生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_2つの分泌ルシフェラーゼ
出願番号:2006280827
年次:2008
IPC分類:C12N 15/09,C12N 5/10,C12Q 1/02,C12Q 1/66


特許情報キャッシュ

近江谷 克裕 呉 純 JP 2008092900 公開特許公報(A) 20080424 2006280827 20061016 2つの分泌ルシフェラーゼ 独立行政法人産業技術総合研究所 301021533 近江谷 克裕 呉 純 C12N 15/09 20060101AFI20080328BHJP C12N 5/10 20060101ALI20080328BHJP C12Q 1/02 20060101ALI20080328BHJP C12Q 1/66 20060101ALN20080328BHJP JPC12N15/00 AC12N5/00 BC12Q1/02C12Q1/66 13 1 OL 17 4B024 4B063 4B065 4B024AA11 4B024CA04 4B024DA02 4B024EA04 4B024FA02 4B024GA11 4B024HA11 4B063QA01 4B063QA18 4B063QQ08 4B063QQ13 4B063QQ22 4B063QR33 4B063QR57 4B063QR59 4B063QR77 4B063QR80 4B063QS05 4B063QS36 4B063QX02 4B065AA90X 4B065AA90Y 4B065AB01 4B065BA02 4B065CA46 本発明は、生体細胞内の複数の遺伝子転写活性を、基質特異性の異なる分泌ルシフェラーゼを用いて、ハイスループット且つ複数検出するのに適したルシフェリンとそのアナログ、分泌ルシフェラーゼ遺伝子構築物、該構築物を含む発現ベクター、該構築物または発現ベクターを含む形質転換された哺乳類細胞、該哺乳類細胞を使用する薬物のスクリーニング方法および各プロモータの転写活性を複数、測定するシステムに関する。 生体におけるあらゆる事象は細胞内の遺伝子の動きの変化によって直接的或いは間接的に引き起こされることから、生命科学の分野では細胞内で起きる遺伝子の転写活性を測定することが重要な解析法として位置づけられている。その解析法の一つがレポーターアッセイといわれるもので、遺伝子の動きを司る遺伝子配列(遺伝子転写調節領域)の下流にレポーター酵素を配置、遺伝子転写調節領域の変化に伴い変化するレポーター酵素量を、その酵素活性で評価し、それによって遺伝子転写量を評価する方法である。 レポーター酵素として最も一般的なものの一つはホタルルシフェラーゼであり、ホタルルシフェラーゼ遺伝子を遺伝子転写調節領域の下流に挿入したベクターを細胞内に導入、細胞内で発現したホタルルシフェラーゼの酵素活性である発光量から転写活性を評価するものである。この測定においてレポーター酵素が一つしかない場合、一つの遺伝子活性しか測定できないため、測定値を相対的に評価することが難しい。そこでコントロールとなる遺伝子転写調節領域の転写活性値との比較によるデュアルレポーター解析が開発され、ルシフェリン(基質)構造の違うウミシイタケルシフェラーゼの上流にSV40やCMVプロモータ配列を挿入したコントロールレポーター遺伝子が活用されている。この方法ではそれぞれのルシフェリンを細胞破砕液に加えて個々の発光量を測定することで二つの遺伝子転写活性を評価、プロメガ社により製品化されている。また、ホタルルシフェリンは同じく使うが、発光色の異なる甲虫由来緑、橙、赤色ルシフェラーゼによるマルチ遺伝子発現検出システムで3つの遺伝子の発現量を評価する方法も実用化されている(非特許文献1)。この方法では細胞破砕液にホタルルシフェリンを加え、交じり合った発光スペクトルを分離、定量化することで3つの遺伝子転写活性を評価するもので、東洋紡により製品化されている。 レポーターアッセイでは細胞をある一定時間の刺激下において、特定の遺伝子の発現量の変化をレポーター酵素の細胞内における蓄積量として評価することから、一定時間経過した細胞を破砕することで計測する。そのため、同一の細胞群を用いた経時計測や同一細胞の再計測は不可能である。その欠点を補うために、分泌ルシフェラーゼが注目されて、ウミホタルルシフェラーゼ(特許文献1)やコペポーダルシフェラーゼ(Gaussia Luciferase(ガウシアルシフェラーゼ)特許文献2)(Prolume社)を用いたルシフェラーゼが実用化されている。分泌ルシフェラーゼでは遺伝子発現したルシフェラーゼタンパクは細胞外に分泌され培養液中に蓄積することから、培養液の一部を回収し、そこにウミホタルルシフェリン或いはセレンテラジン溶液を加えることでレポーター酵素の酵素活性を計測し、遺伝子発現量を評価する。分泌ルシフェラーゼでは細胞を破砕する必要がないので細胞を生かしたままレポーターアッセイを行える利点があり、且つ96穴用、384穴用分注機を用いることでハイスループット化も可能である。しかしながら、得られる情報が一つであるため、個々の測定値を相対的に評価できないという問題点がある。 さらに、セレンテラジンのバックグランドがコペポーダルシフェラーゼの発光に影響を与えることが知られている(非特許文献2)。特開2004-187652US6436682Nakajima et al, Biotechniques, vol.38, 891-894Anal. Chem. 2002, 74, 4378-4385 本発明の目的は、生きた細胞内の複数の転写活性を、同時、或いは同時期に測定、定量化できる2つの分泌ルシフェラーゼを有するレポーター遺伝子の構築と最適化、さらに本レポーター遺伝子群を用いたデュアル遺伝子転写活性測定システムを開発し、生命科学での細胞機能解析、更には病態の治療,検査及び新薬開発に利用することである。 本発明者は,上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果,ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子及びコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を用いたデュアル遺伝子発現検出システムを構築した。本システムではウミホタルルシフェラーゼ遺伝子及びコペポーダルシフェラーゼ遺伝子上流に異なる遺伝子転写調節領域を挿入、2つの遺伝子を同時或いは逐次的に細胞にトランスフェクション、遺伝子導入後、一定時間経過後に培養液中に蓄積した2つの酵素量を測定することによって2つの遺伝子発現を評価可能である。この際、96穴、384穴培養プレートから培養液の一部を2つの発光測定用プレートに分注、1つのプレートにはウミホタルルシフェリン発光溶液を、もう一方のプレートにはセレンテラジン発光溶液を加えて、連続的に測定することにより短時間に多検体の2つの遺伝子転写活性を測定することが可能である。 本発明は、以下の哺乳類細胞、遺伝子構築物、発現ベクター、該哺乳類細胞を使用する薬物のスクリーニング方法、キットおよび各プロモータの転写活性を測定するシステムを提供するものである。1. ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に組み込んでなる1個の遺伝子構築物または2個の遺伝子構築物のコンビネーション。2. ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に組み込んでなる1個の発現ベクターまたは2個の発現ベクターのコンビネーション。3. ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を哺乳類細胞で安定発現可能かつ細胞外に分泌可能に別個のプロモータの制御下に組み込んでなる哺乳類細胞。4. 一方のルシフェラーゼ遺伝子が評価対象プロモータの制御下にあり、他方のルシフェラーゼ遺伝子が比較対象プロモータの制御下にある、項1に記載の哺乳類細胞。5. 項1に記載の遺伝子構築物もしくはそのコンビネーション、又は項2に記載の発現ベクターもしくはそのコンビネーションを哺乳類細胞内に導入することを特徴とするウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を哺乳類細胞で安定発現可能かつ細胞外に分泌可能に別個のプロモータの制御下に組み込んでなる哺乳類細胞の製造方法。6. ウミホタルルシフェリンとセレンテラジンを含む、哺乳類細胞に組み込まれたウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子のデュアル遺伝子発現検出用キット。7. ウミホタルルシフェリン溶液とセレンテラジン溶液を含む、項6に記載のキット。8. ウミホタルルシフェリンと少なくとも1種の酸化防止剤を含むウミホタルルシフェリン溶液、セレンテラジンと少なくとも1種の酸化防止剤を含むウミホタルルシフェリン溶液を含み、ウミホタルルシフェリンに配合される酸化防止剤が、アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩からなる群から選ばれ、セレンテラジンに配合される酸化防止剤がアスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩、からなる群から選ばれる、項6に記載のキット。9. ウミホタルルシフェリンとアスコルビン酸塩を含む溶液、セレンテラジンとアスコルビン酸塩を含む溶液を有する、項6に記載のキット。10. ウミホタルルシフェリンとアスコルビン酸塩と亜硫酸塩を含む溶液、セレンテラジンとアスコルビン酸塩と亜硫酸塩を含む溶液を有する、項6に記載のキット。11. ウミホタルルシフェリンとアスコルビン酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウムを含む溶液、セレンテラジンとアスコルビン酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウムを含む溶液を有する、項6に記載のキット。12. 項3に記載の哺乳類細胞の培養液中に薬物候補化合物を存在させて該哺乳類細胞を培養する工程、該候補化合物の存在下及び非存在下で細胞外に分泌されたウミホタルルシフェラーゼとコペポーダルシフェラーゼを、各々ウミホタルルシフェリンもしくはセレンテラジンの存在下に定量する工程、少なくとも一方のルシフェラーゼ遺伝子に連結された評価対象プロモータに対する該候補化合物の影響を評価する工程を包含する薬物のスクリーニング方法。13. 項3に記載の哺乳類細胞の培養環境を変化させて、2つのルシフェラーゼの発現量を評価することにより、培養環境変化の前後における各ルシフェラーゼに結合された各プロモータの転写活性をマルチに測定するシステム。 本発明によれば、細胞を破砕する必要がないので細胞を生かしたままレポーターアッセイを行える利点があり、且つ96穴用、384穴用分注機を用いることでハイスループット化も可能である。 本発明の特に好ましい実施形態では、ウミホタルルシフェラーゼ、コペポーダルシフェラーゼを用いて培地中に分泌された2つのルシフェラーゼの発光活性から生きた細胞を用いてハイスループットに連続的に2つの遺伝子転写活性を同時定量化するための方法・システムを提供する.本システムを使用することで、細胞内の複数の転写活性を同時或いはほぼ同時に測定することができる。これらは病態の治療,検査及び新薬開発に利用が可能である. 本明細書において、コペポーダルシフェラーゼは別名ガウシアルシフェラーゼとも呼ばれ、例えばその塩基配列及びアミノ酸配列はUS6436682に記載されている、またその近縁種としてGaussia princeps(AAG54095)、Pleuromamma sp. CSG-2001(AAG54096)とMetridia longa(AAR17541)が挙げられ、これらに由来するルシフェラーゼが含まれる。ウミホタルルシフェラーゼの由来生物としてはウミホタル(Vargula hilgendorfii AAB86460)やその近縁種(例えばCypridina noctiluca BAD08210) 合成DNA(BAD022610、BAE92278))が挙げられ、これらに由来するルシフェラーゼが含まれる。 ウミホタルルシフェリンとしては、天然のウミホタルルシフェリンでもよく、PCT/JP2006/319000に記載されるようなその誘導体であってもよい。 セレンテラジンとしては、天然のセレンテラジンでもよく、米国仮出願60/833105に記載されるようなその誘導体であってもよい。 本発明で使用する2種のルシフェラーゼはいずれも分泌性であり、細胞培養液に各ルシフェリンを加えることによりその存在を蛍光により容易に検出可能である。なお、セレンテラジンとウミホタルルシフェリンの発光波長が近い場合には、細胞培養液を2つに分け、セレンテラジンとウミホタルルシフェリンの一方を各培養液に加えて各ルシフェラーゼを別々に検出することができる。一方、ウミホタルルシフェリンもしくはその誘導体とセレンテラジンもしくはその誘導体の最大発光波長が40nm以上、好ましくは50nm以上、特に60nm以上異なる組み合わせを使用した場合には、1つの培養液にウミホタルルシフェリンもしくはその誘導体とセレンテラジンもしくはその誘導体を加え、2つのルシフェラーゼを同時に検出することもできる。 本発明で使用するウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子は、公知の遺伝子をそのまま用いることができ、或いはさらに、a)余分な転写因子が結合しないように、cDNAの配列を変え、b)cDNAの配列のコドンユーセージ(コドンの使用頻度の偏り)を哺乳類用に変え、さらにc)使用上、制限酵素部位が多いことで応用が限定されることからそのcDNAを変えることで、ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子の、哺乳類細胞中での転写がより容易に行える。 従来のデュアルレポーターアッセイ系は、細胞内に蓄積される2つのルシフェラーゼを、細胞破砕液を用いて定量されていた。一方、分泌型ルシフェラーゼの場合、細胞外に分泌される割合がルシフェラーゼにより異なり、さらに、ルシフェラーゼの分解は細胞内と細胞外で異なるため、2つのルシフェラーゼの発現量の比は細胞内のルシフェラーゼと異なり変動しやすいと考えられていた。例えば従来使用されていた非分泌型ルシフェラーゼであるホタルルシフェラーゼの半減期は3時間程度であり(1. Thompson, J.F. et al. (1991) Gene 103, 171.)、ウミシイタケルシフェラーゼの半減期は5時間程度である(2. Bronstein, I. et al. (1994) Anal, Biochem. 219, 169)。一方、分泌型のウミホタルルシフェラーゼの半減期は60時間程度であり(Nakajima Y Biosci Biotechnol Biochem. 2004, 68, 565-70.)、コペポーダルシフェラーゼの半減期は、24時間またはそれ以上である(図3)。このように、分泌型ルシフェラーゼと非分泌型ルシフェラーゼの半減期は大きく相違している。 デュアルレポーターアッセイ系で、2つのレポータールシフェラーゼ発現量の比をとる場合、生理活性物質などにより刺激を与えた数時間から24時間ないし48時間後の該比は、非分泌型ルシフェラーゼと分泌型ルシフェラーゼで大きく異なると従来考えられていたが、本発明者は、該発現量の比はルシフェラーゼ間でほぼ一定に保たれており、従来のデュアルアッセイ系であるホタルルシフェラーゼ/ウミシイタケルシフェラーゼと、本発明のウミホタルルシフェラーゼ/コペポーダルシフェラーゼでほぼ同様な結果が得られることを初めて見出した。 本発明では、刺激を付与後の2つの酵素の発現量を繰り返し定量でき、刺激付与の何時間後に2つのルシフェラーゼの発現量の比を定量すればよいかがわかるため、可能な限り短時間でアッセイを行うことができ、ハイスループット化に特に有用である。 本発明の好ましい1つの実施形態において、ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子が転写されたmRNAを安定化して翻訳回数を増やすことが望ましい。この場合、グロブリンイントロンを挿入することでmRNAの寿命を延ばし、そして、コザック配列を挿入し翻訳回数を増やすことで、これら遺伝子を哺乳類細胞で十分に発現させることができる。 本発明の好ましい他の実施形態の更なる手法としては、例えばmRNAのコピー数を増やすことであるので、例えばcDNAのコドンユーセージ(コドンの使用頻度の偏り)を哺乳類用に変えること、さらには、余分な転写因子が結合しないように、cDNAの配列を変えること、さらに使用上、制限酵素部位が多いことで応用が限定されることからそのcDNAを変えることが挙げられる。このような手法も、2つの分泌型ルシフェラーゼの哺乳類細胞内での発現に有効である。特にコドンユーセージ(コドンの使用頻度の偏り)を哺乳類用に変えること、さらには、余分な転写因子が結合しないように、cDNAの配列を変えることは有効である。 cDNAの配列の変更は、以下の点を1)〜4)の順に考慮して行うことができる: 1) ルシフェラーゼのアミノ酸配列はできるだけ変更しないのがよい; 2) 次に、余分な転写因子が結合しないように、cDNAの配列を変更する; 3) さらに、cDNAの配列において、コドンユーセージを哺乳類用に変更する; 4) 必要に応じてさらに、制限酵素部位をなくすようにcDNA配列を変更する。 一つの好ましい実施形態において、本発明の遺伝子構築物にはルシフェラーゼ遺伝子、該遺伝子の上流側にプロモータ、必要に応じて翻訳を効率化するエレメント及び/又はmRNAの安定化エレメントを含み、さらにエンハンサ、SV40pA、薬剤耐性遺伝子(Neorなど)を含み得る。 本発明において、哺乳類としては、ヒト、ウシ、ウマ、ヒツジ、サル、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌが挙げられ、好ましくはヒトである。 ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を同時に発現する本発明の哺乳類細胞は、ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に組み込んだ、2つの遺伝子構築物/発現ベクターを作製し、この2つの遺伝子構築物/発現ベクターを哺乳類細胞内に導入することで得ることができる。各ルシフェラーゼ遺伝子の発現量は、導入される遺伝子構築物/発現ベクターの量に比例するため、各遺伝子について適切な量の遺伝子構築物/発現ベクターを哺乳類細胞内に導入する。一般的に2つの遺伝子の発現量の比は、測定時(非刺激時と薬剤などの生理活性物質や環境因子などによる刺激時において、たとえば100倍以内、好ましくは50倍以内、さらに好ましくは30倍以内になるように、2つのルシフェラーゼ遺伝子を哺乳類細胞内に導入する。2つの遺伝子の導入量の比は、ダイナミックレンジの広さを考慮すれば、一方の遺伝子の導入量を100とした場合に、他方の遺伝子の導入量は、1〜10000程度、好ましくは10〜1000程度である。遺伝子の導入量は、当業者であれば、プロモータの強さとの関係で好ましい導入量を適宜決定できる。 或いは、ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に組み込んだ1つの遺伝子構築物或いは1つの発現ベクターを作製し、これを哺乳類細胞内に導入することにより、本発明の形質転換された哺乳類細胞を得ることもできる。このように2つのルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に1つの遺伝子構築物/発現ベクターに組み込むことで、2つの遺伝子の発現量の比をほぼ一定にすることができる。 遺伝子構築物ないし発現ベクターの哺乳類細胞内への導入は、遺伝子導入剤を用い、常法に従い行うことができる。 本発明のデュアル遺伝子発現検出用キットは、ウミホタルルシフェリンとセレンテラジンを含み、必要に応じてさらに、緩衝液、これらルシフェリンの安定化のための酸化防止剤を含む。ウミホタルルシフェリンとセレンテラジンは、固形物として含まれていてもよいが、好ましくは一定濃度の溶液(特に緩衝液)としてキットに含まれる。緩衝液としては、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、グッド緩衝液などの緩衝液が挙げられる。緩衝液のpHは5〜9程度、好ましくは6〜8程度である。 セレンテラジンの好ましい緩衝液のpHは、pH 5〜9程度、好ましくはpH7〜8程度であり、ウミホタルルシフェリンの好ましい緩衝液のpHは、pH 5〜9程度、好ましくはpH7〜8程度である。 ウミホタルルシフェリンとセレンテラジンの溶液中の濃度は、0.00001〜0.1重量%程度、好ましくは0.001〜0.00001重量%程度である。 ウミホタルルシフェリンに配合される酸化防止剤は、アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である。 セレンテラジンに配合される酸化防止剤は、アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である。 好ましい酸化防止剤は、アスコルビン酸またはその塩、亜硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、特にアスコルビン酸またはそのアルカリ金属塩、亜硫酸のアルカリ金属塩が挙げられる。最も好ましいのはアスコルビン酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウムであり、これらを併用するのが特に好ましい。これらの酸化防止剤は、ウミホタルルシフェリンとセレンテラジンの分解を抑制して自家発光を低減し、さらにルシフェラーゼの安定化のために系中に加えられるBSA、HSAなどのアルブミンに起因するバックグラウンドの上昇を抑制し、S/N比を低減することで、感度を上昇させることができる。 アスコルビン酸塩、エリソルビン酸塩、亜硫酸塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムなどのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩などが挙げられる。 アスコルビン酸などの酸化防止剤を生物発光系に添加する場合、0.005〜1M程度の濃度で添加するのが好ましい。 ウミホタルルシフェリンとセレンテラジン又はその誘導体と酸化防止剤を含む組成物は、セレンテラジン又はそのアナログ(溶液、あるいは粉末、顆粒、結晶などの固形物)を安定化するのに好適である。該組成物において、セレンテラジン又はそのアナログ1重量部あたり、酸化防止剤を例えば40000〜800000重量部程度配合する。 従って、ウミホタルルシフェリンとセレンテラジン又はその誘導体と酸化防止剤(特にアスコルビン酸、エリソルビン酸またはこれらの塩)を含む組成物は、ウミホタルルシフェリンとセレンテラジン又はその誘導体の室温での保存安定性のみならず、測定時のバックグラウンドの上昇を抑制できるため、特に好ましい。 多検体を測定するためにはルシフェリンの安定性が非常に重要であるので、2つのルシフェリンを安定化する0.3M アスコルビン酸ナトリウム、20mM 亜硫酸ナトリウムを入れた基質溶液の使用が特に望ましい。 本発明のシステムにより同時測定が望ましいプロモーターの評価対象遺伝子とコントロール遺伝子としては、評価対象遺伝子・時計遺伝子(Per遺伝子、Clock遺伝子、BMAL遺伝子など)・癌遺伝子(がん遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、細胞分裂マーカー遺伝子など)・病気(病態対応遺伝子、生死感受アポトーシス遺伝子、ホルモン遺伝子など)比較対象(コントロール)遺伝子・定常発現遺伝子(アクチン遺伝子、GAPDH(グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ)遺伝子、サル由来SV40ウイルス遺伝子など)などが例示される。 本発明のデュアルルシフェラーゼ遺伝子を用いたアッセイ系では、2つのデュアルルシフェラーゼ遺伝子を両方とも異なる評価対象遺伝子プロモータの制御下におき、2つの評価対象プロモータのルシフェラーゼ発現量の比をとってもよく、2つのルシフェラーゼ遺伝子の一方を評価対象遺伝子プロモータの制御下におき、他方を比較対象遺伝子プロモータの制御下においてもよい。 なお、本発明において、1つの哺乳類細胞をプロモータAとプロモータBを用いて構築し、もう1つの哺乳類細胞をプロモータAとプロモータCを用いて構築し、プロモータAを比較対象プロモータ(例えば定常発現プロモータ)、プロモータB,Cを評価対象プロモータとすると、プロモータAで標準化することにより、評価対象プロモータB,Cの比を評価することもできる。同様にして、3種またはそれ以上の哺乳類細胞(各哺乳類細胞に組み込まれた評価対象プロモータは異なる)を用い3またはそれ以上の評価対象プロモータのルシフェラーゼ発現量の比を、比較対象プロモータで標準化することもできる。このように2種以上の哺乳類細胞を組み合わせる場合、2つのルシフェラーゼ遺伝子の比は、各哺乳類細胞において一定であるのがよい。 本発明は、以下のような応用が可能である。(1)一次スクリーニング:多検体を網羅的に解析することを想定して、同時に2つ以上の情報を得ることは重要である。当然、複数の組み合わせが考えられる。創薬を考えた場合、その薬の効果はプラスの面を評価するだけでなく、マイナスの毒性も評価する必要がある。さらに、2つの遺伝子転写レベルの変化は細胞自体の状況を反映することから、細胞の状況を現す定常発現プロモータをコントロールにするのが好ましい。よって、創薬スクリーニングでは、以下のような組み合わせが例示される。 なお、表1、表2において、プロモータに連結される2種のルシフェラーゼ遺伝子はいずれを使用してもよい。 この場合、毒性評価と定常発現は薬剤評価対象遺伝子のプロモータのコントロールとなる。 3種のプロモータの関係を評価する場合には、薬剤効果を標準化する(評価対象プロモータ+定常発現プロモータ)哺乳類細胞と、安全性を標準化する(毒性評価プロモータ+定常発現プロモータ) 哺乳類細胞を組み合わせればよい。 この場合、偽プロモータと定常発現プロモータはスクリーニング対象プロモータのコントロールとなる。 3種のプロモータの関係を測定する場合には、例えばプロモータ効果を標準化する(不特定プロモータ+定常発現プロモータ)哺乳類細胞と、偽情報を標準化する(偽プロモータ配列+定常発現プロモータ) 哺乳類細胞を組み合わせればよい。 一方、4種のプロモータの組み合わせは、例えば環境ホルモンの評価など、外的な因子も同時に評価できるという利点があり、外的な因子の及ぼす細胞内の複数の遺伝子転写活性の変化を測定できる。例えば、外的な因子を直接捕捉する受容体の発現をモニターすることが挙げられる。 この場合、外的因子を受容するタンパク、それによって直接影響を受けるタンパク、さらには細胞自体の安全性を評価でき、これらを定常発現プロモータのタンパクのコントロールで標準化できることで、外的な因子が細胞に与える情報を正確に評価することができる。 4種のプロモータの関係を測定する場合には、例えばプロモータ効果を標準化する(不特定プロモータ+定常発現プロモータ)哺乳類細胞と、偽情報を標準化する(偽プロモータ配列+定常発現プロモータ) 哺乳類細胞と、外的因子受容を標準化する(外的因子の受容タンパクのプロモータ+定常発現プロモータ) 哺乳類細胞を組み合わせればよい。(2)二次スクリーニング:絞られた薬剤効果、或いはプロモータ情報の評価を想定、3つ以上の情報を得ることは重要である。創薬などでは、薬剤の効果が複数想定される場合も多い、まずは細胞状態の変化を表す遺伝子、薬剤の一過的な影響(例えば毒性、ショック応答など)を知ること、そして、実際の効果を知ることも重要である。例えば表4に示されるような時計関連薬剤効果の評価システムを例示できる。 3種のプロモータの関係を測定する場合には、例えば薬剤の一過性と持続性の効果を標準化する(薬剤対応プロモータ+薬剤感知プロモータ)哺乳類細胞と、薬剤と日周変動との関係を標準化する(薬剤対応プロモータ+日周変動プロモータ) 哺乳類細胞を組み合わせればよい。本発明は、ハイスループット化が可能であり同一刺激後の多種類の細胞の状態をほぼ同時に、かつ、生きた細胞のまま2つの発光を測定・評価することができるので、時計軸に従って薬剤の効果を評価する(リズム創薬)のに特に有用である。また、同じ細胞に対して、一連の操作を行うことで、複数の操作の組み合わせ(履歴)に対する薬剤の効果を評価出来る。 本発明で使用するウミホタルルシフェラーゼ及びコペポーダルシフェラーゼは、哺乳類細胞外に分泌後、空気中では徐々に分解するため、哺乳類細胞は、空気との接触が抑制された条件下、例えばCO2インキュベータ中で培養するのが望ましい。空気との接触が抑制された条件下では、72時間後まで分泌ルシフェラーゼの発現量の比を高精度で測定することができる。また、ヒートブロックのような空気と接触する可能性のある条件下で培養する場合、できるだけ短時間、例えば刺激の24時間後までにルシフェラーゼの発現量の測定を行うのが好ましい。 以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはいうまでもない。実施例1 ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子をインビトロジェン社のpcDNA3に挿入したベクターpcDNA3-CL、コペポーダルシフェラーゼ遺伝子pCMV-Glucをそれぞれ作成した。NIH3T3細胞を48ウェルプレートに3×104細胞/ウェルまき1日培養した後、レポーター遺伝子とするプラスミドpcDNA3-CLを0, 0.1, 0.5, 1, 5, 10ng/ウェル、インターナルコントロール遺伝子とするプラスミドpCMV-Glucを1ng/ウェルとし、総プラスミドDNA量が100ng/ウェルになるようpcDNA3を加えて調整しリポフェクタミンプラス試薬を用いてトランスフェクションした。 10%FBS入りのDMEMにて2日間培養し、その培地を回収した。回収した培地 5μl に、 1μMウミホタルルシフェリン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3M アスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)、または1uMセレンテラジン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3M アスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)50μlをインジェクターにて加え、AB2100-JNRにて10秒間の積算値を測定した。 その結果、インターナルコントロール遺伝子としたコペポーダルシフェラーゼのプラスミドの活性はほぼ同じレベルであったが、ウミホタルルシフェラーゼの活性はプラスミドpcDNA3-CLのトランスフェクション量に従って直線的に増加した(図1)。これによって基質特性に異なる2つのルシフェラーゼは相互に干渉しあうことなく、発光量とベクター量がよく相関することが明らかとなった。 実施例2 ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子をインビトロジェン社のpcDNA3に挿入したベクターpcDNA3-CL(Biosci Biotechnol Biochem. 2004 Mar;68(3):565-70. cDNA cloning and characterization of a secreted luciferase from the luminous Japanese ostracod, Cypridina noctiluca. Nakajima Y, Kobayashi K,Yamagishi K, Enomoto T, Ohmiya Y)、コペポーダルシフェラーゼ遺伝子を含む発現ベクターpCMV-Gluc(New England BioLabs社製)をそれぞれ作成した。NIH3T3細胞を48ウェルプレートに3×104細胞/ウェルまき1日培養した後、レポーター遺伝子とするプラスミドpCMV-Glucを0, 0.1, 0.5, 1, 5, 10ng/ウェル、インターナルコントロール遺伝子とするプラスミドpcDNA3-CLを1ng/ウェルとし、総プラスミドDNA量が100ng/ウェルになるようpcDNA3を加えて調整しリポフェクタミンプラス試薬を用いてトランスフェクションした。10%FBS入りのDMEMにて2日間培養し、その培地を回収した。回収した培地 5μl に、 1μMウミホタルルシフェリン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3M アスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)、または1μMセレンテラジン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3M アスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)50μlをインジェクターにて加え、AB2100-JNRにて10秒間の積算値を測定した。 その結果、インターナルコントロール遺伝子としたウミホタルルシフェラーゼのプラスミドの活性はほぼ同じレベルであったが、コペポーダルシフェラーゼの活性はプラスミドpCMV-Glucのトランスフェクション量に従って直線的に増加した(図2)。これによって基質特性に異なるルシフェラーゼは相互に干渉しあうことなく、発光量とベクター量が相関することが明らかとなった。 図1、図2よりウミホタルルシフェラーゼ遺伝子及びコペポーダルシフェラーゼ遺伝子はどちらをコントロール遺伝子としても同様の結果が得られることが明らかとなった。 実施例3 ウミホタルルシフェラーゼ及びコペポーダルシフェラーゼの37℃での安定性をCO2インキュベータ中で検討した。NIH3T3細胞を24ウェルプレートにまき、1日培養後、pcDNA-CL 100ng, pCMV-GL 100ngをトランスフェクションした。10%FBS+DMEM培地にて1日培養後、培養培地を回収し、10%FBS+DMEM培地で10倍希釈してCluc,Gluc混合液を調整した。 Cluc,Gluc混合液を55μlずつ96ウェルプレートに分注し、0, 6, 24, 48, 72, 120時間で回収した。サンプル50μlにルシフェリン溶液50μlを加え、10秒間の積算値をJNRにて測定した。実験は全てn=4である。その結果、2つのルシフェラーゼともに72時間程度まで95%以上の活性を有すること、さらにコペポーダルシフェラーゼは120時間経過すると80%程度に活性が減少、2つのルシフェラーゼでは活性が相対的に同じ関係を示さないことが明らかとなった(図3A)。一方、72時間程度まで、発光活性の相対関係が一定であることを示している。但し、図3B,図3Cで示すようにウミホタルルシフェラーゼ及びコペポーダルシフェラーゼ共に、大気と接触する可能性のあるヒートブロック上では活性が大きく低下するのに対して、CO2インキュベータ中では活性の低下が認められなかった。よって、72時間程度まで、発光活性の相対関係が一定を保つためにはCO2インキュベータ中での培養状態を保持するのが望ましい。また、ヒートブロック上で培養する場合、24時間後までに測定を行うのが好ましい。 実施例4 時計遺伝子BMAL1プロモータ配列の下流にウミホタルルシフェラーゼとさらにその下流にIRES配列をはさみホタルルシフェラーゼを挿入したベクターpBMAL1-CL-IRES-FL構築した(Yamagishi K, Enomoto T, Ohmiya Y, Analytical Biochemistry (2006) 354, 15-21)。NIH3T3細胞を24ウェルプレートに4×104細胞/ウェル撒き、1日培養した後、 pBMAL1-CL-IRES-FLを50ng/ウェルになるように、併せて転写因子発現用pCR3.1-RORα4 0, 5, 50ng/ウェルを、さらにコントロールベクターとしてコペポーダルシフェラーゼpCMV-GL /ウェルを、総プラスミドDNA量が105ng/ウェルになるようpBluescriptプラスミドにて調製してリポフェクタミンプラス試薬を用いてトランスフェクションした。コントロールベクターとして phRL-TK 5ng/ウェルとしたものもトランスフェクションした。 トランスフェクション後、10%FBS入りのDMEMにて1日間培養し、培地を回収した。回収した培地 50μl に、 Cluc活性は1μMウミホタルルシフェリン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3M アスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)を、Gluc活性、Rluc活性は1μMセレンテラジン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3Mアスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)50μlを、Fluc活性はピッカジーン発光試薬IIをインジェクターにて加え、AB2100-JNRにて10秒間の積算値を測定した(図4)。実験は全てn=4である。その結果、BMAL1プロモータはその転写因子であるRORα4によって転写活性が活性化され、ウミホタルルシフェラーゼ活性は直線的に増加した。コントロールベクターとして従来用いられているウミシイタケルシフェラーゼと新規のコペポーダルシフェラーゼを比較しても同じ傾向を示した。ウミシイタケルシフェラーゼでは細胞を破砕する必要があったが、コペポーダルシフェラーゼでは細胞を破砕することなく測定でき、相対的な評価が可能となった。実施例5 Bmal1プロモータのデュアルレポーターアッセイとして、NIH3T3細胞を24ウェルプレートに5×104細胞/ウェルまいた。1日培養した後、レポーターpBMAL1-CL-IRES-FL 50ng/ウェル、転写因子発現用pCR3.1-RORα4 0, 5, 50ng/ウェル、インターナルコントロールpCMV-GL 5ng /ウェルを、総プラスミドDNA量が105ng/ウェルになるようpBluescriptにて調製してトランスフェクションした。10%FBS+DMEM培地500μlにて培養し、6, 24, 48, 72時間に培養培地220μlを回収した。サンプル回収後新しい培地220μlを加え培養、回収を続けた。 各時間で回収したサンプル50μlにCluc活性は1μMウミホタルルシフェリン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3M アスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)を、Gluc活性、Rluc活性は1μMセレンテラジン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3Mアスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)50μlを、10秒間の積算値をJNRにて測定した(図5)。実験は全てn=4である。その結果、BMAL1プロモータはその転写因子であるRORα4によって転写活性が活性化され、コントロールベクターとして用いたコペポーダルシフェラーゼと比較して、ウミホタルルシフェラーゼ活性は回収時間ごとに直線的に増加した。転写活性は回収時間において変化し24時間で最大となり、6時間目、48、72時間目では同程度の活性であった。但し、遺伝子転写因子発現用pCR3.1-RORα4 5 及び10ng/ウェルでは転写活性の相対的な関係に違いが見出された。従来、同一細胞において、一定時間における相対的な遺伝子発現の関係しか得られなかったが、本方法を用いることで、同一細胞における、一定時間及び経時的な遺伝子発現の変化を解析可能であることが明らかになった。実施例6 多検体を解析するハイスループット解析の可能性を確認した。NIH3T3細胞にpcDNA-CL、pCMV-GL 各10ng/ウェルを、コトランスフェクションし、24時間後に培養培地を回収した。その培地を、新しい10%FBS+DMEM培地で10倍希釈してCluc、Gluc混合液を調整し、50μlずつ96ウェルプレートに分注して測定を行った。図6は96ウェル細胞培養プレートから分注した96ウェル発光測定用プレートに1μMウミホタルルシフェリン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3M アスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)を用いて測定した結果である。ウミホタルルシフェラーゼではバラツキの指標CV%=8.4%であった。また、図は示さないがコペポーダルシフェラーゼにおけるバラツキCV%=9.1であった。共に、96ウェルプレートに分注しても安定したデータが得られることが明らかとなり、ハイスループットにデュアルレポーターアッセイが行われることが明らかとなった。実施例7 以下4種類溶液を調製し、セレンテラジンを終濃度(10mM) になるように溶かし、セレンテラジンの残存活性を調べ、半減期を求めた。結果を図7に示す。図7の(1)、0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.3 M NaCl、(2)、0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.3 M Sodium ascorbate、(3)、0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.2 M Na2SO3 、及び(4)、0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.2 M Thiourea の溶液下での半減期である。図7に示されるように、アスコルビン酸ナトリウム溶液中において、半減期が大幅に延長された。デュアルレポーターアッセイにはアスコルビン酸ナトリウムの添加が特に望ましい。実施例8 10%FBS溶液におけるセレンテラジンの自家発光活性 以下2種類の溶液を調製し、セレンテラジンを終濃度(10mMまたは100mM)になるように溶かし、動物細胞の培地(10%FBSを入り溶液)と1:1(体積比)で混合し、バックグランドの活性として10秒間の発光を測定した。その際、反応溶液は0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.3 Mとし、0.3 M Sodium ascorbateを添加(+)、無添加(−)の影響を検討した。発光活性(RLU;Relative light unit)を測定し、その実測値をそれぞれの自家発光との比を計算し、図8にまとめた。その結果、アスコルビン酸ナトリウム塩溶液を加えることで自家発光の軽減を達成できた。実施例9 コペポーダルシフェラーゼルシフェラーゼによる発光と自家発光との比動物細胞から分泌されたコペポーダルシフェラーゼの培地(10%FBS入り)を用いて、実施例8で調製したセレンテラジン溶液を終濃度(10mMまたは100mM)になるように溶かし、動物細胞の培地(10%FBSを入り溶液)と1:1(体積比)で混合し、バックグランドの活性として10秒間の発光を測定した。その際、反応溶液は0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.3 Mとし、0.3 M Sodium ascorbateを添加(+)、無添加(−)の影響を検討した。発光活性を測定し、その実測値をそれぞれの自家発光との比(Signal-to background)を計算し、図9にまとめた。その結果、アスコルビン酸ナトリウム塩溶液は少なくとも2倍以上発光と自家発光との比の改善が見られた。このように、酸化防止剤はルシフェラーゼによる酸化反応には殆ど影響がなく、バックグランドのみを低減させることができた。コペポーダルシフェラーゼ遺伝子をコントロールとした、ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子量の違いによる発光活性の変化ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子をコントロールとした、コペポーダルシフェラーゼ遺伝子量の違いによる発光活性の変化ウミホタルルシフェラーゼ、コペポーダルシフェラーゼの培地中における時間安定性Bmal1プロモーター(ウミホタルルシフェラーゼ)のデュアルレポーターアッセイ(ウミシイタケルシフェラーゼ及びコペポーダルシフェラーゼをコントロール)Bmal1プロモータのデュアルレポーターアッセイ(コペポーダルシフェラーゼをコントロール)における経時的測定96ウェルプレートにおけるウミホタルルシフェラーゼの発光活性測定酸化防止剤の存在下及び非存在下におけるセレンテラジンの半減期を示す10%FBS溶液におけるセレンテラジンの自家発光活性コペポーダルシフェラーゼルシフェラーゼによる発光と自家発光との比ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に組み込んでなる1個の遺伝子構築物または2個の遺伝子構築物のコンビネーション。ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に組み込んでなる1個の発現ベクターまたは2個の発現ベクターのコンビネーション。ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を哺乳類細胞で安定発現可能かつ細胞外に分泌可能に別個のプロモータの制御下に組み込んでなる哺乳類細胞。一方のルシフェラーゼ遺伝子が評価対象プロモータの制御下にあり、他方のルシフェラーゼ遺伝子が比較対象プロモータの制御下にある、請求項1に記載の哺乳類細胞。請求項1に記載の遺伝子構築物もしくはそのコンビネーション、又は請求項2に記載の発現ベクターもしくはそのコンビネーションを哺乳類細胞内に導入することを特徴とするウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を哺乳類細胞で安定発現可能かつ細胞外に分泌可能に別個のプロモータの制御下に組み込んでなる哺乳類細胞の製造方法。ウミホタルルシフェリンとセレンテラジンを含む、哺乳類細胞に組み込まれたウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子のデュアル遺伝子発現検出用キット。ウミホタルルシフェリン溶液とセレンテラジン溶液を含む、請求項6に記載のキット。ウミホタルルシフェリンと少なくとも1種の酸化防止剤を含むウミホタルルシフェリン溶液、セレンテラジンと少なくとも1種の酸化防止剤を含むウミホタルルシフェリン溶液を含み、ウミホタルルシフェリンに配合される酸化防止剤が、アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩からなる群から選ばれ、セレンテラジンに配合される酸化防止剤がアスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩、からなる群から選ばれる、請求項6に記載のキット。ウミホタルルシフェリンとアスコルビン酸塩を含む溶液、セレンテラジンとアスコルビン酸塩を含む溶液を有する、請求項6に記載のキット。ウミホタルルシフェリンとアスコルビン酸塩と亜硫酸塩を含む溶液、セレンテラジンとアスコルビン酸塩と亜硫酸塩を含む溶液を有する、請求項6に記載のキット。ウミホタルルシフェリンとアスコルビン酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウムを含む溶液、セレンテラジンとアスコルビン酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウムを含む溶液を有する、請求項6に記載のキット。請求項3に記載の哺乳類細胞の培養液中に薬物候補化合物を存在させて該哺乳類細胞を培養する工程、該候補化合物の存在下及び非存在下で細胞外に分泌されたウミホタルルシフェラーゼとコペポーダルシフェラーゼを、各々ウミホタルルシフェリンもしくはセレンテラジンの存在下に定量する工程、少なくとも一方のルシフェラーゼ遺伝子に連結された評価対象プロモータに対する該候補化合物の影響を評価する工程を包含する薬物のスクリーニング方法。請求項3に記載の哺乳類細胞の培養環境を変化させて、2つのルシフェラーゼの発現量を評価することにより、培養環境変化の前後における各ルシフェラーゼに結合された各プロモータの転写活性をマルチに測定するシステム。 【課題】生きた細胞のまま、ハイスループットに関連する複数の遺伝子の転写活性をほぼ同時期に測定する。【解決手段】ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に組み込んでなる1個の遺伝子構築物または2個の遺伝子構築物のコンビネーション。【選択図】図1


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特許公報(B2)_2つの分泌ルシフェラーゼ

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_2つの分泌ルシフェラーゼ
出願番号:2006280827
年次:2012
IPC分類:C12N 15/09,C12N 5/10,C12Q 1/02,C12Q 1/66


特許情報キャッシュ

近江谷 克裕 呉 純 JP 4849540 特許公報(B2) 20111028 2006280827 20061016 2つの分泌ルシフェラーゼ 独立行政法人産業技術総合研究所 301021533 近江谷 克裕 呉 純 20120111 C12N 15/09 20060101AFI20111215BHJP C12N 5/10 20060101ALI20111215BHJP C12Q 1/02 20060101ALI20111215BHJP C12Q 1/66 20060101ALN20111215BHJP JPC12N15/00 AC12N5/00 102C12Q1/02C12Q1/66 C12N 15/00−15/90 C12Q 1/00−1/70 CA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) WPI 特開2006−158292(JP,A) 特開2004−187652(JP,A) 特表2002−507410(JP,A) 産総研TODAY, 2006, Vol.6, No.4, p.20-21 バイオテクノロジージャーナル, 2006, Vol.6, No.2, p.230-232 Genes to Cells, 2006, Vol.11, p.1173-1182 第28回日本分子生物学会年会講演要旨集, 2005, Vol.28, p.556 第27回日本分子生物学会年会プログラム・講演要旨集, 2004, Vol.27, p.1025 Anal. Chem., 2002, Vol.74, p.4378-4385 13 2008092900 20080424 17 20090212 鳥居 敬司 本発明は、生体細胞内の複数の遺伝子転写活性を、基質特異性の異なる分泌ルシフェラーゼを用いて、ハイスループット且つ複数検出するのに適したルシフェリンとそのアナログ、分泌ルシフェラーゼ遺伝子構築物、該構築物を含む発現ベクター、該構築物または発現ベクターを含む形質転換された哺乳類細胞、該哺乳類細胞を使用する薬物のスクリーニング方法および各プロモータの転写活性を複数、測定するシステムに関する。 生体におけるあらゆる事象は細胞内の遺伝子の動きの変化によって直接的或いは間接的に引き起こされることから、生命科学の分野では細胞内で起きる遺伝子の転写活性を測定することが重要な解析法として位置づけられている。その解析法の一つがレポーターアッセイといわれるもので、遺伝子の動きを司る遺伝子配列(遺伝子転写調節領域)の下流にレポーター酵素を配置、遺伝子転写調節領域の変化に伴い変化するレポーター酵素量を、その酵素活性で評価し、それによって遺伝子転写量を評価する方法である。 レポーター酵素として最も一般的なものの一つはホタルルシフェラーゼであり、ホタルルシフェラーゼ遺伝子を遺伝子転写調節領域の下流に挿入したベクターを細胞内に導入、細胞内で発現したホタルルシフェラーゼの酵素活性である発光量から転写活性を評価するものである。この測定においてレポーター酵素が一つしかない場合、一つの遺伝子活性しか測定できないため、測定値を相対的に評価することが難しい。そこでコントロールとなる遺伝子転写調節領域の転写活性値との比較によるデュアルレポーター解析が開発され、ルシフェリン(基質)構造の違うウミシイタケルシフェラーゼの上流にSV40やCMVプロモータ配列を挿入したコントロールレポーター遺伝子が活用されている。この方法ではそれぞれのルシフェリンを細胞破砕液に加えて個々の発光量を測定することで二つの遺伝子転写活性を評価、プロメガ社により製品化されている。また、ホタルルシフェリンは同じく使うが、発光色の異なる甲虫由来緑、橙、赤色ルシフェラーゼによるマルチ遺伝子発現検出システムで3つの遺伝子の発現量を評価する方法も実用化されている(非特許文献1)。この方法では細胞破砕液にホタルルシフェリンを加え、交じり合った発光スペクトルを分離、定量化することで3つの遺伝子転写活性を評価するもので、東洋紡により製品化されている。 レポーターアッセイでは細胞をある一定時間の刺激下において、特定の遺伝子の発現量の変化をレポーター酵素の細胞内における蓄積量として評価することから、一定時間経過した細胞を破砕することで計測する。そのため、同一の細胞群を用いた経時計測や同一細胞の再計測は不可能である。その欠点を補うために、分泌ルシフェラーゼが注目されて、ウミホタルルシフェラーゼ(特許文献1)やコペポーダルシフェラーゼ(Gaussia Luciferase(ガウシアルシフェラーゼ)特許文献2)(Prolume社)を用いたルシフェラーゼが実用化されている。分泌ルシフェラーゼでは遺伝子発現したルシフェラーゼタンパクは細胞外に分泌され培養液中に蓄積することから、培養液の一部を回収し、そこにウミホタルルシフェリン或いはセレンテラジン溶液を加えることでレポーター酵素の酵素活性を計測し、遺伝子発現量を評価する。分泌ルシフェラーゼでは細胞を破砕する必要がないので細胞を生かしたままレポーターアッセイを行える利点があり、且つ96穴用、384穴用分注機を用いることでハイスループット化も可能である。しかしながら、得られる情報が一つであるため、個々の測定値を相対的に評価できないという問題点がある。 さらに、セレンテラジンのバックグランドがコペポーダルシフェラーゼの発光に影響を与えることが知られている(非特許文献2)。特開2004-187652US6436682Nakajima et al, Biotechniques, vol.38, 891-894Anal. Chem. 2002, 74, 4378-4385 本発明の目的は、生きた細胞内の複数の転写活性を、同時、或いは同時期に測定、定量化できる2つの分泌ルシフェラーゼを有するレポーター遺伝子の構築と最適化、さらに本レポーター遺伝子群を用いたデュアル遺伝子転写活性測定システムを開発し、生命科学での細胞機能解析、更には病態の治療,検査及び新薬開発に利用することである。 本発明者は,上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果,ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子及びコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を用いたデュアル遺伝子発現検出システムを構築した。本システムではウミホタルルシフェラーゼ遺伝子及びコペポーダルシフェラーゼ遺伝子上流に異なる遺伝子転写調節領域を挿入、2つの遺伝子を同時或いは逐次的に細胞にトランスフェクション、遺伝子導入後、一定時間経過後に培養液中に蓄積した2つの酵素量を測定することによって2つの遺伝子発現を評価可能である。この際、96穴、384穴培養プレートから培養液の一部を2つの発光測定用プレートに分注、1つのプレートにはウミホタルルシフェリン発光溶液を、もう一方のプレートにはセレンテラジン発光溶液を加えて、連続的に測定することにより短時間に多検体の2つの遺伝子転写活性を測定することが可能である。 本発明は、以下の哺乳類細胞、遺伝子構築物、発現ベクター、該哺乳類細胞を使用する薬物のスクリーニング方法、キットおよび各プロモータの転写活性を測定するシステムを提供するものである。1. ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に組み込んでなる1個の遺伝子構築物または2個の遺伝子構築物のコンビネーション。2. ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に組み込んでなる1個の発現ベクターまたは2個の発現ベクターのコンビネーション。3. ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を哺乳類細胞で安定発現可能かつ細胞外に分泌可能に別個のプロモータの制御下に組み込んでなる哺乳類細胞。4. 一方のルシフェラーゼ遺伝子が評価対象プロモータの制御下にあり、他方のルシフェラーゼ遺伝子が比較対象プロモータの制御下にある、項1に記載の哺乳類細胞。5. 項1に記載の遺伝子構築物もしくはそのコンビネーション、又は項2に記載の発現ベクターもしくはそのコンビネーションを哺乳類細胞内に導入することを特徴とするウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を哺乳類細胞で安定発現可能かつ細胞外に分泌可能に別個のプロモータの制御下に組み込んでなる哺乳類細胞の製造方法。6. ウミホタルルシフェリンとセレンテラジンを含む、哺乳類細胞に組み込まれたウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子のデュアル遺伝子発現検出用キット。7. ウミホタルルシフェリン溶液とセレンテラジン溶液を含む、項6に記載のキット。8. ウミホタルルシフェリンと少なくとも1種の酸化防止剤を含むウミホタルルシフェリン溶液、セレンテラジンと少なくとも1種の酸化防止剤を含むウミホタルルシフェリン溶液を含み、ウミホタルルシフェリンに配合される酸化防止剤が、アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩からなる群から選ばれ、セレンテラジンに配合される酸化防止剤がアスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩、からなる群から選ばれる、項6に記載のキット。9. ウミホタルルシフェリンとアスコルビン酸塩を含む溶液、セレンテラジンとアスコルビン酸塩を含む溶液を有する、項6に記載のキット。10. ウミホタルルシフェリンとアスコルビン酸塩と亜硫酸塩を含む溶液、セレンテラジンとアスコルビン酸塩と亜硫酸塩を含む溶液を有する、項6に記載のキット。11. ウミホタルルシフェリンとアスコルビン酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウムを含む溶液、セレンテラジンとアスコルビン酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウムを含む溶液を有する、項6に記載のキット。12. 項3に記載の哺乳類細胞の培養液中に薬物候補化合物を存在させて該哺乳類細胞を培養する工程、該候補化合物の存在下及び非存在下で細胞外に分泌されたウミホタルルシフェラーゼとコペポーダルシフェラーゼを、各々ウミホタルルシフェリンもしくはセレンテラジンの存在下に定量する工程、少なくとも一方のルシフェラーゼ遺伝子に連結された評価対象プロモータに対する該候補化合物の影響を評価する工程を包含する薬物のスクリーニング方法。13. 項3に記載の哺乳類細胞の培養環境を変化させて、2つのルシフェラーゼの発現量を評価することにより、培養環境変化の前後における各ルシフェラーゼに結合された各プロモータの転写活性をマルチに測定するシステム。 本発明によれば、細胞を破砕する必要がないので細胞を生かしたままレポーターアッセイを行える利点があり、且つ96穴用、384穴用分注機を用いることでハイスループット化も可能である。 本発明の特に好ましい実施形態では、ウミホタルルシフェラーゼ、コペポーダルシフェラーゼを用いて培地中に分泌された2つのルシフェラーゼの発光活性から生きた細胞を用いてハイスループットに連続的に2つの遺伝子転写活性を同時定量化するための方法・システムを提供する.本システムを使用することで、細胞内の複数の転写活性を同時或いはほぼ同時に測定することができる。これらは病態の治療,検査及び新薬開発に利用が可能である. 本明細書において、コペポーダルシフェラーゼは別名ガウシアルシフェラーゼとも呼ばれ、例えばその塩基配列及びアミノ酸配列はUS6436682に記載されている、またその近縁種としてGaussia princeps(AAG54095)、Pleuromamma sp. CSG-2001(AAG54096)とMetridia longa(AAR17541)が挙げられ、これらに由来するルシフェラーゼが含まれる。ウミホタルルシフェラーゼの由来生物としてはウミホタル(Vargula hilgendorfii AAB86460)やその近縁種(例えばCypridina noctiluca BAD08210) 合成DNA(BAD022610、BAE92278))が挙げられ、これらに由来するルシフェラーゼが含まれる。 ウミホタルルシフェリンとしては、天然のウミホタルルシフェリンでもよく、PCT/JP2006/319000に記載されるようなその誘導体であってもよい。 セレンテラジンとしては、天然のセレンテラジンでもよく、米国仮出願60/833105に記載されるようなその誘導体であってもよい。 本発明で使用する2種のルシフェラーゼはいずれも分泌性であり、細胞培養液に各ルシフェリンを加えることによりその存在を蛍光により容易に検出可能である。なお、セレンテラジンとウミホタルルシフェリンの発光波長が近い場合には、細胞培養液を2つに分け、セレンテラジンとウミホタルルシフェリンの一方を各培養液に加えて各ルシフェラーゼを別々に検出することができる。一方、ウミホタルルシフェリンもしくはその誘導体とセレンテラジンもしくはその誘導体の最大発光波長が40nm以上、好ましくは50nm以上、特に60nm以上異なる組み合わせを使用した場合には、1つの培養液にウミホタルルシフェリンもしくはその誘導体とセレンテラジンもしくはその誘導体を加え、2つのルシフェラーゼを同時に検出することもできる。 本発明で使用するウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子は、公知の遺伝子をそのまま用いることができ、或いはさらに、a)余分な転写因子が結合しないように、cDNAの配列を変え、b)cDNAの配列のコドンユーセージ(コドンの使用頻度の偏り)を哺乳類用に変え、さらにc)使用上、制限酵素部位が多いことで応用が限定されることからそのcDNAを変えることで、ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子の、哺乳類細胞中での転写がより容易に行える。 従来のデュアルレポーターアッセイ系は、細胞内に蓄積される2つのルシフェラーゼを、細胞破砕液を用いて定量されていた。一方、分泌型ルシフェラーゼの場合、細胞外に分泌される割合がルシフェラーゼにより異なり、さらに、ルシフェラーゼの分解は細胞内と細胞外で異なるため、2つのルシフェラーゼの発現量の比は細胞内のルシフェラーゼと異なり変動しやすいと考えられていた。例えば従来使用されていた非分泌型ルシフェラーゼであるホタルルシフェラーゼの半減期は3時間程度であり(1. Thompson, J.F. et al. (1991) Gene 103, 171.)、ウミシイタケルシフェラーゼの半減期は5時間程度である(2. Bronstein, I. et al. (1994) Anal, Biochem. 219, 169)。一方、分泌型のウミホタルルシフェラーゼの半減期は60時間程度であり(Nakajima Y Biosci Biotechnol Biochem. 2004, 68, 565-70.)、コペポーダルシフェラーゼの半減期は、24時間またはそれ以上である(図3)。このように、分泌型ルシフェラーゼと非分泌型ルシフェラーゼの半減期は大きく相違している。 デュアルレポーターアッセイ系で、2つのレポータールシフェラーゼ発現量の比をとる場合、生理活性物質などにより刺激を与えた数時間から24時間ないし48時間後の該比は、非分泌型ルシフェラーゼと分泌型ルシフェラーゼで大きく異なると従来考えられていたが、本発明者は、該発現量の比はルシフェラーゼ間でほぼ一定に保たれており、従来のデュアルアッセイ系であるホタルルシフェラーゼ/ウミシイタケルシフェラーゼと、本発明のウミホタルルシフェラーゼ/コペポーダルシフェラーゼでほぼ同様な結果が得られることを初めて見出した。 本発明では、刺激を付与後の2つの酵素の発現量を繰り返し定量でき、刺激付与の何時間後に2つのルシフェラーゼの発現量の比を定量すればよいかがわかるため、可能な限り短時間でアッセイを行うことができ、ハイスループット化に特に有用である。 本発明の好ましい1つの実施形態において、ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子が転写されたmRNAを安定化して翻訳回数を増やすことが望ましい。この場合、グロブリンイントロンを挿入することでmRNAの寿命を延ばし、そして、コザック配列を挿入し翻訳回数を増やすことで、これら遺伝子を哺乳類細胞で十分に発現させることができる。 本発明の好ましい他の実施形態の更なる手法としては、例えばmRNAのコピー数を増やすことであるので、例えばcDNAのコドンユーセージ(コドンの使用頻度の偏り)を哺乳類用に変えること、さらには、余分な転写因子が結合しないように、cDNAの配列を変えること、さらに使用上、制限酵素部位が多いことで応用が限定されることからそのcDNAを変えることが挙げられる。このような手法も、2つの分泌型ルシフェラーゼの哺乳類細胞内での発現に有効である。特にコドンユーセージ(コドンの使用頻度の偏り)を哺乳類用に変えること、さらには、余分な転写因子が結合しないように、cDNAの配列を変えることは有効である。 cDNAの配列の変更は、以下の点を1)〜4)の順に考慮して行うことができる: 1) ルシフェラーゼのアミノ酸配列はできるだけ変更しないのがよい; 2) 次に、余分な転写因子が結合しないように、cDNAの配列を変更する; 3) さらに、cDNAの配列において、コドンユーセージを哺乳類用に変更する; 4) 必要に応じてさらに、制限酵素部位をなくすようにcDNA配列を変更する。 一つの好ましい実施形態において、本発明の遺伝子構築物にはルシフェラーゼ遺伝子、該遺伝子の上流側にプロモータ、必要に応じて翻訳を効率化するエレメント及び/又はmRNAの安定化エレメントを含み、さらにエンハンサ、SV40pA、薬剤耐性遺伝子(Neorなど)を含み得る。 本発明において、哺乳類としては、ヒト、ウシ、ウマ、ヒツジ、サル、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌが挙げられ、好ましくはヒトである。 ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を同時に発現する本発明の哺乳類細胞は、ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に組み込んだ、2つの遺伝子構築物/発現ベクターを作製し、この2つの遺伝子構築物/発現ベクターを哺乳類細胞内に導入することで得ることができる。各ルシフェラーゼ遺伝子の発現量は、導入される遺伝子構築物/発現ベクターの量に比例するため、各遺伝子について適切な量の遺伝子構築物/発現ベクターを哺乳類細胞内に導入する。一般的に2つの遺伝子の発現量の比は、測定時(非刺激時と薬剤などの生理活性物質や環境因子などによる刺激時において、たとえば100倍以内、好ましくは50倍以内、さらに好ましくは30倍以内になるように、2つのルシフェラーゼ遺伝子を哺乳類細胞内に導入する。2つの遺伝子の導入量の比は、ダイナミックレンジの広さを考慮すれば、一方の遺伝子の導入量を100とした場合に、他方の遺伝子の導入量は、1〜10000程度、好ましくは10〜1000程度である。遺伝子の導入量は、当業者であれば、プロモータの強さとの関係で好ましい導入量を適宜決定できる。 或いは、ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に組み込んだ1つの遺伝子構築物或いは1つの発現ベクターを作製し、これを哺乳類細胞内に導入することにより、本発明の形質転換された哺乳類細胞を得ることもできる。このように2つのルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に1つの遺伝子構築物/発現ベクターに組み込むことで、2つの遺伝子の発現量の比をほぼ一定にすることができる。 遺伝子構築物ないし発現ベクターの哺乳類細胞内への導入は、遺伝子導入剤を用い、常法に従い行うことができる。 本発明のデュアル遺伝子発現検出用キットは、ウミホタルルシフェリンとセレンテラジンを含み、必要に応じてさらに、緩衝液、これらルシフェリンの安定化のための酸化防止剤を含む。ウミホタルルシフェリンとセレンテラジンは、固形物として含まれていてもよいが、好ましくは一定濃度の溶液(特に緩衝液)としてキットに含まれる。緩衝液としては、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、グッド緩衝液などの緩衝液が挙げられる。緩衝液のpHは5〜9程度、好ましくは6〜8程度である。 セレンテラジンの好ましい緩衝液のpHは、pH 5〜9程度、好ましくはpH7〜8程度であり、ウミホタルルシフェリンの好ましい緩衝液のpHは、pH 5〜9程度、好ましくはpH7〜8程度である。 ウミホタルルシフェリンとセレンテラジンの溶液中の濃度は、0.00001〜0.1重量%程度、好ましくは0.001〜0.00001重量%程度である。 ウミホタルルシフェリンに配合される酸化防止剤は、アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である。 セレンテラジンに配合される酸化防止剤は、アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である。 好ましい酸化防止剤は、アスコルビン酸またはその塩、亜硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、特にアスコルビン酸またはそのアルカリ金属塩、亜硫酸のアルカリ金属塩が挙げられる。最も好ましいのはアスコルビン酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウムであり、これらを併用するのが特に好ましい。これらの酸化防止剤は、ウミホタルルシフェリンとセレンテラジンの分解を抑制して自家発光を低減し、さらにルシフェラーゼの安定化のために系中に加えられるBSA、HSAなどのアルブミンに起因するバックグラウンドの上昇を抑制し、S/N比を低減することで、感度を上昇させることができる。 アスコルビン酸塩、エリソルビン酸塩、亜硫酸塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムなどのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩などが挙げられる。 アスコルビン酸などの酸化防止剤を生物発光系に添加する場合、0.005〜1M程度の濃度で添加するのが好ましい。 ウミホタルルシフェリンとセレンテラジン又はその誘導体と酸化防止剤を含む組成物は、セレンテラジン又はそのアナログ(溶液、あるいは粉末、顆粒、結晶などの固形物)を安定化するのに好適である。該組成物において、セレンテラジン又はそのアナログ1重量部あたり、酸化防止剤を例えば40000〜800000重量部程度配合する。 従って、ウミホタルルシフェリンとセレンテラジン又はその誘導体と酸化防止剤(特にアスコルビン酸、エリソルビン酸またはこれらの塩)を含む組成物は、ウミホタルルシフェリンとセレンテラジン又はその誘導体の室温での保存安定性のみならず、測定時のバックグラウンドの上昇を抑制できるため、特に好ましい。 多検体を測定するためにはルシフェリンの安定性が非常に重要であるので、2つのルシフェリンを安定化する0.3M アスコルビン酸ナトリウム、20mM 亜硫酸ナトリウムを入れた基質溶液の使用が特に望ましい。 本発明のシステムにより同時測定が望ましいプロモーターの評価対象遺伝子とコントロール遺伝子としては、評価対象遺伝子・時計遺伝子(Per遺伝子、Clock遺伝子、BMAL遺伝子など)・癌遺伝子(がん遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、細胞分裂マーカー遺伝子など)・病気(病態対応遺伝子、生死感受アポトーシス遺伝子、ホルモン遺伝子など)比較対象(コントロール)遺伝子・定常発現遺伝子(アクチン遺伝子、GAPDH(グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ)遺伝子、サル由来SV40ウイルス遺伝子など)などが例示される。 本発明のデュアルルシフェラーゼ遺伝子を用いたアッセイ系では、2つのデュアルルシフェラーゼ遺伝子を両方とも異なる評価対象遺伝子プロモータの制御下におき、2つの評価対象プロモータのルシフェラーゼ発現量の比をとってもよく、2つのルシフェラーゼ遺伝子の一方を評価対象遺伝子プロモータの制御下におき、他方を比較対象遺伝子プロモータの制御下においてもよい。 なお、本発明において、1つの哺乳類細胞をプロモータAとプロモータBを用いて構築し、もう1つの哺乳類細胞をプロモータAとプロモータCを用いて構築し、プロモータAを比較対象プロモータ(例えば定常発現プロモータ)、プロモータB,Cを評価対象プロモータとすると、プロモータAで標準化することにより、評価対象プロモータB,Cの比を評価することもできる。同様にして、3種またはそれ以上の哺乳類細胞(各哺乳類細胞に組み込まれた評価対象プロモータは異なる)を用い3またはそれ以上の評価対象プロモータのルシフェラーゼ発現量の比を、比較対象プロモータで標準化することもできる。このように2種以上の哺乳類細胞を組み合わせる場合、2つのルシフェラーゼ遺伝子の比は、各哺乳類細胞において一定であるのがよい。 本発明は、以下のような応用が可能である。(1)一次スクリーニング:多検体を網羅的に解析することを想定して、同時に2つ以上の情報を得ることは重要である。当然、複数の組み合わせが考えられる。創薬を考えた場合、その薬の効果はプラスの面を評価するだけでなく、マイナスの毒性も評価する必要がある。さらに、2つの遺伝子転写レベルの変化は細胞自体の状況を反映することから、細胞の状況を現す定常発現プロモータをコントロールにするのが好ましい。よって、創薬スクリーニングでは、以下のような組み合わせが例示される。 なお、表1、表2において、プロモータに連結される2種のルシフェラーゼ遺伝子はいずれを使用してもよい。 この場合、毒性評価と定常発現は薬剤評価対象遺伝子のプロモータのコントロールとなる。 3種のプロモータの関係を評価する場合には、薬剤効果を標準化する(評価対象プロモータ+定常発現プロモータ)哺乳類細胞と、安全性を標準化する(毒性評価プロモータ+定常発現プロモータ) 哺乳類細胞を組み合わせればよい。 この場合、偽プロモータと定常発現プロモータはスクリーニング対象プロモータのコントロールとなる。 3種のプロモータの関係を測定する場合には、例えばプロモータ効果を標準化する(不特定プロモータ+定常発現プロモータ)哺乳類細胞と、偽情報を標準化する(偽プロモータ配列+定常発現プロモータ) 哺乳類細胞を組み合わせればよい。 一方、4種のプロモータの組み合わせは、例えば環境ホルモンの評価など、外的な因子も同時に評価できるという利点があり、外的な因子の及ぼす細胞内の複数の遺伝子転写活性の変化を測定できる。例えば、外的な因子を直接捕捉する受容体の発現をモニターすることが挙げられる。 この場合、外的因子を受容するタンパク、それによって直接影響を受けるタンパク、さらには細胞自体の安全性を評価でき、これらを定常発現プロモータのタンパクのコントロールで標準化できることで、外的な因子が細胞に与える情報を正確に評価することができる。 4種のプロモータの関係を測定する場合には、例えばプロモータ効果を標準化する(不特定プロモータ+定常発現プロモータ)哺乳類細胞と、偽情報を標準化する(偽プロモータ配列+定常発現プロモータ) 哺乳類細胞と、外的因子受容を標準化する(外的因子の受容タンパクのプロモータ+定常発現プロモータ) 哺乳類細胞を組み合わせればよい。(2)二次スクリーニング:絞られた薬剤効果、或いはプロモータ情報の評価を想定、3つ以上の情報を得ることは重要である。創薬などでは、薬剤の効果が複数想定される場合も多い、まずは細胞状態の変化を表す遺伝子、薬剤の一過的な影響(例えば毒性、ショック応答など)を知ること、そして、実際の効果を知ることも重要である。例えば表4に示されるような時計関連薬剤効果の評価システムを例示できる。 3種のプロモータの関係を測定する場合には、例えば薬剤の一過性と持続性の効果を標準化する(薬剤対応プロモータ+薬剤感知プロモータ)哺乳類細胞と、薬剤と日周変動との関係を標準化する(薬剤対応プロモータ+日周変動プロモータ) 哺乳類細胞を組み合わせればよい。本発明は、ハイスループット化が可能であり同一刺激後の多種類の細胞の状態をほぼ同時に、かつ、生きた細胞のまま2つの発光を測定・評価することができるので、時計軸に従って薬剤の効果を評価する(リズム創薬)のに特に有用である。また、同じ細胞に対して、一連の操作を行うことで、複数の操作の組み合わせ(履歴)に対する薬剤の効果を評価出来る。 本発明で使用するウミホタルルシフェラーゼ及びコペポーダルシフェラーゼは、哺乳類細胞外に分泌後、空気中では徐々に分解するため、哺乳類細胞は、空気との接触が抑制された条件下、例えばCO2インキュベータ中で培養するのが望ましい。空気との接触が抑制された条件下では、72時間後まで分泌ルシフェラーゼの発現量の比を高精度で測定することができる。また、ヒートブロックのような空気と接触する可能性のある条件下で培養する場合、できるだけ短時間、例えば刺激の24時間後までにルシフェラーゼの発現量の測定を行うのが好ましい。 以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはいうまでもない。実施例1 ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子をインビトロジェン社のpcDNA3に挿入したベクターpcDNA3-CL、コペポーダルシフェラーゼ遺伝子pCMV-Glucをそれぞれ作成した。NIH3T3細胞を48ウェルプレートに3×104細胞/ウェルまき1日培養した後、レポーター遺伝子とするプラスミドpcDNA3-CLを0, 0.1, 0.5, 1, 5, 10ng/ウェル、インターナルコントロール遺伝子とするプラスミドpCMV-Glucを1ng/ウェルとし、総プラスミドDNA量が100ng/ウェルになるようpcDNA3を加えて調整しリポフェクタミンプラス試薬を用いてトランスフェクションした。 10%FBS入りのDMEMにて2日間培養し、その培地を回収した。回収した培地 5μl に、 1μMウミホタルルシフェリン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3M アスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)、または1uMセレンテラジン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3M アスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)50μlをインジェクターにて加え、AB2100-JNRにて10秒間の積算値を測定した。 その結果、インターナルコントロール遺伝子としたコペポーダルシフェラーゼのプラスミドの活性はほぼ同じレベルであったが、ウミホタルルシフェラーゼの活性はプラスミドpcDNA3-CLのトランスフェクション量に従って直線的に増加した(図1)。これによって基質特性に異なる2つのルシフェラーゼは相互に干渉しあうことなく、発光量とベクター量がよく相関することが明らかとなった。 実施例2 ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子をインビトロジェン社のpcDNA3に挿入したベクターpcDNA3-CL(Biosci Biotechnol Biochem. 2004 Mar;68(3):565-70. cDNA cloning and characterization of a secreted luciferase from the luminous Japanese ostracod, Cypridina noctiluca. Nakajima Y, Kobayashi K,Yamagishi K, Enomoto T, Ohmiya Y)、コペポーダルシフェラーゼ遺伝子を含む発現ベクターpCMV-Gluc(New England BioLabs社製)をそれぞれ作成した。NIH3T3細胞を48ウェルプレートに3×104細胞/ウェルまき1日培養した後、レポーター遺伝子とするプラスミドpCMV-Glucを0, 0.1, 0.5, 1, 5, 10ng/ウェル、インターナルコントロール遺伝子とするプラスミドpcDNA3-CLを1ng/ウェルとし、総プラスミドDNA量が100ng/ウェルになるようpcDNA3を加えて調整しリポフェクタミンプラス試薬を用いてトランスフェクションした。10%FBS入りのDMEMにて2日間培養し、その培地を回収した。回収した培地 5μl に、 1μMウミホタルルシフェリン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3M アスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)、または1μMセレンテラジン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3M アスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)50μlをインジェクターにて加え、AB2100-JNRにて10秒間の積算値を測定した。 その結果、インターナルコントロール遺伝子としたウミホタルルシフェラーゼのプラスミドの活性はほぼ同じレベルであったが、コペポーダルシフェラーゼの活性はプラスミドpCMV-Glucのトランスフェクション量に従って直線的に増加した(図2)。これによって基質特性に異なるルシフェラーゼは相互に干渉しあうことなく、発光量とベクター量が相関することが明らかとなった。 図1、図2よりウミホタルルシフェラーゼ遺伝子及びコペポーダルシフェラーゼ遺伝子はどちらをコントロール遺伝子としても同様の結果が得られることが明らかとなった。 実施例3 ウミホタルルシフェラーゼ及びコペポーダルシフェラーゼの37℃での安定性をCO2インキュベータ中で検討した。NIH3T3細胞を24ウェルプレートにまき、1日培養後、pcDNA-CL 100ng, pCMV-GL 100ngをトランスフェクションした。10%FBS+DMEM培地にて1日培養後、培養培地を回収し、10%FBS+DMEM培地で10倍希釈してCluc,Gluc混合液を調整した。 Cluc,Gluc混合液を55μlずつ96ウェルプレートに分注し、0, 6, 24, 48, 72, 120時間で回収した。サンプル50μlにルシフェリン溶液50μlを加え、10秒間の積算値をJNRにて測定した。実験は全てn=4である。その結果、2つのルシフェラーゼともに72時間程度まで95%以上の活性を有すること、さらにコペポーダルシフェラーゼは120時間経過すると80%程度に活性が減少、2つのルシフェラーゼでは活性が相対的に同じ関係を示さないことが明らかとなった(図3A)。一方、72時間程度まで、発光活性の相対関係が一定であることを示している。但し、図3B,図3Cで示すようにウミホタルルシフェラーゼ及びコペポーダルシフェラーゼ共に、大気と接触する可能性のあるヒートブロック上では活性が大きく低下するのに対して、CO2インキュベータ中では活性の低下が認められなかった。よって、72時間程度まで、発光活性の相対関係が一定を保つためにはCO2インキュベータ中での培養状態を保持するのが望ましい。また、ヒートブロック上で培養する場合、24時間後までに測定を行うのが好ましい。 実施例4 時計遺伝子BMAL1プロモータ配列の下流にウミホタルルシフェラーゼとさらにその下流にIRES配列をはさみホタルルシフェラーゼを挿入したベクターpBMAL1-CL-IRES-FL構築した(Yamagishi K, Enomoto T, Ohmiya Y, Analytical Biochemistry (2006) 354, 15-21)。NIH3T3細胞を24ウェルプレートに4×104細胞/ウェル撒き、1日培養した後、 pBMAL1-CL-IRES-FLを50ng/ウェルになるように、併せて転写因子発現用pCR3.1-RORα4 0, 5, 50ng/ウェルを、さらにコントロールベクターとしてコペポーダルシフェラーゼpCMV-GL /ウェルを、総プラスミドDNA量が105ng/ウェルになるようpBluescriptプラスミドにて調製してリポフェクタミンプラス試薬を用いてトランスフェクションした。コントロールベクターとして phRL-TK 5ng/ウェルとしたものもトランスフェクションした。 トランスフェクション後、10%FBS入りのDMEMにて1日間培養し、培地を回収した。回収した培地 50μl に、 Cluc活性は1μMウミホタルルシフェリン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3M アスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)を、Gluc活性、Rluc活性は1μMセレンテラジン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3Mアスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)50μlを、Fluc活性はピッカジーン発光試薬IIをインジェクターにて加え、AB2100-JNRにて10秒間の積算値を測定した(図4)。実験は全てn=4である。その結果、BMAL1プロモータはその転写因子であるRORα4によって転写活性が活性化され、ウミホタルルシフェラーゼ活性は直線的に増加した。コントロールベクターとして従来用いられているウミシイタケルシフェラーゼと新規のコペポーダルシフェラーゼを比較しても同じ傾向を示した。ウミシイタケルシフェラーゼでは細胞を破砕する必要があったが、コペポーダルシフェラーゼでは細胞を破砕することなく測定でき、相対的な評価が可能となった。実施例5 Bmal1プロモータのデュアルレポーターアッセイとして、NIH3T3細胞を24ウェルプレートに5×104細胞/ウェルまいた。1日培養した後、レポーターpBMAL1-CL-IRES-FL 50ng/ウェル、転写因子発現用pCR3.1-RORα4 0, 5, 50ng/ウェル、インターナルコントロールpCMV-GL 5ng /ウェルを、総プラスミドDNA量が105ng/ウェルになるようpBluescriptにて調製してトランスフェクションした。10%FBS+DMEM培地500μlにて培養し、6, 24, 48, 72時間に培養培地220μlを回収した。サンプル回収後新しい培地220μlを加え培養、回収を続けた。 各時間で回収したサンプル50μlにCluc活性は1μMウミホタルルシフェリン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3M アスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)を、Gluc活性、Rluc活性は1μMセレンテラジン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3Mアスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)50μlを、10秒間の積算値をJNRにて測定した(図5)。実験は全てn=4である。その結果、BMAL1プロモータはその転写因子であるRORα4によって転写活性が活性化され、コントロールベクターとして用いたコペポーダルシフェラーゼと比較して、ウミホタルルシフェラーゼ活性は回収時間ごとに直線的に増加した。転写活性は回収時間において変化し24時間で最大となり、6時間目、48、72時間目では同程度の活性であった。但し、遺伝子転写因子発現用pCR3.1-RORα4 5 及び10ng/ウェルでは転写活性の相対的な関係に違いが見出された。従来、同一細胞において、一定時間における相対的な遺伝子発現の関係しか得られなかったが、本方法を用いることで、同一細胞における、一定時間及び経時的な遺伝子発現の変化を解析可能であることが明らかになった。実施例6 多検体を解析するハイスループット解析の可能性を確認した。NIH3T3細胞にpcDNA-CL、pCMV-GL 各10ng/ウェルを、コトランスフェクションし、24時間後に培養培地を回収した。その培地を、新しい10%FBS+DMEM培地で10倍希釈してCluc、Gluc混合液を調整し、50μlずつ96ウェルプレートに分注して測定を行った。図6は96ウェル細胞培養プレートから分注した96ウェル発光測定用プレートに1μMウミホタルルシフェリン(0.06M リン酸 (pH6.4), 0.3M アスコルビン酸ナトリウム, 20mM 亜硫酸ナトリウム)を用いて測定した結果である。ウミホタルルシフェラーゼではバラツキの指標CV%=8.4%であった。また、図は示さないがコペポーダルシフェラーゼにおけるバラツキCV%=9.1であった。共に、96ウェルプレートに分注しても安定したデータが得られることが明らかとなり、ハイスループットにデュアルレポーターアッセイが行われることが明らかとなった。実施例7 以下4種類溶液を調製し、セレンテラジンを終濃度(10mM) になるように溶かし、セレンテラジンの残存活性を調べ、半減期を求めた。結果を図7に示す。図7の(1)、0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.3 M NaCl、(2)、0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.3 M Sodium ascorbate、(3)、0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.2 M Na2SO3 、及び(4)、0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.2 M Thiourea の溶液下での半減期である。図7に示されるように、アスコルビン酸ナトリウム溶液中において、半減期が大幅に延長された。デュアルレポーターアッセイにはアスコルビン酸ナトリウムの添加が特に望ましい。実施例8 10%FBS溶液におけるセレンテラジンの自家発光活性 以下2種類の溶液を調製し、セレンテラジンを終濃度(10mMまたは100mM)になるように溶かし、動物細胞の培地(10%FBSを入り溶液)と1:1(体積比)で混合し、バックグランドの活性として10秒間の発光を測定した。その際、反応溶液は0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.3 Mとし、0.3 M Sodium ascorbateを添加(+)、無添加(−)の影響を検討した。発光活性(RLU;Relative light unit)を測定し、その実測値をそれぞれの自家発光との比を計算し、図8にまとめた。その結果、アスコルビン酸ナトリウム塩溶液を加えることで自家発光の軽減を達成できた。実施例9 コペポーダルシフェラーゼルシフェラーゼによる発光と自家発光との比動物細胞から分泌されたコペポーダルシフェラーゼの培地(10%FBS入り)を用いて、実施例8で調製したセレンテラジン溶液を終濃度(10mMまたは100mM)になるように溶かし、動物細胞の培地(10%FBSを入り溶液)と1:1(体積比)で混合し、バックグランドの活性として10秒間の発光を測定した。その際、反応溶液は0.1 M Tris-HCl pH 7.4 / 0.3 Mとし、0.3 M Sodium ascorbateを添加(+)、無添加(−)の影響を検討した。発光活性を測定し、その実測値をそれぞれの自家発光との比(Signal-to background)を計算し、図9にまとめた。その結果、アスコルビン酸ナトリウム塩溶液は少なくとも2倍以上発光と自家発光との比の改善が見られた。このように、酸化防止剤はルシフェラーゼによる酸化反応には殆ど影響がなく、バックグランドのみを低減させることができた。コペポーダルシフェラーゼ遺伝子をコントロールとした、ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子量の違いによる発光活性の変化ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子をコントロールとした、コペポーダルシフェラーゼ遺伝子量の違いによる発光活性の変化ウミホタルルシフェラーゼ、コペポーダルシフェラーゼの培地中における時間安定性Bmal1プロモーター(ウミホタルルシフェラーゼ)のデュアルレポーターアッセイ(ウミシイタケルシフェラーゼ及びコペポーダルシフェラーゼをコントロール)Bmal1プロモータのデュアルレポーターアッセイ(コペポーダルシフェラーゼをコントロール)における経時的測定96ウェルプレートにおけるウミホタルルシフェラーゼの発光活性測定酸化防止剤の存在下及び非存在下におけるセレンテラジンの半減期を示す10%FBS溶液におけるセレンテラジンの自家発光活性コペポーダルシフェラーゼルシフェラーゼによる発光と自家発光との比ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に組み込んでなる1個の遺伝子構築物または2個の遺伝子構築物のコンビネーション。ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を別個のプロモータの制御下に組み込んでなる1個の発現ベクターまたは2個の発現ベクターのコンビネーション。ウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を哺乳類細胞で安定発現可能かつ細胞外に分泌可能に別個のプロモータの制御下に組み込んでなる哺乳類細胞。一方のルシフェラーゼ遺伝子が評価対象プロモータの制御下にあり、他方のルシフェラーゼ遺伝子が比較対象プロモータの制御下にある、請求項3に記載の哺乳類細胞。請求項1に記載の遺伝子構築物もしくはそのコンビネーション、又は請求項2に記載の発現ベクターもしくはそのコンビネーションを哺乳類細胞内に導入することを特徴とするウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子を哺乳類細胞で安定発現可能かつ細胞外に分泌可能に別個のプロモータの制御下に組み込んでなる哺乳類細胞の製造方法。ウミホタルルシフェリンとセレンテラジンを含む、哺乳類細胞に組み込まれたウミホタルルシフェラーゼ遺伝子とコペポーダルシフェラーゼ遺伝子のデュアル遺伝子発現検出用キット。ウミホタルルシフェリン溶液とセレンテラジン溶液を含む、請求項6のキット。ウミホタルルシフェリンと少なくとも1種の酸化防止剤を含むウミホタルルシフェリン溶液、セレンテラジンと少なくとも1種の酸化防止剤を含むウミホタルルシフェリン溶液を含み、ウミホタルルシフェリンに配合される酸化防止剤が、アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩からなる群から選ばれ、セレンテラジンに配合される酸化防止剤がアスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、亜硫酸塩、からなる群から選ばれる、請求項6に記載のキット。ウミホタルルシフェリンとアスコルビン酸塩を含む溶液、セレンテラジンとアスコルビン酸塩を含む溶液を有する、請求項6に記載のキット。ウミホタルルシフェリンとアスコルビン酸塩と亜硫酸塩を含む溶液、セレンテラジンとアスコルビン酸塩と亜硫酸塩を含む溶液を有する、請求項6に記載のキット。ウミホタルルシフェリンとアスコルビン酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウムを含む溶液、セレンテラジンとアスコルビン酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウムを含む溶液を有する、請求項6に記載のキット。請求項3に記載の哺乳類細胞の培養液中に薬物候補化合物を存在させて該哺乳類細胞を培養する工程、該候補化合物の存在下及び非存在下で細胞外に分泌されたウミホタルルシフェラーゼとコペポーダルシフェラーゼを、各々ウミホタルルシフェリンもしくはセレンテラジンの存在下に定量する工程、少なくとも一方のルシフェラーゼ遺伝子に連結された評価対象プロモータに対する該候補化合物の影響を評価する工程を包含する薬物のスクリーニング方法。請求項3に記載の哺乳類細胞の培養環境を変化させて、2つのルシフェラーゼの発現量を評価することにより、培養環境変化の前後における各ルシフェラーゼに結合された各プロモータの転写活性をマルチに測定するシステム。


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