生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_抗菌剤及び消臭剤
出願番号:2007129922
年次:2008
IPC分類:A61K 36/18,A61K 8/97,A61Q 15/00,A61P 17/00


特許情報キャッシュ

伊藤 洋子 中原 達雄 JP 2008285425 公開特許公報(A) 20081127 2007129922 20070515 抗菌剤及び消臭剤 丸善製薬株式会社 591082421 早川 裕司 100108833 太田 昌孝 100132207 伊藤 洋子 中原 達雄 A61K 36/18 20060101AFI20081031BHJP A61K 8/97 20060101ALI20081031BHJP A61Q 15/00 20060101ALI20081031BHJP A61P 17/00 20060101ALI20081031BHJP JPA61K35/78 CA61K8/97A61Q15/00A61P17/00 101 3 OL 7 4C083 4C088 4C083AA111 4C083AA112 4C083CC17 4C083EE18 4C088AB45 4C088AC05 4C088CA04 4C088CA05 4C088MA63 4C088NA14 4C088ZA90 4C088ZB35 本発明は、人の不快な体臭原因細菌に対する抗菌剤及び不快な体臭に対する消臭剤に関する。 人の体臭は、汗の臭いを始め、頭皮臭、足臭等の体全体に及び、特に腋臭は人に嫌悪感を抱かせる臭いとされており、近年その効果的、かつ持続的な予防・改善方法の提供が広く望まれている。 人の体臭は、アポクリン腺から分泌された汗が皮脂と混ざり、それが皮膚常在菌により分解されることにより生じるとされている。腋臭のもととなる汗が分泌されるアポクリン腺は、エクリン腺とは異なり腋窩や乳輪,陰部等に多く存在するが、それらの部位に局在するものではなく、体幹部に広く存在しており(非特許文献1参照)、清潔志向が進む近年においては、かかる腋臭を持続的に除去することが課題となっている。 また、体臭の原因となる物質の種類も、脂肪酸(非特許文献2参照)や男性ホルモンの誘導体(非特許文献3,4参照)の他、多岐にわたることが知られている。特に、腋臭の原因となる物質としては、酪酸、カプロン酸等であることが知られている。 しかしながら、皮膚常在菌のうち体臭の発生に主に関連する細菌(体臭関連細菌)に対する抗菌作用及び不快に感じる体臭に対する消臭作用を有し、安価であり、安全性の高い抗菌剤及び消臭剤に対する消費者の要望は強く、さらなる新しい体臭関連細菌に対する抗菌剤及び不快に感じる体臭に対する消臭剤の開発及び提供が強く求められているのが現状である。Pinkus H;Mehregan AH;Adnexal Nevi and Benign Adnexoid Tumors,in A Guide to Dermatohistopathlogy;2nd ed,pp528,pp29,by Appleton‐Century‐Crofts,New York,1976Zeng XN,et al;Analysis of characteristic odors from human male axillae.,J Chem Ecol,17:p.1469-1492,1991Labows JN. et al.,Steroids,1979,Vol.34,p.249-258Gower DB,et al.,J Steroid Biochem Mol Biol,1994,Vol.48,p.409-418 本発明は、第一に、安全性の高い天然物からコリネバクテリウム属菌及び/又はミクロコッカス属菌に対する抗菌作用を有するものを見出し、それを有効成分とするコリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌剤、又はコリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/もしくはミクロコッカス属(Micrococcus)菌を原因菌とする疾患の予防及び/もしくは治療剤を提供することを目的とする。 本発明は第二に、安全性の高い天然物の中から酪酸及び/又はカプロン酸による臭気に対する消臭作用を有するものを見出し、それを有効成分とする酪酸及び/又はカプロン酸による臭気に対する消臭剤を提供することを目的とする。 上記課題を解決するために、本発明のコリネバクテリウム属菌及び/又はミクロコッカス属菌に対する抗菌剤、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/又はミクロコッカス属(Micrococcus)菌を原因菌とする疾患の予防及び/又は治療剤、並びに酪酸及び/又はカプロン酸による臭気に対する消臭剤、は、紅茶からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。 本発明によれば、天然物である紅茶からの抽出物を有効成分として含有し、安全性に優れたコリネバクテリウム属菌及び/又はミクロコッカス属菌に対する抗菌剤、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/又はミクロコッカス属(Micrococcus)菌を原因菌とする疾患の予防及び/又は治療剤、並びに酪酸及び/又はカプロン酸による臭気に対する消臭剤を提供することができる。 本発明のコリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌剤、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/もしくはミクロコッカス属(Micrococcus)菌を原因菌とする疾患の予防及び/もしくは治療剤、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭剤、は、紅茶からの抽出物を有効成分として含有する。 本発明において、「紅茶からの抽出物」には、紅茶を抽出原料として得られる抽出液、該抽出液の希釈液もしくは濃縮液、該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。また、コリネバクテリウム属菌とは、コリネバクテリウム属(Corynebacteriumu)に属する細菌のことを意味し、例えば、ジフテリア菌(Corynebacterium diphteriae)、Corynebacterium pseudodiphthericum、Corynebacterium striatum、Corynebacterium xerosis等が挙げられる。さらに、ミクロコッカス属菌とは、ミクロコッカス属(Micrococcus)に属する細菌のことを意味し、例えば、Micrococcus vulgaris、Micrococcus pyogenes、Micrococcus glatamicus、Micrococcus candidus、Micrococcus caseolyticus、Micrococcus leteus等が挙げられる。 本発明において使用する抽出原料は、紅茶(学名:Camellia sinensis;Thea sinensis)である。紅茶とは、茶の葉部を完全に発酵させたものである。抽出原料として使用し得る構成部位は、葉部である。 紅茶からの抽出物に含有されるコリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌作用、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭作用を有する物質の詳細は不明であるが、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法によって、紅茶からこれらの作用を有する抽出物を得ることができる。 例えば、上記植物を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出による抽出に供することにより、コリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌作用、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭作用を有する抽出物を得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、紅茶の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。抽出溶媒としては、極性溶媒を用いるのが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。 抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。 抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。 2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族アルコール1〜90質量部を混合することが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族ケトン1〜40質量部を混合することが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して多価アルコール10〜90質量部を混合することが好ましい。 抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。 精製は、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等により行うことができる。得られた抽出液はそのままでもコリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌剤、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/もしくはミクロコッカス属(Micrococcus)菌を原因菌とする疾患の予防及び/もしくは治療剤、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭剤の有効成分として使用することができるが、濃縮液又は乾燥物としたものの方が使用しやすい。 紅茶からの抽出物は特有の匂いを有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、皮膚化粧料等に配合する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも実用上支障はない。 以上のようにして得られる紅茶からの抽出物は、コリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌作用、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭作用を有しているため、それぞれの作用を利用してコリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌剤、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/もしくはミクロコッカス属(Micrococcus)菌を原因菌とする疾患の予防及び/もしくは治療剤、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭剤の有効成分として用いることができる。 本発明のコリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌剤、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭剤は、紅茶からの抽出物のみからなるものであってもよいし、上記抽出物を製剤化したものであってもよい。 紅茶からの抽出物は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を用いることができる。紅茶からの抽出物は、他の組成物(例えば、皮膚化粧料等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。 なお、本発明のコリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌剤、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/もしくはミクロコッカス属(Micrococcus)菌を原因菌とする疾患の予防及び/もしくは治療剤、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭剤は、必要に応じて、コリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌作用、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭作用を有する他の天然抽出物を配合して有効成分として用いることができる。 本発明のコリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌剤、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/もしくはミクロコッカス属(Micrococcus)菌を原因菌とする疾患の予防及び/もしくは治療剤、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭剤の投与方法としては、一般に経皮投与、経口投与等が挙げられるが、疾患の種類に応じて、その予防・治療等に好適な方法を適宜選択すればよい。また、本発明のコリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌剤、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/もしくはミクロコッカス属(Micrococcus)菌を原因菌とする疾患の予防及び/もしくは治療剤、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭剤の投与量も、疾患の種類、重症度、患者の個人差、投与方法、投与期間等によって適宜増減すればよい。 本発明のコリネバクテリウム属菌及び/又はミクロコッカス属菌に対する抗菌剤は、紅茶からの抽出物が有するコリネバクテリウム属菌及び/又はミクロコッカス属菌に対する抗菌作用を通じて、コリネバクテリウム属菌及び/又はミクロコッカス属菌に対して抗菌することができる。このコリネバクテリウム属菌及び/又はミクロコッカス属菌は、人の体臭の発生に主に関連する細菌(体臭関連細菌)であり、特に腋臭の原因菌の一つであるため、かかる作用を通じて、体臭、特に腋臭を予防・改善することができるとともに、体臭予防・改善剤やデオドラント剤の有効成分として用いることもできる。ただし、本発明のコリネバクテリウム属菌及び/又はミクロコッカス属菌に対する抗菌剤は、これらの用途以外にもコリネバクテリウム属菌及び/又はミクロコッカス属菌に対する抗菌作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。 また、本発明のコリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/又はミクロコッカス属(Micrococcus)菌を原因菌とする疾患の予防及び/又は治療剤は、紅茶からの抽出物が有する抗菌作用を通じて、コリネバクテリウム属菌を原因菌とする疾患(例えば、ジフテリア菌(Corynebacterium diphteriae)を原因菌とするジフテリア症;Corynebacterium pseudodiphthericumを原因菌とする肺炎等の呼吸器感染症、細菌性尿路感染症;Corynebacterium striatumを原因菌とする皮膚の創感染症、肺炎等の呼吸器感染症;Corynebacterium xerosisを原因菌とする皮膚の創感染症、肺炎等の呼吸器感染症、心内膜炎等)及び/又はミクロコッカス属菌を原因菌とする疾患(例えば、皮膚の創感染症;)Micrococcus leteusを原因菌とする腫瘍、肺炎、関節炎、髄膜炎等)の予防・治療剤としても用いることができる。 本発明の酪酸及び/又はカプロン酸による臭気に対する消臭剤は、紅茶からの抽出物が有する酪酸及び/又はカプロン酸による臭気に対する消臭作用を通じて、酪酸及び/又はカプロン酸による臭気を消臭することができる。酪酸及び/又はカプロン酸は、人が不快に感じる体臭の主な原因となる物質であり、特に腋臭の原因物質の一つであるため、かかる作用を通じて、体臭、特に腋臭を予防・改善することができるとともに、体臭予防・改善剤やデオドラント剤の有効成分として用いることもできる。ただし、本発明の酪酸及び/又はカプロン酸による臭気に対する消臭剤は、これらの用途以外にも酪酸及び/又はカプロン酸による臭気に対する消臭作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。 なお、本発明のコリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌剤、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/もしくはミクロコッカス属(Micrococcus)菌を原因菌とする疾患の予防及び/もしくは治療剤、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。 以下、試験例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記の試験例に何ら限定されるものではない。なお、本試験例において、抗菌試験には紅茶抽出液LA−J(丸善製薬社製)の凍結乾燥物を、また、消臭試験には紅茶抽出液LA−J(丸善製薬社製)を試料として用いた。〔試験例1〕コリネバクテリウム属菌・ミクロコッカス属菌に対する抗菌試験 紅茶抽出液LA−Jの凍結乾燥物について、コリネバクテリウム属菌であるCorynebacterium xerosis(A)及びミクロコッカス属菌であるMicrococcus luteus(B)に対する抗菌活性を、標準寒天培地を用いた寒天培地希釈法による最小生育阻止濃度(MIC)で評価した。培養は、30℃で48時間行い、細菌の生育の有無は肉眼で判定した。結果を表1に示す。なお、表中の最小生育阻止濃度(MIC,%)が小さいほど、抗菌活性が強いと評価することができる[表1] 細 菌 MIC(%) A <1.25% B 2.5% 表1に示すように、紅茶抽出物は、優れたコリネバクテリウム属菌及び/又はミクロコッカス属菌に対する抗菌作用を有することが確認された。〔試験例2〕酪酸・カプロン酸による臭気に対する消臭試験 10mLバイアル瓶の底部に直径約8mmのろ紙を置き、ろ紙に紅茶抽出液LA−J(試料1,試料濃度:1質量%)20μL及び内部標準として0.01%シクロヘキサノール10μLを精確に添加後、速やかに各臭気成分(酪酸30ppm,カプロン酸30ppm)を0.2mL添加し、栓をした。40℃の恒温槽で20分間加温した後、SPMFファイバーをバイアル瓶に指し込み、ヘッドスペースの臭気を吸着させるため、さらに40℃で20分間加温した。加温後、SPMFファイバーを抜き取り、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて臭い成分の測定を行った。コントロールとして、紅茶抽出液LA−Jを含まない25重量%含水エタノール20μLで上記と同様の試験を行い、このコントロールの臭気測定値を基準値として各臭気の残存率(%)を下記式に基づいて算出した。なお、各臭気の残存率が低いほど消臭効果が高いことを示す。対象試験として、緑茶抽出液(丸善製薬社製,試料2,試料濃度:1質量%)を用いて同様の条件で試験を行った。<GC条件>装置:HEWLETT PACKARD 5890 SERIES II GC(ヒューレットパッカード社製)カラム:DB WAX(60mm×0.25mm,膜厚:0.25μm,Agilent Technologies社製)注入温度:260℃カラム温度:40℃ → 230℃(6℃/分)キャリアガス:ヘリウム検出器:FID[表2] 試 料 酪 酸 カプロン酸 1 91.3% 98.6% 2 100% 100% 表2に示すように、紅茶抽出物は、緑茶抽出物に比して、優れた酪酸及び/又はカプロン酸による臭気に対する消臭作用を有することが確認された。 本発明のコリネバクテリウム属菌及び/又はミクロコッカス属菌に対する抗菌剤、並びに酪酸及び/又はカプロン酸による臭気に対する消臭剤は、体臭の予防・改善に大きく貢献することができる。 紅茶からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするコリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/又はミクロコッカス属(Micrococcus)菌に対する抗菌剤。 紅茶からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とするコリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/又はミクロコッカス属(Micrococcus)菌を原因菌とする疾患の予防及び/又は治療剤。 紅茶からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする酪酸及び/又はカプロン酸による臭気に対する消臭剤。 【課題】安全性の高い天然物からコリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌作用、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭作用を有するものを見出し、それを有効成分とするコリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌剤、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/もしくはミクロコッカス属(Micrococcus)菌を原因菌とする疾患の予防及び/もしくは治療剤、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭剤を提供する。【解決手段】コリネバクテリウム属菌及び/もしくはミクロコッカス属菌に対する抗菌剤、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)菌及び/もしくはミクロコッカス属(Micrococcus)菌を原因菌とする疾患の予防及び/もしくは治療剤、又は酪酸及び/もしくはカプロン酸による臭気に対する消臭剤に紅茶からの抽出物を含有せしめる。【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る