生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_香料高配合の可溶化組成物
出願番号:2007079907
年次:2008
IPC分類:A61K 8/97,A61K 8/34,A61K 8/39,A61K 8/37,A61Q 19/00,A61Q 19/10,A61Q 13/00,C11B 9/00


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伊藤 建三 JP 2008239523 公開特許公報(A) 20081009 2007079907 20070326 香料高配合の可溶化組成物 伊藤 建三 507097040 株式会社ネオネクリエーション 507097110 皮膚臨床薬理研究所株式会社 398062312 小原 二郎 100082153 伊藤 建三 A61K 8/97 20060101AFI20080912BHJP A61K 8/34 20060101ALI20080912BHJP A61K 8/39 20060101ALI20080912BHJP A61K 8/37 20060101ALI20080912BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20080912BHJP A61Q 19/10 20060101ALI20080912BHJP A61Q 13/00 20060101ALI20080912BHJP C11B 9/00 20060101ALN20080912BHJP JPA61K8/97A61K8/34A61K8/39A61K8/37A61Q19/00A61Q19/10A61Q13/00 100C11B9/00 Z 2 OL 9 4C083 4H059 4C083AA112 4C083AC082 4C083AC092 4C083AC101 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC182 4C083AC402 4C083AC422 4C083AC432 4C083AC642 4C083AD152 4C083AD332 4C083AD492 4C083AD532 4C083AD662 4C083BB04 4C083BB41 4C083CC02 4C083CC04 4C083CC25 4C083DD01 4C083EE06 4C083EE07 4H059DA09 4H059DA22 4H059EA11 4H059EA13 4H059EA36 本発明は、浴槽を汚さない入浴剤に使える香料高配合の可溶化安定性、香り立ち、浴湯への分散性に優れた香料可溶化に関し、アルコールの刺激感の少ない香料高配合エッセンスに関する。 入浴剤は、入浴行為により様々な効能が謳われている。それらの効能・効果には、疲労回復、肩のこり、腰痛、冷え性、神経痛、ニキビ、あせも、しもやけなどがある。これらの目的のために、製剤的には、(1)無機塩類タイプ、(2)植物エキスタイプ、(3)オイル状タイプ、(4)乳化タイプ、などがある。血行促進をし疲労回復を訴求する商品は無機塩類タイプが主流だが、廉価商品に位置づけられる。高級品イメーシ゛のスキンケアを訴求する商品はオイルタイプと乳化タイプがある。オイルタイプは油浮きし、浴槽を汚す傾向がある。乳化タイプは安定性を維持するのが難しく、香料の配合量が規制される。 油分や香料などの水難溶性の分散を安定化させるために、特開2005−247759号公報及び特開2001−342126号公報では、乳化粒子を細かく規定したり、粘度を規定したりして乳化物の安定性を向上させて問題を解決しようとしている。また特開2005−97153号では特定物質を配合して乳化/分散性を向上させ、使用性を改善しようとしている。特開2005−247759号公報特開2001−342126号公報特開2005−97153号公報 これまでに開発された液状の入浴剤は浴槽を汚すタイプや乳化安定性に不安を感じるタイプになっている。尚、これらのタイプはスキンケア性を訴求しているが、香料の配合量が低いので、香りによる訴求はリラクシング効果程度である。 香り成分の配合量を多くして、アロマセラピーを訴求するとともに、油浮きなどなく、浴槽を汚す事の無い製剤を開発することが求められる。 浴湯が乳濁するまで油分を多量に配合しようとすると、浴湯に油浮きを起こさせたり、製剤の安定性を維持するのが難しくなる。 本発明者らは、香り成分を溶解させるために、最小限の油分を配合して、香り成分を可溶化系にして、浴湯に透明に分散させればこれらの問題を解決できると考えた。 ここで、水に難溶な香料を特定の化合物を用いて水相中で可溶化させる界面活性剤を実質的に含まない香料の可溶化組成が提案されている(特開平11−193208号公報)。 本発明では、香り成分は調合香料だけではなく、精油を単独で多量に配合することにより、精油成分によるアロマセラピー効果を享受することが出来ると考え、本発明を完成するに至った。 尚、多量の香り成分を可溶化しようとすると、それ相応の界面活性剤が必要になる。これを浴湯に投入すると極めて稀薄な濃度になるが、浴湯が泡立って気になる場合がある。このような場合には、製剤に消泡剤を配合することにより泡立ちが抑えられ、さらに完成度が向上することを見出した。 すなわち、本発明は香り成分として精油又は調合香料を10〜50重量%を配合して、これを可溶化するために、エタノールを5〜70重量%、水酸基を有する水溶性物質を0〜30重量%、液状油分を0〜30%、さらに、HLBが12以上の非イオン性界面活性剤を香料成分量にたいして50重量%以上の割合で配合して、透明性に優れた香料可溶化バスエッセンスを提供するとともに、アルコールの刺激感の少ない香料高配合エッセンスを提供する。 本発明によれば、浴湯に投入した時、香料成分を可溶化状態で混入するので、香り立ちが良い。油分の配合量が少ないので、浴槽を汚すこともなく、アロマセラピー効果を享受できる新しいタイプの入浴剤が提供される。また、エタノールの配合量を少なく出来るので、粘度を持たせれば、たれ落ちる事も無く肌に優しいコロンとしても使える。 以下、本発明の実施の形態を説明する。 本発明香料高配合の可溶化組成物には、香料成分としての精油又は調合香料と、エタノール、水酸基を有する水溶性物質、液状油分、および非イオン界面活性剤が組み合わされて配合される。 本発明香料高配合の可溶化組成物に配合される精油は薬用ハーブをオイル抽出又は水蒸気蒸留して得られ、ハーブエキスによる治癒効果ばかりでなく、香りによるアロマセラピー(芳香療法)効果も期待される貴重な成分である。 精油としては、ローズ、ゼラニウム、ローズマリー、レモン、ユーカリ、よもぎ、ラベンダー、ベルガモット、セージ、タイム、ジャスミン、マジョラム、ジンジャー、オニオン、ガーリック、シナモン、カンファー、ペパーミント、ゴマノハグサ、マリーゴールド、カミツレ、ツキミソウ、ティーツリー、ヒソップ、ネロリ、セイヨウノコギリソウ、マジョラム、ゴマ、ムスク、サンダルウッド、シダーウッド、ペチグレン、イランイラン、バニラなどが挙げられる。 本発明においては1種又は2種以上の精油が配合される。調合香料は鎮静、覚醒、催眠、食欲、抗うつなどを目的に調合される。香料成分量は10〜50重量%の配合が適当である。量が少ないと通常の入浴剤と大差ない添加量になるし、量が多くなると可溶化したときの外観が青味に止まらず、濁りが出て外観的に汚くなる。 エタノールは香り成分の溶解と香り立ちを良くする目的で配合される。エタノールの配合量は香料高配合の可溶化組成物全量に対して、5〜70重量%が適当であり、好ましくは5〜50重量%である。 水酸基を有する水溶性物質(いわゆる保湿剤)は香り成分の溶解ばかりでなく、潤いを補給することを目的に配合される。水酸基を有する水溶性物質の配合量は香料高配合の可溶化組成物全量に対して、0〜30%が適当である。 水酸基を有する水溶性物質としては、通常化粧品に配合されるものであり、例えば、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、1.3ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール類などが挙げられる。潤い補給のみを目的とすればソルビトール、トレハロース、キシリトール、フルクトース、マルチトールなどの糖類も配合される。本発明香料高配合の可溶化組成物には1種又は2種以上の水酸基を有する水溶性物質が配合される。 本発明香料高配合の可溶化組成物における水酸基を有する水溶性物質の配合量は0〜30重量%であり、好ましくは0〜20重量%である。潤い効果及びアルコール感の緩和を期待して水酸基を有する水溶性物質の配合量を多くし過ぎると、可溶化性が弱められる。液状油分は香料成分の溶解安定性を高めるために配合される。香料成分が0℃で液状状態を維持していれば、液状油分の配合は必要ない。0℃で固化するような、香料成分には溶解性を高めるために、液状油分の配合が必要になる。液状油分の配合量は30重量%以下が好ましい。これ以上の配合は可溶化性を弱める。 液状油分としては、スクワラン、流動パラフィン、オレフィンオリゴマー、シリコーン油とホホバ油、マカデミアナッツ油、精製オリーブ油などの植物油、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリストール、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、イソパルミチン酸オクチル、コハク酸2−エチルヘキシルなどの合成油、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ホホバアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール、イソステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルサルコシンイソプロピルなどのアミノ酸系油などが挙げられる。香料の溶解にはアルコール・脂肪酸・エステル基を持つ極性油分が好ましいが、粘度のある香りエッセンスを作るには内相比を高めるため種々流動油分が配合される。 本発明香料高配合の可溶化組成物に配合される非イオン界面活性剤は、HLBが12以上の親水性活性剤が使用される。活性剤は1種又は2種以上で配合されるが、2種以上組合せて配合される場合、結果的にHLBが12以上になっても良い。HLBの計算方法にはいくつかあるが、本発明ではメーカーカタログに書かれている数値を採用する。 非イオン界面活性剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル脂肪酸アミドなどが挙げられる。 本発明香料高配合の可溶化組成物における非イオン界面活性剤の配合量は香料成分量に対して、50重量%以上である。50重量%以下でも、ある程度、香料を分散させることは出来るが、可溶化状態が美しくない。 本発明香料高配合の可溶化組成物において、香り成分量に対応して界面活性剤も多量に配合される。 バスエッセンスとして使用するときには極めて希薄な濃度まで薄められるが、浴湯が泡立つことがある。このような場合には消泡剤を配合すれば泡立ちは低減される。消泡剤としては、シリコン樹脂を配合したシリコンKF−72F(信越化学製)やシリコン油分などが用いられる。 本発明香料高配合の可溶化組成物には、更に薬効成分を配合することもできる。本発明に配合され得る薬効成分は、水溶性のものでも、アルコール溶解性、香料溶解性のものでも化粧品に配合されるものであるならば、特に限定されない。例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミン類およびそれらの誘導体、グリチルリチン酸及びの誘導体、グリチルレチン酸及びの誘導体、各種植物抽出液、アミノ酸、尿素、ピロリドンカルボン酸、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどの各種塩、ヒアルロン酸、コラーゲン、グルコサミン、クレアチニン、CoQ10、アスタキサンチン、ポリフェノールなどの成分が挙げられる。 本発明香料高配合の可溶化組成物には、この他必要に応じて、pH調整剤、キレート剤、酸化防止剤、清涼剤、色剤などを本発明の目的を損なわない範囲内で適宜配合することができる。 尚、本発明組成物はバスエッセンスとして使用することが、最も相応しい製剤であるが、エタノールの配合量が少ないので、皮膚にやさしいアルコール低配合コロンや、飛散速度の遅い室内芳香剤としても有効である。 本発明可溶化組成物を肌に塗布するときには、たれ落ちないように粘度を付与することがある。増粘物質としては、水溶性で粘度が出るものであれば、いずれも配合できる。例えば、ヒアルロン酸、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、デンプン、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインシード、アルゲコロイド、キサンタンガム、アラビアゴム、ローストビンガム、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのアニオン・ノニオン高分子、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヒドロキシエチルセルローストリモニウムクロリドなどのカチオン高分子、粘土鉱物などである。 本発明水溶性組成物の製造方法は、通常のプロペラ攪拌、ホモミキサー混合で製造することが出来る。本発明可溶化組成物の粘度は、水に混合する場合は粘度が低い方が良い。一方、直接身体に塗布する場合は流れ落ちないように、適当に粘度があった方が良いが、特に規定されるものではない。この増粘方法としては、高分子の配合または油分による内相比のアップで対応する方法がある。 以下、本発明香料高配合の可溶化組成物の実施例と比較例を示し、本発明をより詳しく説明する。本発明はこれらの実施例により、限定されるものでもない。実施例1〜3、比較例1 実施例1〜3と比較例1を、活性剤と香料の混合液にエタノールと精製水の混合液を攪拌混合して製造した。この比較は活性剤のHLBの違いにより、外観の状態と水で希釈した時の状態を見た。HLBが11以下だと水に薄めた時、可溶化状態が悪く、きれいに分散できなかった。HLBが12以上の活性剤を使用したときは、水に希釈しても良好な可溶化状態になった。表1に、実施例1〜3と比較例1の組成と結果を示す。[表1]実施例4〜6、比較例2次に、油分の配合による、0℃で固化する香料の安定配合を確認した。 実施例4〜6と比較例2を、活性剤と香料と油分の混合液にエタノールを攪拌混合して製造した。この比較は油分の量により、外観の状態と水で希釈した時の状態を見た。0℃で固化する香料成分は、エタノールに溶解できず、結晶が析出する。この結晶析出を防ぐために、油分を配合する。その配合量は、ローズエッセンス20重量%の時、5重量%で効果を発揮し、安定に可溶化することが出来る。油分量が30重量%を超えると、可溶化液が濁り、油浮きが顕著に見られるようになる。表2に、実施例4〜6と比較例2の組成と結果を示す。[表2] 表1、表2の結果から、実施例1〜6は可溶化性が良好であった。入浴剤として使用したところ、香料成分を可溶化しているので、香り立ちが良くアロマセラピー効果を満喫できるものであった。 以下、さらに本発明可溶化組成物の具体的用途における実施例を示す。これらの実施例は実施例1〜6の製造方法に準じて製造した。実施例7 入浴剤 [表3] 実施例7は、HLB12以上の活性剤3種の組合せであったが、お湯に希釈した時香り立ちが良くアロマセラピー効果を満喫できるものであった。消泡剤の配合で、泡立ちが抑えられているので、化粧品以外にも応用は可能である。実施例8 入浴剤[表4] 実施例8では0℃で固化する香料成分を、油分を配合して安定化した。3種の活性剤を組合せて、混合HLBが13.4になったが、油浮き無く、香り立ちの良い入浴剤を得た。油分を配合しているが、粒子を細かく可溶化状態に香料成分を分散しているので、香料を油相に乳化した状態のものより、香りの揮散性が良いと香料専門パネルは判断している。実施例9 香りエッセンス[表5] 実施例9では可溶化組成物に高分子を配合して、粘度を持たせ、肌に塗布するエッセンスを製造した。油分を配合しないで、可溶化状態にして分散しているので、香料成分の揮散状態が良く、香り立ちが良好でさらに香りの持続効果もあった。また、エタノール量が少ないので、肌への負担が軽く、しっとりさも感じられ皮膚へのなじみが良かった。実施例10 香りエッセンス[表6] 実施例10の製造法においては、活性剤から水を混合溶解する、これにビタミンEから混合精油を溶解したものを添加し、攪拌混合する。 これは、薬剤も油分も配合されたエッセンスで、香りの持続効果があるので、肌にも使えるが、芳香剤としても使えるものである。 精油又は調合香料を10〜50重量%、エタノールを5〜70重量%、水酸基を有する水溶性物質を0〜30重量%、液状油分を0〜30重量%、HLBが12以上の非イオン性界面活性剤を香料成分量にたいして50重量%以上の割合で配合した透明性に優れた香料高配合の可溶化組成物。 消泡剤を配合して泡立ちを抑えた請求項1記載の透明性に優れた香料高配合の可溶化組成物。 【課題】 香料を多量に配合した液状組成物で、浴湯に混入したとき油浮きがなく、香料本来の揮散を損なうことのない香料可溶化バスエッセンス、及びアルコールの刺激感の少ない香料高配合エッセンスを提供すること。【解決手段】 香料を多量に配合した系に、エタノールと水酸基を有する水溶性物質(いわゆる保湿剤)と液状油分を配合し、HLBが12以上の非イオン界面活性剤を香料量に対して50重量%以上の割合で配合することにより、上記課題を解決しうることを見出した。【選択図】 なし


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