生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_細胞増殖抑制剤(ZytostatischesArzneimittel)としてのグアニジン誘導体ポリマー
出願番号:2006501334
年次:2012
IPC分類:A61K 31/785,A61P 35/00,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

シュミット,オスカー JP 4970929 特許公報(B2) 20120413 2006501334 20040122 細胞増殖抑制剤(ZytostatischesArzneimittel)としてのグアニジン誘導体ポリマー ゲオファルマ プロドゥクツィオンスゲーエムベーハー 505294609 特許業務法人原謙三国際特許事務所 110000338 シュミット,オスカー AT A174/2003 20030204 20120711 A61K 31/785 20060101AFI20120621BHJP A61P 35/00 20060101ALI20120621BHJP A61P 43/00 20060101ALI20120621BHJP JPA61K31/785A61P35/00A61P43/00 105 A61K 31/785 CA/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特表2003−534404(JP,A) 国際公開第01/085676(WO,A1) 欧州特許出願公開第00439699(EP,A1) 2 AT2004000023 20040122 WO2004069898 20040819 2006516575 20060706 9 20070112 金子 亜希発明の詳細な説明 本発明は、薬剤組成物に関するものであって、特に細胞増殖抑制剤(Zytostatikum)に関するものである。 ヨーロッパ(westlichen Zivilisation)では、人口の3分の1が癌にかかり、癌による死亡率は、少なくとも75%である。悪性腫瘍は、今日、細胞分裂を抑制するように処置される。 これらの病気の化学療法に関する主要な問題は、癌細胞が、供給される細胞増殖抑制剤に対して、ある程度の割合までしか反応しないという点にある。さらに、腫瘍が上記治療に対して反応しても、完全な寛解を期待できないことが多い。 化学療法の効果増大に向けて、近年、複化学療法(Polychemotherapie)、つまり、複数の細胞増殖抑制剤の使用に目が向けられている。癌治療を改善するために、異なる作用点(Angriffspunkten)をもつ様々な細胞増殖抑制剤がますます頻繁に組み合わせられる。これにより、一方ではよりよい効果が得られるが、他方では、次第に抵抗性をもつようになるという問題が生じる。 さらなる可能性として、細胞保護剤(Zytoprotektoren)を同時に投与することにより、健康な細胞を細胞増殖抑制剤から選択的に保護することが挙げられる。これにより、投与量をより増やすことができると同時に、副作用を低減することができる(例えば、タキサン)。 これらの対策にもかかわらず、化学療法における副作用率は依然として非常に高い。まさにこの理由から、代謝されやすい(Vertraeglichkeit)ことに加えて効能が高い作用物質、つまり、できるだけ治療上の間口(Fenster)が広い作用物質を開発することが非常に重要である。 本発明の目的は、従来の細胞増殖抑制剤(例えば、5‐フルオロウラシル、シスプラチン、エピルビシン、および、マイトマイシンC)と比べて治療上の間口が広い細胞増殖抑制剤を提供することにある。 本発明の薬剤組成物は、2つのアミノ基の間にオキシアルキレン鎖を含むジアミンに基づくグアニジン誘導体ポリマーを作用物質として含む。ここで、上記グアニジン誘導体は、グアニジン酸付加塩と、2つのアミノ基の間にポリアルキレン鎖を含むジアミンとの縮重合生成物であり、さらに、薬学的に許容可能なそれらの塩も含まれる。 本発明の薬剤組成物の好ましい実施形態では、ポリオキシアルキレングアニジン塩の群(Reihe)を代表する化合物において、トリエチレングリコールジアミン(相対分子量:148)、ポリオキシプロピレンジアミン(相対分子量:230)、および、ポリオキシエチレンジアミン(相対分子量:600)が用いられる。 また、作用物質として、少なくとも3つのグアニジニウム基(Guanidiniumresten)を有するポリ−[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]が含まれることが最も好ましい。また、上記作用物質の平均分子量は、特に500〜3000Dの範囲であることが好ましい。 さらに、本発明は、2つのアミノ基の間にオキシアルキレン鎖を含むジアミンに基づく、グアニジン誘導体ポリマーの、細胞分裂を抑制する活性をもつ薬剤組成物を製造することを目的とする使用に関するものである。上記グアニジン誘導体は、グアニジン酸付加塩と、2つのアミノ基の間にポリアルキレン鎖を含むジアミンとの縮重合生成物であり、薬学的に許容可能なそれらの塩も含まれる。 さらに、本発明は、トリエチレングリコールジアミン(相対分子量:148)、ポリオキシプロピレンジアミン(相対分子量:230)、および、ポリオキシエチレンジアミン(相対分子量:600)を用いて製造されるポリオキシアルキレングアニジン塩の使用に関するものである。 本発明に用いられるグアニジン誘導体ポリマーについては、PCT/AT01/00134によって開示されている。この文献の内容を参照するために本発明の発明の詳細な説明に加えている。 本発明に用いられる、好ましい代表的な化合物の製造、および、細胞増殖抑制の効能(Wirksamkeit)の検出について、以下に記載する。 本発明に用いられる化合物の集団を代表するものとして、平均分子量が1000Dである、ポリ−[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]の細胞増殖抑制の効能について、以下記載する(CAS番号 374572‐91‐5)。 この化合物を製造するために、4.43モルのグアニジニウム塩酸塩を、4.03モルのトリエチレングリコールジアミンに、50℃で溶解した。次に、溶解したものを、120℃に加熱し、この温度のまま2時間攪拌した。その後、これをこの温度のまま2時間保った。その後、真空状態(0.1バール)にし、さらに2時間、真空状態、170℃で攪拌した。続いて、これを標準圧で空気にさらし、120℃に冷却し、脱塩水によって約50%に希釈した。リン酸によって、pHを約6に中和して、冷却し、所望の濃度に希釈した。また、その分子量が1000Dであることを確認した。 <細胞成長抑止の効能(Wirksamkeit)の立証> 結腸癌および膵臓癌の細胞株(例えば、Capan‐1、DLD‐1、HT29、HCT‐8、MIA‐PA‐CA2、PANC1、BXPC‐3、ASPC‐1、および、HT‐29)を試験した。試験された癌細胞株を、液体窒素の中で保存した。解凍した後、上記癌細胞をRPMI−1640+グルタミン培地(Gibco番号 5240025)を用いて培養瓶の中で、5%のCO2雰囲気下、37℃で14日間(bis zu 14 Tagen)、培養した。これにより、単層の細胞を形成できた。その後、これらの細胞を、トリプシン+EDTA(Gibro番号 15400‐054)を用いて(mit)収集し、RPMI培地で2回洗浄した。 さらに、健康な被検査者のリンパ球を試験した。このとき、総量100mlの血液をEDTA試験管に取り出した。リンパ球は、全血から、Mono‐Poly‐Resolving Medium/Ficol‐Hypaque‐gradientを用いて単離し、HBSS緩衝液を用いて3回洗浄し、このようにして調整した後、試験反応物(Testansatz)に加えられた(eingesetzt)。 ポリ−[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]の他に、比較のために、化学療法薬であるシスプラチン、エピルビシン、マイトマイシンC、および、5−フルオロウラシルを試験した。さらに、これらの化合物は、まず、それぞれのメーカーの手引きにしたがって溶解した後、1mlずつ分注し、ストック溶液(作用物質濃度1000μg/ml)として、液体窒素中、−180℃で保存した。溶解された原料は、同日中に使用した。 これらの物質の細胞毒性の活性(Aktivitaet)を調べるために、RPMIによって洗浄された懸濁液(細胞濃度;20000細胞/200μl)の状態の癌細胞を培養瓶からマイクロタイタープレートに移した。様々な濃度の試験物質が存在する状態で、その後、癌細胞を、5%のCO2雰囲気下、37℃で3日間培養した。ポリ−[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]については、全ての試験構成(Versuchsanordnungen)において、濃度を0.12〜500μg/ml(2倍希釈化(Faktor 2 Verduennungen))として用いた。3日間の培養後、非放射性の細胞増殖および細胞毒性テストEZ4U(Biomedica番号 BI‐5000 10×96測定(Bestimmungen))を用いて評価を行った。EZ4Uを用いて3時間培養を行ってから、スライド光度計(Dias-Photometer)による波長49/630nmの割合(試験試料(Testprobe)の吸光度/対照試料のブランク値(control-sample blank value))を用いて、光度測定法的に評価を行った。 リンパ球の活力(Vitalitaet)を、1.2×107/mlの懸濁液の中で、様々な濃度の試験物質を用いて調べた。これらの細胞懸濁液を、試験物質が存在している状態で、24時間、37℃で5%CO2の雰囲気下でインキュベートし、その後、トリパンブルーによって染色した。染色後、リンパ球を計数盤上に供し、その活力をパーセンテージで評価した。 作用物質ポリ−[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]は、薬理的な観点から毒性が低く、かつ代謝されやすいという優れた薬力学的特性を有している。したがって、腫瘍学的な治療における医薬品として利用することができる。特に、この物質は、複数の癌細胞株(例えば、結腸癌(HT‐29、HCT‐8、DLD‐1)または膵臓癌(ASPC‐1、BXPC‐3、CAPAN‐1、PANC‐1))を用いた試験によって実証できるように、優れた細胞増殖抑制活性を示す。 さらに、本発明に用いられる作用物質は、治療上の間口が広い。なぜなら、癌細胞において、細胞増殖抑制活性がすでに濃度2〜16μg/mlで生じている一方で(表1および表2)、健康な内生(koerpereigenen)細胞(例えば、リンパ球)では、当該活性は100μg/ml以上の濃度でしか観察されなかった(表4)からである。比較するために、表3に、5−フルオロウラシル、シスプラチン、エピルビシン、および、マイトマイシンCの細胞増殖抑制活性を示す。 15mg/体重kgまでの量のポリ−[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]を(静脈内または腹腔内を通して)全身(systemischer)投与した後、2時間後のラットの血液では、血中濃度は100μg/ml以下で測定される。これにより、同時に代謝されやすい。したがって、ポリ−[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]を細胞増殖抑制剤として用いることができる。 本発明に用いられる作用物質を、単独、または無機もしくは有機の薬理的不活性な補助剤と合わせて、実質的にある程度知られている医薬品に加工することができる。 細胞増殖抑制用薬剤組成物を製造するための、2つのアミノ基の間にオキシアルキレン鎖を含むジアミンに基づくグアニジン誘導体ポリマーの使用であって、 上記グアニジン誘導体は、グアニジン酸付加塩と、2つのアミノ基の間にポリオキシアルキレン鎖を含むジアミンとの縮重合生成物、および薬学的に許容可能なそれらの塩を表すグアニジン誘導体ポリマーの使用。 ポリオキシアルキレングアニジン塩の群を代表する化合物において、トリエチレングリコールジアミン(相対分子量:148)、ポリオキシプロピレンジアミン(相対分子量:230)、および、ポリオキシエチレンジアミン(相対分子量:600)を用いることを特徴とする請求項1に記載のグアニジン誘導体ポリマーの使用。


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