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タイトル:特許公報(B2)_ビール風発酵アルコール飲料製造における発酵性改善方法
出願番号:2006298658
年次:2011
IPC分類:C12G 3/02


特許情報キャッシュ

山内 沙織 杉原 真麻 大金 修 JP 4659718 特許公報(B2) 20110107 2006298658 20061102 ビール風発酵アルコール飲料製造における発酵性改善方法 麒麟麦酒株式会社 307027577 廣田 雅紀 100107984 小澤 誠次 100102255 東海 裕作 100096482 大▲高▼ とし子 100123168 ▲高▼津 一也 100120086 堀内 真 100131093 山内 沙織 杉原 真麻 大金 修 20110330 C12G 3/02 20060101AFI20110310BHJP JPC12G3/02 C12C C12F C12G C12H C12J C12L 特開2006−042749(JP,A) 特開平01−257467(JP,A) 特開平10−229868(JP,A) 国際公開第2005/073394(WO,A1) 特開2004−321019(JP,A) 特開平10−179126(JP,A) 特開昭56−161808(JP,A) 特許第3943122(JP,B2) 8 2008113587 20080522 21 20090518 冨士 良宏 本発明は、原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において、タンニン酸を用いて、ビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性を改善する方法に関する。 ビールや発泡酒のような麦芽を原料とする酒類を製造する際に、発酵工程中において「早期凝集現象」(早凝現象)と呼ばれる現象が観察される場合がある。これは発酵工程、特に発酵後期に、酵母の資化可能な糖分がまだ麦汁中に残っているにもかかわらず、酵母が凝集して沈降してしまう現象のことをいい、酵母が凝集・沈降すると発酵の進行が停止する。この現象が見られると、発酵が十分でない、規格外の酒類製品となり、早凝性を有する麦を原料としてビール等の醸造を行った場合、大きな損害を蒙ることが知られている。 この早凝現象と呼ばれる現象は、麦芽を原料とした下面発酵において、発酵後半で酵母が凝集沈殿して糖消費が緩慢になる現象として古くから知れきた。その早凝現象は、「早期凝集因子」(早凝因子)が関係していると報告されている(WO2005/07/3994 A1; J. Am. Soc. Brew. Chem., 2005, 63(4), 147-150.)。 この麦芽を原料とする酒類の製造における、早期凝集現象という問題を解決すべく古くから多くの研究が進められてきた結果、この早期凝集現象は、原料麦に由来し、麦芽中に含まれる高分子酸性多糖が原因であることもほぼ突き止められたが、早期凝集現象を引き起こす原因となる因子(以下「早凝因子」という)が、原料麦中に存在するのか、それとも製麦工程中に生成するのかは知られていなかった。しかし、最近になって、早凝因子が、製麦工程において生成される場合と、原料麦中にもともと存在している場合があることが分かった(J. Inst. Brew., 97,359-366, 1991;日本農芸化学会誌, 71, 381, 1997;特開平10−179190号公報)。しかしながら、その早凝現象を回避する有効な手立ては、今の所、存在しないのが現状で、早凝現象を引起す麦芽の使用比率を極端に低下させる以外は方法が無かった。 一方、最近、ビールや発泡酒に加えて、その他の雑酒のような各種の発酵アルコール飲料が製造されており、原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料が製造されている(特公昭57−97899号公報、特開平10−191954号公報、特開2001−37462号公報、特開2001−103954号公報、特開2005−124591号公報、特開2006−158268号公報、特開2006−238877号公報)。そこで、麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造においても、麦芽による「早期凝集現象」(早凝現象)のような現象が見られ、発酵後期に、酵母の資化可能な糖分がまだ麦汁中に残っているにもかかわらず、酵母が凝集して沈降してしまい、発酵の進行が停止し、発酵不良となる現象がみられる。しかしながら、原料に麦芽を使用しないビール風発酵アルコール飲料の早凝現象については、麦芽にある高分子酸性多糖のような早凝因子は存在しないため、その原因が何であるか解明されていないのが実状である。 原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において、酵母が凝集して沈降してしまい、発酵不良で糖消費が緩慢になると、アルコール生成不定、アルデヒド消失不足、糖の残留等が発生し、香味上も「もたつき感」「異常臭味」が問題となってくる。その解決策として、従来は、酵母添加量や発酵温度等の発酵条件を変えることを行っていた。しかし、香味を通常範囲に抑えて、発酵条件だけで発酵不良を改善することは困難であった。したがって、従来、原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において発生する早凝現象による発酵不良現象に対しては、有効な対応手段が見い出されておらず、原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造上、品質面・コスト面に多くの問題を抱えていた。特公昭57−97899号公報。特開昭49−100294号公報。特開昭55−75716号公報。特開昭56−161808号公報。特開平10−179190号公報。特開平10−191954号公報。特開平11−313664号公報。特開2001−37462号公報。特開2001−103954号公報特開2001−231537号公報特開2005−124591号公報特開2006−158268号公報。特開2006−238877号公報。WO2005/07/3394 A1.J. Am. Soc. Brew. Chem., 2005, 63(4), 147-150。J. Inst. Brew., 97,359-366, 1991。日本農芸化学会誌, 71, 381, 1997。宮地秀夫著「ビール醸造技術」株式会社食品産業新聞社(1999年12月28日)371頁、375頁。 本発明の課題は、原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において、発酵液の発酵性を改善して、発酵液の酵母早凝現象を回避し、酵母による健全な発酵と香味豊かなビール風発酵アルコール飲料の製造を可能とする方法を提供することにある。ここで、発酵液の「発酵性」の改善とは、発酵期間中における「酵母浮遊性」の向上、「エキス(糖)消費」の促進、及び「アセトアルデヒドやダイアセチル等のオフフレーバー」の低減をいう。すなわち、本発明の課題は、原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において、発酵工程における発酵液の酵母早凝現象を回避し、発酵における発酵途中の浮遊酵母数を確保し、酵母によるエキス(糖)消費を促進させ、更に、アセトアルデヒドやダイアセチルのような発酵不良由来の異臭味を低減させることにより、健全な発酵とアルデヒド量の低減を行い、香味豊かなビール風発酵アルコール飲料の製造を可能とする方法を提供することにある。 本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討する中で、原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において、発酵に用いる仕込液及び/又は発酵に用いる酵母液に、タンニン酸を添加し、混合処理することにより、発酵液の発酵性を顕著に改善することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明により、原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造工程において、タンニン酸を、酵母添加前の仕込液へ或いは酵母添加後の発酵液へ、又は、発酵に用いる酵母液へ添加し、混合処理することにより、発酵液の発酵性を著しく改善することが可能であることを見い出し、本発明をなした。 本発明の原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造工程における発酵液の発酵性改善の機構について説明すると、本発明者は、例えば、大豆、ソルガム、エンドウ豆、コーン等を用い、原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造に際しての、発酵工程における酵母早凝性の原因及び機構について鋭意研究する中で、原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の発酵中に酵母が凝集する現象は、顕微鏡観察の結果から、凝集している酵母と酵母の間隙に接着剤の如く存在する未分解タンパク質を主とする微粒子が関与しており、その微粒子は原料由来で、仕込液中に存在していることを解明した。 そこで、このような発酵液の中で、酵母の凝集する現象を回避し、酵母の浮遊性を向上し、エキス(糖)消費の促進、及びアセトアルデヒドやダイアセチル等のオフフレーバーの低減する効果を発揮するには、(1)仕込液中の未分解タンパク質を主とする微粒子を除去すると伴に、(2)酵母に吸着する未分解タンパク質を主とする微粒子及び、析出してきた微粒子を効率的にブロックすることが必要であると想定した。 そこで、上記課題を解決できる手段について、鋭意検討する中で、タンニン酸が、上記課題を解決できる機能を有することを思いがけず発見した。すなわち、原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造工程における発酵液の酵母添加前の仕込液或いは酵母添加後の発酵液、又は、発酵に用いる酵母液に、タンニン酸を添加、混合処理すると、(1)酵母の凝集の原因となる未分解タンパク質を主とする微粒子の除去と、(2)該微粒子のブロッキング効果の上記2つの機能を有していることを見い出した。そして、タンニン酸の添加により、酵母の凝集する現象を回避し、発酵液の発酵性の改善を図ることができることを確認した。 本発明においては、同時に、タンニン酸以外にもタンパクを凝集沈殿させて、仕込液の系外に除去する働きのあるものについて検討し、確認したが、本発明の上記課題を解決できるもの見い出せなかった。例えば、アルギン酸やκ-カラギーナン等は、タンパクを凝集沈殿させる機能を有するものであるが、タンパク質以外の酵母自身も凝集沈殿させてしまう為、タンニン酸と同様な本願発明の目的に合う効果は得られなかった。タンニン酸は、感受性のタンパク質と結合沈殿する働きや感受性のタンパク質を吸着する働きがあることから、ビール等の混濁防止のために、濾過或いは貯蔵工程で添加されることが知られているものであるが、(宮地秀夫著「ビール醸造技術」株式会社食品産業新聞社(1999年12月28日)371頁、375頁;特開昭49−100294号公報;特開昭55−75716号公報;特開昭56−161808号公報;特開平11−313664号公報;特開2001−231537号公報)、本発明のようなタンニン酸の使用は知られていない。 本発明において用いられるタンニン酸(タンニン)は、フラバノール骨格を持つ化合物が重合した縮合型タンニン酸と没食子酸やエラグ酸などの芳香族化合物とグルコースなどの糖がエステル結合を形成した加水分解性タンニン酸の二つに分類されるが、本発明における発酵性の改善には、それらのいずれのタンニン酸も用いることができる。本発明の目的において、特に好ましいタンニン酸としては、ガロタンニン、タラタンニン、没食子タンニン(加水分解型タンニン)、及び柿シブ(縮合型タンニン)が挙げられる。 本発明において、タンニン酸の添加量としては、タンニン酸を、酵母添加前の仕込液に対して添加する場合は、仕込液当たり、10〜200mg/l(0.022〜0.44mg/mg全窒素=0.83〜16.66mg/2000G・10min g遠沈酵母)の割合で添加し、タンニン酸を、酵母添加後の発酵液に対して添加する場合は、発酵液当たり、10〜100mg/l(0.022〜0.22mg/mg全窒素=0.83〜8.33g/2000G・10min kg遠沈酵母)の割合で添加し、タンニン酸を、発酵に用いる酵母液に対して添加する場合は、添加酵母当たり、0.1〜8.33g/2000G・10min kg遠沈酵母(酵母重量は、遠心処理(3000rpm=約2000G、10分間)を行なったものとして定義する。以下同じ。)の割合で添加する。それ以下の濃度では効果が認められなかった。なお、上記表示のとおり、タンニン酸を、仕込液当たり或いは発酵液当たり「10〜200mg/l」或いは「10〜100mg/l」の割合で添加する場合を、仕込み液中或いは発酵液中の全窒素当たりに換算すると、該添加量は、仕込み液中或いは発酵液中の全窒素1mg当たり、「0.022〜0.44mg/mg全窒素」或いは「0.022〜0.22mg/mg全窒素」の割合で添加することとなる。 本発明においては、原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において、本発明の発酵液の発酵性の改善方法を用いてビール風発酵アルコール飲料の製造を行なうことにより、早凝性を有する発酵液を使用した場合でも、発酵不良を改善することができ、香味の優れたビール風発酵アルコール飲料を製造することができる。また、本発明においては、タンニン酸を添加・混合処理し、酵母による発酵を行った後の、発酵終了後の濾過工程において、PVPP(polyvinylpolypyrolidone)処理のような手段で、タンニン酸由来の渋味の調節を行なうことにより、ビール風発酵アルコール飲料の渋味の調節を行なうことができる。 すなわち具体的には本発明は、(1)原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において、仕込液又は発酵に用いる酵母液に、タンニン酸を添加し、混合処理することを特徴とするビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性の改善方法や、(2)タンニン酸が、ガロタンニン、タラタンニン、没食子タンニン、及び柿シブから選定された1又は2以上のタンニン酸であることを特徴とする上記(1)記載のビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性の改善方法や、(3)タンニン酸の添加が、ビール風発酵アルコール飲料の製造工程において、酵母添加前の仕込液への添加或いは酵母添加後の発酵液への添加、又は、発酵に用いる酵母液への添加であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載のビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性の改善方法や、(4)タンニン酸を、発酵に用いる酵母液に対して、添加酵母当たり、0.1〜8.33g/2000G・10min kg遠沈酵母の割合で添加することを特徴とする上記(3)記載のビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性の改善方法からなる。 また本発明は、(5)タンニン酸を、酵母添加前の仕込液に対して、仕込液当たり、10〜200mg/lの割合で添加することを特徴とする上記(3)記載のビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性の改善方法や、(6)タンニン酸を、酵母添加後の発酵液に対して、発酵液当たり、10〜100mg/lの割合で添加することを特徴とする上記(3)記載のビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性の改善方法や、(7)原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において、ビール風発酵アルコール飲料の製造工程における、酵母添加前の仕込液或いは酵母添加後の発酵液、又は、発酵に用いる酵母液に対して、タンニン酸を添加・混合処理し、酵母による発酵を行うことを特徴とするビール風発酵アルコール飲料の製造方法や、(8)原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において、ビール風発酵アルコール飲料の製造工程における、酵母添加前の仕込液或いは酵母添加後の発酵液、又は、発酵に用いる酵母液に対して、タンニン酸を添加・混合処理し、酵母による発酵を行い、発酵終了後の濾過工程において、渋味の調節を行なうことを特徴とするビール風発酵アルコール飲料の製造方法からなる。 本発明のビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性の改善方法により、早凝性を有する発酵液を使用した場合の発酵不良を効果的に改善することができ、発酵途中の浮遊酵母の確保、エキス(糖)消費の促進、及び発酵不良由来の異臭味の低減等により、早凝性を有する発酵液を使用した場合の問題を解決して、香味の優れたビール風発酵アルコール飲料の製造を行なうことが可能となる。したがって、本発明の方法により、従来、有効な対応手段が見い出されていなかった、原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において発生する早凝現象による発酵不良現象に対して、現実的、効果的な対応が可能となり、ビール風発酵アルコール飲料の製造における発酵アルコール飲料の品質面、及び製造コストの面での大幅な改善が可能となった。 本発明は、原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において、仕込液又は発酵に用いる酵母液に、タンニン酸を添加し、混合処理することにより、ビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性を改善する方法からなる。 本発明において用いられるタンニン酸(タンニン)としては、天然植物由来の縮合型タンニン酸と加水分解性タンニン酸のいずれのタンニン酸をも用いることができ、通常は粉体のものを用いる。該タンニン酸により、発酵液の発酵性改善効果を得ることができるが、発酵性改善効果の度合いは、タンニン酸の種類により多少異なる。特に、顕著な効果が確認されるのは、ガロタンニン、タラタンニン、没食子タンニン(加水分解型タンニン)、及び柿シブ(縮合型タンニン)の場合である。これらは分子量が、1000を超えるもので、分子量が比較的小さい単量体や二量体のカテキン・エピカテキン・没食子酸等は効果を示さない。粉体のタンニン酸は、粉体を予め水に溶いても良いし、粉体のまま添加用酵母液、仕込液又は発酵液に添加しても良い。 本発明においてタンニン酸は、ビール風発酵アルコール飲料の製造工程において、酵母添加前の仕込液の段階、或いは、酵母添加後の発酵液の段階、又は、発酵に用いる酵母液の段階で添加され、均一に混合処理される。タンニン酸の酵母の浮遊性向上並びにアルデヒド低減効果は、発酵液中に残存するタンニン酸量が多いほど効果を増す傾向があり、煮沸開始時仕込液よりも煮沸終了時仕込液に添加する方が高い効果を示す。また、予め添加酵母液に直接添加しても、或いは、仕込液に混合しても効果がある。また、発酵液に直接添加しても効果がある。しかしながら、実使用においては、微生物汚染防止の観点から高温(80℃〜100℃)状態にある仕込液にタンニン酸を添加することが望ましい。 本発明においてタンニン酸の添加条件としては、発酵に用いる酵母液に直接タンニン酸を添加する場合の添加温度は、0〜30℃、望ましくは5℃〜15℃が良い。タンニン酸を添加した酵母液を仕込液に添加して発酵を開始するまでの時間に制約はないが、望ましくは1時間程度であることが好ましい。一方、仕込液に添加する場合は、50℃〜100℃、望ましくは80℃〜100℃であり、タンニン酸の添加から酵母に接触し発酵を開始するまでの時間に制約はない。また、発酵液に添加する場合も特に制約はない。 本発明においてタンニン酸の添加量は、それぞれの添加するタンニン酸について、添加する仕込液、発酵液、又は酵母液について、適宜、早凝性の改善効果を得るための適当な量を定めることができる。タンニン酸を発酵に用いる酵母液に直接添加する場合は、1.2〜100mg/l(0.1〜8.33g/2000G・10min kg遠沈酵母)、望ましくは5〜50mg/l(0.41〜4.16g/2000G・10min g遠沈酵母)が良い。 一方、仕込液(煮沸開始時仕込液・煮沸終了時仕込液等)に添加する場合は、10〜200mg/l(0.022〜0.44mg/mg全窒素=0.83〜16.66g/2000G・10min kg遠沈酵母)、望ましくは20〜100mg/l(0.044〜0.22mg/mg全窒素=1.66〜8.33g/2000G・10min kg遠沈酵母)が望ましい。発酵液に添加する場合は、特に発酵日数1〜4日目の間に10〜100mg/l(0.022〜0.22mg/mg全窒素=0.83〜8.33g/2000G・10min kg遠沈酵母)添加することが望ましい。浮遊性の増加に添加の上限は無いが、添加量が多くなりすぎると、液上面に酵母が浮きすぎて固まりになりやすいことと、沈降量が少ない為に、酒下し時点での酵母回収が行えないこと等から、200mg/l(0.44mg/mg全窒素=16.66g/2000G・10min kg遠沈酵母)程度の添加に留める事が望ましい。 本発明の発酵液の発酵性の改善方法を用いて、ビール風発酵アルコール飲料を製造する方法は、上記のとおり、ビール風発酵アルコール飲料の製造工程において、酵母添加前の仕込液の段階、或いは、酵母添加後の発酵液の段階、又は、発酵に用いる酵母の段階でタンニン酸を添加し、混合処理する点を除いて、通常のビール風発酵アルコール飲料の製造方法と特に変わる点はない。なお、ビール風発酵アルコール飲料中に残留するタンニン酸由来の渋みを抑制するために、濾過工程においてPVPP(polyvinylpolypyrolidone )処理等によりポリフェノールを適正値に調整することもできる(PVPP処理は、通常、ビール等の製造における濾過工程において、ポリフェノールの除去等のために行なわれている:宮地秀夫著「ビール醸造技術」株式会社食品産業新聞社(1999年12月28日)372頁)。 以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。 (最適添加時機)早凝性を有する発酵液の発酵性の改善のための、ビール風発酵アルコール飲料の製造工程におけるタンニン酸の最適添加時機について試験した。 (方法)大豆を原料としたビール風発酵アルコール飲料の製造工程において、パイロットプラントより煮沸前の仕込液を採取し、1.5lずつ計量して、煮沸試験及び発酵試験を行った。以下のタイミングでガロタンニン100mg/l(0.22mg/mg全窒素=8.33g/2000G・10min kg遠沈酵母)を添加した。(1)コントロール(ガロタンニン添加なし)(2)煮沸開始時添加(3)煮沸終了時添加(4)添加酵母液に直接添加 (結果)結果を、図1及び図2に示す。図1には、酒下し分析結果を示す。図中、浮遊酵母数はコントロールを1としたときの総対比で示す。図2には、エキスの消費(°P)の結果について示す。図に示されるように、ガロタンニンの浮遊効果は、添加箇所によって次のようになった;煮沸開始時=添加酵母液に直接添加<煮沸終了時。浮遊酵母数が増加すると、アセトアルデヒド量は減少し、イソアミルアセテート量は微増していた。ガロタンニン添加箇所が酵母添加時に近づく程、アセトアルデヒド量は減少し、イソアミルアセテート量は増加する傾向にあった。しかしながら、工場で使用する場合は、微生物管理上や、酵母回収量の確保の観点から、最適添加箇所は静置開始時添加が適切と考えた。 (添加量)早凝性を有する発酵液の発酵性の改善のための、タンニン酸の添加量について試験した。 (方法)大豆を原料としたビール風発酵アルコール飲料の製造工程において、パイロットプラントから冷却仕込み液を採取、1lずつ計量し、ガロタンニン0、50、100、200mg/l(0、0.11、0.22、0.44mg/mg全窒素=0、4.16、8.33、16.66g/2000G・10min kg遠沈酵母)の水準で添加して発酵試験を行った。 (結果)結果を、図3及び図4に示す。図3には、酒下し分析結果を示す。図中、浮遊酵母数はコントロールを1としたときの総対比で示す。図4には、エキスの消費(°P)の結果について示す。図に示されるように、ガロタンニンは、0〜200mg/l(0〜0.44mg/mg全窒素=0〜16.66g/2000G・10min kg遠沈酵母)の間に設定し発酵を行ったが、50mg/l辺りから効果が出始め、多く添加するほど酵母の浮遊性が高まった。以上のことより、仕込液の最適添加量は50〜100mg/l(0.11〜0.22mg/mg全窒素=4.16〜8.33g/2000G・10min kg遠沈酵母)であった。また、浮遊酵母数が増加したものは、それぞれイソアミルアセテート量の増加や、アセトアルデヒド量の減少などが見られ、香味バランスが良くなった。工場の仕込液を用いると、ガロタンニンの酵母浮遊性向上の効果が顕著で、20mg/l程度の添加が最適であった。こちらも、浮遊酵母数が増加したものは、それぞれイソアミルアセテート量の増加や、アセトアルデヒド量の減少などが見られた。 (添加条件)早凝性を有する発酵液の発酵性の改善のための、タンニン酸の添加条件について試験した。 a.静置時添加における温度の変化(方法)大豆を原料としたビール風発酵アルコール飲料の製造工程において、パイロットプラントから仕込液を採取し、煮沸試験を行った。この試験の、静置開始時にガロタンニンを添加し、コントロール(ガロタンニンなし)、静置温度25℃、95℃、90℃、80℃の5水準で発酵試験を行った。 (結果)結果を、図5及び図6に示す。図5には、酒下し分析結果を示す。図中、浮遊酵母数はコントロールを1としたときの総対比で示す。図6には、エキスの消費(°P)の結果について示す。図に示されるように、低温の方が浮遊酵母数はやや良い結果であったものの、25℃だと低すぎるようで、80〜90℃辺りが一番効果的であった。 b.静置時添加における静置時間の変化(方法)大豆を原料としたビール風発酵アルコール飲料の製造工程において、パイロットプラントから仕込液を採取し、煮沸試験を行った。この試験の、静置開始時にガロタンニンを添加し、コントロール(ガロタンニンなし)、静置時間0分、30分、60分、90分の5水準で発酵試験を行った。 (結果)結果を、図7及び図8に示す。図7には、酒下し分析結果を示す。図中、浮遊酵母数はコントロールを1としたときの総対比で示す。図8には、エキスの消費(°P)の結果について示す。図に示されるように、静置時間は、短い方が浮遊酵母数について比較的良い結果が出た。浮かせるには短い方が良さそうだが、発酵の進み具合などは、全ての時間でほぼ変わりが無かった。 (発酵液の発酵性の改善の機構)タンニン酸による、早凝性を有する発酵液の発酵性の改善の機構について試験した。 a.タンパク質除去作用(方法)大豆を原料としたビール風発酵アルコール飲料の製造工程において、予め仕込液のpHを下げて未分解の大豆タンパク質を主とする微粒子を除去した状態で発酵試験を行った。また、得られた発酵液を、顕微鏡で観察した。 (結果)発酵試験の結果、浮遊酵母数はpHを下げることで上昇し、アルデヒドも低下した。この事から、浮遊には未分解のタンパクが関連していると考えられた。また、得られた発酵液を、顕微鏡で観察した結果を、図9及び図10に示す。図9には、未分解タンパク質微粒子と酵母の状況について、図10には、ガロタンニン添加ありの発酵液の状況についての顕微鏡写真を示す。顕微鏡で観察を行った結果、凝集している酵母と酵母の間隙に接着剤の如く存在する未分解タンパク質を主とする微粒子が関与しており、その微粒子は原料由来で、仕込液中に存在していることが判った。更に、ガロタンニンを加えることにより、微粒子が除去された。 b.コーティング効果(方法)ガロタンニンを蛍光標識し、上記と同様にして、仕込液にガロタンニンを添加した後、酵母添加、発酵を行って、試験した。得られた発酵液を、顕微鏡で観察した。 (結果)顕微鏡で観察した結果を、図11及び図12に示す。図11には、顕微鏡観察結果(蛍光試験前)を、図12には、顕微鏡観察結果(蛍光試験後)を示す。顕微鏡で観察を行った結果、蛍光試験の結果より、ガロタンニンが酵母表層を覆っていることが判明した。大豆タンパク質を主とした微粒子がガロタンニンによって除去された状態であっても、発酵中期に大豆タンパクの等電点付近までpHが低下することによって、タンパクの凝集が起こり、微粒子の析出が見られる。このpH低下による微粒子の析出が、仕込み液中の微粒子を除去していない状況と似た環境を作り、微粒子を介した酵母同士の付着を起こし、発酵後期の凝集沈降を起こしている。この時、予めガロタンニンによって酵母にコーティングが成されていると、この析出微粒子から酵母がブロックされ、その後の発酵後期で微粒子を介した酵母同士の付着及び沈降を防ぐ効果があるものと考えられる。 c.カルシウムとの関係(方法)Caが間に介することによって酵母が沈降しているのではないかという仮説から、Ca量を増加して発酵を行った。Ca量が増えることにより、浮遊性が低下すると考えられる。 (結果)カルシウム添加量を増すと、糖消費が僅かに促進された。また、浮遊酵母数は若干だが仮説通りカルシウム量が増えるにつれて低くなっており、それと同時にイソアミルアセテート量が減少していた。アセトアルデヒドは、Ca量が増えたことによって増加傾向にあった。しかし、ガロタンニンを添加した結果と比べても、それほど大きな改善にはなっておらず、ガロタンニンのキレート効果(Ca除去効果)はあまり関与していないものと考えられる。 (総括)以上の試験例の結果から、ガロタンニンの発酵性改善効果は、酵母表層のコーティング効果と、仕込液中の未分解のタンパク質を主とする微粒子の除去の複合作用によるものと考えられる。 (類似化合物の効果)タンニン酸と類似する作用効果を有する化合物の、発酵性改善効果について試験した。 a.還元剤添加による効果(方法)大豆を原料としたビール風飲料の発酵液に、ガロタンニン、Gallic acid、チオグリコール酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウムのそれぞれを、50、200、500mg/l(0.11、0.44、1.1mg/mg全窒素=4.16,16.66,41.65g/2000G・10min kg遠沈酵母)の濃度で添加し、その後の浮遊酵母数の推移を観察した。 (結果)試験の結果、文献(「ビール酵母の凝集・分散に関与する環境要因」日本農芸化学会誌 VOL.58 No.10)に記載されていたチオグリコール酸ナトリウム、並びにメタ重亜硫酸カリウムの濃度による差は見られず、還元作用による酵母浮遊性の向上は確認できなかった。一方、添加時に目視でも浮いてきたのが解ったのはガロタンニンだけであった。また、Gallic acidは、唯一添加量に比例して浮遊酵母数が微増した。 b.低分子量のポリフェノール類添加による効果(方法)大豆を原料としたビール風飲料の発酵液に、ガロタンニン、Gallic acid、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシベンゼン、カテキン水和物、フェルラ酸、エピカテキン、エピガロカテキンのそれぞれを、50、200、500mg/l(0.11、0.44、1.1mg/mg全窒素=4.16,16.66,41.65g/2000G・10min kg遠沈酵母)の濃度で添加し、その後の浮遊酵母数の推移及び、エステル量、アルデヒド量を観察した。 (結果)結果を、図13及び図14に示す。図13には、酒下し分析結果を示す。図中、浮遊酵母数はコントロールを1としたときの総対比で示す。図14には、エキスの消費(°P)の結果について示す。図に示されるように、浮遊酵母数の向上、糖消費促進、エステル量増加、アルデヒド低減ともに効果があったのは、ガロタンニンのみであった。Gallic acidやフェルラ酸は、浮遊酵母数の向上に効果が見られたものの、その他の効果は大きくなかった。 この試験において、低分子量のポリフェノール類添加による効果についてのまとめを表1に示す。 c.高分子量のポリフェノール(タンニン類)添加による効果(方法)大豆を原料としたビール風飲料の発酵液に、加水分解型タンニン(ホップタンニン、チェストナット、タラタンニン)と、縮合型タンニン(柿シブ、ミモザ、ケブラッチョ)のそれぞれを、50、100mg/l(0.11、0.22mg/mg全窒素=4.16,8.33g/2000G・10min kg遠沈酵母)の濃度で添加し、その後の浮遊酵母数の推移及び、エステル量、アルデヒド量を観察した。 (結果)結果を、図15及び図16に示す。図15には、酒下し分析結果を示す。図中、浮遊酵母数はコントロールを1としたときの総対比で示す。図16には、エキスの消費(°P)の結果について示す。図に示されるように、類似化合物の中で、コントロールよりも浮遊酵母数の向上、糖消費促進、エステル量増加、アルデヒド低減ともに効果があったのは、加水分解型タンニンのガロタンニン、ホップタンニン、チェストナット、タラタンニン、縮合型タンニンの柿シブ、ミモザタンニンであった。中でも、加水分解型タンニンのタラタンニン、縮合型タンニンの柿シブが強い効果を示していた。 この試験において、高分子量のポリフェノール類添加による効果についてのまとめを表2に示す。本発明の実施例において、ビール風発酵アルコール飲料の製造工程におけるタンニン酸の最適添加時機の試験における、酒下し分析結果を示す図である。本発明の実施例において、ビール風発酵アルコール飲料の製造工程におけるタンニン酸の最適添加時機の試験における、エキスの消費(°P)の結果について示す図である。本発明の実施例において、早凝性を有する発酵液の発酵性の改善のための、タンニン酸の添加量についての試験における、酒下し分析結果を示す図である。本発明の実施例において、早凝性を有する発酵液の発酵性の改善のための、タンニン酸の添加量についての試験における、エキスの消費(°P)の結果について示す図である。本発明の実施例において、早凝性を有する発酵液の発酵性の改善のための、タンニン酸の添加条件についての試験における、静置時添加における温度の変化についての酒下し分析結果を示す図である。本発明の実施例において、早凝性を有する発酵液の発酵性の改善のための、タンニン酸の添加条件についての試験における、静置時添加における温度の変化についてのエキスの消費(°P)の結果について示す図である。本発明の実施例において、早凝性を有する発酵液の発酵性の改善のための、タンニン酸の添加条件についての試験における、静置時添加における静置時間の変化についての酒下し分析結果を示す図である。本発明の実施例において、早凝性を有する発酵液の発酵性の改善のための、タンニン酸の添加条件についての試験における、静置時添加における静置時間の変化についてのエキスの消費(°P)の結果について示す図である。本発明の実施例において、早凝性を有する発酵液の発酵性の改善の機構についての試験における、タンパク質除去作用について、未分解タンパク質微粒子と酵母の状況について示す顕微鏡写真である。本発明の実施例において、早凝性を有する発酵液の発酵性の改善の機構についての試験における、タンパク質除去作用について、ガロタンニン添加ありの発酵液の状況についての顕微鏡写真を未分解タンパク質微粒子と酵母の状況について示す顕微鏡写真である。本発明の実施例において、早凝性を有する発酵液の発酵性の改善の機構についての試験における、仕込液にガロタンニンを添加した後、酵母添加、発酵を行った試験において、顕微鏡観察結果(蛍光試験前)を示す写真である。本発明の実施例において、早凝性を有する発酵液の発酵性の改善の機構についての試験における、仕込液にガロタンニンを添加した後、酵母添加、発酵を行った試験において、顕微鏡観察結果(蛍光試験後)を示す写真である。本発明の実施例において、タンニン酸と類似する作用効果を有する化合物の、発酵性改善効果についての試験における、低分子量のポリフェノール類添加による効果について、酒下し分析結果を示す図である。本発明の実施例において、タンニン酸と類似する作用効果を有する化合物の、発酵性改善効果についての試験における、低分子量のポリフェノール類添加による効果について、エキスの消費(°P)の結果について示す図である。本発明の実施例において、タンニン酸と類似する作用効果を有する化合物の、発酵性改善効果についての試験における、高分子量のポリフェノール(タンニン類)添加による効果について、酒下し分析結果を示す図である。本発明の実施例において、タンニン酸と類似する作用効果を有する化合物の、発酵性改善効果についての試験における、高分子量のポリフェノール(タンニン類)添加による効果について、エキスの消費(°P)の結果について示す図である。原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において、仕込液又は発酵に用いる酵母液に、タンニン酸を添加し、混合処理することを特徴とするビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性の改善方法。タンニン酸が、ガロタンニン、タラタンニン、没食子タンニン、及び柿シブから選定された1又は2以上のタンニン酸であることを特徴とする請求項1記載のビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性の改善方法。タンニン酸の添加が、ビール風発酵アルコール飲料の製造工程において、酵母添加前の仕込液への添加或いは酵母添加後の発酵液への添加、又は、発酵に用いる酵母液への添加であることを特徴とする請求項1又は2記載のビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性の改善方法。タンニン酸を、発酵に用いる酵母液に対して、添加酵母当たり、0.1〜8.33g/2000G・10min kg遠沈酵母の割合で添加することを特徴とする請求項3記載のビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性の改善方法。タンニン酸を、酵母添加前の仕込液に対して、仕込液当たり、10〜200mg/lの割合で添加することを特徴とする請求項3記載のビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性の改善方法。タンニン酸を、酵母添加後の発酵液に対して、発酵液当たり、10〜100mg/lの割合で添加することを特徴とする請求項3記載のビール風発酵アルコール飲料製造用発酵液の発酵性の改善方法。原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において、ビール風発酵アルコール飲料の製造工程における、酵母添加前の仕込液或いは酵母添加後の発酵液、又は、発酵に用いる酵母液に対して、タンニン酸を添加・混合処理し、酵母による発酵を行うことを特徴とするビール風発酵アルコール飲料の製造方法。原料に麦芽を使用していないビール風発酵アルコール飲料の製造において、ビール風発酵アルコール飲料の製造工程における、酵母添加前の仕込液或いは酵母添加後の発酵液、又は、発酵に用いる酵母液に対して、タンニン酸を添加・混合処理し、酵母による発酵を行い、発酵終了後の濾過工程において、渋味の調節を行なうことを特徴とするビール風発酵アルコール飲料の製造方法。


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