生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ガス感知体
出願番号:2006266019
年次:2008
IPC分類:G01N 31/22


特許情報キャッシュ

野口 青葉 岡崎 麗奈 JP 2008082981 公開特許公報(A) 20080410 2006266019 20060928 ガス感知体 トッパン・フォームズ株式会社 000110217 棚井 澄雄 100106909 志賀 正武 100064908 野口 青葉 岡崎 麗奈 G01N 31/22 20060101AFI20080314BHJP JPG01N31/22 121A 1 1 OL 5 2G042 2G042AA01 2G042CB01 2G042FB05 2G042FC03 本発明は、青果物、肉、魚などの生鮮品の品質を、これらの生鮮品が発生するガスを感知することにより判定し、表示するガス感知体に関し、さらに詳しくは、果物や野菜などの青果物が発生するエチレンガス、肉が発生するアンモニアガス、および、魚が発生するアミンガスを感知し、これらの生鮮品の品質を表示するガス感知体に関する。 果物などの青果物は、熟成しないうちに出荷され、消費者の手に渡ることが多く、必ずしも購入した時点が青果物の食べ頃とは限らない。そこで、消費者の元で青果物の熟度を簡易に判定し、その食べ頃を知ることができる手段が望まれていた。 ところで、青果物は後熟が起きるとエチレンガスを発生する。そこで、この性質を利用し、エチレンガスと呈色反応する試薬を用いて、青果物から発生するエチレンガスを経時的に検知することにより、青果物の熟度を判定する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。 また、このエチレンガスの検知方法を応用して、繊維質基材層の内部もしくは表面に保持されたエチレンガス検知物質を備えたエチレンガス検知インジケーター付粘着ラベルが開示されている(例えば、特許文献2参照)。このエチレンガス検知物質は、エチレンガスの存在下で変色する性質を有している。 また、肉は後熟が起きるとアンモニアガスを発生することが知られている。従って、この性質を利用し、肉から発生するアンモニアガスを経時的に検知することにより、肉の熟度を判定することができる。アンモニアガスを検知する手段として、アンモニアガス試験紙を用いたアンモニアガス測定方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。 同様に、魚は後熟が起きるとアミンガスを発生することが知られている。従って、この性質を利用し、魚から発生するアミンガスを経時的に検知することにより、魚の熟度を判定することができる。アミンガスの中でも、トリメチルアミン(TMA)を検知する手段として、ルテニウム(Ru)を酸化チタン(TiO2)に添加したTMAセンサを用いたアミンガス測定装置が開示されている(例えば、特許文献4参照)。特開平1−22581号公報実開平2−123976号公報特開2003−121365公報特開平6−34613号公報 しかしながら、特許文献1、2に開示されている方法では、青果物に含まれる水分によって、ガスを検知する手段の機能が損なわれ、目的とするガスの検知ができないという問題があった。 また、特許文献3、4に開示されている方法では、肉や魚から発生するガスを、ガスを検知する手段に接触させるためには、大がかりな装置が必要となり、コストが嵩むという問題があった。 本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、生鮮品に含まれる水分による機能の劣化がなく、簡易に生鮮品から発生するガスを感知して、生鮮品の品質を判定し、表示することができるガス感知体を提供することを目的とする。 本発明のガス感知体は、透明包装材と、該透明包装材の一方の面に設けられた不可逆性のガス反応剤からなるガス反応部を少なくとも備えたガス感知体であって、前記透明包装材は前記ガス反応部が中心軸側を向くようにロール状に巻き回されたことを特徴とする。 本発明のガス感知体は、透明包装材と、該透明包装材の一方の面に設けられた不可逆性のガス反応剤からなるガス反応部を少なくとも備えたガス感知体であって、前記透明包装材は前記ガス反応部が中心軸側を向くようにロール状に巻き回されたので、使用する前の状態では、ガス反応部が中心軸側を向くように、透明包装材が巻き回されているので、ガス反応部が透明包装材に挟まれるようにして密閉され、長期間保存しても、不用意にガス反応部が反応することを防止できる。 また、本発明のガス感知体は、巻き回された透明包装材を剥離して、この透明包装材により、ガス反応部を生鮮品側にして、生鮮品が容れられた容器あるいは生鮮品を包装することにより、ガス反応部がガス感知機能を発揮するので、生鮮品から発生したガス以外のガスによってガス感知機能が損なわれることを防止できる。 さらに、本発明のガス感知体は、包装する対象物(生鮮品や、生鮮品を容れた容器)の形状や大きさが異なっても、自在に包装することができる。 本発明のガス感知体の最良の形態について説明する。 なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。 図1は、本発明のガス感知体の一実施形態を示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。 図1中、符号10はガス感知体、11は基材、12はガス反応部、13は巻き芯、をそれぞれ示している。 この実施形態のガス感知体10は、帯状の透明包装材11と、透明包装材11の一方の面11aに設けられた不可逆性のガス反応剤からなるガス反応部12とから概略構成されている。 また、透明包装材11は、ガス反応部12が中心軸側を向くように、巻き芯13にロール状に巻き回されている。 透明包装材11としては、公知の食品包装用ラップフィルムなどが用いられる。 食品包装用のラップフィルムとしては、単層または二層以上の多層の合成樹脂フィルムからなり、粘着剤または柔軟性付与剤としての脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステル類が添加された自己粘着性のフィルムが用いられる。 食品包装用ラップフィルムを構成する合成樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系合成樹脂が挙げられる。また、食品包装用ラップフィルムが多層である場合、それぞれの層に異なる種類の合成樹脂を使用してもよい。 上記の合成樹脂フィルムに添加される脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステルにおける脂肪族多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ペンタエリスリトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。また、脂肪酸としては、例えば、酢酸などの低級脂肪酸;炭素原子数8〜12の脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸などの炭素原子数12〜22の高級脂肪酸などが挙げられる。 ガス反応部12をなす不可逆性のガス反応剤としては、エチレンガスと呈色反応する試薬、アンモニアガスおよびアミンガスと呈色反応する試薬などが用いられる。ガス反応部12を形成するには、溶媒または溶液にこれらの試薬を溶解して調製したインキを用いる。 なお、不可逆性のガス反応剤とは、一旦、ガスと反応して変色したら、変色前の状態(変色前の色)に戻らない試薬のことである。 エチレンガスと呈色反応する試薬としては、硫酸パラジウム触媒を含むモリブデン酸アンモニウム酸性水溶液などが用いられ、これを酸性溶液とするためには濃硫酸を混合する。この試薬のエチレンガスによる呈色反応は、下記の式(1)で表される。 3(NH4)2O・7MoO3→Mo2O3・3MoO3・6H2O (1) モリブデン酸アンモニウム((NH4)2O・7MoO3)は白色であり、この物質がエチレンガスと呈色反応することによって生成するモリブデンブルー(Mo2O3・3MoO3・6H2O)は青色である。 なお、モリブデン酸アンモニウムは、吸湿すると失活する(呈色反応を示さなくなる)ため、エチレンガスには接触しても、水分と接触しないようにする必要がある。 また、アンモニアガスおよびアミンガスと呈色反応する試薬としては、アマニ油などが用いられる。 巻き芯13としては、特に限定されず、紙、木材、金属、合成樹脂などからなる円筒状あるいは円柱状のものが用いられる。 次に、図2を参照して、この実施形態のガス感知体10の使用方法について説明する。 青果物などの生鮮品を容れた容器20に、ガス反応部12を内側にし、かつ、容器20の開口部20aを覆うように、ガス感知体10の透明包装材11を包装する。これにより、容器20の内部に、ガス感知体10のガス反応部12が対向する。 この状態で生鮮品からエチレンガス、アンモニアガス、アミンガスが発生すると、ガス反応部12をなす試薬と反応して、ガス反応部12が変色する。これにより、生鮮品の品質を判定し、表示することができる。 なお、ここでは、ガス感知体10により、青果物などの生鮮品を容れた容器20を包装する場合を例示したが、本発明では、ガス感知体により生鮮品を直接包装してもよい。 次に、図1を参照して、この実施形態のガス感知体10の製造方法について説明する。 まず、透明包装材11をなす合成樹脂を用い、押出機により所定の厚みのフィルムを押し出した後、所定の温度まで冷却して、所定の厚みおよび幅の透明包装材11を得る。 次いで、この透明包装材11をロール状に巻き回す直前に、その一方の面11aに、スクリーン印刷などの印刷法により、不可逆性のガス反応剤を含むインキを印刷することによって、所定の幅および間隔のガス反応部12を形成する。 次いで、ガス反応部12が形成された透明包装材11を巻き芯13に巻き回すことにより、ガス感知体10を得る。 この実施形態のガス感知体10は、使用する前の状態では、ガス反応部12が中心軸側を向くように巻き芯13に、自己粘着性の透明包装材11が巻き回されているので、ガス反応部12が透明包装材11に挟まれるようにして密閉され、長期間保存しても、不用意にガス反応部12が反応することを防止できる。 また、このガス感知体10は、巻き芯13に巻き回された自己粘着性の透明包装材11を剥離して、この透明包装材11により、ガス反応部12を生鮮品側にして、生鮮品が容れられた容器20あるいは生鮮品を包装することにより、ガス反応部12がガス感知機能を発揮するので、生鮮品から発生したガス以外のガスによってガス感知機能が損なわれることを防止できる。 また、このガス感知体10は、包装する対象物(生鮮品や、生鮮品を容れた容器)の形状や大きさが異なっても、自在に包装することができる。 本発明のガス感知体は、臭気検知、酸素検知などにも適用できる。本発明のガス感知体の一実施形態を示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。本発明のガス感知体の使用方法を示す概略斜視図である。符号の説明10・・・ガス感知体、11・・・透明包装材、12・・・ガス反応部、13・・・巻き芯。 透明包装材と、該透明包装材の一方の面に設けられた不可逆性のガス反応剤からなるガス反応部を少なくとも備えたガス感知体であって、 前記透明包装材は前記ガス反応部が中心軸側を向くようにロール状に巻き回されたことを特徴とするガス感知体。 【課題】生鮮品に含まれる水分による機能の劣化がなく、簡易に生鮮品から発生するガスを感知して、生鮮品の品質を判定し、表示することができるガス感知体を提供する。【解決手段】本発明のガス感知体10は、帯状の透明包装材11と、透明包装材11の一方の面11aに設けられた不可逆性のガス反応剤からなるガス反応部12を少なくとも備え、透明包装材11はガス反応部12が中心軸側を向くようにロール状に巻き回さたことを特徴とする。【選択図】図1


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