかどうかについて全く開示されていない。 すなわち、従来、茶葉中のチャフロサイドを高い精度で定量的に測定する分析法が明らかになっていなかったと共に、茶葉中にチャフロサイドを高い含有率で含有する茶葉を再現性よく製造する方法は具体的に明らかになっていなかったのである。 緑茶の製造工程において、茶葉の主に芽の部分などの比較的もろい部分から出る粉茶あるいはこれが固まったものを、茶業界では茶渋と称し、茶渋自体が茶の品質を低下させ、また細菌の汚染源になることから、茶渋の処理は大きな問題となっている。このため、茶渋を有効に利用する方法の開発が望まれている。特開2004−035474号公報特開2006−342103号公報特開平05−344843号公報特開平11−155537号公報特開2005−287469号公報特開2006−034277号公報特開2006−042678号公報 本発明は、抗酸化作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、発癌抑制作用をあることが知れているチャフロサイド(フラボンC配糖体)を極めて高い割合で含有している茶葉(特に、緑茶)またはその茶葉(特に、緑茶)の粉末もしくは茶渋を提供し、そして、チャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末もしくは茶渋を容易に製造する方法を提供することを目的とするものである。 さらに本発明は、茶葉中のチャフロサイドを高い精度で定量的に測定する定量分析法を提供することを目的とするものである。 この出願において、第1の発明は、チャフロサイドがHPLC−MS/MS分析法により測定して1gの茶葉に対して5〜50μgの割合で茶葉またはその茶葉の粉末もしくは茶渋中に含有されていることを特徴とするチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末もしくは茶渋に関する。 前記の第1の発明において、茶葉またはその茶葉の粉末が、例えば、緑茶用茶葉またはその緑茶用粉末または紅茶用茶葉またはその紅茶用粉末であり、また、茶渋が緑茶から得られる茶渋であって、チャフロサイドがHPLC−MS/MS分析法により測定して1gの茶葉または茶葉の粉末もしくは茶渋に対して、5〜50μg(好ましくは5〜30μg)の割合で含有されていることが好ましい。 第2の発明は、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末中に、チャフロサイドを微量含有していて、水分含有率が0〜5wt%(好ましくは0.05〜3wt%)である乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末を、115〜125℃で100〜350分間(好ましくは130〜300分間)、あるいは125〜150℃で10〜240分間(好ましくは10〜120分間、さらに好ましくは20〜100分間)加熱処理して、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末が加熱処理前に含有していたチャフロサイドの含有割合に対して、10〜1000倍(好ましくは15〜800倍)の含有割合でチャフロサイドを含有している茶葉またはその茶葉の粉末を生成させるチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末の製造方法に関する。 本発明において、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末とは、その水分含有率が0〜5wt%であり、好ましくは0.05〜3wt%であり、さらに好ましくは0.1〜2wt%である乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末である。 本発明においては、たとえば、105℃で5〜10時間乾燥させて得られる乾燥状態の高い乾燥茶葉またはその粉末であって、水分含有率が0.1〜2.0wt%である乾燥茶葉またはその粉末は、115〜150℃の温度で比較的短時間、加熱処理することによって、茶葉の品質(茶の味、風味など)が高いレベルに維持され、かつ、茶葉中のチャフロサイドの生成が好適に行なわれるので、チャフロサイド高含有茶葉またはその粉末が再現性よく得られ、特に好ましい。 前記の乾燥茶葉の水分含有率の測定については、茶業研究報告 第71号、43〜47頁(1990)(文献A)における『茶の分析法』の記載、および、茶業技術研究 第43号,41〜44頁(1971)における『乾燥法による茶の水分の定量』の記載を参照することができる。文献Aによれば、茶の水分含有量(含有率)は、荒茶の段階で6〜7wt%であり、仕上げ茶で4〜5wt%であることが記載されている。茶の水分含有量(wt%)については、一般に、秤量容器に均質にした試料A(g)(一般に、A=3g)を採取し、98〜105℃の温度で恒量B(g)となるまで、約5〜10時間乾燥し、乾燥減量A−B(g)を水分とすることで、下記の計算式により算出される。本発明においても、茶葉の水分含有率は下記計算式により算出した。茶の水分含有量(含有率 wt%)=〔(A−B)/A〕×100 前記の第2の発明のチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末の製造方法において、前記の加熱処理によって得られた茶葉中のチャフロサイドの含有率の定量分析は、(a)チャフロサイドを含有している茶葉を粉砕して(さらに必要であれば、その茶葉粉末を水に分散させ)、その茶葉粉末1gに対して5〜20ミリリットルの40〜60wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、5〜70℃(好ましくは15〜60℃)で5〜30分間(好ましくは15〜20分間)の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得る抽出工程、(b)(a)の抽出工程で得られた抽出液を減圧下で十分に加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質を得る濃縮・乾固工程および(c)(b)の濃縮・乾固工程で得られたチャフロサイドを含有する乾固物質を、水とn−ブタノールを用いて液液分配し、そのn−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法によるチャフロサイドの定量分析、を含む茶葉中のチャフロサイドの定量分析法で行うことが好ましい。 茶葉の抽出液を用いる本発明に係るHPLC−MS/MS分析法においては、チャフロサイドAおよびBの標品を、報文(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、2004年、Vol.14、p.3201−3203)の記載に従って、イソビテキシン(isovitexin)とビテキシン(vitexin)を原料として用いてそれぞれ合成し、その標品より定量用の標準溶液を調製した。具体的には、1000、100、10、1および0.1ng/ミリリットルの濃度の溶液を調製して、それらの標準溶液を用いて測定された標準データと、前記の茶葉の抽出液によるHPLC−MS/MS分析法のデータとを比較することによって、定量分析が行われる。当該定量分析法によって、茶葉中のチャフロサイド(チャフロサイドAおよびB)含有割合を高い精度で測定することができる。 第3の発明は、水分含有率が0〜5wt%である乾燥状態の茶渋を125〜150℃で10〜120分間加熱処理することにより、チャフロサイドを茶渋1gあたり5〜50μg含有するチャフロサイド高含有茶渋の製造方法に関する。 前記の第3の発明のチャフロサイド高含有茶渋の製造方法において、前記の加熱処理によって得られた茶渋中のチャフロサイドの含有率の定量分析は、(a)チャフロサイドを含有している茶渋を粉砕して、その茶葉粉末1gに対して5〜20ミリリットルの40〜60wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、5〜70℃で5〜30分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得る抽出工程、(b)(a)の抽出工程で得られた抽出液を減圧下で、その沸点まで加熱して濃縮し、さらに、その濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質を得る濃縮・乾固工程および(c)(b)の濃縮・乾固工程で得られたチャフロサイドを含有する乾固物質を、水とn−ブタノールを用いて液液分配し、そのn−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法によってチャフロサイドを定量分析する工程、を含む茶渋中のチャフロサイドの定量分析法で行うことが好ましい。 第4の発明は、チャフロサイドがHPLC−MS/MS分析法により測定して1gの茶葉に対して5〜50μgの割合で茶葉またはその茶葉の粉末中に含有されているチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末を含むチャフロサイド高含有茶葉組成物に関する。 第5の発明は、チャフロサイドがHPLC−MS/MS分析法により測定して1gの茶葉に対して5〜50μgの割合で茶葉またはその茶葉の粉末中に含有されているチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末を含むチャフロサイド高含有茶葉組成物からなる健康食品に関する。 第6の発明は、(a)チャフロサイドを含有している茶葉または茶渋を粉砕して(さらに必要であれば、その茶葉粉末または茶渋粉末を水に分散させ)、その茶葉粉末または茶渋粉末1gに対して5〜20ミリリットルの40〜60wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、5〜70℃で5〜30分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得る抽出工程、(b)(a)の抽出工程で得られた抽出液を減圧下でその沸点より40℃高い温度で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質を得る濃縮・乾固工程、および、(c)(b)の濃縮・乾固工程で得られたチャフロサイドを含有する乾固物質を、水とn−ブタノールで液液分配し、n−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法を用いたチャフロサイドの定量分析工程、を含むことを特徴とするチャフロサイドの定量分析法に関する。 本発明のチャフロサイド高含有茶葉または茶渋は、抗酸化作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、発癌抑制作用を有することが知られているチャフロサイド(フラボンC配糖体)を極めて高い割合で含有している茶葉(特に、緑茶)またはその茶葉(特に、緑茶)の粉末もしくは茶渋を提供することができる。 本発明のチャフロサイド高含有茶葉は、チャフロイドの含有量が極めて高い割合で含有されているので、チャフロサイドに基づく、健康を維持するための種々の効果(予防的な効果)を有する茶葉製品が得られ、健康食品として利用することができる。 本発明のチャフロサイド高含有茶葉の製造方法は、チャフロサイドを高い含有率で含有する茶葉を容易に製造する方法を提供することができ、しかも、カフェインの含有量が低下し、タンニン成分が変化して、さらにシュウ酸の含有量が減少して、茶葉を飲料として飲んだ場合に、渋味が消えて、甘味をより感じるようになり、茶葉本来の好ましい味を維持し、より良い味になり、茶葉製品として高い品質を与えることができる。 さらに、本発明のチャフロサイド高含有茶渋の製造方法は、チャフロサイドを高い含有率で含有する茶渋を容易に製造する方法を提供することができ、茶渋を有効に利用することができる。 本発明におけるチャフロサイドの定量分析法は、従来の茶葉中のチャフロサイドを定量分析する方法に対して、茶葉または茶渋中のチャフロサイドを高い精度で容易に測定することができる。 本願の第1の発明のチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末において、茶葉としては、例えば、緑茶用茶葉、焙じ茶用茶葉、紅茶用茶葉、ウーロン茶などを挙げることができるが、特に、緑茶用茶葉、紅茶用茶葉が好ましい。 本発明のチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末においては、チャフロサイドがHPLC−MS/MS分析法により測定して1gの緑茶用茶葉に対して5〜50μg(好ましくは5〜30μg)の割合で緑茶用茶葉またはその緑茶用茶葉の粉末中に含有されているチャフロサイド高含有緑茶用茶葉またはその緑茶用茶葉の粉末が最適である。 本願の第1の発明のチャフロサイド高含有茶渋において、渋茶としては、緑茶の製造工程において、茶葉の主に芽の部分などの比較的もろい部分から出る粉茶あるいはこれが固まったものを使用することができる。 本願の第1〜第6の発明におけるHPLC−MS/MS分析法は、茶葉中のチャフロサイドの定量分析法であって、茶葉または茶葉の粉末の抽出工程で得た抽出液を濃縮・乾固し、かかる濃縮・乾個工程で得られたチャフロサイドを含有する固化物を、水とn−ブタノールで液液分配し、そのn−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液溶媒によるHPLC−MS/MS分析工程によりチャフロサイドを定量分析することを含み、茶葉中のチャフロサイドを高い精度で定量分析することができるので好ましい。 本願の第1〜第6の発明におけるHPLC−MS/MS分析法は、すくなくとも、(a)抽出工程、(b)濃縮・乾固工程、および(c)チャフロサイドの定量分析工程を含む定量分析法であることが、茶葉中のチャフロサイドを高い精度で定量分析することができるので好ましい。 前記のHPLC−MS/MS分析法では、たとえば、インタクト株式会社製のC18カラムを用い、特定の溶媒を用いる、「Cadennza CD C18のHPLC−MS/MS分析法」を用いることができる。 前記(a)抽出工程では、チャフロサイドを含有している茶葉または茶渋を粉砕して(さらに必要であれば、その茶葉粉末または茶渋粉末を水中に十分に分散させ)、その茶葉粉末または茶渋粉末1gに対して5〜20ミリリットルの40〜60wt%(好ましくは45〜55wt%)メタノール水溶液を抽出液として用い、5〜70℃(特に好ましくは15〜60℃)で5〜30分間(特に好ましくは10〜25分間)の抽出操作を行うことが特に好ましい。 前記(a)抽出工程において、茶葉粉末または茶渋粉末を水に分散する場合には、その茶葉粉末または茶渋粉末1gに対して5〜20ミリリットルのメタノール水溶液を抽出液として用い、該抽出液を、前記茶葉粉末または茶渋粉末を分散した水に加えた後のメタノール濃度が40〜60wt%(好ましくは45〜55wt%)であることが好ましい。 前記(b)濃縮・乾固工程においては、前記(a)抽出工程で得られた抽出液を減圧下(好ましくは10〜500mmHgの減圧下)で十分な温度にまで加熱して、抽出液の溶媒を蒸発させて濃縮し、さらにその濃縮温度でその加熱を続けて溶媒を実質的に除去して、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質を得ることが特に好ましい。 前記(c)チャフロサイドの定量分析工程においては、前記(b)濃縮・乾固工程で得られたチャフロサイドを含有する乾固物質を水とn−ブタノールで液液分配し、そのn−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法によりチャフロサイドの定量分析を行なうことが特に好ましい。 前記のメタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液は、20〜80wt%のメタノール水溶液、または、10〜60wt%のアセトニトリル水溶液であることが、HPLC−MS/MS分析法において特に高い精度で茶葉中のチャフロサイドを定量分析することができるので、さらに好ましい。 本願の第2の発明(製造方法)においては、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末は、一般に、乾燥された緑茶製品、焙じ茶製品、ウーロン茶製品、紅茶製品や、一般の製茶工程において、水分含有率が0〜5wt%(好ましくは0.05〜3wt%、さらに好ましくは0.1〜2wt%)である乾燥茶葉をあげることができ、さらに、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉1gあたりチャフロサイドが0.5〜300ng(好ましくは1〜200ng)の含有割合で乾燥茶葉中に含有されているものを用いることが好ましい。 本願の第2の発明(製造方法)において用いられる乾燥茶葉としては、前記乾燥状態にある緑茶用茶葉、ウーロン茶用茶葉または紅茶用茶葉が好ましく、特に、緑茶用茶葉が最適である。 本願の第2の発明では、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末中に、チャフロサイドを微量含有していて、水分含有率が0〜5wt%(好ましくは0.05〜3wt%、さらに好ましくは0.1〜2wt%)である乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末を、115〜125℃で100〜350分間(好ましくは130〜300分間)、あるいは125〜150℃で10〜240分間(好ましくは10〜120分間、さらに好ましくは20〜100分間)加熱処理して、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末が加熱処理前に含有していたチャフロサイドの含有割合に対して10〜1000倍(好ましくは15〜800倍)の含有割合でチャフロサイドを含有している茶葉またはその茶葉の粉末を生成させるチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末の製造方法が好ましい。 本願の第2の発明では、低い加熱温度では、加熱時間が十分に長い加熱処理をする必要があり、たとえば、120℃の加熱温度では300〜350分間程度の加熱処理を行い、一方、高い加熱温度では短い加熱時間であればよく、たとえば、135℃では20〜40分間程度の加熱処理を行えばよい。 前記加熱処理は、加熱処理を行っている間、茶葉中のチャフロキサイドの含有率を前記のHPLC−MS/MS分析法で測定しながら行うことが好ましい。 本願の第2の発明では、加熱処理装置として、茶葉の加熱温度の測定と調節ができるものであればよく、一般の電熱装置を用いることが好ましい。 本願の第3の発明では、水分含有率が0〜5wt%(好ましくは0.05〜3wt%、さらに好ましくは0.1〜2wt%)である乾燥茶渋の粉末を、125〜150℃で10〜240分間(好ましくは10〜120分間、さらに好ましくは20〜100分間)加熱処理して、チャフロサイド高含有茶渋を製造する方法が好ましい。 本願の第4の発明(組成物)および第5の発明(健康食品)では、チャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末中に含まれているチャフロサイドが、HPLC−MS/MS分析法により測定して1gの茶葉に対して8〜50μg(好ましくは10〜30μg)の割合で含有されており、そのチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末が5〜95wt%(特に10〜90wt%)の割合で含まれていることが適当である。 つぎに本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。実施例1(市販緑茶:品種オクムサシのチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:品種オクムサシの茶葉から作られた市販緑茶をコーヒーミルで粉末化し、その緑茶粉末2gについて、20ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(100mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.0gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.0gを4ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの30wt%メタノール水溶液に溶解し、この10マイクロリットルについて、40wt%メタノール水溶液を展開溶媒として用いるHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 HPLC−MS/MS分析法には、HPLCとして、定量用カラムのCadenza CD C18(内径3mm、カラム長150mm)を装着したAgellent 1100を用い、MS装置としてAPI2000またはAPI3000(アプライドバイオシステムズ社(製))を用いた。なお、展開溶媒として40wt%メタノールを使用した。チャフロサイドAおよびBの保持時間は、カラム流速0.2ミリリットル/分で、それぞれ14.8分および15.6分であった。MS/MSの測定は、エレクトロスプレーイオン化法により行った。 チャフロサイドAのMS/MSによる測定は、下記条件で行なった。 前駆体/生成物(m/z、イオンと極性) 413.0(M−H)-/293.0 衝突エネルギー(eV) 36 キャピラリー電圧(kV) 4 温度(℃) 500 チャフロサイドBのMS/MSによる測定は、下記条件で行なった。 前駆体/生成物(m/z、イオンと極性) 413.0(M−H)-/292.8 衝突エネルギー(eV) 36 キャピラリー電圧(kV) 4 温度(℃) 500 上記の定量分析の結果、この市販緑茶(オクムサシ)は、チャフロサイドが55ng/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。(乾燥状態にある茶葉の製造) オクムサシの茶葉から作られた市販緑茶110g(水分含有率5wt%)を、105℃で1時間乾燥させて、乾燥状態にある茶葉(乾燥茶葉)を得た。得られた乾燥茶葉は、105℃で5時間乾燥することによって、乾燥茶葉から減量した水分量を測定し、前記計算式により乾燥茶葉の水分含有率を算出した。その結果、得られた乾燥茶葉の水分含有率は2wt%であった。(市販緑茶:品種オクムサシからチャフロサイド高含有茶葉の製造) 上記のごとく得られた乾燥茶葉100g(水分含有率2wt%)を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、140℃で30分間加熱して、チャフロサイドが増量して高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有茶葉を製造した。(市販緑茶:品種オクムサシ由来のチャフロサイド高含有茶葉の定量分析)(a)抽出工程:加熱処理して製造された前記チャフロサイド高含有茶葉をコーヒーミルで粉末化し、その緑茶粉末2gについて、20ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を加熱・乾固させて、乾固物質0.9gを得た。(c)定量分析工程:濃縮・固化工程で得られた乾固物質0.9gを4ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出し、得られたn−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの40wt%メタノール水溶液に溶解し、40wt%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法で茶葉中のチャフロサイドの定量分析を行った。 その定量分析の結果、前述のように市販緑茶(オクムサシ)の加熱処理で得られた茶葉は、チャフロサイドが11μg/g(茶葉)の含有割合で含有されていた。茶葉のチャフロサイド含有量は、加熱処理前に比較して、加熱処理後は200倍となった。実施例2(市販緑茶:品種静7312のチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:品種静7312の茶葉から作られた市販緑茶をコーヒーミルで粉末化し、その緑茶粉末3gについて、36ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で20分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.6gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.6gを10ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、60ミリリットルの30%メタノール水溶液に溶解し、50%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販茶葉(静7312)は、チャフロサイドが80ng/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。(市販緑茶:品種静7312からチャフロサイド高含有茶葉の製造) 品種静7312の茶葉から作られた市販緑茶110gを、実施例1と同様にして加熱、乾燥し、乾燥茶葉(水分含有率2wt%)を得た。その乾燥茶葉を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、130℃で240分間加熱して、チャフロサイドが増量して高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有茶葉を製造した。(市販緑茶:品種静7312由来のチャフロサイド高含有茶葉の定量分析)(a)抽出工程:加熱処理して製造された前記チャフロサイド高含有茶葉をコーヒーミルで粉末化し、その茶葉粉末3gについて、36ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で20分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.7gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.7gを10ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。そのn−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、60ミリリットルの30%メタノール水溶液に溶解し、50%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販緑茶(静7312)由来の茶葉は、チャフロサイドが18μg/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。茶葉のチャフロサイド含有量は、加熱処理前に比較して、加熱処理後は225倍となった。実施例3(市販緑茶:品種静サヤマカリオのチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:種静サヤマカオリの茶葉から作られた市販緑茶をコーヒーミルで粉末化し、その緑茶粉末4gについて、32ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で20分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質2.1gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質2.1gを15ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、80ミリリットルの30%アセトニトリル水溶液に溶解し、30%アセトニトリル水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販緑茶は、チャフロサイドが63ng/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。(市販緑茶:品種静サヤマカリオからチャフロサイド高含有緑茶の製造) 品種静サヤマカオリの茶葉から作られた市販緑茶100gを、実施例1と同様にして加熱、乾燥し、乾燥茶葉(水分含有率2wt%)を得た。その乾燥茶葉を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、150℃で10分間加熱して、チャフロサイドが増量して高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有茶葉を製造した。(市販緑茶:品種静サヤマカリオ由来のチャフロサイド高含有茶葉の定量分析)(a)抽出工程:加熱処理して製造された前記チャフロサイド高含有茶葉をコーヒーミルで粉末化し、その茶葉粉末4gについて、32ミリリットルの60wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、60℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.8gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.8gを15ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、80ミリリットルの30%アセトニトリル水溶液に溶解し、30%アセトニトリル水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販茶葉(静サヤマカリオ)由来の茶葉は、チャフロサイドが18μg/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。茶葉のチャフロサイド含有量は、加熱処理前に比較して、加熱処理後は286倍となった。実施例4(市販緑茶:品種ヤブキタのチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:品種ヤブキタの茶葉から作られた市販緑茶をコーヒーミルで粉末化し、その緑茶粉末5gを12ミリリットルの水に分散させ、そこへ38ミリリットルの70wt%メタノール水溶液を加えて抽出液(53wt%メタノール水溶液)とし、60℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質2.5gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質2.5gを12ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、100ミリリットルの30%メタノール水溶液に溶解し、50%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販緑茶は、チャフロサイドが74ng/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。(市販緑茶:品種ヤブキタからチャフロサイド高含有緑茶の製造) 品種ヤブキタの茶葉から作られた市販緑茶100gを、実施例1と同様にして加熱、乾燥し、乾燥茶葉(水分含有率2wt%)を得た。その乾燥茶葉を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、140℃で50分間加熱して、チャフロサイドが増量して高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有緑茶を製造した。(市販緑茶:品種ヤブキタ由来のチャフロサイド高含有緑茶の定量分析)(a)抽出工程:加熱処理して製造された前記チャフロサイド高含有茶葉をコーヒーミルで粉末化し、その茶葉粉末5gを12ミリリットルの水に分散させ、そこへ38ミリリットルの60wt%メタノール水溶液を加えて抽出液(46wt%メタノール水溶液)とし、60℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質2.3gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質2.3gを12ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、100ミリリットルの30%メタノール水溶液に溶解し、50%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販緑茶(ヤブキタ)由来茶葉は、チャフロサイドが13μg/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。茶葉のチャフロサイド含有量は、加熱処理前に比較して、加熱処理後は176倍となった。実施例5(市販ウーロン茶:品種静7312のチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:品種静7312の茶葉から作られた市販ウーロン茶をコーヒーミルで粉末化し、その茶葉粉末2gについて、30ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で20分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.6gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.6gを12ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの30%メタノール水溶液に溶解し、30%アセトニトリル水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販ウーロン茶(静7312)は、チャフロサイドが112ng/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。(市販ウーロン茶:品種静7312からチャフロサイド高含有ウーロン茶の製造) 品種静7312の茶葉から作られた市販ウーロン茶100gを、実施例1と同様にして加熱、乾燥し、乾燥茶葉(水分含有率2wt%)を得た。その乾燥茶葉を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、130℃で240分間加熱して、チャフロサイドが増量して高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有ウーロン茶を製造した。(市販ウーロン茶:品種静7312由来のチャフロサイド高含有ウーロン茶の定量分析)(a)抽出工程:加熱処理して製造された前記チャフロサイド高含有茶葉をコーヒーミルで粉末化し、その茶葉粉末2gを10ミリリットルの水に分散させ、そこへ25ミリリットルの60wt%メタノール水溶液を加えて抽出液(43wt%メタノール水溶液)とし、50℃で20分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質0.9gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質0.9gを5ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの30%メタノール水溶液に溶解し、30%アセトニトリル水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販ウーロン茶(静7312)由来の茶葉は、チャフロサイドが22μg/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。茶葉のチャフロサイド含有量は、加熱処理前に比較して、加熱処理後は196倍となった。実施例6(市販ウーロン茶:品種オクムサシのチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:品種オクムサシの茶葉から作られた市販ウーロン茶をコーヒーミルで粉末化し、そのウーロン茶粉末2gを8ミリリットルの水に分散させ、そこへ25ミリリットルの60wt%メタノール水溶液を加えて抽出液(46wt%メタノール水溶液)とし、60℃で15分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.1gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.1gを10ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの40%メタノール水溶液に溶解し、40%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販ウーロン茶(オクムサシ)は、チャフロサイドが72ng/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。(市販ウーロン茶:品種オクムサシからチャフロサイド高含有ウーロン茶の製造) 品種オクムサシの茶葉から作られた市販ウーロン茶100gを、実施例1と同様にして加熱、乾燥し、乾燥茶葉(水分含有率2wt%)を得た。その茶葉を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、130℃で240分間加熱して、チャフロサイドが増量して高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有ウーロン茶を製造した。(市販ウーロン茶:品種オクムサシ由来のチャフロサイド高含有ウーロン茶の定量分析)(a)抽出工程:加熱処理して製造された前記チャフロサイド高含有ウーロン茶をコーヒーミルで粉末化し、そのウーロン茶粉末2gを8ミリリットルの水に分散させ、そこへ25ミリリットルの60wt%メタノール水溶液を加えて抽出液(46wt%メタノール水溶液)とし、60℃で15分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.0gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.0gを5ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの40%メタノール水溶液に溶解し、40%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販ウーロン茶(オクムサシ)由来の茶葉は、チャフロサイドが14μg/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。茶葉のチャフロサイド含有量は、加熱処理前に比較して、加熱処理後は194倍となった。実施例7(市販紅茶:品種キーモンのチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:品種キーモンの茶葉から作られた市販紅茶をコーヒーミルで粉末化し、その紅茶粉末2gについて、20ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらに、その濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.1グラムを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.0gを4ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの30wt%メタノール水溶液に溶解し、40wt%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。この定量分析の結果、この市販紅茶(キーモン)は、チャフロサイドが72ng/g(茶葉)の含有割合で含まれていた。(市販紅茶:品種キーモンからチャフロサイド高含有紅茶の製造) 品種キーモンの茶葉から作られた市販紅茶120gを、実施例1と同様にして加熱、乾燥し、乾燥茶葉(水分含有率2wt%)を得た。その乾燥茶葉を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、140℃で45分間加熱して、チャフロサイドが増量して高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有茶葉を製造した。(市販紅茶:品種キーモン由来のチャフロサイド高含有紅茶の定量分析)(a)抽出工程:品種キーモンの市販紅茶から加熱処理して製造された前記のチャフロサイド高含有紅茶をコーヒーミルで粉末化し、その紅茶粉末1gについて、20ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を加熱・乾固させて、乾固物質1.0gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質0.9gを4ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。得られたn−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、20ミリリットルの40wt%メタノール水溶液に溶解し、40wt%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法で茶葉中のチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この市販紅茶(キーモン)の加熱処理で得られた茶葉は、チャフロサイドが15μg/g(茶葉)の含有割合で含有されていた。茶葉のチャフロサイド含有量は、加熱処理前に比較して、加熱処理後は208倍となった。実施例8(茶渋:品種ヤブキタの茶渋のチャフロサイド含有率の定量分析)(a)抽出工程:品種ヤブキタの茶葉から作られた茶渋を凍結乾燥後、コーヒーミルで粉末化し、その渋茶粉末2gについて、20ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)で加熱して濃縮し、さらに、その濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質1.0gを得た。(c)定量分析工程:前記の濃縮・固化工程で得られた乾固物質1.0gを4ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出した。n−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、10ミリリットルの30wt%メタノール水溶液に溶解し、40wt%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法でチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、この茶渋(ヤブキタ)は、チャフロサイドが検出されなかった。(茶渋:品種ヤブキタからチャフロサイド高含有茶渋の製造) 品種ヤブキタの茶葉から作られた茶渋の粉末120gを凍結乾燥して、その乾燥された茶渋(水分含有率は3wt%:実施例1と同様にして算出した)を、宮村鉄工所(株)製のミニ火入れ機を用いて、140℃で45分間加熱して、チャフロサイドを高い含有率で含有しているチャフロサイド高含有茶渋を製造した。(茶渋:品種ヤブキタ由来のチャフロサイド高含有茶渋の定量分析)(a)抽出工程:品種ヤブキタの茶渋から加熱処理して製造された前記のチャフロサイド高含有茶渋を凍結乾燥後コーヒーミルで粉末化し、その渋茶粉末1gについて、10ミリリットルの50wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、50℃で10分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得た。(b)濃縮・固化工程:前記の抽出工程で得られた抽出液を減圧下(30mmHg)加熱して濃縮し、さらに、その濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を加熱・乾固させて、乾固物質0.8gを得た。(c)定量分析工程:濃縮・固化工程で得られた乾固物質0.8gを4ミリリットルの水に懸濁化し、同量のn−ブタノールで抽出し、得られたn−ブタノール抽出液を濃縮乾固後、40ミリリットルの40wt%メタノール水溶液に溶解し、40wt%メタノール水溶液を展開溶媒として用いて、前記のHPLC−MS/MS分析法で茶葉中のチャフロサイドの定量分析を行った。 この定量分析の結果、前述のように茶渋(ヤブキタ)の凍結乾燥品の加熱処理で得られた茶渋は、チャフロサイドが22μg/g(茶渋)の含有割合で含有されていた。 乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末1gあたりチャフロサイドを0.5〜300ng含有していて、水分含有率が0〜5wt%である乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末を、115〜125℃で100〜350分間、あるいは125〜150℃で10〜240分間加熱処理して、乾燥茶葉またはその乾燥茶葉の粉末の加熱処理前に含有していたチャフロサイドの含有割合に対して10〜1000倍の含有割合でチャフロサイドを含有している茶葉またはその茶葉の粉末を生成させることを特徴とするチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末の製造方法。 (a)チャフロサイドを含有している茶葉を粉砕して、その茶葉粉末1gに対して5〜20ミリリットルの40〜60wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、5〜70℃で5〜30分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出物を得る抽出工程、(b)(a)の抽出工程で得られた抽出液を減圧下で、その沸点まで加熱して濃縮し、さらに、その濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質を得る濃縮・乾固工程および(c)(b)の濃縮・乾固工程で得られたチャフロサイドを含有する乾固物質を、水とn−ブタノールで液液分配し、n−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法によってチャフロサイドを定量分析する工程を含む茶葉中のチャフロサイドの定量分析法によって、得られた茶葉中のチャフロサイドの含有率を定量することからなる請求項1記載のチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末を製造する方法。 茶葉が緑茶用茶葉または紅茶用茶葉である請求項1または2記載のチャフロサイド高含有茶葉またはその茶葉の粉末の製造方法。 水分含有率が0〜5wt%である乾燥状態の茶渋を125〜150℃で10〜240分間加熱処理することにより、チャフロサイドを茶渋1gあたり5〜50μg含有するチャフロサイド高含有茶渋の製造方法。 (a)チャフロサイドを含有している茶渋を粉砕して、その茶渋粉末1gに対して5〜20ミリリットルの40〜60wt%メタノール水溶液を抽出液として用い、5〜70℃で5〜30分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得る抽出工程、(b)(a)の抽出工程で得られた抽出液を減圧下で、その沸点まで加熱して濃縮し、さらに、その濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質を得る濃縮・乾固工程および(c)(b)の濃縮・乾固工程で得られたチャフロサイドを含有する乾固物質を、水とn−ブタノールで液液分配し、n−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法によってチャフロサイドを定量分析する工程を含む茶渋中のチャフロサイドの定量分析法によって得られた茶渋中のチャフロサイドの含有率を定量することからなる請求項4記載のチャフロサイド高含有茶渋の製造方法。 茶渋が緑茶から得られる茶渋である請求項4または5記載のチャフロサイド高含有茶渋の製造方法。 (a)チャフロサイドを含有している茶葉または茶渋を粉砕して水に分散させ、その茶葉または茶渋粉末を前記水の5〜20倍容量の40〜60wt%メタノール水溶液を用いて、5〜70℃で5〜30分間の抽出操作を行って、チャフロサイドを含有する抽出液を得る抽出工程、(b)(a)の抽出工程で得られた抽出液を減圧下で、該抽出液の沸点より40℃高い温度で加熱して濃縮し、さらにその濃縮温度で加熱を続けて、抽出液中に溶解している物質を乾固させて乾固物質を得る濃縮・乾固工程および(c)(b)の濃縮・乾固工程で得られたチャフロサイドを含有する乾固物質を、水とn−ブタノールで液液分配し、そのn−ブタノール層部を用いて、メタノール水溶液またはアセトニトリル水溶液によるHPLC−MS/MS分析法を用いたチャフロサイドの定量分析工程、を含むことを特徴とするチャフロサイドの定量分析法。


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