タイトル: | 特許公報(B2)_N,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法 |
出願番号: | 2006511676 |
年次: | 2011 |
IPC分類: | C07D 233/61 |
青木 良和 横山 紀昌 安村 正照 JP 4846568 特許公報(B2) 20111021 2006511676 20050329 N,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法 保土谷化学工業株式会社 000005315 小栗 昌平 100105647 本多 弘徳 100105474 市川 利光 100108589 青木 良和 横山 紀昌 安村 正照 JP 2004099257 20040330 20111228 C07D 233/61 20060101AFI20111208BHJP JPC07D233/61 C07D 233/61 CA/REGISTRY(STN) 特表2002−520318(JP,A) 特表2002−521474(JP,A) 特表2002−503240(JP,A) 特表平08−502994(JP,A) 8 JP2005005891 20050329 WO2005095355 20051013 8 20080229 植原 克典 本発明はN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法に関する。更に詳細には、不活性溶媒中、イミダゾールとホスゲンもしくはその多量体との反応によるN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法において、副生したイミダゾール塩酸塩と塩基性化合物の気体または液体との中和反応によって生成したイミダゾールを、N,N’−カルボニルジイミダゾール製造の原料として循環して使用する製造方法に関する。 N,N’−カルボニルジイミダゾール(以下CDIと略称する)は分子間の縮合反応やN−カルボン酸無水物の合成といった分子内縮合反応、活性化エステルの生成等、医薬品合成や農薬品合成、ペプチド合成などの分野で使用される有益な化合物である。CDIの最も一般的な合成方法は、H.A.Staabによって考案された不活性溶媒中でイミダゾールとホスゲンとを反応させる方法である。この方法は、下記の化学式に示されるように、イミダゾールの半分は反応中に生成する塩化水素の捕捉剤として利用され、反応終了後CDIと分離・除去される。 イミダゾールを全量反応に利用する目的で、発生する塩酸の捕捉剤として有機塩基を使用する方法が開示されている(例えば特許文献1、特許文献2)。また、塩酸が発生しないようイミダゾールをトリメチルシリルクロリド等のシリル化剤によりシリル化する方法が行われている。しかし、有機塩基を使用する場合、有機塩基がホスゲンに対し完全に不活性とは言えないため不純物が生成しやすく、また、生成物であるCDI中に残留して純度低下の要因になる。イミダゾールのシリル化の場合は、塩酸の発生を抑えかつシリル化剤を循環して利用することができるが、一般的に安定とは言えないシリル化剤に対する特別な取り扱いのための付随した設備投資を必要とする。上記したこれらの方法は、安価で高純度のCDIを得るための工業的製法としては利用しがたい。 そこで、副生するイミダゾール塩酸塩を水酸化ナトリウム等の無機塩基もしくはその水溶液によって中和し、イミダゾールを回収してCDI製造の原料として返送する方法が用いられている(例えば特許文献3、特許文献4)。しかしながら、この方法においても、水を溶媒として用いてイミダゾールの回収を行うと、イミダゾールは水溶性であるため、水と混合しない有機溶媒での抽出等による労力とコストを費やすこととなる。さらに、有機溶媒を用いて回収を行っても、CDIは著しく加水分解性が激しいため、中和反応中に生成した水を除去する工程を付加する必要がある。 国際公開第98/31672号パンフレット国際公開第00/02863号パンフレット国際公開第00/14072号パンフレット国際公開第00/06551号パンフレット このように、CDIの工業的製法において反応時に副生する塩化水素の除去は大きな課題であり、イミダゾールを原料兼塩化水素の捕捉剤として使用したとき、イミダゾール塩酸塩から水の生成を伴わずに容易にイミダゾールを回収して、再使用する方法の開発が望まれている。また、製造されたCDIは着色の少ないことが常に要求されており、着色を除去するための特別の工程を必要としない製造方法も求められている。 本発明者らは、この課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、反応の際に副生したイミダゾール塩酸塩を有機溶媒中に溶解あるいは分散して、塩基性化合物の気体または液体によりイミダゾール塩酸塩を中和し、中和生成物を除去後、イミダゾールをCDI製造の原料として容易に循環できることを見い出し本発明を完成させた。 すなわち本発明は、不活性溶媒中でホスゲン、ジホスゲンまたはトリホスゲンとイミダゾールとを反応させて、N,N’−カルボニルジイミダゾールを製造し、その際に副生したイミダゾール塩酸塩に不活性溶媒中で、一般式(1)で表される塩基性化合物の気体または液体を添加して中和反応を行い、生成したイミダゾールをN,N’−カルボニルジイミダゾール製造の反応原料として、循環して使用することを特徴とするN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法である。 R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子、メチル基またはエチル基を表す。 また、本発明は、下記の各々にも関する。すなわち、一般式(1)で表される塩基性化合物が気体アンモニアまたは液体アンモニアである上記のN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法; 不活性溶媒が、鎖状エーテル、環状エーテル、鎖状エステルから選択される1種または2種以上の混合物である上記のN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法; 不活性溶媒が、テトラヒドロフランである上記のN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法; 副生イミダゾール塩酸塩と一般式(1)で表される塩基性化合物との中和反応により生成したイミダゾールを、晶析または溶媒の除去により固体として取り出し、N,N’−カルボニルジイミダゾール製造用の原料として循環して使用する上記のN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法; 副生イミダゾール塩酸塩と一般式(1)で表される塩基性化合物との中和反応により生成したイミダゾールを、不活性溶媒の溶液または不活性溶媒の分散スラリーとして、水分除去工程を付加することなく、N,N’−カルボニルジイミダゾール製造用の原料として循環して使用する上記のN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法; 副生イミダゾール塩酸塩と一般式(1)で表される塩基性化合物との中和反応が不活性溶媒中で行われ、該塩基性化合物の塩酸塩をろ過によって除去し、生成したイミダゾールがそのまま該不活性溶媒の溶液または該不活性溶媒の分散スラリーとして、水分除去工程を付加することなく、N,N’−カルボニルジイミダゾール製造用の原料として循環して使用される上記のN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法;及び 副生イミダゾール塩酸塩と一般式(1)で表される塩基性化合物との中和反応により生成したイミダゾールと、新たに供給されたイミダゾールとを任意な割合で混合し、N,N’−カルボニルジイミダゾール製造用の原料として使用する上記のN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法。 本発明においては、イミダゾール塩酸塩は有機塩基によって中和され、無機塩基での中和の際に起こるような水の発生を伴うことなく中和される。また、一般式(1)で示される塩基性化合物は、安価で取り扱いが容易である。さらに、一般式(1)で示される塩基性化合物は、沸点が低く、中和反応終了後に系内に一般式(1)で示される塩基性化合物が残留していても、煮沸あるいは不活性ガスによるバブリングにより容易に取り除くことができるので、イミダゾール循環利用によるCDI合成の際にも、塩基性化合物が残留することによる悪影響が生じない。 中和反応中に生成した一般式(1)で示される塩基性化合物の塩酸塩はろ過によって除去される。中和されて遊離の状態になったイミダゾールは、溶液の状態で、あるいは溶媒を留去後固体として取り出されて、水分除去工程を付加することなく、CDI製造の原料として循環使用することができる。溶液の状態で循環使用する場合には、生成したイミダゾールを、不活性溶媒の溶液または不活性溶媒の分散スラリーとして使用する。その場合に、前記した副生イミダゾール塩酸塩と一般式(1)で表される塩基性化合物との中和反応が不活性溶媒中で行われ、該塩基性化合物の塩酸塩をろ過によって除去し、生成したイミダゾールがそのまま該不活性溶媒の溶液または該不活性溶媒の分散スラリーとして、循環使用されることも可能である。 ホスゲン、ジホスゲンまたはトリホスゲンとイミダゾールとを反応させて、N,N’−カルボニルジイミダゾールを製造する際に使用する溶媒としては、ホスゲンや副生する塩化水素と反応しない不活性溶媒であればいずれも使用することができる。また多少の反応性を有する場合でも、イミダゾールとホスゲンとの反応、イミダゾールと塩化水素との反応の方が優先するので、このような溶媒も使用可能である。 反応中に生成する微量の有色不純物を除去することを考慮すると、溶媒としては鎖状エーテル、環状エーテル、鎖状エステルから選択される1種または2種以上の混合物を使用するのが好ましい。さらに好ましいのはテトラヒドロフランである。この場合、微量の有色不純物の除去が的確に行われる理由は、鎖状エーテル、環状エーテル、鎖状エステルが微量の有色不純物に対する高い溶解度を有しているためと考えられる。本発明においては、これら鎖状エーテル、環状エーテル、鎖状エステルを溶媒として使用するという意味は、これらの溶媒の使用のみならず、従来からCDI製造用の溶媒として使用されてきた、芳香属系溶媒とこれらの鎖状エーテル、環状エーテル、鎖状エステルとを混合して使用する方法をも包含するものである。 本発明の製造方法によれば、CDI製造時に副生するイミダゾール塩酸塩を、安価で取り扱いの容易な塩基性化合物の気体または液体を添加して中和反応を行い、水の生成を伴わずにイミダゾールを遊離の状態で回収することができる。その後、抽出や共沸脱水等の工程を付加することなく、CDI製造用の原料としてイミダゾールを安価で容易に循環することが可能になった。また本発明の製造方法によれば、従来の製造方法に比して着色の少ないCDIを得ることができる。 以下に本発明を詳細に説明する。 本発明で使用されるイミダゾール塩酸塩は、本発明の目的を考慮すればCDI製造の際に副生したイミダゾール塩酸塩を用いることが好ましいが、別途合成されたイミダゾール塩酸塩や他の化合物製造の際に副生したイミダゾール塩酸塩を用いても差し支えない。 本発明で使用される塩基性化合物は、一般式(1)で示されるものであれば特に限定されない。ここで、R1、R2、R3は、それぞれ独立に水素原子、メチル基またはエチル基である。具体的な化合物としては、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、が挙げられるが、中でもアンモニアを用いることが好ましい。 不活性溶媒としては、イミダゾールとホスゲン類との反応、及びイミダゾール塩酸塩の中和反応を阻害しない有機溶媒であれば特に限定されない。本発明で使用できる不活性溶媒の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等の鎖状エーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の鎖状エステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類が挙げられる。好ましいのは鎖状エーテル、環状エーテル、鎖状エステルであり、特に好ましいのはテトラヒドロフランである。またこれらの有機溶媒は単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。 本発明の製造方法における、イミダゾール塩酸塩に対する塩基性化合物の気体または液体による中和反応は、不活性溶媒にイミダゾール塩酸塩を溶解もしくは分散させ、塩基性化合物を導入して行うのが好ましい。別法として、塩基性化合物を溶解させた不活性溶媒中に、イミダゾール塩酸塩を添加するか、または不活性溶媒に溶解もしくは分散させたイミダゾール塩酸塩を注加することによって行う方法もある。 イミダゾール塩酸塩を中和する際に使用する塩基性化合物は、イミダゾール塩酸塩に対して1〜10倍モルを使用する。好ましいのは1〜5倍モルの使用である。イミダゾール塩酸塩を中和する際に使用する不活性溶媒は、イミダゾール塩酸塩の重量に対して1〜20倍の重量を使用する。好ましいのは3〜5倍の重量の使用である。 イミダゾール塩酸塩の塩基性化合物の気体または液体による中和反応は、通常0〜100℃で行われる。好ましくは20〜50℃で行われる。反応時間は、通常0.5〜20時間で行われる。好ましくは、2〜8時間で行われる。反応は、窒素やアルゴンのような不活性ガス雰囲気、無水条件下で行うのが好ましいが、雰囲気条件は特に限定しない。 中和反応の終了した反応液は、任意の温度において中和生成物のろ別を行う、不活性ガス雰囲気、無水条件下で行うのが好ましいが、雰囲気条件は特に限定しない。回収されたイミダゾールを含むろ液は、そのままかあるいは濃縮後、CDI製造の原料として使用する。さらには、イミダゾールを晶析等の操作により固体として取り出してCDI製造の原料として使用する。 中和回収されたイミダゾールは、不活性溶媒に溶解あるいは分散後、規定量のホスゲン、ジホスゲンまたはトリホスゲンの導入によるCDI合成反応を行う。このとき、中和回収されたイミダゾールに新品のイミダゾールを加えて、CDIの単位収量を増加させて反応を行っても構わない。 以下に実施例を参照して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。 [新品イミダゾールによるCDI及び副生イミダゾール塩酸塩の合成] 1000mlのフラスコにイミダゾール108.3g(1.59mol)、テトラヒドロフラン630gを加え、系内を窒素置換後、撹拌してイミダゾールを溶解させた。そこへ、ジホスゲン39.3g(0.2mol)を室温下で2時間かけて滴下した。滴下終了後、室温下で1時間撹拌を続け、その後55℃に加温しさらに1時間撹拌を続けた。副生したイミダゾール塩酸塩を熱ろ過しテトラヒドロフラン100gで洗浄した。ろ別したイミダゾール塩酸塩を40℃で減圧乾燥し、83.2g(0.796mol)のイミダゾール塩酸塩を得た(回収率100%)。 CDIを含むろ液は、濃縮、トルエン晶析を行い、窒素雰囲気下でCDIをろ別した。ろ別したCDIは40℃で減圧乾燥し、58.0g(0.358mol)のCDIの白色結晶を得た。(収率90%)m.p.111.2〜118.6℃。 [イミダゾール塩酸塩の中和反応によるイミダゾールの中和回収] 500mlのフラスコに、[実施例1]で得られたイミダゾール塩酸塩83.0g(0.794mol)とテトラヒドロフラン274gを加え系内を窒素置換後、撹拌しイミダゾール塩酸塩を分散させた。アンモニアガスを30〜40℃の温度で4時間かけて25l(1.12mol)吹き込んだ。アンモニアガス導入後、35℃で1時間撹拌を続けた。反応液を室温に冷却後、中和生成物である塩化アンモニウムをろ別しテトラヒドロフラン54gで洗浄した。ろ液を濃縮しテトラヒドロフランを150g留去し、中和回収イミダゾールを含むテトラヒドロフラン185.4gを得た。ガスクロマトグラフィー及び中和滴定分析の結果、48.6g(0.714mol)のイミダゾールを含むことが判明した。(回収率90%)m.p.82〜88℃。 [中和回収イミダゾールによるCDIの合成] 500mlフラスコに、[実施例2]で得られた48.1g(0.707mol)のイミダゾールを含むテトラヒドロフラン183.4gとテトラヒドロフラン140gを加え系内を窒素置換した。そこへ、ジホスゲン18.5g(0.094mol)を室温下で2時間かけて滴下した。その後、[実施例1]と同様の操作を行いCDIの白色結晶を取り出した。収量24.4g(0.15mol)(収率85%)m.p.111.3〜116.9℃。 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。 本出願は、2004年3月30日出願の日本特許出願(特願2004−099257)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。 本発明の製造方法によって製造されたCDIは、分子間の縮合反応やN−カルボン酸無水物の合成といった分子内縮合反応、活性化エステルの生成等、医薬品合成や農薬品合成、ペプチド合成などの分野で使用される有益な化合物であり、特に無着色を要求される用途に適している。 不活性溶媒中でホスゲン、ジホスゲンまたはトリホスゲンとイミダゾールとを反応させて、N,N’−カルボニルジイミダゾールを製造し、その際に副生したイミダゾール塩酸塩に不活性溶媒中で、下記一般式(1)で表される塩基性化合物の気体または液体を添加して中和反応を行い、生成したイミダゾールをN,N’−カルボニルジイミダゾール製造の反応原料として、循環して使用する、N,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法。 R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子、メチル基またはエチル基を表す。 前記した一般式(1)で表される塩基性化合物が気体アンモニアまたは液体アンモニアである請求項1記載のN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法。 前記した不活性溶媒が、鎖状エーテル、環状エーテル、鎖状エステルから選択される1種または2種以上の混合物である請求項1または請求項2記載のN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法。 前記した不活性溶媒が、テトラヒドロフランである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法。 前記した副生イミダゾール塩酸塩と一般式(1)で表される塩基性化合物との中和反応により生成したイミダゾールを、晶析または溶媒の除去により固体として取り出し、N,N’−カルボニルジイミダゾール製造用の原料として循環して使用する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法。 前記した副生イミダゾール塩酸塩と一般式(1)で表される塩基性化合物との中和反応により生成したイミダゾールを、不活性溶媒の溶液または不活性溶媒の分散スラリーとして、水分除去工程を付加することなく、N,N’−カルボニルジイミダゾール製造用の原料として循環して使用する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法。 前記した副生イミダゾール塩酸塩と一般式(1)で表される塩基性化合物との中和反応が不活性溶媒中で行われ、該塩基性化合物の塩酸塩をろ過によって除去し、生成したイミダゾールがそのまま該不活性溶媒の溶液または該不活性溶媒の分散スラリーとして、水分除去工程を付加することなく、N,N’−カルボニルジイミダゾール製造用の原料として循環して使用される請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法。 前記した副生イミダゾール塩酸塩と一般式(1)で表される塩基性化合物との中和反応により生成したイミダゾールと、新たに供給されたイミダゾールとを任意な割合で混合し、N,N’−カルボニルジイミダゾール製造用の原料として使用する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のN,N’−カルボニルジイミダゾールの製造方法。