生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_指紋検出用溶液、その製造方法およびそれを用いた指紋検出方法
出願番号:2007156952
年次:2008
IPC分類:A61B 5/117,C07C 23/18


特許情報キャッシュ

木山 晴之 JP 2008307195 公開特許公報(A) 20081225 2007156952 20070614 指紋検出用溶液、その製造方法およびそれを用いた指紋検出方法 日本ゼオン株式会社 000229117 木山 晴之 A61B 5/117 20060101AFI20081128BHJP C07C 23/18 20060101ALI20081128BHJP JPA61B5/10 322C07C23/18 6 OL 8 4C038 4H006 4C038FF03 4C038FG04 4C038FG10 4H006AA03 4H006AB80 4H006EA12 本発明は、鑑識技術分野において指紋を含む検体から潜在指紋を検出するための、ニンヒドリンを含有する指紋検出用溶液、前記指紋検出溶液の製造方法および前記指紋検出溶液を用いた指紋検出方法に関する。 紙等に付着した指紋を検出するための従来の方法として、人体の汗に含まれるアミノ酸がニンヒドリンと反応して紫色に発色することを利用したニンヒドリンを使用したものが知られている。例えば、新聞紙、リポート用紙、上質紙等の普通紙に付着した指紋を検出する場合には、従来、ケトン類、アルコール類等の有機溶剤を溶媒とするニンヒドリン溶液に指紋の付着した普通紙を浸漬させる方法、普通紙に前記ニンヒドリン溶液をハケ等で塗布する方法、普通紙に前記ニンヒドリン溶液を噴霧して均一に塗布する方法等により、普通紙に十分な量の溶液を染み込ませ、その後、加熱処理を施すことによって発色反応を促進させていた。ニンヒドリンは、ケトン類、アルコール類等の極性ある有機溶剤に容易に溶解し、上記方法によれば、指紋がにじまずにくっきりと検出できるが、普通紙に油性のボールペンやマジック等で文字が書かれていた場合には、ニンヒドリン溶液に含有される有機溶剤によって、筆跡鑑定等の指紋以外に得られるべき有力な情報にも損傷を与えるという問題点があった。また、感熱紙等の紙に対して用いる場合、極性有機溶媒や熱による変質が生じ、表面がすぐに黒っぽく変色してしまうことから、指紋の検出が困難となってしまうという問題点や、紙幣や証書などに用いる場合、印刷されているホログラムが極性有機溶媒によって溶けて消失してしまうなどの支障があった。さらに、極性有機溶媒を用いる上記方法においては、該溶媒が引火点を有することから、空気中での加熱などを伴う指紋検出操作に支障が生ずるという問題点もあった。 そこで、以上の問題を解決することを目的とした手法として、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロエーテル類などの不燃性の含フッ素有機溶剤を用いる方法であるが、ニンヒドリンはこれら含フッ素有機溶剤には殆ど溶解しないため、ニンヒドリンを溶解できる少量の極性有機溶媒や界面活性剤、或いは水を併用する方法が提案されている。 例えば、特許文献1には、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類やハイドロフルオロエーテル類など含フッ素有機溶剤とニンヒドリンと非イオン系界面活性剤とを含む指紋検出用溶液が提案されている。該含フッ素有機溶剤はニンヒドリンをほとんど溶解しないため、非イオン系界面活性剤の添加が必須となっている。しかしながら、感熱紙などの被検体を該指紋検出用溶液に浸漬して引き上げた際、含フッ素有機溶剤は速やかに乾燥するが、添加成分の非イオン系界面活性剤は未乾燥で残渣として残りやすいため、指紋や文字情報等のにじみ、感熱紙の変色、被検体同士の付着などの問題が起こる。そこで、被検体表面に残存する非イオン系界面活性剤を除去するため、被検体を該指紋検出用溶液に浸漬して引き上げた後に、さらに該含フッ素有機溶剤に被検体を浸漬して濯ぎ取る方法が提案されているが、検出液の管理や作業が煩雑になってしまうという問題点があった。 また、特許文献2には、ハイドロフルオロエーテルの1種である1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンとニンヒドリンと水とを含む指紋検出用溶液が提案されている。上記化合物の25℃における水分飽和濃度は質量基準で900ppmであり、含水量を多く取れることから、指紋検出に必要な濃度のニンヒドリンを溶解させることができるとしている。しかしながら、上記化合物の沸点は56℃と揮発しやすいため、飽和濃度近くまで含有させた水分は上記化合物の揮発とともに遊離し、ニンヒドリンの分離浮上や析出が起こりやすいという問題点があった。特開2003−61937号公報特開2006−204398号公報 本発明の目的は、前記問題点を解決し、容易に普通紙や感熱紙の潜在指紋の検出に使用できるニンヒドリン含有指紋検出用溶液を提供することにある。すなわち、検出液の調整がしやすく、検体との接触時間が短く、指紋のにじみ、感熱紙の変色、紙幣や証書のホログラムや指紋以外の文字等の情報のにじみや消失等が発生せず、しかも、不燃性で取扱いが容易な、指紋検出用溶液を提供することを目的とする。 また、本発明は、前記指紋検出用溶液の製造方法および前記指紋検出溶液を用いた指紋検出用溶液を提供することにある。 発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、不燃性の含フッ素有機溶剤の中でも環状フッ化炭化水素類は、ニンヒドリンの溶解性に優れ、普通紙や感熱紙の潜在指紋を鮮明に発色させるのに充分な濃度で溶解させることができ、不燃性で取扱いが容易であること、さらには環状フッ化炭化水素類を用いると、指紋検出液の調整がしやすく、検体との接触時間が短く、指紋のにじみ、感熱紙の変色、紙幣や証書のホログラムや指紋以外の文字等の情報のにじみや消失等が発生しないことを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成するに至ったものである。 すなわち本発明は、(1)環状フッ化炭化水素化合物およびニンヒドリンを含有することを特徴とする指紋検出用溶液(2)前記指紋検出用溶液に鎖状フッ化炭化水素化合物をさらに含有することを特徴とする指紋検出用溶液(3)環状フッ化炭化水素化合物が1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンであり、鎖状フッ化炭化水素化合物がパーフルオロブチルエチルエーテルである前記の指紋検出用溶液(4)ニンヒドリンに、環状フッ化炭素水素化合物および鎖状フッ化炭化水素化合物を混合せしめることを特徴とする指紋検出用溶液の製造方法(5)前記の指紋検出用溶液に被検体を浸漬することを特徴とする指紋検出方法(6)前記の指紋検出用溶液を被検体に、塗布または噴霧することを特徴とする指紋検出方法である。 本発明の指紋検出用溶液は、普通紙や感熱紙の潜在指紋の検出に際し、検体との接触時間が短く、指紋のにじみ、感熱紙の変色、紙幣や証書のホログラムや指紋以外の文字等の情報のにじみや消失等が発生しない。また、本発明の指紋検出用溶液は、原料として用いられる環状フッ化炭化水素類がニンヒドリンの溶解性に優れることから、指紋検出液の調整がしやすく、不燃性で取扱いが容易である。 以下、本発明を詳細に説明する。本発明の指紋検出用溶液は、環状フッ化炭化水素化合物とニンヒドリンとを含有する。環状フッ化炭化水素化合物は、環状構造を有し、水素原子の一部がフッ素原子により置換された炭化水素であれば特に限定されるものではなく、不飽和結合を含んでいてもよい。その炭素数は、3〜12が望ましく、特に4〜10が望ましい。 環状フッ化飽和炭化水素化合物の具体例としては、1,1,2,2−テトラフルオロシクロブタン、1,2,2,3,3−ペンタフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン、ヘプタフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,4,5−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,3,3,4,5−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,4,4,5−オクタフルオロシクロペンタン、ノナフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4,4,5,6−デカフルオロシクロヘキサン、テトラデカフルオロデカリン、ヘキサデカフルオロデカリンなどが挙げられる。これらの中でも、1,2,2,3,3−ペンタフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン、ヘプタフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,4,5−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,3,3,4,5−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,4,4,5−オクタフルオロシクロペンタン、ノナフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,4,5,6−デカフルオロシクロヘキサンなどが好ましく、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,4,5−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,3,3,4,5−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,4,4,5−オクタフルオロシクロペンタン、ノナフルオロシクロペンタンなどがより好ましく、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンが特に好ましい。 環状フッ化不飽和炭化水素化合物の具体例としては、1,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン、1,2,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、1,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、2,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、1,3,3,4,4,5,5,6,6−ノナフルオロシクロヘキセン、1,2,3,4,4,5,5,6,6−ノナフルオロシクロヘキセン、1,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロシクロヘキセン、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロシクロヘキセンなどが挙げられる。これらの中でも、不燃性であることから、1,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン、1,2,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンが特に好ましい。 これらの環状フッ化炭化水素化合物は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。その場合の混合比は任意のものを選択することができる。本発明における指紋検出溶液中のニンヒドリンの含量は任意であるが、濃度が濃いほど指紋を鮮明に発色することができる。ただし、ニンヒドリンが析出する可能性があるため、溶媒の飽和濃度以下であることが望ましい。 これらの環状フッ化炭素化合物の中でも沸点の高いものは、検出液中のニンヒドリン濃度が変動しにくいため、使用中或いは長期間保管後などに液濃度を調整する必要がなく好適であるが、凝固点も高い場合があり、冬場や寒冷地などで検出液が凍ってしまい扱いにくい面がある。そこで、該化合物の凝固点を使用上支障のない温度まで降下させるため、ニンヒドリンの溶解性を維持できる範囲内で、他の有機溶剤を添加することができる。この場合、感熱紙の変色や指紋以外の文字等の情報のにじみや消失を起こさず、しかも、不燃性の鎖状フッ化炭化水素化合物を添加するのが有効である。 鎖状フッ化炭化水素化合物としては、特に制限されないが、炭素、水素、フッ素で主に構成され、酸素原子や不飽和結合を含んでいてもよい。炭素数は、2〜8のものが好ましく、特に炭素数3〜6のものが特に好ましい。具体的には、ペンタフルオロプロパン、ヘキサフルオロブタン、デカフルオロペンタン、パーフルオロプロピルメチルエーテル、パーフルオロブチルメチルエーテル、パーフルオロブチルエチルエーテル等が挙げられる。中でも、沸点が近似したものが望ましく、例えば1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンの場合には、パーフルオロブチルエチルエーテルを添加することが、揮発による組成変動を起こしにくい点で効果的である。 鎖状フッ化炭化水素化合物を添加する場合の、環状フッ化炭化水素化合物と鎖状フッ化炭化水素化合物の比率は、任意に選択できるが、ニンヒドリンの溶解度を考慮すると環状フッ化炭化水素化合物の比率が多い方が望ましい。例えば、環状フッ化炭化水素化合物が、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンで、鎖状フッ化炭化水素化合物がパーフルオロブチルエチルエーテルの場合、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンの含有量としては70〜90重量%、及びパーフルオロブチルエチルエーテルの含有量としては10〜30重量%、好ましくは、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンの含有量としては80〜85重量%、及びパーフルオロブチルエチルエーテルの含有量としては15〜20重量%である。 本発明の指紋検出用溶液に用いられる環状フッ化炭化水素化合物は、単独でもニンヒドリンを溶解して指紋検出用溶液として使用することができるが、溶解度を考慮して、感熱紙の変色や指紋以外の文字等の情報のにじみや消失を起こさない範囲の濃度で、他の極性有機溶剤を併用することが有効である。他の極性有機溶剤としては、ケトン類、アルコール類などが例示され、その添加量は全溶液の1重量%以下が好ましく、0.5重量%以下が特に好ましい。本発明の指紋検出用溶液は、ニンヒドリンの溶解を補助するための少量の極性有機溶剤の添加以外に、他の添加剤を含有しないことが望ましい。また、界面活性剤等、他の添加剤を入れて使用することも可能である。 本発明の指紋検出用溶液(以下、単に該溶液と記すことがある。)を用いて指紋を検出する方法としては、指紋が付着した感熱紙などの被検体を該溶液に浸漬する方法、該溶液を被検体に刷毛などで塗布する方法、スプレーなどの噴霧によって該溶液を表面に均一に塗布する方法などが挙げられる。浸漬方法における浸漬時間は1〜5秒間程度の短時間で充分である。本発明における環状フッ化炭化水素類は比較的揮発し易いため、該溶液への浸漬、該溶液の塗布などにより湿潤状態になった被検体は、室温でも容易に乾燥せしめることができる。 被検体からの潜在指紋の発色は1時間程度で始まり、約1日で完了する。更に、被検体を加温することで、指紋が発色するまでの時間を短縮することができる。ただし、感熱紙の場合は変色を防止するために、加温温度を40〜60℃程度までの温度に調整することが必要である。(実施例1)(1)指紋検出用溶液の製造 密栓できる試験管に、乳鉢ですりつぶした試薬特級ニンヒドリン0.5gとエタノール0.5mlを入れて蓋を閉め、ウォターバス内に入れて40℃で湯煎し、時々手で攪拌することで約1時間で完全に溶解させた。次に、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン100mlに前記ニンヒドリンエタノール溶液を全量加え、軽く攪拌して指紋検出用溶液を製造した。(2)潜在指紋の検出試験 上記で得られた指紋検出用溶液を用い、指で接触した食料品小売店のレジスターの感熱紙レシートを被検体として、指紋検出試験を行った。すなわち、該溶液中に指紋が付着した被検体を室温(23℃)で3秒間浸漬し、引き上げた後に乾燥機内に入れて40℃で3時間保温した。その後、被検体の指紋の発色及び感熱紙の変色を目視で観察して評価した。(実施例2) 1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンの含有量が80重量%及びパーフルオロブチルエチルエーテルの含有量が20重量%の混合液を作成し、これを溶媒として実施例1と同様に評価した。(実施例3) 3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンを溶媒として実施例1と同様に評価した。(比較例1) ゼオローラHTA〔1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンを主成分にターシャリアミルアルコールを4.2重量%添加した共沸組成の洗浄剤組成物:日本ゼオン(株)製の製品名〕を溶媒として実施例1と同様に評価した。(比較例2) バートレル(登録商標)XF〔三井・デュポンフロロケミカル(株)製、製品名、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン〕を溶媒として実施例1と同様に評価した。但し、指紋検出用溶液の調整の際、固形分の析出が見られたため、濾紙を用いて濾過をした後に得られた溶液を指紋検出用に用いた。(比較例3) HFE−7100〔住友スリーエム(株)製、製品名、パーフルオロブチルメチルエーテル〕を溶媒として比較例2と同様に評価した。上記実施例、比較例の評価結果を表1に示した。 表1の結果のとおり、実施例1,2,3では、指紋の発色も鮮明で、且つ、感熱紙の黒変が認められなかった。これに対し、比較例1では指紋の発色は鮮明であったが、共沸添加成分のターシャリアミルアルコールの影響で感熱紙全体が黒変した。また、比較例2,3では、感熱紙の影響は無かったものの、ニンヒドリン濃度が不十分であったため指紋の鮮明な発色は認められなかった。(参考例1)各種フッ素系溶剤のニンヒドリンの溶解性評価 乳鉢ですりつぶした試薬特級ニンヒドリン1gをエタノール1mlに完全に溶解させた。次いで、密栓できる10mlの試験管にフッ素系溶剤3mlと該ニンヒドリンエタノール溶液0.1gを入れて密栓し、室温(23℃)のもと、手で所定時間強攪拌により溶解の状態を調べた。すなわち、透明で均一になるか、白濁するか、二層に分離するか、固形分が析出するかなどの状態を目視にて観察した。結果を表2に示す。 なお、表2中、ゼオローラ(登録商標)H〔日本ゼオン(株)製、製品名〕は、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンであり、環状フッ化飽和炭化水素である。F6CPEは、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンであり、環状フッ化不飽和炭化水素である。F7CPEは、1,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンであり、環状フッ化不飽和炭化水素である。F7’CPEは、1,2,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンであり、環状フッ化不飽和炭化水素である。バートレル(登録商標)XF〔三井・デュポンフロロケミカル(株)製、製品名〕は、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン であり、鎖状フッ化炭化水素である。HFE−7100〔住友スリーエム(株)製、製品名〕は、メチルパーフルオロブチルエーテルとメチルパーフルオロイソブチルエーテルの混合物であり、両化合物とも鎖状フッ化エーテルである。HFE−7200〔住友スリーエム(株)製、製品名〕は、エチルパーフルオロブチルエーテルとエチルパーフルオロイソブチルエーテルの混合物であり、両化合物とも鎖状フッ化エーテルである。AE−3000〔旭硝子(株)製、製品名〕は、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフロオロエチルエーテルであり、鎖状フッ化エーテルである。 表2の結果のとおり、試料1,2,3,4は、比較試料1,2,3,4よりニンヒドリンに対する優れた溶解性を示した。従って、環状フッ化炭化水素類は、鎖状フッ化炭化水素類又は鎖状フッ化エーテル類に比べ、ニンヒドリンを含有する指紋検出用溶液に適していることが分かる。 環状フッ化炭化水素化合物およびニンヒドリンを含有することを特徴とする指紋検出用溶液。前記指紋検出用溶液に鎖状フッ化炭化水素化合物をさらに含有することを特徴とする指紋検出用溶液。 環状フッ化炭化水素化合物が1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンであり、鎖状フッ化炭化水素化合物がパーフルオロブチルエチルエーテルである請求項2に記載の指紋検出用溶液。 ニンヒドリンに、環状フッ化炭素水素化合物および鎖状フッ化炭化水素化合物を混合せしめることを特徴とする指紋検出用溶液の製造方法。 請求項1〜3のいずれかに記載の指紋検出用溶液に被検体を浸漬することを特徴とする指紋検出方法。 請求項1〜3のいずれかに記載の指紋検出用溶液を被検体に、塗布または噴霧することを特徴とする指紋検出方法。 【課題】普通紙や感熱紙の潜在指紋の検出に使用することができるニンヒドリンを含有する指紋検出用溶液であって、潜在指紋を鮮明に発色でき、従来指紋の検出が困難であった感熱紙などに影響しないとともに、普通紙においても指紋以外の文字等の情報のにじみや消失等が発生せず、取扱いが容易な指紋検出用溶液を提供する。【解決手段】環状フッ化炭化水素化合物とニンヒドリンとを含有する指紋検出用溶液。【選択図】なし


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