生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_スケール付着判定剤及びスケール付着判定方法
出願番号:2007043644
年次:2008
IPC分類:G01N 31/00,G01N 21/82,G01N 31/02,G01N 21/77


特許情報キャッシュ

中村 麻里子 田家 史郎 JP 2008209126 公開特許公報(A) 20080911 2007043644 20070223 スケール付着判定剤及びスケール付着判定方法 栗田工業株式会社 000001063 中村 麻里子 田家 史郎 G01N 31/00 20060101AFI20080815BHJP G01N 21/82 20060101ALI20080815BHJP G01N 31/02 20060101ALI20080815BHJP G01N 21/77 20060101ALI20080815BHJP JPG01N31/00 SG01N21/82G01N31/02G01N21/77 BG01N31/00 Y 6 OL 6 2G042 2G054 2G042AA01 2G042BC02 2G042CA02 2G042CB03 2G042DA01 2G042DA06 2G042FA06 2G042FB04 2G042HA07 2G054AB10 2G054CA10 2G054CE01 2G054EA09 2G054GB04 本発明は、ボイラや冷却水系などの水系において、前記配管内にスケールが付着しているかどうかを簡易に判定できるスケール付着判定剤および前記スケール付着判定剤を用いたスケール付着判定方法に関する。 ボイラや冷却水系などの配管を含む水系では、伝熱面や配管等スケール付着やスケール堆積などにより、熱効率や流量の低下あるいは局部腐食の発生など、水系の運転上種々の障害を生じることが多い。前記スケールは、水中のカルシウム、マグネシウム、鉄あるいはシリカなどの不純物が水系温度条件(高温)下で濃縮され、炭酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、酸化鉄、ケイ酸マグネシウムなどの溶解度が減少してこれらが水と接触する配管や伝熱面に析出することによって析出することが知られている。さらに近年、ボイラや冷凍機などにおいては、パッケージ化や高性能化が進められた結果、単位面積あたりの伝熱量も従来に比べて遥かに高くなっている。そのため、水中の不純物質がより高濃縮化され、従来よりもスケールが付着しやすくなってきており、またわずかな量のスケールが付着しても電力費の増加や熱交換効率の低下を招き、スケール障害は重要な問題となっている。 このようなスケールを除去する場合、水系の運転を止めて配管などを開放し、別途人力や化学薬品を用いて除去したり、水系の運転を止めることなく、スケール除去剤を前記スケール除去剤を添加してスケールを除去することが行われている。 前者の場合、通常一定の運転期間が過ぎると、運転が止められ、スケール除去作業が開始される。また、後者の場合でも、通常一定期間ごとにスケール除去剤が添加され、水系の運転を継続しつつ、スケールの除去が行われる。後者の先行技術としては特開平9−320191号が例示される。特開平9−320191号 しかし、前者では、給水や運転条件の急激な変化などにより、一定期間を基準とした条件が変動し、一定期間未満でスケールが基準以上付着したり、逆に一定期間以上でもスケール付着量が基準未満であったりする。後者の場合でも、通常使用されるスケール除去剤はキレート剤系除去剤が使用されるため、その添加量が多すぎるとキレート腐食などの不都合が発生する危険性が生じる。少なすぎると系内のスケールが完全には溶解できないという危険性が生じる。 このように、一定時間を基準としてスケール除去を行うと、スケール付着量が基準よりも多くなったり、少なくなったりして、前記危険性が高まる。 本発明は、対象となる水系にスケールが付着しているのかどうかを簡易に判定できるスケール付着判定剤およびそれを用いたスケール付着判定方法に関する。 すなわち、本発明はスケール付着判定剤を用いて簡易に水系のスケール付着状況を把握できる付着判定剤とそれを用いた付着判定方法であり、スケール付着判定剤はキレート剤を含むことを特徴とする。また、本発明はキレート剤とスケール溶解助剤とを含むスケール付着判定剤である。 上記において、キレート剤はエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、メチルグリシン三酢酸またはそれらの水溶性塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるスケール付着判定剤である。 また、スケール溶解助剤は、スケール溶解、分散又は剥離能を有する化合物であり、具体的にはカルボン酸系ポリマ、ホスホン酸及びホスフィン酸およびそれらの水溶性塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるスケール付着判定剤である。 本発明は、キレート剤を含むスケール付着判定剤を一定時間、一定濃度となるように対象水系に添加すると共に、ブロー水の一部を採水し、前記ブロー水中の硬度成分を測定して、スケールが付着しているかどうかを判定することを特徴とするスケール付着判定方法である。 さらに本発明は、キレート剤とスケール溶解助剤とを含むスケール付着判定剤を一定時間、一定濃度となるように対象水系に添加すると共に、ブロー水の一部を採水し、前記ブロー水中の硬度成分を測定して、スケールが付着しているかどうかを判定することを特徴とするスケール付着判定方法である。 本発明においては、従来のように洗浄を開始する時期を設定するための試験などを行う必要がなく、水系の運転中に本剤を対象水系に添加するだけで簡単にスケール除去工程にはいるべきかどうかを決定することができる。したがって、スケール除去において、無駄が生じることがない。 以下に本発明のスケール付着判定剤およびスケール付着判定方法の実施の形態を詳細に説明する。 本発明で用いられるスケール付着判定剤はキレート剤を含む。また、本発明はキレート剤とスケール溶解助剤とを含むスケール付着判定剤である。 ここで、キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、メチルグリシン三酢酸またはそれらの水溶性塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である。 これらのスケール付着判定剤は、前記判定剤を単品か、または使用中の水処理薬剤と共に、給水ラインなどからポンプを用いて対象水系に投入し、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウムなどのスケールが付着した水系では、前記判定剤が前記スケールと反応を起こしてスケール成分が溶解され、懸濁液を発生させるので、懸濁液の一部を採水して目視判断をしたり、酸溶解全硬度などを測定することにより、対象水系にスケールが付着しているかどうかを判定することが出来る。 とりわけ、エチレンジアミン四酢酸もしくはその水溶性塩が短時間内に水系に付着したスケールとキレート塩を形成し、短時間内に効果をあらわすので、好ましいものの一つである。 本発明はこのようにキレート剤を含むだけでもよいが、さらにキレート剤にスケール溶解助剤を併用すると、より短時間にスケールが溶解され、より正確に判定ができて好ましい。このような化合物として、カルボン酸系ポリマ、ホスホン酸及びホスフィン酸およびそれらの水溶性塩からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。 カルボン酸系ポリマとしてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸またはイタコン酸のホモポリマ、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸またはイタコン酸の相互のコポリマ、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸またはイタコン酸とノニオン性モノマとのコポリマなどが例示できる。ノニオン性モノマとしては、アクリルアミド、イソブチレン、アクリル酸エステルなどが例示される。ここで使用できるポリマの分子量としては、スケールの分散能が高い1,000〜30,000程度のものが好ましい。 また、ホスホン酸としては2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸などのホスホノカルボン酸、アミノトリ(メチルホスホン酸)、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸またはその水溶性塩などが例示できる。 一方、ホスフィン酸としては、ホスフィノカルボン酸共重合物、ビス(ポリ-2-カルボキシエチル)ホスフィン酸が例示できる。 また本発明では、母材への影響を最小限に止めるために、防食剤を併用することが好ましい。 このような防食剤としては、ヒドラジン類、エリソルビン酸、アスコルビン酸、亜硫酸、1−アミノピロリジン、1−アミノー4−メチルピペラジンなどのN―アミノ酸置換型複素環式化合物、ジエチルヒドロキシルアミンなどのヒドロキシルアミン類、などの脱酸素剤が例示される。 また本発明は、キレート剤を含むスケール付着判定剤を一定時間、一定濃度となるように対象水系に添加すると共に、ブロー水の一部を採水し、前記ブロー水中の硬度成分を測定して、スケールが付着しているかどうかを判定することを特徴とするスケール付着判定方法である。さらに本発明は、キレート剤とスケール溶解助剤とを含むスケール付着判定剤を一定時間、一定濃度となるように対象水系に添加すると共に、ブロー水の一部を採水し、前記ブロー水中の硬度成分を測定して、スケールが付着しているかどうかを判定することを特徴とするスケール付着判定方法である。 キレート剤を含むスケール付着判定剤の場合、対照となるボイラ水系や冷却水系などにおいて、水系の運転中に水系中で通常100〜10,000mg/l程度となるように本発明のスケール付着判定剤を添加し、添加直後から10時間後の任意の時間に水系からのブロー水の一部を採取し、このブロー水中の酸溶解全硬度を分析し、スケール除去が必要かどうかを判定する。測定の結果、例えば50mg/lなど、各水系に応じた一定以上の全硬度が認められたら、水系の運転を中断してスケール除去をおこなうか、または水系を運転しつつ、スケール除去剤を添加してスケール除去を行う。 後者の水系を運転しながらスケール除去を行なう場合、従来法と同様の薬剤(例えばEDTAなど)を使用して実施すればよい。 以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。 以下の性能を有する小型貫流ボイラ(商品名:よしみねNHA)を用いて試験した。 常用圧力 0.6MPa 給水 軟水 保有水量 140L 給水量 0.5t/hr ブロー率 17% この条件で1月運転を継続後、運転を実施しながら、先ずブロー水の一部を採水し、酸溶解全硬度を10時間にわたって測定した。次に、補給水にEDTAを缶内で800mg/lとなるように添加し、5時間にわたってこの濃度を維持するように本薬剤を添加した。前記同様に投入直後からブロー水の一部を採水し、同様に酸溶解全硬度を測定した。 その後、一旦スケール除去剤(EDTA)を添加して缶内のスケールを除去し(缶水の酸溶解全硬度が0になるまで洗浄を続けた。)、その後、再度1月間運転を行い、補給水にEDTAを缶内で800mg/l、およびポリアクリル酸ソーダを同様に缶内で200mg/lとなるように添加し、5時間にわたってこの濃度を維持するように本薬剤を添加した。前記同様に投入直後からブロー水の一部を採水し、同様に酸溶解全硬度を測定した。結果を表に示す。これから、実施例においては薬剤投入直後から硬度成分の流出が検出されていることがわかるので、本ボイラの場合、系内にスケールが堆積していると判断される。キレート剤を含むスケール付着判定剤。キレート剤とスケール溶解助剤とを含むスケール付着判定剤。請求項1又は2において、キレート剤がエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、メチルグリシン三酢酸またはそれらの水溶性塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるスケール付着判定剤。請求項2において、スケール溶解助剤が、カルボン酸系ポリマ、ホスホン酸及びホスフィン酸およびそれらの水溶性塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるスケール付着判定剤。キレート剤を含むスケール付着判定剤を一定時間、一定濃度となるように対象水系に添加すると共に、ブロー水の一部を採水し、前記ブロー水中の硬度成分を測定して、スケールが付着しているかどうかを判定することを特徴とするスケール付着判定方法。キレート剤とスケール溶解助剤とを含むスケール付着判定剤を一定時間、一定濃度となるように対象水系に添加すると共に、ブロー水の一部を採水し、前記ブロー水中の硬度成分を測定して、スケールが付着しているかどうかを判定することを特徴とするスケール付着判定方法。 【課題】従来、ボイラや冷却水系中のスケール除去方法としては、一定期間ごとに水系の運転を中止して水系を開放し、手動でスケール除去を行なうか、又は運転を継続しつつスケール除去剤を添加してスケール除去を行なっていた。しかし、この方法では、正確に水系中のスケール付着状況を事前に把握することができず、無駄に水系を開放したり、スケール除去剤の添加量に過不足をきたし、ひいては水系に対して悪影響を与える問題があった。【解決手段】キレート剤を含むスケール付着判定剤を対象水系に添加して、簡単に水系のスケール付着状況を把握でき、スケール除去を行なうかどうか、容易に判定することができる。【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る