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タイトル:公開特許公報(A)_液状培地および光合成細菌を増殖培養する方法
出願番号:2007036829
年次:2008
IPC分類:C12N 1/20


特許情報キャッシュ

下野 三好 市来 政一 大井 敏民 JP 2008199914 公開特許公報(A) 20080904 2007036829 20070216 液状培地および光合成細菌を増殖培養する方法 サンコーテック株式会社 304045457 下野 三好 市来 政一 大井 敏民 C12N 1/20 20060101AFI20080808BHJP JPC12N1/20 A 13 7 OL 18 4B065 4B065AA01X 4B065AC09 4B065BB40 4B065BC11 4B065CA54 本発明は、酒類粕を固液分離して得られる液状培地およびそれらを用いて光合成細菌を増殖培養する方法に関するものである。 特開平8−103273、特開平11−32755号(以下、特許文献1という)に、「(自己増殖性の固定化菌体の製造)アセテート残基が約30%、重合度約1000である10%−ポリビニルアルコール水溶液2リットルと、20%ケイ酸カリウム水溶液0.53リットルに、下記の培地成分を溶解した培地0.7リットル、光合成細菌であるロドシュートモナス キャプスレータスの培養液0.3リットルを同時に混合攪拌し、最終pHが8.3である未ゲル溶液を深さ5cm、直径10cmの透明プラスチック容器の中に充填した。 培地は、1リットルあたり、プロピオン酸ソーダ5g、塩化アンモニウム1g、リン酸カリウム0.8g、塩化マグネシウム0.2g、塩化ナトリウム0.1g、塩化カルシウム0.05g、炭酸水素ナトリウム0.5g、酵母エキス0.2gである。 間もなくすると、未ゲル溶液はゲル化し、ゲル状の微生物の自己増殖性の固定化菌体を得た。そして、5日間照明下で培養すると、ゲル内の培地で真っ赤に増殖した微生物の自己増殖性の固定化菌体を得た。生菌数を測定すれば108オーダーの自己増殖性の固定化菌体を得た。(特許文献1の実施例 第0011〜0013段落)」の記載がある。 特開平9−238681号(以下、特許文献2という)に、「コハク酸10g,リンゴ酸10g,硫安5g,リン酸一カリウム8g,硫酸マグネシウム2g,食塩1g,塩化カルシウム0.5g 及び酵母エキス2g を水1l に溶解した栄養基質(培地)に、ロドシュードモナス・カプシュラータ(Rhodopseudomonas capsulata:微工研菌寄第879号)菌体とクロマチウム・ビノサム(Chromatium vinosum:微工研菌寄第890号)菌体とを接種すると共に、直径1〜3mmの微細孔をもつ粒径約57mmのオオヤ石粒10g と直径1〜3mmの微細孔を持つ粒径約5mmのヒル石粒10g とを添加して、A液を調製した。 10%ポリビニルアルコール水溶液2l に、前記栄養基質(培地)と同一組成の栄養基質0.8l ,水0.7l 及び酢酸15.2g を添加してpH1.1のB液を調製した。 水3l に、10%硫酸アルミニウムカリウム400g ,炭酸水素ナトリウム4g 及びチオ硫酸ナトリウム4g を添加してpH11.9のC液を調製した。 200ml容の透明容器に、A液40mlとB液80mlとC液80mlとを、撹拌混合しながら同時に投入し、さらに、セルローズ繊維製フィラー5g を添加し、撹拌後、靜置し、光照明下・25℃で7日間培養して、真紅色を呈したゲル状固定化菌体を得た。(特許文献2の第0020〜0023段落)」の記載がある。 特開平11−243946号(以下、特許文献3という)に、「実施例以下、本発明によって光合成細菌(Rhodobacter capsulate)を培養した具体的な実施例を示す。10tの培養槽に、プロピオン酸ナトリウム0.1%、リン酸一カリウム0.5%、リン酸二カリウム0.06%、硫酸アンモニウム0.1%、硫酸マグネシウム・7水和物0.02%、塩化ナトリウム0.02%、塩化カルシウム・2水和物0.05%、バクト・イーストエキス(Pifico)0.01%、ビタミン溶液(チアミン塩酸50mg、ナイアシン50mg、パラアミノ安息香酸30mg、ピリドキシ塩酸10mg、及びピチオン5mgを蒸留水100mlに溶かした溶液)1ml/リットル微量元素溶液(EDTA−2Na 1000mg、FeCl26H2O 2000mg、ZnCl2 100mg、MnCl2・4H2O 100mg、H3BO3 100mg、CoCl2・2H2O 100mg、Na2MoO4・2H2O 20mg、CuCl2・2H2O 10mg、NiCl2・6H2O10mg及びNa2SeO3 5mgを蒸留水1リットルに溶かした溶液)1ml/リットルを含む培地9000リットルを入れ、100℃、3時間の間歇滅菌を3回繰り返した。培地を30℃まで冷却したのち、別の培養槽で培養しておいた(Rhodobacter capsulate)3g湿重量/リットル濃度の種菌900リットルを無菌的に植菌した。100rpmで10分間攪拌したのち、攪拌を止め、培養を行った。攪拌を1日10分ずつ行い、10日間培養し、34kg湿重量の菌体を得た。(特許文献3の実施例 第0017段落)」、「滅菌後の液体培地には種菌が投入される。種菌の投入量は液体培地の1〜20%の範囲、特に10%程度が望ましい。種菌の投入後、撹拌翼6を断続的に回動させつつ培養を行う。撹拌は、50〜100rpmの回転数で1日に10分程度行なえば足る。頻繁な撹拌は、容器内容物(光合成細菌と液体培地との混合物)中の溶存酸素によって光合成細菌以外の菌の増殖を招きやすいのでひかえるのが好ましい。また、光合成細菌の種類によっては、シャフト6aより空気ではなく窒素が通気される。培養日数は約5〜10日程度である。この培養期間中、液体培地が上記のようにして滅菌されているので、容器内容物中の光合成細菌が優先的に増殖する。(特許文献3の第0015〜0016段落)」の記載がある。 特開2000−287675号(以下、特許文献4という)に、「太陽光線があれば倍倍の周期で(夏期15日)生産できる・・・。」、「水溶性培養基本10リットルにたいする培養比率培養添加水水道水塩素含有0.1PPm〜0.3PPm以内大気開放下の培養につき24時間紫外線殺菌(空気中雑菌排除)塩化アンモニュウム 10g イーストエキストラクス 1g炭酸水素ナトリュウム 10g ペプトン 1g酢酸ナトリュウム(無水) 10g プロピオン酸ナトリュウム 2g塩化ナトリュウム 10g 硫酸アンモニウム 2.5gりん酸水素二カリウム 2g 尿素 2.5g硫酸マグネシュウム 2g 酵素 2gdL−リンゴ酸 2.5g(実施例)(特許文献4の実施例)」の記載がある。 特開2002−171963号(以下、特許文献5という)に、「本発明は、光合成細菌と共生する相性の良い乳酸菌、バチルス菌、酵母など、糖類を発酵する何れかまたは複数種の発酵菌を研ぎ汁に接種して予め数時間一次発酵させた後、この研ぎ汁発酵液に光合成細菌を接種し、弱光で照射及び攪拌しながら数日間培養する方法であり、他に何の養分を添加しないで光合成細菌を高濃度に増殖させる革新的な技術である。更に、コロイド状のモンモリロナイト粘土鉱物を少量添加する事に依って光合成細菌の長期保存が可能になるのである。(特許文献5の第0023段落)」、「[実施例.1 ]米の研ぎ汁粉5gに水道水1000lを注入し公知の方法で殺菌した後、下記の発酵菌を接種した。 1.乳酸菌(ラクトバチルス ビヒィドス)、2.枯草菌(バチルス サブチルス)、3.酵母(サハロミセス セレビジエ)24時間27℃で発酵した後、この研ぎ汁発酵液に3種の光合成細菌、ロドバクター カプシユレター、ロドサイクルス ゼラチノス、エクトチオロドスピリラムを別々に接種した培養液を、白熱ランプ(照度1000ルクス)で照射しながら培養を行った。5日後から3日間続けて、発生する紅色の濃度によって菌の増殖の有無を測定した。(特許文献5の実施例 第0026〜0027段落)」の記載がある。 特開平8−192180号(以下、特許文献6という)に、「360ppmプロピオン酸:2,100ppm酪酸 : 10ppm未満吉草酸 : 110ppmカプロン酸 : 10ppm未満BOD :4,010ppmTOC :2,250ppm上記aからなる培地成分を含んだ培地液94mLを500mL容三角フラスコに入れ、該培地液に、乳酸菌種であるLactobacillus acidophilus[ATCC 11975]、酵母菌種であるSaccharomyces cerevisiae[IFO 0309]および光合成細菌種であるRhodopseudomonas sphaeroides[ATCC 33575]の各種菌(104 〜105 個/mL)2mLを接種し、30℃にて7日間嫌気的に混合培養を行なった。培養液中の生菌数は、乳酸菌5×105 個/mL、酵母8×105 個/mL、光合成細菌9×105 個/mL、総生菌数2×106 個/mL、総菌体濃度1.0g/Lであった。この混合培養液を上記bからなる活性汚泥水3.9L/5L漕に添加し、室温、曝気時間2時間/日(曝気時の溶存酸素濃度2〜3ppm)、光照射(白熱灯1500ルクス)12時間毎の明暗周期で30日間馴養を行い、・・・。(特許文献1の第0018段落の実施例)」の記載がある。 特許第2511325号(以下、特許文献7という)に、「それぞれの光リアクターの水張り容積は2.5リットルであるが、緑藻の明培養槽と暗培養槽はそれぞれ1.25リットルのものを使用し、暗培養槽には当然ながら光エネルギーの供給は行わなかった。また、2基の水素発生槽(ともに水張り容積2.5リットル)は光エネルギーの供給と方向性のあるインペラーによる攪拌のみとし、通気は行わなかった。各槽の原水に対する滞留時間はそれぞれ5時間(緑槽培養槽は、明・暗の両槽の合計で5時間)に設定した。また菌体濃度は、光合成細菌に関しては4,000〜5,000mg/l、微細藻類はそれぞれ8,000〜10,000mg/lである。 光エネルギーの供給は、定量的データを採るためにキセノンランプ(可視光のみ)によって行い、光エネルギーの供給速度は、槽容積当りでは10KW/m3・hr、光ファイバーの発光面積当りでは50W/m2・hrに固定した。表1の人工下水についての連続処理実験は、菌体濃度が各槽に所定濃度維持され、所謂定常状態に達してから1ケ月間継続し、この間の原水の供給速度は12リットル/日の一定とした。なお、この実験では光合成細菌としてロドバクター(Rhodobacter sp.)、クロマチウム(Chromatium sp.) 、らん藻はオッシラトリア(Oscillatoria sp.) および緑藻にはクラミドモナス(Chlamydomonas sp.)を用いた。(特許文献7の第0027〜0028段落)」の記載がある。 特許第3184970号(以下、特許文献8という)に、「この嫌気性粒状汚泥は、(i)酸発酵性微生物及び/又はメタン発酵性微生物と(ii)光合成細菌とからなる通常の非粒状の嫌気性汚泥を、上向流式で嫌気培養して自己凝集(粒状化)させることにより得ることができる。本発明で用いる前記嫌気性粒状汚泥において、その平均粒径は、消化槽の液中に分散された状態で、0.5〜5mm、好ましくは2〜3mmである。その消化槽の液中における濃度は、30〜60重量%、好ましくは40〜50重量%である。前記の」、「消化槽を35℃に保持し、培養3日目から、白熱灯により100μE/m2/sの強度(液面上での強度)で、光を連続的に照射した。ただし、14日目、20日目及び21日目は、消化槽をそれぞれ24時間暗条件に保った。前記培養後、次に、消化槽に有機酸、アンモニア及びリン酸等を含む溶液を510ml/dayで供給した。供給した溶液の組成を、表1に示す。暗条件と光照射条件における消化液の吸収スペクトルを測定したところ、光照射条件の場合には、粒状汚泥から増殖が誘導された光合成細菌のバクテリオクロロフィルに特有の吸収スペクトルが認められた。(特許文献8の第0016段落)」の記載がある。 特公昭45−28234号(以下、特許文献9という)に、「COD4800ppmBOD7000ppmアンモニア5800ppmの黒色を呈する羊毛洗浄廃液1.2tonを好気的培養タンク(b)に移し、空気を20〜100L/分通気して37度Cで48時間廃液中に含まれる好気菌を増殖培養させしめることにより、廃液を分解して有機酸の豊富な黄色を呈する処理液を得た。この時のCODは4800ppm、BOD7000ppm、アンモニア5800ppmとなっていた。次にこの処理廃液を嫌気培養タンク(c)に移し紅色無硫黄細菌(ロドシュードモナス属カプシュラタス種を使用)の培養液を処理液に対し約1%加え、27度C、2000〜10000lux照明条件下、96時間場用した後、嫌気培養タンクの上部より処理廃液を流出せしめたところ、該処理廃液のCODは260ppm、BOD230ppm、アンモニア190ppmに下がっており、且つ液の状態は透明となっていた。尚、嫌気培養タンクの底より紅色無硫黄細菌の菌体が0.9Kg得られた。(特許文献9の6ページ12、1行〜)好気的培養タンク(b)のpHは、廃液中の金属イオン、アミノ化合物等のため培養終了後まで殆ど変化することはないのでpH調節は不要である。(特許文献9の5ページ10、34行〜)」の記載がある。 特許3699987号(以下、特許文献10という)に、「本発明にいう耐アルカリ性光合成細菌Rhodopseudomonaとは、光合成非硫黄でありBergey’s Manual of Determinative bacteriology 3巻、1661−1682に記載の種の一種である。これらはアルカリ性でよく増殖し、バクテリアクロロフィルa、ノイロスポレン、リオコピンを有する。本発明にいう耐アルカリ性ラン色細菌Synechococcusとは、CyanobacteriaでありBergey’s Manual of Determinative bacteriology 3巻、1728−1746に記載の種の一種である。これはアルカリ性でよく増殖し、クロロフィルa、およびβカロチンを有する。本発明にいう耐アルカリ性とは、主にpH8−10で最大増殖速度を持つものである。本発明にいう有機物分解とは、主に家庭有機排水ならびに畜産糞尿をいう。(特許文献10の第0007段落)」の記載がある。山本 和夫ら(以下、非特許文献1という)によれば、「紅色非硫黄細菌は光合成細菌であり、種々の高濃度有機性廃水の処理に活用できることが知られている。しかし、従来の方法では、混合培養系となる実際の処理の現場で、この非硫黄細菌を選択的に増殖させることが難しく、一時期注目を浴びたものの、残念ながら普及するまでに至っていない。本研究室では、赤外線フィルターを用いると、処理槽内での紅色非硫黄細菌の増殖を選択的に行え、しかも増殖した菌体は魚のエサなどの有価物として有効利用できる一石二鳥の廃水処理プロセスを開発している。このプロセスは食品生産工場などの廃水処理に適用すれば、消費エネルギーが少なく、低コストで、かつ環境に優しい廃水処理プロセスとなる。」とのインターネットによる記載がある。特開平8−103273、特開平11−32755号公報特開平9−238681号公報特開平11−243946号公報特開2000−287675号公報特開2002−171963号公報特開平8−192180号公報特許第2511325号公報特許第3184970号公報特公昭45−28234号公報特許3699987号公報山本 和夫ら、環境安全研究センター「光合成細菌を用いた高濃度有機性廃水の処理と有価物生産との同時水処理システムの開発」、インターネット。しかしながら、これらの先行技術調査文献は、それぞれ有用な技術を駆使されて、それぞれに素晴らしい発明であるが、いづれも合成した化合物を組成した特別な培地を用い、無機化合物を添加することによりpHもアルカリ性に調整するなど、また、雑菌による光合成細菌の捕食を配慮してゲル化物や多孔性粒状物を用いている。5日から一ヶ月間の照明下で培養している。とくに、pHが3〜4の酒類粕を用いて増殖培養する発想も記載もない。 本願発明は、希釈した光合成細菌に酒類粕原液を混合し、撹拌して凝集分離し、固液分離した分離液のpHを光合成細菌により調整すること、BODを低減すること、ミキシング処理すること、遠心分離・濾過または紫外線照射することにより得られた分離液を主とした培養用の液状培地を、および選択的に増殖させることが難しい光合成細菌の、短期間での、大量の増殖培養する方法を提供することを目的とする。 本願発明者は、鋭意研究の結果、希釈した光合成細菌に酒類粕原液を混合し、撹拌して凝集分離し、固液分離した分離液のpHを光合成細菌により調整すること、BODを低減すること、ミキシング処理すること、遠心分離・濾過あるいは紫外線照射することの少なくとも一つの処理をすることにより得られた分離液を培養用の液状培地として用いて、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら、残存する光合成細菌を増殖培養する方法、添加した光合成細菌もしくは共生菌株を増殖培養する方法により発明を完成し、上記課題を解決した。すなわち、 本願発明は、光合成細菌とくに、紅色光合成細菌及び/又はラン色細菌(Synechococcus)を含んだ希釈水溶液に酒類粕原液を希釈させながら、混合し、撹拌し、凝集分離し、固液分離装置を用いて、この凝集分離した凝集分離液を固形分と分離液とにすることにより、さらに得られた分離液をエアレーションしなから高速撹拌するミキシング処理することにより、これらの分離液を濾過し、紫外線照射することにより、分離液のBODを低減することにより、さらにゼラチンペプトン及び/又は無機塩類を添加することにより、培養用の液状培地を作成し、これらの培養用の液状培地を用いて、嫌気性の雰囲気で波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら、残存する光合成細菌を短期間で増殖培養する方法、添加した光合成細菌もしくは共生菌株を短期間で増殖培養する方法を実現したものである。本願発明にいう光合成細菌としては、ロドスピリラム ルブラム(Rhodospirillum rubrum )などのロドスピリラム属( Rhodospirillum )、ロドシュードモナス ビリディス( Rhodopseudomonas viridis )、ロドシュードモナス ゲラチノーサ( Rhodopseudomonas gelatinos )、ロドシュードモナス プラストリス( Rhodopseudomonas palustris )、ロドシュードモナス スルフィドフィラ( Rhodopseudomonas sulfidophila )、ロドシュードモナス カプシュラタス(C0psulatus)、ロドシュードモナス シェフロイデス(Spheroides)、ロドシュードモナス ジェラテイコバ(Gelatikoba)などのロドシュードモナス属( Rhodopseudomonas )及びロドバクター スフェロイデス( Rhodobacter sphaeroides )、ロドバクター キャプスレイタ( Rhodobacter capsulata )などのロドバクター属( Rhodobacter )、クロマチューム ビノサム(Chromatium vinosum)などのクロマチューム属があげられる。本願発明にいう紅色光合成細菌(プロテオバクテリア)は、紅色非硫黄性細菌、紅色硫黄性細菌、ラン色細菌であり、紅色非硫黄性細菌は、光合成細菌に属する細菌のうちのロドスピリラセエ科(Rhodospirillaceae)に分類されるもので、例えば、ロドバクター属(Rhodobacter)、ロドシュードモナス属(Rhodopseudomonas)、ロドスピリルム属(Rhodospirillum)、ロドミクロビウム属(Rhodomicrobium)、ロドチラス属(Rhodocyclus)等の細菌であれば、特に限定されることなく利用することができる。かかる細菌の具体例としては、ロドシュードモナス パルスチルス(Rhodopseudomonas palstris)、ロドバクター カプスラタス(Rhodobacter capsulatus)、ロドバクター スファエロイデス(Rhodobacter sphaeroides)、ロドシクルス ゲラチノサス(Rhodocyclus gelatinosus)、ロドスピリウム ラバーム(Rhodospirillum rubrum)、ロドシュードモナス シュフエロイデス(Rhodopseudmonas shfreroides)などの細菌、及び耐アルカリ性光合成細菌が挙げられる。本願発明にいう耐アルカリ性光合成細菌とは、特許3639905号に記載された耐アルカリ性光合成細菌(Rhodopseudomonasに属する)、耐アルカリ性ラン色細菌(Synechococcusに属する)であり、より具体的には、耐アルカリ性でバクテリアクロロフィルa、ノイロスポレン、リオコピンを有する光合成細菌(Rhodopseudomos)A株、耐アルカリ性でバクテリアクロロフィルa、ノイロスポレンを有する光合成細菌(Rhodopseudomos)B株、耐アルカリ性でクロロフィルa、およびβカロチンを有すラン色細菌(Synechococcus)C株から選ばれた少なくとも一つを含む微生物群をいう。本願発明にいう共生菌株として、乳酸菌、アルコール酵母、ビール酵母、パン酵母、酒酵母、葡萄酒酵母、バチルス(Bacillus)、ストレプトコックス(Streptcoccus)、スタフイロコックス(Staphylococcus)、クリプトコックス(Cryptcoccus)、デバリオマイセス(Debaryomyces)、エンドマイコプシス(Endomycopcis)、ハンセニュラ(Hansenula)、クロッケラ(Kloekera)、ピシヤ(Pichia)、ロドトルラ(Rhodotorula)、サッカロマイセス(soccharomyces)、シゾサッカロマイシス(sehisosaccharomyces)、トルロプシス(Torulopsis)、シュードモナス(Psedomonas)、アスペルギルス(Aspergillus)、リゾプス(Rhisopus)、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)、プリューロタス(Pleurotus)、キューネロマイセス(Kuehneromyces)、プラムリナ(Plammulina)、アセトベクター(Acetobacter)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、ノカルデア(Nocardia)が挙げられる。 本願発明にいう酒類粕は、酒類製造時に、酒類を得たのちに発生する残分である。ここで、酒類として、清酒、ビール、リキュール、雑酒、焼酎などが挙げられる。焼酎として、芋焼酎、麦焼酎、米焼酎、ごま焼酎、ひえ焼酎、とうもろこし焼酎、黒糖焼酎などが挙げられる。本願発明の光合成細菌の培養用の液状培地は、光合成細菌(10の4乗〜10の13乗個/mL)を水で希釈し、希釈して得た光合成細菌処理水(10の2乗〜10の12乗個/mL)に対して酒類粕75vol%以下1vol%以上を混合し、攪拌しながら凝集分離を生じせしめて凝集分離液とし、固液分離装置を用いてこの凝集分離液を固形物と分離液とに固液分離して得られる。本願発明の光合成細菌の培養用の液状培地は、希釈して得た光合成細菌処理水(10の2乗〜10の12乗個/mL)に対して前記の分離液75vol%以下1vol%以上を、回転数1000〜5000rpmの攪拌機を用いて、空気を取り込みながら激しく撹拌し、pHが6.0以下に下がらないまで投入するミキシング処理して得られる。本願発明の光合成細菌の培養用の液状培地は、前記のミキシング処理して得られるミキシング液を、さらに固液分離装置を用いて、固形物と分離液とに固液分離して得られる。本願発明の光合成細菌の培養用の液状培地は、前記の分離液のいずれかに対して濾過及び/又は紫外線照射して得られる。本願発明の微生物の培地は、前記の培養用の液状培地に対して0.5〜75g/リットルのゼラチンペプトン及び/又は0〜75g/リットルの無機塩類を含む。本願発明の微生物の培地は、前記の培地がゲル化された培地であることを特徴とするものも含まれる。本発明の増殖培養する方法は、前記の培養用の液状培地に嫌気性及び/又は好気性の雰囲気下、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら、残存する光合成細菌を増殖培養する方法である。また、前記の液状培地に増殖目的の光合成細菌を所定量添加し、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら、増殖目的の光合成細菌を増殖培養する方法も含まれる。本発明の方法は、光合成細菌が紅色光合成細菌及び/又はラン色細菌(Synechococcus)である光合成細菌を増殖培養する方法であり、この紅色光合成細菌が紅色非硫黄細菌である光合成細菌を増殖培養する方法でもある。さらに、前記の光合成細菌に共生菌株を菌数で50%以下混合した混合菌を用いることを特徴とする光合成細菌を増殖培養する方法にも適用できる。前記共生菌株がバチルス菌(Bacillus)、或いは乳酸菌、アルコール酵母、ビール酵母、パン酵母、酒酵母、葡萄酒酵母、ストレプトコックス(Streptcoccus)、スタフイロコックス(Staphylococcus)、クリプトコックス(Cryptcoccus)、ハンセニュラ(Hansenula)、サッカロマイセス(soccharomyces)、シゾサッカロマイシス(sehisosaccharomyces)、トルロプシス(Torulopsis)から選ばれた少なくとも一つをバチルス菌(Bacillus)に混合したものであることを特徴とする光合成細菌を増殖培養する方法も含まれる。本発明の方法には、前記のいずれかに記載の方法により得られた菌体を、前記のゲル状培地にて分離培養する方法も含まれる。 以上述べたように本願発明は、従来の特別に組成された培地でなく、酒類粕の廃液処理した分離液を微生物の培養用の液状培地に、とくに、光合成細菌の培養用の液状培地として有効活用することができる。また、選択的に増殖させることが難しい光合成細菌を短期間で増殖培養することができる。たとえば、紅色光合成細菌(10の2乗〜10の4乗個/mL)を嫌気性の雰囲気下、ハロゲンランプを照射することにより、3日間で(10の7乗〜10の8乗個/mL)に増殖培養することができる。特別に組成された培地を用いて培養すると12〜14日間を必要とするのに対して非常に短期間で処理することができる。さらに、本発明の培養用の液状培地をゲル化することにより、光合成細菌が雑菌により捕食されない、嫌気性下での増殖培養することができ、また、分別培養する培地として活用することができる。本願発明の実施の形態の例として、まず、酒類粕固液分離処理の基本概念を示す。培養した光合成細菌(10の4乗〜10の13乗個/mL)を貯蔵する培養菌貯蔵槽と、所定の菌体数(10の2乗〜10の12乗個/mL)になるまで水で希釈し、得た光合成細菌処理水を貯蔵する処理水貯蔵槽と、酒類製造所から搬送した酒類粕の原液を貯蔵する酒類粕原液槽と、光合成細菌処理水に酒類粕の原液とを所定の混合比になるように定量ポンプにより搬送し、混合し、攪拌し凝集分離する混合撹拌凝集分離装置と、得られた凝集分離液を分離液と固形物とに固液分離処理する固液分離装置とから構成される。光合成細菌の活性の高い温度領域20〜35度Cの範囲を逸脱する同時混合撹拌するときは、この温度範囲になってから10分間以内で凝集分離が完結する。菌体数が10の2乗個/mLの低濃度でも凝集分離するので、別の光合成細菌及び/又は共生菌株を増殖培養するときは、できるだけ低濃度で凝集分離する。固液分離処理した分離液には、有機酸、可溶性タンパク質、微少な粒子(繊維素など)、および光合成細菌などが含まれていて、BODが4000〜10000ppmである。有機酸、可溶性タンパク質、微少な粒子(繊維素など)は、光合成細菌の富栄養素である。 固液分離装置として、遠心分離装置、遠心脱水機、ツインクロス式脱水機、濾過器などの市販の固液分離機を単独で又は組み合わせて用いることもできる。さらに、得られた分離液をミキシング装置に投入し、さらにミキシング処理した分離液を固液分離処理する連続遠心分離装置とを連設させる。このミキシング処理により固液分離を促進することができ、pHを6以上に調整でき、BODも減少することができる。BODが減少することは、光合成細菌が増殖していることの証左でもある。 ミキシング処理する方法の一例として、希釈して得た光合成細菌処理水をエアレーションしながら高速撹拌(1000〜5000rpm)又は空気を巻き込みながら高速撹拌(1000〜5000rpm)している中に、前記の固液分離装置により固液分離された分離液を連続的に又は間歇的に投入し、PHが6.0に、好ましくは6.5になるまで投入する。このとき、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら投入する。この操作をミキシング工程といい、構成する機器類をミキシング装置という。 この撹拌された分離液をミキシング液といい、モヤモヤと浮遊する固形分と沈降する固形分を含む。これらの固形分の粒子を顕微鏡で観察すると非常に小さく、10〜100μmである。連続遠心分離装置を用いて、このミキシング液を固液分離する。得られた分離液をミキシング分離液ともいう。このミキシング分離液を一昼夜静置してpHを測定しても、その値は変化しなかった。前記の分離液のBODが5000ppm以上であるのに対して1000ppm以下である。 ミキシング工程を終えたままの分離液は、時間の経過とともにpHが低下する。これを再度ミキシング処理するとpH値が回復する。必要に応じて、得られた分離液の光合成細菌以外の雑菌を滅菌する紫外線照射装置を、雑菌が光合成細菌より大きいことから、300メッシュ以上に細かいフィルターによる濾過器を、また、連続遠心分離器を追加して、雑菌を減少・除去する。 ミキシング分離液も含めて固液分離した分離液は、次工程にて処理されるか及び/又は紫外線照射装置により光合成細菌以外の菌を滅菌する。これは、共生菌以外の菌を排除する効果がある。滅菌した滅菌分離液を増殖培養槽に投入する。酒類粕の所か処理するときは、処理水貯蔵槽及び/又は培養菌貯蔵槽に還流し、光合成細菌を再利用する。これらの分離液(凝集分離液、分離液、ミキシング液、およびこれらを減菌・滅菌した液を含む)には、有機酸、可溶性タンパク質、微少な粒子(繊維素など)、および光合成細菌などが含まれていて、BODが4000〜300ppmであり、有機酸、可溶性タンパク質、微少な粒子(繊維素など)は、光合成細菌の富栄養素である。そこで、これらの分離液を液体培地の一組成物もしくは液状培地そのものとして用いる。 目的とする増殖微生物の性質に応じた培養培地とするために、液状培地に対して0.5〜75g/リットルのゼラチンペプトン及び/又は0〜75g/リットルの無機塩類を含む組成の液状培地にすることも好ましい。 さらに、嫌気性とする手段として、寒天、ゼラチン、カラギーナン、ペクチンなどを添加し、ゲル化することもよい。増殖培養する方法の一つとして、光合成細菌の場合を示す。嫌気性光合成細菌のときは、上記した液状培地を光照射できる増殖培養槽に投入し、酒類粕処理と同じ光合成細菌ならば、温度20〜45度C、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら培養する。撹拌することなく、静置し、24時間以上経過すると紅色となり、増殖培養されていることが目視される。 別の嫌気性光合成細菌ならば、液状培地として滅菌したものを用いるのが好ましく、これを光照射できる増殖培養槽に投入し、目的の嫌気性光合成細菌を植種し、適度に撹拌し、その後静置し、温度20〜40度C、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら培養する。24時間以上経過すると紅色となり、増殖培養されていることが目視される。光合成細菌は、液中を活発に動き回るので、静置したままでよいが、窒素ガスなどの不活性ガスを導入し、緩やかに撹拌してもよい。 一方、好気性光合成細菌のときは、上記の方法に代えて圧搾空気など滅菌された空気または酸素ガスを増殖培養槽に導入して、温度20〜45度C、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら培養する。芋焼酎会社OG社から、芋焼酎粕の原液を250L入手する。これから100gを採取し、乾燥機90〜110度にて乾燥した。直ちに250g秤を用いて、重量を測定し、4.54gの結果を得た。この焼酎粕の固形物の含有率は4.5wt%である。焼酎粕の原液貯槽に定量ポンプP1を、培養佐藤菌処理水槽に定量ポンプP2を接続し、配管を接合した直後に水車羽根により撹拌できる混合パイプを接続し、出口を回転濾過器の回転ドラムに差し込む。出口に滞留配管を施し、この滞留時間を2分以内に設定した。水圧により水車羽根が回転し、撹拌するので、その回転数は200rpm以下であった。50倍希釈の培養佐藤菌処理水(水1tonに培養佐藤菌20リットルをいれて希釈した液)と焼酎粕との混合比を5:1となるように設定した。回転濾過器に8.5L/minの流速で投入した。回転濾過器の濾過条件は、回転数42rpm、150と120メッシュステンレスフィルターとの組み合わせ、回転軸の傾きθ=4.2、螺旋しきり板119の高さ50mm、螺旋ピッチ150mmである。焼酎粕の原液がなくなるまで運転した。凝集分離液を、分離フィルターで濾過しながら、分離フィルタードラムを回転する。液状物を螺旋しきり板に沿ってせり上げていく。2分間以内で、水分を完全に濾過しないドロドロした状態である半固形物を半固形物受タンクに貯蔵する。10分後に、半固形物を半固形物用ポンプにてスクリュープレス型圧搾装置の投入ホッパーに投入した。間歇的に20分間運転した。スクリュープレス型圧搾装置の運転条件は、スクリュー回転数90rpm、圧搾スクリーンの細孔径120μmである。固液分離した搾り液を搾り液受けタンクに貯蔵した。搾り液投入ポンプにて、回転濾過器Aに再投入した。分離液のpHは、4.53であった。分離液のBODは2700ppmであった。得られた分離液をミキシング工程により処理した。〔テスト1〕40倍希釈の培養佐藤菌処理水3Lを30Lポリ槽に入れ、1700rpmの回転数の攪拌機を用いて、空気を巻き込みながら、撹拌した。これに分離液を82.5mL/minの流量で連続投入し、10分間隔で水温およびpHを測定した。酒類粕と40倍希釈の培養佐藤菌処理水とが1:6となるように設定した。結果を表1に示す。pHの処理時間変化を図1に示す。20分後から20分間隔でBOD測定用にサンプリングした。測定結果を表1に示す。BODの処理時間変化を図2に示す。10分間隔でミキシング分離液を500mLペットボトル2本にサンプリングした。1本はそのまま、他の一本はコーヒーフィルターとして使用する紙フィルターを用いて濾過し、その濾液を再び500mLペットボトルに入れた。これを横一列に並べ、ハロゲンランプ(500W)を用いて80〜100cmから照射した。24時間ごとに写真を撮り、液体の色を観察した。緑→茶→変化なし(無色透明)→紅色→赤色の色変化を−4→−2→0→3→6の数値で表現し、表2に示す。2種類の数値箇所は液体と沈殿物で色が違うものである。「固有り」は固形物があるものすなわちミキシング分離液そのままのもの、紙フィルターを濾過ししたものは「F」または「フィルター」で表している。 撮影した写真を図3〜6に示す。図3は10分から80分までミキシング分離液「固有り」を照射培養したものの変化を上から順に24,48,72,96時間経過したときのものである。図4は10分から80分までのミキシング分離液「フィルター」を照射培養したものの変化を上から順に24,48,72,96時間経過したときのものである。図5は80分から190分までのミキシング分離液「固有り」を照射培養したものの変化を上から順に24,48,72,96時間経過したときのものである。図6は80分から190分までのミキシング分離液「フィルター」を照射培養したものの変化を上から順に24,48,72,96時間経過したときのものである。分離液を190分間投入した後、同様の回転数で4時間ミキシングした。液温が33.8度Cで、pHも8.05に回復した。このミキシング分離液のBODを測定した結果、340ppmであった。このミキシング分離液を325メッシュのドラムにて濾過した。濾液をペットボトルに入れ、ハロゲンランプにて6日間照射した培養液が、濃い緑に変色した。「固有り」、「フィルター」を6日間照射したものと併せて撮影した写真を図7に示す。中央の濃く見えるもの二本が緑色に変化した培養液である。緑色光合成細菌も増殖培養されていることが確認された。〔比較例1〕 (光合成細菌(佐藤菌)の培養法)三河環境微生物 さとう研究所の市販する光合成細菌液(元菌)を用いる。これは水田の表面の土壌から分離し、拡大培養した光合成細菌である。紅色で、「たんぼ」のドブ臭いにおいがし、pH=8.5前後であり、次のような性質を有する。1.土壌中の硫化水素など分解産物の無毒化。2.ビタミンB12、カロチン、核酸など菌体産物の利用。3.土壌や堆肥中の放線菌の増殖促進「フザリウムなどとの拮抗」。4.大腸菌、サルモネラ菌など腸内細菌の自然界からの消滅促進。5.土壌,汚水、堆肥などの脱窒素作用また反対の窒素固定作用。したがって、愛知県岡崎市の佐藤研究所の市販する佐藤元菌の拡大培養法をするにあたり、原体菌水溶液(ワインのロゼ色、pH=8.35)を顕微鏡で観察すると、光合成細菌の他多種類の多数の雑菌が確認された。原体菌水溶液(ワインのロゼ色、pH=8.35)を10倍に希釈し、紫外線照射して雑菌を死滅させ、佐藤元菌のみの水溶液とした。60Lの水槽に水40Lを注入する。 培地組成として、塩化アンモニウム 40g炭酸水素ナトリウム 40g酢酸ナトリウム 40g塩化ナトリウム 40gリン酸水素二カリウム 8g硫酸マグネシウム 8gDL−リンゴ酸 10gペプトン 8g酵母エキス 4gを添加し、2,3min撹拌して培地水を作製する。空気を遮断することができる、25〜40度に温調することができる、雑菌を混入しないようにできる培養釜であって、光を照射できるものを用意する。この培養釜に培地水を40L投入し、佐藤元菌のみの水溶液20Lを添加し、撹拌する。水温ヒータにて温度約32度で温調し、日の当たるところで12日間培養する。無色透明のものが紅色に変化する。pH=8.5となる。これを培養佐藤菌という。〔比較例2〕 (佐藤バチルス菌の培養法)愛知県岡崎市のさとう研究所の市販する耐熱性バチルス菌の原体(寒天状、A,Bの二種類)を用意する。シャーレの半分づつを採取し、これと40度の湯水1Lを20L水槽に入れ、30秒間撹拌する。さらに18Lの水(25度)を添加する。糖蜜1Lを添加する。糖蜜の代わりに蜂蜜で培養してもよい。1〜2min撹拌する。ヒーターで32度で温調し、エアポンプにて3L/minで曝気する。24hrで暗黒色、pH=3.6となる。冷暗所に保管する。これを培養バチルス菌という。蜂蜜で培養した場合、乳白色、pH=4.1である。〔比較例3〕 (耐アルカリ性光合成細菌の培養法) 特許3699987号で得られた耐アルカリ性光合成細菌を拡大培養した菌体浄化資材を用いた。この菌体浄化資材(エコ菌と称して市販)は、紅色非硫黄性細菌、ラン色細菌及び土壌菌を混合したものであり、特願2006−112336の実施例に用いたものである。たとえば、水20Lにエコ菌2Kgを混合し、32度に昇温し、24Hr放置後、濾過する。濾液を紫外線照射(1200μW、40秒間)して、土壌菌を滅菌する。得られた耐アルカリ性光合成細菌の水溶液を培養佐藤菌の培養法と同様に行った。ただし、濃紅色に変化するまでに3週間を要した。pH=8.3〜8.7であるこれを培養殺菌エコ菌という。 芋焼酎会社OG社から、芋焼酎粕の原液を200L入手する。これから100gを採取し、乾燥機90〜110度にて乾燥した。直ちに250g秤を用いて、重量を測定し、3.90gと4.05gの結果を得た。この焼酎粕の固形物の含有率は3.98wt%である。同時混合攪拌による焼酎粕の凝集分離、固液分離の実験した。焼酎粕の原液貯槽に定量ポンプP1を、培養佐藤菌処理水槽に定量ポンプP2を接続し、配管を接合した直後に水車羽根により撹拌できる混合パイプを接続し、出口を回転濾過器の回転ドラムに差し込む。出口に滞留配管を施し、この滞留時間を2分以内に設定した。水圧により水車羽根が回転し、撹拌するので、その回転数は200rpm以下であった。50倍希釈の培養佐藤菌処理水と焼酎粕との混合比を3:1となるように設定した。回転濾過器に8.5L/minの流速で投入した。回転濾過器の濾過条件は、回転数42rpm、150と120メッシュステンレスフィルターとの組み合わせ、回転軸の傾きθ=4.2、螺旋しきり板119の高さ50mm、螺旋ピッチ150mmである。焼酎粕の原液がなくなるまで運転した。凝集分離液を、分離フィルターで濾過しながら、分離フィルタードラムを回転する。液状物を螺旋しきり板に沿ってせり上げていく。2分間以内で、水分を完全に濾過しないドロドロした状態である半固形物を半固形物受タンクに貯蔵する。10分後に、半固形物を半固形物用ポンプにてスクリュープレス型圧搾装置の投入ホッパーに投入した。間歇的に20分間運転した。スクリュープレス型圧搾装置の運転条件は、スクリュー回転数90rpm、圧搾スクリーンの細孔径120μmである。固形物を固形物受け容器に貯めた。直ちに、固形物を計量し、3.172Kgを得た。このサンプルを200gづつ採取し、これを乾燥機90〜110度にて乾燥した。乾燥した固形物は54.72gと55.18gあった。固形物含有量はそれぞれ27.36wt%と27.59wt%であった。スクリュープレス型圧搾装置からの吐出固形物は0.871Kgと算出された。回転濾過器のタンク内、スクリュープレス型圧搾装置シリンダー内のものを集めた残分固形重量は8.669Kgであった。このサンプルを300gづつ採取し乾燥後固形物重量わ測定し、固形物含有量はそれぞれ3.14wt%と2.92wt%であった。固形物は0.263Kgと算出した。固液分離した搾り液を搾り液受けタンクに貯蔵した。搾り液投入ポンプにて、回転濾過器Aに再投入した。分離液のpHは、4.94であった。分離液の高さ260mmに対して、12hr後の沈殿高さ23mmであった。分離液のBODは3800ppmであった。同時混合攪拌することで、5分間以内で凝集分離し、その後数分間で固液分離することができた。得られた分離液をミキシング工程により処理した。〔ミキシングテスト〕50倍希釈の培養佐藤菌処理水25Lを500Lポリ槽に入れ、3000rpmの回転数の攪拌機を用いて、空気を巻き込みながら、撹拌した。これに688gの分離液を10分間隔で投入し、水温とpHを測定した。10分間でpHが回復し、80分の撹拌、分離液5.5Lの投入してもpHの低下は少なかった。このミキシング分離液のBODは650ppmであった。このミキシング分離液を遠心分離器により固液分離した。ミキシングしたミキシング分離液は分離液よりも濁度が低く、遠心分離したのちはかなり透明である。分離液は微少粒子が浮遊しており、濁度が高く、遠心分離しても薄茶色をしている。分離した固形物の量もミキシング工程を経ると大幅に減少することが分かる。遠心分離した上澄み液のBODは610ppmであった。分離液を5.5L投入後に180分3000rpmで撹拌し続けた。BODは620ppmであった。次に、遠心分離器を用いて凝集分離の実験をした。用いた遠心分離器は、遠心分離器用の容器(カプセルという)を8本セットできるものである。 分離液の残分を撹拌し、600mLを採取して遠心分離器により固液分離した液のBODを測定した。4500〜4900ppmであった。遠心分離器により微少の粒子が取り除かれ、BODが低下することが分かった。 これら遠心分離器を用いて凝集分離の実験してBODを測定したときの希釈した液の残分をハロゲンランプ(500W)を用いて照射したところ、二日目ころから紅色に変化してきた。光合成細菌が増殖していることが確認された。これら分離液である凝集分離液、分離液、ミキシング液、およびこれらを減菌・滅菌した液は、光合成細菌を培養することがわかった。寒天(信濃寒天農業協同組合製)の寒天15gを1リットルの水で煮とかし、空冷する。実施例1の分離液、ミキシング分離液を5mL,50mLづつを200mLのペットボトル4本に入れ、寒天溶解液を加えて振盪した。これを冷蔵庫にいれて一昼夜放置した。ゲル状に固まった状態で取り出し、ハロゲンランプ(500W)を用いて照射したところ、二日目ころから紅色に変化してきた。光合成細菌が増殖していることが確認された。 この寒天15gには、蛋白質0.2g、ナトリウム9.8g、食物繊維6.1gを含有していて、脂質、糖質を含有していない。培養佐藤菌には嫌気性光合成細菌を含んでおり、増殖培養されていることがわかる。ミキシング処理の及ぼす影響のうちのpHの処理時間変化を示す図である。ミキシング処理の及ぼす影響のうちのBODの処理時間変化を示す図である。10分から80分までミキシング分離液「固有り」を照射培養したものの変化を示す写真である。10分から80分までのミキシング分離液「フィルター」を照射培養したもを示す写真である。80分から190分までのミキシング分離液「固有り」を照射培養したものを示す写真である。80分から190分までのミキシング分離液「フィルター」を照射培養したものを示す写真である。「固有り」、「フィルター」および325メッシュのドラムにて濾過したミキシング分離液をハロゲンランプにて6日間照射した培養液の写真である。 光合成細菌(10の4乗〜10の13乗個/mL)を水で希釈し、希釈して得た光合成細菌処理水(10の2乗〜10の12乗個/mL)に対して酒類粕75vol%以下1vol%以上を混合し、攪拌しながら凝集分離を生じせしめて凝集分離液とし、固液分離装置を用いてこの凝集分離液を固形物と分離液とに固液分離して得られる光合成細菌の培養用の液状培地。 希釈して得た光合成細菌処理水(10の2乗〜10の12乗個/mL)に対して請求項1の分離液75vol%以下1vol%以上を、回転数1000〜5000rpmの攪拌機を用いて、空気を取り込みながら激しく撹拌し、pHが6.0以下に下がらないまで投入するミキシング処理して得られる光合成細菌の培養用の液状培地。 請求項2に記載のミキシング処理して得られるミキシング液を、さらに固液分離装置を用いて、固形物と分離液とに固液分離して得られる光合成細菌の培養用の液状培地。 請求項1から請求項3のいずれかに記載の分離液に対して濾過及び/又は紫外線照射して得られる光合成細菌の培養用の液状培地。 請求項1から請求項4のいずれかに記載の液状培地に対して0.5〜75g/リットルのゼラチンペプトン及び/又は0〜75g/リットルの無機塩類を含む微生物の培地。培地がゲル化された培地であることを特徴とする請求項1から請求項5に記載の微生物の培地。 請求項1から請求項5のいずれかに記載の液状培地に嫌気性及び/又は好気性の雰囲気下、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら、残存する光合成細菌を増殖培養する方法。 請求項1から請求項5のいずれかに記載の液状培地に増殖目的の光合成細菌を所定量添加し、嫌気性及び/又は好気性の雰囲気下、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら、増殖目的の光合成細菌を増殖培養する方法。 光合成細菌が紅色光合成細菌及び/又はラン色細菌(Synechococcus)である請求項1から請求項8のいずれかに記載の光合成細菌を増殖培養する方法。 紅色光合成細菌が紅色非硫黄細菌である請求項9に記載の光合成細菌を増殖培養する方法。 前記の光合成細菌に共生菌株を菌数で50%以下混合した混合菌を用いることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれかに記載の光合成細菌を増殖培養する方法。 前記共生菌株がバチルス菌(Bacillus)、或いは乳酸菌、アルコール酵母、ビール酵母、パン酵母、酒酵母、葡萄酒酵母、ストレプトコックス(Streptcoccus)、スタフイロコックス(Staphylococcus)、クリプトコックス(Cryptcoccus)、ハンセニュラ(Hansenula)、サッカロマイセス(soccharomyces)、シゾサッカロマイシス(sehisosaccharomyces)、トルロプシス(Torulopsis)から選ばれた少なくとも一つをバチルス菌(Bacillus)に混合したものであることを特徴とする請求項11に記載の光合成細菌を増殖培養する方法。 請求項7から請求項12のいずれかに記載の方法により得られた菌体を請求項6のゲル状培地にて分離培養する方法。 【課題】本願発明は、酒類粕原液を固液分離した分離液を培養用の液状培地として、および選択的に増殖させることが難しい光合成細菌の、短期間での、大量の増殖培養する方法を提供することを目的とする。【解決手段】希釈した光合成細菌に酒類粕原液を混合し、撹拌して凝集分離し、固液分離した分離液のpHを光合成細菌により調整すること、BODを低減すること、ミキシング処理すること、遠心分離・濾過あるいは紫外線照射することの少なくとも一つの処理をすることにより得られた分離液を培養用の液状培地として用いて、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら、残存する光合成細菌を増殖培養する方法、添加した光合成細菌もしくは共生菌株を増殖培養する方法である。【選択図】図7


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特許公報(B2)_液状培地および光合成細菌を増殖培養する方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_液状培地および光合成細菌を増殖培養する方法
出願番号:2007036829
年次:2011
IPC分類:C12N 1/20


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下野 三好 市来 政一 大井 敏民 JP 4780414 特許公報(B2) 20110715 2007036829 20070216 液状培地および光合成細菌を増殖培養する方法 サンコーテック株式会社 304045457 下野 三好 市来 政一 大井 敏民 20110928 C12N 1/20 20060101AFI20110908BHJP JPC12N1/20 A C12N 1/00−5/10 BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) Science Direct Wiley InterScience CiNii G−Search 特開昭59−048678(JP,A) 特開平02−215387(JP,A) 特開昭54−151186(JP,A) 特開平10−248555(JP,A) 4 2008199914 20080904 18 20080214 山本 匡子 本発明は、酒類粕を固液分離して得られる液状培地およびそれらを用いて光合成細菌を増殖培養する方法に関するものである。 特開平8−103273、特開平11−32755号(以下、特許文献1という)に、「(自己増殖性の固定化菌体の製造)アセテート残基が約30%、重合度約1000である10%−ポリビニルアルコール水溶液2リットルと、20%ケイ酸カリウム水溶液0.53リットルに、下記の培地成分を溶解した培地0.7リットル、光合成細菌であるロドシュートモナス キャプスレータスの培養液0.3リットルを同時に混合攪拌し、最終pHが8.3である未ゲル溶液を深さ5cm、直径10cmの透明プラスチック容器の中に充填した。 培地は、1リットルあたり、プロピオン酸ソーダ5g、塩化アンモニウム1g、リン酸カリウム0.8g、塩化マグネシウム0.2g、塩化ナトリウム0.1g、塩化カルシウム0.05g、炭酸水素ナトリウム0.5g、酵母エキス0.2gである。 間もなくすると、未ゲル溶液はゲル化し、ゲル状の微生物の自己増殖性の固定化菌体を得た。そして、5日間照明下で培養すると、ゲル内の培地で真っ赤に増殖した微生物の自己増殖性の固定化菌体を得た。生菌数を測定すれば108オーダーの自己増殖性の固定化菌体を得た。(特許文献1の実施例 第0011〜0013段落)」の記載がある。 特開平9−238681号(以下、特許文献2という)に、「コハク酸10g,リンゴ酸10g,硫安5g,リン酸一カリウム8g,硫酸マグネシウム2g,食塩1g,塩化カルシウム0.5g 及び酵母エキス2g を水1l に溶解した栄養基質(培地)に、ロドシュードモナス・カプシュラータ(Rhodopseudomonas capsulata:微工研菌寄第879号)菌体とクロマチウム・ビノサム(Chromatium vinosum:微工研菌寄第890号)菌体とを接種すると共に、直径1〜3mmの微細孔をもつ粒径約57mmのオオヤ石粒10g と直径1〜3mmの微細孔を持つ粒径約5mmのヒル石粒10g とを添加して、A液を調製した。 10%ポリビニルアルコール水溶液2l に、前記栄養基質(培地)と同一組成の栄養基質0.8l ,水0.7l 及び酢酸15.2g を添加してpH1.1のB液を調製した。 水3l に、10%硫酸アルミニウムカリウム400g ,炭酸水素ナトリウム4g 及びチオ硫酸ナトリウム4g を添加してpH11.9のC液を調製した。 200ml容の透明容器に、A液40mlとB液80mlとC液80mlとを、撹拌混合しながら同時に投入し、さらに、セルローズ繊維製フィラー5g を添加し、撹拌後、靜置し、光照明下・25℃で7日間培養して、真紅色を呈したゲル状固定化菌体を得た。(特許文献2の第0020〜0023段落)」の記載がある。 特開平11−243946号(以下、特許文献3という)に、「実施例以下、本発明によって光合成細菌(Rhodobacter capsulate)を培養した具体的な実施例を示す。10tの培養槽に、プロピオン酸ナトリウム0.1%、リン酸一カリウム0.5%、リン酸二カリウム0.06%、硫酸アンモニウム0.1%、硫酸マグネシウム・7水和物0.02%、塩化ナトリウム0.02%、塩化カルシウム・2水和物0.05%、バクト・イーストエキス(Pifico)0.01%、ビタミン溶液(チアミン塩酸50mg、ナイアシン50mg、パラアミノ安息香酸30mg、ピリドキシ塩酸10mg、及びピチオン5mgを蒸留水100mlに溶かした溶液)1ml/リットル微量元素溶液(EDTA−2Na 1000mg、FeCl26H2O 2000mg、ZnCl2 100mg、MnCl2・4H2O 100mg、H3BO3 100mg、CoCl2・2H2O 100mg、Na2MoO4・2H2O 20mg、CuCl2・2H2O 10mg、NiCl2・6H2O10mg及びNa2SeO3 5mgを蒸留水1リットルに溶かした溶液)1ml/リットルを含む培地9000リットルを入れ、100℃、3時間の間歇滅菌を3回繰り返した。培地を30℃まで冷却したのち、別の培養槽で培養しておいた(Rhodobacter capsulate)3g湿重量/リットル濃度の種菌900リットルを無菌的に植菌した。100rpmで10分間攪拌したのち、攪拌を止め、培養を行った。攪拌を1日10分ずつ行い、10日間培養し、34kg湿重量の菌体を得た。(特許文献3の実施例 第0017段落)」、「滅菌後の液体培地には種菌が投入される。種菌の投入量は液体培地の1〜20%の範囲、特に10%程度が望ましい。種菌の投入後、撹拌翼6を断続的に回動させつつ培養を行う。撹拌は、50〜100rpmの回転数で1日に10分程度行なえば足る。頻繁な撹拌は、容器内容物(光合成細菌と液体培地との混合物)中の溶存酸素によって光合成細菌以外の菌の増殖を招きやすいのでひかえるのが好ましい。また、光合成細菌の種類によっては、シャフト6aより空気ではなく窒素が通気される。培養日数は約5〜10日程度である。この培養期間中、液体培地が上記のようにして滅菌されているので、容器内容物中の光合成細菌が優先的に増殖する。(特許文献3の第0015〜0016段落)」の記載がある。 特開2000−287675号(以下、特許文献4という)に、「太陽光線があれば倍倍の周期で(夏期15日)生産できる・・・。」、「水溶性培養基本10リットルにたいする培養比率培養添加水水道水塩素含有0.1PPm〜0.3PPm以内大気開放下の培養につき24時間紫外線殺菌(空気中雑菌排除)塩化アンモニュウム 10g イーストエキストラクス 1g炭酸水素ナトリュウム 10g ペプトン 1g酢酸ナトリュウム(無水) 10g プロピオン酸ナトリュウム 2g塩化ナトリュウム 10g 硫酸アンモニウム 2.5gりん酸水素二カリウム 2g 尿素 2.5g硫酸マグネシュウム 2g 酵素 2gdL−リンゴ酸 2.5g(実施例)(特許文献4の実施例)」の記載がある。 特開2002−171963号(以下、特許文献5という)に、「本発明は、光合成細菌と共生する相性の良い乳酸菌、バチルス菌、酵母など、糖類を発酵する何れかまたは複数種の発酵菌を研ぎ汁に接種して予め数時間一次発酵させた後、この研ぎ汁発酵液に光合成細菌を接種し、弱光で照射及び攪拌しながら数日間培養する方法であり、他に何の養分を添加しないで光合成細菌を高濃度に増殖させる革新的な技術である。更に、コロイド状のモンモリロナイト粘土鉱物を少量添加する事に依って光合成細菌の長期保存が可能になるのである。(特許文献5の第0023段落)」、「[実施例.1 ]米の研ぎ汁粉5gに水道水1000lを注入し公知の方法で殺菌した後、下記の発酵菌を接種した。 1.乳酸菌(ラクトバチルス ビヒィドス)、2.枯草菌(バチルス サブチルス)、3.酵母(サハロミセス セレビジエ)24時間27℃で発酵した後、この研ぎ汁発酵液に3種の光合成細菌、ロドバクター カプシユレター、ロドサイクルス ゼラチノス、エクトチオロドスピリラムを別々に接種した培養液を、白熱ランプ(照度1000ルクス)で照射しながら培養を行った。5日後から3日間続けて、発生する紅色の濃度によって菌の増殖の有無を測定した。(特許文献5の実施例 第0026〜0027段落)」の記載がある。 特開平8−192180号(以下、特許文献6という)に、「360ppmプロピオン酸:2,100ppm酪酸 : 10ppm未満吉草酸 : 110ppmカプロン酸 : 10ppm未満BOD :4,010ppmTOC :2,250ppm上記aからなる培地成分を含んだ培地液94mLを500mL容三角フラスコに入れ、該培地液に、乳酸菌種であるLactobacillus acidophilus[ATCC 11975]、酵母菌種であるSaccharomyces cerevisiae[IFO 0309]および光合成細菌種であるRhodopseudomonas sphaeroides[ATCC 33575]の各種菌(104 〜105 個/mL)2mLを接種し、30℃にて7日間嫌気的に混合培養を行なった。培養液中の生菌数は、乳酸菌5×105 個/mL、酵母8×105 個/mL、光合成細菌9×105 個/mL、総生菌数2×106 個/mL、総菌体濃度1.0g/Lであった。この混合培養液を上記bからなる活性汚泥水3.9L/5L漕に添加し、室温、曝気時間2時間/日(曝気時の溶存酸素濃度2〜3ppm)、光照射(白熱灯1500ルクス)12時間毎の明暗周期で30日間馴養を行い、・・・。(特許文献1の第0018段落の実施例)」の記載がある。 特許第2511325号(以下、特許文献7という)に、「それぞれの光リアクターの水張り容積は2.5リットルであるが、緑藻の明培養槽と暗培養槽はそれぞれ1.25リットルのものを使用し、暗培養槽には当然ながら光エネルギーの供給は行わなかった。また、2基の水素発生槽(ともに水張り容積2.5リットル)は光エネルギーの供給と方向性のあるインペラーによる攪拌のみとし、通気は行わなかった。各槽の原水に対する滞留時間はそれぞれ5時間(緑槽培養槽は、明・暗の両槽の合計で5時間)に設定した。また菌体濃度は、光合成細菌に関しては4,000〜5,000mg/l、微細藻類はそれぞれ8,000〜10,000mg/lである。 光エネルギーの供給は、定量的データを採るためにキセノンランプ(可視光のみ)によって行い、光エネルギーの供給速度は、槽容積当りでは10KW/m3・hr、光ファイバーの発光面積当りでは50W/m2・hrに固定した。表1の人工下水についての連続処理実験は、菌体濃度が各槽に所定濃度維持され、所謂定常状態に達してから1ケ月間継続し、この間の原水の供給速度は12リットル/日の一定とした。なお、この実験では光合成細菌としてロドバクター(Rhodobacter sp.)、クロマチウム(Chromatium sp.) 、らん藻はオッシラトリア(Oscillatoria sp.) および緑藻にはクラミドモナス(Chlamydomonas sp.)を用いた。(特許文献7の第0027〜0028段落)」の記載がある。 特許第3184970号(以下、特許文献8という)に、「この嫌気性粒状汚泥は、(i)酸発酵性微生物及び/又はメタン発酵性微生物と(ii)光合成細菌とからなる通常の非粒状の嫌気性汚泥を、上向流式で嫌気培養して自己凝集(粒状化)させることにより得ることができる。本発明で用いる前記嫌気性粒状汚泥において、その平均粒径は、消化槽の液中に分散された状態で、0.5〜5mm、好ましくは2〜3mmである。その消化槽の液中における濃度は、30〜60重量%、好ましくは40〜50重量%である。前記の」、「消化槽を35℃に保持し、培養3日目から、白熱灯により100μE/m2/sの強度(液面上での強度)で、光を連続的に照射した。ただし、14日目、20日目及び21日目は、消化槽をそれぞれ24時間暗条件に保った。前記培養後、次に、消化槽に有機酸、アンモニア及びリン酸等を含む溶液を510ml/dayで供給した。供給した溶液の組成を、表1に示す。暗条件と光照射条件における消化液の吸収スペクトルを測定したところ、光照射条件の場合には、粒状汚泥から増殖が誘導された光合成細菌のバクテリオクロロフィルに特有の吸収スペクトルが認められた。(特許文献8の第0016段落)」の記載がある。 特公昭45−28234号(以下、特許文献9という)に、「COD4800ppmBOD7000ppmアンモニア5800ppmの黒色を呈する羊毛洗浄廃液1.2tonを好気的培養タンク(b)に移し、空気を20〜100L/分通気して37度Cで48時間廃液中に含まれる好気菌を増殖培養させしめることにより、廃液を分解して有機酸の豊富な黄色を呈する処理液を得た。この時のCODは4800ppm、BOD7000ppm、アンモニア5800ppmとなっていた。次にこの処理廃液を嫌気培養タンク(c)に移し紅色無硫黄細菌(ロドシュードモナス属カプシュラタス種を使用)の培養液を処理液に対し約1%加え、27度C、2000〜10000lux照明条件下、96時間場用した後、嫌気培養タンクの上部より処理廃液を流出せしめたところ、該処理廃液のCODは260ppm、BOD230ppm、アンモニア190ppmに下がっており、且つ液の状態は透明となっていた。尚、嫌気培養タンクの底より紅色無硫黄細菌の菌体が0.9Kg得られた。(特許文献9の6ページ12、1行〜)好気的培養タンク(b)のpHは、廃液中の金属イオン、アミノ化合物等のため培養終了後まで殆ど変化することはないのでpH調節は不要である。(特許文献9の5ページ10、34行〜)」の記載がある。 特許3699987号(以下、特許文献10という)に、「本発明にいう耐アルカリ性光合成細菌Rhodopseudomonaとは、光合成非硫黄でありBergey’s Manual of Determinative bacteriology 3巻、1661−1682に記載の種の一種である。これらはアルカリ性でよく増殖し、バクテリアクロロフィルa、ノイロスポレン、リオコピンを有する。本発明にいう耐アルカリ性ラン色細菌Synechococcusとは、CyanobacteriaでありBergey’s Manual of Determinative bacteriology 3巻、1728−1746に記載の種の一種である。これはアルカリ性でよく増殖し、クロロフィルa、およびβカロチンを有する。本発明にいう耐アルカリ性とは、主にpH8−10で最大増殖速度を持つものである。本発明にいう有機物分解とは、主に家庭有機排水ならびに畜産糞尿をいう。(特許文献10の第0007段落)」の記載がある。山本 和夫ら(以下、非特許文献1という)によれば、「紅色非硫黄細菌は光合成細菌であり、種々の高濃度有機性廃水の処理に活用できることが知られている。しかし、従来の方法では、混合培養系となる実際の処理の現場で、この非硫黄細菌を選択的に増殖させることが難しく、一時期注目を浴びたものの、残念ながら普及するまでに至っていない。本研究室では、赤外線フィルターを用いると、処理槽内での紅色非硫黄細菌の増殖を選択的に行え、しかも増殖した菌体は魚のエサなどの有価物として有効利用できる一石二鳥の廃水処理プロセスを開発している。このプロセスは食品生産工場などの廃水処理に適用すれば、消費エネルギーが少なく、低コストで、かつ環境に優しい廃水処理プロセスとなる。」とのインターネットによる記載がある。特開平8−103273、特開平11−32755号公報特開平9−238681号公報特開平11−243946号公報特開2000−287675号公報特開2002−171963号公報特開平8−192180号公報特許第2511325号公報特許第3184970号公報特公昭45−28234号公報特許3699987号公報山本 和夫ら、環境安全研究センター「光合成細菌を用いた高濃度有機性廃水の処理と有価物生産との同時水処理システムの開発」、インターネット。しかしながら、これらの先行技術調査文献は、それぞれ有用な技術を駆使されて、それぞれに素晴らしい発明であるが、いづれも合成した化合物を組成した特別な培地を用い、無機化合物を添加することによりpHもアルカリ性に調整するなど、また、雑菌による光合成細菌の捕食を配慮してゲル化物や多孔性粒状物を用いている。5日から一ヶ月間の照明下で培養している。とくに、pHが3〜4の酒類粕を用いて増殖培養する発想も記載もない。 本願発明は、希釈した光合成細菌に酒類粕原液を混合し、撹拌して凝集分離し、固液分離した分離液のpHを光合成細菌により調整すること、BODを低減すること、ミキシング処理すること、遠心分離・濾過または紫外線照射することにより得られた分離液を主とした培養用の液状培地を、および選択的に増殖させることが難しい光合成細菌の、短期間での、大量の増殖培養する方法を提供することを目的とする。 本願発明者は、鋭意研究の結果、希釈した光合成細菌に酒類粕原液を混合し、撹拌して凝集分離し、固液分離した分離液のpHを光合成細菌により調整すること、BODを低減すること、ミキシング処理すること、遠心分離・濾過あるいは紫外線照射することの少なくとも一つの処理をすることにより得られた分離液を培養用の液状培地として用いて、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら、残存する光合成細菌を増殖培養する方法、添加した光合成細菌もしくは共生菌株を増殖培養する方法により発明を完成し、上記課題を解決した。すなわち、 本願発明は、光合成細菌とくに、紅色光合成細菌及び/又はラン色細菌(Synechococcus)を含んだ希釈水溶液に酒類粕原液を希釈させながら、混合し、撹拌し、凝集分離し、固液分離装置を用いて、この凝集分離した凝集分離液を固形分と分離液とにすることにより、さらに得られた分離液をエアレーションしなから高速撹拌するミキシング処理することにより、これらの分離液を濾過し、紫外線照射することにより、分離液のBODを低減することにより、さらにゼラチンペプトン及び/又は無機塩類を添加することにより、培養用の液状培地を作成し、これらの培養用の液状培地を用いて、嫌気性の雰囲気で波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら、残存する光合成細菌を短期間で増殖培養する方法、添加した光合成細菌もしくは共生菌株を短期間で増殖培養する方法を実現したものである。本願発明にいう光合成細菌としては、ロドスピリラム ルブラム(Rhodospirillum rubrum )などのロドスピリラム属( Rhodospirillum )、ロドシュードモナス ビリディス( Rhodopseudomonas viridis )、ロドシュードモナス ゲラチノーサ( Rhodopseudomonas gelatinos )、ロドシュードモナス プラストリス( Rhodopseudomonas palustris )、ロドシュードモナス スルフィドフィラ( Rhodopseudomonas sulfidophila )、ロドシュードモナス カプシュラタス(C0psulatus)、ロドシュードモナス シェフロイデス(Spheroides)、ロドシュードモナス ジェラテイコバ(Gelatikoba)などのロドシュードモナス属( Rhodopseudomonas )及びロドバクター スフェロイデス( Rhodobacter sphaeroides )、ロドバクター キャプスレイタ( Rhodobacter capsulata )などのロドバクター属( Rhodobacter )、クロマチューム ビノサム(Chromatium vinosum)などのクロマチューム属があげられる。本願発明にいう紅色光合成細菌(プロテオバクテリア)は、紅色非硫黄性細菌、紅色硫黄性細菌、ラン色細菌であり、紅色非硫黄性細菌は、光合成細菌に属する細菌のうちのロドスピリラセエ科(Rhodospirillaceae)に分類されるもので、例えば、ロドバクター属(Rhodobacter)、ロドシュードモナス属(Rhodopseudomonas)、ロドスピリルム属(Rhodospirillum)、ロドミクロビウム属(Rhodomicrobium)、ロドチラス属(Rhodocyclus)等の細菌であれば、特に限定されることなく利用することができる。かかる細菌の具体例としては、ロドシュードモナス パルスチルス(Rhodopseudomonas palstris)、ロドバクター カプスラタス(Rhodobacter capsulatus)、ロドバクター スファエロイデス(Rhodobacter sphaeroides)、ロドシクルス ゲラチノサス(Rhodocyclus gelatinosus)、ロドスピリウム ラバーム(Rhodospirillum rubrum)、ロドシュードモナス シュフエロイデス(Rhodopseudmonas shfreroides)などの細菌、及び耐アルカリ性光合成細菌が挙げられる。本願発明にいう耐アルカリ性光合成細菌とは、特許3639905号に記載された耐アルカリ性光合成細菌(Rhodopseudomonasに属する)、耐アルカリ性ラン色細菌(Synechococcusに属する)であり、より具体的には、耐アルカリ性でバクテリアクロロフィルa、ノイロスポレン、リオコピンを有する光合成細菌(Rhodopseudomos)A株、耐アルカリ性でバクテリアクロロフィルa、ノイロスポレンを有する光合成細菌(Rhodopseudomos)B株、耐アルカリ性でクロロフィルa、およびβカロチンを有すラン色細菌(Synechococcus)C株から選ばれた少なくとも一つを含む微生物群をいう。本願発明にいう共生菌株として、乳酸菌、アルコール酵母、ビール酵母、パン酵母、酒酵母、葡萄酒酵母、バチルス(Bacillus)、ストレプトコックス(Streptcoccus)、スタフイロコックス(Staphylococcus)、クリプトコックス(Cryptcoccus)、デバリオマイセス(Debaryomyces)、エンドマイコプシス(Endomycopcis)、ハンセニュラ(Hansenula)、クロッケラ(Kloekera)、ピシヤ(Pichia)、ロドトルラ(Rhodotorula)、サッカロマイセス(soccharomyces)、シゾサッカロマイシス(sehisosaccharomyces)、トルロプシス(Torulopsis)、シュードモナス(Psedomonas)、アスペルギルス(Aspergillus)、リゾプス(Rhisopus)、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)、プリューロタス(Pleurotus)、キューネロマイセス(Kuehneromyces)、プラムリナ(Plammulina)、アセトベクター(Acetobacter)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、ノカルデア(Nocardia)が挙げられる。 本願発明にいう酒類粕は、酒類製造時に、酒類を得たのちに発生する残分である。ここで、酒類として、清酒、ビール、リキュール、雑酒、焼酎などが挙げられる。焼酎として、芋焼酎、麦焼酎、米焼酎、ごま焼酎、ひえ焼酎、とうもろこし焼酎、黒糖焼酎などが挙げられる。本願発明の光合成細菌の培養用の液状培地は、光合成細菌(10の4乗〜10の13乗個/mL)を水で希釈し、希釈して得た光合成細菌処理水(10の2乗〜10の12乗個/mL)に対して酒類粕75vol%以下1vol%以上を混合し、攪拌しながら凝集分離を生じせしめて凝集分離液とし、固液分離装置を用いてこの凝集分離液を固形物と分離液とに固液分離して得られる。本願発明の光合成細菌の培養用の液状培地は、希釈して得た光合成細菌処理水(10の2乗〜10の12乗個/mL)に対して前記の分離液75vol%以下1vol%以上を、回転数1000〜5000rpmの攪拌機を用いて、空気を取り込みながら激しく撹拌し、pHが6.0以下に下がらないまで投入するミキシング処理して得られる。本願発明の光合成細菌の培養用の液状培地は、前記のミキシング処理して得られるミキシング液を、さらに固液分離装置を用いて、固形物と分離液とに固液分離して得られる。本願発明の光合成細菌の培養用の液状培地は、前記の分離液のいずれかに対して濾過及び/又は紫外線照射して得られる。本願発明の微生物の培地は、前記の培養用の液状培地に対して0.5〜75g/リットルのゼラチンペプトン及び/又は0〜75g/リットルの無機塩類を含む。本願発明の微生物の培地は、前記の培地がゲル化された培地であることを特徴とするものも含まれる。本発明の増殖培養する方法は、前記の培養用の液状培地に嫌気性及び/又は好気性の雰囲気下、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら、残存する光合成細菌を増殖培養する方法である。また、前記の液状培地に増殖目的の光合成細菌を所定量添加し、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら、増殖目的の光合成細菌を増殖培養する方法も含まれる。本発明の方法は、光合成細菌が紅色光合成細菌及び/又はラン色細菌(Synechococcus)である光合成細菌を増殖培養する方法であり、この紅色光合成細菌が紅色非硫黄細菌である光合成細菌を増殖培養する方法でもある。さらに、前記の光合成細菌に共生菌株を菌数で50%以下混合した混合菌を用いることを特徴とする光合成細菌を増殖培養する方法にも適用できる。前記共生菌株がバチルス菌(Bacillus)、或いは乳酸菌、アルコール酵母、ビール酵母、パン酵母、酒酵母、葡萄酒酵母、ストレプトコックス(Streptcoccus)、スタフイロコックス(Staphylococcus)、クリプトコックス(Cryptcoccus)、ハンセニュラ(Hansenula)、サッカロマイセス(soccharomyces)、シゾサッカロマイシス(sehisosaccharomyces)、トルロプシス(Torulopsis)から選ばれた少なくとも一つをバチルス菌(Bacillus)に混合したものであることを特徴とする光合成細菌を増殖培養する方法も含まれる。本発明の方法には、前記のいずれかに記載の方法により得られた菌体を、前記のゲル状培地にて分離培養する方法も含まれる。 以上述べたように本願発明は、従来の特別に組成された培地でなく、酒類粕の廃液処理した分離液を微生物の培養用の液状培地に、とくに、光合成細菌の培養用の液状培地として有効活用することができる。また、選択的に増殖させることが難しい光合成細菌を短期間で増殖培養することができる。たとえば、紅色光合成細菌(10の2乗〜10の4乗個/mL)を嫌気性の雰囲気下、ハロゲンランプを照射することにより、3日間で(10の7乗〜10の8乗個/mL)に増殖培養することができる。特別に組成された培地を用いて培養すると12〜14日間を必要とするのに対して非常に短期間で処理することができる。さらに、本発明の培養用の液状培地をゲル化することにより、光合成細菌が雑菌により捕食されない、嫌気性下での増殖培養することができ、また、分別培養する培地として活用することができる。本願発明の実施の形態の例として、まず、酒類粕固液分離処理の基本概念を示す。培養した光合成細菌(10の4乗〜10の13乗個/mL)を貯蔵する培養菌貯蔵槽と、所定の菌体数(10の2乗〜10の12乗個/mL)になるまで水で希釈し、得た光合成細菌処理水を貯蔵する処理水貯蔵槽と、酒類製造所から搬送した酒類粕の原液を貯蔵する酒類粕原液槽と、光合成細菌処理水に酒類粕の原液とを所定の混合比になるように定量ポンプにより搬送し、混合し、攪拌し凝集分離する混合撹拌凝集分離装置と、得られた凝集分離液を分離液と固形物とに固液分離処理する固液分離装置とから構成される。光合成細菌の活性の高い温度領域20〜35度Cの範囲を逸脱する同時混合撹拌するときは、この温度範囲になってから10分間以内で凝集分離が完結する。菌体数が10の2乗個/mLの低濃度でも凝集分離するので、別の光合成細菌及び/又は共生菌株を増殖培養するときは、できるだけ低濃度で凝集分離する。固液分離処理した分離液には、有機酸、可溶性タンパク質、微少な粒子(繊維素など)、および光合成細菌などが含まれていて、BODが4000〜10000ppmである。有機酸、可溶性タンパク質、微少な粒子(繊維素など)は、光合成細菌の富栄養素である。 固液分離装置として、遠心分離装置、遠心脱水機、ツインクロス式脱水機、濾過器などの市販の固液分離機を単独で又は組み合わせて用いることもできる。さらに、得られた分離液をミキシング装置に投入し、さらにミキシング処理した分離液を固液分離処理する連続遠心分離装置とを連設させる。このミキシング処理により固液分離を促進することができ、pHを6以上に調整でき、BODも減少することができる。BODが減少することは、光合成細菌が増殖していることの証左でもある。 ミキシング処理する方法の一例として、希釈して得た光合成細菌処理水をエアレーションしながら高速撹拌(1000〜5000rpm)又は空気を巻き込みながら高速撹拌(1000〜5000rpm)している中に、前記の固液分離装置により固液分離された分離液を連続的に又は間歇的に投入し、PHが6.0に、好ましくは6.5になるまで投入する。このとき、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら投入する。この操作をミキシング工程といい、構成する機器類をミキシング装置という。 この撹拌された分離液をミキシング液といい、モヤモヤと浮遊する固形分と沈降する固形分を含む。これらの固形分の粒子を顕微鏡で観察すると非常に小さく、10〜100μmである。連続遠心分離装置を用いて、このミキシング液を固液分離する。得られた分離液をミキシング分離液ともいう。このミキシング分離液を一昼夜静置してpHを測定しても、その値は変化しなかった。前記の分離液のBODが5000ppm以上であるのに対して1000ppm以下である。 ミキシング工程を終えたままの分離液は、時間の経過とともにpHが低下する。これを再度ミキシング処理するとpH値が回復する。必要に応じて、得られた分離液の光合成細菌以外の雑菌を滅菌する紫外線照射装置を、雑菌が光合成細菌より大きいことから、300メッシュ以上に細かいフィルターによる濾過器を、また、連続遠心分離器を追加して、雑菌を減少・除去する。 ミキシング分離液も含めて固液分離した分離液は、次工程にて処理されるか及び/又は紫外線照射装置により光合成細菌以外の菌を滅菌する。これは、共生菌以外の菌を排除する効果がある。滅菌した滅菌分離液を増殖培養槽に投入する。酒類粕の所か処理するときは、処理水貯蔵槽及び/又は培養菌貯蔵槽に還流し、光合成細菌を再利用する。これらの分離液(凝集分離液、分離液、ミキシング液、およびこれらを減菌・滅菌した液を含む)には、有機酸、可溶性タンパク質、微少な粒子(繊維素など)、および光合成細菌などが含まれていて、BODが4000〜300ppmであり、有機酸、可溶性タンパク質、微少な粒子(繊維素など)は、光合成細菌の富栄養素である。そこで、これらの分離液を液体培地の一組成物もしくは液状培地そのものとして用いる。 目的とする増殖微生物の性質に応じた培養培地とするために、液状培地に対して0.5〜75g/リットルのゼラチンペプトン及び/又は0〜75g/リットルの無機塩類を含む組成の液状培地にすることも好ましい。 さらに、嫌気性とする手段として、寒天、ゼラチン、カラギーナン、ペクチンなどを添加し、ゲル化することもよい。増殖培養する方法の一つとして、光合成細菌の場合を示す。嫌気性光合成細菌のときは、上記した液状培地を光照射できる増殖培養槽に投入し、酒類粕処理と同じ光合成細菌ならば、温度20〜45度C、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら培養する。撹拌することなく、静置し、24時間以上経過すると紅色となり、増殖培養されていることが目視される。 別の嫌気性光合成細菌ならば、液状培地として滅菌したものを用いるのが好ましく、これを光照射できる増殖培養槽に投入し、目的の嫌気性光合成細菌を植種し、適度に撹拌し、その後静置し、温度20〜40度C、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら培養する。24時間以上経過すると紅色となり、増殖培養されていることが目視される。光合成細菌は、液中を活発に動き回るので、静置したままでよいが、窒素ガスなどの不活性ガスを導入し、緩やかに撹拌してもよい。 一方、好気性光合成細菌のときは、上記の方法に代えて圧搾空気など滅菌された空気または酸素ガスを増殖培養槽に導入して、温度20〜45度C、波長400〜700nmを主として含む光線を照射しながら培養する。芋焼酎会社OG社から、芋焼酎粕の原液を250L入手する。これから100gを採取し、乾燥機90〜110度にて乾燥した。直ちに250g秤を用いて、重量を測定し、4.54gの結果を得た。この焼酎粕の固形物の含有率は4.5wt%である。焼酎粕の原液貯槽に定量ポンプP1を、培養佐藤菌処理水槽に定量ポンプP2を接続し、配管を接合した直後に水車羽根により撹拌できる混合パイプを接続し、出口を回転濾過器の回転ドラムに差し込む。出口に滞留配管を施し、この滞留時間を2分以内に設定した。水圧により水車羽根が回転し、撹拌するので、その回転数は200rpm以下であった。50倍希釈の培養佐藤菌処理水(水1tonに培養佐藤菌20リットルをいれて希釈した液)と焼酎粕との混合比を5:1となるように設定した。回転濾過器に8.5L/minの流速で投入した。回転濾過器の濾過条件は、回転数42rpm、150と120メッシュステンレスフィルターとの組み合わせ、回転軸の傾きθ=4.2、螺旋しきり板119の高さ50mm、螺旋ピッチ150mmである。焼酎粕の原液がなくなるまで運転した。凝集分離液を、分離フィルターで濾過しながら、分離フィルタードラムを回転する。液状物を螺旋しきり板に沿ってせり上げていく。2分間以内で、水分を完全に濾過しないドロドロした状態である半固形物を半固形物受タンクに貯蔵する。10分後に、半固形物を半固形物用ポンプにてスクリュープレス型圧搾装置の投入ホッパーに投入した。間歇的に20分間運転した。スクリュープレス型圧搾装置の運転条件は、スクリュー回転数90rpm、圧搾スクリーンの細孔径120μmである。固液分離した搾り液を搾り液受けタンクに貯蔵した。搾り液投入ポンプにて、回転濾過器Aに再投入した。分離液のpHは、4.53であった。分離液のBODは2700ppmであった。得られた分離液をミキシング工程により処理した。〔テスト1〕40倍希釈の培養佐藤菌処理水3Lを30Lポリ槽に入れ、1700rpmの回転数の攪拌機を用いて、空気を巻き込みながら、撹拌した。これに分離液を82.5mL/minの流量で連続投入し、10分間隔で水温およびpHを測定した。酒類粕と40倍希釈の培養佐藤菌処理水とが1:6となるように設定した。結果を表1に示す。pHの処理時間変化を図1に示す。20分後から20分間隔でBOD測定用にサンプリングした。測定結果を表1に示す。BODの処理時間変化を図2に示す。10分間隔でミキシング分離液を500mLペットボトル2本にサンプリングした。1本はそのまま、他の一本はコーヒーフィルターとして使用する紙フィルターを用いて濾過し、その濾液を再び500mLペットボトルに入れた。これを横一列に並べ、ハロゲンランプ(500W)を用いて80〜100cmから照射した。24時間ごとに写真を撮り、液体の色を観察した。緑→茶→変化なし(無色透明)→紅色→赤色の色変化を−4→−2→0→3→6の数値で表現し、表2に示す。2種類の数値箇所は液体と沈殿物で色が違うものである。「固有り」は固形物があるものすなわちミキシング分離液そのままのもの、紙フィルターを濾過ししたものは「F」または「フィルター」で表している。 撮影した写真を図3〜6に示す。図3は10分から80分までミキシング分離液「固有り」を照射培養したものの変化を上から順に24,48,72,96時間経過したときのものである。図4は10分から80分までのミキシング分離液「フィルター」を照射培養したものの変化を上から順に24,48,72,96時間経過したときのものである。図5は80分から190分までのミキシング分離液「固有り」を照射培養したものの変化を上から順に24,48,72,96時間経過したときのものである。図6は80分から190分までのミキシング分離液「フィルター」を照射培養したものの変化を上から順に24,48,72,96時間経過したときのものである。分離液を190分間投入した後、同様の回転数で4時間ミキシングした。液温が33.8度Cで、pHも8.05に回復した。このミキシング分離液のBODを測定した結果、340ppmであった。このミキシング分離液を325メッシュのドラムにて濾過した。濾液をペットボトルに入れ、ハロゲンランプにて6日間照射した培養液が、濃い緑に変色した。「固有り」、「フィルター」を6日間照射したものと併せて撮影した写真を図7に示す。中央の濃く見えるもの二本が緑色に変化した培養液である。緑色光合成細菌も増殖培養されていることが確認された。〔比較例1〕 (光合成細菌(佐藤菌)の培養法)三河環境微生物 さとう研究所の市販する光合成細菌液(元菌)を用いる。これは水田の表面の土壌から分離し、拡大培養した光合成細菌である。紅色で、「たんぼ」のドブ臭いにおいがし、pH=8.5前後であり、次のような性質を有する。1.土壌中の硫化水素など分解産物の無毒化。2.ビタミンB12、カロチン、核酸など菌体産物の利用。3.土壌や堆肥中の放線菌の増殖促進「フザリウムなどとの拮抗」。4.大腸菌、サルモネラ菌など腸内細菌の自然界からの消滅促進。5.土壌,汚水、堆肥などの脱窒素作用また反対の窒素固定作用。したがって、愛知県岡崎市の佐藤研究所の市販する佐藤元菌の拡大培養法をするにあたり、原体菌水溶液(ワインのロゼ色、pH=8.35)を顕微鏡で観察すると、光合成細菌の他多種類の多数の雑菌が確認された。原体菌水溶液(ワインのロゼ色、pH=8.35)を10倍に希釈し、紫外線照射して雑菌を死滅させ、佐藤元菌のみの水溶液とした。60Lの水槽に水40Lを注入する。 培地組成として、塩化アンモニウム 40g炭酸水素ナトリウム 40g酢酸ナトリウム 40g塩化ナトリウム 40gリン酸水素二カリウム 8g硫酸マグネシウム 8gDL−リンゴ酸 10gペプトン 8g酵母エキス 4gを添加し、2,3min撹拌して培地水を作製する。空気を遮断することができる、25〜40度に温調することができる、雑菌を混入しないようにできる培養釜であって、光を照射できるものを用意する。この培養釜に培地水を40L投入し、佐藤元菌のみの水溶液20Lを添加し、撹拌する。水温ヒータにて温度約32度で温調し、日の当たるところで12日間培養する。無色透明のものが紅色に変化する。pH=8.5となる。これを培養佐藤菌という。〔比較例2〕 (佐藤バチルス菌の培養法)愛知県岡崎市のさとう研究所の市販する耐熱性バチルス菌の原体(寒天状、A,Bの二種類)を用意する。シャーレの半分づつを採取し、これと40度の湯水1Lを20L水槽に入れ、30秒間撹拌する。さらに18Lの水(25度)を添加する。糖蜜1Lを添加する。糖蜜の代わりに蜂蜜で培養してもよい。1〜2min撹拌する。ヒーターで32度で温調し、エアポンプにて3L/minで曝気する。24hrで暗黒色、pH=3.6となる。冷暗所に保管する。これを培養バチルス菌という。蜂蜜で培養した場合、乳白色、pH=4.1である。〔比較例3〕 (耐アルカリ性光合成細菌の培養法) 特許3699987号で得られた耐アルカリ性光合成細菌を拡大培養した菌体浄化資材を用いた。この菌体浄化資材(エコ菌と称して市販)は、紅色非硫黄性細菌、ラン色細菌及び土壌菌を混合したものであり、特願2006−112336の実施例に用いたものである。たとえば、水20Lにエコ菌2Kgを混合し、32度に昇温し、24Hr放置後、濾過する。濾液を紫外線照射(1200μW、40秒間)して、土壌菌を滅菌する。得られた耐アルカリ性光合成細菌の水溶液を培養佐藤菌の培養法と同様に行った。ただし、濃紅色に変化するまでに3週間を要した。pH=8.3〜8.7であるこれを培養殺菌エコ菌という。 芋焼酎会社OG社から、芋焼酎粕の原液を200L入手する。これから100gを採取し、乾燥機90〜110度にて乾燥した。直ちに250g秤を用いて、重量を測定し、3.90gと4.05gの結果を得た。この焼酎粕の固形物の含有率は3.98wt%である。同時混合攪拌による焼酎粕の凝集分離、固液分離の実験した。焼酎粕の原液貯槽に定量ポンプP1を、培養佐藤菌処理水槽に定量ポンプP2を接続し、配管を接合した直後に水車羽根により撹拌できる混合パイプを接続し、出口を回転濾過器の回転ドラムに差し込む。出口に滞留配管を施し、この滞留時間を2分以内に設定した。水圧により水車羽根が回転し、撹拌するので、その回転数は200rpm以下であった。50倍希釈の培養佐藤菌処理水と焼酎粕との混合比を3:1となるように設定した。回転濾過器に8.5L/minの流速で投入した。回転濾過器の濾過条件は、回転数42rpm、150と120メッシュステンレスフィルターとの組み合わせ、回転軸の傾きθ=4.2、螺旋しきり板119の高さ50mm、螺旋ピッチ150mmである。焼酎粕の原液がなくなるまで運転した。凝集分離液を、分離フィルターで濾過しながら、分離フィルタードラムを回転する。液状物を螺旋しきり板に沿ってせり上げていく。2分間以内で、水分を完全に濾過しないドロドロした状態である半固形物を半固形物受タンクに貯蔵する。10分後に、半固形物を半固形物用ポンプにてスクリュープレス型圧搾装置の投入ホッパーに投入した。間歇的に20分間運転した。スクリュープレス型圧搾装置の運転条件は、スクリュー回転数90rpm、圧搾スクリーンの細孔径120μmである。固形物を固形物受け容器に貯めた。直ちに、固形物を計量し、3.172Kgを得た。このサンプルを200gづつ採取し、これを乾燥機90〜110度にて乾燥した。乾燥した固形物は54.72gと55.18gあった。固形物含有量はそれぞれ27.36wt%と27.59wt%であった。スクリュープレス型圧搾装置からの吐出固形物は0.871Kgと算出された。回転濾過器のタンク内、スクリュープレス型圧搾装置シリンダー内のものを集めた残分固形重量は8.669Kgであった。このサンプルを300gづつ採取し乾燥後固形物重量わ測定し、固形物含有量はそれぞれ3.14wt%と2.92wt%であった。固形物は0.263Kgと算出した。固液分離した搾り液を搾り液受けタンクに貯蔵した。搾り液投入ポンプにて、回転濾過器Aに再投入した。分離液のpHは、4.94であった。分離液の高さ260mmに対して、12hr後の沈殿高さ23mmであった。分離液のBODは3800ppmであった。同時混合攪拌することで、5分間以内で凝集分離し、その後数分間で固液分離することができた。得られた分離液をミキシング工程により処理した。〔ミキシングテスト〕50倍希釈の培養佐藤菌処理水25Lを500Lポリ槽に入れ、3000rpmの回転数の攪拌機を用いて、空気を巻き込みながら、撹拌した。これに688gの分離液を10分間隔で投入し、水温とpHを測定した。10分間でpHが回復し、80分の撹拌、分離液5.5Lの投入してもpHの低下は少なかった。このミキシング分離液のBODは650ppmであった。このミキシング分離液を遠心分離器により固液分離した。ミキシングしたミキシング分離液は分離液よりも濁度が低く、遠心分離したのちはかなり透明である。分離液は微少粒子が浮遊しており、濁度が高く、遠心分離しても薄茶色をしている。分離した固形物の量もミキシング工程を経ると大幅に減少することが分かる。遠心分離した上澄み液のBODは610ppmであった。分離液を5.5L投入後に180分3000rpmで撹拌し続けた。BODは620ppmであった。次に、遠心分離器を用いて凝集分離の実験をした。用いた遠心分離器は、遠心分離器用の容器(カプセルという)を8本セットできるものである。 分離液の残分を撹拌し、600mLを採取して遠心分離器により固液分離した液のBODを測定した。4500〜4900ppmであった。遠心分離器により微少の粒子が取り除かれ、BODが低下することが分かった。 これら遠心分離器を用いて凝集分離の実験してBODを測定したときの希釈した液の残分をハロゲンランプ(500W)を用いて照射したところ、二日目ころから紅色に変化してきた。光合成細菌が増殖していることが確認された。これら分離液である凝集分離液、分離液、ミキシング液、およびこれらを減菌・滅菌した液は、光合成細菌を培養することがわかった。寒天(信濃寒天農業協同組合製)の寒天15gを1リットルの水で煮とかし、空冷する。実施例1の分離液、ミキシング分離液を5mL,50mLづつを200mLのペットボトル4本に入れ、寒天溶解液を加えて振盪した。これを冷蔵庫にいれて一昼夜放置した。ゲル状に固まった状態で取り出し、ハロゲンランプ(500W)を用いて照射したところ、二日目ころから紅色に変化してきた。光合成細菌が増殖していることが確認された。 この寒天15gには、蛋白質0.2g、ナトリウム9.8g、食物繊維6.1gを含有していて、脂質、糖質を含有していない。培養佐藤菌には嫌気性光合成細菌を含んでおり、増殖培養されていることがわかる。ミキシング処理の及ぼす影響のうちのpHの処理時間変化を示す図である。ミキシング処理の及ぼす影響のうちのBODの処理時間変化を示す図である。10分から80分までミキシング分離液「固有り」を照射培養したものの変化を示す写真である。10分から80分までのミキシング分離液「フィルター」を照射培養したもを示す写真である。80分から190分までのミキシング分離液「固有り」を照射培養したものを示す写真である。80分から190分までのミキシング分離液「フィルター」を照射培養したものを示す写真である。「固有り」、「フィルター」および325メッシュのドラムにて濾過したミキシング分離液をハロゲンランプにて6日間照射した培養液の写真である。 光合成細菌(10の4乗〜10の13乗個/mL)を水で希釈し、希釈して得た光合成細菌処理水(10の2乗〜10の12乗個/mL)に対して酒類粕75vol%以下1vol%以上を混合し、攪拌しながら凝集分離を生じせしめて凝集分離液とし、固液分離装置を用いてこの凝集分離液を固形物と分離液とに固液分離して得られる分離液又はこれを紫外線照射装置により光合成細菌以外の菌を滅菌して得られた液体を液状培地とし、嫌気性及び/又は好気性の雰囲気下、ハロゲンランプからの光線を照射することを特徴とする光合成細菌を増殖培養する方法。 希釈した光合成細菌処理水(10の2乗〜10の12乗個/mL)を回転数1000〜5000rpmの攪拌機を用いて、空気を取り込みながら激しく撹拌している中に、光合成細菌(10の4乗〜10の13乗個/mL)を水で希釈し、希釈して得た光合成細菌処理水(10の2乗〜10の12乗個/mL)に対して酒類粕75vol%以下1vol%以上を混合し、攪拌しながら凝集分離を生じせしめて凝集分離液とし、固液分離装置を用いてこの凝集分離液を固形物と分離液とに固液分離して得られる分離液を連続に及び/又は間歇に滴下し、pHが6.0以下に下がらないようにミキシング処理して得られた液体を液状培地とし、嫌気性及び/又は好気性の雰囲気下、ハロゲンランプからの光線を照射することを特徴とする光合成細菌を増殖培養する方法。 請求項1又は請求項2に記載の液状培地に対して0.5〜75g/リットルのゼラチンペプトン及び0〜75g/リットルの無機塩類を混合して得られたゲル状培地を、ハロゲンランプからの光線を照射することを特徴とする光合成細菌を増殖培養する方法。 照射する光線の波長が400〜700nmの光線であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光合成細菌を増殖培養する方法。


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