タイトル: | 公開特許公報(A)_半導体ウエハの結晶方位測定方法および半導体ウエハの結晶方位測定装置 |
出願番号: | 2006318630 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | G01N 21/17,G01N 21/00,H01L 21/66 |
藤原 新也 福島 浩二 田端 康史 JP 2008134082 公開特許公報(A) 20080612 2006318630 20061127 半導体ウエハの結晶方位測定方法および半導体ウエハの結晶方位測定装置 住友電気工業株式会社 000002130 深見 久郎 100064746 森田 俊雄 100085132 仲村 義平 100083703 堀井 豊 100096781 野田 久登 100098316 酒井 將行 100109162 藤原 新也 福島 浩二 田端 康史 G01N 21/17 20060101AFI20080516BHJP G01N 21/00 20060101ALI20080516BHJP H01L 21/66 20060101ALI20080516BHJP JPG01N21/17 AG01N21/00 BH01L21/66 J 6 1 OL 13 2G059 4M106 2G059AA03 2G059BB08 2G059BB16 2G059DD13 2G059EE02 2G059GG10 2G059KK04 2G059MM09 4M106AA01 4M106AA10 4M106CA50 4M106CB30 4M106DB04 本発明は、半導体ウエハの結晶方位測定方法および半導体ウエハの結晶方位測定装置に関し、たとえばオリエンテーションフラット精度を測定する際のばらつきを減少する半導体ウエハの結晶方位測定方法および半導体ウエハの結晶方位測定装置に関する。 一般的に、半導体ウエハは、結晶方位の位置合わせまたは判別を容易にするために、外周の一部にオリエンテーションフラット(Orientation Flat:以下オリフラともいう)が形成されている。半導体ウエハが特定方向に沿って割れるへき開性を有している場合には、オリフラをへき開させやすい面に一致させることが多い。 オリフラに対する特定方向の結晶面のずれであるオリフラ精度(OF精度)は、所定の範囲内であることが必要であり、ずれがないことが最も好ましい。近年、オリフラ精度の要求値は、厳しくなっている。そのため、オリフラ精度の測定誤差を減少することが必要となっている。 このようなオリフラ精度の測定方法は、たとえば特開2005−106606号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1には、オリフラにX線を照射し、オリフラで回折された回折X線により、オリフラを基準とした結晶面の方位のずれを測定していることが開示されている。特開2005−106606号公報 しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、X線をオリフラに照射することによりオリフラ精度を測定しているので、測定のばらつきに改善の余地があり、要求値を保証することが困難になりつつある。また、X線でオリフラ精度を測定すると、時間がかかるという問題もある。 したがって、本発明の目的は、オリフラに対する結晶面のずれを測定する際に、ばらつきを減少するとともに、容易に測定できる半導体ウエハの結晶方位測定方法および半導体ウエハの結晶方位測定装置を提供することである。 本願発明者は鋭意研究の結果、特定方向に沿って割れるへき開性を有する半導体ウエハを特定方向(結晶面)に沿ってへき開してオリフラを形成するときに、オリフラと結晶面とがずれている場合には、へき開面であるオリフラに一定高さの段差(縞)が現れることを発見した。そして、その段差の数を測定することによって、オリフラに対する結晶面のずれであるオリフラ精度(結晶方位)を判断できることを発見した。 そこで、本発明の半導体ウエハの結晶方位測定方法は、準備工程と、測定工程と、判断工程とを備えている。準備工程は、特定方向の結晶面に沿って割れるへき開性を有するとともに、オリエンテーションフラットが形成された半導体ウエハを準備する。測定工程は、オリエンテーションフラットに現れる段差の数を測定する。判断工程は、段差の数により、オリエンテーションフラットと結晶面とのずれを判断する。 本発明の半導体ウエハの結晶方位測定方法によれば、へき開面であるオリフラに現れる段差の数を測定することにより、オリエンテーションフラットと結晶面とのずれを判断できる。段差の数は定性的に測定できるので、オリフラ精度のばらつきを大幅に低減できる。また、段差の数を測定するので、容易にオリフラ精度を測定できる。 なお、「半導体ウエハの結晶方位」とは、オリフラに対する結晶面のずれであるオリフラ精度を意味する。また、基準とするオリフラは、半導体ウエハを上面から見たときのオリフラの一方端と他方端とを結ぶ直線とし、「ずれ」とは、当該直線と、半導体ウエハを上面から見たときの結晶面(直線)とのなす角度を意味する。 上記半導体ウエハの結晶方位測定方法において好ましくは、準備工程では、化合物半導体ウエハを準備することを特徴としている。 これにより、化合物半導体ウエハのオリフラ精度についてもばらつきを減少する。また、容易に化合物半導体ウエハのオリフラ精度を測定できる。 上記半導体ウエハの結晶方位測定方法において好ましくは、測定工程では、オリエンテーションフラットに対して88.5°以上89.5°以下の角度で光を照射して、段差の数を測定することを特徴とする。 これにより、測定工程において、オリフラの段差がより明確に観察できる。そのため、より容易に測定工程を実施できる。 本発明の半導体ウエハの結晶方位測定装置は、特定方向の結晶面に沿って割れるへき開性を有するとともに、オリエンテーションフラットが形成された半導体ウエハのオリエンテーションフラットと結晶面とのずれを測定する半導体ウエハの結晶方位測定装置である。半導体ウエハの結晶方位測定装置は、ウエハ保持体と、測定装置とを備えている。ウエハ保持体は、半導体ウエハを載置するための載置面を含んでいる。測定装置は、オリエンテーションフラットに現れる段差の数を測定する。 本発明の半導体ウエハの結晶方位測定装置によれば、測定装置を用いて、へき開面であるオリフラに現れる段差の数を測定することにより、オリエンテーションフラットと結晶面とのずれを判断できる。段差の数は定性的に測定できるので、オリフラ精度の測定のばらつきを大幅に低減できる。また、段差の数を測定するので、容易にオリフラ精度を測定できる。 上記半導体ウエハの結晶方位測定装置において好ましくは、測定装置は、強度および方向を調節できる光を照射する照射装置を含んでいる。 照射装置により、オリフラの段差をより明確に観察できる。そのため、より容易にオリフラ精度を測定できる。 上記半導体ウエハの結晶方位測定装置において好ましくは、ウエハ保持体は、載置面の角度および方向を調節できることを特徴としている。 ウエハ保持体により、オリフラの段差をより明確に観察できる位置に半導体ウエハを配置して、測定装置により段差の数を測定できる。そのため、より容易にオリフラ精度を測定できる。 本発明の半導体ウエハの結晶方位測定方法および半導体ウエハの結晶方位測定装置によれば、オリフラの断面に現れる段差の数を測定することにより、オリエンテーションフラットと結晶面とのずれを判断できる。そのため、ばらつきを減少するとともに、容易に測定できる。 以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。 図1は、本発明の実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定装置を示す概略図である。図1を参照して、本発明の実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定装置を説明する。図1に示すように、本発明の実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定装置100は、特定方向の結晶面に沿って割れるへき開性を有するとともに、オリエンテーションフラットが形成された半導体ウエハの結晶方位測定装置100である。半導体ウエハの結晶方位測定装置100は、ウエハ保持体110と、測定装置120とを備えている。ウエハ保持体110は、半導体ウエハ10を載置するための載置面111を含んでいる。測定装置120は、オリエンテーションフラット11に現れる段差の数を測定する測定する。 具体的には、図1に示すように、半導体ウエハの結晶方位測定装置100は、ウエハ保持体110と、測定装置120と、判断装置130とを備えている。 ウエハ保持体110は、半導体ウエハ10のオリフラ11を測定するために、オリフラ11を測定装置120で観察できる位置に配置するための部材である。ウエハ保持体110は、四角形や矩形など任意の形状の半導体ウエハを載置できる。 また、ウエハ保持体110は、載置面111の角度および方向を調節できることが好ましい。ウエハ保持体110は、載置面111の角度および方向を調節するために、回転部材(図示せず)などをさらに含んでいてもよい。 また、ウエハ保持体110は、載置した半導体ウエハ10を位置決めした位置で固定するためのピン112を含んでいてもよい。 測定装置120は、ウエハ保持体110に保持されている半導体ウエハ10のオリフラ11に現れる段差(縞)の数を測定するための装置である。測定装置120は、段差をより明確に観察できるように、強度および方向を調節できる光を照射する照射装置121を含んでいることが好ましい。照射装置121は、オリフラ11に対して88.5°以上89.5°以下の角度、より好ましくは88.9°以上89.1°以下で光を照射できるように、光の方向を調節できることがより好ましい。 また、測定装置120は、CCDカメラ122をさらに含んでいることが好ましい。CCDカメラ122は、オリフラ11を観察するための部材であり、オリフラ11を映し出して段差を読み取るために用いられる。また、図1に示すように、CCDカメラ122は、照射装置121と接続されていてもよい。また、測定装置130は、CCDカメラ122に写るオリフラ11について画像処理を行ない、オリフラ11の段差の数を数える機能を備えていてもよい。 判断装置130は、オリフラ11の段差の数から、オリフラ精度を算出するための部材である。オリフラ11の段差とオリフラ精度とが比例関係にあることを本願発明者は鋭意研究の結果、発見した。そのため、判断装置130は、所定の比例定数とオリフラ11の段差の数とから、オリフラ精度を算出する。 なお、半導体ウエハの結晶方位測定装置100は、判断装置130を備えていなくてもよい。 次に、図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定方法を説明する。実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定方法は、上述した半導体ウエハの結晶方位測定装置100を用いて行なう。なお、図2は、本発明の実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定方法を示すフローチャートである。図3は、本発明の実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定方法に用いる半導体ウエハのオリフラを示す図であり、(A)は概略上面図であり、(B)は概略側面図である。 まず、図2に示すように、特定方向の結晶面に沿って割れるへき開性を有するとともに、オリエンテーションフラット11が形成された半導体ウエハ10を準備する準備工程(S10)を実施する。準備工程(S10)では、へき開性に従ってへき開されたオリフラ11を有する半導体ウエハ10を準備する。なお、準備される半導体ウエハ10は、特定方向の結晶面に沿って割れるへき開性を有していれば特に限定されない。また、半導体ウエハ10の形状は、特に限定されず、四角形や矩形など任意の形状の半導体ウエハを用いることができる。 準備工程(S10)では、半導体ウエハ10として、化合物半導体ウエハを準備することが好ましく、III−V族化合物半導体を準備することがより好ましい。 化合物半導体ウエハとしてたとえばGaAsからなるGaAs基板を準備する場合、たとえば以下のようにして準備工程(S10)を実施する。まず、円柱形状のGaAsの単結晶インゴットにオリフラ11を形成する。そして、オリフラ11が形成されたインゴットをスライスして、円盤形状の薄板に形成する。このGaAs基板の表面および裏面は、面方位が(100)である結晶面に沿って形成されている。オリフラ11は、特定方向([011]方向)の結晶面((011)面)に沿って外周縁の一部を直線状に切断することにより形成されている。なお、GaAs基板は、[011]方向の(011)面に沿って割れるへき開性を有している。また、本明細書中においては、個別方位を[]、個別面を()でそれぞれ示している。 次に、オリエンテーションフラットに現れる段差の数を測定する測定工程(S20)を実施する。準備工程(S10)で半導体ウエハ10のオリフラ11と結晶面12とがずれている場合には、図3(A)および(B)に示すように、オリフラ11に段差11aが発生する。一方、オリフラ11と結晶面12とにずれがない場合には、段差11aは発生しない。なお、半導体ウエハ10がたとえばGaAs基板である場合には、特定方向は[011]であり、結晶面12は(011)である。 具体的には、準備工程(S10)で準備する半導体ウエハ10をウエハ保持体110の載置面111に載置する。そして、測定装置120により、オリフラ11に現れる段差11aの数を測定する。測定工程(S20)で測定する方法は、特に限定されず、任意の方法を採用することができる。たとえば、図1に示すように、照射装置121でオリフラ11を照射して、CCDカメラ122で段差の数を測定する。また、たとえばノーマルスキー式微分干渉顕微鏡でオリフラ11の段差の数を測定する。また、たとえば照射装置121でオリフラ11を照射して、目視で段差の数を測定する。 測定工程(S20)では、オリフラ11の段差11aのコントラストが明らかになるように測定装置120から照射する光の強度および方向を調節することが好ましい。具体的には、測定工程(S20)では、オリフラ11に対して88.5°以上89.5°以下の角度で光を照射して、段差11aを測定することが好ましい。光を照射する角度は、88.5°以上89.5°以下が好ましく、88.9°以上89.1°以下がより好ましい。この範囲の角度で光を照射すると、段差11aのコントラストがより明瞭になり、段差11aの数の測定がより容易になる。なお、照射する光の光軸とオリフラ11とが垂直の場合には、当該角度は90°である。 次に、図3(A)および(B)に示すように、段差11aの数により、オリフラ11と結晶面12とのずれであるオリフラ精度(OF精度)θを判断する判断工程(S30)を実施する。なお、オリフラ精度θとは、半導体ウエハ10に形成されるオリフラ11の両端部を結ぶ直線と、結晶面12とのなす角度を意味する。 ここで、本願発明者は、測定工程(S20)で測定された段差11aの数と、オリフラ精度θとが比例することを鋭意研究の結果、発見した。そのため、測定工程(S20)で測定された段差11aの数と、所定の比例係数とから、オリフラ精度を判断することができる。 また、測定工程(S20)でオリフラ11に現れるすべての段差の数を測定してもよいし、オリフラ11における所定の領域に現れる段差の数を測定してもよい。この場合には、判断工程(S30)で、それぞれの領域に現れる段差の数と、当該領域に適切な比例係数とから、オリフラ精度を判断することができる。 上記の工程(S10〜S30)を実施することにより、実施の形態における半導体ウエハの結晶方位を測定することができる。なお、半導体ウエハ10がGaAs基板である場合には、結晶面は(011)面として説明したが、(011)面と等価な面であってもよい。また、半導体ウエハがGaAs以外の結晶によって形成されている場合には、その結晶に応じた結晶面とすることによって、種々の半導体ウエハの結晶方位を測定することができる。 また、半導体ウエハ10のオリフラ11をへき開して形成した直後に、上記半導体ウエハの結晶方位測定方法を実施することが好ましい。オリフラ11を形成した直後に当該方法によりオリフラ精度を測定すると、オリフラ精度が所定の範囲外であればへき開の条件を変更してオリフラ11の形成をやり直す。これにより、半導体ウエハ10に高い要求値を実質的に満たすオリフラ精度を有するオリフラ11を形成できる。 以上説明したように、本発明の実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定方法によれば、特定方向の結晶面12に沿って割れるへき開性を有するとともに、オリエンテーションフラット11が形成された半導体ウエハ10を準備する準備工程(S10)と、オリエンテーションフラット11に現れる段差11aの数を測定する測定工程(S20)と、段差11aの数により、オリエンテーションフラット11と結晶面12とのずれを判断する判断工程(S30)とを備えている。本願発明者は鋭意研究の結果、特定方向に沿って割れるへき開性を有する半導体ウエハを特定方向(結晶面12)に沿ってへき開してオリフラを形成するときに、オリフラ11と結晶面12とがずれている場合には、へき開面であるオリフラ11に一定高さの段差11aが現れることを発見した。そして、その段差11aの数を測定することによって、オリフラ11に対する結晶面12のずれであるオリフラ精度を判断できることを発見した。そのため、実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定方法によれば、オリフラ11に現れる段差11aの数を測定することにより、オリフラ11と結晶面12とのずれを判断できる。そのため、定性的に段差11aの数を測定できるので、測定工程(S20)でのばらつきを大幅に低減できる。また、段差11aの数を測定するので、オリフラ精度の測定に大きく時間を要することなく、容易にかつ簡便にオリフラ精度を測定できる。 さらに、上記特許文献1に記載のX線によってオリフラ精度を測定する方法では、当接治具によりオリフラ(基準面)を正確に固定してX線を照射している。しかし、実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定方法では、オリフラ11の固定によりオリフラ精度に影響が出ない。また、当接治具を用いることなくオリフラ精度を測定できるとともに、当接治具(ピン112)を用いる場合であっても強く押し付けて固定する必要がない。そのため、実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定方法で測定する場合には、測定によりオリフラ11に欠けが生じることを防止できる。 上記半導体ウエハの結晶方位測定方法において好ましくは、準備工程(S10)では、化合物半導体ウエハを準備することを特徴としている。これにより、化合物半導体ウエハのオリフラ精度についてもばらつきを減少できる。また、容易にオリフラ精度を測定できる。 上記半導体ウエハの結晶方位測定方法において好ましくは、測定工程では、オリエンテーションフラットに対して88.5°以上89.5°以下の角度で光を照射して、段差11aの数を測定することを特徴とする。これにより、測定工程(S20)において、オリフラの段差11aがより明確に観察できる。そのため、より容易に測定工程(S20)を実施できる。 本発明の半導体ウエハの結晶方位測定装置は、特定方向の結晶面12に沿って割れるへき開性を有するとともに、オリエンテーションフラットが形成された半導体ウエハ10のオリエンテーションフラット11と結晶面12とのずれを測定する半導体ウエハの結晶方位測定装置100であって、半導体ウエハ10を載置するための載置面111を含むウエハ保持体110と、オリエンテーションフラット11に現れる段差11aの数を測定するための測定装置120とを備えている。実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定装置100によれば、測定装置120を用いて、オリフラ11に現れる段差11aの数を測定することにより、オリフラ11と結晶面12とのずれを判断できる。そのため、段差の数を定性的にを測定するので、測定されるオリフラ精度のばらつきを大幅に低減できる。また、段差11aの数を測定するので、時間を大きく要することなく、容易にかつ簡便にオリフラ精度を測定できる。 上記半導体ウエハの結晶方位測定装置100において好ましくは、測定装置120は、強度および方向を調節できる光を照射する照射装置121を含んでいる。照射装置121により、オリフラ11の段差11aをより明確に観察できる。そのため、より容易にオリフラ精度を測定できる。 上記半導体ウエハの結晶方位測定装置100において好ましくは、ウエハ保持体110は、載置面111の角度および方向を調節できることを特徴としている。ウエハ保持体110により、オリフラ11の段差11aをより明確に観察できる位置に半導体ウエハ10を配置して、測定装置120により段差11aの数を測定できる。そのため、より容易にオリフラ精度を観察できる。 [実施例] 以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1〜4) 実施例1〜4では、実施の形態1における半導体ウエハの結晶方位測定装置を用いて、半導体ウエハの結晶方位測定方法を実施して、オリフラ精度を測定した。 具体的には、まず、準備工程(S10)として、特定方向の結晶面に沿って割れるへき開性を有するとともに、オリエンテーションフラットが形成された半導体ウエハとして、GaAsからなるGaAs基板を4枚準備した。GaAs基板の結晶面は(011)面とし、結晶面に沿ってオリフラを形成した。 次に、オリエンテーションフラットに現れる段差の数を測定する測定工程(S20)を実施した。測定工程(S20)は、図1に示す結晶方位測定装置を用いて行なった。詳細には、まず、ウエハ保持体に、準備したGaAs基板を載置した。そして、準備したGaAs基板のオリフラに対して83°の角度でそれぞれ光を照射した。そして、オリフラの横方向(長さ方向)において中央部を含む15mmの範囲内に現れた段差の数を、CCDカメラを用いて測定した。なお、実施例1では、照射装置が接続されたCCDカメラとして、ファイバ同軸照明4倍レンズ(SONY社製の商品名「白黒ビデオカメラモジュール」)を用いて測定した。 測定工程(S20)においてCCDカメラによる画像処理を行なうと、図4に示すように、オリフラに段差(縞)が現れていることがわかった。そのため、測定工程(S20)では、図4に示すように、オリフラに現れた段差の数を目視で数えた。なお、図4は、実施例における測定工程で測定されたオリフラ断面を示す図である。また、実施例1〜4の段差D(図3参照)は、0.3μmであった。 次に、段差の数により、オリフラと結晶面とのずれを判断する判断工程(S30)を実施した。具体的には、縞の数とオリフラ精度とは比例関係にあるため、所定の比例係数により、オリフラ精度を算出した。 そして、実施例1〜4について、測定工程(S20)を20回実施して、段差の数を測定した。そして、それぞれの測定工程(S20)の結果から、判断工程(S30)を実施してオリフラ精度を測定した。20回の測定工程(S20)および判断工程(S30)の結果から、標準偏差および3σを求めた。その結果を下記の表1に示す。 (比較例1、2) 比較例1、2では、実施例1、2で準備した半導体ウエハ(GaAs基板)について、X線を照射して、オリフラ精度を測定した。 具体的には、図5(A)に示すように、GaAs基板210の表面を当接治具212によりウエハ保持体に載置した。そして、X線をオリフラに照射して、反射したX線を検出器で測定した。次に、図5(B)に示すように、GaAs基板210の裏面を当接治具212によりウエハ保持体に載置した。そして、同様にX線をオリフラに照射して、反射したX線を検出器で測定した。なお、図5(A)および(B)は、比較例におけるオリフラ精度の測定方法を示す概略上面図である。 そして、図5(A)および(B)に示すオリフラ精度は、以下の式から算出した。 オリフラ精度=(2θ+α+β)/2 ただし、上記式において、θは、(011)面からのずれ角である。αは、半導体基板の表面をセットしたときのずれ角である。βは、半導体基板の裏面をセットしたときのずれ角である。 そして、比較例1、2について、図5(A)(B)に示すように、GaAs基板210の表面を当接治具212によりウエハ保持体に載置して、X線をオリフラに照射してオリフラ精度をそれぞれ20回測定した。20回の測定の結果から、標準偏差および3σをそれぞれ求めた。その結果を上記の表1に示す。なお、表1において、OF精度は、20回の測定による最大値と最小値との平均値を記載している。また、段差の数は、実施例1,2の結果を記載している。 (評価結果) 図5に示すように、実施例1〜4の段差(縞)本数から算出されたオリフラ精度のばらつきは、比較例1、2のX線により測定されたオリフラ精度のばらつきと比較して、非常に低減することができた。すなわち、比較例1、2では、当接治具による測定誤差の影響が大きいかったが、実施例1〜4では、当接治具によるずれは段差の数に影響が小さいことがわかった。実施例の結果から、X線により測定されたオリフラ精度と比較して、本発明の半導体ウエハの結晶方位測定方法(オリフラ測定方法)により測定されたオリフラ精度は、測定によるばらつきを低減して容易に測定できることが確認できた。 以上に開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態および実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものと意図される。 本発明の半導体ウエハの結晶方位測定方法および半導体ウエハの結晶方位測定装置によれば、オリフラに対する結晶面のずれを測定する際に、ばらつきを減少するとともに、容易に測定できる。そのため、III−V族化合物半導体ウエハなどの化合物半導体ウエハにオリフラを形成する際に、当該方法および装置を用いることにより、より高いオリフラ精度のオリフラを化合物半導体ウエハに形成することができる。本発明の実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定装置を示す概略図である。本発明の実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定方法を示すフローチャートである。本発明の実施の形態における半導体ウエハの結晶方位測定方法に用いる半導体ウエハのオリフラを示す図であり、(A)は概略上面図であり、(B)は概略側面図である。実施例における測定工程で測定されたオリフラ断面を示す図である。(A)および(B)は、比較例におけるオリフラ精度の測定方法を示す概略上面図である。符号の説明 10 半導体ウエハ、11 オリエンテーションフラット(オリフラ)、11a 段差、12 結晶面、100 結晶方位測定装置、110 ウエハ保持体、111 載置面、112 ピン、120 測定装置、121 照射装置、122 CCDカメラ、130 判断装置、210 GaAs基板、12 当接治具。 特定方向の結晶面に沿って割れるへき開性を有するとともに、オリエンテーションフラットが形成された半導体ウエハを準備する準備工程と、 前記オリエンテーションフラットに現れる段差の数を測定する測定工程と、 前記段差の数により、前記オリエンテーションフラットと前記結晶面とのずれを判断する判断工程とを備える、半導体ウエハの結晶方位測定方法。 前記準備工程では、化合物半導体ウエハを準備することを特徴とする、請求項1に記載の半導体ウエハの結晶方位測定方法。 前記測定工程では、前記オリエンテーションフラットに対して88.5°以上89.5°以下の角度で光を照射して、前記段差の数を測定することを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体ウエハの結晶方位測定方法。 特定方向の結晶面に沿って割れるへき開性を有するとともに、オリエンテーションフラットが形成された半導体ウエハの前記オリエンテーションフラットと前記結晶面とのずれを測定する半導体ウエハの結晶方位測定装置であって、 前記半導体ウエハを載置するための載置面を含むウエハ保持体と、 前記オリエンテーションフラットに現れる段差の数を測定するための測定装置とを備える、半導体ウエハの結晶方位測定装置。 前記測定装置は、強度および方向を調節できる光を照射する照射装置を含む、請求項4に記載の半導体ウエハの結晶方位測定装置。 前記ウエハ保持体は、前記載置面の角度および方向を調節できることを特徴とする、請求項4または5に記載の半導体ウエハの結晶方位測定装置。 【課題】オリフラに対する結晶面のずれを測定する際に、ばらつきを減少するとともに、容易に測定できる半導体ウエハの結晶方位測定方法および半導体ウエハの結晶方位測定装置を提供する。【解決手段】半導体ウエハの結晶方位測定方法は、特定方向の結晶面に沿って割れるへき開性を有するとともに、オリエンテーションフラット11が形成された半導体ウエハ10を準備する準備工程を実施する。そして、オリエンテーションフラット11に現れる段差の数を測定する測定工程を実施する。そして、段差の数により、オリエンテーションフラット11と結晶面とのずれを判断する判断工程を実施する。準備工程では、化合物半導体ウエハを準備することが好ましい。【選択図】図1