生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_アラルキルエーテル化合物の製法
出願番号:2007091800
年次:2008
IPC分類:C07C 41/16,C07C 43/164


特許情報キャッシュ

西野 繁栄 島 秀好 岡田 尚子 荒木 麻友美 JP 2008247824 公開特許公報(A) 20081016 2007091800 20070330 アラルキルエーテル化合物の製法 宇部興産株式会社 000000206 西野 繁栄 島 秀好 岡田 尚子 荒木 麻友美 C07C 41/16 20060101AFI20080919BHJP C07C 43/164 20060101ALI20080919BHJP JPC07C41/16C07C43/164 2 OL 7 4H006 4H006AA02 4H006AC43 4H006BB11 4H006BB20 4H006BB22 4H006BB24 4H006BB25 4H006BB61 4H006GN03 4H006GP01 本発明は、アラルキルエーテル化合物を製造する方法に関する。アラルキルエーテル化合物は、例えば、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。 従来、ヒドロキシ化合物とハロゲン化アラルキルとを反応させて、アラルキルエーテル化合物を製造する方法としては、例えば、水素化ナトリウムの存在下、イソブチルアルコールと塩化ベンジルとを反応させて、収率30.4%でベンジルイソブチルエーテルを製造する方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、発火の危険性がある水素化ナトリウムを用いなければならない上に、収率が低いという問題があった。 又、水素化ナトリウムをn-ペンタンで洗浄後、テトラヒドロフランに溶解した後、混合液にヒドロキシ化合物を滴下し、50℃で1時間撹拌した後に、臭化ベンジルを加えて一晩還流させて、収率89%でアラルキルエーテル化合物を製造する方法が開示されている(例えば、非特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、水素化ナトリウムの洗浄が必要な上に、長時間還流させなければならないという問題があった。 以上、いずれの場合においても、工業的なアラルキルエーテル化合物の製法としては不利な面がある。J.Am.Chem.Soc.,86,2628(1964)J.Org.Chem.,49,4076(1984) 本発明の課題は、上記問題点を解決し、温和な条件下、取り扱いが容易な塩基を使用し、工業的に好適なアラルキルエーテル化合物の製法を提供することにある。 本発明の課題は、一般式(1)(式中、Rは、置換基を有していても良い、アルキル基、アラルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。)で示されるヒドロキシ化合物、一般式(2)(式中、Arは、置換基を有していても良いアリール基又はヘテロアリール基を示す。)で示されるハロゲン化アラルキル及び一般式(3)(式中、Aは、アルカリ金属原子、R’は、三級アルキル基を示す。)で示されるアルカリ金属三級アルコキシドとを反応させることを特徴とする、一般式(4)(式中、R及びArは、前記と同義である。)で示されるアラルキルエーテル化合物の製法によって解決される。 本発明により、温和な条件下、取り扱いが容易な塩基を使用し、工業的に好適なアラルキルエーテル化合物の製法を提供するができる。 本発明の反応によって使用するヒドロキシ化合物は、前記の一般式(1)によって示される。その一般式(1)において、Rは、置換基を有していても良い、アルキル基、アラルキル基、アリール基又はヘテロアルキル基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基;アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル等の炭素原子数7〜10のアラルキル基;アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基等の炭素原子数6〜10のアリール基;ヘテロアリール基としては、例えば、ピリジル基等の炭素原子数4〜10のヘテロアリール基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。 前記のアルキル基、アラルキル基、アリール基又はヘテロアリール基の置換基としては、炭素原子を介して出来る置換基、酸素原子を介して出来る置換基、窒素原子を介して出来る置換基、硫黄原子を介して出来る置換基等が挙げられる。 前記炭素原子を介して出来る置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基等のアルケニル基;キノリル基、ピリジル基、ピロリジル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基等の複素環基;フェニル基、トリル基、フルオロフェニル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基;アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、トルオイル基等のアシル基(アセタール化されていても良い);カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;シアノ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。 前記酸素原子を介して出来る置換基としては、例えば、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基、ペンチルオキシル基、ヘキシルオキシル基、ヘプチルオキシル基、ベンジルオキシル基等のアルコキシル基;フェノキシル基、トルイルオキシル基、ナフチルオキシル基等のアリールオキシル基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。 前記窒素原子を介して出来る置換基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N-メチル-N-メタンスルホニルアミノ基等の第二アミノ基;モルホリノ基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、ピラゾリジニル基、ピロリジノ基、インドリル基等の複素環式アミノ基;イミノ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。 前記硫黄原子を介して出来る置換基としては、例えば、チオメトキシル基、チオエトキシル基、チオプロポキシル基等のチオアルコキシル基;チオフェノキシル基、チオトルイルオキシル基、チオナフチルオキシル基等のチオアリールオキシル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。 本発明の反応によって使用するハロゲン化アラルキルは、前記の一般式(2)によって示される。その一般式(2)において、Arは、置換基を有していても良いアリール基又はヘテロアリール基を示すが、当該置換基、アリール基及びヘテロアリール基は、Rで示したものと同義である。 前記ハロゲン化アラルキルの使用量は、ヒドロキシ化合物1モルに対して、好ましくは1〜20モル、更に好ましくは1〜10モルである。 本発明の反応において使用するアルカリ金属三級アルコキシドは、前記の一般式(3)において示される。その一般式(3)において、Aは、アルカリ金属原子であり、例えば、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子等が挙げられるが、好ましくはナトリウム原子、カリウム原子である。又、R’は、三級アルキル基であるが、例えば、t-ブチル基、t-アミル基等が挙げられるが、好ましくはt-ブチル基である。アルカリ金属三級アルコキシドとしては、具体的には、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシドが好適に使用される。なお、これらのアルカリ金属三級アルコキシドは、単独又は二種以上を混合して使用しても良く、相当する三級アルコール溶液として使用しても良い。 前記アルカリ金属三級アルコキシドの使用量は、ヒドロキシ化合物1モルに対して、好ましくは1〜2モル、更に好ましくは1〜1.5モル、特に好ましくは1〜1.1モルである。 本発明の反応においては溶媒を使用することが望ましく、使用される溶媒としては、反応に関与しないものならば特に限定されず、例えば、t-ブチルアルコール、t-アミルアルコール等の三級アルコール類;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が挙げられるが、好ましくは三級アルコール類、アミド類、芳香族炭化水素類、スルホキシド類、エーテル類が使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。 前記溶媒の使用量は、ヒドロキシ化合物1gに対して、好ましくは0〜20g、更に好ましくは0〜10g、特に好ましくは0〜5gである。 本発明の反応は、例えば、ヒドロキシ化合物、ハロゲン化アラルキル、アルカリ金属三級アルコキシド及び溶媒を混合し、好ましくは-20〜200℃、更に好ましくは0〜120℃、特に好ましくは0〜80℃で反応させる等の方法によって行われる。なお、その際の反応圧力は、特に制限されない。 なお、本発明の反応によってアラルキルエーテル化合物が得られるが、これは、反応終了後、例えば、濾過、濃縮、中和、抽出、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって単離・精製される。 次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。実施例1(ジベンジルエーテルの合成) 攪拌装置を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、ベンジルアルコール0.191ml(1.85mmol)、塩化ベンジル0.24ml(2.04mmol)及びt-ブトキシナトリウム0.196g(2.04mmol)及びN-メチル-2-ピロリドン0.8mlを加え、アルゴン雰囲気にて、室温で1時間反応させた。反応終了後、反応液にメタノール50mlを加えて高速液体クロマトグラフィー(絶対検量線法)で分析したところ、ジベンジルエーテルが0.347g生成していた(反応収率;94.6%)。実施例2(ジベンジルエーテルの合成) 溶媒をジメチルスルホキシド0.8mlに代えたこと以外は、実施例1と同様な方法で反応を行った。その結果、ジベンジルエーテル0.344gが得られた(反応収率;93.9%)。実施例3(ジベンジルエーテルの合成) 溶媒をジメチルホルムアミド0.8mlに代えたこと以外は、実施例1と同様な方法で反応を行った。その結果、ジベンジルエーテル0.362gが得られた(反応収率;98.7%)。実施例4(ジベンジルエーテルの合成) 塩基をt-ブトキシカリウム0.281g(2.04mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様な方法で反応を行った。その結果、ジベンジルエーテル0.376gが得られた(反応収率;99.9%以上)。実施例5(ジベンジルエーテルの合成) 攪拌装置及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、ベンジルアルコール0.191ml(1.85mmol)、塩化ベンジル0.24ml(2.04mmol)及びt-ブトキシナトリウム0.196g(2.04mmol)及びトルエン0.8mlを加え、アルゴン雰囲気にて、100℃で1時間反応させた。反応終了後、反応液にメタノール50mlを加えて高速液体クロマトグラフィー(絶対検量線法)で分析したところ、ジベンジルエーテルが0.366g生成していた(反応収率;99.9%)。実施例6(ジベンジルエーテルの合成) 溶媒を1,4-ジオキサン0.8mlに代えたこと以外は、実施例5と同様な方法で反応を行った。その結果、ジベンジルエーテル0.369gが得られた(反応収率;99.9%以上)。実施例7(ベンジルイソプロピルエーテルの合成) 攪拌装置を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、2-プロパノール0.25ml(3.0mmol)、塩化ベンジル0.38ml(3.0mmol)及びt-ブトキシナトリウム0.317g(3.0mmol)及びN-メチル-2-ピロリドン0.8mlを加え、アルゴン雰囲気にて、室温で1時間反応させた。反応終了後、反応液にメタノール50mlを加えて高速液体クロマトグラフィー(絶対検量線法)で分析したところ、ベンジルイソプロピルエーテルが0.50g生成していた(反応収率;69.4%)。比較例1(ジベンジルエーテルの合成) 溶媒をジメチルホルムアミド0.8ml、塩基を水素化ナトリウム0.049g(2.04mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様な方法で反応を行った。その結果、ジベンジルエーテル0.209gが得られた(反応収率;56.9%)。比較例2(ジベンジルエーテルの合成) 溶媒をテトラヒドロフラン0.8ml、塩基を水素化ナトリウム0.049g(2.04mmol)に代えたこと以外は、実施例1と同様な方法で反応を行った。その結果、ジベンジルエーテル0.014gが得られた(反応収率;3.8%)。 本発明は、アラルキルエーテル化合物を製造する方法に関する。アラルキルエーテル化合物は、例えば、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。 一般式(1)(式中、Rは、置換基を有していても良い、アルキル基、アラルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。)で示されるヒドロキシ化合物、一般式(2)(式中、Arは、置換基を有していても良いアリール基又はヘテロアリール基を示す。)で示されるハロゲン化アラルキル及び一般式(3)(式中、Aは、アルカリ金属原子、R’は、三級アルキル基を示す。)で示されるアルカリ金属三級アルコキシドとを反応させることを特徴とする、一般式(4)(式中、R及びArは、前記と同義である。)で示されるアラルキルエーテル化合物の製法。 アルカリ金属三級アルコキシドがナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド又はそれらの混合物である、請求項1記載のアラルキルエーテル化合物の製法。 【課題】温和な条件下、取り扱いが容易な塩基を使用し、工業的に好適なアラルキルエーテル化合物の製法を提供する。【解決手段】一般式(1)ROH(式中、Rは、置換基を有していても良い、アルキル基、アラルキル基、アリール基又はヘテロアルキル基を示す。)で示されるヒドロキシ化合物、一般式(2)(式中、Arは、置換基を有していても良いアリール基又はヘテロアリール基を示す。)で示されるハロゲン化アラルキル及び一般式(3)AOR’(式中、Aは、アルカリ金属原子、R’は、三級アルキル基を示す。)で示されるアルカリ金属三級アルコキシドとを反応させることを特徴とする、一般式(4)(式中、R及びArは、前記と同義である。)で示されるアラルキルエーテル化合物の製法によって解決される。【選択図】なし


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