タイトル: | 再公表特許(A1)_血清または血漿分離用組成物及び血液検査用容器 |
出願番号: | 2007060706 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | G01N 33/48 |
安楽 秀雄 太平 博暁 JP WO2007139018 20071206 JP2007060706 20070525 血清または血漿分離用組成物及び血液検査用容器 積水化学工業株式会社 000002174 宮▲崎▼主税 100086597 目次 誠 100095382 安楽 秀雄 太平 博暁 JP 2006145557 20060525 G01N 33/48 20060101AFI20090911BHJP JPG01N33/48 DG01N33/48 E AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20091008 2008517908 20 2G045 2G045AA01 2G045BA08 2G045BB10 2G045BB60 2G045CA25 本発明は、血液から血清または血漿を分離するのに用いられる組成物及び血液検査用容器に関し、より詳細には、血液成分の比重差を利用することにより血液から血清または血漿を分離する血清または血漿分離用組成物及び血液検査用容器に関する。 従来、血液検査等においては、血液から血清または血漿を速やかに分離することが強く求められている。通常、血液から血清または血漿を分離する際には、血球成分(比重約1.08)と血清または血漿(比重約1.03)との比重差を利用する方法が広く用いられている。そして、比重差を利用して血清または血漿を分離する際に、血清または血漿を血球成分等から速やかにかつ確実に分離するために、比重が1.03〜1.08の範囲、より好ましくは1.04〜1.06の範囲に調整された様々な血清または血漿分離用組成物が提案されている。 このような血清または血漿分離用組成物として、下記の特許文献1には、環式炭化水素性オリゴマーとしての水添シクロペンタジエン系石油樹脂と、芳香族エステル化物であるフタル酸エステルとを含む比重差分離用組成物が開示されている。特許文献1では、細かい比重値設定が可能であり、かつ比重差分離剤としての分離性能に優れており、さらに化学変化や吸湿による変質が生じ難いとされている。 しかしながら、特許文献1に記載の比重差分離用組成物では、組成物を構成している成分同士の相溶性が乏しく、油状成分が分離しがちであった。従って、分離した油状成分が、遠心分離後の血清または血漿中に浮遊することがあった。すなわち、血清または血漿中に不純物として浮遊した上記油状成分が、分析装置のサンプリングノズルを詰まらせたり、電解質センサーの表面に付着して血液検査に支障を来すことがあった。特開平9−15238号公報 本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、シクロペンタジエン系オリゴマーを含む、血液成分の比重差を利用した血清または血漿分離用組成物であって、遠心分離後の血清または血漿中に油状成分が浮遊することがない血清または血漿分離用組成物、並びに該組成物を用いた血液検査用容器を提供することにある。 本発明に係る第1の態様の血清または血漿分離用組成物は、トリメリット酸エステルおよび/又はピロメリット酸エステルと、シクロペンタジエン系オリゴマーとを含有することを特徴とする。 好ましくは、シクロペンタジエン系オリゴマー100重量部に対し、トリメリット酸エステルおよび/又はピロメリット酸エステルが40〜240重量部の割合で配合される。 本発明に係る第2の態様の血清または血漿分離用組成物は、芳香族エステル化物と、シクロペンタジエン系オリゴマーとを主成分として含み、チクソトロピー性付与剤として、無機微粉末および有機ゲル化剤を含む血清または血漿分離用組成物において、有機ゲル化剤がシクロペンタジエン系オリゴマー100重量部に対し、0.06重量部未満であることを特徴とする。 本発明に係る血液検査用容器は、容器本体と、該容器本体内に収容された本発明の血清または血漿分離用組成物とを備えることを特徴とする。 以下、本発明の詳細を説明する。 本発明に係る第1の態様の血清または血漿分離用組成物は、必須成分として、トリメリット酸エステル及び/またはピロメリット酸エステルと、シクロペンタジエン系オリゴマーとを含有する。 上記シクロペンタジエン系オリゴマーとしては、特に限定されるわけではないが、軟化点が70〜140℃の範囲、25℃における比重が1.00〜1.10の範囲にあるものが好ましく用いられる。また、血清または血漿分離用組成物の比重を容易に調整し得るため、上記シクロペンタジエン系オリゴマーの25℃における比重は1.04〜1.10の範囲であることがより好ましい。 使用し得るシクロペンタジエン系オリゴマーとしては、特に限定されないが、例えば、シクロペンタジエン系モノマーの重合体、例えばシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンおよびシクロペンタジエンのアルキル置換誘導体等から選ばれる少なくとも1種のモノマーの重合体の水素添加物などが挙げられる。このようなシクロペンタジエン系オリゴマーとしては、例えば、トーネックス社製、商品名:ESCOREZ5000シリーズに挙げられているグレード、すなわち、5380(軟化点85℃、比重(25℃/4℃)1.07)、5300(軟化点105℃、比重(25℃/4℃)1.07)、5320(軟化点125℃、比重(25℃/4℃)1.07)、5340(軟化点137℃、比重(25℃/4℃)1.07)、5400(軟化点102℃、比重(25℃/4℃)1.07)、ECR251(軟化点103℃、比重(25℃/4℃)1.07)などの市販品を用いることができる。 また、少なくとも1種のシクロペンタジエン系の上記モノマーと、スチレン、メチルスチレン、インデンおよびメチルインデン等から選ばれる少なくとも1種の芳香族系モノマーとの共重合体の水素添加物なども用いることができる。例えば、ESCOREZ5000シリーズに挙げられているグレード、すなわち、ECR227E(軟化点125℃、比重(25℃/4℃)1.06)、ECR235E(軟化点130℃、比重(25℃/4℃)1.06)、ECR231C(軟化点105℃、比重(25℃/4℃)1.05)、5690(軟化点90℃、比重(25℃/4℃)1.06)、5600(軟化点102℃、比重(25℃/4℃)1.05)などの市販品を用いることができる。 本発明の血清または血漿分離用組成物は、トリメリット酸エステルおよび/又はピロメリット酸エステルを含む。 本発明において用いられるトリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルは、フタル酸エステルと同じく芳香族エステル化物に属し、トリメリット酸のエステルまたはピロメリット酸のエステルである限り特に限定されない。トリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルとしては、例えば、トリメリット酸またはピロメリット酸のアルキルエステル、具体的には、トリメリット酸トリn−オクチル、トリメリット酸トリイソオクチル、トリメリット酸トリイソデシル、ピロメリット酸テトライソオクチルなどが挙げられる。 上記トリメリット酸またはピロメリット酸のアルキルエステルの市販品としては、例えば、大日本インキ化学社製、商品名:モノサイザーW−700(トリメリット酸トリイソオクチル、比重(25℃/25℃)0.990、粘度(25℃)220mPa.s)、モノサイザーW−750(トリメリット酸トリn−オクチル、比重(25℃/25℃)0.984、粘度(25℃)93mPa.s)、モノサイザーW−7010(ピロメリット酸テトライソオクチル、比重(25℃/25℃)0.992、粘度(25℃)460mPa.s)や、新日本理化社製、商品名:サンソサイザーTOTM(トリメリット酸トリイソオクチル、比重(20℃/4℃)0.990、粘度(30℃)162mPa.s)、サンソサイザーTITM(トリメリット酸トリイソデシル、比重(20℃/4℃)0.975、粘度(30℃)287mPa.s)などを挙げることができる。 上記トリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルは、フタル酸エステルと比べて、親油性のアルキル基を分子内に多く持つために、同じく親油性のシクロペンタジエン系オリゴマーと組み合わせた際の相溶性に優れていると思われる。特に比重や粘度が好ましい範囲にあるので、トリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルの中でも、トリメリット酸トリn−オクチル、トリメリット酸トリイソオクチルが好ましく用いられる。 上記トリメリット酸エステル及び/またはピロメリット酸エステルは、好ましくは、シクロペンタジエン系オリゴマー100重量部に対し、40〜240重量部の割合で配合される。トリメリット酸エステル及び/またはピロメリット酸エステルが40重量部未満では、配合物の粘度が高くなりすぎるために、血清または血漿と血球成分の分離に強い遠心力が必要になることがある。また、トリメリット酸エステル及び/またはピロメリット酸エステルが240重量部を超えると、配合物の比重を1.04以上に調整するために多量の無機微粉末を充填する必要があり、経時的に降伏値が増大して隔壁形成性が悪化することがある。 より好ましくは、シクロペンタジエン系オリゴマー100重量部に対し、70〜150重量部の割合でトリメリット酸エステル及び/またはピロメリット酸エステルが配合される。 本発明に係る血清または血漿分離用組成物には、上記必須成分の他に本発明の目的を阻害しない範囲で、様々な他の成分を配合してもよい。このような他の成分としては、チクソトロピー性付与剤として無機微粉末や有機ゲル化剤、比重調整剤として無機微粉末、ゲル化度調整用の極性有機溶媒などを挙げることができる。 上記有機ゲル化剤としては、例えば、ソルビトール変性物として、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールなどを挙げることができる。また、上記無機微粉末としては、結晶性、非晶性を問わず、例えば、シリカ、カオリン、ベントナイト、アルミナや合成珪酸塩化合物、珪藻土等の微粉末などを挙げることができる。さらに、上記極性有機溶媒としては、例えば、アセトン、ジメチルスルフォキサイド(DMSO)、N−メチルピロリドン(N−MP)、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを挙げることができる。 いずれも単独で、あるいは適宜組み合わせて用いることができる。 本発明に係る第2の態様の血清または血漿分離用組成物は、芳香族エステル化物と、シクロペンタジエン系オリゴマーとを主成分として含み、チクソトロピー性付与剤として、無機微粉末および有機ゲル化剤を含む血清または血漿分離用組成物において、有機ゲル化剤がシクロペンタジエン系オリゴマー100重量部に対し、0.06重量部未満であることを特徴とする。 有機ゲル化剤のより好ましい濃度は、シクロペンタジエン系オリゴマー100重量部に対し、0.04重量部未満であり、さらに好ましい濃度は、0.02重量部未満である。 芳香族エステル化物、シクロペンタジエン系オリゴマー、チクソトロピー性付与剤としての無機微粉末および有機ゲル化剤等は、先に述べた事例のものから選ぶことができるが、有機ゲル化剤濃度がシクロペンタジエン系オリゴマー100重量部に対し、0.06重量部以上であると、室温放置中に粘物性が亢進することがある。 その結果、遠心力が大きく、また遠心温度が高い場合は、大きな問題にはならないが、逆に遠心力が小さく、また遠心時の温度が低いときには、隔壁を形成しにくくなることがあった。 しかしながら、有機ゲル化剤濃度がシクロペンタジエン系オリゴマー100重量部に対し、0.06重量部未満であると充分なチクソトロピー性を発揮しつつも、驚くべきことに室温放置中の粘物性の亢進が低く抑えられ、非常に安定性の高い血清または血漿分離用組成物が得られることが分かった。 有機ゲル化剤濃度に依存して、粘物性が亢進したり、あるいは亢進が低く抑えられたりする理由は不明であるが、恐らく無機微粉末との共存状態においては、有機ゲル化剤分子の極性基と無機微粉末表面の水酸基どうしの相互作用に基づくチクソ化機構と各々単独でのチクソ化機構の関わり方が、ある濃度を境に変化するのであろうと思われる。 また、芳香族エステル化物は、好ましくは、トリメリット酸エステルおよび/又はピロメリット酸エステルである。トリメリット酸エステルおよび/又はピロメリット酸エステルを用いることにより、粘物性の亢進が低く抑えられるだけでなく、さらに組成物から油状物質が分離することが抑制される。従って、分離した油状成分が、遠心分離後の血清または血漿中に浮遊することがなく、すなわち、分析装置のサンプリングノズルを詰まらせたり、電解質センサーの表面に付着して血液検査に支障を来すこともない。 本発明に係る血液検査用容器は、容器本体に本発明の血清または血漿分離用組成物を収容したことを特徴とし、この場合、容器本体の形状については特に限定されない。例えば、図1に示すように、従来から血清または血漿を分離するのに用いられており、かつ栓体2により封止され得る有底の管状容器などの様々な形状の容器本体1を用いることができる。なお、図1では、内部に血清または血漿分離用組成物3が収容されている。 また、容器本体を構成する材料についても特に限定されず、ガラスや合成樹脂などからなる血液検査用容器を用いることができる。もっとも、外部から分離された血清または血漿を目視により容易に確認することができるので、透明性を有する容器により血液検査用容器を構成することが望ましい。 本発明に係る血清または血漿分離用組成物を用いて血清または血漿を血液から分離するに際しては、例えば上記血液検査用容器の底部に血清または血漿分離用組成物を収容し、しかる後、検体としての血液を容器内に収容する。そして、遠心分離装置により遠心分離する。遠心分離により、血液中の固形分が下方に沈殿し、上澄みとして血清または血漿が得られる。分離用組成物は、両者の中間に隔壁を形成する。なお、血漿を分離するには、予め血液及び/または血液検査用容器内にエチレンジアミンテトラアセテートのK塩やNa塩等の従来公知の抗凝固剤を添加しておけばよい。また、血清を採取するには、抗凝固剤を用いることなく、あるいは抗凝固剤の代わりにシリカや珪藻土のような無機質粉末、トロンビンのようなセリンプロテアーゼ等の従来公知の凝固促進剤を添加した血液検査用容器に血液を採取し、上記凝固させた後に、遠心分離を行えばよい。(発明の効果) 本発明の第1の実施態様に係る血清または血漿分離用組成物では、トリメリット酸エステルおよび/又はピロメリット酸エステルと、シクロペンタジエン系オリゴマーとを必須成分として含有し、トリメリット酸エステル及び/又はピロメリット酸エステルとシクロペンタジエン系オリゴマーとが相溶性に優れているため、長期間保存した場合でも、分離し難い。従って、長期間保存された本発明の血清または血漿分離用組成物を収容した血液検査用容器を用いて、血清または血漿を分離した場合であっても、遠心分離後の血清または血漿に油状成分が浮遊し難い。 また、本発明の第二の実施態様に係る血清または血漿分離用組成物は、芳香族エステル化物と、シクロペンタジエン系オリゴマーとを主成分として含み、チクソトロピー性付与剤として、無機微粉末および有機ゲル化剤を含む血清または血漿分離用組成物において、有機ゲル化剤濃度がシクロペンタジエン系オリゴマー100重量部に対し、0.06重量部未満であるため、室温放置中の粘物性が長期間安定しており、隔壁形成性能を長期間維持できる。 従来、上記のような油状成分が浮遊した場合に、分離後にサンプリングノズルにより血清または血漿を採取する際に、ノズルが油状成分により詰まったり、電解質センサーの表面が油状成分により汚染されることがあった。これに対して、本発明によれば、上記のように油状成分の血清または血漿への混入を確実に抑制することができるので、サンプリングノズルの故障が生じ難く、かつ電解質センサーの表面の汚染を生じ難い。従って、本発明の血清または血漿分離用組成物を用いることにより、血液から清浄な血清または血漿を確実に得ることができる。 本発明の血液検査用容器は、上記本発明の血清または血漿分離用組成物を収容しているため、該血液検査用容器に血液を採取し、遠心分離し、血清または血漿を得るに際し、血清または血漿への油状成分の混入を確実に抑制することができる。図1は、本発明の血液検査用容器の一例の縦断面図である。符号の説明 1…容器本体 2…栓体 3…血清または血漿分離用組成物 以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 実施例及び比較例において用いた材料は以下の通りである。1)シクロペンタジエン系オリゴマー:トーネックス社製、商品名:ECR251、軟化点103℃、比重(25℃/4℃)1.072)シクロペンタジエン系オリゴマー:トーネックス社製、商品名:5690、軟化点90℃、比重(25℃/4℃)1.063)シクロペンタジエン系オリゴマー:トーネックス社製、商品名:E5380、軟化点85℃、比重(25℃/4℃)1.074)シクロペンタジエン系オリゴマー:トーネックス社製、商品名:ECR231C、軟化点105℃、比重(25℃/4℃)1.055)フタル酸エステル:比較例で使用。大日本インキ化学工業社製、商品名:モノサイザーDOP(フタル酸ジオクチル)、比重(20℃/20℃)0.986、粘度(20℃)80mPa.s6)トリメリット酸エステル:大日本インキ化学工業社製、商品名:モノサイザーW−700(トリメリット酸トリイソオクチル)、比重(25℃/25℃)0.990、粘度(25℃)220mPa.s7)トリメリット酸エステル:大日本インキ化学工業社製、商品名:モノサイザーW−750(トリメリット酸トリn−オクチル)、比重(25℃/25℃)0.984、粘度(25℃)93mPa.s8)有機ゲル化剤:ジベンジリデンソルビトール(DBS)、新日本理化社製、商品名:ゲルオールD9)極性有機溶媒:N−メチルピロリドン(N−MP)、試薬グレード10)微粉末シリカ:比表面積250m2/gの非晶性微粉末シリカ、トクヤマ社製、商品名:レオロシルDM30S11)微粉末シリカ:平均粒径約3μmの結晶性シリカ微粉末、試薬グレード12)カルビノール変性シリコンオイル:トーレ・ダウコーニング社製、商品名:SF842713)ポリビニルピロリドン:PVP−K30、試薬グレード14)ピロメリット酸エステル:大日本インキ化学工業社製、商品名:モノサイザーW−7010(ピロメリット酸テトライソオクチル)、比重(25℃/25℃)0.992、粘度(25℃)460mPa.s15)微粉末シリカ:比表面積170m2/gの非晶性微粉末シリカ、日本アエロジル社製、商品名:アエロジルR97416)微粉末シリカ:比表面積200m2/gの非晶性微粉末シリカ、日本アエロジル社製、商品名:アエロジル200CF <血清または血漿分離用組成物の作製> 実施例および比較例で使用した配合成分の種類と、シクロペンタジエン系オリゴマーを100重量部としたときの各配合成分の配合割合(単位は重量部)とを下記表1、表2及び表3に示す。 130〜140℃に加熱攪拌したトリメリット酸エステル、フタル酸エステルあるいはピロメリット酸エステルに、シクロペンタジエン系オリゴマー及び必要に応じて有機ゲル化剤を表1〜表3に示す配合割合に従って溶解させた後、約25℃の室温まで冷却し、血清または血漿分離用組成物を作製した。なお、有機ゲル化剤は、ゲル化度調整用の極性有機溶媒に溶解させて使用した。微粉末シリカ(非晶性)を配合する場合は、室温まで冷却した後に、微粉末シリカをプラネタリミキサーで攪拌分散させた。 実施例及び比較例で使用した配合成分の種類と配合割合、並びに得られた実施例及び比較例の血清または血漿分離用組成物の比重(25℃/4℃)を測定した結果を下記表1、表2及び表3に示す。 <血清または血漿分離用組成物を収容した血液検査用容器の作製> 実施例及び比較例の各血清または血漿分離用組成物に対して、それぞれ20本の血液検査用容器を作製した。 7mL容量のポリエチレンテレフタレート製試験管20本の底部に、上記血清または血漿分離用組成物を約1.5gずつ収容した後、試験管内壁面に微粉末シリカ(平均粒径約3μm、結晶性)2重量%、カルビノール変性シリコンオイル2重量%及びポリビニルピロリドン2重量%からなる水懸濁液を血液凝固促進剤として約20mg/本の割合で噴霧し、乾燥して血液検査用容器を作製した。 <評価> 作製した20本の血液検査用容器の内、10本の血液検査用容器については、約25℃の室温で1週間保存した。残りの10本の血液検査用容器については、約25℃の室温で3ヶ月間保存した。 上記のようにして保存した後、各血液検査用容器に、ボランティア人新鮮血を3mL/本の割合で採取し、血液凝固が完了した後、実施例1〜42並びに比較例1について、1300G(約25℃、5分間)で遠心分離した。遠心分離により形成された分離剤隔壁による血清と血餅成分との分離状態(隔壁形成性)、溶血の有無及び油状成分の浮遊の有無を目視により観察した。なお、この時点で、隔壁形成が不完全であったものは、さらに1600G(約25℃、5分間)で追加の遠心分離を行い、先述と同様の目視観察を繰り返した。 また、実施例27〜42については、900G(約15℃、5分間)で遠心分離した。遠心分離により形成された分離剤隔壁による血清と血餅成分との分離状態(隔壁形成性)、溶血の有無及び油状成分の浮遊の有無を目視により観察した。なお、この時点で、隔壁形成が不完全であったものは、さらに1100G(約15℃、5分間)で追加の遠心分離を行い、先述と同様の目視観察を繰り返した。 実施例及び比較例の血清または血漿分離用組成物の評価結果を下記表4及び表5、表6に示す。 フタル酸エステルのモノサイザーDOPを用いた比較例の血清または血漿分離用組成物では、約25℃の室温で3ヶ月間の保存した血液検査用容器において、1600Gの遠心分離後に油状成分が観察された。他方、実施例1〜34の血清または血漿分離用組成物においては、いずれの保存条件においても油状成分は認められなかった。 一方、実施例27〜42において、15℃、900〜1100Gといった低温および低い遠心力では、有機ゲル化剤濃度が、シクロペンタジエン系オリゴマー100重量部に対し、0.06重量部を越えると室温3ヶ月後の隔壁形成性が低下する傾向が伺え、0.06重量部未満では、隔壁形成性が安定していることが分かった。 トリメリット酸エステルおよび/又はピロメリット酸エステルと、シクロペンタジエン系オリゴマーとを含有する、血清または血漿分離用組成物。 前記シクロペンタジエン系オリゴマー100重量部に対し、前記トリメリット酸エステルおよび/又はピロメリット酸エステルが40〜240重量部の割合で含有されている、請求項1に記載の血清または血漿分離用組成物。 芳香族エステル化物と、シクロペンタジエン系オリゴマーとを主成分として含み、チクソトロピー性付与剤として、無機微粉末および有機ゲル化剤を含む血清または血漿分離用組成物において、有機ゲル化剤がシクロペンタジエン系オリゴマー100重量部に対し、0.06重量部未満であることを特徴とする、血清または血漿分離用組成物。 容器本体と、該容器本体内に収容された請求項1から3に記載のいずれかの血清または血漿分離用組成物とを備える、血液検査用容器。 シクロペンタジエン系オリゴマーを含み、血液成分の比重差を利用した血清または血漿分離用組成物であって、遠心分離後の血清または血漿中に油状成分が浮遊することがない血清または血漿分離用組成物を提供する。 トリメリット酸エステルおよび/又はピロメリット酸エステルと、シクロペンタジエン系オリゴマーとを含有する血清または血漿分離用組成物、または、芳香族エステル化物と、シクロペンタジエン系オリゴマーとを主成分として含み、チクソトロピー性付与剤として、無機微粉末および有機ゲル化剤を含む血清または血漿分離用組成物において、有機ゲル化剤がシクロペンタジエン系オリゴマー100重量部に対し、0.06重量部未満であることを特徴とする、血清または血漿分離用組成物。