生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_二日酔い予防又は改善剤
出願番号:2007240910
年次:2009
IPC分類:A61K 36/18,A61P 25/32,A61P 39/02


特許情報キャッシュ

山田 さおり JP 2009067763 公開特許公報(A) 20090402 2007240910 20070918 二日酔い予防又は改善剤 辻堂化学株式会社 707000691 山田 さおり A61K 36/18 20060101AFI20090306BHJP A61P 25/32 20060101ALI20090306BHJP A61P 39/02 20060101ALI20090306BHJP JPA61K35/78 CA61P25/32A61P39/02 1 OL 5 4C088 4C088AB15 4C088AC11 4C088BA08 4C088NA14 4C088ZC37 4C088ZC54 本発明は、二日酔い予防又は改善剤に関する。 マカ(Lepidium meyenii Walp)は、南米ペルーのアンデスの高地を原産とするアブラナ科の植物である。マカは、アンデス地方においてはほぼ2千年以上前から栽培されており、健康維持のための食品として食されてきた植物である。マカには、必須アミノ酸、各種ビタミン類、無機質などが豊富に含まれている。また、マカには、活力再生、滋養強壮に効果があるとされ、また、睡眠障害の改善、抹消血流の改善、皮膚保湿能改善のためにマカの抽出物を摂取することが提案されている(特許文献1〜3)。 一方、従来よりアルコール摂取後の二日酔い等の不快な諸症状を改善できる二日酔い予防又は改善剤が求められている。この種の内服液として、制酸剤に各種薬効成分を配合した液剤(懸濁液)が提案されているが、その効果はいまだ十分なものではない。特開2007−31371号公報特開2005−281272号公報特開2005−281271号公報 本発明の目的は、アルコール摂取後の二日酔いを予防するとともに、二日酔いの不快症状に対して速効性を有する二日酔い予防又は改善剤を提供することにある。 本発明は、マカ(Lepidium meyenii Walp)の抽出物を含有することを特徴とする二日酔い予防又は改善剤を提供するものである。 本発明によれば、アルコール摂取後の二日酔いを予防するとともに、二日酔いの不快症状に対して速効性を有する二日酔い予防又は改善剤を提供することができる。なお、マカに二日酔いの予防改善効果が存在することは、本発明者らがはじめて見出した見地である。 マカ(Lepidium meyenii Walp)は、アンデス地方、主にペルーの海抜4000から5000mの高地に自生、もしくは栽培されている根菜植物であり、その根茎部が古来より食用として用いられている。 マカ(Lepidium meyenii Walp)とは、南米ペルーのアンデスの高地を原産とするアブラナ科の植物である。マカの抽出物を得るには、全草、花、果実、葉、地下茎を含む茎、球根等、いずれの部位を用いてもよいが、好ましくは球根部を用いて、抽出溶媒を用いて抽出することによって取得することができる。 ここで用いる抽出溶媒としては、とくに制限はないが、水、有機溶媒またはこれらの混合溶液を例示することができる。 具体的には、親水性有機溶媒としてメタノール、エタノール、ブタノールなどの低級アルコール;プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール;酢酸エチルエステル、酢酸アミルエステルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類を挙げることができる。好ましくは、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどのアルコール類であり、より好ましくはエタノール、1,3−ブチレングリコールである。また、親油性溶媒としてヘキサン、酢酸エチル等を挙げることができる。 これらの有機溶媒は、1種単独で用いてもよいが、2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。また、1種または2種以上の親水性有機溶媒と水との混合溶媒として用いることもできる。この場合、親水性有機溶媒と水との混合割合は、特に制限はないが、通常1:1〜9:1(重量比)の割合で用いることができる。 しかしながら、抽出物は最終的に経口摂取されることを考慮すると、安全性の面からみて、抽出溶媒として水−エタノールの混合水溶液(好ましくはエタノールを40〜99%含有する水溶液)を用いるのが好ましい。 また、抽出時の抽出溶媒の温度は、例えば40〜100℃、なかでも60〜85℃程度とするのが望ましい。 抽出に際してのマカと溶媒との混合比率は特に限定されるものではないが、マカ1重量部に対して溶剤を0.3〜5000重量部程度用いるのが好ましく、特に、抽出操作、抽出効率の点からみて、5〜100重量部とするのが好ましい。 抽出に際し、マカは、具体的には、その球根部をそのまま若しくは乾燥処理し、また必要に応じて切断・粉砕して、上記溶媒に浸漬して抽出物を調製することができる。浸漬条件については特に制限はないが、低温〜室温〜加温条件のいずれをも使用することができる。また還流、好ましくは加温還流をしながら浸漬処理を行っても良い。得られた浸漬液は必要に応じて濾過し、そのまま抽出液とするか、あるいは濃縮してエキスまたは乾燥粉末としても使用することができる。また、必要に応じて、得られた抽出液(エキスを含む)をさらにイオン交換樹脂や分配カラムによって精製してもよい。なお、本発明にいうマカ抽出物とは、これらの抽出液、抽出濃縮エキス、乾燥粉末品等のいずれをも包含するものである。 本発明の二日酔い予防又は改善剤において、マカ抽出物の配合量は、その効果、添加した際の香り、色調等を考慮して、適時その配合量を決定することができる。しかしながら、配合範囲として、マカ抽出物を乾燥重量として換算し、0.01〜99.9%、好ましくは0.01〜99.5%の濃度範囲とすることが望ましい。なお、マカ抽出物を高濃度で使用すると、マカ抽出物の独特の臭いが強くなるので、マカ抽出物の濃度は、経口摂取に悪影響が出ないように適宜決定すればよい。 マカ抽出物の1日当たりの摂取量は特に制限されず、例えば、乾燥重量換算で0.01mgから10g程度とすることができるが、さらなる速効性を求めるには、乾燥重量換算で1mg〜1,000mgとするのが望ましい。 本発明の二日酔い予防又は改善剤は、飲料の形態で経口摂取されるのが望ましい。飲料としては、アルコール飲料、コーヒー飲料、ジュース、果汁飲料、炭酸飲料、清涼飲料水等が挙げられる。 なお、これらの飲食品は、必要により各種添加剤を配合し、常法に従って調製することができる。具体的には、これらの飲料を調製する場合には、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェノール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等、通常の食品原料として使用されているものを適宜配合して、常法に従って製造することができる。 また、酒類としては、特に制限はないが、好ましくはアルコール濃度が10%以上45%未満の酒類が好ましい。原料となる酒類の具体例としては、清酒、焼酎、泡盛、ワイン、ビール、リキュール類、ウィスキー、ブランデー、スピリッツ類、醸造用原料アルコール、みりん等があげられる。 以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されない。実施例1 マカの乾燥粉砕物3kgをステンレス容器に入れ、これにエタノール50容量%の水溶液30Lを加え、60℃にて3時間攪拌、抽出した。溶液を濾過し、得られた液から溶媒を除去し、100gのマカ抽出物(粉末)を得た。 続いて、前記マカ抽出物(粉末)を水に再分散させ、薬剤試料とした。 ウィスター(Wister)系雄性ラット(7〜8週齢)一群6匹を一夜絶食後、翌朝薬剤試料(10ml/kg)を経口投与し、20分後に15%(W/V)エタノール水溶液20ml/kgを経口投与した。エタノール水溶液投与後、1、3、5の各時間後に尾の先端から採血し、血中アルコール測定キット(シグマ社製)を用いて血中アルコール濃度を測定した。薬剤試料の投与量はマカ抽出物(粉末)として300mg/kgである。 その結果、ラットの血中アルコール濃度は、エタノール水溶液投与直後が150mg/dlであったのに対し、1時間後は105mg/dl、3時間後は82mg/dl、5時間後は40mg/dlであった(平均)。これに対し、マカ抽出物を投与しない対照群は、エタノール水溶液投与直後が150mg/dlであったのに対し、1時間後は140mg/dl、3時間後は107mg/dl、5時間後は88mg/dlであった。実施例2 以下の処方にてジュースを調製した。 冷凍濃縮オレンジ果汁 5.0質量部 果糖ブドウ糖液糖 1.0質量部 クエン酸 0.10質量部 L−アスコルビン酸 0.09質量部 実施例1のマカ抽出物 0.05質量部 エタノールパッチテストでアルデヒド脱水素酵素欠損型と判定された健常人5名(年齢25〜32才、男性3名、女性2名)をパネルとし、上記ジュースおよび上記ジュースからマカ抽出物を除いた対照ジュースを用いた。なお、上記ジュースにおけるマカ抽出物の量は、下記の試験において摂取量が50mgとなるようにした。 ジュースおよび対照ジュース服用後20分にビール(アルコール濃度約 5.5%)135ml を飲酒させて、飲酒後20分での自覚症状を質問票で回答させた。 パネルテストは順序効果を考慮し、ブラインドで行い、同一時間帯に日を変えて実施した。 自覚症状の評価は1〜5(1:症状なし、2:やや症状あり、3:症状あり、4:ややひどい、5:ひどい)の5段階で行い、Paired-t 検定により有意差を検定した。 結果を以下に示す。実施例2のジュースは、危険率 5%で酔いの程度および顔のほてりを改善し、悪酔いを予防することが明らかになった。 ジュースおよび対照ジュースの悪酔い予防効果(平均値) 実施例2のジュース: 酔いの程度2.3* 顔のほてり2.1* 心臓の鼓動2.5 眠気の程度3.3 対照ジュース: 酔いの程度3.5 顔のほてり3.7 心臓の鼓動3.3 眠気の程度3.4 *:対照ジュースに比べて有意差あり(P<0.05) マカ(Lepidium meyenii Walp)の抽出物を含有することを特徴とする二日酔い予防又は改善剤。 【課題】 従来よりアルコール摂取後の二日酔い等の不快な諸症状を改善できる二日酔い予防又は改善剤が求められ、この種の内服液として、制酸剤に各種薬効成分を配合した液剤(懸濁液)が提案されているが、その効果はいまだ十分なものではなかった。本発明は、アルコール摂取後の二日酔いを予防するとともに、二日酔いの不快症状に対して速効性を有する二日酔い予防又は改善剤を提供することを課題とする。【解決手段】 マカ(Lepidium meyenii Walp)の抽出物を含有することを特徴とする二日酔い予防又は改善剤。【選択図】 なし


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