タイトル: | 公開特許公報(A)_皮脂の分析方法 |
出願番号: | 2007060895 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | G01N 30/88,G01N 30/06,G01N 30/72 |
伊藤 理恵 阿部 佳子 安田 純子 JP 2008224333 公開特許公報(A) 20080925 2007060895 20070309 皮脂の分析方法 株式会社コーセー 000145862 小野 信夫 100086324 伊藤 理恵 阿部 佳子 安田 純子 G01N 30/88 20060101AFI20080829BHJP G01N 30/06 20060101ALI20080829BHJP G01N 30/72 20060101ALN20080829BHJP JPG01N30/88 EG01N30/06 GG01N30/06 EG01N30/72 A 3 10 OL 11 本発明は、熱分解ガスクロマトグラフィー・マススペクトル法を用いる皮脂の分析方法に関するものであり、より詳しくは迅速、簡便に皮脂の詳細な構成成分を分析することができる分析方法に関する。 皮脂は、外的刺激からの保護や皮膚の柔軟性を保つなど重要な機能を有しており、その構成脂質の種類と大まかな構成比が知られている。近年、遊離脂肪酸と毛穴の目立ちの関係や皮脂組成と敏感肌の関係など、皮脂組成が肌状態に与える影響が報告されており、より詳細な皮脂の構成成分の分析が行われている。 従来皮脂の分析方法として、薄層クロマトグラフィー法、ペーパークロマトグラフィー法、液体クロマトグラフィー法、ガスクロマトグラフィー法などが用いられていたが、試料が大量に必要であったり、試料の煩雑な前処理が必要であるという問題や、再現性が低く、また分析に長時間を要するなどの問題点があった。 このような問題を解決するために、熱分解マススペクトル法または熱脱着マススペクトル法を用いる皮膚存在物質の分析方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この方法では分析対象の明らかな特定の成分を分析することはできるが、皮脂を構成する脂質の脂肪酸構成など詳細な皮脂組成を分析することはできなかった。 また、酵素を用いて皮脂を分析する方法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、この方法では、皮脂中のグリセリン脂肪酸エステルや遊離脂肪酸等を定量することができるが、皮脂の主要な構成脂質であるワックスエステルについて分析することができず、さらにこれらの脂質を構成する脂肪酸やアルコールを分析することはできなかった。特開平9−243636号公報特開平7−115995号公報 したがって、微量な試料によって、簡便、迅速にかつ高い再現性で皮脂の構成成分を詳細に分析できる方法の開発が求められており、このような方法を提供することが本発明の課題である。 かかる実情に鑑み、本発明者らは皮脂成分を分析できる方法に関して鋭意検討した結果、検出される脂質の種類が相違する複数の温度条件において皮脂を熱分解し、それぞれの温度で検出された成分の情報を比較することにより、検出された脂肪酸やアルコールの由来となる皮脂の構成脂質を同定することができることを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち本発明は、熱分解ガスクロマトグラフィー・マススペクトル法を用いる皮脂の分析方法であって、遊離脂肪酸のみが熱分解され検出される温度、コレステロールエステル以外の全ての皮脂の構成脂質が熱分解され検出される温度、全ての皮脂の構成脂質が熱分解され検出される温度及びメチル化された皮脂の構成脂質を構成する脂肪酸が検出される温度において皮脂を熱分解し、各温度で検出された成分の情報を対比することを特徴とする皮脂の分析方法である。 本発明の皮脂の分析方法は、微量の皮脂試料によって、簡便、迅速に、かつ高い再現性で、皮脂の構成脂質の種類とそれぞれの脂質の脂肪酸構成やアルコール構成などを分析することができるものである。 本発明の分析方法の対象である皮脂は、一般にトリグリセリド、ジグリセリド、遊離脂肪酸、スクワラン、ワックスエステル、コレステロールおよびコレステロールエステルの7種類の脂質から構成され、それぞれの脂質はまた種々の脂肪酸やアルコールなどから構成されている。 本発明の分析方法は、上記皮脂について熱分解ガスクロマトグラフィー・マススペクトル法を用いて分析するものである。この熱分解ガスクロマトグラフィー・マススペクトル法(以下、「熱分解GC/MS」と略記することがある)とは、試料を高温で熱分解することにより分解または揮発させ、次いでこの分解生成物または揮発成分をガスクロマトグラフィーで分離し、質量分析計によって検出するものである。この熱分解においては、試料をそのまま用いてもよいが、メチル化剤を添加してメチル化することもできる(反応熱分解)。なお、本明細書において熱分解とは、分解(異性化を含む)と揮発を含むものである。 上記熱分解は、検出される皮脂の構成脂質が相違する複数の温度で行われる。具体的には、遊離脂肪酸のみが熱分解され検出される温度、コレステロールエステル以外の全ての皮脂の構成脂質が熱分解され検出される温度、全ての皮脂の構成脂質が熱分解され検出される温度及びメチル化された皮脂の構成脂質を構成する脂肪酸が検出される温度でそれぞれ行われる。 上記熱分解の温度のうち、遊離脂肪酸のみが熱分解され検出される温度とは、遊離脂肪酸だけが揮発して検出されるが、全ての構成脂質が分解されないため検出されない温度である。このような温度としては、加熱速度等によっても変わってくるが、例えば150〜385℃の範囲であり、好ましくは、315℃近傍の温度である。 また、コレステロールエステル以外の全ての皮脂の構成脂質が熱分解され検出される温度とは、コレステロールは揮発せず検出されないが、遊離脂肪酸とスクワレンが揮発して検出されるとともに、これら以外の全ての構成脂質が分解してその分解生成物が検出される温度である。このような温度は、例えば、400〜485℃の範囲であり、好ましくは423℃近傍の温度である。 さらに、全ての皮脂の構成脂質が熱分解され検出される温度とは、揮発した遊離脂肪酸、スクワレンおよびコレステロールが検出されるとともに、これら以外の全ての構成脂質が分解し、それらの分解生成物が検出される温度であり、例えば、500〜680℃の範囲であり、好ましくは590℃近傍の温度である。 一方、本発明方法においては、脂質の構成成分をメチル化し、これにより生ずる脂肪酸を検出することが必要である。メチル化された皮脂の構成脂質を構成する脂肪酸が検出される温度とは、メチル化による反応熱分解によって、皮脂中の遊離脂肪酸及び脂肪酸エステルの構成脂肪酸が脂肪酸メチルエステルとして検出される温度である。具体的な温度としては、例えば、150〜385℃の範囲であり、好ましくは280℃近傍の温度である。上記メチル化に用いるメチル化剤としては、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)や水酸化トリメチルスルホニウム(TMSH)が挙げられるが、水酸化トリメチルスルホニウムが不飽和脂肪酸を検出しやすいために好ましく用いられる。 上記熱分解に用いる装置としては、例えば加熱炉型やキューリーポイント型などが挙げられるが、原理的に最も正確な加熱温度が得られるという利点があるため、キューリーポイント型の熱分解装置を用いることが好ましい。このキューリーポイント型熱分解装置とは、鉄、ニッケル、コバルトもしくはそれらの合金でできた強磁怯体ホイル(パイロホイル)に高周波エネルギーを供給することによって誘電加熱され、その熱によってパイロホイル内部に設置した試料を熱分解するものであり、瞬時に試料を所定の温度まで加熱することが可能である。加熱温度は用いる金属に依存し、金属の種類を選択することによって加熱温度を適宜設定することができる。 このキューリーポイント型熱分解装置を用いた場合の上記熱分解の温度は、例えば、遊離脂肪酸のみが熱分解され検出される温度として315℃、コレステロールエステル以外の全ての皮脂の構成脂質が熱分解され検出される温度として423℃、全ての皮脂の構成脂質が熱分解され検出される温度として500℃または590℃、メチル化された皮脂の構成脂質を構成する脂肪酸が検出される温度として280℃が挙げられる。 上記熱分解を行う際の順序は特に限定されるものではなく、いずれの温度から行ってもよいが、効率よく分析するためには、コレステロールエステル以外の全ての皮脂の構成脂質が熱分解され検出される温度、全ての皮脂の構成脂質が熱分解され検出される温度、遊離脂肪酸のみが熱分解され検出される温度、メチル化された皮脂の構成脂質を構成する脂肪酸が検出される温度の順で行うことが好ましい。 次に上記熱分解による分解生成物または揮発成分は、ガスクロマトグラフによって分離される。このガスクロマトグラフの条件は、内径250〜530μm、長さ15〜30m程度の分離カラムを使用し、ヘリウムをキャリアーガスとして、各カラムに最適な速度で用いて、50℃〜300℃の温度条件で行うことができる。 さらに、ガスクロマトグラフによって分離された熱分解による分解生成物または揮発成分は、質量分析計によって検出され、パイログラムとマススペクトルが得られる。質量分析計におけるイオン化方法としては、例えば、電子イオン化法(EI)、分子イオン化法等が例示でき、検出器としては、例えば、四重極型、フーリエ変換型、単収束磁場変更型、イオントラップ型、二重収束型、飛行時間型などが挙げられる。 検出された成分の同定は、上記パイログラムの各ピークのリテンションタイムによって行う。また同時にマススペクトルを用いることによってより正確な同定をすることができる。 以上のようにして得られた各熱分解温度において検出された成分の情報を、それぞれ対比することにより皮脂の構成脂質及びその脂肪酸やアルコール構成等を分析することができる。例えば、熱分解により検出された成分が脂肪酸である場合、この脂肪酸が由来する皮脂の構成脂質として、遊離脂肪酸、トリグリセリド、コレステロールエステルなどが考えられるが、これらの脂質は検出される熱分解の温度が相違するため、各温度条件において検出される脂肪酸を比較することによって、その脂肪酸が何れの脂質に由来するものであるか判断することができる。 また、本発明の分析方法に必要な皮脂試料の量は、上記全ての熱分解温度条件に対して50μL程度にすぎない。したがって、試料の採取にあたっては、濾紙を被験者の皮膚に直接当てることにより皮脂を吸着させる吸着法などで必要な量を得ることができ、被験者への負担を低減することができる。 次に参考例及び実施例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら参考例等に何ら制限されるものではない。参 考 例 1 脂質単独の熱分解GC/MS分析: 皮脂の構成脂質に近い脂質を、単独で熱分解GC/MS分析した場合に検出される成分を調べた。下記表1に示す脂質を試料として用い、下記条件により分析を行った。(熱分解条件) 熱分解装置:キューリーポイント型パイロライザー(日本分析工業) 加熱温度:315℃、423℃、500℃、590℃ 熱分解時間:5秒(ガスクロマトグラフィー/質量分析条件) GC/MS装置:AutoSystem XL / TurboMass(Perk inElmer Instruments製) 分離カラム:DB−5(J&W社製;内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.2 5μm) 温度条件:50℃→10℃/minで上昇→300℃(5分保持) キャリアガス:ヘリウム(1 mL/分) 検出器:四重極型質量分析計 (質量数範囲40〜500、EI+) 得られた鯨ロウ、精製ホホバ油のパイログラムをそれぞれ図1および2に示す。図1中のピークはいずれもセチルアルコールであり、図2中の矢印1は11−エイコセン−1−オールのピーク、矢印2は13−ドコセン−1−オールのピークであることから、ワックスエステルは全ての温度で構成アルコールのみが検出されることが明らかとなった。 また、遊離脂肪酸のパイログラムを図3および4に示す。図3はパルミチン酸とステアリン酸の混合物、図4はオレイン酸のパイログラムである。図3中矢印3はパルミチン酸、矢印4はステアリン酸のピークであり、図4中の矢印5はオレイン酸、矢印6はオレイン酸の異性体のピークである。これから、遊離脂肪酸は全ての温度で検出されることがわかった。 さらにコレステロールエステルのパイログラムを図5に示す。図5の矢印7のピークがステアリン酸であり、矢印8のピークがコレステロールである。これからコレステロールエステルは、500℃以上で構成する脂肪酸とコレステロールが検出されることがわかった。参 考 例 2 脂質単独の熱分解GC/MS分析: トリグリセリド(トリステアリン酸グリセリド、トリパルミチン酸グリセリド、トリリノレイン酸グリセリド、トリオレイン酸グリセリド)、モノグリセリド(モノステアリン酸グリセリド、モノオレイン酸グリセリド)、スクワレン、コレステロールについても、参考例1と同様の分析方法により検出される成分を同定した。参考例1および2の結果を合わせて下記表2に示すマトリックスを得た。○:C10以下の短い炭化水素があった。 ×:対応する成分が検出されなかった。 −:もともと含まれていない。表中の略号は次の意味を示す TG:トリグリセリド MG:モノグリセリド CHOL:コレステロール参 考 例 3 脂質単独の反応熱分解GC/MS分析: 参考例1および2に用いた脂質について反応熱分解した。反応熱分解は脂質試料100μgに水酸化トリメチルアンモニウム1μLを添加しパイロホイルに包んで280℃で熱分解して行った。参考例1と同様の条件によりGC/MS分析した。 ワックスエステルのパイログラムを図6に示す。矢印9および10は、セチルアルコール、パルミチン酸のピークであり、矢印11、12、13はそれぞれ11−エイコセン−1−オール、エイコサデセン酸、13−ドコセン−1−オールのピークである。この結果から、反応熱分解ではワックスエステルの構成脂肪酸が検出されることがわかった。 また、遊離脂肪酸とコレステロールエステルのパイログラムを図7に示す。矢印14、15、16、17はそれぞれパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸のピークであり、遊離脂肪酸とコレステロールエステルの構成脂肪酸も検出された。同様にトリグリセリド、モノグリセリドについても脂肪酸が検出された。参 考 例 5 参考例1ないし4の結果を以下のようにまとめることができる。 (1)315℃以上で、ワックスエステルを構成する高級アルコールと遊離脂肪酸が検 出される。 (2)423℃でトリグリセリドの構成脂肪酸が検出される。 (3)423℃以上で、スクワレン、コレステロールが検出される。 (4)500℃以上で、コレステロールエステルの構成脂肪酸が検出される。 (5)反応熱分解でのみ、ワックスエステルを構成する脂肪酸が検出される。これらの結果から、皮脂を効率よく分析する手順について検討し、図8に示すフローチャートを作成した。なお、フローチャート中の略号はそれぞれ次の意味を示す。 WE:ワックスエステル TG:トリグリセリド FFA:遊離脂肪酸 Sq:スクワレン Chol:コレステロール CholE:コレステロールエステル Reaction−py:反応熱分解実 施 例 1 下記表3に示す成分を同量ずつ均一に混合して擬似皮脂を調製した。この擬似皮脂が未知の試料であると仮定して、図8のフローチャートに従い、参考例1と同様の条件により熱分解GC/MS分析を行った。(423℃における熱分解) まず皮脂試料を430℃で熱分解GC/MSした。図9に423℃におけるパイログラムを示す。図中の矢印18と21はアルコール(11−エイコセン−1−オール、13−ドコセン−1−オール)であり、矢印19と20は脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸)であり、矢印22はスクワレンである。この結果から試料中にスクワレンとワックスエステルが含まれることが確認され、ワックスエステルを構成するアルコールが同定された。(590℃における熱分解) 次に590℃で熱分解GC/MS分析した(図10(b))。矢印23、24のピークが検出され、これらはカプリル酸とコレステロールと同定された。これらは423℃では検出されなかったため、いずれもコレステロールワックス由来であると判断された。また、炭素数10以下の炭化水素のピークが検出され(矢印25〜27)、これはトリグリセド由来の脂肪酸の500℃以上の熱分解に特徴的なピークパターンであるため、トリグリセリドの存在が確認された。(315℃における熱分解) 更に315℃で熱分解GC/MS分析した(図10(c))。検出されたピークはパルミチン酸のみであったため、パルミチン酸は遊離脂肪酸であることが明らかとなった。一方、ステアリン酸はトリグリセリド由来であることが明らかとなった。(反応熱分解) 次いで、参考例3と同様の方法により280℃の反応熱分解を行った(図11(c))。これにより、パルミチン酸(矢印28)、ステアリン酸(矢印29)、カプリル酸(矢印30)の他に新たにエイコサデセン酸(矢印31)のピークが検出された。このエイコサデセン酸は、上記423℃、590℃、315℃の熱分解による情報と対比してワックスエステル由来であることが確認された。 以上のようにして、皮脂試料について、その構成脂質と各脂質の脂肪酸およびアルコール構成を分析することができた。 本発明の分析方法は、皮脂について迅速、簡便に高い再現性で、その詳細な構成成分の分析をすることができるものである。したがって、皮脂組成に関して、迅速に多量なデータの取得を可能とすることができ、医薬品や化粧料の分野において有利に利用できるものである。 具体的には、本発明の皮脂の分析方法により、個人の肌質や肌状態を知ることができ適合する化粧料を推奨することができる。例えば、スクワレンを調べることにより潤い度合いを評価することができ、これを改善するために最適な化粧料を選択し推奨することが可能となる。また、化粧料の適用前と適用後の皮脂成分を比較することにより、化粧料の効果を知ることができる。例えば、不飽和遊離脂肪酸を調べることにより、化粧料に配合した過酸化抑制剤の効果を検証することができる。 さらに、肌のキメや化粧崩れに影響を与える成分を知ることができるとともに、個人の肌状態と皮脂成分を比較することにより、美しい肌に必要な成分を知ることができる。さらにまた、化粧崩れと皮脂成分の関係を調べることにより、化粧料評価法に応用することができる。鯨ロウのパイログラムを示す図である。精製ホホバ油のパイログラムを示す図である。パルミチン酸とステアリン酸の混合物のパイログラムを示す図である。オレイン酸のパイログラムを示す図である。ステアリルコレステロールのパイログラムを示す図である。ワックスエステルのパイログラムを示す図である。遊離脂肪酸とコレステロールエステルのパイログラムを示す図である。皮脂の分析手順を示すフローチャートである。実施例1における423℃のパイログラムである。実施例1において、423℃(a)、590℃(b)および315℃(c)のパイログラムである。実施例1において、反応熱分解による423℃(a)、590℃(b)および315℃(c)のパイログラムである。 熱分解ガスクロマトグラフィー・マススペクトル法を用いる皮脂の分析方法であって、遊離脂肪酸のみが熱分解され検出される温度、コレステロールエステル以外の全ての皮脂の構成脂質が熱分解され検出される温度、全ての皮脂の構成脂質が熱分解され検出される温度及びメチル化された皮脂の構成脂質を構成する脂肪酸が検出される温度において皮脂を熱分解し、各温度で検出された成分の情報を対比することを特徴とする皮脂の分析方法。 熱分解をキューリーポイント型熱分解装置により行うことを特徴とする請求項1に記載の皮脂の分析方法。 脂肪酸のメチル化を水酸化トリメチルスルホニウムを用いて行うことを特徴とする請求項1または2に記載の皮脂の分析方法。 【課題】微量な試料によって、簡便、迅速にかつ高い再現性で皮脂の構成成分を詳細に分析できる皮脂の分析方法を提供する。【解決手段】熱分解ガスクロマトグラフィー・マススペクトル法を用いる皮脂の分析方法であって、遊離脂肪酸のみが熱分解され検出される温度、コレステロールエステル以外の全ての皮脂の構成脂質が熱分解され検出される温度、全ての皮脂の構成脂質が熱分解され検出される温度及びメチル化された皮脂の構成脂質を構成する脂肪酸が検出される温度において皮脂を熱分解し、各温度で検出された成分の情報を対比することを特徴とする皮脂の分析方法である。【選択図】図10