生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ジアリールエーテル化合物の製造方法
出願番号:2007145128
年次:2008
IPC分類:C07C 41/01,C07C 43/257


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西野 繁栄 岡田 尚子 島 秀好 JP 2008297247 公開特許公報(A) 20081211 2007145128 20070531 ジアリールエーテル化合物の製造方法 宇部興産株式会社 000000206 西野 繁栄 岡田 尚子 島 秀好 C07C 41/01 20060101AFI20081114BHJP C07C 43/257 20060101ALI20081114BHJP JPC07C41/01C07C43/257 A 6 OL 6 4H006 4H006AA02 4H006AC43 4H006BE90 本発明は、ハロゲン化アリール、金属アルコキシド及びホスファゼン化合物とを反応させて、ジアリールエーテル化合物を製造する方法に関する。ジアリールエーテル化合物は、例えば、医薬品、農薬などの生理活性物質、その他の合成原料など、多くの分野で利用される化合物である(例えば、非特許文献1参照)。Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,16,2163〜2169(2006) 従来、ジアリールエーテル化合物を得る方法としては、アリールハライドとヒドロキシアリール化合物を、例えば水素化ナトリウムと臭化銅・ジメチルスルフィド複合体とを用いて行う反応(例えば、非特許文献2参照)、あるいはパラジウム等の金属触媒を用いて行う反応(例えば、非特許文献3参照)が知られている。しかしながら、ヒドロキシアリール化合物の中には、例えば、フェノールのように腐食性の高い化合物もあり、安全面で不利な面もあった。 また近年、シリル化剤存在下、ホスファゼン化合物を用いてジアリールエーテル化合物を得る反応も報告されている。しかしながら、この方法では、目的物を収率良く得るために、出発原料として、アリールフロリドや2位あるいは4位に電子吸引基を有するハロゲン化アリール化合物を使用し、またヒドロキシ化合物についてもヒドロキシ基を一旦シリル化した後に反応させるためシリル化剤を添加しなければならず、ジアリールエーテル化合物の製造方法として工業的には不利な面もあった(例えば、非特許文献4参照)。R.C.Larock,Comprehensive Organic Transformations.Second edition,1999年,John Wiley&Sons,Inc.J.Org.Chem.,67(16),5553〜5566(2002)Eur.J.Org.Chem.,1965〜1968(2005) 本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、シリル化剤及びヒドロキシアリール化合物非存在下、温和な条件にて、繁雑な操作を必要とすることなく、ハロゲン化アリール、金属アルコキシド及びホスファゼン化合物とを反応させて、ジアリールエーテル化合物を製造することが出来る、工業的に好適なジアリールエーテル化合物の製造方法を提供することにある。 シリル化剤及びヒドロキシアリール化合物非存在下、一般式(1)(式中、Arは、置換基を有していてもよいアリール基を示し、Xは、ハロゲン原子を示す。)で示される置換基を有していてもよいアリールハライド、金属アルコキシド及びホスファゼン化合物とを反応させることを特徴とする、一般式(2)(式中、Arは、前記と同義である。)で示されるジアリールエーテル化合物の製造方法によって解決される。 本発明により、シリル化剤及びヒドロキシ化合物の非存在下、かつ温和な条件下、繁雑な操作を必要とすることなく、アリールハライド、金属アルコキシド、及びホスファゼン化合物とを反応させて、ジアリールエーテル化合物を製造することが出来る、工業的に好適な製造方法を提供することができる。 本発明の反応において使用するアリールハライドは、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、Arは、置換基を有していてもよいアリール基を示し、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等の芳香族炭化水素基;キノリル基、ピリジル基等の芳香族複素環基を示す。また、Xはハロゲン原子であるが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を示す。 前記アリール基は置換基を有していてもよい。その置換基としては、炭素原子を介して出来る置換基、酸素原子を介して出来る置換基、窒素原子を介して出来る置換基、硫黄原子を介して出来る置換基等が挙げられる。 前記炭素原子を介して出来る置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基等のアルケニル基;キノリル基、ピリジル基、ピロリジル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基等の複素環基;フェニル基、トリル基、フルオロフェニル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基;アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、トルオイル基等のアシル基(アセタール化されていても良い);メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;シアノ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。 前記酸素原子を介して出来る置換基としては、例えば、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基、ペンチルオキシル基、ヘキシルオキシル基、ヘプチルオキシル基、ベンジルオキシル基等のアルコキシル基;フェノキシル基、トルイルオキシル基、ナフチルオキシル基等のアリールオキシル基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。 前記窒素原子を介して出来る置換基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−メタンスルホニルアミノ基等の第二アミノ基;モルホリノ基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、ピラゾリジニル基、ピロリジノ基、インドリル基等の複素環式アミノ基;イミノ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。 前記硫黄原子を介して出来る置換基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等のアルキルチオ基;フェニルチオ基、トルイルチオ基、ナフチルチオ基等のアリールチオ基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。 本発明の反応において使用する金属アルコキシドは、例えば、カリウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、リチウムアルコキシド等、アルカリ金属アルコキシドが挙げられ、当該アルコキシドとして、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド、及びペントキシド等のアルキルオキシド;フェネチルオキシド等のアラルキルオキシド等の炭化水素基を有する金属アルコキシドが挙げられる。なお、これらのアルコキシドは、各種異性体を含む。好ましくは、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、更に好ましくは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、及びカリウムt-ブトキシドが使用される。なお、これら金属アルコキシドは、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。又、そのまま使用しても、有機溶媒に溶解しているものを使用してもよい。前記の金属アルコキシドの使用量は、アリールハライド1モルに対して、好ましくは1モル〜100モル、更に好ましくは1モル〜10モルである。 前記のホスファゼン化合物は、リン−窒素結合を有する化合物であり、例えば、市販されているSchwesingerらに合成されたホスファゼン化合物、およびVerkadeらに合成されたプロアザホスファトラン化合物等が挙げられる。本発明の反応において使用するホスファゼン化合物としては、好ましくは、Schwesingerらのテトラメリックホスファゼン化合物、より好ましくは、1−tert−ブチル−4,4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2’−ビス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]−2Λ5,4Λ5−カテナジ(ホスファゼン)(以下、t−ブチル−P4ホスファゼンと称する。)である(例えば、非特許文献5参照)。シグマ・アルドリッチ社試薬カタログ Strong and Hindered Bases in Organic Synthesis,Chemfiles, Vol.3,No.1. なお、これらのホスファゼン化合物は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。又、そのまま使用しても、水や有機溶媒に溶解しているものを使用してもよい。 前記のホスファゼン化合物は、アリールハライド1モルに対して、好ましくは0.01〜10モル、更に好ましくは1〜5モルである。 本発明の反応は溶媒の存在下、或いは非存在下において行うことができるが、溶媒の存在下にて行われることが望ましい。使用される有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン等のスルホン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の尿素類が挙げられる。なお、これらの有機溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。 前記有機溶媒の使用量は、アリールハライド1gに対して、好ましくは0〜100ml、更に好ましくは0〜50mlである。 本発明の反応は、例えば、アリールハライド、金属アルコキシド及びホスファゼン化合物とを有機溶媒中にて混合し、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは−20〜300℃、更に好ましくは0〜150℃であり、反応圧力は特に制限されない。 本発明の反応によってジアリールエーテル化合物が得られるが、これは、反応終了後、例えば、中和、抽出、濾過、濃縮、蒸留、再結晶、晶析、カラムクロマトグラフィー等の一般的な製法によって単離・精製される。 次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、各実施例で用いた高速液体クロマトグラフィーによる分析条件は以下の通りである。また、各実施例における生成物は、その市販品を標品として用い、高速液体クロマトグラフィーによる保持時間の一致により確認した。 カラム:CAPCELL PAK C18 MGII,5μm, 4.6I.D*250mm 溶離液:水/メタノール=3/7(体積比) pH:未調製 流速:1.0ml/min カラムオーブン温度:40℃ 検出波長:210nm実施例1(ジフェニルエーテルの合成) 攪拌装置、温度計及び冷却管を備えた内容積20mlのガラス製容器に、アルゴンガス雰囲気下、ブロモベンゼン0.134ml(1.27mmol)、カリウムメトキシド89.9mg(1.28mmol)、1mol/L t−ブチル−P4ホスファゼンのn−ヘキサン溶液(Fluka製)1.27ml(1.27mmol)、及びキシレン0.8mlを混合し、攪拌しながら100℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液にメタノール及び6mol/L塩酸を加えた後、高速液体クロマトグラフィーにて分析(絶対検量線法)したところ、保持時間17.0分にジフェニルエーテル21.6mgが生成していた(反応収率;20%)。(ジフェニルエーテル市販品(東京化成工業製)の保持時間:17.0分) 本発明は、アリールハライド、金属アルコキシド及びホスファゼン化合物とを反応させて、ジアリールエーテル化合物を製造する方法に関する。ジアリールエーテル化合物は、例えば、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。 シリル化剤及びヒドロキシアリール化合物の非存在下、一般式(1)(式中、Arは、置換基を有していてもよいアリール基を示し、Xは、ハロゲン原子を示す。)で示される置換基を有していてもよいアリールハライド、金属アルコキシド及びホスファゼン化合物とを反応させることを特徴とする、一般式(2)(式中、Arは、前記と同義である。)で示されるジアリールエーテル化合物の製造方法。 ホスファゼン化合物がテトラメリックホスファゼン化合物である請求項1に記載のジアリールエーテル化合物の製造方法。 テトラメリックホスファゼン化合物が、1−tert−ブチル−4,4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2’−ビス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]−2Λ5,4Λ5−カテナジ(ホスファゼン)である、請求項1又は請求項2に記載のジアリールエーテル化合物の製造方法。 金属アルコキシドのアルキル基が、アリール基で置換されていてもよいアルキル基等の炭化水素基を有する金属アルコキシドである、請求項1に記載のジアリールエーテル化合物の製造方法。 金属アルコキシドの金属が、アルカリ金属の金属アルコキシドである、請求項1又は請求項4に記載のジアリールエーテル化合物の製造方法。 金属アルコキシドが、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、及びカリウムt-ブトキシドから選ばれる、請求項1、請求項4又は請求項5に記載のジアリールエーテル化合物の製造方法。 【課題】 本発明の課題は、温和な条件下、繁雑な操作を必要とすることなく、ジアリールエーテル化合物を製造することが出来る、工業的に好適なジアリールエーテル化合物の製造方法を提供することにある。【解決手段】本発明の課題は、シリル化剤、ヒドロキシ化合物の非存在下、かつ温和な条件下、繁雑な操作を必要とすることなく、ハロゲン化アリール、金属アルコキシド、及びホスファゼン化合物とを反応させてジアリールエーテル化合物を製造することによって解決される。【選択図】 なし


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