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タイトル:公開特許公報(A)_重金属及び食品廃液を減少除去させる重金属処理材及び土壌改良剤。並びに重金属除去方法。
出願番号:2007096831
年次:2008
IPC分類:C09K 3/00,B09C 1/10,B09B 3/00,C02F 3/34,A62D 3/02,C09K 17/32,C12N 1/00,A62D 101/43


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迫田 茂実 迫田 康博 JP 2008214600 公開特許公報(A) 20080918 2007096831 20070304 重金属及び食品廃液を減少除去させる重金属処理材及び土壌改良剤。並びに重金属除去方法。 迫田 康博 307002596 迫田 茂実 迫田 康博 C09K 3/00 20060101AFI20080822BHJP B09C 1/10 20060101ALI20080822BHJP B09B 3/00 20060101ALI20080822BHJP C02F 3/34 20060101ALI20080822BHJP A62D 3/02 20070101ALI20080822BHJP C09K 17/32 20060101ALI20080822BHJP C12N 1/00 20060101ALI20080822BHJP A62D 101/43 20070101ALN20080822BHJP JPC09K3/00 SB09B3/00 EB09B3/00 DC02F3/34 ZA62D3/02C09K17/32 HC12N1/00 RA62D101:43 5 書面 7 4B065 4D004 4D040 4H026 4B065AA15 4B065AA50 4B065AC20 4B065BB02 4B065BC41 4B065CA56 4D004AA04 4D004AA41 4D004AB03 4D004CA18 4D004CC07 4D004CC08 4D040DD07 4D040DD20 4D040DD24 4D040DD31 4H026AA08 4H026AB04 本発明は、土壌中及び廃液中の重金属を減少、除去処理するための環境浄化技術に関する。 アルカリ金属のナトリウム以外の、重金属類は、非常に硬く融点1,000℃以上沸点1,000℃以上の元素類で中には、半導体の性質をもつ元素で、半金属元素に該当する物もある。重金属類を人間や家畜が多量に摂取してしまうと、血圧低下、ショック症状や中枢神経抑制による呼吸停止があり、慢性中毒では、食欲不振、嘔吐、皮膚症状などを引き起こしてしまう。このような化学的性質のもと、平成13年7月に水質汚濁防止法の一部改正、平成19年7月に施行予定では、「ホウ素及びその化合物」が追加された。それは、今までの基準値では排出限界値が500mg/lであったのが、改正後10mg/lとなり、環境基準値が1mg/lとなった。また、カドミウムは、環境基準値が0.01mg/l、排水基準値が0.1mg/lと規制されている。更に、食糧庁流通基準値では、0.4mg/l以上では食物としては流通禁止となっている。それらを満足させる100m3/円処理の機械式処理施設を建設するには、建設費が約1億円、維持費管理費用が年間約2000万円掛かる。そこで本発明者は、より簡易で低価の重金属処理方法を開発し特許文献1において、アンモニア等を分解して悪臭が発生することのない動物飼育用床敷材料に関する技術を開示している。 特許第3561693号公報 重金属含有の廃水から土壌が汚染されると、その汚染された土壌を直接摂取したり、汚染された土壌から有害物質が溶け出た地下水を飲用すること等により、人の健康に影響を及ぼすおそれがある。こうした土壌汚染は、これまで明らかになることが少なかったが、近年企業の工業跡地等の再開発等に伴い、重金属、揮発性有機化合物等による土壌汚染が顕在化してきている。特に、最近における汚染事例の判明件数の増加は著しく、ここ数年で新たに判明した土壌汚染の事例数は高い水準であることから国民の健康への安全性にも課題となっていた。 また、食品加工産業においては、キムチ漬物や梅ぼし等の生産工程において、岩塩を用いることから岩塩中に微量の重金属及びナトリウムが含有していた。それらの廃水が地下水へ浸透したことによって、地下水に含まれる重金属及びナトリウムの量0.01ppm以上が人への安全性にも影響をおよぼす危険性がある。 本発明が解決しようとする課題は、土壌中及び廃液中の重金属を減少及び除去する微生物を用いた、土壌改良剤及び重金属処理技術を確立することにある。 本発明の微生物を用いた重金属処理技術は、木片や土と、もみ殻と焼却灰に、納豆菌(バチルスサブチルス)および放線菌を担持させてなることを特徴とする。 本発明の重金属の減少及び除去方法は、土壌中および水溶液中において、含有する重金属を納豆菌(バチルスサブチルス含む)および放線菌が分解減少することでナトリウムを含む、重金属類の濃度が減少することを特徴とする。 本発明者で納豆菌と放線菌とを選択して組合せたものは、食品廃液の中でも重金属類を多く含むキムチ廃液を分解消滅させることを発見し、本発明に至ったものである。すなわち納豆菌と放線菌では、優先種競合菌が1種類とはならずに相互に協調して、おのおのの効果を表わすことがあきらかになったからである。 当技術での特徴は、納豆菌と放線菌の胞子が互に協調することから、通常では雑菌の繁殖しにくい60℃以上0℃以下においても活動していることを確認している。また、海水中以上に塩分濃度の濃い塩分濃度40000mg/lの水溶液をも分解減少させている。重金属類の減少・除去とは、土壌中や水溶液中においてナトリウムを含む重金属濃度が減少することを言う。 本発明の最大の特徴は、納豆菌および放線菌を選択して重金属の減少材料に用いたことである。これにより、重金属及び廃液を分解減少させることに温度を30℃以上にさせることと、通風させることで好気性菌である放線菌の活躍を維持させることができる。 以下、本発明をその実施形態に基づいて説明する。本発明の重金属処理材には、木片や土およびワラ・モミガラ材・焼却灰(石炭灰)等に納豆菌およびおよび放線菌を担持させており、これらの納豆菌及び放線菌が重金属類及び廃液を減少させている。放線菌はストレプトマイセン属等が挙げられる。重金属処理材料には、納豆菌および放線菌を混合して担持させることができ、或いはこれらを含む液状物を吹き付けて担持させて使用することもできる。重金属類等には少なくとも鉛・カドミウム・銅・クロム・砒素・ホウ素・亜鉛・ニッケル・ナトリウム等が挙げられる。以下、実施例にして説明する。 重金属処理材の調整 重金属処理材としては、モミガラに納豆菌は103〜1012個/g、放線菌はストレプトマイセン属の菌を103〜107個/gとなるように添加して混合、湿度50〜90%温度30〜70℃の発酵機で6時間加熱混合して出来た担体を使用した。 A : モミガラ + 放線菌 B : モミガラ + 放線菌 + 納豆菌 C : モミガラ + 大腸菌実施例としては、ホウ素とカドミウムを用いた。カドミウムの耐性のある菌株を得るためのスクリーニングを行った。スクリーニングは、カドミウム含有(1000,1500,3000,5000,ppm)入りのNA培地PDA培地、それぞれにメッキ工場排水、汚泥水100μlを滴下して、30℃の恒温機にて菌が発育されるのを確認できるまで静置培養した。その後、発育が確認されたカドミウム耐性菌株を用いて菌によるカドミウム除去が行われるかどうか50ppmのカドミウム含有培地で実験を行なった。菌株としては、「放線菌・納豆菌+放線菌・大腸菌」も用いた。実験条件としては、カビは「バクトペプトン5g、グルコース2g、蒸留水1l」の培地とし、細菌はNB培地として、カドミウムイオン濃度が50ppm含有するように調整し、35℃5日間、70rpmで振とう培養した。測定は、ICP・AFSで1日おきに10倍希釈したものを測定した。 試料Aにおいてホウ素は約20%と減少は少ないが、カドミウムが約50%除去されていることが確認された。試料Bにおいて、ホウ素約30%、カドミウムが約70%除去されていることが確認された。試料Cにおいて、ホウ素約20%、カドミウムが約40%除去されていることが確認された。表1.によると、ホウ素については、約30%減少と効果が判然としなかった。特に放線菌を単独で用いた場合は、ホウ素は約20%の除去率であった。納豆菌と放線菌を用いた試料Bにおいて、カドミウムが約70%除去されたことは重金属処理材として有望である。 実施例1で供試した試料A・B・Cについて、重金属を多種多量に含むキムチ廃液を用いた実験を行なった。供試体厚さ5cmを15×15×5=1,125cc 容器に900cc(15×15×4)充填したバイオベッド。キムチ廃液を毎日100ccバイオベッドに添加する。 試料Aにおいて、クロムが17%、ニッケルが23%除去されていたことが確認された。試料Bにおいて、クロムが35%でそれ以外の6項目で57%以上除去されたことが確認された。試料Cにおいて、クロム、カドニウム、ニッケルが除去されていないことが確認された。納豆菌と放線菌を用いた試料Bにおいて、6項目で50%以上が除去されたことは重金属処理剤として有望である。また、60日間においてキムチ廃液が延べ6000cc消滅処理されたことは、食品廃液処理剤として有望である。 土壌中の重金属を処理する土壌改良材は、動物の糞を30〜60、オガコ10〜30、もみがら20〜40、焼却灰(クリンカ等)20〜80重量部及び所定量の納豆菌と放線菌を混合し、ただし、前記所定量の納豆菌は、前記全混合物1g当たり菌数として1,000,000〜1,000,000,000個とし、ついで該混合物を30〜80%の相対湿度の発酵装置で60〜65℃の温度において混合過熱処理を施してこれを発酵させ3時間以上12時間以内において発酵させたものが食品廃液処理剤である。 まず、用意されたオガコ(5〜20mm)を10kgと、もみがら(5〜20mm)を40kg、焼却灰20kg及び納豆菌と放線菌を菌数として約20億個を混合物全体に約3〜6時間加温・通風、均等になるまでに十分に攪拌混合した。 混合加熱処理が終わって発酵装置から取り出された発酵生成物をして本発明の重金属処理材である。 重金属処理材で土壌改良の必要な処理区に1平方メートル当り約10g〜100gを散布する。均一に散布後、耕運機やトラクターで地表面から20cmの深さまで混合攪拌を行う。 本発明は、特別の動力源を用いず自然環境に悪影響を及ぼすことなく食品廃棄物の処理及び重金属などに汚染されている土壌中へ直接散布して混合攪拌することで土壌中の重金属や廃液中の重金属を減少させうる技術として広く利用することが出来る。 土壌中及び廃液中の微量重金属の除去に納豆菌および放線菌を吸着培養させた担体を設いることを特徴とする。微生物処理剤と重金属処理剤及び土壌改良剤。 前記重金属には、少なくとも鉛・カドミウム・銅・クロム・ヒ素・ホウ素・亜鉛・ニッケル・ナトリウムとが含まれる請求項1記載の重金属処理材。 土壌中の重金属の除去及び減少と同時に食品廃棄物(酒粕、焼酎粕、澱粉、漬物類の漬け汁等)や食品残渣をも減少及び消滅させることを可能とした微生物処理剤。 土壌中において、現有する重金属類を減少させるために、納豆菌および放線菌を用いることを特徴とする重金属処理方法。 水溶液中の重金属とは、キムチ漬汁や漬物漬汁などの食品廃液や自動車、電機器、半導体、原水力発電所の制御棒などの廃液及び洗浄剤の重金属を含み、それらの含有濃度を減少させることを特徴とする重金属処理材。 【課題】土壌中及び廃液中の重金属処理に微生物を提供する。【解決手段】土壌中及び廃液処理と重金属処理して、納豆菌及び放線菌を担持させることを特徴とする。重金属には、鉛、カドミウム、銅、鉄、クロム、亜鉛、ニッケルとホウ素、ナトリウム等が含まれる。納豆菌の一例としては、バチルス・サブチルス属の菌が挙げられる。これらの有用微生物を用いて、重金属を分解処理すれば、重金属の処理に膨大な経費と維持管理費を必要とすることなくその場所において混合攪拌することで有用菌が適性に繁殖可能な環境を作ることで重金属処理及び土壌改良が出来ることは経済的に有益である。


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