生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_油性固形化粧料
出願番号:2007125483
年次:2008
IPC分類:A61K 8/37,A61Q 1/14,A61K 8/86


特許情報キャッシュ

西川 佳菜 杉山 拓道 JP 2008280287 公開特許公報(A) 20081120 2007125483 20070510 油性固形化粧料 ポーラ化成工業株式会社 000113470 西川 佳菜 杉山 拓道 A61K 8/37 20060101AFI20081024BHJP A61Q 1/14 20060101ALI20081024BHJP A61K 8/86 20060101ALI20081024BHJP JPA61K8/37A61Q1/14A61K8/86 5 OL 9 4C083 4C083AB232 4C083AB432 4C083AC022 4C083AC242 4C083AC352 4C083AC372 4C083AC421 4C083AC422 4C083AC442 4C083AC542 4C083AD092 4C083AD152 4C083AD492 4C083CC23 4C083DD21 4C083DD30 4C083DD41 4C083EE06 4C083EE07 本発明は化粧料に関し、更に詳細には油性の固形化粧料に関する。 近年のメークアップ化粧料は、化粧持ちに非常に優れてきており、それに伴いクレンジング料の除去力向上が望まれている。そこで、除去力に優れた油性クレンジング料が汎用されている。しかしながら、従来の油性クレンジング料は液状のため、使用時のたれや、使用中の軽擦動作が直接的に肌へ伝わり、肌への負担および刺激につながるという欠点があった。又、液性が高いため、クレンジング動作に於いてクレンジング料が流れ、周囲ににじんだり、垂れて洋服などを汚す場合も存した。又、この様な滲みや垂れが存するために、アイメークアップを落とすときにはクレンジング料乃至はクレンジング料とアイメークアップ化粧料の混合物が垂れて目に入ってしまうことも存し、その改善が望まれていた。その改善のためには、油性クレンジング料の増粘、ゲル化が考えられ、最近では、直鎖状の高級脂肪酸とグリセリンと長鎖ジカルボン酸を縮合してなるグリセリン系オリゴエステル系ゲル化剤(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)を利用した油性固形クレンジング料が開発されたが、かかる油性化粧料はハードゲルであり、使用時における、感触が硬く、のびが重く、肌への負担が大きいなどの欠点があった。又、硬いが故にクレンジング効果も損なわれる場合が存した。この硬度を調整し、使用性を高めると、高温域で硬度が著しく低下し、逆の意味で使用性を損なう結果になることが少なからず存した。そこで、感触が柔らかく、適度な厚みが有り、クレンジング中の軽擦動作にも肌への負担の少ない、ソフトゲルタイプの油性クレンジング化粧料の要望が高まっている。(例えば、非特許文献1を参照) 一方、1)(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有するものと、2)親水性・親油性バランス(HLB)が7〜17の非イオン界面活性剤とを含有する、油性固形化粧料は全く知られていないし、この様な構成を採用することにより、感触が柔らかく、適度な厚みが有り、クレンジング中の軽擦動作にも肌への負担の少ない、ソフトゲルタイプの油性クレンジング化粧料が提供できることも全く知られていなかった。特開2000−136114号公報特開2005−194290号公報特開2005−2047号公報森 春記,Fragrance Journal, 34(10) 81〜86 (2006) 本発明は、この様な状況下為されたものであり、感触が柔らかく、適度な厚みが有り、クレンジング中の軽擦動作にも肌への負担の少ない、ソフトゲルタイプの油性クレンジング化粧料が提供することを課題とする。 この様な状況に鑑みて、本発明者らは、感触が柔らかく、適度な厚みが有り、クレンジング中の軽擦動作にも肌への負担の少ない、ソフトゲルタイプの油性クレンジング化粧料を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有するものと、2)親水性・親油性バランス(HLB)が7〜17の非イオン界面活性剤とを油性固形化粧料に含有させることにより、この様なタイプのクレンジング化粧料が具現化できることを見いだし発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。(1)1)(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有するものと、2)親水性・親油性バランス(HLB)が7〜17の非イオン界面活性剤とを含有する、油性固形化粧料。(2)前記油性固形化粧料は、メルト・オン・タッチタイプであることを特徴とする、(1)に記載の油性固形化粧料。(3)前記油性固形化粧料は、クレンジング化粧料であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の油性固形化粧料。(4)前記(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有するものは、ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサジカルボン酸グリセリルであることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の油性固形化粧料。(5)前記HLBが7〜17の非イオン界面活性剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルであることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の油性固形化粧料。 本発明によれば、感触が柔らかく、適度な厚みが有り、クレンジング中の軽擦動作にも肌への負担の少ない、ソフトゲルタイプの油性クレンジング化粧料を提供できる。(1)本発明の化粧料の必須成分である(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステル 本発明の化粧料は、油性固形化粧料であって、(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有するものを必須成分として含有することを特徴とする。かかる混合エステルは、グリセリンと長鎖二塩基カルボン酸無水物とを反応させ、長鎖二塩基カルボン酸グリセリドを構築し、これに更に長鎖直鎖脂肪酸ハライドと長鎖分岐脂肪酸ハライドとを、水素化ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジンなどのアルカリ存在下反応させることにより製造することが出来る。前記長鎖二塩基カルボン酸としては、炭素数10〜30のものが好ましく、炭素数16〜26のものが特に好ましい。これらの中ではエイコサジカルボン酸が特に好ましい。前記長鎖直鎖カルボン酸としては、炭素数10〜30のものが好ましく、炭素数16〜26のものがより好ましく、ステアリン酸、ベヘン酸などが特に好ましい。前記長鎖分岐脂肪酸としては、炭素数6〜26のものが好ましく、炭素数8〜20のものがより好ましく、イソオクタン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸などが特に好ましい。これらの脂肪酸を脂肪酸ハライドに誘導する方法は、常法に従えば良く、例えば、塩化チオニルなどのハロゲン化剤を反応させればよい。前記(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐のアシル基を有するものは、この様に調整して使用することも出来るし、市販品を購入して利用することも出来る。好ましい市販品としては、例えば、「ノムコート(登録商標)SG」(日清オイリオ株式会社製;ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサジカルボン酸グリセリル)等が好ましく例示できる。この様な、構成要素としての分岐脂肪酸由来の分岐アシル基を、長鎖直鎖脂肪酸由来のアシルに加えて、導入することにより、(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルのつくるゲル構造に柔軟性を付与し、適度な温度と加圧により、液状に変化する剤形を構築することが出来る。この様な剤形の構築のためには、前記(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有するものの1種乃至は2種以上を、総量で化粧料全量に対して、1〜20質量%含有することが好ましく、2〜15質量%含有することがより好ましい。これは少なすぎると充分なゲル構造を構築できない場合が存し、多すぎると使用性を損なう場合が存する。(2)本発明の化粧料の必須成分である非イオン界面活性剤 本発明の化粧料は、HLBが7〜17の非イオン界面活性剤を必須成分として含有する、この様なHLBの範囲にある非イオン界面活性剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンと長鎖アルコールとのエーテル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーと長鎖アルコールとのエーテル、ポリブチレングリコールポリグリセリンコポリマーと長鎖アルコールのエーテルなどが好適に例示でき、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルが特に好ましい。前記ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルにおける、脂肪酸残基としては、ヤシ油脂肪酸、カプリル酸・カプリン酸混合脂肪酸、イソステアリン酸などが好適に例示できる。脂肪酸残基の数は、ポリオキシエチレングリセリルに対して1乃至3倍当量であることが好ましい。この様な非イオン界面活性剤には既に市販されているものが存し、この様な市販品を購入し、これを利用することが出来る。この様な市販品としては、例えば、「エマレックスGWIS−320」(トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル;日本エマルジョン株式会社製;HLB7)、「エマレックスGWIS−120」(イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル;日本エマルジョン株式会社製;HLB12)、「セチオールHE」(ヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレングリセリル;コグニスジャパン株式会社製;HLB8)等が好適に例示できる。これらの、特に好ましいものは、「セチオールHE」である。かかる成分は、前記(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有するものの構築するゲルに、感圧崩壊性と、感圧延展性と付与し、使用感を向上せしめる。加えて、クレンジング化粧料に適用するのであれば、油性クレンジング能を損なうことなく、ウォッシュオフ性を付与する。この様な効果を奏するためには、前記HLB7〜17の非イオン界面活性剤から選択される1種乃至は2種以上を、より好ましくは、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルから選択される1種乃至は2種以上を1〜10質量%、より好ましくは3〜8質量%を含有することが好ましい。これは少なすぎると、のびが重くなったり、ウォッシュオフ性が低下したりして、クレンジング時の使用性を損なう場合が存し、多すぎると、使用時に垂れを生じ、使用性を損なう場合が存するためである。かかる界面活性剤以外に通常化粧料などで使用されている界面活性剤であって、HLBが7〜17の非イオン界面活性剤でないものも含有することが出来るが、含有しない形態の方がより好ましい。(3)本発明の化粧料 本発明の化粧料は、油性固形化粧料であって、前記必須成分を含有することを特徴とする。ここで、本発明に言う油性固形化粧料とは、1気圧20℃に静置した場合、傾けても組成物と空気との界面に変化の生じない状態の化粧料であって、その構成成分の90質量%以上が水とは任意の割合では混合しない成分で構成されている化粧料を意味し、この条件を充足する限りに於いては、水を含有することも許容される。勿論、全く水を含有しない形態も許容するが、水を油性固形化粧料の特性を妨げない範囲に於いて含有することが、肌なじみとメークアップ化粧料とのなじみを向上させる点で好ましい。この様な効果を好適に奏する水の含有量としては、化粧料全量に対して、0.01〜5質量%が例示でき、0.1〜1質量%がより好ましい。 又、本発明の化粧料に於いては、(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有しないものを、必須成分である(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって分岐アシル基を有するものとともに使用することも出来る。この様な(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有しないものの市販品としては、「ノムコート(登録商標)HK−P」(日清オイリオ株式会社製;ベヘン酸/エイコサジカルボン酸デカグリセリル)、「ノムコート(登録商標)HK−G」(日清オイリオ株式会社製;ベヘン酸/エイコサジカルボン酸グリセリル)などが好適に例示できる。かかる成分の好ましい含有量は、前記(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有しないものの2質量倍を上限値とすることが好ましい。これは、かかる成分の質量が(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有しないものの質量に対して多くなりすぎると、(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有しないものの効果を損なう場合が存するからである。 本発明の化粧料においては、かかる成分以外に、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。 本発明の油性固形化粧料は、前記の必須成分、任意成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。斯くして得られた油性固形化粧料は、使用開始時は固形であって、これを皮膚に置き、擦過することにより、適度に粘性を有する流体へと移行し、周囲に滲むことなく、延展した部位の油性汚れ、メークアップ化粧料などを落とすことが出来るクレンジングとすることができる。又、かかる油性固形化粧料は、難溶性の薬物を相溶させる特性も有していることから、この様な難溶性有効成分等の有効成分のベヒクルとして通常のスキンケア製品として使用することも出来る。この様な場合における、有効成分としては、具体的には、グリチルレチン酸誘導体、オトギリソウ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、クジン抽出物、ソウハクヒ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、ツボクサ抽出物、イガイ抽出物、真珠抽出物、ダイズ抽出物、チョウジ抽出物、バクモンドウ抽出物、マルバハギ抽出物、コウキ抽出物、シラカバ抽出物、ローズマリー抽出物、セージ抽出物、ジンセン抽出物、セイヨウトチノキ抽出物、油溶性カンゾウ抽出物、ビタミンE並びにその誘導体、アルブチン、ビタミンC並びにその誘導体及びベニバナ抽出物から選択されるものである。グリチルレチン酸誘導体としては、グリチルレチン酸ステアリルなどのグリチルレチン酸のエステル、グリチルレチン酸の配糖体の塩である、グリチルリチン酸ジカリウムなどが好ましく例示でき、その含有量は0.03〜0.3質量%が好ましい。これらはカンゾウの抽出物として含有させることも出来る。オトギリソウの抽出物はファレロールを少なくとも1μM含有する形で含有させることが好ましい。ローヤルゼリー抽出物は1)ローヤルゼリー中のタンパク質の非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳永動において単一バンドを形成する、2)還元条件下でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定される分子量が約57キロダルトンである、蛋白を(例えば、特許文献6を参照)、総蛋白に対して少なくとも9質量%含有するものを0.001〜0.1質量%含有することが好ましい。クジン抽出物は、ソフォラフラバノンGを少なくとも1μM 含有するものを少なくとも0.001質量%含有することが好ましい。セイヨウノコギリソウはセンタウレイジンを少なくとも1μM含有するものを0.01〜1質量%含有することが好ましい。ダイズ抽出物としては、大豆蛋白を酵素加水分解したもの、ダイズイソフラボンが好ましく、かかる成分の好ましい含有量は、総量で0.01〜0.2質量%である。イガイ抽出物は、イガイの貝柱乃至はヒモのグリコーゲンを抽出したものが好ましく、その含有量は0.001〜0.2質量%が好ましい。チョウジ抽出物はオイゲノールを0.1〜1質量%含有するものが好ましく、かかる抽出物を0.01〜0.3質量%含有することが好ましい。バクモンドウはオフィオポゴナノンBを0.01〜0.1質量%含有するものを0.01〜0.2質量%含有することが好ましい。シラカバ抽出物は、ベツリン乃至はベツリン酸を2μM以上含有するものが好ましく、かかる抽出物を0.01〜0.1質量%含有することが好ましい。セイヨウトチノキ抽出物は、果実の抽出物が好ましく、中でもエスシンを0.01〜1質量%含有するものを0.01〜1質量%含有することが好ましい。油溶性カンゾウは、グラブリジンを0.01〜1質量%含有するものを0.01〜0.1質量%含有することが好ましい。ベニバナ抽出物は、カーサミンを含有すれば良く、カーサミン含有量に換算して、0.01〜0.2質量%含有することが好ましい。ビタミンCは1〜5質量%含有することが好ましく、アルブチン乃至はその塩は1〜10質量%含有することが好ましい。更に、使用開始時は固形であって、これを皮膚に置き、擦過することにより、適度に粘性を有する流体へと移行する相変化に伴って生じる皮膚に対する感触は非常に心地の良いものであり、この様な使用感を利用してマッサージ化粧料とすることも出来る。 以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されるものではないことは言うまでもない。 以下に示す処方に従って、本発明の油性固形化粧料を製造した。即ち、処方成分を90℃に加熱し、これをジャーに充填し、冷却、固化させて、本発明の化粧料である油性固形化粧料1を得た。同様に操作して、「ノムコートSG」を「ノムコートHK−G」に置換した比較例1、「セチオールHE」をポリオキシエチレン(45)ステアリン酸エステル(HLB18)に置換した比較例2、「ノムコートSG」を「ノムコートHK−G」に、且つ、「セチオールHE」及び「エマレックスGWIS120」をポリオキシエチレン(45)ステアリン酸エステル(HLB18)に置換した比較例3も同様に作成した。<試験例1> 前腕内側部に1cm×2cmの部位を5つ作成し、下記に示す処方のアイライナーを2mm×2cmの線を2mm×2cmの間隔を2本挟んで3本引いた。この3本の線の内の中央の線のみを、油性固形化粧料1、比較例1〜3を用いて除去した。対照として線を引いて除去作業をしない部位を一部位設けた。除去後の皮膚の写真を画像に取込み、画像を二値化し、中央の線除去状況と、その周囲の2本の線の損傷状況を、中央の線の残存状況(二値化後の輝度のない部分の残存の割合)、周囲の2線の損失状況(二値化後の輝度のない部分の減少度合い=二値化後の輝度を有する部分の増加割合)を対照との比率より求め、それぞれメークアップ除去性の指標、滲み度合いの指標とした。結果を表3に示す。これより、本発明の化粧料はメークアップ除去性、滲みにくさに優れるクレンジング化粧料であることが分かる。 実施例1の油性固形化粧料1と同様に、下記の処方に従って油性固形化粧料2を製造した。試験例1の評価では、中央の線の残存状況は2.7%であり、2線の損失状況は2.1%であった。少量の水を含有することが好ましいことが分かる。 実施例1の油性固形化粧料1と同様に、下記の処方に従って油性固形化粧料3を製造した。試験例1の評価では、中央の線の残存状況は1.1%であり、2線の損失状況は1.9%であった。「ノムコートSG」の一部を「ノムコートHK−G」に置換することも可能であることが分かる。 実施例1の油性固形化粧料1と同様に、下記の処方に従って油性固形化粧料4を製造した。この製剤は、目尻の小じわに限局して投与が出来る利点を有していた。この為、シワ改善成分であるウルソール酸ベンジルをしわ形成部位にのみ投与が出来、効果的なシワ改善が出来る。 油性固形化粧料1をマッサージ化粧料として使用した場合の使用性を専門パネラー5名で評価した。評価項目は、マッサージ時の気持ちよさ、マッサージ後のリラックス感であり、評価基準はスコア1:良くない、スコア2:あまり良くない、スコア3:可もなく不可もなく、スコア4:やや良い、スコア5:良いであった。結果を表6に示す。これより、油性固形化粧料1は優れたマッサージ効果を有していることが分かる。 本発明は化粧料に応用できる。1)(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有するものと、2)親水性・親油性バランス(HLB)が7〜17の非イオン界面活性剤とを含有する、油性固形化粧料。前記油性固形化粧料は、メルト・オン・タッチタイプであることを特徴とする、請求項1に記載の油性固形化粧料。前記油性固形化粧料は、クレンジング化粧料であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の油性固形化粧料。前記(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有するものは、ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサジカルボン酸グリセリルであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の油性固形化粧料。前記HLBが7〜17の非イオン界面活性剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルであることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の油性固形化粧料。 【課題】 感触が柔らかく、適度な厚みが有り、クレンジング中の軽擦動作にも肌への負担の少ない、ソフトゲルタイプの油性クレンジング化粧料が提供する。 【解決手段】 1)(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有するものと、2)親水性・親油性バランス(HLB)が7〜17の非イオン界面活性剤とを、油性固形化粧料に含有させる。前記油性固形化粧料は、メルト・オン・タッチタイプであることが好ましく、クレンジング化粧料であることが好ましい。前記(ポリ)グリセリンの長鎖脂肪酸と長鎖二塩基カルボン酸との混合エステルであって、分岐アシル基を有するものは、ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサジカルボン酸グリセリルであることが好ましい。 【選択図】 なし


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