生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_アリールジアゾニウム塩の製造法および求核試薬との反応
出願番号:2006516371
年次:2006
IPC分類:C07C 17/02,C07C 25/18,C07C 205/12


特許情報キャッシュ

ムーディ,デービッド・ジョン ハミル,ノエル・アンソニー JP 2006527243 公表特許公報(A) 20061130 2006516371 20040603 アリールジアゾニウム塩の製造法および求核試薬との反応 アベシア・ファーマシューティカルズ・リミテッド 505453734 社本 一夫 100089705 小野 新次郎 100140109 小林 泰 100075270 千葉 昭男 100080137 富田 博行 100096013 野矢 宏彰 100104374 ムーディ,デービッド・ジョン ハミル,ノエル・アンソニー GB 0313110.9 20030607 C07C 17/02 20060101AFI20061102BHJP C07C 25/18 20060101ALI20061102BHJP C07C 205/12 20060101ALI20061102BHJP JPC07C17/02C07C25/18C07C205/12 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW GB2004002339 20040603 WO2004108633 20041216 16 20060207 4H006 4H006AA02 4H006AC30 4H006BE23 4H006EA22 本発明は、アリールジアゾニウム塩およびそれらの誘導体の反応、さらに詳しくは疎水性イオン液体のそのような反応における利用に関する。 芳香族ジアゾニウム塩は各種化学反応において用いられ、そして例えば官能化染料および置換芳香族化合物、最も一般的にはハロ−芳香族化合物等の製造に広く用いられるため重要な化合物である。 ジアゾ化反応では、一般に、亜硝酸を用いてアミンを酸化してジアゾニウム塩を形成する。実際には、これらの塩は、加熱すると直ちに窒素を失い、乾燥状態では非常に爆発性となるので、0〜5℃の溶液中で通常製造される。 アリールジアゾニウム塩の重要な反応には、ジアゾニウム基(N2+)が例えばハロゲンまたはニトリル基のような求核性基に入れ代わる置換反応が含まれる。ジアゾニウム塩がかかわるいくつかの合成反応の場合、ジアゾニウム塩が本質的に不安定であり、爆発する可能性を有していても、望ましい化合物へのさらなる反応の前に、塩を単離しなければならない。 さらに、ジアゾニウム塩が単離されない反応では、望ましい生成物の収量は、競合求核反応の結果、かなり減少しうる。 従って、ジアゾニウム塩自体を単離する必要なく、それによって、ジアゾニウム塩の利用および反応に伴う固有の危険性を回避し、ジアゾニウム塩を製造および利用して望ましい芳香族生成物を高収量で得ることができる方法が求められている。 LaaliおよびGettwert(Journal of Fluorine Chemistry 107 (2001), 31)は、単離されたジアゾニウムテトラフルオロボーレート塩の乾燥イオン液体への不活性条件下での添加によって、バルツ−シーマン反応をイオン液体溶媒中でどのように行うことができるかを記載している。またこの引例には、ニトロシウム塩(ニトロシウムテトラフルオロボーレート(NO+BF4−)またはニトロシウムヘキサフルオロホスフェート(NO+PF6−))を用いる不活性条件下でのその場でのジアゾ化反応が記載されている。トリフルオロアセテート(CF3CO2−)、トリフレート(−OTf)またはトシレート(−OTs)に基づくイオン液体を用いると、これらのイオン液体共陰イオン(co-anions)のアリール陽イオンへの求核付加が生じる。必要とされるフッ素化芳香族化合物は、無水条件を用いるとき、すなわち、単離かつ乾燥されたジアゾニウム塩および乾燥イオン液体を用いるときにのみ得られる。さらに、上の引例に記載されたその場でのジアゾ化反応は、本質的に遅く、高価な試薬を用いる。 米国特許第4,265,810号には、芳香族アミンから誘導される双性イオンジアゾニウム塩の回収法が開示されている。この特許には、双性イオンジアゾニウム塩を、それらが形成される液体から容易に分離することができるジアゾニウム塩粒子が得られるように、陽イオン界面活性剤の存在下でジアゾ化することによって凝集する方法が開示されている。そこには疎水性イオン液体の使用に関する開示はない。 我々はこのたび意外なことに、疎水性イオン液体を使用することにより、ジアゾニウム塩をその場で、例えば適切な求核化学種と反応させると、ジアゾニウム塩を単離する必要なくかつ無水条件にすることなく、望ましいアリール化合物を得ることができることを見出した。 従って、本発明は、初めにアリールジアゾニウム塩を水性溶媒系中で生成させ、次いでアリールジアゾニウム塩を疎水性イオン液体で分配し、それによって、アリールジアゾニウム塩を先に単離する必要なく、疎水性イオン液体中でにおいてアリールジアゾニウム塩と適切な求核化学種とを反応させて望ましい生成物とする、アリールジアゾニウム塩またはそれらの誘導体における求核置換反応を行う方法を提供する。 ジアゾニウム塩 本発明で用いられるアリールジアゾニウム塩およびそれらの誘導体は、公知の試薬およびジアゾ化法を用いて製造される。公知のジアゾ化法の例は、亜硝酸(HNO2)のような適したジアゾ化剤の存在下での芳香族アミンの酸化である。亜硝酸は不安定であるため、それは、アルカリ金属亜硝酸塩と酸との反応によって必要なときに一般に製造される。 本発明のジアゾ化反応に用いるのに適した無機亜硝酸塩の例は、例えば、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムおよび亜硝酸カルシウムである。適した有機亜硝酸塩の例は、特に、亜硝酸t−ブチルおよび亜硝酸アミルである。最も好ましい亜硝酸塩は亜硝酸ナトリウムである。 ジアゾ化法で用いるのに適した酸の例は、塩酸、硫酸およびテトラフルオロ硼酸のような無機酸である。適した有機酸の例は、トリフルオロ酢酸およびメタンスルホン酸である。本発明によりアリールジアゾニウム塩を製造するのに用いられる酸の最も好ましい形は、塩酸または臭化水素酸のような無機酸である。 本発明のジアゾ化反応に一般に用いられる芳香族アミンの例は、一般式(1):ArNH2 式(1)(式中、 Arは、置換されていてもよい単環式もしくは多環式アリール、置換されていてもよい単環式もしくは多環式アラルキルまたは置換されていてもよい単環式もしくは多環式へテロアリール部分あるいはそれらの組み合わせである)を有する。 Arが置換されていてもよい単環式もしくは多環式アリール部分であるとき、置換されていてもよいフェニル、ナフチル、ビフェニル、ベンゾフラニルまたはジベンゾフラニル基が好ましい。最も好ましいのは置換されていてもよいフェニル基である。 Arが置換されていてもよい単環式もしくは多環式アラルキル部分であるとき、置換されていてもよいベンジル、スチレニルまたはインデニル基が好ましい。 Arが置換されていてもよい単環式もしくは多環式へテロアリール部分であるとき、置換されていてもよいピラジン、ピリミジン、チアゾリル、ピリジル、フラニル、ピラニル、キノリンまたはクマリン基が好ましい。 単環式もしくは多環式アリール、アラルキルおよびヘテロアリール部分上の好ましい所望による置換基は、例えば、置換されていてもよいC1−10アルキル、より好ましくは置換されていてもよいC1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ−C1−4アルコキシ、(ヒドロキシ−C1−4アルコキシ)−C1−4アルコキシ、−OH、−COOH、−PO3H2、−SO3H、−CF3、−CF2CF3、−NH2、−NH(C1−4アルキル)、−NH(ヒドロキシ−C1−4アルキル)、−N(ヒドロキシ−C1−4アルキル)2、−NH(−C(O)(C1−4アルキル)、−N(C1−4アルキル)2、−N(C1−4アルキル)(−C(O)(C1−4アルキル))、ハロ(例えば、フッ素、塩素または臭素)、ニトロ、シアノ、−C(O)(C1−4アルキル)、−SO2(C1−4アルキル)、置換されていてもよいホスホアミド、−SC1−6アルキル、−S(ヒドロキシ−C1−4アルキル)、−SO2C1−6アルキル、−SO2N(C1−6アルキル)2、−SO2N(ヒドロキシ−C1−6アルキル)2、−SOC1−6アルキル、−OC1−6アルキル、−O(ヒドロキシ−C1−6アルキル)、−C(O)C1−6アルキル、−C(O)C1−4アルコキシ、−C(O)(ヒドロキシ−C1−4アルキル)、−C(O)N(C1−4アルキル)2、−C(O)N(ヒドロキシ−C1−4アルキル)2、−C(O)−NH(C1−4アルキル)、中断されていてもよいアルキレンおよびアルケニレン基、例えばエチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、2−ヒドロキシ−1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、2,3−ブチレンおよび2,4−ブチレン、2−メチル−1,3−プロピレン、2−メチル−2,4−ペンチレン、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン、1−クロロ−2,3−プロピレン、1,6−へキシレン、1,5−へキシレン、−CH2NHCH2−、1−カルボキシ−1,5−ペンチレン、2,7−へプチレン、3−メチル−1,6−へキシレン、−CH2CH=CHCH2−、−CH2CH2OCH2CH2−、−CH2CH2SCH2CH2−、および−COOR(Rは、置換されていてもよいアルキル、アリールまたはヘテロアリール部分である)である。 本発明のジアゾ化反応で一般に用いられる好ましい芳香族アミンは、ArNH2が式(2):(式中、 Yは前記のような所望による置換基であり;そして nは0、1、2または3である)の置換されていてもよいアニリン化合物で表されるものである。 好ましい芳香族アミンは、Yが、ニトロ、シアノ、ハロまたは式−OR1(R1はC1−4アルコキシである)のアルコキシ基であるものである。 本発明のジアゾ化反応で一般に用いられる特に好ましい芳香族アミンは、式(3)、(4)または(5):で示されるものである。 イオン液体 イオン液体は伝統的には1種以上の塩を含む。イオン液体が2種類の塩を含むとき、2成分イオン液体と一般に呼ばれる。イオン液体が3種類の塩を含むとき、3成分イオン液体と呼ばれる。以下同様。そのような塩は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム([emim]+)のような大きい有機陽イオンと、テトラフルオロボーレート(BF4−)またはヘキサフルオロホスフェート(PF6−)のような各種陰イオンとを化合することによって通常形成される。反対に荷電した大きいイオンと小さいイオンとのこの組み合わせは、イオン液体が塩化ナトリウムのようなイオン塩に対して非常に異なった作用をすることを意味する。塩化ナトリウムでは、反対に荷電したイオンはイオン相互作用によってつなぎ合わされて、規則正しい格子にイオン配列する。特定の理論に結び付けることは望まないが、塩化ナトリウムのような塩とは対照的に、イオン液体では、陽電荷イオンは負電荷イオンに比べてより大きく、その結果、陽電荷は陽イオン全体に効果的に「シェアー」される。従って、立体効果および/または拡散イオン電荷のため、イオン間距離と呼ばれる、イオン液体中のイオン間の距離はより大きく、次いでイオン液体塩に伴う格子エネルギーの低下が起こる。従って、イオン液体化合物は周囲温度および圧力で液体である。 本発明の疎水性イオン液体は、望ましい温度で水と混合したとき、2相溶液を形成することができるのが好ましい。疎水性イオン液体は陽イオンおよび陰イオンを含むのが好ましく、有機または無機のいずれでもよい。適した陰イオンの例は、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[NTf2]、ヘキサフルオロホスフェート[PF6−]、テトラフルオロボーレート(BF4−)、ジシアンアミド、SO42−、HSO4−、アセテート、トリフルオロアセテート、ホスフィネート、トリフレート、トシレート、メシレートおよびペルフルオロブチレートである。多くの場合、イオン液体と水との間の相分離は温度によって変わり、そして陽イオン−陰イオンの組み合わせに大いに依存する。例えば、[bmim][BF4]は室温で水と混和性であるが、[C8ピリジニウム][BF4]は室温で2相を形成する。望ましい性質を有する適したイオン液体の例は、Rogers等, Industrial & Engineering Chemistry Research (2003), 42(3), 413-418(参照することによってここに記載されたものとする)に開示されている。 本発明のイオン液体に用いられる好ましい陰イオンはフッ素化合物、例えばヘキサフルオロホスフェート[PF6−]、テトラフルオロボーレート(BF4−)およびビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドである。 本発明のイオン液体に用いられる好ましい陽イオンは4級化窒素またはリン化合物、例えば、1−アルキルまたはアリール−3−イミダゾリウム化合物、N−アルキル−およびN−アリール−ピリジニウム、ピペリジニウム、ピロリジニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、テトラ−アルキルホスホニウム、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン)、ピラゾリウム、オキサゾリウム、チアゾリウムおよびキノリニウムに基づく。水と混合したとき、イオン液体が2相溶液を形成することができさえすれば、本発明ではどのような陽イオンも用いることができる。 本発明で用いるのに適した疎水性イオン液体の別の性質には、室温で無意な蒸気圧、高い溶媒和能および広い液体範囲(例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド([emim][NTf2])は400℃までの液体範囲を有する)が含まれる。イオン液体のさらに別の性質には、有機および荷電成分に対して極めて良好な溶媒として作用する能力が含まれる。 本発明で用いるのに適した疎水性イオン液体の例は、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート[bmim][PF6](サケム社からACROSの登録商標名で入手しうる)、[emim][NTf2](コバレント・アソシエイツ社から入手しうる)、[emim][PF3(C2F5)3](メルク社から入手しうる)およびテトラデシルトリヘキシルホスホニウムブロミド(サイテック社から入手しうる)である。 本発明で用いるのに適した好ましい疎水性イオン液体は、[emim][NTf2]1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、[bmim][PF6]N−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、[bbim][Br]1−ジブチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、および[C4DBU]Brカーボンテトラ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンブロミド(undec-7-ene bromide)よりなる群から選択される。 水混和性有機溶媒がジアゾ化反応自体を妨害しなければ、本発明によるジアゾ化反応が水混和性有機溶媒の存在下でも行いうることは、本技術分野における当業者にとって明らかなことであろう。しかしながら、本発明によるジアゾ化反応は、どのような水混和性有機溶媒も不在の水中で行うのが好ましい。 本発明によるジアゾ化反応が行われる反応媒質の疎水性が、例えば、2種以上のイオン液体の使用によって、あるいは特定の水非混和性有機溶媒の存在下または不在下での1種以上のイオン液体混合物の使用によって調節することができることも、本技術分野における当業者にとって明らかなことであろう。水非混和性有機溶媒は、イオン液体と相互作用しない、そしてイオン液体と相互に可溶性であるものを選択するのが好ましい。適した水非混和性有機溶媒の例は、塩素化炭化水素、ケトン、例えば4−メチル−2−ペンタノン(MIBK)および芳香族炭化水素である。しかしながら、本発明によるアリールジアゾニウム塩の反応は水非混和性有機溶媒の存在下で行わないのが好ましい。 アリールジアゾニウム塩の形成が完了すると、アリールジアゾニウム塩は本発明のとおりに疎水性イオン液体層に分配される。次に、アリールジアゾニウム塩をさらに反応させると、望ましい最終生成物を得ることができる。塩が疎水性イオン液体中にある間、アリールジアゾニウム塩と共に行うことができる反応には、バルツ−シーマン反応およびサンドマイヤー反応がある。 バルツ−シーマン反応は伝統的には、アリールジアゾニウム塩の芳香族環上のジアゾニウムイオン(−N2+)をフッ素に代えるもの、すなわち、例えば、アリールジアゾニウム塩をその場で熱分解してフルオロアレンを生じるようなフルオロ脱ジアゾ化反応である。フッ素の芳香族、複素芳香族およびポリ芳香族化合物への位置特異的導入は、医薬および農業研究並びに染料化学のより正統的な領域を含めた化学の様々な分野における有用な反応である。 バルツ−シーマン反応は一般に、フルオボーレート塩を加熱することによってフッ素を芳香族環に導入することが関係する。フルオボーレート塩は、例えば亜硝酸および塩酸(HCl)を用いて上記のようなジアゾ化反応をまず行い、次いで、NaBF4、HBF4またはNH4BF4の冷水溶液を加えることによって一般に製造される。あるいは、HBF4をジアゾ化の酸として用いて、反応を直接行うこともできる。一般に、ジアゾ化されることができるどのような芳香族アミンもBF4−塩を形成するであろう。 アリールジアゾニウム塩のさらに重要な反応は、金属塩、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、またはニトリルもしくはチオシアネート基のようなプソイドハロゲンを含む第1銅ハロゲン化物との置換反応であり、ここで、ジアゾニウムイオンが適切な求核化学種に入れ代わる。アリールジアゾニウム塩のこの種の芳香族求核置換反応はサンドマイヤー反応として一般的に知られており、銅の存在が一般に必要である。サンドマイヤー反応は、アリールジアゾニウム塩と、臭化、塩化またはシアン化第1銅とをその場での反応させて、アリールハロゲン化物およびニトリルをそれぞれ生成するのに特に重要である。アリールヨウ化物も、アリールジアゾニウム塩をヨウ化カリウム(KI)と反応させるサンドマイヤータイプの反応を用いて合成しうる。しかしながら、サンドマイヤー反応は、ヨウ化銅またはフッ化銅で試みると失敗する。伝統的に、ジアゾニウム塩と反応させる求核化学種が臭化物、塩化物またはニトリルであるならば、求核化学種は、臭化銅(I)、塩化銅(I)またはシアン化銅(I)の形のいずれかの適切な銅(I)塩の形でサンドマイヤー反応により通常導入される。本発明のさらなる側面では、このたび意外にも、塩素、臭素、ヨウ素、ニトリルまたはチオシアネートのような求核化学種を、疎水性イオン液体により導入することができ、そしてそれによって、銅塩のような求核化学種を供給する必要なくアリールジアゾニウム塩と反応させることができることを見出した。その結果、そのような求核化学種は疎水性イオン液体に、望ましい成分、例えば、シアン化ナトリウム(NaCN)、シアン化テトラエチルアンモニウムまたは臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)を含有する無機または有機塩として導入される。 また意外にも、求核化学種として疎水性イオン液体に導入した臭化物を用いて行ったサンドマイヤータイプの反応が、疎水性イオン液体を用いずに水性環境で行った伝統的なサンドマイヤー反応と比較して、臭化物置換アリール化合物の収量を高めることも見出した。 本発明の実験研究から、第1銅ハロゲン化物およびシアン化物のような金属塩を疎水性イオン液体に入れ代えることによって行われるサンドマイヤータイプの反応が、反応を疎水性イオン液体で行ったとき、例えば競合する求核副反応の結果として生成されるフェノールがほとんどまたは全くない一般的な銅試薬と比較して、望ましいアリール生成物の選択性を増加させることが分かった。さらに、疎水性イオン液体中で行われるサンドマイヤータイプの反応では、銅塩で行われる一般的な反応よりも収量が高くなり、そして疎水性イオン液体反応の場合、重金属廃棄物の廃棄が回避される利点を有する。 本発明の好ましい態様では、求核化学種はF−を含み、アリール求核置換反応はバルツ−シーマン反応である。本発明の別の好ましい態様では、求核化学種はCl−、Br−、CN−またはチオシアネートを含み、この場合、アリール求核置換反応はサンドマイヤータイプの反応である。 上記のように、ジアゾニウム部分の代わりに芳香族環に導入される求核化学種がフッ素であるとき、フッ素はBF4−の形でジアゾニウムイオン液体に通常提供される。 ジアゾニウム部分の代わりに芳香族環に導入される求核化学種がCl−、Br−、CN−またはチオシアネートであるとき、Cl−、Br−、CN−またはチオシアネートは前に記載のような求核添加物の形で通常提供される。 一般に、アリール化合物の工業的フッ素化は、高温(一般には400〜500℃)で、フッ素源としてのフッ化カリウムを用いるハロゲン交換によって、あるいは無水フッ化水素(HF)またはテトラフルオロ硼酸の存在下でアリールジアゾニウム塩を合成し、次に熱分解することによって行われる。下記の実施例に従い、このたび、疎水性イオン液体を用いることによって、アリールジアゾニウム塩の実質的に無水の溶液を製造することができ、その後、これをさらに反応させて熱分解によってフルオラレンを形成することができることを見出した。疎水性イオン液体をアリールジアゾニウム塩の抽出剤として用いると、アリールジアゾニウム塩と接触する水の量が制限され、芳香族求核反応で一般に得られる不所望なフェノール副生成物は、形成されるとしても、かなり減少する結果となる。 疎水性イオン液体中に存在する求核化学種の量は、一般に、アリールジアゾニウム塩の量に対して1当量を越える。しかしながら、求核化学種の量が製造プロセスの経済によっても決まることは、本技術分野における当業者にとって容易に理解されるであろう。 形成されると、バルツ−シーマン反応またはサンドマイヤータイプ反応のいずれかによりそれぞれ製造されたアリール化合物は、疎水性イオン液体から容易に単離することができる。適した抽出法は、例えば、共沸蒸留、蒸発、または真空蒸留、蒸気ストリッピング、またはジエチルエーテルもしくは脂肪族炭化水素のような適当な溶媒を用いる溶媒抽出であり、純粋な形の安定したアリール化合物が得られる。 本発明の好ましい態様は、 工程1において、芳香族アミンを水性溶媒系中でジアゾ化してアリールジアゾニウム塩を生成し、 工程2において、アリールジアゾニウム塩を含有する水性溶媒系を疎水性イオン液体と接触させ、それによって、アリールジアゾニウム塩の少なくとも一部を水性溶媒系から疎水性イオン液体に移し、 工程3において、アリールジアゾニウム塩と適切な求核化学種とを疎水性イオン液体中で反応させて、疎水性イオン液体からアリールジアゾニウム塩を先に単離する必要なく望ましい生成物を得る、アリールジアゾニウム塩またはそれらの誘導体において求核置換反応を行う方法を含む。 本発明のより好ましい態様は、 工程1において、芳香族アミンを水性溶媒系中でジアゾ化してアリールジアゾニウム塩を生成し、 工程2において、アリールジアゾニウム塩を含有する水性溶媒系を疎水性イオン液体と接触させ、それによって、アリールジアゾニウム塩の少なくとも一部を水性溶媒系から疎水性イオン液体に移し、 工程3において、アリールジアゾニウム塩を含有する疎水性イオン液体を水性溶媒系から分離し、 工程4において、アリールジアゾニウム塩と適切な求核化学種とを疎水性イオン液体中で反応させて、疎水性イオン液体からアリールジアゾニウム塩を先に単離する必要なく望ましい生成物を得る、アリールジアゾニウム塩またはそれらの誘導体において求核置換反応を行う方法を含む。 芳香族アミン、工程1におけるジアゾ化条件、アリールジアゾニウム塩、水性溶媒系、疎水性イオン液体および求核化学種は上に記載のとおりである。 本発明の別の側面では、疎水性イオン液体が上記の反応の1つで用いられ、そして望ましいアリール化合物が回収されると、疎水性イオン液体を単離し、再使用して、高価な求核置換反応のコストを下げることがさらに可能であることが意外にも分かった。 本発明のさらに別の側面では、求核化学種が、調節された反応でより安定な対イオンを有するジアゾニウム塩と反応させると、高収量および高選択性で望ましい求核付加生成物を得ることができることも意外にも分かった。従って、フルオロアレンの形成に用いることができるフルオロボーレート塩のような自己反応性ジアゾニウム塩を、望ましい求核化学種(例えば、臭素、塩素およびニトリル)を含むイオン液体に加え、反応させて、望ましい生成物を得てもよい。これによって、サンドマイヤー反応が銅を用いることなく行え、そしてより安定で単離可能なジアゾニウム塩(例えば、BF4)を得ることが可能となる。 本発明を次の実施例によってさらに説明する。 実施例1: 4,4´−メチレンジアニリンのビス(4−フルオロフェニル)メタンへの変換 4,4´−メチレンジアニリン(1ミリモル)をHBF4(25重量%、2ml)に0℃で溶解した。蒸留水(0.5ml)に溶解した亜硝酸ナトリウム(2.1ミリモル)(0.145g)を4,4´−メチレンジアニリンに滴加した。白色沈殿が形成し、得られた混合物を20℃で20分間攪拌して、ジアゾ化工程を完了させた。 次に、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート[bmim][PF6](2g)(7ミリモル)を反応混合物に加えると、沈殿が直ちに溶解し、混合物は黄色疎水性イオン液体層と透明な水性層に分離した。 透明な水性層はデカンテーションによって除いた。残りの疎水性イオン液体層はフラッシュし、乾燥窒素(N2)を用いて乾燥し、試料容器を大気との接触から密閉した。次に、疎水性イオン液体層を90℃で90分間加熱すると、その間にイオン液体はピンク色になり、激しい泡立ちが見られた。冷却後、イオン液体をジエチルエーテル(5×5ml)で抽出し、エーテル性抽出物を真空中で濃縮すると黄色油状物が得られた。 得られた黄色油状物は1H−NMRで82%のビス(4−フルオロフェニル)メタンであることを確認した。ビス(4−フルオロフェニル)メタンの全体収率は、4,4´−メチレンジアニリンの初めの重量に基づいて計算すると75%であった。 実施例2: 4−ニトロアニリンの4−ブロモニトロベンゼンへの変換 4−ニトロアニリン(5ミリモル、0.69g)を臭化水素酸(6.5ml)(18%、約2.3M)に室温で溶解し、混合物を攪拌しながら、氷浴中で10℃に冷却した。亜硝酸ナトリウム(NaNO2)(5.5ミリモル、0.345g)を蒸留水(1ml)に溶解し、次に、10分間にわたって酸性アミン溶液に滴加した。これによって、亜硝酸煙霧が発生した。最後の数滴は激しく攪拌しながら非常にゆっくり加えた。混合物は、温度を10℃より上に上げることなく30分間、ジアゾ化させた。 次に、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[emim][NTf2]を溶液に加えると、混合物は淡黄色水性酸性層と暗赤色イオン液体層に速やかに分離した。透明層はデカントし、さらにイオン液体層を乾燥することはしなかった。 1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド[bmim][Br](5ミリモル)(1g)をイオン液体層に加えて、粘性オレンジ色溶液を形成した。次に、液体メルトを80℃で15分間加熱した。このうちの10分間は窒素が激しく発生した。冷却後、イオン液体をジエチルエーテル(5×5ml)で抽出した。エーテル性抽出物を真空中で濃縮すると黄色結晶が得られた(0.46g、46%)。HPLCから生成物の純度は90%を越えることが分かった。 水性層を[emim][NTf2](1ml、4ミリモル)で第2の抽出を行い、[bmim][Br]を再び加えた(2.5ミリモル、0.5g)。この第2の抽出のために上記の手順を繰り返し、黄色結晶(0.20g、20%)を得た。HPLCから生成物の純度は85%を越えることが分かった。 ジアゾ化、抽出および分解を含む4−ブロモニトロベンゼンの製造の全体収率は、出発物質4−ニトロアニリンに対して66%であった。 実施例3: 4−ニトロアニリンの4−クロロニトロベンゼンへの変換 実施例3a 4−ニトロアニリン(5ミリモル、0.69g)を塩酸(6.5ml、9%、約2.3M)に室温で溶解した。溶液は氷浴中で10℃に冷却した。亜硝酸ナトリウム(5.05ミリモル、0.348g)を蒸留水(1ml)に溶解し、そして10分間にわたって滴加し、最後の数滴は激しく攪拌しながら非常にゆっくり加えた。混合物は、温度を10℃より上に上げることなく30分間、ジアゾ化させた。 実施例3b: 塩化物源としての[emim][Cl]の添加を伴う[emim][NTf2]での抽出 1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[emim][NTf2](2ml、3.1g、8ミリモル)を(a)からの溶液に加えると、混合物は淡黄色水性酸性層と暗黄色(疎水性)イオン液体層に速やかに分離した。混合物を3分間攪拌して、(a)で形成されたジアゾニウム塩をイオン液体層に抽出させた。水性層はデカントし、さらにイオン液体層を乾燥することはしなかった。水性層を[emim][NTf2](上記と同じ)で再度抽出し、フラクションを合わせた。 [Emim][Cl](5ミリモル、0.71g)を一緒にしたフラクションに加え、得られた液体メルトを80℃で90分間加熱した(そのうちの60分間は窒素の安定した発生があった)。おそらく外来の水によるジアゾニウム塩の分解のため、メルトは50℃で泡立ち始めた。イオン液体層を冷却すると、下方の赤色液体層と上方の水性黄色層(約0.5ml)との2層に分離した。フラスコ上部のまわりで結晶化した4−クロロニトロベンゼンの白色針状結晶はまた、デカンテーションによる水の除去によってこのスケールで全ての水があらかじめ除去されなかったことを示す証拠でもあった。水性層を除去し、イオン液体層をジエチルエーテル(5×5ml)で抽出した。エーテル性抽出物を真空中で濃縮すると赤色結晶が得られた(0.27g、34%)。HPLCから生成物の純度が75%を越えることが分かった。反応完了後に存在する水層のHPLC分析から、4−ニトロフェノールのみを含有することが分かった。塩化物を求核化学種として用いると、例えば臭化物と比べて、収率は低くなった。この結果はイオンの相対求核性度に基づいて予測された。実施例3c: テトラデシルトリヘキシルホスホニウムクロリドでの抽出 ジアゾニウム塩の抽出は、[emim][NTf2]の代わりにテトラデシルトリヘキシルホスホニウムクロリド(2×2ml、1.8g、3ミリモル)を抽出剤として用いる以外は、(b)と同様に行った(テトラデシルトリヘキシルホスホニウムクロリドは水の上に浮き、水性酸層をデカントするとき注意しなければならない。この特定のイオン液体はまた非常に粘性であり、デカンテーション中にいくらかの収量損失が生じるかもしれない)。80℃に90分間加熱すると、窒素の発生が60℃で始まり、反応は全体にわたって黄色のままとなった。イオン液体層は、ほとんどの一般的な有機溶媒と混和性であるので、抽出することができなかった。HPLCは4−クロロニトロベンゼンの形成を示さず、その代わりに、未確認生成物および4−ニトロフェノールが5.6:1の割合で検出された。 実施例4: イオン液体中での窒素の求核置換 単離されたジアゾニウム塩、4−ニトロベンゼンジアゾニウムBF4(3ミリモル、0.71g)をジブチルイミダゾリウムブロミド[bbim][Br](15ミリモル、3.95g)に加えた。ジブチルイミダゾリウムブロミド[bbim][Br]はある程度水と混和性のオレンジ色の粘性液体であり、室温で液体である。混合物は非常に粘性であり、45〜50℃に温めると窒素を発生し始めた。混合物を80℃に30分間加熱したとき、赤色溶液が得られた。液体をジエチルエーテル(3×5ml)で抽出した。真空中で濃縮すると純粋な4−ブロモニトロベンゼン(0.108g、18%)が得られた。HPLCから純度は97%を越え、4−ニトロフェノールの痕跡はないことが分かった。しかしながら、イオン層は非常に粘性であり、界面接触が乏しく、十分な抽出は得られなかった。その後、水(10ml)をイオン層に加えると、有機固体が沈殿し、窒素が発生した。これは、反応が完了していないことを示している。得られた水性層をジエチルエーテル(4×5ml)で抽出するとオレンジ色の固体(0.32g、53%)が得られ、これはHPLCから80%を越える4−ブロモニトロベンゼン(すなわち、加水分解の前に形成されたが、粘性問題によりジエチルエーテルで抽出されなかった)であることが分かった。それでも、この最適ではない反応で、望ましい生成物への変換率は60%を越えた。 アリールジアゾニウム塩またはそれらの誘導体において求核置換反応を行う方法であって、始めにアリールジアゾニウム塩を水性溶媒系中で生成させ、次いでアリールジアゾニウム塩を疎水性イオン液体で分配し、それによって、アリールジアゾニウム塩を先に単離する必要なく、疎水性イオン液体中においてアリールジアゾニウム塩と適切な求核化学種とを反応させて望ましい生成物とする、上記の方法。 アリールジアゾニウム塩またはそれらの誘導体において求核置換反応を行う方法であって、 工程1において、芳香族アミンを水性溶媒系中でジアゾ化してアリールジアゾニウム塩を得、 工程2において、アリールジアゾニウム塩を含有する水性溶媒系を疎水性イオン液体と接触させ、それによって、アリールジアゾニウム塩の少なくとも一部を水性溶媒系から疎水性イオン液体に移し、 工程3において、アリールジアゾニウム塩を疎水性イオン液体から先に単離する必要なく、アリールジアゾニウム塩を適切な求核化学種と疎水性イオン液体中で反応させて望ましい生成物を得る、上記の方法。 アリールジアゾニウム塩またはそれらの誘導体において求核置換反応を行う方法であって、 工程1において、芳香族アミンを水性溶媒系中でジアゾ化してアリールジアゾニウム塩を得、 工程2において、アリールジアゾニウム塩を含有する水性溶媒系を疎水性イオン液体と接触させ、それによって、アリールジアゾニウム塩の少なくとも一部を水性溶媒系から疎水性イオン液体に移し、 工程3において、アリールジアゾニウム塩を含有する疎水性イオン液体を水性溶媒系から分離し、 工程4において、アリールジアゾニウム塩を疎水性イオン液体から先に単離する必要なく、アリールジアゾニウム塩を適切な求核化学種と疎水性イオン液体中で反応させて望ましい生成物を得る、上記の方法。 アリールジアゾニウム塩が、亜硝酸と芳香族アミン化合物との反応によって形成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 亜硝酸が、アルカリ金属亜硝酸塩と酸との反応によって形成される、請求項4に記載の方法。 酸が無機酸を含む、請求項5に記載の方法。 芳香族アミンが、所望により置換されていてもよいアニリン化合物であって、式(2)(式中、 Yは当該所望の置換基であり;そして nは0、1、2または3である)を有する、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。 疎水性イオン液体が、水性溶媒系と混合したとき、2相溶液を形成する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。 疎水性イオン液体が、[emim][NTf2]1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、[bmim][PF6]N−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、[bbim][Br]1−ジブチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、および[C4DBU]Brカーボンテトラ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンブロミドよりなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。 アリールジアゾニウム塩を置換する求核化学種が、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトリルまたはチオシアネートを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。 求核化学種が疎水性イオン液体中に存在するか、あるいは疎水性イオン液体の一部を形成している、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。 実施例のいずれか一つに関連してここに記載された方法と実質的に同様な方法。 アリールジアゾニウム塩を水性溶媒系中で初めに生成し、次いでアリールジアゾニウム塩を疎水性イオン液体で分配し、それによって、アリールジアゾニウム塩を先に単離する必要なく、アリールジアゾニウム塩と適切な求核化学種との疎水性イオン液体中での望ましい生成物へのその後の反応を可能にする、アリールジアゾニウム塩またはそれらの誘導体において求核置換反応を行う方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る