生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_自動分析装置
出願番号:2006244496
年次:2011
IPC分類:G01N 35/00,G01N 35/02


特許情報キャッシュ

白石 理恵 西田 正治 JP 4801542 特許公報(B2) 20110812 2006244496 20060908 自動分析装置 株式会社日立ハイテクノロジーズ 501387839 平木 祐輔 100091096 白石 理恵 西田 正治 20111026 G01N 35/00 20060101AFI20111006BHJP G01N 35/02 20060101ALI20111006BHJP JPG01N35/00 FG01N35/02 Z G01N 35/00−37/00 特開平11−142412(JP,A) 特開2004−279357(JP,A) 特開2003−83982(JP,A) 5 2008064680 20080321 9 20090203 長谷 潮 本発明は、試料を自動的に定量する自動分析装置に関し、特に、試料をラック式に設置する自動分析装置に関する。 自動分析装置は、主として臨床検査の分野で広く用いられている。臨床検査の分野では患者血清などの検体数が増加しているにもかかわらず、迅速且つ正確な検査(測定)データの提供が望まれている。 自動分析装置による測定では、先ず、濃度既知の標準液を測定することによって検量線を作成し、次に、濃度既知の精度管理試料を測定して、その検量線が有効であるか否かを確認する。こうして検定済みの検量線を用いて、濃度未知の試料、例えば、患者の検体を測定する。 通常、検量線は直線である。そこで、検量線が直線でない場合、「標準液の打ち返し」を行う場合がある。標準液の打ち返しでは、作成した検量線を用いて、検量線作成に用いた標準液を測定する。即ち、精度管理試料の代わりに、又は、精度管理試料として、検量線作成に用いた標準液を測定する。それにより、標準液が設定濃度と一致しているか否かを確認する。標準液が設定濃度と一致している場合には、作成した検量線が標準液濃度とフィットしていることになる。 一般に、精度管理試料には、1本で複数の項目を測定することができるように複数の種類の成分が含まれている。また、精度管理試料には、低、中、高の少なくとも2又は3種類の濃度が用意されている。一方、標準試料は、長期の安定性及び正確度を確保する必要から、単項目を測定するように構成され、容量も少ない。従って、一般には、標準試料を精度管理試料として使用することはない。 自動分析装置における試料の設置方式には、円形状のディスクに試料を設置するディスク方式と、試料容器をラックに保持するラック方式がある。ラック方式では、ラックを更に複数のラックトレイに保持する。ラック方式は多数の試料を取り扱うことができる。 特開2001−13150号には、ディスク方式の自動分析装置が記載されている。この自動分析装置では、緊急検体設置場所に設置された試料の測定データをデータや検量用標準液データとしても管理することができる。 ラック方式の自動分析装置では、ラックの種類によって保持されている溶液の種別を区別している。尚、ラックの種類はラックに付されたIDを読み取ることによって知ることができる。例えば、一般検体用ラックには検体試料が測定順に保持され、標準液ラックには標準液が測定順に保持されている。1つのラックで複数の種別の試料を保持することはできない。標準液ラックは、検量線を作成するときに使用するものであり、標準液の打ち返しを行う場合に使用することはできない。従って、標準液の打ち返しを行う場合、標準液を、精度管理試料用ラック又は一般検体用ラックに設置しなければならない。更に、標準液の打ち返しを行う場合、測定すべき項目、即ち、検量線が作成された項目を再度入力しなければならない。また、このような項目の入力は、標準液を測定するための入力画面とは別の画面にて行う必要がある。特開2001-13150号公報 上述のように、ラック方式の自動分析装置では、標準液の打ち返しを行う場合、標準液を、精度管理試料用ラック又は一般検体用ラックに設置し、更に、画面上にて測定項目の再入力を行わなければならない。 本発明の目的は、標準液を再度設置したり、測定項目の入力を再度行うことなく、検量線が作成された項目を自動的に測定することができる自動分析装置を提供することにある。 本発明の自動分析装置によると、検量線の作成が終わると、標準液ラックを待機させ、標準液の打ち返しを行う場合、待機していた標準液ラックを投入する。 本発明では、標準液を再設置したり、測定項目の入力を再度行うことなく、検量線が作成された項目を自動的に測定することができる。 図1に本発明の自動分析装置の構成を示す。自動分析装置は、試料容器108を保持するラック107を備えた検体投入部101と、反応液の吸光度を測定することによって試料の濃度を測定する分析ユニット103と、ラック107に保持された試料容器108を分析ユニット103の試料吸引位置へ搬送する搬送部102と、再検査が必要な検体が収容された試料容器108が設置されたラック107を分析ユニット103へ搬送する再検搬送部105と、再検査が必要な検体が収容された試料容器108を保持する再検バッファ110と、分析ユニット103に対する操作を行う操作部121と、記憶部122を有する制御部123、入力画面、出力画面及び測定結果表示画面を表示する表示部124と、表示部124に表示されたデータを印刷するプリンタ125と、測定結果を保存する記憶装置126と、を有する。 図1の例では、2個の分析ユニット103が設けられているが、1又は複数の分析ユニット103が設けられてよい。 図2は分析ユニット103の詳細を示す。分析ユニットは試薬系、サンプル系、反応系、及び、及び、測定系を有する。試薬系は、試薬容器210を収容する試薬ディスク201と、試薬を分注する試薬分注ピペッタ202と、を有する。サンプル系は、試料を分注する試料分注ピペッタ203を有する。反応系は、反応容器204を備えた反応ディスク205と、反応容器204内の反応液を攪拌する攪拌装置211と、恒温槽209と、を有する。測定系は、試料を通過した光のうち特定の波長の光の強度を測定する多波長光度計206と、多波長光度計206から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタルコンバータ207と、コンピュータ212と、を有する。 搬送部102は、試料容器108が試料吸引位置208に配置されるように、試料容器108を保持するラック107を搬送する。試料分注ピペッタ203は、試料容器108より所定量の試料を吸引し、それを反応容器204に分注する。反応ディスク205が回転し、試料が分注された反応容器204は第一試薬添加位置まで移動する。試薬ディスク201も回転し、現在の分析項目に該当する試薬容器210は昇降アームに設置された試薬分注ピペッタ202の下に移動する。試薬分注ピペッタ202は所定量の第一試薬を吸引し、それを第一試薬添加位置に配置された反応容器204に分注する。反応ディスク205が回転し、反応容器204は攪拌装置211の位置まで移動する。攪拌装置211は最初の攪拌を行う。次に、反応容器204に、光源からの光束が照射される。多波長光度計206は、反応容器204を通過した光を検出する。即ち、多波長光度計206は、反応容器204内の反応液の吸光度を検出し、吸光度信号を、アナログ/デジタル(A/D)コンバータ207に送る。A/Dコンバータ207はアナログ信号をデジタル信号に変換し、それをコンピュータ212に送信する。コンピュータ212は、試料液中の測定対象の分析項目濃度を検出する。反応ディスク205が回転し、測定が終了した反応容器204は、洗浄機構の位置まで移動する。洗浄機構は、反応容器204内の反応液を排出してから、水で洗浄する。こうして、反応容器204は、次の分析に供される。 図3を参照して本発明による測定処理を説明する。ここでは、精度管理試料は、1本で、複数の項目を測定することができるが、標準試料は、1本で、単項目しか測定することができないもの仮定して、説明する。ステップS101にて、コンピュータ212は、検量線作成命令を検出する。検量線作成命令は、ユーザが操作部121を介して、表示部124に表示された画面上にて行う。検量線作成命令は、検量線を作成する対象である測定項目を含む。ステップS102にて、コンピュータ212は、標準液が収容された標準液ラックを投入する。即ち、検量線作成命令にて入力された測定項目に対する検量線を作成するのに使用する標準液が収容された標準液ラックを試料吸引位置208に配置する。ステップS103にて、自動分析装置は、標準液の吸光度を測定し、コンピュータ212は、検量線を作成する。ステップS104にて、コンピュータ212は、アラームが発生したか否かを判定する。自動分析装置は、検量線が不適当であると判定した場合にアラームを発生する。アラームが発生した場合には、ステップS105に進み、表示部124に表示された画面上にて、検量線の作成を再度行うよう、推奨する。ステップS101〜ステップS104を繰り返す。こうして、アラームが発生しない場合には、ステップS106に進む。 ステップS106にて、コンピュータ212は、検量線を保存する。過去に、検量線が作成されている場合には、それを上書きする。ステップS107にて、自動分析装置は、標準液ラックが再度投入されたか否かを判定する。即ち、検量線の作成に使用した標準液ラックが投入されたか否かを判定する。投入された場合にはステップS108に進み、投入されない場合には、この処理を終了する。 尚、ラックには、ラックの種類を示すIDが付されている。このIDを読み取り装置によって読み取ることによって標準液ラックが投入されたか否かを知ることができる。このように、ラックにIDを付すこと、及び、ラックのIDを読み取り装置によって読み取ることは従来技術により既知であり、ここでは詳細に説明しない。このようなIDとしてバーコードが用いられてよい。 ステップS108にて、自動分析装置は、標準液の打ち返しを行う。即ち、コンピュータ212は、精度管理試料の代わりに標準液を用いて、検量線を検査する。ステップS109にて、コンピュータ212は、検量線の有効性を判定する。検量線が有効であると判定値した場合には、処理を終了する。検量線が有効でないと判定値した場合には、ステップS105に戻る。 こうして本例による標準液の打ち返し処理が終了すると、精度管理試料を用いて検量線を検査する。標準液の打ち返し処理では、単一の測定項目に対する検量線を検査するが、精度管理試料を用いた検査では、全ての測定項目に対して検量線を検査する。 本例によると、検量線を作成したら、標準液ラックが再度投入されたか否かを判定し、標準液ラックが再度投入された場合には、標準液の打ち返しを行う。従って、標準液の打ち返し処理を行う場合でも、標準液を再度標準液ラックに設置する必要がない。また、検量線の有効性を簡単に確認することが可能であり、無駄に精度管理試料を使用することが回避される。 尚、図3の例では、ステップS107にて、自動分析装置は、標準液ラックが再度投入されたか否かを判定する。しかしながら、ステップS107にて、コンピュータ212は、標準液の打ち返し命令が入力されている否かを判定してもよい。ここで、標準液の打ち返し命令が入力されている場合には、検量線の作成に使用した標準液ラックを投入し、標準液の打ち返しを行う。 図4を参照して本発明による測定処理を説明する。図3の例では、検量線の作成を開始するとき、検量線の作成命令が入力されているが、標準液の打ち返し命令は入力されていない。本例では、最初に、検量線の作成命令と標準液の打ち返し命令が入力されているものとする。ステップS201にて、コンピュータ212は、検量線作成命令と標準液の打ち返し命令を検出する。検量線作成命令と標準液の打ち返し命令は、表示部124に表示された1つの画面上にて行う。ステップS202からステップS206は、図3に示した例のステップS102からステップS106と同様である。 本例によると、ステップS202からステップS206の処理と同時併行的に、ステップS207及びステップS208を行う。ステップS207にて、自動分析装置は、標準液の打ち返し用の標準液ラックを用意する。ここで用意する標準液ラックは、検量線の作成に使用する標準液ラックと同時に作成するため、実質的に、検量線の作成に使用する標準液ラックと同一である。ステップS208にて、標準液の打ち返し用の標準液ラックを、再検バッファ110に待機させる。 ステップS209にて、自動分析装置は、再検バッファ110にて待機していた標準液ラックを投入する。即ち、標準液ラックを試料吸引位置208に配置する。ステップS210及びステップS211は、図3のステップS108及びステップS109と同様である。 図3の例では、検量線を作成してから、標準液ラックの再投入の有無又は標準液の打ち返し命令の有無を判定した。しかしながら、本例のように、最初から、標準液の打ち返し命令があることが判っている場合には、検量線の作成処理と標準液の打ち返し処理を同時併行的に実施する。本例では、上述のように、標準液の打ち返しは、検量線の作成に使用する標準液ラックではなく、標準液の打ち返し用に用意した標準液ラックを使用する。しかしながら、標準液の打ち返し用の標準液ラックは検量線の作成に使用する標準液ラックと同時に用意するため、実質的に同一である。 本発明は、従来のラック方式の自動分析装置のハードウエアの改造は行わず、ソフトウエアの変更によって実現可能である。 図5は、本発明の自動分析装置の表示部124に表示される入力画面の例を示す。本例の入力画面は、ルーチン操作ボタン401、試薬情報ボタン402、キャリブレーションボタン403、精度管理ボタン404、ユーティリティボタン405を有する。ここでは試薬情報ボタン402が選択されている。この入力画面では、状況ボタン406、標準液ボタン407、及び、設定ボタン408が表示されている。ここでは、状況ボタン406が選択されている。更に、詳細画面410には、項目名411、ポジション412、実行方法413、要因414、打ち返し415が表示されている。実行方法の欄416には、ブランクボタン417、2ポイントボタン418、全点ボタン419、スパンボタン420が表示されている。通常の検量線の作成処理では、項目毎に実行方法を設定する。実行方法の欄416から所望の方法を選択すると、実行方法413に、選択した方法が表示される。 本例によると、打ち返し415にて、選択表示を行うと、標準液の打ち返し処理が実行される。本例によると、入力画面にて、検量線作成入力と同時に打ち返しを指示することができる。それによって、自動分析装置は検量線作成用の分注と同時に標準液の打ち返し用の分注を同時に行い、検量線の保存又は更新の後に、直ちに、標準液の打ち返しの測定結果を出力することができる。 以上、本発明の例を説明したが、本発明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者によって容易に理解されよう。本発明の自動分析装置の全体構成を示す図である。本発明の自動分析装置の分析ユニットの概略図である。本発明の自動分析装置における検量線作成と標準液の打ち返し処理の第1の例を示す図である。本発明の自動分析装置における検量線作成と標準液の打ち返し処理の第2の例を示す図である。本発明の自動分析装置の表示部に表示された画面の例を示す図である。符号の説明101…検体投入部、102…搬送部、103…分析ユニット、105…再検搬送部、106…操作部、107…ラック、108…試料容器、110…再検バッファ、201…試薬ディスク、202…試薬分注ピペッタ、203…試料分注ピペッタ、204…反応容器、205…反応ディスク、206…多波長光度計、207…アナログ/デジタルコンバータ、208…試料吸引位置、209…恒温槽、210…試薬容器、211…攪拌装置、212…コンピュータ、 試料と試薬を混合する反応容器と、該反応容器に試料を分注する試料分注機構と、該反応容器中の試料と試薬の混合液を測定するための光度計と、を備えた分析ユニットと、 試料を収容した試料容器を保持するラックを前記分析ユニットの前記試料分注機構の試料分注位置に搬送するラック搬送部と、前記分析ユニットと前記ラック搬送部を制御する制御部と、該制御部に指示を与えるための操作部と、該操作部での操作内容を表示する表示部と、を備えた自動分析装置において、 前記光度計で計測された吸光度に基づいて分析対象成分の濃度を算出するための検量線の作成指示を与える表示画面と同一画面上に、標準液の打ち返しを実施するか否かを選択する選択表示を前記表示部に表示するように前記制御部が制御することを特徴とする自動分析装置。 請求項1記載の自動分析装置において、 前記表示画面に、測定項目毎の検量線の作成方法を指定する指定表示を表示することを特徴とする自動分析装置。 請求項1記載の自動分析装置において、 前記表示画面上で、標準液の打ち返しを実施することを選択した場合は、検量線作成用に標準液を反応容器へ分注するのと同時に打ち返し用の標準液の分注を行うように前記制御部が制御することを特徴とする自動分析装置。 請求項3記載の自動分析装置において、 前記標準液の打ち返し処理では、前記検量線の作成に用いた標準液と同じ標準液を用いることを特徴とする自動分析装置。 請求項1記載の自動分析装置において、 前記標準液の打ち返し処理によって前記検量線が不良であると判定されたとき、前記検量線の作成を再度行うことを特徴とする自動分析装置。


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