タイトル: | 公開特許公報(A)_内服液剤組成物 |
出願番号: | 2006276824 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | A61K 47/26,A61K 47/14,A61K 47/10,A61K 47/12,A61K 9/08,A61K 31/7012 |
伊佐田 純子 菅野 秀明 吉村 正紀 高橋 千晶 JP 2008094742 公開特許公報(A) 20080424 2006276824 20061010 内服液剤組成物 ライオン株式会社 000006769 伊佐田 純子 菅野 秀明 吉村 正紀 高橋 千晶 A61K 47/26 20060101AFI20080328BHJP A61K 47/14 20060101ALI20080328BHJP A61K 47/10 20060101ALI20080328BHJP A61K 47/12 20060101ALI20080328BHJP A61K 9/08 20060101ALI20080328BHJP A61K 31/7012 20060101ALI20080328BHJP JPA61K47/26A61K47/14A61K47/10A61K47/12A61K9/08A61K31/7012 5 OL 10 4C076 4C086 4C076AA11 4C076BB01 4C076CC03 4C076CC23 4C076CC40 4C076DD37 4C076DD41 4C076DD45 4C076DD67 4C076EE16 4C076FF11 4C076FF52 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA01 4C086MA03 4C086MA05 4C086NA09 4C086ZC01 4C086ZC25 本発明は、苦味を有する機能性物質の苦味が抑制された内服液剤に関する。 グルクロノラクトンやビタミン類、生薬等の苦味を有する機能性物質を有効成分として含有する内服液剤は、その苦味のために製剤の服用性が悪いため、甘味剤やフレーバー、等の矯味剤を使用し、製剤の苦味を抑制する処方が検討されている(特許文献1〜4)。しかし、従来の苦味低減組成は白糖や果糖等の糖を多く使用するためカロリーが高くなり、製剤の目的にあわない場合がある。また、糖を多量に含有すると、フレーバーの香り立ちが悪くなる場合がある。 したがって、比較的低カロリーで、しかも機能性物質の苦味が抑制され、フレーバーの香り立ちが良好な内服液剤が望まれていた。特開2003−171311特開2003−171314特開2004−67516特開2003−55194 本発明は、苦味を有する機能性物質、特にグルクロノラクトンを含有する内服液剤において、その苦味が抑制されさらに香り立ちが良好な、服用性に優れた内服液剤を提供することを目的とする。 本発明者らは、特定の甘味剤を特定比とし、かつ特定の脂肪酸エステルを組み合わせて使用することによって、低カロリーで、しかもグルクロノラクトン、ビタミン、生薬等の機能性物質の苦味を抑制でき、さらに香り立ちが良好な内服液剤が得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。また本発明は、さらに糖アルコール及び/または高甘味度甘味剤や有機酸を使用することにより、より苦味抑制効果が優れる内服液剤が得られる。すなわち、本発明は(1)不快味を有する機能性物質、炭素数2〜12の炭化水素基を有する脂肪酸エステル、果糖、及び白糖を含有し、果糖/白糖(質量比)=1/0.001〜1/0.15であり、かつ果糖と白糖の合計量が1000mg/100ml〜8000mg/100mlであることを特徴とする、内服液剤組成物。(2)(果糖と白糖の合計量)/脂肪酸エステル=1:0.0001〜1:0.01である(1)に記載の内服液剤組成物。(3)さらに糖アルコール及び/または高甘味度甘味剤を1種以上含有する(1)〜(2)の内服液剤組成物 (4)さらに有機酸を含有する(1)〜(3)に記載の内服液剤組成物(5)機能性物質がグルクロノラクトン、ビタミン類、ヨクイニンエキス、ヨクイニン流エキスである(1)〜(4)に記載の内服液剤組成物を提供するものである。 本発明の前記構成とすることによって、比較的低カロリーで、しかも機能性物質の苦味が抑制され、かつ香り立ちが良好な、服用性に優れた内服液剤を得ることができる。(A)不快な味がする機能性物質1)グルクロノラクトン本発明における用語「グルクロノラクトン」は、グルクロノラクトンそのものと、グルクロン酸、グルクロン酸塩の総称を意味する。2)ビタミン類ビタミンB群としては、ビタミンB1群、(例えばチアミン、硝酸チアミン、塩酸チアミン、ビタミンB1誘導体)、ビタミンB2群(例えばリボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン等)、ビタミンB6群(例えばピリドキシン、ピリドキサル、ピリドキサミンおよびこれらのリン酸あるいは塩酸塩等)、ビタミンB12群(例えばコバラミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン等)等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの苦味を有する成分は、有効成分として用いられる時は、それぞれの目的に応じ薬効を奏する有効量の範囲で配合されるのが好ましい。また、食品添加物としては、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸カルシウム、塩化カリウム、蠣殻末、ナイアシンアミド、ビオチン、海藻粉末、ニコチン酸アミド、及び、シアノコバラミン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。 3)生薬生薬としては、ヨクイニン、ヨクイニン流エキス、アロエ、ウイキョウ、ウコン、ウヤク、エンゴサク、エイジツ、オウギ、オウセイ、オンジ、ガラナ、クコシ、ジオウ、トウキ、トチュウ、ニンジン、アマロゲンチン、オウゴン、オウバク、オウレン、ガジュツ、カスカラサグラダ、カッコウ、カスカリラノキ、カノコ草、カロウコン、キキョウ、キジツ、キョウニン、キハダ、クコ、クジン、ケイガイ、ケイヒ、ケツメイシ、ケンゴシ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、コウジン、コウブシ、コウボク、ゴオウ、ゴシツ、ゴシュユ、ゴミシ、コロンボ、コンズランゴ、サイコ、サンシシ、サフラン、サンズコン、シコン、シソシ、シャクヤク、シャジン(ツリガネニンジン)、シャゼン(オオバコ)、ジャ香、ショウキョウ、ショウマ、セイヒ、セキショウコン、センキュウ、センコツ、センタウリウム草、センブリ、センボウ、センソ、センナ、ソウジュツ、ソウハクヒ、ソヨウ、ダイオウ、竹節人参、チモ、チレッタ草、チンピ、トウヒ、トウニン、トコン、ニガキ、ニンジン、ビャクシャク、ビャクジュツ、ベラドンナコン、ヘノポジ油、ヤクチ、ユウタン、ヨモギ、ニガヨモギ、苦味チンキ、ジシュユ、ホップ、ホミカ、ボウイ、マオウ、モクツウ、モッコウ、リュウタン、リンドウ、ルソンカ、レンギョウ、ニンジン、セネガ、キキョウ、ショウキョウ、及び、ローヤルゼリー等が挙げられ、医薬品製造指針記載の生薬類が総て挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。 上記の中でも本発明の効果が顕著に得られる好ましい機能性物質は、グルクロノラクトン、ヨクインエキス、ヨクイニン流エキス、リン酸リボフラビンナトリウムである。特に好ましくは、グルクロノラクトンである。本発明の上記苦味を有する機能性物質の含有量は、100〜4000mg/100ml、好ましくは200〜3000mg/100mlである。前記範囲で、本発明の効果が顕著に得られる。(B)炭素数2〜11の脂肪族エステル化合物ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、ギ酸イソアミル、ギ酸へキシル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸へキシル、ジアセチル、トリアセチン、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、イソ酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸アリル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸アミル、酪酸イソアミル、酪酸へキシル、イソ酪酸ブチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸ブチル、吉草酸イソブチル、吉草酸アミル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸イソアミル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸プロピル、ヘキサン酸イソプロピル、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸アミル、ヘキサン酸イソアミル、ヘキサン酸へキシル、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル、ヘプタン酸プロピル、ヘプタン酸アリル、オクタン酸メチル、オクタン酸エチル、オクタン酸アリル、ノナン酸メチル、ノナン酸エチル、デカン酸メチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸アリル、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸エチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル等があげられ、これらを1種または2種以上使用する。 前記の中でも好ましい化合物は、酢酸エチル、酪酸エチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸エチル、プロピオン酸エチル、ヘキサン酸エチルである。本発明の前期脂肪酸エステルとして、これらを含有する香料(フレーバー剤)を使用することも好ましく、例えば、アセロラフレーバー(含有するエステル:酪酸エチル、イソ酪酸エチル、プロピオン酸エチル、等を含有、(B)成分総量約7% )が好ましい例としてあげられる。その他、パイナップル、アップル、ピーチ、ストロベリー、ブルーベリー、グレープ、グレープフルーツ、レモン、オレンジ、ウメ等の(B)成分を含有するフレーバー剤を使用することができる。好ましくは、アセロラ、パイナップル、アップルフレーバーである。(B)成分は、上記化合物及び/又は上記化合物を含有する香料を使用することができ、(B)成分の含有量が下記量とすることが好ましい。本発明の炭素数2〜11の脂肪族エステル化合物の含有量は、好ましくは0.1〜80mg/100ml、より好ましくは5mg〜70mg/100mlである。(C)果糖及び白糖本発明の甘味剤としては果糖と白糖を必須成分として含有し、それらの含有量は、合計で1000〜8000mg/100mlとする。この範囲とすることにより、比較的低カロリー(50mlあたりのカロリー量が、好ましくは 20kcal以下)で、しかも機能性物質の苦味を抑制することができる。好ましい含有量は、3000〜7000mg/100mlである。上記果糖と白糖の含有量の範囲で、機能性物質の苦味を効果的に抑制し、しかも香り立ちが良好な内服液剤とするには、果糖と白糖の比が重要である。本発明では、は果糖/白糖(質量比)=1/0.001〜1/0.15とすることが必須であり、さらに好ましい含有比は、果糖/白糖(質量比)=1/0.01〜1/0.12である。また、本発明の内服液剤は、(B)成分と(C)成分(総量)の比が、(B):(C)(質量比)=0.0001:1〜0.01:1であることが好ましく、より好ましくは(B):(C)(質量比)=0.001:1〜0.005:1である。この範囲で、特に本発明の効果が良好である。本発明の内服液剤の効果をさらにあげるため、前記(A)(B)(C)成分に加え、糖アルコール、有機酸を含有することが好ましい。(D)糖アルコール糖アルコールとしては、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、マンニトール、パラチニットなどがあげられる。好ましくはエリスリトール、キシリトールであり、より好ましくはエリスリトールである。糖アルコールの含有量は、内服液組成物中、好ましくは4000〜12000mg/100ml、より好ましくは6000〜10000mg/100mlである。また、果糖/糖アルコール(質量比)=1/2〜1/1の範囲であることが好ましい。(E)有機酸有機酸としては、酢酸、酪酸、乳酸、クエン酸、酒石酸等があげられ、酢酸と酪酸が好ましい。有機酸の含有量は、内服液組成物中、好ましくは0.1〜500mg/100ml、より好ましくは0.5〜50mg/100mlである。本発明の内服液剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品(内服薬)、食品に使用可能な保存剤、安定化剤、可溶化剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁剤、酸化防止剤、香料(B成分を含まない香料)、着色剤、緩衝剤等の各種添加剤を含有することができる。表1、表2の内服液剤を調製し、苦味の抑制効果、香り立ちを評価した。<内服液剤の調製>常法により、各成分を混合して水性内服液剤を調製した。<評価方法・基準>(1)苦味(方法)調整した内服溶液組成物について、10名のパネラーによる官能試験を行なった。1回服用量50mlを服用後の苦味を、下記評価基準に従い、1〜5点の5段階の点数評価によって実施した。(基準)5:苦味を感じない4:ほとんど苦味を感じない3:やや苦味を感じる2:苦味を感じる1:非常に苦い(2)香り立ち(方法)調整した内服溶液組成物について、10名のパネラーによる官能試験を行なった。サンプル50mlを服用後の香り立ちを、下記評価基準に従い、1〜5点の5段階の点数評価によって実施した。(基準)5:非常に香り立ちが良く、香味特徴が出ている4:香り立ちが良く、香味特徴が出ている3:やや香り立ちが悪いが、香味特徴は出ている2:やや香り立ちが悪く、香味特徴が出ていない1:香り立ちが悪い、香味特徴がでていないなお、表1、表2で使用した香料は、以下に記したものである。(香料1)(メーカー 長谷川香料(株))含有するB成分:酪酸エチル、イソ酪酸エチル、プロピオン酸エチル(B成分合計量約7%) (香料2)アップルフレーバーn−酢酸ブチル 0.5% 酢酸エチル 0.3% 酢酸ヘキシル 0.2%アセトアルデヒド 0.1%トランス−ヘキス−2−エナール 0.3%n−酪酸 0.1%プロピレングリコール 8.5%エタノール 60%グリセリン 15%ポリオキシエチレン硬化ひまし油(平均E.O付加モル数60)0.5%、残部 水アップルフレーバー(2)中、(B)成分合計量 1% (香料3)パイナップルフレーバー酢酸エチル 3%酪酸エチル 2.5%酢酸イソアミル 1%吉草酸イソアミル 0.55%ヘキサン酸アリル 0.35%ヘキサン酸エチル 0.2%マロン酸ジエチル 0.3%イソ酪酸 0.7%イソ吉草酸 0.3%イソアミルアルコール 0.35%シトラール 0.15%リナロール 0.05%マルトール 0.2%プロピレングリコール 0.35%エタノール 60%グリセリン 15%ポリオキシエチレン硬化ひまし油(平均E.O付加モル数60)0.5%、残部 水パイナップルフレーバー(3)中(B)成分合計量 7.9% (香料4)生薬系フレーバーレモン油 3%オレンジ油 3%ジンジャー油 1%クローブ油 0.5%カシア油 0.5%エタノール 2%エタノール 60%グリセリン 15%ポリオキシエチレン硬化ひまし油(平均E.O付加モル数60)0.5%、残部 水生薬系フレーバー中(4)中(B)成分合計量 0.0005%以下(A)不快味を有する機能性物質、(B)炭素数2〜11の炭化水素基を有する脂肪酸エステル、(C)果糖、及び白糖を含有し、果糖/白糖(質量比)=1/0.001〜1/0.15であり、かつ果糖と白糖の合計量が1000mg/100ml〜8000mg/100mlであることを特徴とする、内服液剤組成物。(果糖と白糖の合計量)/脂肪酸エステル=1:0.0001〜1:0.01である請求項1に記載の内服液剤組成物。さらに糖アルコール及び/または高甘味度甘味剤を1種以上含有する請求項1〜2の内服液剤組成物 さらに有機酸を含有する請求項1〜3に記載の内服液剤組成物機能性物質がグルクロノラクトンである請求項1〜4に記載の内服液剤組成物 【課題】比較的低カロリーで、しかも機能性物質の苦味が抑制され、かつ香り立ちが良好な、服用性に優れた内服液剤を得る。【解決手段】(A)不快味を有する機能性物質、(B)炭素数2〜11の炭化水素基を有する脂肪酸エステル、(C)果糖、及び白糖を含有し、果糖/白糖(質量比)=1/0.001〜1/0.15であり、かつ果糖と白糖の合計量が1000mg/100ml〜8000mg/100mlであることを特徴とする、内服液剤組成物。【選択図】 なし