生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ラジカル捕捉剤、重合禁止剤および重合禁止方法
出願番号:2007281714
年次:2008
IPC分類:C07C 57/075,C08F 2/40,C07C 309/25


特許情報キャッシュ

檜森 俊一 沼田 繁明 JP 2008239600 公開特許公報(A) 20081009 2007281714 20071030 ラジカル捕捉剤、重合禁止剤および重合禁止方法 川崎化成工業株式会社 000199795 岡田 数彦 100097928 檜森 俊一 沼田 繁明 JP 2007051341 20070301 C07C 57/075 20060101AFI20080912BHJP C08F 2/40 20060101ALI20080912BHJP C07C 309/25 20060101ALN20080912BHJP JPC07C57/075C08F2/40C07C309/25 5 OL 10 4H006 4J011 4H006AA02 4H006AD41 4H006BS10 4J011NA26 4J011NB01 4J011NB02 本発明は、ラジカル捕捉剤、重合禁止剤および重合禁止方法に関する。 重合性を有するモノマーの製造時、精製時、変性時、保存時、懸濁重合などの分散重合時の分散媒でのスケール防止など油水二層共存で処理する際、水層に溶解する、すなわち水溶性の重合禁止剤が使用される。 従来、上記のような水溶性の重合禁止剤としては、ヒドロキノン類(特許文献1、2)、遷移金属塩類(特許文献3)、ピペリジン−1−オキシル類(特許文献4)等が知られている。特開昭54−14904号公報特開平5−320095号公報特開平10−218832号公報特開平1−165534号公報 ところで、ヒドロキノン類は、酸素共存下では効果があるが、酸素不存在下では効果がないという欠点を有する。ほとんどの分散重合は酸素不存在下で行われるため、水系の分散媒のスケール防止には効果がないと考えられる。さらに、疎水性有機溶媒への溶解度も大きいため有機溶媒からの除去は困難であるという欠点も有する。 遷移金属塩類は酸素不在下でも効果があるものの、金属塩類を添加すると以降の工程にも微量混入が避けられず、遷移金属はたとえ微量でも、重合、腐食、絶縁などの電気特性への影響があり、遷移金属塩の添加自体が忌避される傾向にある。 ピペリジン−1−オキシル類は、重合禁止効果が大きいものの、ヒドロキノン類と同様疎水性有機溶媒への溶解度も大きいため有機溶媒からの除去は困難であるという欠点を有する。 本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、遷移金属を含まず、水溶性で且つ疎水性有機溶媒に難溶であり、さらに、酸素不存在下でもラジカル捕捉効果を有し、重合禁止剤に適用可能なラジカル捕捉剤、重合禁止剤および重合禁止方法を提供することにある。 本発明者らは、前記課題を解決するため、ラジカル捕捉剤につき鋭意検討した結果、ナフトヒドロキノンスルホナートオニウム塩を初めとするナフトヒドロキノン化合物が、酸素不存在下においても、ラジカル捕捉効果を有し、特にモノマーに対して優れた重合禁止効果を有することを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明の第1の要旨は、下記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体を有効成分とするラジカル捕捉剤に存する。{一般式(1)中、Yは、水素原子、アルカリ金属または下記一般式(2)で表されるアンモニウム基を表す。}{一般式(2)中、R1、R2、R3は、それぞれ、独立に水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す。} 本発明の第2の要旨は、前記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体を有効成分とする重合禁止剤に存する。そして、本発明の第3の要旨は、上記の重合禁止剤を使用することを特徴とするモノマーの重合禁止方法に存する。 本発明のラジカル捕捉剤によれば、モノマーの製造時、精製時、変性時、保存時、輸送時、懸濁重合などの分散重合時の分散媒でのスケール防止の他、突発的重合時、安全に廃棄処理時に使用するモノマーの重合を防止することが出来る。 本発明のラジカル捕捉剤は、前下記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体である。 一般式(2)のR1、R2、R3は、水素原子またはメチル基が好ましい。アンモニウム基における水素原子の合計は、2以上が好ましく、3が更に好ましい。また、アルカリ金属としては、カリウム又はナトリウムが好ましい。 本願発明のラジカル捕捉剤を重合禁止剤として使用する場合に適用されるモノマーは、ラジカル重合性を有し、好ましくは、エチレン性不飽和モノマーであり、分子内にラジカル重合性を有するエチレン性二重結合を有する化合物であれば特に限定されない。このようなエチレン性不飽和モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステルや酢酸ビニル等の不飽和カルボン酸エステル類;アクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデンのような置換エチレン化合物などが挙げられる。 本発明のラジカル捕捉剤以外の他のラジカル捕捉剤あるいは重合禁止剤を併用してもよく、それらとしては、例えば、窒素含有化合物として、チオエーテル系化合物、アミン系化合物、ニトロソ化合物の群から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。なお、これらの窒素含有化合物は重合禁止剤として作用する。 チオエーテル系化合物としては、例えば、フェノチアジン、ジステアリルチオジプロピオネート等が挙げられる。 アミン系化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、4−アミノジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、4,4’−ジクミル−ジフェニルアミン、4,4’−ジオクチル−ジフェニルアミン等が挙げられる。 ニトロソ化合物としては、例えば、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソフェニルナフチルアミン、N−ニトロソジナフチルアミン、p−ニトロソフェノール、ニトロソベンゼン、p−ニトロソジフェニルアミン、α−ニトロソ−β−ナフトール等が挙げられる。 さらに、前述した以外の前記窒素含有化合物としては、例えば、ピペリジン−1−オキシル、ピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のニトロキシドが挙げられる。なお、これらの窒素含有化合物はラジカル捕捉剤として作用する。 また、他の重合禁止剤としてはヒドロキシ芳香族類、例えば、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、キノン化合物の群から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。このような化合物としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。 また、他の重合禁止剤としては、遷移金属塩、例えば、銅塩化合物、マンガン塩化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えば、ジアルキルジチオカルバミン酸銅(アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の何れかであり、同一であっても、異なっていてもよい)、酢酸銅、サリチル酸銅、チオシアン酸銅、硝酸銅、塩化銅、炭酸銅、水酸化銅、アクリル酸銅などの銅塩;ジアルキルジチオカルバミン酸マンガン(アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の何れかであり、同一であっても、異なっていてもよい)、ジフェニルジチオカルバミン酸マンガン、蟻酸マンガン、酢酸マンガン、オクタン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、過マンガン酸マンガン、エチレンジアミン四酢酸のマンガン塩などが挙げられる。 本発明のラジカル捕捉剤を重合禁止剤として使用する場合の使用量は、モノマーに対し、通常1〜5000重量ppm、好ましくは5〜1000重量ppm、更に好ましくは10〜500重量ppmである。 特に、本発明のラジカル捕捉剤は実質的に酸素不存在下でも効果を発揮する。ここで、実質的に酸素不存在下とは、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス等の不活性ガスで反応系内や容器内を置換することにより、反応系内や容器の空間部の酸素濃度が充分に低下した条件をいい、例えば、反応系内や容器の空間部の酸素濃度が通常1vol%以下、好ましくは0.1vol%以下のような条件をいう。より具体的には、エチレン性不飽和モノマー中の溶存酸素濃度が通常1重量ppm以下、好ましくは0.5重量ppm以下、更に好ましくは0.1重量ppm以下の条件をいう。 特に、本発明のラジカル捕捉剤は実質的に酸素不存在下でも効果を発揮する。ここで、実質的に酸素不存在下とは、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス等の不活性ガスで反応系内や容器内を置換することにより、反応系内や容器の空間部の酸素濃度が充分に低下した条件をいい、例えば、反応系内や容器の空間部の酸素濃度が通常1vol%以下、好ましくは0.1vol%以下のような条件をいう。より具体的には、エチレン性不飽和モノマー中の溶存酸素濃度が通常1重量ppm以下、好ましくは0.5重量ppm以下、更に好ましくは0.1重量ppm以下の条件をいう。 本発明のラジカル捕捉剤を重合禁止剤として使用した際の作用機構は重合開始反応あるいは成長反応の際、生成するラジカルを消去、安定化することにより重合反応を防止、抑制するものと考えられる。ラジカルはフリーラジカル、あるいは遊離基とも呼ばれ、本発明の捕捉対象とするラジカルは電気的に中性、陰性、陽性の何れであってもよい。 ところで、代表的な重合禁止剤である、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール等のハイドロキノン化合物は分子状酸素の存在下でのみの重合禁止効果を発現することはよく知れており、重合禁止機構も詳しく検討されており、以下の3点が判明している(J.J.Kurland,Journal of Polymer Science,Polymer Chemistry,18,1139-1145(1980)あるいは、L.B.Levy,Plant/Operations Progress,6,4,188-189(1987))。(1)分子状酸素が活性ラジカルに直接反応する重合禁止剤である。(2)ハイドロキノン化合物は活性ラジカルに直接反応しない。(3)ハイドロキノン化合物は酸素の重合禁止作用を補助している。 一方、本発明のラジカル捕捉剤は、ハイドロキノン化合物とは作用機構が全く異なり、酸素不在下で且つ少量で十分な効果を発現することから以下2点が考えられる。(1)本発明のラジカル捕捉剤は活性ラジカルに直接反応している。(2)本発明のラジカル捕捉剤はリサイクル的、触媒的に作用する。 このような作用を有する本発明のラジカル捕捉剤は、上記の通り重合禁止剤として使用される他、使用する場面ごとに、重合防止剤、重合抑制剤、重合遅延剤、連鎖移動剤、スケール防止剤、汚れ防止剤などとも呼ばれ、これら用途ごとの名称に拘わらず、ラジカルを補足したり、特にモノマーの重合を禁止したり、抑止したり、遅延したりする等、ラジカル反応、特に重合を抑制的に制御する薬剤と定義することが出来る。 本発明のラジカル捕捉剤が使用される用途に関しては、具体的には、例えば、モノマーの合成、変成、精製、蒸留、貯蔵、保管、移送、噴霧、塗布、重合、廃棄などのモノマーの製造、取り扱いに関わるすべてのプロセスに使用することが出来る。また何らかの原因で暴走的に発生した異常重合など、緊急時の暴走反応防止のための薬剤いわゆるショートストッパーとして使用することも出来る。 更に、モノマーの製造、取り扱いに関わる全てのプロセスにて生じる、装置への付着物、析出物、所謂スケールを防止するために本発明の重合禁止剤を単独または、他の薬剤と混合、あるいは変性したものを装置へ塗布することにより供することも可能である。斯かる用途に関する詳細は、例えば、「水溶性高分子の新展開」((株)シーエムシー出版、2004年5月)を参照することが出来る。 また、本発明のラジカル捕捉剤をポリマーにグラフトさせ、ポリマー自体を重合禁止剤に変性させ、塗布したり、成型加工し、利用することも可能である斯かる用途に関する詳細は、例えば、「P.Yang,Journal of Polymer Science PartA,42.4047(2004)」を参照することが出来る。 また、上記のラジカルを消去したり、安定化する作用機構を利用することにより、重合に際し、重合開始剤、光開始剤、増感剤、連鎖移動剤と共に利用でき、これらの薬剤と組み合わせることにより、合成するポリマーの分子量を制御したり、共重合の際のシークエンスを制御したり、ブロックポリマー、グラフトポリマー、デンドリマーを合成することも可能である。 その際の重合様態としては、塊状、溶液、乳化(コロイド、エマルション、ラテックスとも呼ばれる)、分散、懸濁、気相、固相の状態の何れであってもよい。また、特に、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング材などの用途では、様態として、一液型だけでなく多液型で硬化や重合して使用される態様もあり、それらの液に添加して使用することも出来る。重合に際し、熱分解型、光分解型などの開始剤を添加するか又は添加せずに、熱、紫外線、電子線、マイクロ波などの電離線照射、機械的エネルギーを与えて重合させることが一般的である。これらの重合様態において重合用の重合性モノマー組成物の保存安定性を改良する目的で本発明のラジカル捕捉剤を使用することも出来る。 上記のすべて使用様態において本発明の添加対象物として以下を挙げることが出来る。 モノマー組成物として、接着剤、粘着剤、レジスト、封止材、塗料、コーティング、歯科材料、医用材料などに使用されるモノマー組成物が挙げられる。ポリマー組成物として、ポリマー同士やポリマーとオリゴマーとのポリマーアロイ、ポリマーブレンド、ポリマーとモノマーのシラップ、ポリマーを水、有機溶媒などに溶解、分散させたポリマー溶液、ポリマー分散液、ポリマー乳化液などが挙げられる。複合体(コンポジット)として、ポリマーと無機物質(セラミックス、ガラス等)、金属、あるいは有機物質との複合体が挙げられる。更に、他の物質と反応させて、それら化合物にラジカル捕捉剤能を付与することが出来る。対象物質として、金属、ポリマー、オリゴマー、モノマー等有機物質、セラミックス、紙、布、毛皮などの天然物などが挙げられる。 更に、本発明のラジカル捕捉剤は、上記のラジカルを消去したり、安定化する作用機構を利用することにより、制御できる重合以外の各種反応、すなわち、酸化、老化、腐敗、燃焼、生体反応など、ラジカルの関与する全ての反応にも使用することも出来る。例えば、ポリマーや他の化学薬剤などの酸化防止剤、保存安定剤、老化防止剤、増粘防止剤として使用することもできる他、燃焼反応の抑制、防止、生体内で発生する有害ラジカルの捕捉、消去(例えば特開平5−213764公報)、ラジカルに起因する癌、梗塞などの疾病や老化(例えば“Oxidative Stress in Dermatology”、323ページ以降における論文“Skin Diseases Associated with Oxidative Irjury”(Marcel Decker Inc.、ニューヨーク、バーゼル、香港、発行者:Juergen Fuchs、フランクフルトおよびLester Packer、バークレー/カリフォルニア州))の予防効果も期待できる。 本発明のラジカル捕捉剤は、水溶性で且つトルエン等疎水性有機溶剤に事実上不溶であるという特徴も有する。ここで、水溶性とは常温の蒸留水に100gに対して10g以上溶解することを意味する。また、ここで、疎水性有有機溶剤とは蒸留水への溶解度が1.0重量%以下の有機溶剤を示す。該当する疎水性有機溶剤は文献(「溶剤ハンドブック」講談社サイエンティフィック(1976)等)で容易に知ることが出来る。 本発明のラジカル捕捉剤の水溶性である特徴を利用して(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩などの水溶性のモノマー、薬剤への利用に好都合である。一方、油溶性のモノマー薬剤の場合でも、乳化、分散、懸濁状態で水系連続層に用いることが出来る。また、本発明のラジカル捕捉剤は疎水性有機溶剤に事実上不溶であるため、組成物や複合体に添加した場合、疎水性有機溶剤によるブリードアウトし難いという特徴も有する。水溶性で且つトルエン等疎水性有機溶剤に事実上不溶であるという特徴から、微量に疎水性有機溶剤に溶解した本発明のラジカル捕捉剤は水により効率よく抽出できるという特徴も有する。 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例で使用した測定方法および評価方法は次の通りである。<誘導期間の測定> 200重量ppmメトキノン含有の市販のアクリル酸(和光純薬特級)を再結晶操作3回実施し、メトキノンを除去した。このアクリル酸4gをガラス製の20mL試験管に入れ、さらに、アクリル酸に対して所定量の重合禁止剤を添加し、熱伝対を液中に挿入し、ガラス製のキャピラリー管にて所定の溶存酸素濃度になるまで窒素10mL/分の流量でバブリング通気し、密封した。107℃に加熱したオイルバスに試験管を浸漬させ、内温を100℃に制御して、重合発熱による発泡するまでの時間を測定した。<水溶性評価> 常温常圧下にて、200mLのガラス製ビーカーに常温の蒸留水100gを秤り採り、重合禁止剤10gを加え、マグネチックスターラーにて10分かくはんして観察し、次の基準で水溶性を評価する。溶解:目視で不溶分が確認できないことを意味する。不溶:目視で不溶分が確認できることを意味する。<トルエン溶解性評価> 常温常圧下にて、200mLのガラス製ビーカーに常温のトルエン(和光純薬特級)100gを秤り採り、重合禁止剤1gを加え、マグネチックスターラーにて10分かくはんして観察し、次の基準でトルエン溶解性を評価する。溶解:目視で不溶分が確認できないことを意味する。不溶:目視で不溶分が確認できることを意味する。なお、不溶と判定された場合は高速液体クロマトグラフィにてトルエン中の溶解度を測定した。 実施例1: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例2: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例3: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ビス(モノメチルアンモニウム)50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例4: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ビス(モノエチルアンモニウム)50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例5: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ビス(ジメチルアンモニウム)50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例6: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ビス(トリメチルアンモニウム)50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例7: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ビス(テトラメチルアンモニウム)50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例8: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム10重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例9: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム5重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例10: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム1重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例11: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例12: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 比較例1: アクリル酸に対し、重合禁止剤としてヒドロキノン50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 比較例2: アクリル酸に対し、重合禁止剤としてメトキノン50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 比較例3: アクリル酸に対し、重合禁止剤を添加せず、溶存酸素濃度と誘導期間との評価を実施し、結果を表1に記載した。 比較例4: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム0.1重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 比較例5: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 下記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体を有効成分とするラジカル捕捉剤。{一般式(1)中、Yは、水素原子、アルカリ金属または下記一般式(2)で表されるアンモニウム基を表す。}{一般式(2)中、R1、R2、R3は、それぞれ、独立に、水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す。} 前記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体を有効成分とする重合禁止剤。 請求項2に記載の重合禁止剤を使用することを特徴とするモノマーの重合禁止方法。 重合禁止剤の使用量がモノマーに対して1〜5000重量ppmである請求項3に記載のモノマーの重合禁止方法。 モノマー中の溶存酸素濃度が1重量ppm以下である請求項3に記載のエチレン性不飽和モノマーの重合禁止方法。 【課題】遷移金属を含まず、水溶性で且つ疎水性有機溶媒に難溶であり、さらに、酸素不存在下でもラジカル捕捉効果を有し、特にモノマーに対して優れた重合禁止効果を有するラジカル捕捉剤を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体を有効成分とするモノマー用のラジカル捕捉剤。{一般式(1)中、Yは、水素原子、アルカリ金属または置換基を有していてもよいアンモニウム基を表す。}【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る

特許公報(B2)_ラジカル捕捉剤、重合禁止剤および重合禁止方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ラジカル捕捉剤、重合禁止剤および重合禁止方法
出願番号:2007281714
年次:2013
IPC分類:C07C 51/50,C07C 57/075,C08F 2/40,C07C 309/25


特許情報キャッシュ

檜森 俊一 沼田 繁明 JP 5181624 特許公報(B2) 20130125 2007281714 20071030 ラジカル捕捉剤、重合禁止剤および重合禁止方法 川崎化成工業株式会社 000199795 岡田 数彦 100097928 檜森 俊一 沼田 繁明 JP 2007051341 20070301 20130410 C07C 51/50 20060101AFI20130321BHJP C07C 57/075 20060101ALI20130321BHJP C08F 2/40 20060101ALI20130321BHJP C07C 309/25 20060101ALI20130321BHJP JPC07C51/50C07C57/075C08F2/40C07C309/25 C07C 51/50 C07C 57/075 C07C 309/25 C08F 2/40 CA/REGISTRY(STN) 特開平6−16594(JP,A) 特開平6−9496(JP,A) 特開平3−275642(JP,A) Chemical & Pharmaceutical Bulletin,1963年,11,813−814 日本化学会誌,1980年,1,53−57 日本化学会誌,1981年,12,1899−1903 5 2008239600 20081009 11 20100902 高橋 直子 本発明は、ラジカル捕捉剤、重合禁止剤および重合禁止方法に関する。 重合性を有するモノマーの製造時、精製時、変性時、保存時、懸濁重合などの分散重合時の分散媒でのスケール防止など油水二層共存で処理する際、水層に溶解する、すなわち水溶性の重合禁止剤が使用される。 従来、上記のような水溶性の重合禁止剤としては、ヒドロキノン類(特許文献1、2)、遷移金属塩類(特許文献3)、ピペリジン−1−オキシル類(特許文献4)等が知られている。特開昭54−14904号公報特開平5−320095号公報特開平10−218832号公報特開平1−165534号公報 ところで、ヒドロキノン類は、酸素共存下では効果があるが、酸素不存在下では効果がないという欠点を有する。ほとんどの分散重合は酸素不存在下で行われるため、水系の分散媒のスケール防止には効果がないと考えられる。さらに、疎水性有機溶媒への溶解度も大きいため有機溶媒からの除去は困難であるという欠点も有する。 遷移金属塩類は酸素不在下でも効果があるものの、金属塩類を添加すると以降の工程にも微量混入が避けられず、遷移金属はたとえ微量でも、重合、腐食、絶縁などの電気特性への影響があり、遷移金属塩の添加自体が忌避される傾向にある。 ピペリジン−1−オキシル類は、重合禁止効果が大きいものの、ヒドロキノン類と同様疎水性有機溶媒への溶解度も大きいため有機溶媒からの除去は困難であるという欠点を有する。 本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、遷移金属を含まず、水溶性で且つ疎水性有機溶媒に難溶であり、さらに、酸素不存在下でもラジカル捕捉効果を有し、重合禁止剤に適用可能なラジカル捕捉剤、重合禁止剤および重合禁止方法を提供することにある。 本発明者らは、前記課題を解決するため、ラジカル捕捉剤につき鋭意検討した結果、ナフトヒドロキノンスルホナートオニウム塩を初めとするナフトヒドロキノン化合物が、酸素不存在下においても、ラジカル捕捉効果を有し、特にモノマーに対して優れた重合禁止効果を有することを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明の第1の要旨は、下記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体を有効成分とするラジカル捕捉剤に存する。{一般式(1)中、Yは、水素原子、アルカリ金属または下記一般式(2)で表されるアンモニウム基を表す。}{一般式(2)中、R1、R2、R3は、それぞれ、独立に水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す。} 本発明の第2の要旨は、前記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体を有効成分とする重合禁止剤に存する。そして、本発明の第3の要旨は、上記の重合禁止剤を使用することを特徴とするモノマーの重合禁止方法に存する。 本発明のラジカル捕捉剤によれば、モノマーの製造時、精製時、変性時、保存時、輸送時、懸濁重合などの分散重合時の分散媒でのスケール防止の他、突発的重合時、安全に廃棄処理時に使用するモノマーの重合を防止することが出来る。 本発明のラジカル捕捉剤は、前下記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体である。 一般式(2)のR1、R2、R3は、水素原子またはメチル基が好ましい。アンモニウム基における水素原子の合計は、2以上が好ましく、3が更に好ましい。また、アルカリ金属としては、カリウム又はナトリウムが好ましい。 本願発明のラジカル捕捉剤を重合禁止剤として使用する場合に適用されるモノマーは、ラジカル重合性を有し、好ましくは、エチレン性不飽和モノマーであり、分子内にラジカル重合性を有するエチレン性二重結合を有する化合物であれば特に限定されない。このようなエチレン性不飽和モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステルや酢酸ビニル等の不飽和カルボン酸エステル類;アクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデンのような置換エチレン化合物などが挙げられる。 本発明のラジカル捕捉剤以外の他のラジカル捕捉剤あるいは重合禁止剤を併用してもよく、それらとしては、例えば、窒素含有化合物として、チオエーテル系化合物、アミン系化合物、ニトロソ化合物の群から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。なお、これらの窒素含有化合物は重合禁止剤として作用する。 チオエーテル系化合物としては、例えば、フェノチアジン、ジステアリルチオジプロピオネート等が挙げられる。 アミン系化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、4−アミノジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−i−プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、4,4’−ジクミル−ジフェニルアミン、4,4’−ジオクチル−ジフェニルアミン等が挙げられる。 ニトロソ化合物としては、例えば、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソフェニルナフチルアミン、N−ニトロソジナフチルアミン、p−ニトロソフェノール、ニトロソベンゼン、p−ニトロソジフェニルアミン、α−ニトロソ−β−ナフトール等が挙げられる。 さらに、前述した以外の前記窒素含有化合物としては、例えば、ピペリジン−1−オキシル、ピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のニトロキシドが挙げられる。なお、これらの窒素含有化合物はラジカル捕捉剤として作用する。 また、他の重合禁止剤としてはヒドロキシ芳香族類、例えば、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、キノン化合物の群から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。このような化合物としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。 また、他の重合禁止剤としては、遷移金属塩、例えば、銅塩化合物、マンガン塩化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えば、ジアルキルジチオカルバミン酸銅(アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の何れかであり、同一であっても、異なっていてもよい)、酢酸銅、サリチル酸銅、チオシアン酸銅、硝酸銅、塩化銅、炭酸銅、水酸化銅、アクリル酸銅などの銅塩;ジアルキルジチオカルバミン酸マンガン(アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の何れかであり、同一であっても、異なっていてもよい)、ジフェニルジチオカルバミン酸マンガン、蟻酸マンガン、酢酸マンガン、オクタン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、過マンガン酸マンガン、エチレンジアミン四酢酸のマンガン塩などが挙げられる。 本発明のラジカル捕捉剤を重合禁止剤として使用する場合の使用量は、モノマーに対し、通常1〜5000重量ppm、好ましくは5〜1000重量ppm、更に好ましくは10〜500重量ppmである。 特に、本発明のラジカル捕捉剤は実質的に酸素不存在下でも効果を発揮する。ここで、実質的に酸素不存在下とは、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス等の不活性ガスで反応系内や容器内を置換することにより、反応系内や容器の空間部の酸素濃度が充分に低下した条件をいい、例えば、反応系内や容器の空間部の酸素濃度が通常1vol%以下、好ましくは0.1vol%以下のような条件をいう。より具体的には、エチレン性不飽和モノマー中の溶存酸素濃度が通常1重量ppm以下、好ましくは0.5重量ppm以下、更に好ましくは0.1重量ppm以下の条件をいう。 特に、本発明のラジカル捕捉剤は実質的に酸素不存在下でも効果を発揮する。ここで、実質的に酸素不存在下とは、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス等の不活性ガスで反応系内や容器内を置換することにより、反応系内や容器の空間部の酸素濃度が充分に低下した条件をいい、例えば、反応系内や容器の空間部の酸素濃度が通常1vol%以下、好ましくは0.1vol%以下のような条件をいう。より具体的には、エチレン性不飽和モノマー中の溶存酸素濃度が通常1重量ppm以下、好ましくは0.5重量ppm以下、更に好ましくは0.1重量ppm以下の条件をいう。 本発明のラジカル捕捉剤を重合禁止剤として使用した際の作用機構は重合開始反応あるいは成長反応の際、生成するラジカルを消去、安定化することにより重合反応を防止、抑制するものと考えられる。ラジカルはフリーラジカル、あるいは遊離基とも呼ばれ、本発明の捕捉対象とするラジカルは電気的に中性、陰性、陽性の何れであってもよい。 ところで、代表的な重合禁止剤である、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール等のハイドロキノン化合物は分子状酸素の存在下でのみの重合禁止効果を発現することはよく知れており、重合禁止機構も詳しく検討されており、以下の3点が判明している(J.J.Kurland,Journal of Polymer Science,Polymer Chemistry,18,1139-1145(1980)あるいは、L.B.Levy,Plant/Operations Progress,6,4,188-189(1987))。(1)分子状酸素が活性ラジカルに直接反応する重合禁止剤である。(2)ハイドロキノン化合物は活性ラジカルに直接反応しない。(3)ハイドロキノン化合物は酸素の重合禁止作用を補助している。 一方、本発明のラジカル捕捉剤は、ハイドロキノン化合物とは作用機構が全く異なり、酸素不在下で且つ少量で十分な効果を発現することから以下2点が考えられる。(1)本発明のラジカル捕捉剤は活性ラジカルに直接反応している。(2)本発明のラジカル捕捉剤はリサイクル的、触媒的に作用する。 このような作用を有する本発明のラジカル捕捉剤は、上記の通り重合禁止剤として使用される他、使用する場面ごとに、重合防止剤、重合抑制剤、重合遅延剤、連鎖移動剤、スケール防止剤、汚れ防止剤などとも呼ばれ、これら用途ごとの名称に拘わらず、ラジカルを補足したり、特にモノマーの重合を禁止したり、抑止したり、遅延したりする等、ラジカル反応、特に重合を抑制的に制御する薬剤と定義することが出来る。 本発明のラジカル捕捉剤が使用される用途に関しては、具体的には、例えば、モノマーの合成、変成、精製、蒸留、貯蔵、保管、移送、噴霧、塗布、重合、廃棄などのモノマーの製造、取り扱いに関わるすべてのプロセスに使用することが出来る。また何らかの原因で暴走的に発生した異常重合など、緊急時の暴走反応防止のための薬剤いわゆるショートストッパーとして使用することも出来る。 更に、モノマーの製造、取り扱いに関わる全てのプロセスにて生じる、装置への付着物、析出物、所謂スケールを防止するために本発明の重合禁止剤を単独または、他の薬剤と混合、あるいは変性したものを装置へ塗布することにより供することも可能である。斯かる用途に関する詳細は、例えば、「水溶性高分子の新展開」((株)シーエムシー出版、2004年5月)を参照することが出来る。 また、本発明のラジカル捕捉剤をポリマーにグラフトさせ、ポリマー自体を重合禁止剤に変性させ、塗布したり、成型加工し、利用することも可能である斯かる用途に関する詳細は、例えば、「P.Yang,Journal of Polymer Science PartA,42.4047(2004)」を参照することが出来る。 また、上記のラジカルを消去したり、安定化する作用機構を利用することにより、重合に際し、重合開始剤、光開始剤、増感剤、連鎖移動剤と共に利用でき、これらの薬剤と組み合わせることにより、合成するポリマーの分子量を制御したり、共重合の際のシークエンスを制御したり、ブロックポリマー、グラフトポリマー、デンドリマーを合成することも可能である。 その際の重合様態としては、塊状、溶液、乳化(コロイド、エマルション、ラテックスとも呼ばれる)、分散、懸濁、気相、固相の状態の何れであってもよい。また、特に、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング材などの用途では、様態として、一液型だけでなく多液型で硬化や重合して使用される態様もあり、それらの液に添加して使用することも出来る。重合に際し、熱分解型、光分解型などの開始剤を添加するか又は添加せずに、熱、紫外線、電子線、マイクロ波などの電離線照射、機械的エネルギーを与えて重合させることが一般的である。これらの重合様態において重合用の重合性モノマー組成物の保存安定性を改良する目的で本発明のラジカル捕捉剤を使用することも出来る。 上記のすべて使用様態において本発明の添加対象物として以下を挙げることが出来る。 モノマー組成物として、接着剤、粘着剤、レジスト、封止材、塗料、コーティング、歯科材料、医用材料などに使用されるモノマー組成物が挙げられる。ポリマー組成物として、ポリマー同士やポリマーとオリゴマーとのポリマーアロイ、ポリマーブレンド、ポリマーとモノマーのシラップ、ポリマーを水、有機溶媒などに溶解、分散させたポリマー溶液、ポリマー分散液、ポリマー乳化液などが挙げられる。複合体(コンポジット)として、ポリマーと無機物質(セラミックス、ガラス等)、金属、あるいは有機物質との複合体が挙げられる。更に、他の物質と反応させて、それら化合物にラジカル捕捉剤能を付与することが出来る。対象物質として、金属、ポリマー、オリゴマー、モノマー等有機物質、セラミックス、紙、布、毛皮などの天然物などが挙げられる。 更に、本発明のラジカル捕捉剤は、上記のラジカルを消去したり、安定化する作用機構を利用することにより、制御できる重合以外の各種反応、すなわち、酸化、老化、腐敗、燃焼、生体反応など、ラジカルの関与する全ての反応にも使用することも出来る。例えば、ポリマーや他の化学薬剤などの酸化防止剤、保存安定剤、老化防止剤、増粘防止剤として使用することもできる他、燃焼反応の抑制、防止、生体内で発生する有害ラジカルの捕捉、消去(例えば特開平5−213764公報)、ラジカルに起因する癌、梗塞などの疾病や老化(例えば“Oxidative Stress in Dermatology”、323ページ以降における論文“Skin Diseases Associated with Oxidative Irjury”(Marcel Decker Inc.、ニューヨーク、バーゼル、香港、発行者:Juergen Fuchs、フランクフルトおよびLester Packer、バークレー/カリフォルニア州))の予防効果も期待できる。 本発明のラジカル捕捉剤は、水溶性で且つトルエン等疎水性有機溶剤に事実上不溶であるという特徴も有する。ここで、水溶性とは常温の蒸留水に100gに対して10g以上溶解することを意味する。また、ここで、疎水性有有機溶剤とは蒸留水への溶解度が1.0重量%以下の有機溶剤を示す。該当する疎水性有機溶剤は文献(「溶剤ハンドブック」講談社サイエンティフィック(1976)等)で容易に知ることが出来る。 本発明のラジカル捕捉剤の水溶性である特徴を利用して(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩などの水溶性のモノマー、薬剤への利用に好都合である。一方、油溶性のモノマー薬剤の場合でも、乳化、分散、懸濁状態で水系連続層に用いることが出来る。また、本発明のラジカル捕捉剤は疎水性有機溶剤に事実上不溶であるため、組成物や複合体に添加した場合、疎水性有機溶剤によるブリードアウトし難いという特徴も有する。水溶性で且つトルエン等疎水性有機溶剤に事実上不溶であるという特徴から、微量に疎水性有機溶剤に溶解した本発明のラジカル捕捉剤は水により効率よく抽出できるという特徴も有する。 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例で使用した測定方法および評価方法は次の通りである。<誘導期間の測定> 200重量ppmメトキノン含有の市販のアクリル酸(和光純薬特級)を再結晶操作3回実施し、メトキノンを除去した。このアクリル酸4gをガラス製の20mL試験管に入れ、さらに、アクリル酸に対して所定量の重合禁止剤を添加し、熱伝対を液中に挿入し、ガラス製のキャピラリー管にて所定の溶存酸素濃度になるまで窒素10mL/分の流量でバブリング通気し、密封した。107℃に加熱したオイルバスに試験管を浸漬させ、内温を100℃に制御して、重合発熱による発泡するまでの時間を測定した。<水溶性評価> 常温常圧下にて、200mLのガラス製ビーカーに常温の蒸留水100gを秤り採り、重合禁止剤10gを加え、マグネチックスターラーにて10分かくはんして観察し、次の基準で水溶性を評価する。溶解:目視で不溶分が確認できないことを意味する。不溶:目視で不溶分が確認できることを意味する。<トルエン溶解性評価> 常温常圧下にて、200mLのガラス製ビーカーに常温のトルエン(和光純薬特級)100gを秤り採り、重合禁止剤1gを加え、マグネチックスターラーにて10分かくはんして観察し、次の基準でトルエン溶解性を評価する。溶解:目視で不溶分が確認できないことを意味する。不溶:目視で不溶分が確認できることを意味する。なお、不溶と判定された場合は高速液体クロマトグラフィにてトルエン中の溶解度を測定した。 実施例1: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例2: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例3: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ビス(モノメチルアンモニウム)50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例4: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ビス(モノエチルアンモニウム)50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例5: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ビス(ジメチルアンモニウム)50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例6: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ビス(トリメチルアンモニウム)50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例7: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ビス(テトラメチルアンモニウム)50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例8: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム10重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例9: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム5重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例10: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム1重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例11: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 実施例12: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 比較例1: アクリル酸に対し、重合禁止剤としてヒドロキノン50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 比較例2: アクリル酸に対し、重合禁止剤としてメトキノン50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 比較例3: アクリル酸に対し、重合禁止剤を添加せず、溶存酸素濃度と誘導期間との評価を実施し、結果を表1に記載した。 比較例4: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム0.1重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 比較例5: アクリル酸に対し、重合禁止剤として、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジオキソ−2,3−ナフタレンジスルホン酸ジアンモニウム50重量ppmを添加し、溶存酸素濃度、誘導期間、水溶性評価およびトルエン溶解性評価を実施し、結果を表1に記載した。 下記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体を有効成分とするラジカル捕捉剤。{一般式(1)中、Yは、水素原子、アルカリ金属または下記一般式(2)で表されるアンモニウム基を表す。}{一般式(2)中、R1、R2、R3は、それぞれ、独立に、水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す。} 前記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体を有効成分とする重合禁止剤。 請求項2に記載の重合禁止剤を使用することを特徴とするモノマーの重合禁止方法。 重合禁止剤の使用量がモノマーに対して1〜5000重量ppmである請求項3に記載のモノマーの重合禁止方法。 モノマー中の溶存酸素濃度が1重量ppm以下である請求項3に記載のエチレン性不飽和モノマーの重合禁止方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る