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タイトル:特許公報(B2)_官能化光開始剤
出願番号:2006551836
年次:2012
IPC分類:C08F 2/50,C07D 295/08,C07C 225/22


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ディートリカー,クルト ヒュースラー,リナルド ビルボーム,ジャン−リュク ヴォルフ,ジャン−ピエール JP 4975449 特許公報(B2) 20120420 2006551836 20050124 官能化光開始剤 チバ ホールディング インコーポレーテッド 396023948 Ciba Holding Inc. 津国 肇 100078662 篠田 文雄 100075225 束田 幸四郎 100113653 ディートリカー,クルト ヒュースラー,リナルド ビルボーム,ジャン−リュク ヴォルフ,ジャン−ピエール EP 04100365.8 20040202 20120711 C08F 2/50 20060101AFI20120621BHJP C07D 295/08 20060101ALI20120621BHJP C07C 225/22 20060101ALN20120621BHJP JPC08F2/50C07D295/08 ZC07C225/22 C08F 2/00-2/60 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 特開平07−070220(JP,A) 特開昭63−264560(JP,A) 特開2000−330277(JP,A) 特表平11−509329(JP,A) 7 EP2005050276 20050124 WO2005076074 20050818 2007525573 20070906 59 20080118 久保田 英樹 本発明は、アルファ−アミノケトンの新規な誘導体、エチレン不飽和化合物の光重合用の光開始剤としてのその使用及び多官能光開始剤を調製するためのその使用に関する。 アルファ−アミノケトン化合物は、周知の光開始剤である。市販されているものには、例えば、イルガキュア(Irgacure)369(登録商標)及びイルガキュア907(登録商標)がある。 フェニルラジカルの4位にアミノ基を有する、アルファ−アミノケトンの誘導体は、例えば、EP 138,754 A2に記載されている。 ヨーロッパ特許公報EP 284,561 B1は、式:Ar−CO−C(R1R2)−N(R3R4)又はAr−CO−C(R1R2)−X−C(R1R2)−CO−Ar又はAr−CO−C(R1NR3R4)−Y−C(R1NR3R)−CO−Ar(ここで、Arは、例えば、場合によりNR7R8により置換されているフェニルである)の光開始剤を記載している。 ヨーロッパ特許公報EP 1,357,117 A2は、1−{4−[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]}−2−メチル−2−モルホリノ−1−プロパノン又は2−(ジメチルアミノ)−1−{4−[(2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ]−フェニル}−2−フェニルメチル−1−ブタノンとε−カプロラクトンとを反応させることにより得られる、新規なアミノケトン誘導体を記載している。 米国特許6,022,906号は、式:Y−X−Ar−CO−C(R1R2)−N(R3R4)[ただし、少なくとも1個のラジカルは、SHにより置換されている]の光開始剤を記載している。これらの光開始剤は、例えば、1−[4−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−2−ベンジル−プロパン−1−オン又は1−[4−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−2−ベンジル−ブタン−1−オンを用いて調製される。これらの中間体化合物は、光開始剤として記述されたことはない。 米国特許4,992,547号は、式:Ar−CO−C(R1R2)−N(R3R4)のアミノアリールケトン光開始剤、例えば、2−メチル−1−[4−(N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノプロパン−1−オンを開示している。 硬化前の揮発性有機化合物の放出を最小にし、かつ硬化生成物からの残留光開始剤成分の移行及び/又は抽出を最小にする(高い開始剤効率を維持しながら)ことのニーズは増大している。例えば、プラスチックの食品包装への印刷に使用されるインキは、理想的には被覆及び/又は印刷されたプラスチックから抽出可能な化合物を最小化するための標準を満たさなければならない。このような混入は、食料品の汚染及び臭気の問題を引き起こしうる。更に、他の被覆組成物では、基体への接着性の消失又は黄変のような他の有害な作用を引き起こすことのある、反応性材料の移行を最小にすることが重要である。 1つのアプローチは、硬化した被覆剤又はインキ組成物中の移行可能な及び/又は抽出可能な残留光開始剤成分のレベルを低下させるために、分子サイズを増大させた光開始剤を使用することである。このようなポリマー光開始剤は、例えば、EP 0,161,463 A1に開示されており、そして市販化合物のランベルティ兄弟社(Fratelli-Lamberti's)のKIP100を含む。しかし、ポリマー光開始剤は、しばしば粘度が高く、そのため取扱いが難しい。 本発明により解決すべき問題は、高い反応性、低い臭気、低い移行性を持ち、更に本出願に列挙された試薬と、例えば、酸、アルデヒド、ケトンなどと反応して、多官能光開始剤を構築することができる、アルファ−アミノケトン光開始剤の提供である。 本発明は、式(I):[式中、 nは、1又は2であり; Lは、リンカーであり; Xは、−O−、−S−又は−NR32−であり; Zは、直接結合、−CH2−、−O−、−S−又は−NR10−であり; R1は、(a)直鎖又は分岐のC1−C12−アルキル(非置換であるか、又は1個以上のC1−C4−アルキルオキシ、フェノキシ、ハロゲン若しくはフェニル基により置換されている); (b)下記式:で示されるラジカル; (c)下記式:(式中、qは、0、1、2又は3である)で示されるラジカル;又は (d)下記式:(式中、Arは、フェニル(非置換であるか、又は1個以上のハロゲン、OH、NO2、−N(R10)2、C1−C12−アルキル、C1−C4−アルキル(更にOH、ハロゲン、N(R10)2、C1−C12−アルコキシ、−COO(C1−C18−アルキル)、−CO(OCH2CH2)nOCH3又は−OCO(C1−C4−アルキル)により置換されている);C1−C12−アルキルオキシ、C1−C4−アルキルオキシ(更に−COO(C1−C18−アルキル)又は−CO(OCH2CH2)nOCH3により置換されている);−OCO(C1−C4−アルキル)、C1−C8−アルキルチオ、フェノキシ、−COO(C1−C18−アルキル)、−CO(OCH2CH2)nOCH3、フェニル若しくはベンゾイルにより置換されている(ここで、nは、1〜20である))である)で示されるラジカルであり; R2は、nが1であれば、R1と独立に、R1の意味の1つであるか;あるいは R1は、R2と一緒になって、下記式:(式中、mは、1又は2である)で示される環を形成し; R2は、nが2であれば、直接結合、C2−C16−アルキレン、シクロヘキシレン、キシリレン、ジヒドロキシキシリレン、C4−C8−アルケンジイル、C6−C10−アルカジエンジイル又はジペンテンジイルであり; R3は、水素、C1−C12−アルキル、C2−C4−アルキル(1個以上のヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ、−CN、−COO(C1−C4−アルキル)基により置換されている);C3−C5−アルケニル、C5−C12−シクロアルキル又はC7−C9−フェニルアルキルであり; R4は、C1−C12−アルキル、C2−C4−アルキル(1個以上のヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ、−CN、−COO(C1−C4−アルキル)基により置換されている);C3−C5−アルケニル、C5−C12−シクロアルキル、C7−C9−フェニルアルキル、フェニルであるか;あるいはR4及びR2は、一緒になって、C1−C7−アルキレン、C7−C10−フェニルアルキレン、o−キシリレン、2−ブテニレン又はC2−C3−オキサ−若しくはアザアルキレンであるか;あるいはR4及びR3は、一緒になって、C3−C7−アルキレン(−O−、−S−、−CO−又は−N(R13)−により中断されていてもよく、かつヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ又は−COO(C1−C4−アルキル)により置換されていてもよい)であり; R5は、水素又はC1−C4−アルキルであるか;あるいはR5は、R30と一緒になって、C1−C2−アルキレンであり; R6は、水素、C1−C8−アルキル又はフェニルであり; R7、R8及びR9は、相互に独立に、水素又はC1−C4−アルキルであるか、あるいはR7及びR8は、一緒になって、C3−C7−アルキレンであり; R10は、水素、C1−C8−アルキル、C3−C5−アルケニル、C7−C9−フェニルアルキル、C1−C4−ヒドロキシアルキル又はフェニルであり; R11及びR12は、相互に独立に、水素又はC1−C4−アルキルであるか、あるいはR11及びR12は、一緒になって、C3−C7−アルキレンであり; R13は、水素、C1−C12−アルキル(1個以上の−O−により中断されていてもよい)又はC3−C5−アルケニル、C7−C9−フェニルアルキル、C1−C4−ヒドロキシアルキル、−CH2CH2CN、−CH2CH2COO(C1−C4−アルキル)、C2−C8−アルカノイル、又はベンゾイルであり; R30及びR31は、相互に独立に、水素、C1−C18−アルキル若しくはC1−C18−アルキル(ヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ、−O−CO−(C1−C4−アルキル)、−CN及び/又は−COO(C1−C4−アルキル)により置換されている);C3−C18−アルケニル、C5−C12−シクロアルキル、C7−C9−フェニルアルキル、C2−C18−アルカノイル、ベンゾイル若しくはノルボルネノイル;又はC1−C4−アルコキシ、−NR33R34、−SR35、−COOH若しくは−COO(C1−C4−アルキル)により置換されている、C2−C18−アルカノイル、ベンゾイル若しくはノルボルネノイル;又はヒドロキシにより置換されている、ベンゾイル若しくはノルボルネノイル、又はC3−C5−アルケノイル、−SO2−(C1−C12−アルキル)若しくは−SO2−(C1−C12−アルキルフェニル);又は場合により、1個若しくは2個の、フェニレン、メチルフェニレン、フェニレン−O−フェニレン、シクロヘキサンジイル、メチルシクロヘキサンジイル、トリメチルシクロヘキサンジイル、ノルボルナンジイル、[1,3]ジアゼチジン−2,4−ジオン−1,3−ジイル、3−(6−イソシアナトヘキシル)−ビウレット−1,5−ジイル若しくは5−(6−イソシアナトヘキシル)−[1,3,5]トリアジナン−2,4,6−トリオン−1,3−ジイルにより中断されている、−CO−NH−C1−C12−アルキル若しくは−CO−NH−(C0−C12−アルキレン)−N=C=Oであるか;あるいは R30及びR31は、−N−L−X基と一緒になって、下記式:から選択される環構造を形成し; R32は、水素、C1−C18−アルキル若しくはC1−C18−アルキル(ヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ、−O−CO−(C1−C4−アルキル)、−CN及び/又は−COO(C1−C4−アルキル)により置換されている);C3−C18−アルケニル、C5−C12−シクロアルキル、C7−C9−フェニルアルキル、C2−C18−アルカノイル、ベンゾイル若しくはノルボルネノイル;又はヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ、−NR33R34、−SR35、−COOH若しくは−COO(C1−C4−アルキル)により置換されている、C2−C18−アルカノイル、ベンゾイル若しくはノルボルネノイル;又はC3−C5−アルケノイル、−SO2−(C1−C12−アルキル)若しくは−SO2−(C1−C12−アルキルフェニル);又は場合により、1個若しくは2個の、フェニレン、メチルフェニレン、フェニレン−O−フェニレン、シクロヘキサンジイル、メチルシクロヘキサンジイル、トリメチルシクロヘキサンジイル、ノルボルナンジイル、[1,3]ジアゼチジン−2,4−ジオン−1,3−ジイル、3−(6−イソシアナトヘキシル)−ビウレット−1,5−ジイル若しくは5−(6−イソシアナトヘキシル)−[1,3,5]トリアジナン−2,4,6−トリオン−1,3−ジイルにより中断されている、−CO−NH−C1−C12−アルキル若しくは−CO−NH−(C0−C12−アルキレン)−N=C=Oであり; R33及びR34は、相互に独立に、水素、C1−C12−アルキル、C2−C4−ヒドロキシ−アルキル、C3−C10−アルコキシアルキル、C3−C5−アルケニル、C5−C12−シクロアルキル、C7−C9−フェニルアルキル、フェニル、C2−C18−アルカノイル又はベンゾイルであるか;あるいはR33及びR34は、一緒になって、C2−C8−アルキレン(場合により、−O−、−S−又はNR36−により中断されている)であるか、又はC2−C8−アルキレン(場合により、ヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ、−O−CO−(C1−C4−アルキル)、又は−COO(C1−C4−アルキル)により置換されている)であり; R35は、C1−C18−アルキル、ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニル、C1−C12−アルキルフェニル、−CH2−COO(C1−C18−アルキル)、−CH2CH2−COO(C1−C18−アルキル)又は−CH(CH3)−COO(C1−C18−アルキル)であり; R36は、水素、場合により1個以上の近接しない−O−原子により中断されているC1−C12−アルキル、C3−C5−アルケニル、C7−C9−フェニルアルキル、C1−C4−ヒドロキシアルキル、−CH2CH2CN、−CH2CH2COO(C1−C4−アルキル)、C2−C12−アルカノイル又はベンゾイルである(ただし、下記式:で示される化合物は除外される)]で示される光開始剤に関する。定義: 適切な「リンカー」は、直鎖又は分岐のC2−C18−アルカンジイル、又は場合により1個以上の近接しないO−原子により中断されているか、かつ/若しくは場合により1個以上のヒドロキシ原子により置換されているC2−C30−アルカンジイルである。他の適切なリンカーは、1,3−シクロヘキサンジイル、1,4−シクロヘキサンジイル、4−メチル−1,3−シクロヘキサンジイルであるか、又は下記構造:から選択される。 本説明において、「アルキル」という用語は、単独で又は組合せで、直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する;炭素原子の数の上限及び下限は、各場合に与えられる。 「アルコキシ」という用語は、単独で又は組合せで、式:アルキル−O−(ここで、「アルキル」という用語は、先に与えられた意味を有する)の基を意味する。 「アルケニル」という用語は、単独で又は組合せで、1個以上の二重結合を有し、かつ所定数の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖炭化水素ラジカルを意味する。 「アルカノイル」という用語は、単独で又は組合せで、アルカンカルボン酸(ここで、アルカンは、上記アルキルと同義のラジカルを意味する)から誘導されたアシルラジカルを意味する。アルカノイルラジカルの例は、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、4−メチルバレリルなどを含む。 「アルケノイル」という用語は、単独で又は組合せで、アルケンカルボン酸(ここで、アルケンは、上記アルケニルと同義のラジカルを意味する)から誘導されたアシルラジカルを意味する。 「アルカジエン」という用語は、単独で又は組合せで、少なくとも2個の炭素−炭素二重結合を持ち、かつ所定数の炭素原子を含む化合物を含む。 これら全ての化合物は、少なくとも1個の塩基性アミノ基を持ち、よって酸の添加により対応する塩に変換することができる。この酸は、無機又は有機酸であってよい。このような酸の例は、HCl、HBr、H2SO4、H3PO4、モノ−又はポリカルボン酸、例えば、酢酸、オレイン酸、コハク酸、セバシン酸、酒石酸又はCF3COOH、及びスルホン酸、例えば、CH3SO3Hである。好ましい光開始剤: nが、1又は2であり; Lが、リンカーであり; Xが、−O−、−S−又は−NR32−であり; Zが、直接結合であり; R1が、(a)直鎖又は分岐の非置換C1−C12−アルキル; (b)下記式:で示されるラジカル;又は (d)下記式:(式中、Arは、フェニル(非置換であるか、又は1個以上のNO2、−N(R10)2、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、フェノキシ基により置換されている)である)で示されるラジカルであり; R2は、nが1であれば、R1と独立に、R1の意味の1つであり; R2は、nが2であれば、C2−C8−アルキレンであり; R3が、C1−C4−アルキル、C2−C4−アルキル(ヒドロキシ、C1−C4−アルコキシにより置換されている);C3−C5−アルケニルであり; R4は、R3と独立に、R3の意味の1つであるか;あるいはR4は、R3と一緒になって、C4−C5−アルキレン(−O−、−N(R13)−により中断されていてもよい)であり; R5が、水素であり; R6、R7、R8及びR9が、相互に独立に、水素又はメチルであり; R10が、水素、C1−C4−アルキル又はC3−C5−アルケニルであり; R13が、水素又はC1−C4−アルキルであり; R30及びR31が、相互に独立に、水素、C1−C12−アルキル;若しくはC2−C6−アルキル(ヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ、−O−CO−(C1−C4−アルキル)、又は−COO(C1−C4−アルキル)により置換されている);アリル、シクロヘキシル若しくはC7−C9−フェニルアルキル;又はC2−C12−アルカノイル、ベンゾイル若しくはノルボルネノイル;又はC1−C4−アルコキシ、−COOH若しくは−COO(C1−C4−アルキル)により置換されている、C2−C12−アルカノイル、ベンゾイル若しくはノルボルネノイル;又はC3−C5−アルケノイル;又は場合により、1個若しくは2個の、フェニレン、メチルフェニレン、フェニレン−O−フェニレン、シクロヘキサンジイル、メチルシクロヘキサンジイル、トリメチルシクロヘキサンジイル、ノルボルナンジイル、[1,3]ジアゼチジン−2,4−ジオン−1,3−ジイル、3−(6−イソシアナトヘキシル)−ビウレット−1,5−ジイル若しくは5−(6−イソシアナトヘキシル)−[1,3,5]トリアジナン−2,4,6−トリオン−1,3−ジイルにより中断されている、−CO−NH−C1−C12−アルキル若しくは−CO−NH−(C0−C12−アルキレン)−N=C=Oであり; R32が、水素又はC1−C12−アルキルである、式(I)の化合物。 特に好ましいのは、 nが、1又は2であり; Lが、直鎖又は分岐のC2−C18−アルカンジイルであり; Xが、−O−であり; Zが、直接結合であり; R1が、(a)直鎖又は分岐の非置換C1−C3−アルキル; (b)下記式:で示されるラジカル;又は (d)下記式:(式中、Arは、フェニル(非置換であるか、又はCH3−NO2若しくは−N(R10)2により置換されている)である)で示されるラジカルであり; R2は、nが1であれば、R1と独立に、R1の意味の1つであり; R2は、nが2であれば、C2−C8−アルキレンであり; R3が、メチルであり; R4は、メチルであるか;あるいはR4は、R3と一緒になって、−O−により中断されているC5−アルキレンであり; R5が、水素であり; R6、R7、R8及びR9が、水素であり; R10が、水素であり; R30及びR31が、相互に独立に、水素、C1−C12−アルキル;又はヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ若しくは−O−CO−(C1−C4−アルキル)により置換されているC2−C6−アルキル;又はC3−C5−アルケノイルである、式(I)の化合物である。 特に高い反応性は、R1が、ベンジル、4−アミノベンジル、プロピル又はアリルであり、そしてR2が、エチルであるか、又はC2−C8アルキレンである、式(I)の光開始剤によって得られる。例新規な光開始剤の調製: 式(I)の化合物は、既知のケトンから出発して、C−アルキル化又はC−ベンジル化により調製することができる。アミノ基:−NR3R4は、好ましくはアルキル化又はベンジル化の前に導入される。本合成は、EP 0,284,561 B1又はUS 5,077,402に記載されるような一連の反応工程で行われる。 例えば、ハロゲノアリールケトン(例えば、4−フルオロブチロフェノンなど)を出発ケトンとして使用することができる。臭素化後、ジメチルアミノ基を導入し、続いてベンジル化反応を行う。次に求核置換反応でハロゲンをエタノールアミンにより置換する。下記の重要な化合物が得られる。 上の重要な化合物(実施例1、遊離体Eと命名)又は実施例2〜18の化合物は、更に以下に列挙されるような試薬と反応させることができる。下記のリストのラジカルRは、1〜n個の示される官能基を持つことができる。n>1であれば、この多官能試薬を1〜n当量の遊離体(例えば、E)と反応させてもよい。 Eと反応させることができる試薬は以下である:1) 酸、酸ハロゲン化物、直鎖若しくは分岐の酸無水物、COCl2又はラクトン 遊離体Eと、R−COOH、R−COCl、R−CO−O−CO−R、下記式: アミド(A)、エステル(B)又はアミド−エステル化合物(AB)、(ABR)が得られる。 環状アミド−エステル化合物(ABR)の例は以下である:2) アルデヒド又はケトンとの反応 遊離体Eと、R−CHO、R−CO−R 2−オキサゾリジン化合物(A)又は2−オキサゾリジン化合物(B)及び更に別の環状生成物が得られる。3) イソシアネートとの反応 遊離体EとR−N=C=O 尿素誘導体(A)又はウレタン誘導体(B)又は尿素−ウレタン誘導体(AB)又は環状尿素−ウレタン誘導体(ABR)が得られる。4) スルホン酸塩化物との反応 遊離体EとR−SO2−Cl スルホンアミド誘導体(A)、スルホン酸エステル(B)又はスルホンアミド−スルホン酸誘導体(AB)が得られる。5) アルキル化、R−Xとの反応 遊離体Eと、R−ハロゲン又はR−O−SO2−R’又は他の既知のアルキル化剤、 アミン(A)、エーテル(B)又はアミン−エーテル誘導体(AB)が得られる。 例は以下である: こうして得られる化合物は、次に1)、2)、3)、4)、6)、7)又は8)の下に記載されるように、出発物質E’として使用することができる。6) エポキシド又はエピクロルヒドリンとの反応 遊離体Eと下記式: ヒドロキシアルキルアミン化合物(A)又はヒドロキシアルキルエーテル化合物(B)又はヒドロキシアルキルアミン−ヒドロキシアルキルエーテル−化合物(AB)又は環状ヒドロキシアルキルアミン−ヒドロキシアルキルエーテル−化合物(ABR)が得られる。7) アクリレート又はメタクリレートとの反応 遊離体Eと、CH2=CH−CO−OH若しくはCH2=C(CH3)−CO−OH、又は対応する酸塩化物と。 アクリルアミド(A)又はアクリルエステル(B)又はアミド−エステル−化合物(AB)が得られる。 上の化合物から分子内マイケル(Michael)付加反応により得られる環状化合物の例。7a) アクリルアミド(A)、アクリルエステル(B)又はアミド−エステル化合物(AB)は、アミンと反応させることにより以下を得ることができる。7b) アクリルアミド(A)、アクリルエステル(B)又はアミド−エステル化合物(AB)は、アルコールと反応させることにより以下を得ることができる。7c) アクリルアミド(A)、アクリルエステル(B)又はアミド−エステル化合物(AB)は、チオアルコールと反応させることにより以下を得ることができる。 多官能光開始剤の例は以下である:ダイマー又はオリゴマー生成物: 実施例1〜18の化合物は、以下の酸ハロゲン化物、酸無水物、ジ−又はポリカルボン酸、ジ−又はポリアルデヒド、ジ−又はオリゴイソシアネート、ジ−又はオリゴエポキシド、ジ−又はポリアミン、ジ−又はオリゴアルコール、ジ−又はポリチオールと反応させることにより、ダイマー又はオリゴマー生成物を得ることができる。技術的に重要な酸塩化物:技術的に重要な酸無水物:技術的に重要なジ−又はポリカルボン酸技術的に重要なジ−又はポリアルデヒド技術的に重要なジ−又はポリイソシアネート技術的に重要なジ−又はポリエポキシド技術的に重要なジ−又はポリアミン:技術的に重要なジ−又はポリチオール:技術的に重要なジ−又はポリアルコール:Si含有ジ−及びオリゴアルコール。Si含有ジ−及びオリゴ−ラクトン誘導体開始剤とSiとの間の連結残基 N原子でのアルキル化の例は以下である: 本発明により、式(I)の化合物は、エチレン不飽和化合物又はこのような化合物を含む混合物の光重合用の光開始剤として使用することができる。 即ち、本発明はまた、 (A)少なくとも1つのエチレン不飽和化合物、 (B)上記と同義の式(I)の光開始剤を含むことを特徴とする組成物に関する。適切なエチレン不飽和化合物(A) オレフィン二重結合を持つ適切な化合物は、二重結合のラジカル重合により架橋することができる全ての化合物である。このエチレン不飽和化合物は、モノマー、オリゴマー又はプレポリマー、これらの混合物又はこれらのコポリマーであってよい。 ラジカル重合に適したモノマーは、例えば、(メタ)アクリレート、アルケン、共役ジエン、スチレン、アクロレイン、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、無水マレイン酸、フマル酸無水物、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸誘導体(エステル及びアミドなど)、ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデンよりなる群から選択される、エチレン不飽和重合性モノマーである。好ましいのは、(メタ)アクリロイル、ビニリデン及び/又はマレイナート基を有する化合物である。特に好ましいのは、(メタ)アクリレートである。 好ましい(メタ)アクリロイル基の形でラジカル重合性二重結合を含む化合物は、従来法により製造することができる。これは、例えば、OH官能性樹脂(OH官能性ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテル又はエポキシド樹脂など)を、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルでエステル交換すること;上述のOH官能性樹脂を(メタ)アクリル酸でエステル化すること;上述のOH官能性樹脂をイソシアネート官能性(メタ)アクリレートと反応させること;酸官能性樹脂(ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタンなど)をエポキシ官能性(メタ)アクリレートと反応させること;エポキシ官能性樹脂(ポリエステル、ポリアクリレート、エポキシ樹脂など)を(メタ)アクリル酸と反応させることにより進行することができる。一例として述べられたこれらの製造方法は、文献に報告されており、当業者には公知である。 プレポリマー又はオリゴマーの例は、例えば、500〜10,000、好ましくは500〜5,000の数平均分子量を有する、(メタ)アクリロイル官能性(メタ)アクリルコポリマー、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエーテル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート及びエポキシ樹脂(メタ)アクリレートを含む。 (メタ)アクリロイル官能性プレポリマーは、反応性希釈剤、即ち、500g/mol未満の分子量を持つラジカル重合性低分子量化合物と組合せて使用してもよい。反応性希釈剤は、一価、二価又は多価不飽和であってよい。一価不飽和反応性希釈剤の例は、(メタ)アクリル酸及びそのエステル、マレイン酸及びそのエステル、酢酸ビニル、ビニルエーテル、置換ビニル尿素、スチレン、ビニルトルエンである。二価不飽和反応性希釈剤の例は、アルキレングリコール ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオール ジ(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジプロピレングリコール ジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール ジ(メタ)アクリレートのような、ジ(メタ)アクリレート類である。多価不飽和反応性希釈剤の例は、グリセロール トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトール トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトール テトラ(メタ)アクリレートである。反応性希釈剤は、単独で又は混合物として使用することができる。 アクリル酸又はメタクリル酸の適切な塩は、例えば、(C1−C4アルキル)4アンモニウム又は(C1−C4アルキル)3NH塩、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム又はトリエチルアンモニウム塩、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム又はトリエチル−2−ヒドロキシ−エチルアンモニウム塩、ジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム又はジエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩である。 エチレン不飽和化合物は、オレフィン二重結合に加えて、1個以上の更に別の同一であるか又は異なる官能基を含んでいてもよい。官能基の例は、ヒドロキシル、イソシアネート(場合によりブロックされている)、N−メチロール、N−メチロールエーテル、エステル、カルバマート、エポキシ、アミノ(場合によりブロックされている)、アセトアセチル、アルコキシシリル及びカルボキシル基を含む。例には、(メタ)アクリロイル基を持つポリウレタン樹脂、並びにグリセロール モノ−及びジ−(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン モノ−及びジ(メタ)アクリレート又はペンタエリトリトール トリ(メタ)アクリレートがある。 光重合性化合物(A)は、そのままで、又は任意の所望の混合物として使用することができる。添加剤 上述の組成物は、更に通常の添加剤(代案としては、これを重合後に加えてもよい)を含んでいてもよい。このような添加剤は、少量加えることができる(例えば、UV吸収剤又は光安定剤、例えば、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール類、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン類、オキサルアミド類及びヒドロキシフェニル−s−トリアジン類よりなる群から選択される化合物)。特に適切な光安定剤は、N−アルコキシ−Hals化合物(チヌビン(Tinuvin)123など)、又は2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン若しくは2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾール型の立体障害アミンHals化合物よりなる群から選択されるものである。2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン型の光安定剤の例は、特許文献、例えば、US 4,619,956、EP-A-434,608、US 5,198,498、US 5,322,868、US 5,369,140、US 5,298,067、WO-94/18278、EP-A-704,437、GB-A-2,297,091又はWO-96/28431から知られている。US 6,140,326に記載されているような3,3,5,5−多置換モルホリン−2−オン誘導体は、被覆剤用の確立した光安定剤である。 本組成物は更に、レベリング剤、レオロジー作用剤(微粒子ケイ酸、層状ケイ酸塩、尿素化合物など);増粘剤、例えば、部分架橋カルボキシ官能性ポリマー又はポリウレタンに基づくもの;消泡剤、湿潤剤、抗クレーター剤(anti-crater agents)、脱気剤(例えば、ベンゾイン)、酸化防止剤のような、他の通常の添加剤を含んでいてもよい。 本化合物は、更にニトロキシルに基づく重合阻害剤(例えば、イルガスタブ(Irgastab)UV10及び2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−オキシル(4−ヒドロキシ−TEMPO))のような、貯蔵安定性を改善するための添加剤を含んでいてもよい。 式(I)の光開始剤は、二重硬化(double-curing)及び二元硬化(dual curing)システムに適している。二重硬化 二重硬化システムは、エチレン不飽和モノマーを含み、そしてこれは、紫外線により重合することができるか、あるいはIR(赤外線)若しくはNIR(近赤外線)により、又は対流熱により誘導して熱重合することができる。二重硬化システムでは、光開始剤に加えて、熱開始剤が存在する。当該分野において既知の任意の熱開始剤を使用することができる。好ましくは、追加の熱開始剤は、過酸化ジアルキル、過酸化ジクミル、ペルオキソカルボン酸などのような過酸化物、及びUS 5,922,473に開示されているようなアゾ開始剤である。二元硬化 二元硬化システムは、エチレン不飽和モノマーを含み、そしてこれは、IR若しくはNIRにより、又は対流熱により誘導して熱重合することができる。更に、少なくとも1つの第2の熱架橋性化合物が存在する。この第2の化合物は、好ましくはポリオール−イソシアネート反応を介して架橋することにより、ポリウレタンを形成する。 本組成物は、増量剤、及び/又は透明の、色−及び/又は特殊効果付けの顔料及び/又は可溶性染料を含んでもよい。無機又は有機の色付け顔料の例は、二酸化チタン、微粉化二酸化チタン、酸化鉄顔料、カーボンブラック、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン又はピロロピロール顔料を含む。特殊効果付け顔料の例は、メタリック顔料、例えば、アルミニウム、銅又は他の金属;金属酸化物被覆メタリック顔料、例えば、二酸化チタン被覆又は混合酸化物被覆アルミニウムのような、干渉顔料、二酸化チタン被覆雲母のような被覆雲母、及びグラファイトの特殊効果顔料を含む。適切な増量剤の例は、シリカ、ケイ酸アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及びタルクを含む。 式(I)の光開始剤に加えて、別の既知の光開始剤が存在してもよく、例えば、α−ヒドロキシケトン及びα−アミノケトン、フェニルグリオキサレート又はホスフィンオキシドは、グラフィックアート用途において通常使用される光開始剤である。 特に好ましいのは、例えば、以下の市販の光開始剤である: ダロキュア(Darocur)1173: 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン(HMPP)及びオリゴマー(Oligomeric)HMPP、 イルガキュア(Irgacure)184: 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、 イルガキュア2959: 2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノン、 イルガキュア369: 2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、 イルガキュア1300: イルガキュア369 + イルガキュア651(ベンジルジメチルケタール)、 イルガキュア379: 2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、 イルガキュア127: 2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、 イルガキュア754: オキソ−フェニル−酢酸1−メチル−2−[2−(2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ)−プロポキシ]−エチルエステル、 イルガキュア819: ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、 イルガキュア250: 4−イソブチルフェニル−4’−メチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロリン酸塩、 ダロキュアITX: 2−イソプロピルチオキサントン及び4−イソプロピルチオキサントン、 ダロキュアEDB: エチル−4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、 ダロキュアEHA: 2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノ安息香酸エステル;又は上記光開始剤の混合物。 この光重合性組成物は、光開始剤を、組成物に基づいて、有利には0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜8重量%の量で含む。 二元硬化システムでは、少なくとも1つの以下から選択される第2の熱架橋性化合物が存在する: 1. 場合により硬化触媒を加えた、低温又は高温架橋性アルキド、アクリレート、ポリエステル、エポキシ若しくはメラミン樹脂又はこのような樹脂の混合物に基づく、表面被覆剤; 2. ヒドロキシル基含有アクリレート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂と、脂肪族又は芳香族のイソシアネート、イソシアヌレート又はポリイソシアネートとに基づく、2成分ポリウレタン表面被覆剤; 3. チオール基含有アクリレート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂と、脂肪族又は芳香族のイソシアネート、イソシアヌレート又はポリイソシアネートとに基づく、2成分ポリウレタン表面被覆剤; 4. ストービング中に脱ブロックされる、ブロックされたイソシアネート、イソシアヌレート又はポリイソシアネートに基づく、1成分ポリウレタン表面被覆剤(必要ならば、メラミン樹脂の添加も可能である); 5. 脂肪族又は芳香族のウレタン又はポリウレタンと、ヒドロキシル基含有アクリレート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂とに基づく、1成分ポリウレタン表面被覆剤; 6. 場合により硬化触媒を加えた、ウレタン構造に遊離アミン基を有する脂肪族又は芳香族のウレタンアクリレート又はポリウレタンアクリレートと、メラミン樹脂又はポリエーテル樹脂とに基づく、1成分ポリウレタン表面被覆剤; 7. (ポリ)ケチミンと、脂肪族又は芳香族のイソシアネート、イソシアヌレート又はポリイソシアネートとに基づく、2成分表面被覆剤; 8. (ポリ)ケチミンと、不飽和アクリレート樹脂又はポリアセトアセテート樹脂又はメタクリルアミドグリコレートメチルエステルとに基づく、2成分表面被覆剤; 9. カルボキシル−又はアミノ基含有ポリアクリレートと、ポリエポキシドとに基づく、2成分表面被覆剤; 10. 無水物基含有アクリレート樹脂と、ポリヒドロキシ又はポリアミノ成分とに基づく、2成分表面被覆剤; 11. アクリレート含有無水物と、ポリエポキシドとに基づく、2成分表面被覆剤; 12. (ポリ)オキサゾリンと、無水物基含有アクリレート樹脂又は不飽和アクリレート樹脂又は脂肪族若しくは芳香族のイソシアネート、イソシアヌレート若しくはポリイソシアネートとに基づく、2成分表面被覆剤; 13. 不飽和(ポリ)アクリレートと、(ポリ)マロネートとに基づく、2成分表面被覆剤; 14. エーテル化メラミン樹脂と組合せた、熱可塑性アクリレート樹脂又は外部架橋アクリレート樹脂に基づく、熱可塑性ポリアクリレート表面被覆剤; 15. メラミン樹脂(例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン)を架橋剤(酸触媒)とするマロネートでブロックしたイソシアネートに基づく、表面被覆システム、特にクリアコート; 16. 場合により他のオリゴマー又はモノマーを加えた、オリゴマーウレタンアクリレート及び/又はアシレートアクリレートに基づく、UV硬化性システム; 17. 最初に熱、次にUVにより(又はその逆順に)硬化させる、二元システムであり、この表面被覆配合物の成分は、紫外線と光開始剤により、及び/又は電子ビーム硬化により反応させることができる二重結合を含む。 生じる本発明の被覆材料は、有機溶媒を含む従来の被覆材料、水性被覆材料、実質的に又は完全に無溶媒かつ水分のない液体被覆材料(100%システム)、実質的に又は完全に無溶媒かつ水分のない固体被覆材料(粉体塗装材料)、あるいは実質的に又は完全に無溶媒の粉体塗装用懸濁液(粉体スラリー)であってよい。 適切な基体の非限定的な例は、例えば、木、テキスタイル、紙、セラミックス、ガラス、ガラス繊維;ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン又は酢酸セルロースのような、プラスチック(特に薄膜の形のもの)、並びにまたAl、Cu、Ni、Fe、Zn、Mg又はCoのような金属、及びGaAs、Si又はSiO2である。 この被覆組成物はまた、インキ組成物であってもよい。即ち、この基体は、インキ組成物で印刷することにより、基体上のインキ薄膜を形成する。被覆剤の調製 この配合物の成分及び場合により更に別の添加剤は、既知のコーティング法を用いて、例えば、スピンコーティング、浸漬、ナイフコーティング、カーテン流し、刷毛塗り又は吹き付けにより、特に静電吹き付け及びリバースロールコーティングにより、更にまた電気泳動析出法により、基体に均一に適用する。適用量(塗りの厚さ)及び基体(層支持体)の性質は、所望の応用の分野に依存する。塗りの厚さの範囲は、一般に、ゲルコートでは0.1μm〜1mmそして複合材料では1mmを上まわる値を特徴とする。使用 本発明の光硬化性組成物は、種々の目的に、例えば、オーバープリント塗料に、インクジェットインキに、印刷インキに、特にフレキソ印刷インキに、クリアコート、白色コート又は着色ペンキに(例えば、木又は金属用)、粉体塗装に、全ての種類の基体(例えば、木、テキスタイル、紙、セラミックス、ガラス、ガラス繊維;ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン又は酢酸セルロースのような、プラスチック(特に薄膜の形のもの)、並びにまたAl、Cu、Ni、Fe又はZnのような金属、及びGaAs、Si又はSiO2)であって、ここに保護被覆剤が適用されるか、又は画像様曝露により画像が適用される基体用の被覆材料として適している。 金属用の被覆剤の例は、金属シート及び管の上塗りの適用、缶又は瓶の封止、並びに自動車産業における適用のための仕上げ塗りを含む。 紙被覆剤の光硬化の例は、ラベル又はブックカバーに対する無色の上塗りの適用である。 この光重合性組成物は更に、構造物や道路に印を付けるための昼光硬化性ペンキとして、写真の焼き増し技術のため、ホログラフィー記録材料のため、画像記録プロセス用、又は有機溶媒を使用して、若しくは水性アルカリ媒体を使用して現像できる印刷版の製造において、スクリーン印刷用マスクの製造のため、歯科充填コンパウンドとして、接着剤として、感圧接着剤として、積層用樹脂として、エッチレジスト又は永久レジスト(液体及び乾燥塗膜の形状の両方)として、光構造性(photostructurable)誘電体として、及び電子回路用ソルダレジストとして、任意の型のディスプレイスクリーン用のカラーフィルターの製造におけるか、又はプラズマディスプレイ及びエレクトロルミネセントディスプレイの製造中の構造物の作成におけるレジストとして、光学スイッチ、光学格子(干渉格子)の製造において、バルク硬化(透明鋳型でのUV硬化)による又は立体リソグラフィープロセス(例えば、US 4,575,330に記載されている)による三次元物品の製造において、複合材料(例えば、適宜、ガラス繊維及び/又は他の繊維と他の補助剤を含んでいてもよいスチレンポリエステル類)並びに薄い層(ゲルコート)及び層の厚い構成物の製造において、電子部品の被覆又は封止において、あるいは光ファイバーの被覆剤として使用することができる。本組成物は更に、光学レンズ、例えば、コンタクトレンズ又はフレネル(Fresnel)レンズの製造に、また医療用装置、補助具又はインプラントの製造にも適している。 本組成物はまた、例えば、DE 197 00 064及びEP 678,534に記載されているような、屈熱性を有するゲルを製造するために使用することができる。 好ましい使用の領域は、オーバープリント塗料におけるものである。典型的には、これらは、オリゴマー及び/又はモノマーのアクリレート及びアミノアクリレートのような、エチレン不飽和化合物からなる。適切な化合物は、「化合物(A)」の下に列挙される。本発明の化合物及び混合物は、層厚さが小さい(5〜10μm)オーバープリント塗料において特に有効である。 更に別の好ましい使用の領域は、UV硬化性フレキソ印刷インキにおけるものである。このようなインキは、同様に、エチレン不飽和化合物(A)からなり、更にUVフレキソ印刷樹脂/バインダー、並びに流動剤及び着色顔料のような更に別の添加剤を含む。 更に別の好ましい使用の領域は、粉体塗装剤におけるものである。粉体塗装剤は、固体樹脂及び反応性二重結合を含むモノマー(化合物(A))、例えば、マレイン酸塩/エステル、ビニルエーテル、アクリレート、アクリルアミド及びこれらの混合物に基づくことができる。粉体塗装剤はまた、例えば、DE 4,228,514及びEP 636,669に記載されるような、バインダーを含んでいてもよい。UV硬化性粉体塗装剤はまた、白色又は着色顔料を含んでいてもよい。 更に別の好ましい使用の領域は、インクジェットインキにおけるものである。 インクジェットインキは、着色料を含む。 多種多様な有機及び無機の染料及び顔料を、単独で又は組合せで、本発明のインクジェットインキ組成物において使用するために選択することができる。顔料粒子は、噴出ノズルでインキの自由流れを許容できるよう充分に小さい(0.005〜15μm)必要がある。顔料粒子は、好ましくは0.005〜1μmであるべきである。 顔料の非常に微細な分散液及びその調製法は、例えば、US 5,538,548に開示されている。 この顔料は、黒色、白色、シアン、マゼンタ、黄色、赤色、青色、緑色、褐色、その混合色などであってよい。例えば、適切な顔料材料は、カボット・カラー(Cabot Colo.)製のリーガル(Regal)400R、モグル(Mogul)L、エルフテックス(Elftex)320;又はデグッサ社(Degussa Co.)製のカーボンブラック(Carbon Black)FW18、スペシャルブラック(Special Black)250、スペシャルブラック350、スペシャルブラック550、プリンテックス(Printex)25、プリンテックス35、プリンテックス55、プリンテックス150T;及びピグメントブラック(Pigment Black)7のような、カーボンブラックを含む。適切な顔料の追加の例は、例えば、US 5,389,133に開示されている。 適切な白色顔料は、二酸化チタン(ルチル型とアナタース型)、例えば、クロノス(Kronos)製のクロノス(KRONOS)2063、又はザハトレーベン(Sachtleben)製のホムビタン(HOMBITAN)R610 Lである。 適切な顔料は、例えば、C.I.ピグメントイエロー(Pigment Yellow)17、C.I.ピグメントブルー(Pigment Blue)27、C.I.ピグメントレッド(Pigment Red)49:2、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド81:3、C.I.ピグメントレッド81:x、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントバイオレット(Pigment Violet)23、C.I.ピグメントグリーン(Pigment Green)7、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントホワイト(Pigment White)6、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントブルー56、C.I.ピグメントオレンジ(Pigment Orange)5、C.I.ピグメントブラック(Pigment Black)7、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントブルー1:2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントレッド1−10、12、C.I.ピグメントブルー1:X、C.I.ピグメントイエロー42、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントブラウン(Pigment Brown)6、C.I.ピグメントブラウン7、C.I.ピグメントブラウン7:X、C.I.ピグメントブラック11、C.I.ピグメントメタル(Pigment Metal)1、C.I.ピグメントメタル2、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、及び架橋アルミニウムフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントブルー60を含む。 顔料は、必ずではないが、顔料安定剤とも呼ばれる分散剤を含む分散液の形状であってよい。この分散剤は、例えば、特に高分子量ブロックコポリマーの形状の、ポリエステル、ポリウレタン又はポリアクリレート型のものであってよく、そして典型的には顔料の2.5%〜100重量%で組み込まれよう。ポリウレタン分散剤の一例は、EFKA4047である。 更に別の顔料分散液は、(ユニスパース(UNISPERSE)、イルガスパース(IRGASPERSE))及びオラソル染料(ORASOL Dyes)(溶媒可溶性染料):C.I.ソルベントイエロー(Solvent Yellow)146、C.I.ソルベントイエロー88、C.I.ソルベントイエロー89、C.I.ソルベントイエロー25、C.I.ソルベントオレンジ(Solvent Orange)11、C.I.ソルベントオレンジ99、C.I.ソルベントブラウン(Solvent Brown)42、C.I.ソルベントブラウン43、C.I.ソルベントブラウン44、C.I.ソルベントレッド(Solvent Red)130、C.I.ソルベントレッド233、C.I.ソルベントレッド125、C.I.ソルベントレッド122、C.I.ソルベントレッド127、C.I.ソルベントブルー(Solvent Blue)136、C.I.ソルベントブルー67、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ソルベントブラック(Solvent Black)28、C.I.ソルベントブラック29である。 特に強調されるのは、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals Inc.)から市販されているマイクロリス(MICROLITH)顔料調製物である。これらの顔料分散液は、種々の樹脂に、例えば、ビニル樹脂、アクリル樹脂及び芳香族ポリウレタン樹脂に前もって分散させた有機又は無機顔料であろう。マイクロリス−WAは、例えば、アルカリ水/アルコール可溶性アクリル樹脂(水性グラビア及びフレキソ印刷のために特別に開発)に前もって分散させた一連の顔料であって、UV及びインクジェット印刷インキに適合性のある顔料であろう。 マイクロリス(Microlith)−Kインクジェット製品は、ビニル性インキにおいて使用され、そしてこれは、可塑化された硬質のPVC及び金属箔から、ポリマー被覆再生セルロース薄膜までの、多くの基体への良好な接着性を与えるように配合することができる。 本発明のインクジェットインキはまた、より一般的には、チップ、又は顔料(上述のような)とハイパー分散剤(例えば、アヴェシア(Avecia)から入手できるソルスパース(Solsperse))の粉砕によるバインダー担体へのその場での配合のような他の顔料調製物を含む。 基体は、液体組成物、溶液又は懸濁液を基体に適用することにより被覆することができる。溶媒と濃度の選択は、主として組成物の性質及び被覆法により誘導される。溶媒は、不活性である必要がある、即ち、成分と何らかの化学反応を起こしてはならず、そして被覆後の乾燥の過程で再び除去できなければならない。適切な溶媒の例は、ケトン類、エーテル類及びエステル類であり、例えば、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル及び3−エトキシプロピオン酸エチルである。 この配合物は、既知の被覆法を用いて、例えば、スピンコーティング、浸漬法、ナイフコーティング、カーテンコーティング法、刷毛塗り、吹き付け、特に静電吹き付け、及びリバースロールコーティングにより、更にまた電気泳動析出法により、基体に均一に適用する。また、一時的な可撓性支持体に感光層を適用し、次に積層により最終的な基体に層を移送することも可能である。適用の方法の例は、例えば、「ウルマンの工業化学の百科事典(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry)」、第5版、A18巻、pp. 491-500に見い出すことができる。 適用量(層厚さ)及び基体(層支持体)の性質は、目的の応用の分野に依存する。乾燥薄膜の厚さの範囲は、一般に、約0.1μmから100μmを上まわる値までを包含する。 本発明の組成物の感光性は、一般に、約200nm〜NIR又はIR領域までの範囲である。NIR(近赤外線)硬化 本発明の方法において使用されるNIRは、約750nm〜約1500nm、好ましくは750nm〜1200nmの波長範囲の短波長赤外線である。NIRの線源は、例えば、市販されている従来のNIR放射体を含む(例えば、アドフォス(Adphos)製のもの)。IR硬化 本発明の方法において使用されるIRは、約1500〜約3000nmの波長範囲の中波長放射線及び/又は3000nmを上まわる波長範囲の長波長赤外線である。この種のIR放射体は、市販されている(例えば、ヘレウス(Heraeus)製のもの)。UV硬化 光化学硬化工程は、通常約200nm〜約600nm、特に200〜450nmの波長の光を用いて行われる。光源としては、多数の多様な型のものが使用されている。点光源と扁平な投光器(ランプカーペット)の両方が適している。例としては、カーボンアーク灯、キセノンアーク灯、中圧、高圧及び低圧水銀灯(場合により、ハロゲン化金属でドープされている)(金属ハロゲン灯)、マイクロ波励起金属蒸気灯、エキシマー灯、超アクチニド蛍光管、蛍光灯、アルゴン白熱灯、フラッシュランプ、写真用投光照明、電子ビーム、発光ダイオード(LED)及びX線(シンクロトロン又はレーザープラズマを利用して発生)がある。 既に言及したとおり、本発明のプロセスにおける硬化は、専ら電磁線への曝露により起こりうる。しかし硬化すべき配合物の組成に応じて、照射の前、間又は後の熱硬化が有利である。 熱硬化は、当業者には既知の方法により起こる。硬化は一般に、オーブン、例えば、空気循環炉中で、ホットプレート上で、又はIR灯を用いた照射により行われる。使用されるバインダーシステムに応じて、室温での補助なしの硬化も同様に可能である。硬化温度は、一般に、室温〜150℃、例えば、25〜150℃又は50〜150℃である。粉体塗装又は「コイルコート」塗装の場合に、硬化温度はまたもっと高温、例えば、350℃以下であってもよい。 本発明はまた、傷のつきにくい丈夫な表面を製造する方法であって、エチレン不飽和化合物と式(I)の光開始剤を含む組成物を支持体に適用し;そしてこの配合物の硬化を、専ら200nmからNIR又はIR領域にわたる範囲の波長の電磁線の照射により行うか、あるいは電磁線の照射と、事前、同時及び/又は事後の熱の作用とにより行う方法に関する。 本発明はまた、上述の組成物の使用、並びに着色及び非着色表面被覆剤、オーバープリント塗料;印刷インキ、インクジェットインキ、粉体塗装、薄い層(ゲルコート)、複合材料又はガラス繊維ケーブル被覆用の配合物の製造方法に関する。 本発明は更に、多機能光開始剤を調製するための式(I)の化合物の使用に関する。実施例実施例1:2−ベンジル−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−1−ブタノンの合成1.1: 2−ベンジル−1−(4−フルオロフェニル)−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン この化合物は、EP-0,284,561-A2(実施例1B)の手順により調製した。1.2: 2−ベンジル−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン 2−ベンジル−1−(4−フルオロフェニル)−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン44.9g(0.15mol)及びエタノールアミン61.08g(1.05mol)をジメチルアセトアミド400mlに溶解した。炭酸カリウム41.5g(0.3mol)を加え、この懸濁液を撹拌しながら140℃まで加熱した。反応混合物をこの温度で16時間保持し、室温まで冷却して、水で希釈した。酢酸エチルで水相を数回抽出し、合わせた有機抽出液を水で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒の留去により、粗生成物を帯黄褐色の油状物として得た。この生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル、2:1→1:1)により精製した。生成物を含む画分を回収することにより、わずかに帯黄色の固体生成物を得た。酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶により、2−ベンジル−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−1−ブタノンを、109〜111℃で融解する、わずかに帯黄色の結晶として得た。収量:34.7g(68%)。1H−NMRデータは、構造案に一致した。元素分析:C21H28N2O2(MG=340.5)実施例22−[(4−アミノフェニル)メチル]−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−1−ブタノンの合成2.1: 2−[(4−ニトロフェニル)メチル]−1−(4−フルオロフェニル)−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン 実施例1.1に記載されるように得られた2−ベンジル−1−(4−フルオロフェニル)−2−ジメチルアミノ−1−ブタノンを、発煙硝酸に0〜5℃で滴下により加えた:添加後、この反応混合物を1時間撹拌し、続いて氷/水に注ぎ入れた。この溶液をメチルエチルケトンで数回抽出し、有機抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を留去した。粗生成物をこうして帯褐色の油状物として得て、これを石油エーテル/酢酸エチル(4:1)を溶離液として用いるシリカゲルののフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。2−[(4−ニトロフェニル)メチル]−1−(4−フルオロフェニル)−2−ジメチルアミノ−1−ブタノンを帯黄色の油状物として得たが、これは更に精製することなく次の工程に使用した。2.2: 2−[(4−アミノフェニル)メチル]−1−(4−フルオロフェニル)−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン パラジウム担持活性炭(5%)7.0gを、水素化オートクレーブでエタノール700ml中の2−[(4−ニトロフェニル)メチル]−1−(4−フルオロフェニル)−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン69.5g(0.178mol)の溶液に加えた。水素は、室温〜40℃の間の温度で、圧力を5barまで連続的に上昇させながら導入した。25時間後、更なる水素取り込みが観測されなくなった。触媒を濾別して、溶媒の留去後、粗生成物を帯黄色の油状物として得た。薄膜クロマトグラフィーによって、主生成物と少量の副生成物が現れた。この粗生成物は、更に精製することなく次の反応工程に使用した。2.3: 2−[(4−アミノフェニル)メチル]−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン 2−[(4−アミノフェニル)メチル]−1−(4−フルオロフェニル)−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン23.5g(0.078mol)を、実施例1.2に記載されるような条件下でエタノールアミン(33.4g、0.55mol)と反応させた。得られた粗生成物は、最初にヘキサン/酢酸エチル(1:1)→酢酸エチルを溶離液として用いるシリカゲルでの濾過により、続いてシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)により精製した。2−[(4−アミノフェニル)メチル]−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン10.2g(37%)を粘性の黄色の油状物として得た。元素分析::C21H29N3O2(MG=355.48)実施例3:2−エチル−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−1−ペンタ−4−エン−1−オンの合成3.1: 1−(4−フルオロフェニル)−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン この化合物は、EP-0,284,561-A2(実施例1A)の手順により調製した。3.2: 2−エチル−1−(4−フルオロフェニル)−2−ジメチルアミノ−ペンタ−4−エン−1−オン 1−(4−フルオロフェニル)−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン76g(0.363mol)をメチルエチルケトン300mlに溶解した。室温で撹拌しながら、1−ブロモ−プロパ−2−エン48.3g(0.4mol)を1時間で加えることにより、ベージュ色の懸濁液を得た。この反応混合物を室温で18時間撹拌し、そして次に70℃まで加熱した。この温度で粉末水酸化ナトリウム29.05g(0.73mol)を加えた。この反応混合物は橙色に変化し、次に室温まで冷却した。この混合物を水及びジクロロメタンで希釈した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を留去した。こうして得られた粗生成物を、石油エーテル/酢酸エチルを溶離液として用いる、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。2−エチル−1−(4−フルオロフェニル)−2−ジメチルアミノ−ペンタ−4−エン−1−オンを帯黄色の液体として得た。収量:56.9g(63%)。1H−NMRデータは、構造案に一致した。3.3: 2−エチル−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−ペンタ−4−エン−1−オン 2−エチル−1−(4−フルオロフェニル)−2−ジメチルアミノ−ペンタ−4−エン−1−オン24.9g(0.1mol)を、実施例1.2に記載されるような条件下でエタノールアミンと反応させた。粗生成物を帯黄色の液体として得て、これを石油エーテル/酢酸エチルを溶離液として用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより更に精製した。生成物を含む画分を回収して、化合物をヘキサンから再結晶した。2−アリル−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン(16.2g、56%)を、90〜92℃の融点を持つわずかに帯黄色の結晶として得た。1H−NMRデータは、構造案に一致した。実施例4:1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−メチル−2−ジメチルアミノ−1−ペンタ−4−エン−1−オンの合成 この化合物は、1−(4−フルオロフェニル)−2−ジメチルアミノ−1−プロパノンを出発物質として使用したことを除いて、実施例2と同じ手順により調製した。実施例5:2−エチル−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−(モルホリン−4−イル)−1−ペンタ−4−エン−1−オンの合成5.1: 1−(4−フルオロフェニル)−2−(モルホリン−4−イル)−1−ブタノン モルホリン85.3g(0.98mol)をテトラヒドロフラン200mlに溶解して、0℃まで冷却した。テトラヒドロフラン200ml中の1−(4−フルオロフェニル)−2−ブロモ−1−ブタノン(EP-A-3002に記載される方法により得た)100g(0.41mol)を、0℃でこの溶液に滴下により加えた。次にこの反応混合物を16時間50℃まで加熱し、次に室温まで冷却した。この混合物を水中に注ぎ入れ、酢酸エチルで数回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を真空で留去した。1−(4−フルオロフェニル)−2−(モルホリン−4−イル)−1−ブタノン(102g、99%)をこうして帯褐色の液体として得て、構造は1H−NMR分析により確認した。この粗生成物は、更に精製することなく次の反応工程に使用した。5.2: 2−エチル−1−(4−フルオロフェニル)−2−(モルホリン−4−イル)−ペンタ−4−エン−1−オン 鉱物油中の水素化ナトリウムの50%懸濁液56g(水素化ナトリウム0.22mol)を、ジメチルホルムアミド100mlに加えた。ジメチルホルムアミド50mlに溶解した1−(4−フルオロフェニル)−2−(モルホリン−4−イル)−1−ブタノン45.2g(0.16mol)をこの懸濁液に室温で滴下により加え、続いて一晩撹拌した。次に1−ブロモ−2−プロペン19.36gを滴下により加えた。温度を50℃まで上昇させ、そして溶液をこの温度で16時間保持した。冷却後、イソプロパノール5mlの添加により過剰の水素化ナトリウムを分解して、続いて反応混合物を氷/水混合物に注ぎ入れた。有機生成物を酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を留去した。こうして得られた粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/石油エーテル、4:1)により精製した。2−エチル−1−(4−フルオロフェニル)−2−(モルホリン−4−イル)−ペンタ−4−エン−1−オン(17.8g、38%)を帯黄色の油状物として得た。1H−NMR分析は、構造案に一致した。この化合物を次の工程に使用した。5.3: 2−エチル−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−(モルホリン−4−イル)−1−ペンタ−4−エン−1−オン 2−エチル−1−(4−フルオロフェニル)−2−(モルホリン−4−イル)−ペンタ−4−エン−1−オン11.4g(0.04mol)を、実施例1.2に記載されるような条件下でエタノールアミン17.1g(0.28mol)と反応させた。粗生成物は、石油エーテル/酢酸エチル(2:3)を溶離液として用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。純粋な2−エチル−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−(モルホリン−4−イル)−1−ペンタ−4−エン−1−オン(3.6g、27%)を帯黄色の粘性油として得た。元素分析:C19H28N2O5(MG=332.44)実施例6:1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−メチル−2−(モルホリン−4−イル)−1−プロパノンの合成 1−(4−フルオロフェニル)−2−(モルホリン−4−イル)−1−プロパノン(DE 19753655-A1、実施例1bに記載されるように調製)9.6g(0.03mol)を、実施例1.2に記載されるような条件下でエタノールアミン12.85g(0.21mol)と反応させた。この粗生成物は、石油エーテル/酢酸エチル(1:2)を溶離液として用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含む画分を回収して、帯褐色の結晶をヘキサン/酢酸エチル(4:1)から再結晶した。純粋な1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−メチル−2−(モルホリン−4−イル)−1−プロパノン(5.1g、58%)を77〜78℃の融点を持つベージュ色の結晶として得た。元素分析:C16H24N2O3(MG=292.4)実施例7:2−エチル−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−1−ペンタン−1−オンの合成 2−アリル−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン10.1gを酢酸エチル100mlに溶解した。Pd/炭素(5%)1gの添加後、H2(100%)0.78lの取り込みに達するまで、反応混合物を常圧で水素で処理した。触媒の濾過後、溶媒を留去した。粗生成物をヘキサンから再結晶することにより、2−エチル−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−1−ペンタン−1−オン6.8g(67%)を、74〜77℃の融点を持つわずかに帯黄色の固体として得た。元素分析:C17H28N2O2(MG=292.4)実施例8:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−{[4−(2−アセトキシエチル−2−ヒドロキシエチル−アミノ)−フェニル}−1−ブタノンの合成8.1: 1−{[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェニル}−1−ブタノン 1−(4−フルオロフェニル)−1−ブタノン49.5g(0.3mol)と315.4g(3.0mol)を鋼製オートクレーブ中で100時間8〜10barの圧力下で200℃まで加熱した。冷却後、反応混合物を氷/水に注ぎ入れ、有機相を分離して、水相を酢酸エチルで数回抽出した。有機抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を留去した。帯褐色の粗生成物を、酢酸エチル/石油エーテルを溶離液として用いてシリカゲルで濾過した。1−{[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェニル}−1−ブタノンを固体として得て、これを酢酸エチル/ヘキサン(7:2)中で再結晶することにより、生成物を72〜75℃の融点を持つベージュ色の固体として得た。8.2: 1−{[4−[ビス(2−アセトキシエチル)アミノ]フェニル}−2−ブロモ−1−ブタノン 1−{[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェニル}−1−ブタノン34.9g(0.138mol)を酢酸500mlに溶解した。この溶液を塩化水素ガスで飽和させ、続いて0〜5℃に冷却した。臭素22.2g(0.138mol)をこの温度で90分間かけて加えた。続いて反応混合物を室温で一晩撹拌した。窒素流下で加熱後、反応混合物を30%水酸化ナトリウム溶液550mlにゆっくり注ぎ入れた。酢酸エチルで抽出し、続いて硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を留去することにより、1−{[4−[ビス(2−アセトキシエチル)アミノ]フェニル}−2−ブロモ−1−ブタノン55gを帯褐色の液体として得た。8.3: 2−ジメチルアミノ−1−{[4−[ビス(2−アセトキシエチル)アミノ]フェニル}−1−ブタノン 1−{[4−[ビス(2−アセトキシエチル)アミノ]フェニル}−2−ブロモ−1−ブタノン25g(0.06mol)を、エタノール中のジメチルアミンの33%溶液25g(ジメチルアミン0.18mol)に0℃で滴下により加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌し、そして次に溶媒を真空で留去した。2−ジメチルアミノ−1−{[4−[ビス(2−アセトキシエチル)アミノ]フェニル}−1−ブタノン20.0g(88%)を帯黄色の液体として得たが、これは更に精製することなく次の反応工程に使用した。8.4: 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−{[4−[ビス(2−アセトキシエチル)アミノ]フェニル}−1−ブタノン メチルエチルケトン25ml中の2−ジメチルアミノ−1−{[4−[ビス(2−アセトキシエチル)アミノ]フェニル}−1−ブタノン12.5gの溶液に、臭化ベンジル5.64g(0.033mol)を滴下により加えた。この反応混合物を4時間70℃まで加熱した。次に、粉末水酸化ナトリウム2.64g(0.066mol)を加え、この混合物を更に2時間加熱した。冷却後、反応混合物を水及び酢酸エチルで希釈した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を留去することにより、帯黄色の粘性液体を得た。この粗反応混合物は、石油エーテル/酢酸エチル(1:1)を溶離液として用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。単離した第1の画分は、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−{[4−[ビス(2−アセトキシエチル)アミノ]フェニル}−1−ブタノン8.4gからなり、帯黄色の油状物として得られた。元素分析:C27H36N2O5(MG=468.59)8.5: 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−{[4−(2−アセトキシエチル−2−ヒドロキシエチル−アミノ)−フェニル}−1−ブタノン 8.4の下に記載されるクロマトグラフィーからの第2の画分は、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−{[4−(2−アセトキシエチル−2−ヒドロキシエチル−アミノ)−フェニル}−1−ブタノン3.4gを帯黄色の油状物として含んでいた。実施例9:2−ベンジル−1−{[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェニル}−2−ジメチルアミノ−1−ブタノンの合成 実施例8.5により得られた2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−{[4−(2−アセトキシエチル−2−ヒドロキシエチル−アミノ)−フェニル}−1−ブタノン3.4g(0.008mol)を水に懸濁して、粉末水酸化ナトリウムで70℃で、そして次に還流しながら処理した。5時間後、反応混合物を室温まで冷却して、酢酸エチルで抽出した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を留去した。石油エーテル/酢酸エチルを溶離液として用いたシリカゲルのクロマトグラフィー後に、2−ベンジル−1−{[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェニル}−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン1.7g(55%)を帯黄色の油状物として得た。元素分析:C23H32N2O3(MG=384.52)実施例10:2−ジメチルアミノ−1−{[4−(2−アセトキシエチル−2−ヒドロキシエチル−アミノ)−フェニル}−2−エチル−1−ペンタ−4−エン−1−オンの合成 この化合物は、工程8.4において臭化ベンジルの代わりに臭化アリルを使用したことを除いて、実施例8に記載された手順と同様に調製した。本化合物は、帯黄色の粘性油として得た。元素分析:C21H32N2O4(MG=376.50)実施例11:2−ジメチルアミノ−1−{[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−フェニル}−2−エチル−1−ペンタ−4−エン−1−オンの合成 この化合物は、出発物質として実施例10の化合物を使用したことを除いて、実施例9に記載された手順と同様に調製した。本化合物は、帯黄色の粘性油として得た。元素分析:C19H30N2O3(MG=334.46)実施例12:2−ジメチルアミノ−1−{[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−フェニル}−2−エチル−1−ペンタン−1−オンの合成 この化合物は、水素化の出発物質として実施例11の化合物を使用したことを除いて、実施例7に記載された手順と同様に調製した。本化合物は、帯黄色の粘性油として得た。元素分析:C19H32N2O3(MG=336.47)実施例13:1−{[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−フェニル}−2−エチル−2−モルホリン−4−イル)−1−ペンタ−4−エン−1−オンの合成 この化合物は、アミノ化工程においてジメチルアミンの代わりにモルホリンを使用したことを除いて、実施例11に記載された手順と同様に調製した。本化合物は、帯黄色の粘性油として得た。元素分析:C21H32N2O4(MG=376.47)実施例14:2−ベンジル−1−{4−[(2−ヒドロキシエチル)−アクリロイル−アミノ]フェニル}−2−ジメチルアミノ−1−ブタノンの合成 2−ベンジル−1−[4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェニル]−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン(実施例1)6.0g(0.018mol)をメチルエチルケトン50mlに溶解して、0〜5℃に冷却した。水5ml中の水酸化ナトリウム1.4gの溶液を加え、続いて塩化アクリロイル1.8gを滴下により加えた。添加が終了したら、反応混合物を更に10分間撹拌して水に注ぎ入れた。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥して、真空で溶媒を留去した。得られた帯褐色の油状物は、石油エーテル/酢酸エチルを溶離液として用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。第1の画分(2.0g)は、1H−NMR分析によると、60%の2−ベンジル−1−{4−[(2−アクリロイルオキシエチル)−アミノ]フェニル}−2−ジメチルアミノ−1−ブタノン及び40%の2−ベンジル−1−{4−[(2−アクリロイルオキシエチル)−アクリロイル−アミノ]フェニル}−2−ジメチルアミノ−1−ブタノンからなっていた。 第2の画分(2.0g)は、純粋な2−ベンジル−1−{4−[(2−ヒドロキシエチル)−アクリロイル−アミノ]フェニル}−2−ジメチルアミノ−1−ブタノンであった。元素分析:C24H30N2O3(MG=394.52)実施例15:2−ジメチルアミノ−2−エチル−1−{4−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−フェニル}−ペンタ−4−エン−1−オンの合成 アルゴン雰囲気下の300mlスルホン化フラスコで、2−ジメチルアミノ−2−エチル−1−[4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−フェニル]−ペンタ−4−エン−1−オン2.90g(10mmol)をTHF 55ml及びアセトニトリル137mlに溶解した。37%ホルムアルデヒド水溶液4.5ml(60mmol)を25℃で10分間で加え、続いてシアノ水素化ホウ素ナトリウム2.21g(30mmol)を加えた。25℃で10分後、この混合物を50℃で4時間撹拌し、室温まで冷却して、水100mlで希釈した。この黄色の半固体を塩化メチレンに再溶解し、飽和NaHCO3水溶液20mlと水で洗浄し、有機相を食塩水及び硫酸ナトリウムで乾燥して、真空下で溶媒を留去することにより、標題化合物2.3g(75%)を黄色の油状物として得た。実施例16:2,8−ジアリル−2,8−ビス−ジメチルアミノ−1,9−ビス−[4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−フェニル]−ノナン−1,9−ジオンの合成16.1: 1,9−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ノナン−1,9−ジオン フルオロベンゼン290ml中のAlCl3 32.0gの懸濁液に、アゼライン酸二塩化物25gを撹拌しながら0〜10℃で加えた。この反応混合物を一晩撹拌し、続いて希塩酸で加水分解した。ジクロロメタンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を留去後、1,9−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ノナン−1,9−ジオン37.4gを帯黄色の液体として得た。16.2: 2,8−ジブロモ−1,9−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ノナン−1,9−ジオン 1,9−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ノナン−1,9−ジオン37.4g(0.11mol)を、実施例8.2に記載されたのと類似の条件下で臭素35.16g(0.22mol)で臭素化した。2,8−ジブロモ−1,9−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ノナン−1,9−ジオン57.9gを得たが、これは更に精製することなく次の反応工程に使用した。16.3: 2,8−ジメチルアミノ−1,9−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ノナン−1,9−ジオン 2,8−ジブロモ−1,9−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ノナン−1,9−ジオン30.2gを、実施例8.3に記載された条件下でジメチルアミン5.6molと反応させた。2,8−ジメチルアミノ−1,9−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ノナン−1,9−ジオン23.9gを帯黄色の粘性油として得た。16.4: 2,8−ジアリル−2,8−ジメチルアミノ−1,9−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ノナン−1,9−ジオン 2,8−ジメチルアミノ−1,9−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ノナン−1,9−ジオン12.9g(30mmol)を、実施例3.2に記載された条件下で臭化アリル7.98g(66mmol)と反応させた。2,8−ジアリル−2,8−ジメチルアミノ−1,9−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ノナン−1,9−ジオン8.66g(57%)を粘性の帯黄色の油状物として得たが、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル、9:1)により精製した。16.5: 2,8−ジアリル−2,8−ビス−ジメチルアミノ−1,9−ビス−[4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−フェニル]−ノナン−1,9−ジオン エタノールアミン9.16g(0.15mol)を、ジメチルアセトアミド中の2,8−ジアリル−2,8−ジメチルアミノ−1,9−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ノナン−1,9−ジオン5.7g(0.01mol)と実施例1.2に記載された条件下で反応させた。単離後、粗生成物は、イソプロパノール/ジクロロメタン及び次にエタノール/ジクロロメタンを溶離液として用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。2,8−ジアリル−2,8−ビス−ジメチルアミノ−1,9−ビス−[4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−フェニル]−ノナン−1,9−ジオン3.8g(64%)を非常に粘性の帯黄色の油状物として得た。実施例17:2,5−ジアリル−2,5−ビス−ジメチルアミノ−1,6−ビス−[4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−フェニル]−ヘキサン−1,6−ジオンの合成 この化合物は、工程15.1においてアゼライン酸の代わりにアジピン酸二塩化物を使用したことを除いて、実施例15に記載された方法により調製した。本化合物は、95〜96℃の融点を持つ帯黄色の固体として得た。実施例18:2,5−ジベンジル−2,5−ビス−ジメチルアミノ−1,6−ビス−[4−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−フェニル]−ヘキサン−1,6−ジオンの合成 この化合物は、臭化アリルの代わりに臭化ベンジルを使用したことを除いて、実施例16に記載された方法により調製した。本化合物は、126〜127℃の融点を持つ帯黄色の固体として得た。適用実施例実施例19: 白色紙上の青色オフセット印刷インキの硬化 光硬化性青色オフセット印刷インキは、以下の処方により調製した: 18.3gのエベクリル(Ebecryl)(登録商標)1608(UCB(ベルギー)) 18.3gのエベクリル(登録商標)657(ポリエステルアクリレート、UCB(ベルギー)製) 20.0gのエベクリル(登録商標)220(ウレタンアクリレート、UCB(ベルギー)製) 20.9gのエベクリル(登録商標)150(ビスフェノールA誘導体ジアクリレート、UCB(ベルギー)製) 22.5gのイルガリット(Irgalit)青色GLO(Cuフタロシアニン顔料、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)製) 上記成分をすりつぶしてストックペーストにした。ストックペーストの一部を表に示した光開始剤(ストックペーストに対する重量%)と混合した。この配合物中の開始剤の溶解度は、良好(+)、許容範囲(±)又は不良(−)として評価し、結果は表1に示した。 こうして得られた青色印刷インキを、プリューフバウ(Pruefbau)実験室印刷装置を用いて白色紙に1.5g/m2(〜1.5μm厚さ)で適用した。この試料を、80W/cm水銀灯(IST)の照射装置で曝露した。そして照射装置を通る試料の通過速度は、充分な硬化が起こらなくなるまで、連続的に上昇させた。インキが、表面硬化及びスルー硬化(through cure)に関する特性試験をなおも合格する最大速度を表1に示した。硬化薄膜の臭気は、1(無臭)〜3(悪臭)のスケールで評価した。 結果は、実施例1の化合物が、同等又はそれ以上に可溶性かつ無臭でありながら、光開始剤として対照化合物よりも効率的であることを示した。実施例20: 白色ポリエチレン箔上の青色フレキソ印刷インキの硬化 光硬化性青色フレキソ印刷インキは、以下の処方により調製した: 26.9gのIRR440(フレキソ塩基性樹脂) 19.0gのOTA480(アクリル化三官能樹脂、UCB(ベルギー)) 18.0gのエベクリル(登録商標)645(25%のTPGDAで希釈したビスフェノールAエポキシ樹脂の修飾ジアクリレート、UCB(ベルギー)製) 13.0gのHDDA(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート) 10.0gのエベクリル(登録商標)220(ウレタンアクリレート、UCB(ベルギー)製) 1.3gのエベクリル(登録商標)168(メタクリル化酸性化合物、UCB(ベルギー)製) 0.7gのDC57(レベリング剤) 11.1gのイルガリット青色GLO(Cuフタロシアニン顔料、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 上記成分をすりつぶしてストックペーストにした。ストックペーストの一部を表に示した光開始剤(ストックペーストに対する重量%)と混合した。この配合物中の開始剤の溶解度は、良好(+)、許容範囲(±)又は不良(−)として評価し、結果は表2に示した。 こうして得られた青色印刷インキを、プリューフバウ実験室印刷装置を用いてコロナ処理した白色ポリエチレン箔に1.38g/m2(1.5μm厚さ)で適用した。この試料を、120W/cm水銀灯(IST)の照射装置で曝露した。そして照射装置を通る試料の通過速度は、充分な硬化が起こらなくなるまで、連続的に上昇させた。インキが、表面硬化及びスルー硬化に関する特性試験をなおも合格する最大速度を表2に示した。硬化薄膜の箔に対する接着性は、テーザ(Tesa)テープ試験により測定した。 式(I):[式中、 nは、1であり; Lは、直鎖又は分岐のC2−C18アルカンジイルであり; Xは、−O−であり; Zは、直接結合であり; R1は、(a)直鎖又は分岐のC1−C12−アルキル(非置換であるか、又は1個以上のC1−C4−アルキルオキシ、フェノキシ、ハロゲン若しくはフェニル基により置換されている); (b)下記式:で示されるラジカル; (c)下記式:(式中、qは、0、1、2又は3である)で示されるラジカル;又は (d)下記式:(式中、Arは、フェニル(非置換であるか、又は1個以上のハロゲン、OH、NO2、−N(R10)2、C1−C12−アルキル、C1−C4−アルキル(更にOH、ハロゲン、N(R10)2、C1−C12−アルコキシ、−COO(C1−C18−アルキル)、−CO(OCH2CH2)nOCH3又は−OCO(C1−C4−アルキル)により置換されている);C1−C12−アルキルオキシ、C1−C4−アルキルオキシ(更に−COO(C1−C18−アルキル)又は−CO(OCH2CH2)nOCH3により置換されている);−OCO(C1−C4−アルキル)、C1−C8−アルキルチオ、フェノキシ、−COO(C1−C18−アルキル)、−CO(OCH2CH2)nOCH3、フェニル若しくはベンゾイル基により置換されている(ここで、nは、1〜20である))である)で示されるラジカルであり; R2は、R1と独立に、R1の意味の1つであるか;あるいは R1は、R2と一緒になって、下記式:(式中、mは、1又は2である)で示される環を形成し; R3は、水素、C1−C12−アルキル、C2−C4−アルキル(1個以上のヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ、−CN、−COO(C1−C4−アルキル)基により置換されている);C3−C5−アルケニル、C5−C12−シクロアルキル又はC7−C9−フェニルアルキルであり; R4は、C1−C12−アルキル、C2−C4−アルキル(1個以上のヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ、−CN、−COO(C1−C4−アルキル)基により置換されている);C3−C5−アルケニル、C5−C12−シクロアルキル、C7−C9−フェニルアルキル、フェニルであるか;あるいはR4及びR2は、一緒になって、C1−C7−アルキレン、C7−C10−フェニルアルキレン、o−キシリレン、2−ブテニレン又はC2−C3−オキサ−若しくはアザアルキレンであるか;あるいはR4及びR3は、一緒になって、C3−C7−アルキレン(−O−、−S−、−CO−又は−N(R13)−により中断されていてもよく、かつヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ又は−COO(C1−C4−アルキル)により置換されていてもよい)であり; R5は、水素又はC1−C4−アルキルであり; R6は、水素、C1−C8−アルキル又はフェニルであり; R7、R8及びR9は、相互に独立に、水素又はC1−C4−アルキルであるか、あるいはR7及びR8は、一緒になって、C3−C7−アルキレンであり; R10は、水素、C1−C8−アルキル、C3−C5−アルケニル、C7−C9−フェニルアルキル、C1−C4−ヒドロキシアルキル又はフェニルであり; R11及びR12は、相互に独立に、水素又はC1−C4−アルキルであるか、あるいはR11及びR12は、一緒になって、C3−C7−アルキレンであり; R13は、水素、C1−C12−アルキル(1個以上の−O−により中断されていてもよい)又はC3−C5−アルケニル、C7−C9−フェニルアルキル、C1−C4−ヒドロキシアルキル、−CH2CH2CN、−CH2CH2COO(C1−C4−アルキル)、C2−C8−アルカノイル、又はベンゾイルであり; R30及びR31は、水素である(ただし、下記式:で示される化合物は除外される)]で示される光開始剤。 R1が、(a)直鎖又は分岐の非置換C1−C12−アルキル; (b)下記式:で示されるラジカル;又は (d)下記式:(式中、Arは、フェニル(非置換であるか、又は1個以上のNO2、−N(R10)2、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、フェノキシ基により置換されている)である)で示されるラジカルであり; R3が、C1−C4−アルキル、C2−C4−アルキル(ヒドロキシ、C1−C4−アルコキシにより置換されている);C3−C5−アルケニルであり; R4は、R3と独立に、R3の意味の1つであるか;あるいはR4は、R3と一緒になって、C4−C5−アルキレン(−O−、−N(R13)−により中断されていてもよい)であり; R5が、水素であり; R6、R7、R8及びR9が、相互に独立に、水素又はメチルであり; R10が、水素、C1−C4−アルキル又はC3−C5−アルケニルであり;及び R13が、水素又はC1−C4−アルキルである、請求項1記載の光開始剤。 R1が、(a)直鎖又は分岐の非置換C1−C3−アルキル; (b)下記式:で示されるラジカル;又は (d)下記式:(式中、Arは、フェニル(非置換であるか、又はCH3−、NO2若しくは−N(R10)2により置換されている)である)で示されるラジカルであり; R3が、メチルであり; R4は、メチルであるか;あるいはR4は、R3と一緒になって、−O−により中断されているC5−アルキレンであり; R5が、水素であり; R6、R7、R8及びR9が、水素であり;及び R10が、水素である、請求項2記載の光開始剤。 nが、1であり、R1が、ベンジル、4−アミノベンジル、プロピル又はアリルであり、そしてR2が、エチルであるか、又はC2−C8アルキレンである、請求項1〜3のいずれか1項記載の光開始剤。 (A)少なくとも1つのエチレン不飽和化合物; (B)請求項1記載の式(I)の光開始剤を含むことを特徴とする、組成物。 請求項5記載の組成物を硬化させるための光開始剤としての、請求項1記載の式(I)の化合物の使用。 多官能光開始剤を調製するための、請求項1記載の式(I)の化合物の使用。


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