生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_2−ケト−L−グロン酸エステルの製造方法
出願番号:2006543485
年次:2007
IPC分類:C07C 67/08,C07C 69/716,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

ドームシュケ,トーマス メルガー,マルティン ヘーゼ,フランク レッシュ,ピーター ファオスト,ティルマン JP 2007513912 公表特許公報(A) 20070531 2006543485 20041210 2−ケト−L−グロン酸エステルの製造方法 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 595123069 BASF Aktiengesellschaft 平木 祐輔 100091096 石井 貞次 100096183 藤田 節 100118773 ドームシュケ,トーマス メルガー,マルティン ヘーゼ,フランク レッシュ,ピーター ファオスト,ティルマン DE 10359023.4 20031215 C07C 67/08 20060101AFI20070427BHJP C07C 69/716 20060101ALI20070427BHJP C07B 61/00 20060101ALN20070427BHJP JPC07C67/08C07C69/716 ZC07B61/00 300 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW EP2004014069 20041210 WO2005056511 20050623 10 20060724 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AC48 4H006BA28 4H006BA36 4H006BA37 4H006BA66 4H006BC10 4H006BC11 4H006BC31 4H006BD20 4H006BD84 4H006BN10 4H006BR10 4H006KA06 4H039CA66 4H039CD10 4H039CD30 本発明は2-ケト-L-グロン酸エステルの新規製造方法に関する。 2-ケト-L-グロン酸エステルはL-アスコルビン酸(ビタミンC)を合成するための重要な中間物である。 アルコールによる、特に低級アルキルアルコールによる、酸性触媒のもとでの2-ケト-L-グロン酸のエステル化は多数の文献から公知である。かかるエステル化は、通常、酸性触媒、例えば、硫酸、塩酸、スルホン酸または強酸性イオン交換樹脂の存在のもとで実施される。 エステルへの転化は水の生成を伴う平衡反応である。従って、ケトグロン酸エステル転化および収率は反応混合物の水含量に大きく依存する。. 多くの場合、2-ケト-L-グロン酸を一水和物、すなわち、等モル比の水を伴う形態で使用する(WO 99/03853;US 5,128,487)。 EP 0535927 A1では、エステル化で2-ケト-L-グロン酸とアルキルアルコールから生成する水は、使用するアルコールの一部分と一緒に蒸留除去され、そして新しいアルコール(蒸気として)により置き換えられる。 蒸気による水の除去は、1〜3個の炭素原子の鎖長を有する低級アルコールの場合、蒸気相のアルコール分率が通常5%未満であるので、非常に効率的というわけではない。従って、高エネルギーを投入して、非常に大量のアルコール;例えば、エステル化すべき2-ケト-L-グロン酸1kg当たりメタノール10kgを蒸留しなければならない。さらに、この方法はまた、反応空間において長い滞留時間(攪拌容器内での回分操作の場合10時間まで)を必要とし、不可逆性二次反応ならびに出発物質および生成物の分解を起こしうる。 WO 99/03853は、二段階エステル化を行う変法を記載している。最初に、水なしで加熱し、次いでアルコールと水を実質的に蒸発除去し、そして次いで新しい無水アルコールを用いてエステル化を続行する。 JP-A 3-38579およびUS 5,128,487は、最初に不完全なエステル化も伴う、純粋な2-ケト-L-グロン酸エステルの製造を記載している。未エステル化2-ケト-L-グロン酸を塩基を用いて選択的にその塩に転化し、次いで沈降させる。この方法は、ケトグロン酸塩をエステル溶液から分離しなければならないだけでなく、再び(例えば、イオン交換により)プロトン化し、次いで結晶化により単離しなければならないので、非経済的である。さらに、ケトグロン酸塩に付着するエステルの回収も必要である。 EP 0671405は、2-ケト-L-グロン酸を、酸性触媒としてイオン交換体を充填した管状反応器中で、メタノールまたはエタノールとそれぞれ反応させることによる、2-ケト-L-グロン酸エステル、とりわけ、2-ケト-L-グロン酸メチルおよびエチルの連続生産を記載している。その場合、98%を超える2-ケト-L-グロン酸転化が達成される。この方法おいては、エステル化中に水が取除かれないのでケトグロン酸を完全に溶解しかつ高い転化を得るために、高い初期メタノール/ケトグロン酸比が必要である。混合物におけるメタノール中のケトグロン酸の比率は8〜15重量%であり、これは5.7〜11.5:1の重量比に対応する。エステル化の後、溶液を濃縮しなければならない、すなわち大部分のアルコールを取り除いて、アスコルビン酸を得る次のラクトン化において母液除去を介するアスコルビン酸ナトリウムの損失が出来るだけ少なく留まるようにしなければならない。さらに、特にポリヒドロキシ化合物が急速にその表面を覆うので、イオン交換体の寿命は限られたものでしかない。 DE 199 38980はケトグロン酸エステルの連続製造方法を記載している。ケトグロン酸を熱表面上の液膜中で水を除去することによりエステル化する。しかし、水除去は高級アルコール(例えば、n-ブタノール)の場合においてのみ効率的である。実施例によると、それどころか、ケトグロン酸を水に溶解し、その後に熱表面上を通過させる。高級アルコール(C4由来)の場合、エステル化速度が低いので、装置の次元を経済的に好都合な限界内に保つため、エステル化は85℃を超える温度で実施しなければならない。しかし、70℃を超える温度では最終生成物の望ましくない変色が起こる。 従って、本発明の目的は2-ケト-L-グロン酸C1-C10-アルキルエステルを製造する方法であって、生成した水を除去せずにかつ異相触媒の寿命が制限されようにこれを管理し、しかもそれにも関わらず経済的なやり方で高い転化率を保証する上記方法を提供することであった。さらに、最初に述べた先行技術の欠点を避けなければならない。 本発明者らは、反応カスケードにおいて酸性均一系触媒の存在のもとで無水2-ケト-L-グロン酸の無水C1-C10-アルキルアルコールによるエステル化によって2-ケト-L-グロン酸C1-C10-アルキルエステルを製造する方法であって、上記反応カスケードは少なくとも2基の反応器を含んでなり、これらの反応器の1基はエステル化で生成する水を反応空間から除去しない管状反応器である、上記方法を見出した。 鎖長が1〜10個の炭素原子を有する全ての慣用のアルコール、しかし、特にメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノールおよびtert-ブタノールがアルキルアルコールとして好適である。 無水アルコールは、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満そして特に好ましくは0.2重量%未満の水分を含有するアルコールとして定義される。かかる無水アルコールは市販されているかまたは容易に当業者に公知の乾燥方法、例えばモレキュラーシーブによって製造することができる。 アルキルアルコール対2-ケト-L-グロン酸の重量比は広範囲で変化しうる。1.5:1〜5:1(アルキルアルコール:無水2-ケト-L-グロン酸)の重量比を採用するのが好ましい。この場合、ケトグロン酸はアルキルアルコールに完全に可溶でなければならない。特にメタノールによるエステル化に対する非常に有利な重量比は3:1である、というのは、第1に、この場合、十分なエステル溶解度が達成されて高い平衡転化(97mol%のエステル)を得ることができ、そして第2に、得られるエステル溶液のさらなる処理(アルカリラクトン化)前の濃縮が避けられるからである。 エステル化に必要なアルキルアルコールは同時に反応溶媒となる。さらなる溶媒を使用してもよいが通例、必要でない。 強い鉱酸、好ましくは硫酸もしくは塩酸、または強い有機酸、例えばスルホン酸を均一系触媒として用いることができる。触媒対ケトグロン酸の重量比は、使用する酸に依存し;硫酸の場合、例えば0.001〜0.05:1である。 エステル化は、好ましくは、大気圧および50〜70、特に55〜68℃の温度で行う。より高い圧力および温度は、平衡をより迅速に達成させるが、望ましくない二次反応も引き起こす。 圧力および温度は個々のカスケードにおいて異なりうる。 少なくとも2基の反応器、好ましくは反応器3基を反応器カスケードとして用い、これらの反応器の1つは管状反応器である。通常、管状反応器はカスケードの最後の反応器として接続される。管状反応器の設計/次元は当業者に馴染みのものであって、本発明による方法に対する最適化は、簡単な研究に基づいて行うことができる。さらなる実施形態を実験の節で開示する。 管状反応器にはまた、慣用の充填物を装入して反応物の徹底的な混合を達成することができる。反応器内の平均滞留時間は累積ほぼ30分〜10時間、好ましくは1〜5時間である。 本発明によれば、エステル化反応で生成する水は、選択的にしろまたはアルキルアルコールと一緒にしろ反応空間から取り除くことはしない。この手順は、通常、水/アルコールの除去(蒸留)にかかるエネルギーコストを節約することができるので、特に経済的である。 エステル化の後、触媒酸を適当な量の塩基を用いて中和することができる。 本発明による方法は回分式および連続式の両方で運転することができる。好ましい実施形態は連続操作である。 本発明の方法によって得た2-ケト-L-グロン酸エステルは、塩基、好ましくは水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムにより直接ラクトン化して対応するアスコルビン酸塩を得ることができる。通常、92〜95%の収率が96%までの純度で得られる。 本発明の方法のさらなる展開をサブクレームに記載する。実施例1攪拌反応器2基と管状反応器1基のカスケード 反応器カスケードは、1) 結晶無水2-ケト-L-グロン酸、メタノールおよび硫酸の質量制御計量装置、2-ケト-L-グロン酸を漏斗へ流す循環ポンプ、プロペラ攪拌機および邪魔板、次の反応器へのオーバーフローを備えた2.5L攪拌容器(使用反応容積ほぼ2L);2) プロペラ攪拌機および邪魔板、次の反応器への底部排出口とポンプを備えた2.5L攪拌容器(使用反応容積ほぼ2L);3) 管状反応器(コイル状管;10mm x 1.98mm x 36m、容積1L)から構成される。エステル化の運転: 650g/hの無水2-ケト-L-グロン酸(約99%純度、水含量<0.5重量%)、1950g/hのメタノールおよび7.7g/hの濃硫酸を第1反応器中へ計量した。反応器を大気圧および内部温度約65〜66℃にて全平均滞留時間約2時間で運転した。 排出物は96〜97mol%収率(HPLCによって測定)の2-ケト-L-グロン酸メチルを含んだ。実施例2攪拌容器2基と管状反応器1基のカスケード カスケードは、循環ポンプおよび攪拌機を備えた1L攪拌容器2基、ならびに液相法により運転しかつオーバーフローを有する管状反応器(ガラス球を充填した1Lガラス管、使用容積約0.5L)エステル化の運転: 200g/hの無水2-ケト-L-グロン酸(約99%純度、水含量<0.5重量%)、600g/hのメタノールおよび2.3g/hの濃硫酸を第1反応へ計量した。反応器は大気圧および内部温度約65〜66℃にて全平均滞留時間約2.5時間で運転した。 第2攪拌反応器出口にて、90〜92mol%の収率の2-ケト-L-グロン酸メチルを得た。管状反応器の排出物は95〜97mol%の収率(HPLCによって測定)の2-ケト-L-グロン酸メチルを含んだ。 反応カスケードにおいて酸性均一系触媒の存在のもとで無水2-ケト-L-グロン酸の無水C1-C10-アルキルアルコールによるエステル化によって2-ケト-L-グロン酸C1-C10-アルキルエステルを製造する方法であって、上記反応カスケードは少なくとも2基の反応器を含んでなり、これらの反応器の1基はエステル化で生成する水を反応空間から除去しない管状反応器である、上記方法。 2-ケト-L-グロン酸メチルまたはエチルを製造する、請求項1に記載の方法。 連続的に行われる、請求項1に記載の方法。 アルキルアルコール対無水ケトグロン酸の重量が1.5:1〜5:1である、請求項1に記載の方法。 エステル化を50〜70℃にて大気圧で行う、請求項1に記載の方法。 反応カスケードにおいて酸性均一系触媒のもとで無水2-ケト-L-グロン酸の無水C1-C10-アルキルアルコールによるエステル化によって2-ケト-L-グロン酸C1-C10-アルキルエステルを製造する方法であって、上記反応カスケードは少なくとも2基の反応器を含んでなり、これらの反応器の1基はエステル化で生成する水を反応空間から除去しない管状反応器である、上記方法。


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