タイトル: | 公開特許公報(A)_もろみ酢を原料とする食品及びその製造法 |
出願番号: | 2006259759 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | C12F 3/10,A23L 1/05,A23L 1/06,A23L 1/39 |
川端 史典 JP 2008054651 公開特許公報(A) 20080313 2006259759 20060829 もろみ酢を原料とする食品及びその製造法 株式会社富士商事 591207471 川端 史典 C12F 3/10 20060101AFI20080215BHJP A23L 1/05 20060101ALI20080215BHJP A23L 1/06 20060101ALI20080215BHJP A23L 1/39 20060101ALI20080215BHJP JPC12F3/10A23L1/04A23L1/06A23L1/39 2 書面 5 4B028 4B036 4B041 4B028BC05 4B028BL16 4B028BX02 4B036LC06 4B036LF03 4B036LH11 4B036LH44 4B036LK02 4B041LD01 4B041LD04 4B041LH05 4B041LH07 4B041LH08 4B041LH10 4B041LK41 本発明は焼酎製造時に得られる蒸留残査を濾過して得られるもろみ酢を主原料として製造される食品及びその製造法に関する。 もろみ酢は、その豊富なアミノ酸、クエン酸、ミネラル成分が注目され、健康食品として幅広く認知されている。 もろみ酢はいわゆる食酢の範疇ではない。食酢とは酸味成分が酢酸であるものだが、もろみ酢は酸味成分がクエン酸中心であり、醗酵クエン酸飲料ともいわれる。 もろみ酢に含まれてるクエン酸は焼酎製造時に麹菌の醗酵により生成されたもので、焼酎原料のイモ、黒糖、穀類などの違いによって生成されるクエン酸量が違う。 また、アミノ酸やミネラルについても原料由来の違いによってそれぞれ含有量に差が出来るので製造メーカーは様々に特長をもったもろみ酢を販売している。 現在もろみ酢を含めた酢が健康ブームの中で人気が高い。穀物酢や黒酢などと比較してもろみ酢は販売価格が高く、購入者は中高年以上が圧倒的に多い。 もろみ酢を使った食品に関して、焼酎蒸留残査からゼリー状食品を製造する方法(特許文献1)が記されている。 焼酎蒸留残査に甘味料を添加した後に磨砕して得られた分散液にゲル化剤を添加するとある。 通常、焼酎蒸留残査は腐敗しやすいのですばやい処理が必要である。しかるにその腐敗しやすい焼酎蒸留残査に加熱処理もしくは脱水、乾燥工程もなくそのまま砂糖などの甘味料を加えて撹拌し、その後磨砕してゼリー原料として利用するとある。この方法だと甘味料を加えた時点で焼酎蒸留残査が醗酵をはじめてしまう可能性が大きく、衛生面で不安であり一定の品質を保持できるのか疑問である。また焼酎蒸留残査を磨砕するには設備的な問題や、残査そのものを利用できるは焼酎製造メーカーに限定されてしまう。特開平11−178519号公報 本発明者は焼酎蒸留残査を濾過して衛生的な処理を経たもろみ酢を原料とする食品及び製造法を提供し、世代間の差なく容易にもろみ酢の栄養成分を享受できる。 本発明の食品は黒糖、イモまたは米などの穀類を原料として製造された焼酎の蒸留残査を濾過して得られるもろみ酢に増粘多糖類、糖質その他食品原料を添加して誰もが容易に簡便に摂食出来る食品を製造する。 本発明の食品製造時に使用されるもろみ酢は泡盛、焼酎を製造する工程で得られる蒸留残査を濾過、加熱したものであり、イモ、米、麦など様々な原料由来の蒸留残査が利用可能であるが、中でも特に奄美大島群島でのみ製造が許可されている黒糖焼酎、その蒸留残査より製造された黒糖もろみ酢は黒糖の風味、含有する栄養成分の豊富さから本発明における食品の原料としては最適である。 ここで黒糖焼酎由来もろみ酢についての説明を記す。 黒糖、米麹、天然の涌き水を原料として黒糖焼酎が製造される。この蒸留残査を濾過、加熱処理したものが黒糖もろみ酢である。 黒糖もろみ酢の特長はクエン酸、アミノ酸もさることながらミネラル分の豊富さが他のもろみ酢よりも際立っている。特にカリウムや鉄が多い(K298mg/100ml、Fe1.52mg/100ml)。 黒糖が主原料であるのでコクのある香りと濃厚な味が食品に使用した時に更においしさを増すこととなる。 ここでもろみ酢を原料とする食品例であるが、手軽に食せて世代間の格差が少ない食品としてジャムやソースなどの食品形態が望ましい。 近年日本人の食生活は米の消費量が減少し、その代りにパン食が増加の傾向にあるのを考えるとそこに合わせた食品として最適な選択である。 もろみ酢の使用量としては、食品全体の5〜60%、望ましくは25〜50%使用すると黒糖もろみ酢の味や香りが美味でかつ外観も非常に良好である。 次にジャムやソースに使用する増粘多糖類であるが、ペクチン、カラギナン、寒天、カロブビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、サイリュームシードガム、タマリンドシードガムを単品もしくは2種類以上併用して使用することが望ましい。 その他砂糖や水飴などの甘味料、酸味料、果汁類など随時必要に応じて併用する。 上記果汁類であるが、もろみ酢はクエン酸のさわやかな酸味が特長であるので、併用する果汁も酸味が強いものであると非常に相性が良いので、ベリー系ならブルーベリー、ブラックカラント、クランベリー、柑橘系ならシークワッサー、レモン、ライムなどが良いがそれに限定されるものではない。 本発明はアミノ酸、クエン酸、ミネラルなどの栄養成分の多いもろみ酢を提供するものであり、日常の食生活に取り入れやすく、またジャムやソースは老人から子供まで容易に摂食できる。 もろみ酢の酸味はクエン酸であるので、酸味が気になる人にとっては、ジャムやソースなどのような糖分を加えた食品であると酸味も気にならずに摂食できる。 特に果汁と合わせて作られたものは、味の面だけではなく、もろみ酢のミネラルが果汁と同時に体内に取り入れられるとより吸収されやすい。もろみ酢の栄養成分を無駄なく摂食出来るのである。 本発明の内容を以下の実施例により具体的に説明する。実験例1 黒糖もろみ酢ジャム 糖度50 PH3.4配合黒糖もろみ酢 25%砂糖 45%*パールペック61 0.8%クエン酸 0.3%水 合わせて100とする* ペクチン製剤(株式会社富士商事) 上記に記載のようにパールペック61(ペクチン製剤・株式会社富士商事)を水に加え沸騰溶解し、黒糖もろみ酢、砂糖、クエン酸を合わせて均一に混合し、容器に充填・冷却してジャムを調整した出来あがったジャムはもろみ酢の風味や色がはっきりと感じられ、食パンにスプレッドしたところよく伸び、大変美味なものであった。朝食時に手軽にもろみ酢が摂食でき、またクラッカーに乗せても食べやすかった。 実験例2 黒糖もろみ酢ブルーベリージャム 糖度50 PH3.6配合黒糖もろみ酢 25%砂糖 20%水飴 21%パールペック61 0.6%ブルーベリーピューレ 40%クエン酸 0.2%水 適量 上記に記載のようにパールペック61を水に加え沸騰溶解し、黒糖もろみ酢、砂糖、水飴、ブルーベリーピューレを予め合わせて加温したものを加え糖度50まで加熱し、クエン酸を添加して均一に混合し容器に充填・冷却し、ジャムを調整した。出来あがったジャムはもろみ酢とブルーベリーのさわやかな風味と味がはっきりと感じられた。 実験例3 黒糖もろみ酢ソース 糖度30 PH3.8配合黒糖もろみ酢 35%砂糖 16%水飴 12%*パールペック911 0.6%クエン酸 0.3%水 合わせて100とする* ペクチン製剤(株式会社富士商事) 上記に記載のようにパールペック911(ペクチン製剤・株式会社富士商事)を水に加え沸騰溶解し、黒糖もろみ酢、砂糖、水飴、クエン酸を合わせて均一に混合し容器に充填、80℃30分間加熱殺菌し、冷却した。出来上がったソースはもろみ酢の風味や色がはっきりと感じられ、ヨーグルトに適量混合して食したところ、大変美味であった。 実験例4 黒糖もろみ酢シークワッサーソース 糖度30 PH3.4配合黒糖もろみ酢 25%砂糖 16%水飴 11%パールペック911 0.6%シークワッサー果汁 5%クエン酸 0.2%水 合わせて100とする上記に記載のようにパールペック911を水に加え沸騰溶解し、黒糖もろみ酢、シークワッサー果汁、砂糖、水飴、クエン酸を合わせて均一に混合し容器に充填、80℃30分間加熱殺菌し、冷却した。出来あがったソースはシークワッサー特有の香気と味がもろみ酢とよく合い、アイスクリームにトッピングしたところ、大変美味であった。 もろみ酢に増粘多糖類を使用することによって製造される食品。 請求項1に記載の食品は、もろみ酢と増粘多糖類を使用したジャム、ソース、ゼリー食品とする。 【課題】 焼酎蒸留残査を濾過して得られるもろみ酢を主原料として、健康イメージの高い食品及び製造法を提供する。【解決手段】 本発明の食品は、黒糖、イモ又は米などの穀類を原料として製造された焼酎の蒸留残査を濾過して得られるもろみ酢に、増粘多糖類、糖質その他食品原料を添加してもろみ酢入りの食品を製造する。【選択図】なし