生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_地盤の品質検査方法
出願番号:2007161442
年次:2009
IPC分類:E02D 3/00,G01N 3/00


特許情報キャッシュ

浅香 美治 堀田 洋之 桂 豊 安部 透 JP 2009001981 公開特許公報(A) 20090108 2007161442 20070619 地盤の品質検査方法 清水建設株式会社 000002299 砂場 哲郎 100098246 森川 泰司 100132883 浅香 美治 堀田 洋之 桂 豊 安部 透 E02D 3/00 20060101AFI20081205BHJP G01N 3/00 20060101ALI20081205BHJP JPE02D3/00G01N3/00 D 3 1 OL 7 2D043 2G061 2D043AA01 2D043AA09 2D043AC05 2D043BA08 2D043BA10 2G061AA11 2G061BA04 2G061CA06 2G061CB02 2G061EB08 本発明は地盤の品質検査方法に係り、特に、室内試験においてベンダーエレメントを用いて測定した供試体のせん断波速度から、原地盤の品質検査を行う方法に関する。 近年、ブロック状・柱状などに造成したセメント系改良地盤上に、直接基礎で建物を支持させる基礎工法を採用する事例が増加している。セメント系改良地盤は、土と固化材とをスラリー状態で原位置撹拌して造成するため、その品質は地盤条件・施工機械などにより大きく異なる。このため、設計品質が確保できるように施工管理を行うとともに、改良地盤の品質を検査することが重要である。 従来のセメント系改良地盤の品質検査方法のフロー図を図4に示す。この品質検査方法は、(1)改良地盤にセメント系の混合処理を行い、(2)改良地盤から複数のモールド試料、またはコア抜きによる複数の試料を採取し、(3)材齢4週強度を一軸圧縮試験により測定し、(4)コアの一軸圧縮強度quと改良地盤の設計基準強度Fcとを比較して、改良地盤の強度と均質性とが確認される。しかし、この品質検査方法は、材齢4週まで改良地盤の品質の確認ができない、すなわち強度不足を初めとする不具合が4週以前に把握できない、手間やコストが掛かるため検査数量が限られる、圧縮試験に用いた供試体はそれ以後の供試体として使えない、といった問題を抱えていた。 これに対し出願人は、対象土質ごとに一義的に決まるセメント系改良土のせん断波速度と一軸圧縮強さの相関関係を現場ごとに予め求めておき、ベンダーエレメントを使って現場のセメント系改良地盤上でせん断波が伝わる速度を測定することにより、その圧縮強度を確認する地盤の評価方法を提案している(特許文献1)。特開2004−53586号公報 ところが、特許文献1で示された技術では、現場地盤上でせん断波速度を測定する際に数名の検査員が現場に赴く必要があり、特に大規模現場では検査頻度が増大してコストの増大を招いていた。 本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、特許文献1に記載された従来の地盤の品質検査方法が有する問題点を改善し、検査人員や検査手間のかからない地盤の品質検査方法を提供することを目的とする。 上記目的を達成するため、本発明に係る地盤の品質検査方法は、地盤改良の実施工が進行する改良地盤からコアを抜き取り、該コアの内部を伝わるせん断波速度を測定し、該測定の結果を、予め求めた前記コアと同等仕様の特性を持つ供試体の内部を伝わるせん断波速度と前記供試体の強度との関係、に適用して、前記改良地盤の地盤強度を推定することを特徴とする。 また、本発明に係る地盤の品質検査方法は、前記供試体は、原位置土を採取し改良地盤と同等仕様の配合で撹拌し形成する、又は、改良地盤から採取した改良土をモールドに充填して形成する、又は、改良地盤からコア抜きする、方法のうち、少なくとも1つから作製されるように構成してもよい。 また、本発明に係る地盤の品質検査方法は、前記コア及び前記供試体の内部を伝わるせん断波速度の測定に、ベンダーエレメントを用いるように構成してもよい。 以上のように本発明によれば、従来のベンダーエレメントを用いた地盤の品質検査方法が有する問題点を改善し、検査人員や検査手間の低減が図れる、という効果を奏する。 以下、本発明の地盤の品質検査方法の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。本発明の地盤の品質検査方法は、原位置地盤の品質確認、あるいはセメント系改良材等の各種地盤改良材を用いて地盤特性の向上が図られた改良地盤の品質確認を、以下のステップ(1)〜(8)に従って行う手法である(図1参照)。本実施形態では、特に地盤改良後の地盤(改良地盤)における強度特性の確認について述べる(後述の通り、ステップ(1-1),(2-1)をステップ(1-2),(2-2)に置き換えてもよい。)。(1-1) 現場サイトにおいて、改良対象となる地層から原位置土を採取する。改良対象となる地層が一様でなく互層となっている場合は、各地層から原位置土を採取する。(2-1) 現場で実際に採用された配合設計にしたがって、原位置から採取した土と、セメント系固化材と、水とをホバートミキサ等で撹拌して、改良土の供試体を作製する。なお、改良対象の地層が互層となっている場合は、それぞれの層厚を考慮した比率で、採取土を混合する。(3) 作製した供試体に対して、複数の材齢でせん断波速度を測定し、引き続いて一軸圧縮試験を行い、改良土のせん断波速度Vsと一軸圧縮強さquの相関関係を求める。図2各図は、供試体を用いたせん断速度測定、及び圧縮試験の試験概要を示した説明図である。本実施形態では、供試体として従来の土試料の一軸圧縮試験の供試体用円筒形モールド(φ50mm,h=100mm)を利用して作製したものを利用している。十分なデータ数となるように複数個の供試体を利用した試験を行う。供試体10はモールドから脱型した後に端面整形を行い、図2(a)に示したように、対向する上下の端面10a間にベンダーエレメント11の先端を密着させ、この端面間を伝播するせん断波の到達時間tを測定する。せん断波到達時間t及び供試体高さHから、せん断波速度Vs(=H/t)が求められる。さらに後述する回帰曲線を得るために、図2(b)に示したように、せん断波速度測定を行った供試体10に対して載荷板12で一軸方向に加圧して、せん断波速度Vsを求めた供試体の一軸圧縮強さquを求める。なお、後述するように、材齢28日以前の供試体のVs〜qu関係も求めておくと、材齢28日以前の改良地盤の評価にも使用することができる。(4) (3)で得られた改良土室内試験による改良土のせん断波速度Vsと一軸圧縮強さquの関係を示す回帰曲線を、下式(式1)による回帰分析を行い、パラメータa,bを決定して定式化する。以下の(式1)は種々の改良土において、Vs〜qu関係をよく近似することが知られている。図3は、改良土室内試験で得られたデータと、求めた回帰曲線を示したグラフである。なお、グラフ内に記載された一軸圧縮強さquのカッコ内の数字は、測定を実施した供試体の材齢を表わしている。ここに、a,bは回帰分析によって定まるパラメータ(5) (4)で得られた改良地盤のVs〜qu関係式に基づいて、設計基準強度Fcに対応したせん断波速度=目標せん断波速度Vs,speを決定する。具体的には、パラメータa,bが定まった(数1)に設計基準強度Fcを代入し、目標せん断波速度Vs,speを逆算する。なお、試験結果のばらつきを考慮して、安全側となるようにVs,speを決定してもよい。(6) 現場の改良地盤がボーリング可能な程度まで固化した後、原位置改良地盤のボーリングを行って、複数のコア供試体を採取する。(7) (6)で採取したコア供試体のせん断波速度Vsを、試験室において、任意の材齢で測定する。せん断波速度Vsの測定は、前述した図2(a)に示した方法と同様の試験が実施される。(8) (7)で測定したコア供試体のせん断波速度VsがVs>=Vs,spe(目標せん断波速度)であれば、原位置の改良地盤は、設計基準強度Fcを満足していると判定する。しかし、コア供試体のVs<Vs,speのときは、原位置の改良地盤は設計基準強度Fcを満足していないと判定する。 上記の実施形態では、(1-1),(2-1)に示したように、原位置から採取した土を室内撹拌して作製した供試体から、改良土のVs〜qu関係を求めている。このステップ(1-1),(2-1)を、以下に示すステップ(1-2),(2-2)に置き換えることも可能である。どちらのステップを選択するかは、原位置地盤の土質や工程等を考慮して判断する。(1-2) 実際の施工計画書・配合設計にしたがって、原位置で改良地盤を施工する。(2-2) (1-2)で施工された改良土からモールド供試体を作製し、又は固化した改良地盤からコア供試体を採取する。ステップ(3)以後については前述と同様である。 以上の評価方法によると、ステップ(7)で示したコア供試体のせん断波速度の測定を1名で実施することができる。従来のように、原位置改良地盤のせん断波速度を測定するために数名の検査員を要しない。その結果、検査人員や検査手間がかからず、検査コストを低減することができる。 また、ステップ(7)で示したコア供試体のVs測定は非破壊検査であり、材齢に関わらず、同一のコア供試体で何度でも検査することが可能である。そのため、コア抜きによるコア供試体の採取数を減らすことができ、コストを低減させることができる。また、ステップ(3)で、材齢が28日前の改良土のVs〜qu関係を得ていれば、原位置改良地盤の材齢28日以前における地盤状態を把握することができる。例えば、図3に示すように、改良土のVs〜quデータを得られ、設計基準強度Fcに対応する目標せん断波速度Vs,speが設定されていたとする。このとき、ステップ(7)で得られた材齢7日のコア供試体のせん断波速度が、ステップ(3)で得られた材齢7日の供試体のせん断波速度と近ければ、図3より材齢28日の原位置改良土の強度は設計基準強度Fcを上回ると予想される。その場合は、材齢28日に達する前に、次工程に進むなど工期の短縮を図ることができる。そして、コア供試体が材齢28日に達した際に、確認のためにコア供試体のせん断波速度が計測される。 しかし、前記材齢7日のコア供試体のせん断波速度が極端に下回った場合は、原位置改良土の施工に不具合があったと考えられる。そして、材齢28日の原位置改良地盤の強度が、設計基準強度Fcを上回る見込みがないと判断される場合には、改良地盤が材齢28日に達する前に再施工を実施することができる。 また、供試体のせん断波速度の測定にあたっては、特別な技量が不要であり、検査の合否判定が検査者の技量に依存することがない。 この実施形態では、ステップ(3)で示したせん断波速度測定と一軸圧縮試験で用いる供試体は、ステップ(2-1)で作製した供試体、あるいはステップ(2-2)で示したモールド供試体、又はコア供試体の一種類に限定した。しかし、これらの供試体を数種類用意してせん断波速度測定と一軸圧縮試験とを実施してもよいことはいうまでもない。本発明に係る地盤の品質検査方法の一実施形態における検査手順を示したフロー図。せん断波速度測定時及び強度試験時の供試体を示した斜視図。改良土のせん断波速度と一軸圧縮強度との関係を示したグラフ。従来の地盤の品質検査方法の評価ステップを示したフロー図。符号の説明 10 供試体 11 ベンダーエレメント 12 載荷板 地盤改良の実施工が進行する改良地盤からコアを抜き取り、該コアのせん断波速度を測定し、該測定の結果を、予め求めた前記コアと同等仕様の特性を持つ供試体のせん断波速度と前記供試体の強度との関係に適用して、前記改良地盤の地盤強度を推定することを特徴とする地盤の品質検査方法。 前記供試体は、原位置土を採取し改良地盤と同等仕様の配合で撹拌し形成する方法、改良地盤から採取した改良土をモールドに充填して形成する方法、改良地盤からコア抜きする方法のうち、少なくとも1つの方法から作製されたことを特徴とする請求項1に記載の地盤の品質検査方法。 前記コア及び前記供試体のせん断波速度の測定に、ベンダーエレメントを用いたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地盤の品質検査方法。 【課題】従来の地盤の品質検査方法は、原地盤でせん断波速度を測定するのに手間を要し、コストの増大を招いていた。【解決手段】 改良対象となる地層から原位置土を採取し、配合設計にしたがって改良土の供試体を作成する。作成した供試体に対してせん断波速度を測定し、引き続いて一軸圧縮試験を行い、せん断波速度と一軸圧縮強さの相関関係を求める。そして、改良土のせん断波速度と一軸圧縮強さとの関係を示す回帰曲線を求め、目標せん断波速度を決定する。改良地盤の固化後、複数のコア供試体を採取する。採取したコア供試体のせん断波速度を、任意の材齢で測定し、原位置地盤の強度を評価する。【選択図】 図1


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