タイトル: | 公開特許公報(A)_シロキサン分析装置 |
出願番号: | 2007029864 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | G01N 21/35 |
今村 武 山本 勝也 JP 2008196870 公開特許公報(A) 20080828 2007029864 20070209 シロキサン分析装置 株式会社東芝 000003078 鈴江 武彦 100058479 河野 哲 100091351 中村 誠 100088683 蔵田 昌俊 100108855 峰 隆司 100075672 福原 淑弘 100109830 村松 貞男 100084618 橋本 良郎 100092196 今村 武 山本 勝也 G01N 21/35 20060101AFI20080801BHJP JPG01N21/35 ZG01N21/35 A 6 1 OL 7 2G059 2G059AA01 2G059BB01 2G059CC09 2G059CC13 2G059CC20 2G059DD02 2G059DD12 2G059DD13 2G059DD20 2G059EE01 2G059EE12 2G059FF09 2G059GG01 2G059GG09 2G059HH01 2G059KK01 2G059KK03 2G059MM01 2G059NN01 2G059PP04 本発明は、フィルターの寿命をモニターするシロキサン分析装置に関し、特に半導体装置製造用として使用されるものである。 半導体装置製造用の装置の一つであるKrF、ArFレーザーを使用する露光装置では、使用に従いミラーやレンズ等の光学部材に曇りが発生する問題が起きている。これは、露光装置の設置環境中のSi含有有機不純物や硫酸、アンモニア等が原因であると考えられている。この曇りの発生を防止するために、通常、露光装置の空調系にフィルターを設置して、光学部材付近の環境中の不純物濃度を下げる対策が行われている。 しかし、従来、フィルター自体の寿命を管理する機構は特に設けられておらず、光学部材の曇りが許容量を超えたところで使用者がフィルターを交換している。このため、フィルターを交換する時点で既に光学部材の交換も必要な場合が多い。従って、光学部材の交換のために費用がかかったり、交換作業のために露光装置の稼働率が低下したりする等の問題があった。 一方、フィルターの前後段で不純物の濃度を測定し、フィルターの寿命を判断することが可能である。しかし、この場合、一度サンプリングしてから抽出し、質量分析装置等で定量するという煩雑な測定作業が必要であり時間や手間がかかる問題がある。 なお、シロキサン化合物とは、ここでは、SiとOとの結合を基本骨格とした鎖状または環状構造の化合物をさす。鎖状化合物としては、例えば、トリメチルシラノール、メトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、およびドデカメチルペンタシロキサンが挙げられる。環状化合物としては、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3体)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4体)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5体)、およびドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6体)が挙げられる。ここに列挙した化合物は、化合物中の官能基がメチル基で構成されているが、メチル基に類する炭化水素基で置換された化合物、または水素の代わりにフッ素、塩素等で置換された化合物も含まれ、さらには分子量の大きい多重合化合物も存在する。 ところで、従来、レーザ光を利用した物質検出装置としては、特許文献1が知られている。特許文献1の装置は、液体に含まれる検出対象物質を検出するための物質検出装置であり、液体を気化させる気化手段と、検出対象物質の吸収波長に同調したレーザ光を発振する発振手段と、気体にレーザ光を照射し、該レーザ光を吸収させるための吸収手段と、照射されたレーザ光に基づいて検出対象物質を検出するための検出手段とを備えたことを特徴とする。特許文献1は、液体中の微量物質をリアルタイムに高感度で検出することを目的とするものであるが、本発明のようにシロキサンガス中のトリメチルシラノール(TMS)濃度をリアルタイムに精度よく連続的に分析するものではない。特開2006−267047号公報 本発明はこうした事情を考慮してなされたもので、シロキサンガス中のトリメチルシラノール(TMS)濃度をリアルタイムに精度よく連続的に分析することができるシロキサン分析装置を提供することを目的とする。 本発明者は、鋭意検討した結果、特定波長帯の赤外線を使用する赤外分析装置が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。 即ち、本発明は、シロキサン含有ガス中のトリメチルシラノール(TMS)濃度を分析する赤外線方式TMSシロキサン分析装置であって、波長1〜4μmの近赤外線を照射する光源と、光源からの近赤外線が照射され,試料ガスが入射及び出射される試料セルと、光源からの近赤外線が照射され,基準となるガスが封入された比較セルと、試料セル及び比較セルを夫々通過した光量の差を検知する検出器と、前記検出器に電気的に接続されたアンプと、前記試料セル及び比較セルの夫々のTMS濃度を比較、定量化する演算部と、この演算部に電気的に接続された表示部とを具備することを特徴とするシロキサン分析装置である。 本発明によれば、シロキサンガス中のトリメチルシラノール濃度をリアルタイムに精度よく連続的に分析することができる。 以下、本発明のシロキサン分析装置について更に詳しく説明する。 本発明において、シロキサン含有ガスとしては、例えば半導体製造時に使用し、生成するガスが挙げられるが、これに限定されない。 本発明において、シロキサン分析装置の試料ガス導入口の前に試料ガスから浮遊微粒子を除去するためのガスフィルターを装着することが好ましい。これは、測定波数域に吸収を有する浮遊微粒子により分析精度に悪影響を受けないようにするためである。 前記ガスフィルターとしては、シリコン系の物質を使用していない一般的なガスフィルターを使用できる。また、ガスフィルターのサイズは10μm以下が好ましく、0.01〜5μmがより好ましく、0.01〜1μmが最も好ましい。ここで、ガスフィルターのサイズが10μmを超えると、試料ガス中の浮遊微粒子を充分に除去することができない。 本発明において、前記分析装置は、半導体製造時に発生するガス中のアンモニア濃度を分析する装置を更に具備することが好ましい。これは次のような理由による。即ち、シロキサンの中でもトリメチルシラノールを分析する際に、アンモニアガスを図ることによってトリメチルシラノールの定量が可能である。これは、トリメチルシラノールが構成されるためにはシロキサンの2量体から分解されて生成するが、この際アンモニア副生成物として発生させるため、アンモニアとトリメチルシラノールとの発生量には相関性があるからである。そこで、アンモニアガス濃度を定量することによって、トリメチルシラノールの定量が可能となる。なお、アンモニア濃度を分析する装置としては、例えば赤外分析装置、ガスクロマトグラフや質量分析装置等が挙げられる。 本発明において、半導体製造時に発生するガス中の水分量を分析する装置を更に具備することが好ましい。これは次のような理由による。即ち、水分を含むシロキサンを分析する際に、水分による干渉の問題が生じるおそれがある。そこで、同時に、試料中の水分の量を分析する(又は試料中の水分量を除湿機により一定量とする)ことで、シロキサン濃度の実測値を、シロキサンの干渉成分である水分の量により補正して、シロキサンの濃度を正確に分析することが可能である。 水分の量を分析する装置,所謂水分計としては、一般的に使用されているガス中の水分を測定できる分析計が適用できる。例えば、赤外線、近赤外線方式、半導体センサー方式、誘電率方式及びカールフィッシャー方式等の水分計が使用できる。このうち、赤外線、近赤外線方式、半導体センサー方式、誘電率方式の水分計が好ましい。 前記除湿機としては、一般的なものが使用できるが、好ましくは冷却式除湿機である。除湿温度は、ガス中のシロキサンが再凝縮しない程度であればよく、水分露点が0℃〜20℃が好ましく、0℃〜10℃がより好ましい。また、除湿後の水分露点は分析対象ガスの温度より低いことが好ましい。除湿後の水分露点が分析対象ガス温度より高い場合は、除湿機の手前で水分をバブリングさせることが好ましい。 次に、本発明に係るシロキサン分析装置の具体的な実施形態について説明する。 (実施形態) 図1を参照する。本実施形態に係るシロキサン分析装置は、光源1と、試料セル2と、比較セル3と、検出器4a,4bと、アンプ5と、演算部6と、表示部7と、ガスフィルター8を備えている。光源1は、試料セル2及び比較セル3に波長1〜4μmのレーザ光線を照射する装置である。こうした装置としては、例えば半導体レーザ発生装置、差周波発生装置、和周波発生装置が挙げられている。こうした発生装置は、該発生装置の電流,温度を制御するレーザドライバ機器や,任意の波形を発生させるファンクションジェネレータ機器とともに構成されている。 試料セル2は、試料ガスを導入,排出し、その中に光源1からレーザ光線(近赤外線)を照射させるための容器を意味する。試料セル2としては、一般的には例えばヘリオットセルやホワイトセルが知られている。比較セル3とは、TMSガス(基準となるガス)を一定濃度、圧力で封入した試料セルのことで、試料セルとの相対比較によって試料セル中のTMS濃度を定量するために使われる。 検出器4a,4bは、任意のレーザ光線を電気信号に変換する機器である。アンプ5は、微弱な電気信号を増幅させる機器で、検出器4a、4bに電気的に接続されている。演算部6は、試料セル2と比較セル3とのTMS濃度を比較、定量化するためのコンピュータのことである。表示部7は、デジタル、又はアナログ信号を使って演算部6で計算した結果を表示する機器のことで、一般的にはテレビモニターのことを指す。表示部7は、演算部6と電気的に接続されている。 ガスフィルター8は、試料セル2の手前に配置されている。ガスフィルター8は、上述したように、測定波数域に吸収を有する浮遊微粒子により分析精度に影響を受けないようにするために、試料ガスから浮遊微粒子を除去する目的で配置されている。ガスフィルター8は、シリコン系の物質を使用していない一般的なガスフィルターであり、フィルターサイズも上述したとおりである。 光源1から放出された任意のレーザ光線は、試料セル2及び比較セル3を通過した後、夫々検出器4a,4bに入るようになっている。試料セル2を通過するレーザ光線が試料ガスによって吸収されると、検出器4a,4bに入射するレーザ光線に光量の差が生じる。検出器4a,4bはその差を検知し、試料ガス中のTMS濃度を測定する。 図1のシロキサン分析装置によれば、試料セル2を通過するレーザ光線を試料ガスにより吸収させて、検出器4a,4bに入射するレーザ光線に光量の差を生じさせ、その差を検出器4a,4bで検知することによって、測定対象のガスであるTMS濃度を測定することができる。従って、この原理を空調系にフィルターを設置した露光装置等の半導体製造装置に適用した場合、TMS濃度を測定できるので、フィルターの寿命を的確に管理することができる。 なお、上記実施形態においては、シロキサン分析装置の試料セルの手前に試料ガスから浮遊微粒子を除去するためのガスフィルターを装着した場合について述べたが、これに限定されない。例えば、ガス配管に試料セル2を設置する場合は、ガスフィルター8をガス配管側に取り付けることでガスフィルターを試料セル2に装着することを省くことができる。また、室内のような密閉空間に本装置を設置した場合、ガスフィルター8を室内用換気口、エアコン排気口に具備することで試料セル2に装着するのを省くことができる。 また、上記実施形態では、TMS濃度を直接分析する場合について述べたが、アンモニアガスを測ることによってもTMSの定量が可能である。これは、TMSが構成されるためにはシロキサンの2量体から分解されて生成するが、この際アンモニアを副生成物として発生させ、アンモニアとTMSとの発生量には相関性があるからである。従って、アンモニアガス濃度を定量することによってTMSの定量が可能となる。図2は、アンモニアの吸収スペクトル測定の一例を示す図であり、アンモニアの吸収スペクトルが1.5μm付近に見ることができる。図3は、TMSの吸収スペクトル測定の一例を示す図である。図3から明らかのように4μm付近にTMSの吸収スペクトルがあり、その吸収スペクトルを測定することでも定量することができる。本発明の実施形態に係るシロキサン分析装置の一例を示す図である。アンモニアの吸収スペクトル測定の一例を示す図である。TMSの吸収スペクトル測定の一例を示す図である。符号の説明 1…光源、2…試料セル、3…比較セル、4a,4b…検出器、5…アンプ、6…演算部、7…表示部、8…ガスフィルター。シロキサン含有ガス中のトリメチルシラノール(TMS)濃度を分析する赤外線方式TMSシロキサン分析装置であって、 波長1〜4μmの近赤外線を照射する光源と、光源からの近赤外線が照射され,試料ガスが入射及び出射される試料セルと、光源からの近赤外線が照射され,基準となるガスが封入された比較セルと、試料セル及び比較セルを夫々通過した光量の差を検知する検出器と、前記検出器に電気的に接続されたアンプと、前記試料セル及び比較セルの夫々のTMS濃度を比較、定量化する演算部と、この演算部に電気的に接続された表示部とを具備することを特徴とするシロキサン分析装置。シロキサン含有ガスが半導体製造時に使用し、生成するガスであることを特徴とする請求項1に記載のシロキサン分析装置。試料セルの試料ガス導入口の前に装着されたフィルターサイズ10μm以下の浮遊微粒子除去用ガスフィルターを更に具備することを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載のシロキサン分析装置。半導体製造時に発生するガス中のアンモニア濃度を分析する装置を更に具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシロキサン分析装置半導体製造時に発生するガス中の水分量を分析する装置を更に具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシロキサン分析装置シロキサンを吸着する吸着材を充填したフィルターを、試料ガス導入口の前に装着したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシロキサン分析装置。 【課題】シロキサンガス中のTMS濃度をリアルタイムに精度よく連続的に分析することができることを課題とする。【解決手段】シロキサン含有ガス中のトリメチルシラノール(TMS)濃度を分析する赤外線方式TMSシロキサン分析装置であって、波長1〜4μmの近赤外線を照射する光源1と、光源からの近赤外線が照射され,試料ガスが入射及び出射される試料セル2と、光源からの近赤外線が照射され,基準となるガスが封入された比較セル1と、試料セル及び比較セルを夫々通過した光量の差を検知する検出器4a,4bと、前記検出器に電気的に接続されたアンプ5と、前記試料セル及び比較セルの夫々のTMS濃度を比較、定量化する演算部6と、この演算部に電気的に接続された表示部7を具備することを特徴とするシロキサン分析装置。【選択図】 図1