| タイトル: | 公開特許公報(A)_テレフタル酸ジメチル及びエチレングリコールの回収方法 |
| 出願番号: | 2007298148 |
| 年次: | 2009 |
| IPC分類: | C08J 11/08,C08G 63/89,B29B 17/04,C08J 11/16,C08J 11/24,C07C 69/82,C07C 67/03,C07C 31/20,C07C 27/02,C07B 61/00 |
樋田 幸三 中島 実 JP 2009120766 公開特許公報(A) 20090604 2007298148 20071116 テレフタル酸ジメチル及びエチレングリコールの回収方法 帝人ファイバー株式会社 302011711 三原 秀子 100099678 樋田 幸三 中島 実 C08J 11/08 20060101AFI20090508BHJP C08G 63/89 20060101ALI20090508BHJP B29B 17/04 20060101ALI20090508BHJP C08J 11/16 20060101ALI20090508BHJP C08J 11/24 20060101ALI20090508BHJP C07C 69/82 20060101ALI20090508BHJP C07C 67/03 20060101ALI20090508BHJP C07C 31/20 20060101ALI20090508BHJP C07C 27/02 20060101ALI20090508BHJP C07B 61/00 20060101ALN20090508BHJP JPC08J11/08C08G63/89B29B17/04C08J11/16C08J11/24C07C69/82 AC07C67/03C07C31/20 AC07C27/02C07B61/00 300 5 OL 9 4F401 4H006 4H039 4J029 4F401AA22 4F401AA24 4F401AC11 4F401AD01 4F401BA06 4F401CA14 4F401CA32 4F401CA46 4F401CA51 4F401CA54 4F401CA67 4F401CA68 4F401CA75 4F401DA12 4F401DA14 4F401EA04 4F401EA05 4F401EA10 4F401EA16 4F401EA20 4F401EA34 4F401EA60 4F401EA77 4F401FA01Z 4H006AA02 4H006AC13 4H006AC41 4H006AC48 4H006AC91 4H006BA02 4H006BA32 4H006BC10 4H006BJ50 4H006FE11 4H006FG24 4H006KA03 4H039CA60 4H039CA66 4H039CE10 4J029AA03 4J029AB07 4J029AC01 4J029AE18 4J029BA03 4J029CB06 4J029KD02 4J029KD17 4J029KE02 4J029KG01 4J029KG02 本発明はポリエステル廃棄物のリサイクル方法に関する。さらに詳しくは、ガスバリアー性が良好なポリアミドとポリエチレンテレフタレートとの混合物から実質的に成るポリエステル成形品から、該ポリアミドを効率良く分離し、有効成分としてのテレフタル酸ジメチル成分とエチレングリコールとを簡便に効率よく回収する方法に関する。 ポリエチレンテレフタレートは、その優れた特性(例えば、機械特性、熱安定性、耐溶剤性、保香性等)により、フィルム、シート、中空容器等の包装材料に広く使用されている。特に、ポリエチレンテレフタレート製ボトル(以下、PETボトルと略称することがある)は、例えば飲料用ボトルとして大量に生産され、使用されている。しかし、使用済PETボトルの廃棄が環境を悪化させるとして社会問題となり、この回収処理方法について種々検討され、例えばマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル等が検討され、またこれによる各種の提案がされている。 このマテリアルリサイクルについては、例えば自治体を中心に回収した透明ベットボトル屑を粉砕、分離、精製処理に付して綺麗な透明フレークとし、次いで透明フレークをペット成形材料、殊に繊維成形材料として再利用することが実施されている。しかし、このマテリアルリサイクルの原料としては透明PETボトル屑に限られ、他種PETボトル(例えば、着色ボトル、ガスバリアーボトル等)の混入したものは使用することができない。そこで、他種ボトルの混入を回避する工夫を講じる必要がある。 これに対してケミカルリサイクルは、ボトルを構成するポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称することがある)を一旦原料モノマーに戻し、これを再度重縮合反応に供して新しいPETにすることから、回収処理に伴う品質の低下が少なく、クローズドループのリサイクル法として適している。 従来、ポリエステル屑をケミカルリサイクルする方法としては、ポリアルキレンテレフタレートをエチレングリコール(以下、EGと略記することがある。)で解重合し、次いでメタノール(以下、MeOHと略記することがある。)でエステル交換反応させてテレフタル酸ジメチル(以下、DMTと略記することがある。)を得るという方法がグリコリシス−エステル交換反応法として広く知られ、工業的にも実施されている。 しかし、リサイクルするPETボトルには、内容物の味、風味などを維持するため、ガスバリアー成分を含有するいわゆるガスバリアーボトルも混在しているのが現状である。ガスバリアーボトルには、ガスバリアー性ポリマーがPET中に含有されているものや、ガスバリアー性ポリマーから主としてなるガスバリアー層とPET層が積層されているものがある。 ガスバリアー性ポリマーとしてナイロン系ポリマーを含有する場合、ナイロンは200℃付近から熱分解を開始するため、上記文献の記載内容のとおり実施しても、回収物にN含有化合物が混入し品質に大きな問題を引き起こす。これに対し、ナイロン系ポリマーがアルキレングリコールに溶解する特性を利用し、ナイロン系ポリマーをアルキレングリコールで溶解し、固液分離した後新たなアルキレングリコールを使用してグリコリシス−エステル交換反応を行うことにより回収物へのN含有化合物の混入を防止する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、PETボトルのようにガスバリアー性ポリマーとしてナイロン系ポリマーとポリエステル樹脂が張り合わされ積層構造を形成しているものを原料とする場合、上記文献記載のとおり実施するとナイロン系ポリマーが十分溶解するまでに時間を要すため、ポリエステル樹脂部のグリコリシスが進行し、最終的に回収できるDMT、及びアルキレングリコール量が極めて少なくなる、或いはナイロン系ポリマーの除去が不十分となり、回収物の品質が悪化する問題があった。 一方、ナイロン系ポリマーをガスバリアー層として含む成形品をエチレングリコールで分解し、グリコール溶液を得た後、冷却してナイロン系ポリマーを析出させ、除去した後、有効成分を回収する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、本方法ではナイロン系ポリマー含有下でグリコリシス反応を行うため、ナイロン系ポリマーの一部が分解し、ナイロン系ポリマーを析出除去した後もN含有成分がグリコール溶液に残存し、吸着などの方法にて分離せざるを得ず、また、ナイロン系ポリマー分離時の有効成分ロスは少なくない、といった問題が存在している。特開2002−060536号公報特開2006−143622号公報 本発明の目的は、従来技術が有していた問題点を解決し、ポリアミドとPETの混合物、特にポリアミドとポリエステルの積層構造を持つポリエステル成形品から有効成分としてのテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールの回収を簡便に効率よく回収する方法を確立することにある。 本発明者らは、上記の従来技術に鑑み鋭意検討を行った結果、成形品を所定以下の大きさまで粉砕した後、極めて低温度の条件下でエチレングリコールを用いてガスバリアー性ポリマーを選択的に溶解させ分離した後、解重合触媒存在下、ポリエチレンテレフタレートをエチレングリコールによって解重合すれば、ガスバリアー性ポリマーであるポリアミドを分解させることなく、簡単に分離でき、回収物の品質を低下させることなく、効率よく回収できる事を見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明の目的は、ポリエチレンテレフタレート及びポリアミドから主としてなる成形品(A)からテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを回収する方法において、下記(a)〜(e)の各工程を逐次的に実施させることを特徴とするテレフタル酸ジメチル及びエチレングリコールの回収方法によって達成することができる。(a)成形品(A)を1〜10mmサイズとなるように破砕した後、エチレングリコール中に該破砕した成形品(A)を投入し、110℃以下の温度にてエチレングリコールにポリアミドを溶解させる工程。(b)工程(a)の実施後、ポリアミドを溶解したエチレングリコール溶液とエチレングリコールに未溶解のポリエチレンテレフタレートを固液分離する工程(c)工程(b)で分離したポリエチレンテレフタレートを、解重合触媒を含むエチレングリコール中に投入し、110℃を超え210℃以下で解重合反応を行う工程。(d)工程(c)の実施後、解重合によって生成したビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートに対して、エステル交換触媒及びメタノールの存在下エステル交換反応を行い、エステル交換反応液中にテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを生成させる工程。(e)生成したテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換反応液から分離した後回収する工程。 本発明の方法によれば、ポリアミドを含む多層構造などのポリエステル成形品から、窒素成分を含有しないテレフタル酸ジメチルと窒素成分を含有しないエチレングリコールを高回収率で効率よく回収する事が可能となる。 本発明のテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールの回収方法において、ポリエチレンテレフタレート及びポリアミドからから主としてなる成形品(A)は、ポリアミドとポリエチレンテレフタレートとから実質的に成る。ここで、“実質的に”とは成形品(A)中ポリアミドとポリエチレンテレフタレートの含有量が80重量%以上であることが好ましく、より好ましくは90重量%以上である事である。 ポリアミドとポリエチレンエチレンテレフタレートから主としてなる成形品(A)はガスバリアー性を発揮する構造をとり、通常内層の少なくとも1層がガスバリアー性ポリマーであるポリアミドからなり、両表層がPETからなる積層構造か、ガスバリアー性ポリマーであるポリアミドを混合したPET組成物からなる単層構造をとることが好ましい。具体例としてはガスバリアーボトルなどが挙げられる。 本発明においてポリアミド(ガスバリアー材、ガスバリアー性ポリマー)としては、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)、ナイロン66、ナイロン6等を例示することができ、特に好ましくはポリメタキシリレンアジパミドを挙げることができる。ガスバリアー性ポリマーの割合は、成形品(A)の総重量に対して0.5〜30重量%、さらには1〜25重量%であることが好ましい。 本発明の回収方法においては、該成形品(A)を上述の(a)〜(e)の各工程に逐次的に実施させることが必要である。以下、各工程について説明する。 工程(a)においては、ポリアミドとポリエチレンテレフタレートから主としてなる成形品(A)を破砕し、該破砕物をエチレングリコール中に浸し110℃以下の温度にて保持することによりエチレングリコールにガスバリアー性ポリマーであるポリアミドを分解することなく選択的に溶解させる。好ましくはポリアミドのみを分解することなくエチレングリコールに溶解させることである。破砕後のサイズが大きいとポリアミドの完全除去が困難となり、高品質のポリエステル原料を回収することは困難となる。破砕サイズは細かいほどポリアミドの溶解は容易となるが、破砕負荷が大きくなる上、破砕物の嵩が増えるので固液分離設備が大型化する必要が出てくる。またろ過設備を用いた場合にはろ過漏れを起こさないようにろ過材の目開きを小さくする、遠心分離装置であれば回転数を上げ遠心力を増す等対応が必要となり、ポリアミド溶解後のエチレングリコールとポリエステル成分の分離が困難となる。破砕サイズとしては1〜10mmサイズである事が必要である。溶解温度は高いほどエチレングリコールの粘性が低下し、ポリアミドの溶解速度は増加するが、110℃を超過するとポリエステル成分中に含まれる重縮合触媒の作用により徐々に解重合反応が進行し、ポリアミドの溶解と同時にポリエステル成分も溶解することとなる。特に、積層構造などの成形品ではポリアミドを完全溶解除去するには時間を要すため、ポリエステル成分のロスは著しく増加する。すなわち高温処理をした場合には、ポリアミド溶解処理を行ったエチレングリコール中にポリエチレンテレフタレートの解重合物が混ざり、その溶解した解重合物をポリアミド成分が溶解したエチレングリコールから回収するのが困難になるからである。また積層構造をとり、ポリエチレンテレフタレート部分の表面積が増えると表面積が少ない場合に比べて解重合反応が進行しやすいと考えられるからである。ポリアミド溶解に要する時間は対象物により異なるが、該サイズとすることにより2〜4時間にて溶解を完了することが可能となる。エチレングリコールは該破砕物が完全に浸漬できる量であればポリアミドの溶解は可能であるが、破砕物の重量に対し1〜100重量倍であることが好ましく、4〜40重量とすることが更に好ましい。 工程(b)においてはポリアミドが溶解したエチレングリコールとエチレングリコールに未溶解のポリエチレンテレフタレートを固液分離する。固液分離の方法は特に限定されるものではなく、ろ過分離、遠心分離など汎用分離技術が適用可能である。未溶解のポリエチレンテレフタレートを移送することなく、解重合反応操作に転じることが可能となるフィルター機能付の槽を用いて固液分離を行うことが最も好ましい。固液分離後のポリエチレンテレフタレートにポリアミド成分が付着して残らないように、固液分離後、更に精製したエチレングリコールでポリエチレンテレフタレートを洗浄することが好ましい。その洗浄液をポリアミドが溶解したエチレングリコールと混合することがさらに好ましい。 工程(c)においては、工程(b)で得られた固液分離後のポリエチレンテレフタレートを110℃を超え210℃以下の温度下、解重合触媒を含むエチレングリコール中に投入し、解重合する必要がある。ここで、該エチレングリコールの温度が110℃以下であると、ポリエチレンテレフタレートの解重合時間が非常に長くなり実質的に不適当である。一方、210℃を越えると、熱エネルギーの使用量が多くなり経済的に好ましくない上、万一ガスバリアー性ポリマーが残留した場合にガスバリアー性ポリマー自身の分解が起こり高品質のポリエステル原料が回収困難となる可能性がある。該温度は好ましくは、140〜190℃であり、これらの条件下で、1〜10時間加熱保持すればよい。 さらに、該工程(c)に供給するエチレングリコールと固液分離後のポリエチレンテレフタレートとの重量比は0.3〜20程度に設定することが好ましく、1.0〜5.0とすることがさらに好ましい。 また、本発明においては解重合触媒として、アルカリ金属の炭酸塩、酸化物及び酢酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩及び酸化物、酢酸マンガン、並びに酢酸亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を用いることが好ましい。これらの解重合触媒を用いる事により解重合温度を低下できる。また、上記解重合触媒の添加量は成形品(A)の重量を基準として0.1〜10重量%とすることが好ましく、該範囲内にある時には、解重合時間が短縮でき経済的である。なお解重合反応を完全に終了した後に未溶解成分(固体の場合及び液体(溶融体)の場合を含む)が存在する場合には、その未溶解成分は、ポリアミド成分でもポリエチレンテレフタレートでもないと考えられるので、分離操作を行い解重合反応後の溶液から除去する事が好ましい。その除去方法としてはろ過分離、比重分離などの一般的な分離手法を採用する事ができる。 工程(d)においては、工程(c)実施後得られた解重合反応物をMeOHとエステル交換触媒の存在下で、直接エステル交換反応してDMTとエチレングリコールを回収する事が可能である。このエステル交換反応時にEGが多量に存在する場合、DMTの回収率が低く抑えられるので、該残留物を蒸留・濃縮する事が好ましく、即ち、エチレングリコールと成形品(A)との重量比率が原料仕込比基準で0.5〜2.0になるまで、濃縮することが好ましい。該蒸留・濃縮手段は、従来公知の方法をいずれも採用することができ、該蒸留操作は常圧下で行っても、減圧下で行ってもよい。 該エステル交換反応は成形品(A)の重量を基準として、MeOHを150〜400重量%投入し、同時にエステル交換反応触媒を成形品(A)の重量を基準として0.3〜10重量%投入する。エステル交換反応槽内の圧力は大気圧下近傍、反応温度は65〜85℃で反応を進行させればよい。エステル交換反応触媒として、アルカリ金属の炭酸塩、酸化物及び酢酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩及び酸化物、酢酸マンガン、並びに酢酸亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を用いることが好ましい。 該エステル交換反応は0.5〜3.0時間で完了し、反応生成物は固形状態のDMT、MeOH、エチレングリコールのスラリー状態となる。 つづいて工程(e)においては、そのスラリーからDMTとエチレングリコールを分離回収する操作を行う。そのスラリーからDMTを回収するにあたっては固液分離装置が適用出来るが、その他の従来技術で分離しても良い。なお、DMTから固液分離したエチレングリコールとMeOHとの混合液は、溶解したDMT、解重合触媒及びエステル交換反応触媒を含有しており、エチレングリコール、MeOHは再度プロセスで使用するため各々に分離精製する。該分離精製操作は、蒸留操作に限定する必要はないが、蒸留により行う場合には、沸点の低いMeOHを最初に留去し、塔底に残る液を次の蒸留塔に供給しエチレングリコールを留去した後、釜残は廃棄する。 以上の操作を行うことによって、ナイロンを含有するポリエステル廃棄物から、有効成分としてのDMTとエチレングリコールとを容易に回収する事が可能となる。引き続き回収した有効成分を再利用するためには、得られたDMTとエチレングリコールを既知の条件で重合反応すればよく、高品質のPETを得ることができる。 以下、実施例により本発明の内容をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定を受けるものではない。尚、実施例中の各数値は以下の方法により求めた。また、実施例中において特に断らない限り「部」は「重量部」を示す。(1)回収DMT中の窒素含有量(ppm): 回収DMTをメタノールに溶解させ、予め求めておいた混合物中の窒素含有量を基準として、窒素濃度を微量窒素分析装置(三菱化学(株)「TN05」)で求めた。(2)エチレングリコール中の窒素含有量(ppm): 回収エチレングリコールをMeOHで希釈し、予め求めておいた混合物中の窒素含有量を基準として、窒素濃度を微量窒素分析装置(三菱化学(株)「TN05」)で求めた。(3)DMT回収率(%) 処理対象のポリアミドを含有する対象中のPET分をアルカリ(苛性ソーダ)にて加水分解し、得られるテレフタル酸アルカリ金属塩量より対象物中のPET含有率を求め、これを基準として算出される理論DMT回収率に対して、実際に回収できたDMTの量から回収率を算出した。 [実施例1] ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリメタキシリレンアジパミド(MDX6ナイロン)から成る3層フィルム(PET−MXD6−PET:1500μm−200μm−1500μm)100部を5mmサイズに破砕した後、1Lセパラブルフラスコに投入し、更にエチレングリコール200部を投入し、攪拌速度100rpmにて昇温し、105℃とし、3時間保持した。その後、105℃の条件下500メッシュの金網を用いろ過操作を行い、更に固形分として残ったPETを室温の精製エチレングリコール100部を用いて2回洗浄を行った後、PET分を分離採取した。得られたポリエチレンテレフタレートをエチレングリコール200部及び解重合触媒として炭酸ナトリウム1.5部を1Lセパラブルフラスコに投入し、攪拌速度100rpmの条件下にて昇温し、185℃とし、4時間反応させたところPET分は完全に溶解し、解重合反応が完結した。得られた解重合反応物を6.65kPaの減圧蒸留で濃縮し、留分としてEGを100部回収した。 この濃縮液にエステル交換反応触媒として炭酸ソーダ0.7部とMeOH170部を投入した。常圧で液温を75℃、撹拌100rpmの状態を1時間保持し、エステル交換反応を実施した。 得られたDMT、EGとMeOHの混合物を40℃まで冷却し、500メッシュの金網で濾過した。金網上に回収できたDMTを100部のMeOH中に投入し、40℃に加温・撹拌洗浄し、再度500メッシュの金網で濾過した。これを2回繰り返した。 金網上に捕捉できたDMTを蒸留装置に仕込み、圧力6.65kPaの減圧蒸留で留分としてDMTを留出させた。DMTの回収率は85%であった。一方、ろ液側を加熱し、MeOHを留去させた後、更にEGを留出させ、EGを回収した。回収DMT、回収EG中には窒素分は存在しなかった。 [実施例2] ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリメタキシリレンアジパミド(MDX6ナイロン)、ポリエチレン(PE)から成る3層フィルム(PET−MXD6−PE:1500μm−200μm−100μm)100部を5mmサイズに破砕した後、1Lセパラブルフラスコに投入し、更にエチレングリコール200部を投入し、攪拌速度100rpmにて昇温し、105℃とし、3時間保持した。その後、105℃の条件下500メッシュの金網を用いろ過操作を行い、固形分をエチレングリコール200部及び解重合触媒として炭酸ナトリウム1.5部を1Lセパラブルフラスコに投入し、攪拌速度100rpmの条件下にて昇温し、185℃とし、4時間反応させたところ上層に浮遊分のある解重合反応液が得られ、浮遊分をろ過分離して解重合液を得た。得られた解重合反応物を6.65kPaの減圧蒸留で濃縮し、留分としてEGを100部回収した。以後実施例1と同様に処理し、DMTを回収した。DMTの回収率は82%であった。一方、ろ液側を加熱し、MeOHを留去させた後、更にEGを留出させ、EGを回収した。回収DMT、回収EG中には窒素分は存在しなかった。 [実施例3] ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリメタキシリレンアジパミド(MDX6ナイロン)から成るお茶用PETボトル屑100部(PET−MXD6−PET:層厚み不明)を使用した以外は実施例1と同様に処理し、DMTを回収した。回収DMT、回収EG中には窒素分は存在しなかった。 [比較例1] 破砕サイズを20mmとした以外は実施例1と同様に操作し、回収DMT、回収EGを得た。DMT回収率は86%であった。回収DMT中には窒素分は検出されなかったが、回収EG中の窒素分は5ppm検出された。 [比較例2] ポリアミドの溶解操作を130℃で行った以外は実施例1と同様に操作し、回収DMT、回収EGを得た。DMT回収率は75%であり、回収DMT、回収EG中に窒素分は検出されなかった。 本発明の方法によれば、ガスバリアー性ポリマーであるポリアミドを含む多層構造などのポリエステル成形品から、窒素成分を含有しないテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを高回収率で効率よく回収する事が可能となる。 ポリエチレンテレフタレート及びポリアミドから主としてなる成形品(A)からテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを回収する方法において、下記(a)〜(e)の各工程を逐次的に実施させることを特徴とするテレフタル酸ジメチル及びエチレングリコールの回収方法。(a)成形品(A)を1〜10mmサイズとなるように破砕した後、エチレングリコール中に該破砕した成形品(A)を投入し、110℃以下の温度にてエチレングリコールにポリアミドを溶解させる工程。(b)工程(a)の実施後、ポリアミドを溶解したエチレングリコール溶液とエチレングリコールに未溶解のポリエチレンテレフタレートを固液分離する工程。(c)工程(b)で分離したポリエチレンテレフタレートを、解重合触媒を含むエチレングリコール中に投入し、110℃を超え210℃以下で解重合反応を行う工程。(d)工程(c)の実施後、解重合によって生成したビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートに対して、エステル交換触媒及びメタノールの存在下エステル交換反応を行い、エステル交換反応液中にテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを生成させる工程。(e)生成したテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換反応液から分離した後回収する工程。 工程(a)で用いるエチレングリコール量が、破砕した成形品(A)の重量を基準として、1〜100重量倍である請求項1記載の回収方法。 成形品(A)が、少なくとも一部にポリアミドからなる内層を含み、両表層がポリエチレンテレフタレートからなる積層構造を有する成形品である請求項1又は2に記載の回収方法。 成形品(A)の形状がフィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の回収方法。 ポリアミドが、ポリメタキシリレンアジパミドである請求項1〜4のいずれか1項に記載の回収方法。 【課題】ガスバリアー性ポリマーを含む多層構造などのポリエチレンテレフタレート成形品から、ポリエチレンテレフタレートの原料として使用可能な窒素成分を含有しないテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを効率よく回収する手法を確立すること。【解決手段】該成形品を1〜10mmの大きさまで粉砕した後、極めて低温度の条件下でエチレングリコールを用いてポリアミドを選択的に溶解させ分離した後、得られたポリエステルから解重合反応、エステル交換反応を行い、テレフタル酸ジメチル及びエチレングリコールを回収する。【選択図】なし