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タイトル:公開特許公報(A)_シゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター
出願番号:2007290660
年次:2009
IPC分類:C12N 15/09,C12N 1/19,C12Q 1/02,C12Q 1/68


特許情報キャッシュ

守屋 央朗 北野 宏明 JP 2009112272 公開特許公報(A) 20090528 2007290660 20071108 シゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター 独立行政法人科学技術振興機構 503360115 特定非営利活動法人システム・バイオロジー研究機構 502424528 酒井 宏明 100089118 守屋 央朗 北野 宏明 C12N 15/09 20060101AFI20090501BHJP C12N 1/19 20060101ALI20090501BHJP C12Q 1/02 20060101ALI20090501BHJP C12Q 1/68 20060101ALI20090501BHJP JPC12N15/00 AC12N1/19C12Q1/02C12Q1/68 A 8 5 OL 18 4B024 4B063 4B065 4B024AA20 4B024CA01 4B024CA02 4B024DA12 4B024EA04 4B024FA02 4B024FA10 4B024GA11 4B024HA14 4B063QA05 4B063QA18 4B063QQ07 4B063QQ13 4B063QQ42 4B063QQ79 4B063QR08 4B063QR32 4B063QR56 4B063QR62 4B063QR69 4B063QR76 4B063QR80 4B063QS24 4B063QS25 4B063QS34 4B063QX02 4B065AA72X 4B065AA72Y 4B065AB01 4B065AC14 4B065BA02 4B065BA25 4B065CA46 本発明は、シゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターに関し、詳しくは、Genetic−Tag−of−War(gTOW:遺伝子綱引き)法において測定の精度を高めることのできるシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター及びその用途に関する。 ロバストネス(頑健性)は、外乱、内乱などさまざまな摂動に抗って機能を維持しようとするシステムの特性であり、生命現象に普遍的に見られる特徴である。従来、ロバストネスは淘汰圧を受けながら進化してきた複雑なシステムである生命システムの基本特性と考えられていた。生命のロバストネスは、生命をシステムレベルで扱ったときのみそれを実現するための原理の議論が可能になるため、近年急速に発展しているシステムレベルでの生命研究によりようやくその原理が理解されるようになってきた。生命のロバストネスを知ることにより、生命システムの基本原理の解明、コンピューター細胞モデルの開発、疾患に対する新たな治療手段の提供が可能になることが提唱されてきた。 これまでの生命のロバストネスについての研究は、そのほとんどが理論的な研究に留まっていた。これは、実際の細胞のロバストネスを検定する有効な実現技術がなかったことがその大きな原因の一つである。 非特許文献1では、出芽酵母を用いた細胞システムのロバストネスを検定する実験技術である、Genetic−Tag−of−War(gTOW:遺伝子綱引き)法を開発し、出芽酵母の細胞周期の遺伝子過剰発現に対するロバストネス・プロファイルの測定に成功した。 gTOW法の原理は、図1に示すとおりである。leu2d遺伝子を持つ多コピーのプラスミドpSBI40上に標的の遺伝子をクローニングし、このプラスミドをロイシン要求性の出芽酵母に導入し、ロイシンのない培地で増殖させると、より高いプラスミドコピー数を持つ細胞がより高い増殖速度を持つために濃縮され、最終的には細胞あたり100コピー以上のプラスミドコピー数を持つ細胞が濃縮される。プラスミドコピー数は、標的遺伝子とleu2d遺伝子のコピー数上昇のバイアスの引き合った地点に比例するが、leu2d遺伝子のコピー数の上昇のバイアスは一定であるため、標的遺伝子のコピー数の上限がプラスミドコピー数に反映される。そのため、gTOW法によれば、導入された標的遺伝子が関わる細胞システムのロバストネスを知ることができる。言い換えれば、標的遺伝子の細胞システムに対する影響の大きさを知ることができる。Hisao Moriya et al.PloS Genetics Volume2 Issue 7 JULY 2006 しかし、上記非特許文献1の手法は、出芽酵母のみを対象としており、それ以外の微生物に適用するものではなかった。出芽酵母用のプラスミドは一般的には分裂酵母にも利用が可能である(GuthrieとFink, Guide to Yeast Genetics and Molecular and Cell Biology PartA, ELISEVIER ACADEMIC PRESS, 1991)が、gTOW実験の場合、(1)プラスミドが細胞内で多コピーで維持される(2)プラスミドが細胞内で安定に維持される(3)プラスミドのコピー数を適当に増加させることが出来る、などの要件を必要とするため、出芽酵母用に作られたプラスミド(pSBI40)をそのまま利用しても分裂酵母でgTOW実験を行うことは出来ない。 本発明は、出芽酵母を用いて開発されたgTOW法を分裂酵母でも実現するための手段を提供することを目的とする。 本発明者は上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた。その結果、出芽酵母由来のleu2d遺伝子をマーカー遺伝子として導入したプラスミドが、シゾサッカロミセス属微生物におけるgTOW法の実施においても予想外に有用であり、しかも、更にleu2d遺伝子のプロモーター配列のうちの少なくとも一部を導入したプラスミドが、gTOW法におけるプラスミドコピー数の適切な調整において重要であることを見出した。 すなわち、本発明は以下の発明を提供する。〔1〕 マーカー遺伝子としてのleu2d遺伝子と、前記leu2d遺伝子の発現を制御するプロモーター領域として配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち3´末端側の1塩基または2以上の塩基とを少なくとも有することを特徴とする、シゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター。〔2〕 第2のマーカー遺伝子としてura4+遺伝子を有することを特徴とする、〔1〕に記載のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター。〔3〕 EGFP遺伝子を更に含む、〔1〕または〔2〕に記載のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター。〔4〕 自己複製配列としてARS302を有する〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター。〔5〕 標的遺伝子クローニング部位、前記ARS302、前記EGFP遺伝子、前記ura4+遺伝子、前記プロモーター領域、前記leu2d遺伝子をこの順序で含む〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター。〔6〕 配列番号2に記載の塩基配列を有するpHM004、配列番号3に記載の塩基配列を有するpHM004−835、配列番号4に記載の塩基配列を有するpHM004−836、配列番号5に記載の塩基配列を有するpHM004−837、配列番号6に記載の塩基配列を有するpHM004−838、配列番号7に記載の塩基配列を有するpHM004−839、配列番号8に記載の塩基配列を有するpHM004−840から選ばれる、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター。〔7〕 〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターを含む分裂酵母。〔8〕 標的遺伝子を含む〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターを、ロイシン要求性のシゾサッカロミセス属微生物に導入しロイシン無添加の培地で培養する工程、および導入細胞内でのプラスミドベクターの最大コピー数を測定する工程、を少なくとも有することを特徴とする標的遺伝子の最大発現強度の評価方法。 本発明によれば、シゾサッカロミセス属微生物においてもgTOW法の実施を可能とするプラスミドが提供される。 本発明のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターは、マーカー遺伝子としてのleu2d遺伝子と、leu2d遺伝子の発現を制御するプロモーター部位とを少なくとも含むことを特徴とする。 leu2dは出芽酵母に由来し、ロイシン生合成遺伝子LEU2のアレルであり、プロモーターにおいて大きな欠失を持つため、LEU2と比較して非常に活性が低い。本発明においてleu2d遺伝子は、gTOW法実施の際にプラスミドコピー数を上げようとする遺伝的選択圧として働く。leu2d遺伝子の塩基配列は配列表の配列番号9に記載するとおりである。配列表の配列番号9に記載の塩基配列のうち、塩基番号29〜1123がLEU2遺伝子のORFである。 さらに、本発明のプラスミドベクターは、上記のleu2d遺伝子の発現を制御するプロモーター領域を含む。このプロモーター領域は、配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち3´末端側の1塩基または2以上の塩基、好ましくは10〜500、より好ましくは20〜400塩基を有する。例えば、配列番号1に記載の塩基配列中の158〜500塩基番号の部分、好ましくは232〜500塩基番号の部分、より好ましくは292〜500塩基番号の部分、特に好ましくは411〜500塩基番号の部分を有する。このプロモーター領域によりleu2d遺伝子の発現量が制御されるので、標的遺伝子のコピー数に応じたプラスミドとすることができる。配列番号1中の292〜322番目(LEU2 ORFから−198〜−189番目)は、Leu3p結合部位であるが、この結合部位は含まれていてもよいし、含まれていなくともよい。プロモーター領域の塩基長が長い場合(好ましくは、配列番号1の441〜500塩基番号の部分を含む場合)には、leu2d遺伝子のコピー数増大バイアスが減少する。一方、プロモーター領域の塩基長が短い場合(好ましくは、配列番号1の471〜500塩基番号の部分を含む場合)には、leu2d遺伝子のコピー数増大バイアスが増大する。よって、gTOW法においてコピー数の上限が低い標的遺伝子を導入する際にはプロモーター領域の塩基長が長くなるように調整することが有用である。一方、gTOW法においてコピー数の上限が高い標的遺伝子を導入する際にはプロモーター領域の塩基長が短くなるように調整することが有用である。 本発明のプラスミドベクターは、leu2d遺伝子とは別に第2のマーカー遺伝子として、ura4+遺伝子を有することが好ましい。ura4+遺伝子はウラシル合成酵素に関する遺伝子であるから、本発明のプラスミドベクターがura4+遺伝子を有することにより、ウラシルを含まない選択培地での選択が可能となる。 更に、本発明のプラスミドベクターは、ade6+遺伝子など他のマーカー遺伝子を含むものであってもよい。 本発明において、プラスミドベクターに導入され得る遺伝子(標的遺伝子(目的遺伝子))には特に制限はないが、通常は宿主のシゾサッカロミセス属微生物由来のタンパク質をコードする遺伝子である。本発明のプラスミドにおいて、標的遺伝子クローニング部位は、プラスミドを構成する要素を破壊しない部位であればどこでもよく、1箇所であってもよいし2箇所以上であってもよい。また、標的遺伝子のサイズにも特に制限はない。 本発明のプラスミドベクターはレポータータンパク質遺伝子を含むものであってもよい。これにより、コピー数の評価をフローサイトメトリーなどにより容易に行うことができる。レポータータンパク質としては例えば、GFP(緑色蛍光タンパク質)、BFP(青色蛍光タンパク質)、RFP(赤色蛍光タンパク質)、CFP(シアン蛍光タンパク質)、ホタル・ルシフェラーゼ、β−グルクロニダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、EGFP(増強緑色蛍光タンパク質)、ヒト分泌型アルカリ性ホスファターゼなどが挙げられる。このうち、EGFPが最も好ましい。EGFPの塩基配列は、配列表の配列番号10に示すとおりである。 本発明のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターは、シゾサッカロミセス属微生物の細胞内で自己複製する能力(染色体に組み込まれずとも複製を自立的に続ける能力)をプラスミドに与える働きをするための複製起点を持つ。特に、複製起点を含む配列(自己複製配列(ARS、autonomously replicating sequence))として、ARS302が2つ連続して並列して位置することにより、本発明のプラスミドは微生物内で安定化し、特にgTOW試験において安定するので好ましい。ARS302の塩基配列は、配列表の配列番号11に示す塩基配列の通りである。 また、本発明のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターは、その目的に反しない限りにおいて、leu2d遺伝子やura4+遺伝子以外のマーカー遺伝子、薬剤耐性遺伝子などの他のマーカー遺伝子、プラスミド安定化配列、外来遺伝子など一般的なプラスミドに含まれる配列や遺伝子領域を含んでいてもよい。 マーカー遺伝子としては、ade1+、ade6+、arg3+、his3+、his7+遺伝子を挙げることができる。 プラスミド安定化配列としては、stb因子を挙げることができる。 薬剤耐性遺伝子としては、アンピシリン耐性遺伝子(AmpR)、ゲンタマイシン耐性遺伝子(GmR)、カナマイシン耐性遺伝子(KanMX)、テトラサイクリン耐性遺伝子(TcR)等が挙げられ、これらのうちから単独でまたは複数組み合わせて含有させることができる。このうち、アンピシリン耐性遺伝子(AmpR)が好ましい。 プラスミド安定化配列としては、stb因子を挙げることができる。尚、上述のように本発明のプラスミドにおいてARS302が2つ連続して並ぶことにより、本発明のプラスミドは安定化する。 その他の外来遺伝子としては、大腸菌など他の生物由来の自己複製配列(例えばpBR322 origin、その他pACYC系プラスミドの複製起点)などを挙げることができる。pBR322 originを挿入することにより、プラスミドを増加し、大腸菌内でその状態を維持することができる。 本発明のプラスミドにおいて、上記構成要素の配置に特に制限はないが、標的遺伝子クローニング部位、前記ARS302、前記EGFP遺伝子、前記ura4+遺伝子、前記プロモーター領域、前記leu2d遺伝子をこの順序で含むことが好ましい。 本発明のプラスミドベクターの具体例としては、配列番号2に記載の塩基配列を有するpHM004、配列番号3に記載の塩基配列を有するpHM004−835、配列番号4に記載の塩基配列を有するpHM004−836、配列番号5に記載の塩基配列を有するpHM004−837、配列番号6に記載の塩基配列を有するpHM004−838、配列番号7に記載の塩基配列を有するpHM004−839、配列番号8に記載の塩基配列を有するpHM004−840を挙げることができる。それぞれのプラスミドの、標的遺伝子を導入しない状態でのロイシン無添加培地でのコピー数(細胞あたりのコピー数を意味する。以下同じ。)は、pHM004は200程度、pHM004−835は80程度、pHM004−836は25程度、pHM004−837は80程度、pHM004−838は90程度、pHM004−839は80程度、pHM004−840は60程度である。また、pHM002、pHM004−841、pHM004−842も、gTOW法には用いることができるので本発明のプラスミドベクターの具体例ではあるが、測定に手間を要するおそれがある(実施例1参照)。 これらのうち、pHM004、pHM004−835、およびpHM004−836は、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の特許微生物寄託センター(〒292−0810日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に、pHM004−835は2007年10月30日付で、pHM004およびpHM004−836は2007年10月26日付で寄託されており、入手可能である。pHM004、pHM004−835、およびpHM004−836のそれぞれの受託番号はNITE P−445、NITE P−449、およびNITE P−446である。 本発明のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターの作製は、各構成要素である遺伝子や配列を他のプラスミドなどから切り出して必要に応じてPCRなどにより増幅するか、或いは人工的に合成した後、出芽酵母内での相同組替えなどにより連結して作製することができる。また、各構成要素である遺伝子や配列を、出芽酵母内での相同組替えなどにより骨格となるプラスミドに導入して作成してもよい。leu2d遺伝子はpRS315より得ることができる。ura4+遺伝子断片はシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドpDBletより得ることができる。EGFP遺伝子はpKT128からEGFP−sphis5MX断片として得ることができる。 本発明におけるシゾサッカロミセス属微生物は特に制限なく、例えば、一般に分裂酵母と称されるもの、すなわちシゾサッカロミセス・ポンベ(Schicosaccharomyces Pombe)、シゾサッカロミセス・ジャポニクス(Schicosaccharomyces Japonicus)、シゾサッカロミセス・オクトスポラス(Schicosaccharomyces octosporus)の様々な菌株を用いることができる。中でも、シゾサッカロミセス・ポンベが好ましい。また、後述の評価方法においては、シゾサッカロミセス属微生物のうちロイシン要求性を示す菌株を用いる。このようなロイシン要求株としては例えば、シゾサッカロミセス・ポンベ FY7652株、ATCC201402株などを挙げることができる。FY7652株は、Tamai KK,Shimoda C. The novel HECT−type ubiquitin−protein ligase Pub2p shares partially overlapping function with Pub1p in Schizosaccharomyces pombe.J cell Sci.2002 May 1;115(Pt 9):1847−57. PMID:11956316 [PUBMed − indexed for MEDLINE]に記載の方法に従って入手可能である。FY7652株は、ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)のもと酵母遺伝資源センター(YGRC)にFY7652として登録されており、分譲を受けることができる。ATCC201402株は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(P.O.Box 1549 Manassas,VA 20108 USA)に登録されており、分譲を受けることができる。 本発明のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターへの標的遺伝子の導入は、常法、例えばSambrookら(MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)などの多くの標準的な実験室マニュアルに記載される方法等に従って行うことができる。例えば、細胞接合法、電気的導入方法(エレクトロポレーション法)、化学的処理によるDNA導入法、感染等により行うことができる。 本発明のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターをシゾサッカロミセス属微生物に導入する方法は特に限定されない。例えば、遺伝子等をサッカロミセス属微生物に導入して相同組替えを行い酵母内で本発明のプラスミドベクターを構築すれば、そのまま導入した状態になる。一方、出芽酵母など他の微生物内で作製した本発明の分裂酵母用プラスミドベクターを取り出してシゾサッカロミセス属微生物に、上述した公知の遺伝子導入法にて導入することも可能である。 本発明のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターは、Genetic−Tag−of−War(gTOW:遺伝子綱引き)法(Hisao Moriya et al.PloS Genetics Volume2 Issue 7 JULY 2006)に基づき、標的遺伝子のシゾサッカロミセス属微生物内における発現強度の限界の評価に利用することができる。 本発明の評価方法は、標的遺伝子を含む上記本発明のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターを、ロイシン要求性のシゾサッカロミセス属微生物に導入しロイシン無添加の培地で培養する工程、および導入細胞内でのプラスミドベクターの最大コピー数を測定する工程、を有する。 まず、標的遺伝子を含む上記本発明のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターを、ロイシン要求性のシゾサッカロミセス属微生物に導入しロイシン無添加の培地で培養する。 シゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターへの標的遺伝子の導入は、先に述べたとおりである。 シゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターをシゾサッカロミセス属微生物へ導入する方法は特に限定されない。例えば、 GuthrieとFink, Guide to Yeast Genetics and Molecular and Cell Biology PartA, ELISEVIER ACADEMIC PRESS(1991)に記載されている、プロトプラスト法、塩化リチウム法、酢酸リチウム法などといった、一般的な方法を用いることが出来る。 ロイシン無添加の培地における培養において、培地は、ロイシン無添加のEMM培地(エジンバラ最小培地)等の培地を用いることができる。培養条件は培地及び酵母細胞の種類、量などの条件にもよるが、EMM培地を用いる場合、一般には25〜35℃、1〜7日程度の条件とすることができる。 続いて、導入細胞内でのプラスミドベクターの最大コピー数を測定する。測定は、GFPを含むプラスミドベクターの場合には、GFPの蛍光強度をフローサイトメーター(FACS)などにより測定することにより行うことができる。また、リアルタイムPCRにより測定することもできる。 測定された最大コピー数は、その酵母における標的遺伝子の最大発現強度として評価することができる。最大コピー数の高さ及び低さの基準は、ベクターのみでの測定値を基準に定めることができる。この標的遺伝子のコピー数が高い場合(最大発現強度が高い場合)、酵母細胞はその標的遺伝子の過剰発現に対し頑健であることを示し、また、コピー数が低い場合(最大発現強度が低い場合)、酵母細胞はその標的遺伝子の過剰発現に対し脆弱であることを示す。従って、本発明の評価方法は、標的遺伝子の創薬ターゲットとしての有用性の評価に利用することができる。 尚、本発明のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターの用途は、gTOW法に基づく評価方法に限定されず、クローニング用プラスミドベクターとして利用することもできる。 以下本発明を実施例により詳細に説明する。(シゾサッカロミセス属微生物(分裂酵母)) 以下の実施例において使用した分裂酵母は、サッカロミセス・ポンベ FY7652株(MM72−1D株、ゲノタイプ:h−leu1−32 ura4−D18)である。これは、ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)にID:FY7652として登録されており、寄託を受けたものである。(酵母へのDNA断片導入条件(プロトコル)) 以下の実施例において、酵母へのDNA断片の導入は下記のようにして行った。 酵母細胞をYPD培地で培養し、この培養液(OD600=1.0程度)1mLを遠心して細胞を回収した。回収した細胞を0.1Mの酢酸リチウム溶液で洗浄した。この細胞に、50% ポリエチレングリコール4000 300μL、1M 酢酸リチウム溶液 40μL、2mg/mL サケ精子DNA 25μL、および、PCR反応後のDNA それぞれ50μLを加え懸濁させた。続いて室温で30分静置した後、42℃で20分間放置した。遠心して細胞を回収し、50μLの水に懸濁した。選択寒天培地(EMM培地)に細胞懸濁液をひろげ、30℃でコロニーが見えるまで培養した。(PCR反応) 以下の実施例においてPCR反応は、PCRキット(KOD−plus−、カタログ番号KOD−202、東洋紡株式会社製)を用いておこなった。サーマルサイクラーとしてTP600(タカラバイオ株式会社製)を用いた。PCR反応液は下記の通り概ねPCRキットを利用して、キットの説明書に準じて調製した。〔PCR反応液〕 ・ 5μL KOD−plus−buffer(キットに添付のもの) ・ 5μL dNTP mix(キットに添付のもの) ・ 2μL MgSO4溶液(キットに添付のもの) ・ 1μL KOD−plus−(キットに添付のもの) ・ 1μL pKT128などプラスミド(アルカリ法で調製したDNAを100倍希釈したもの) ・ 1μL 各プライマー(水で10μMに調整したもの) ・35μL 超純水 サーマルサイクルは、94℃2分 → (94℃15秒→55℃30秒→68℃6分)×30サイクル → 68℃5分 → 4℃で保存、とした。参考例1(pHM001プラスミドベクターの構築) pRS315(配列番号12記載の塩基配列からなる。アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに、ATCC77144として寄託されており、分譲可能である。)を鋳型にして、プライマーOSBI0582−0584を用いて出芽酵母LEU2遺伝子を増幅した。pDBletを鋳型にして、プライマーOSBI0583−0585を用いて分裂酵母ura4+遺伝子を増幅した。OSBI0582(配列番号13):gcatctgtgcggtatttcacaccgCATATGaatggtcaggtcattgagtgOSBI0583(配列番号14):agattgtactgagagtgcacOSBI0584(配列番号15):GGGATTTGTAGCTAAGCTCCATATGcctcaacataacgagaacacacaggOSBI0585(配列番号16):cctgtgtgttctcgttatgttgaggCATATGGAGCTTAGCTACAAATCCC 一方、pDBlet(図2参照。配列表の配列番号17記載の塩基配列参照。pDBletの塩基配列はNCBIに登録されており、そのアクセッションナンバーはAF531173である。)を下記の条件で制限酵素NdeIで切断した。2mLのLBamp培地でプラスミドpDBletを持つ大腸菌(XL1−blue株、STRATAGENE社)(pDBletのXL1−blue株への挿入はエレクトロポレーション法によった。)を培養した。この大腸菌より、プラスミドをアルカリ法により精製し、50μLの水に溶かした。このプラスミド溶液 10μLを、NEB4バッファー(New England Biolab社)10μL、Nde I(New England Biolab社、カタログ番号R0111S) 10μL、および超純水 70μLに溶解し、37℃で1時間静置後、室温で一晩放置した。 これらの増幅産物および制限酵素切断断片を出芽酵母細胞内での相同組替え法により結合し、pHM001を得た(図3参照)。pHM001は、leu2d遺伝子が導入されているものの、そのプロモーター領域は導入されていない。 pHM001を含む酵母細胞を、ロイシンを含まない培地(EMM培地)において培養し、GFPの発現量をフローサイトメーター(FACScalibur BD社)で測定した。プラスミドのコピー数の測定は、Roche lightcycler2.0を用いてリアルタイムPCR法によって行った。 プラスミドコピー数を調べた結果、プラスミドベクターpHM001は、プラスミドコピー数を上げるバイアスが6コピー程度(5.9)と低すぎて、gTOW法への適用にはふさわしくないことが明らかになった。実施例1(pHM002プラスミドベクターの構築) 実施例1のpHM001は、ロイシンを含まない培地でのコピー数が低かったため、コピー数が低い原因と思われるLEU2をleu2dに置き換えて、pHM002を作成することにした。 pRS315を鋳型にして、OSBI0582−0606を用いてleu2d遺伝子断片を増幅した。一方、pDBletを鋳型にして、OSBI0583−0607を用いて分裂酵母ura4+遺伝子を増幅した。OSBI0582(配列番号13):gcatctgtgcggtatttcacaccgCATATGaatggtcaggtcattgagtgOSBI0583(配列番号14):agattgtactgagagtgcacOSBI0606(配列番号18):GGGATTTGTAGCTAAGCTCCATATGtatatatatttcaaggatataccatOSBI0607(配列番号19):atggtatatccttgaaatatatataCATATGGAGCTTAGCTACAAATCCC 一方、pDBletを参考例1と同様の条件で制限酵素NdeIで切断した。 これらの増幅産物および制限酵素切断断片を分裂酵母細胞内での相同組替え法により結合し、pHM002を得た(図4参照)。 pHM002を含む酵母細胞について、参考例1と同様にしてGFPの発現量の測定およびプラスミドのコピー数の測定を行なった。また、図6−1及び図6−2にpHM002のFACSパターンを示す。 その結果、pHM002のロイシンのない培地での最大コピー数は100を超えておりgTOW法に用いるプラスミドとして十分であることが分かった。しかし、図6−1及び図6−2に示すように、FACSでプラスミドコピー数をモニターすることは困難であることが分かった。実施例2(pHM004の構築) プラスミドコピー数の分散をモニターできるように、GFPを組み込んだプラスミド(pHM004)を作成した。 実施例1で作成したプラスミドベクターpHM002を鋳型として、OSBI009−0719を用いてleu2d−ura4+遺伝子断片を増幅した。一方、pKT128(配列番号20に記載の塩基配列参照。Euroscarfに登録されておりそのアクセッションナンバーはP30174である。)を鋳型にして、OSBI0720−0721を用いてEGFP−sphis5MX遺伝子カセット(配列番号21)を増幅した。OSBI009(配列番号22):GGAAACAGCTATGACCATGOSBI0719(配列番号23):tgttaattaaaccagcaccgtcaccATGCTGAGAAAGTCTTTGCTGATATGOSBI0720(配列番号24):CATATCAGCAAAGACTTTCTCAGCATggtgacggtgctggtttaattaacaOSBI0721(配列番号25):CTTAACTATGCGGCATCAGAGCAGATTGTACTGAGAGTGCACtcgatgaattcgagctcg 一方、pDBletを参考例1と同様の条件で制限酵素NdeIで切断した。 これらの増幅産物および制限酵素切断断片を分裂酵母細胞内での相同組替え法により結合し、pHM004(NITE P−445)を得た(図5参照)。 pHM004を含む酵母細胞について、参考例1と同様にしてGFPの発現量の測定およびプラスミドのコピー数の測定を行なった。また、図6−1及び図6−2にpHM004のFACSパターンを示す。 その結果、図6−1及び図6−2から明らかなように、pHM004は、ロイシンのない条件(10日間培養)での最大コピー数が約270コピー(276.3コピー)であり、他に比べて分散も少ない上に、2日目で十分にコピー数が上がるなど増殖も速かった。また、FACSで簡便にコピー数の変化をモニターすることができ、正確な上限を知ることができた。 その半面で、leu2dの発現が弱いため、上限の測定に10日程度かかることがあり、また、プラスミドコピー数を上げるバイアスが強いため、標的遺伝子の種類によってはコピー数の測定が困難となることが予想された。実施例4(pTOWug2−835〜842の構築) 様々なコピー数上昇バイアスを持つセット(pHM004−835〜842)を作成した。 まず、実施例3で作成したpHM004を鋳型にして、OSBI0585−0640を用いて、ura4+−EGFP−sphis5MX遺伝子カセットを増幅した。すなわち、参考例1で作成したプラスミドベクターpHM001を鋳型として、プライマーOSBI009−0842を用いて、プロモーターにそれぞれ欠失のある(図8参照)LEU2遺伝子を増幅した。一方、実施例3で作成したpHM004を鋳型にして、OSBI0585−0640を用いて、URA4+−EGFP−sphis5MX遺伝子カセットをPCRで増幅した。OSBI009(配列番号22):GGAAACAGCTATGACCATGOSBI0585(配列番号16):cctgtgtgttctcgttatgttgaggcatatggagctTAGCTACAAATCCCOSBI0640(配列番号26):gcgcgtttcggtgatgacggOSBI0835(配列番号27):TACATATAGCCAGTGGGATTTGTAGCTAAGCTCCATATGttcttaccttttacatttcaOSBI0836(配列番号28):TACATATAGCCAGTGGGATTTGTAGCTAAGCTCCATATGgtggttagcaatcgtcttacOSBI0837(配列番号29):TACATATAGCCAGTGGGATTTGTAGCTAAGCTCCATATGtatttaaggacctattgtttOSBI0838(配列番号30):TACATATAGCCAGTGGGATTTGTAGCTAAGCTCCATATGttgcatcacaatacttgaagOSBI0839(配列番号31):TACATATAGCCAGTGGGATTTGTAGCTAAGCTCCATATGtagaatagagaagcgttcatOSBI0840(配列番号32):TACATATAGCCAGTGGGATTTGTAGCTAAGCTCCATATGaggtgagagcgccggaaccgOSBI0841(配列番号33):TACATATAGCCAGTGGGATTTGTAGCTAAGCTCCATATGtttcaactgaaaaattgggaOSBI0842(配列番号34):TACATATAGCCAGTGGGATTTGTAGCTAAGCTCCATATGatttcagaggtcgcctgacg 一方、pDBlet(AF531173の配列を有する。)を参考例1と同様の条件で制限酵素NdeIで切断した。 これらの増幅産物および制限酵素切断断片を分裂酵母細胞内での相同組替え法により結合し、pHM004−835〜842を得た(図7及び図8参照)。 pHM004−835〜842を含む酵母細胞について、参考例1と同様にしてGFPの発現量の測定およびプラスミドのコピー数の測定を行なった。また、図9−1〜図9−8にpHM004のFACSパターン(ロイシンを含まない培地で2日間培養)を示す。 ロイシンを含まない培地におけるプラスミドの最大コピー数は、pHM004−835(NITE P−449)では80.4、pHM004−836(NITE P−446)では26.4、pHM004−837では78.8、pHM004−838では89.2、pHM004−839では80.9、pHM004−840では63.1、pHM004−842では61.5であった。 この結果から、pHM004−835〜842のうち、835と836が適度なコピー数を持ち、他に比べて分散も少ないことが明らかとなった。また、2日の培養で十分にコピー数が上昇することから増殖も速いことが明らかとなった。835はpHM004よりも低めのコピー数を持っており、836はpHM004よりも高いコピー数を持っていた。また、835と836以外のプラスミドも、標的遺伝子のコピー数の高低に応じて利用できるものと推測された。実施例5(遺伝子を導入した状態でのコピー数の測定) pHM004、835および836のそれぞれに、分裂酵母のcdc2+、cdc13+、cdc25+、rum1+、wee1+のそれぞれの遺伝子(それぞれSchizosaccharomyces pombe GeneDB(http://www.genedb.org/genedb/pombe/)よりSystematic Name SPBC11B10.09,SPBC582.03,SPAC24H6.05,SPBC32F12.09,SPCC18B5.03にて遺伝子情報を取得可能)をクローンした。 各プラスミドをシゾサッカロミセス・ポンベ ATCC201402株に導入し、50時間EMM培地で培養した後に、リアルタイムPCRでプラスミドのコピー数を測定した。結果を図10に示す。図10中、縦軸の数値はプラスミドコピー数を示し、「vector」は何も導入していない状態のプラスミドのコピー数を示す。 図10から明らかなとおり、各プラスミドは、導入した遺伝子に応じて異なるコピー数を示した。このことから、本発明のプラスミドは、gTOW法において、導入遺伝子に応じたプラスミドコピー数を得ることができ有用であることが明らかとなった。 なお、実施例で得られたプラスミドのうち、pHM004、pHM004−835、pHM004−836、pHM004−837、pHM004−838、pHM004−839、pHM004−840の塩基配列は、それぞれ配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8に記載されている。配列番号1:LEU2プロモーター配列番号2:pHM004配列番号3:pHM004−835配列番号4:pHM004−836配列番号5:pHM004−837配列番号6:pHM004−838配列番号7:pHM004−839配列番号8:pHM004−840配列番号9:leu2d遺伝子配列番号10:EGFP遺伝子配列番号11:ARS302配列番号12:pRS315配列番号13:プライマーOSBI0582配列番号14:プライマーOSBI0583配列番号15:プライマーOSBI0584配列番号16:プライマーOSBI0585配列番号17:pDBlet配列番号18:プライマーOSBI0606配列番号19:プライマーOSBI0607配列番号20:pKT128配列番号21:EGFP−sphis5MXカセット配列番号22:プライマーOSBI009配列番号23:プライマーOSBI0719配列番号24:プライマーOSBI0720配列番号25:プライマーOSBI0721配列番号26:プライマーOSBI0640配列番号27:プライマーOSBI0835配列番号28:プライマーOSBI0836配列番号29:プライマーOSBI0837配列番号30:プライマーOSBI0838配列番号31:プライマーOSBI0839配列番号32:プライマーOSBI0840配列番号33:プライマーOSBI0841配列番号34:プライマーOSBI0842図1は、gTOW法の原理を示す図である。図2は、pDBletのプラスミドマップである。図3は、pHM001のプラスミドマップである。図4は、pHM002のプラスミドマップである。図5は、pHM004のプラスミドマップである。図6−1は、pHM002およびpHM004をロイシンのない条件で3日培養した際のFACSパターンを3次元で示すグラフである。図6−2は、pHM002およびpHM004をロイシンのない条件で10日培養した際のFACSパターンを3次元で示すグラフである。図7は、pHM004−835〜842のプラスミドマップである。図8は、pHM004−835〜842のプロモータ部分の長さの相違を示す模式図である。図9−1は、pHM004−835のFACSパターンを示すグラフである。図9−2は、pHM004−836のFACSパターンを示すグラフである。図9−3は、pHM004−837のFACSパターンを示すグラフである。図9−4は、pHM004−838のFACSパターンを示すグラフである。図9−5は、pHM004−839のFACSパターンを示すグラフである。図9−6は、pHM004−840のFACSパターンを示すグラフである。図9−7は、pHM004−842のFACSパターンを示すグラフである。図9−8は、pHM004−835、pHM004−836、pHM004およびpHM002のFACSパターンを示すグラフである。図10は、pHM004、pHM004−835、およびpHM004−836に遺伝子を導入した場合のプラスミドコピー数を示すグラフである。 マーカー遺伝子としてのleu2d遺伝子と、 前記leu2d遺伝子の発現を制御するプロモーター領域として配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち3´末端側の1塩基または2以上の塩基と を少なくとも有することを特徴とする、シゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター。 第2のマーカー遺伝子としてura4+遺伝子を有することを特徴とする、請求項1に記載のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター。 EGFP遺伝子を更に含む、請求項1または2に記載のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター。 自己複製配列としてARS302を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター。 標的遺伝子クローニング部位、前記ARS302、前記EGFP遺伝子、前記ura4+遺伝子、前記プロモーター領域、前記leu2d遺伝子をこの順序で含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター。 配列番号2に記載の塩基配列を有するpHM004、配列番号3に記載の塩基配列を有するpHM004−835、配列番号4に記載の塩基配列を有するpHM004−836、配列番号5に記載の塩基配列を有するpHM004−837、配列番号6に記載の塩基配列を有するpHM004−838、配列番号7に記載の塩基配列を有するpHM004−839、配列番号8に記載の塩基配列を有するpHM004−840から選ばれる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター。 請求項1〜6のいずれか一項に記載のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターを含む分裂酵母。 標的遺伝子を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載のシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターを、ロイシン要求性のシゾサッカロミセス属微生物に導入しロイシン無添加の培地で培養する工程、および 導入細胞内でのプラスミドベクターの最大コピー数を測定する工程、 を少なくとも有することを特徴とする標的遺伝子の最大発現強度の評価方法。 【課題】出芽酵母を用いて開発されたGenetic−Tag−of−War(gTOW)法を分裂酵母でも実現するためのシゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクターの提供。【解決手段】マーカー遺伝子としてのleu2d遺伝子と、前記leu2d遺伝子の発現を制御するプロモーター領域として特定の塩基配列のうち3´末端側の1塩基または2以上の塩基とを少なくとも有する、シゾサッカロミセス属微生物用プラスミドベクター。【選択図】図5配列表


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