タイトル: | 公開特許公報(A)_2−シアノアクリレート系接着剤組成物 |
出願番号: | 2006220201 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | C09J 4/04,C07C 253/34,C07C 255/23 |
山内 隆 長濱吉生 JP 2007126632 公開特許公報(A) 20070524 2006220201 20060811 2−シアノアクリレート系接着剤組成物 田岡化学工業株式会社 000216243 山内 隆 長濱吉生 JP 2005293304 20051006 C09J 4/04 20060101AFI20070420BHJP C07C 253/34 20060101ALI20070420BHJP C07C 255/23 20060101ALI20070420BHJP JPC09J4/04C07C253/34C07C255/23 4 OL 11 4H006 4J040 4H006AA02 4H006AD11 4H006AD40 4H006AD41 4H006BD20 4J040FA121 4J040HB10 4J040HB11 4J040HB40 4J040HD39 4J040HD43 4J040NA02 4J040NA05 4J040NA12本発明は、2−シアノアクリレート系接着剤組成物に関するものである。2−シアノアクリレート系接着剤は、主成分である2−シアノアクリレートのもつ特異なアニオン重合性により、被着体表面に付着するわずかな水分等のような微弱なアニオン等によって重合を開始し、各種材料を短時間で強固に接着することができるものである。このため、いわゆる瞬間接着剤として工業用、医療用、家庭用等の分野において広く用いられている。しかし、近年化学物質を放散する建材・内装等の使用による家屋や家具あるいは自動車の内装材などから、空間内に放出される気体ホルムアルデヒドによる、所謂シックハウス症候群が重要問題視されており、ホルムアルデヒドの発生源の1つと考えられている接着剤中におけるホルムアルデヒド分の低減も課題となっている。2−シアノアクリレート系接着剤は、フェノール・ホルムアルデヒド系接着剤等とは異なり、非ホルムアルデヒド系接着剤に該当する。それにもかかわらず、上記用途の中でも密閉性が高い空間での使用において建築基準法に定められているホルムアルデヒドの規制値をさらに下回る、実質的にホルムアルデヒド皆無の接着剤を要望する傾向が強くなってきている。2−シアノアクリレート系接着剤の主成分である2−シアノアクリレートは、一般的にシアノ酢酸エステルとホルムアルデヒドを例えば有機溶剤中で縮合し、得られた縮合体を更に高温解重合を行って製造される。しかしこの方法で得られる粗2−シアノアクリレートは、一般的に90%程度と純度が高くなく、接着性能、安定性において劣る為、さらに蒸留精製工程を経て、97%以上の高純度の2−シアノアクリレートとしたものが使用される。そのため、2−シアノアクリレート系接着剤においては、原料から起因する遊離のホルムアルデヒドが極わずかに含まれる。又、不純物として存在するものから由来するホルムアルデヒドが極わずかに存在するため、従来の2−シアノアクリレート系接着剤を硬化させた硬化物から放散するホルムアルデヒドの放散量を実質的に皆無とすることは困難であった。そこで、空間内に放散されたホルムアルデヒド分を除去することにより低減させる方法が提案されており、例えば、NAD(H)結合型酸化還元不均化酵素を担体表面に固定化したホルムアルデヒド除去フィルター(特許文献1)やアセト酢酸アミドを固体担体に担持させたホルムアルデヒド除去剤(特許文献2)が開示されている。しかし、これらの方法は、空間内、特に密閉性の高い空間に放散される気体ホルムアルデヒド自体を低減することはできないため、空間内に放散される気体ホルムアルデヒドが実質的に皆無となる2−シアノアクリレート系接着剤組成物の開発が望まれていた。特開2001−340436号公報特開2002−191970号公報本発明の目的は、2−シアノアクリレート系接着剤を硬化させた硬化物から空間内に放散される気体ホルムアルデヒドが実質的に皆無となる2−シアノアクリレート系接着剤組成物を提供することにある。本発明者らは鋭意検討の結果、2−シアノアクリレートを主成分とした接着剤組成物であって、該接着剤組成物を硬化させた硬化塗膜から放散するホルムアルデヒド分の放散速度を3μg/m2・h以下とすることにより、2−シアノアクリレート系接着剤を硬化させた硬化物から空間内に放散される気体ホルムアルデヒドが実質的に皆無となる2−シアノアクリレート系接着剤組成物が得られることを見い出し、本発明を完成させた。本発明における2−シアノアクリレートは、式(2)で示される2−シアノアクリレートが好適に用いられる。(式中R1は炭素数1〜16の置換基を有していてもよい飽和または不飽和の脂肪族もしくは脂環族基又は芳香族基を示す。)本発明における2−シアノアクリレ−トの具体例としては、例えば、2−シアノアクリル酸のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、オクチル、ネオペンチル、シクロヘキシル、エチルヘキシル、ドデシル、アリル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシプロピル、ベンジル、フェニル、クロロエチル、テトラヒドロフルフリル等のエステル類が挙げられる。また、これらの2−シアノアクリレートは1種又は2種以上を混合して使用することができる。本発明における2−シアノアクリレートを製造する具体的な方法としては、例えば、まず、酢酸シアノエステルおよびホルムアルデヒドを塩基性触媒の存在下に有機溶媒中で縮合させ、得られた縮合体を重合抑制剤および解重合触媒の存在下に高温減圧条件で解重合し、粗2−シアノアクリレートを得る。 そして得られた粗2−シアノアクリレートから、例えば、(1)蒸留精製工程を経て、97%以上の高純度の2−シアノアクリレートとする際に初留分を1〜15%カットし高純度のシアノアクリレートとする方法や、(2)から蒸留精製工程を経て、高純度の2−シアノアクリレートとする際に式(1)(式中、mは1から5の整数を表し、R2は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、アルコキシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表し、nは1〜5の整数を表す。)で示されるヒドロキシ化合物、酸性物質、ホルマリン捕捉剤、BF3錯塩、HBF4、から選ばれる少なくとも1種を添加し蒸留精製する方法、添加後一定期間養生ののち、蒸留精製する方法、蒸留精製工程中に添加する方法および蒸留精製工程後に添加する方法が挙げられる。式(1)で示されるヒドロキシ化合物としては、例えば、ピロガロール、カテコール、p−tert−ブチルカテコール、ジ−tert−ブチルカテコール、レゾルシノール、4−エトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、メチルヒドロキノン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、フルオログリシン、テトラヒドロキシベンゼン、4−エトキシフェノール等が挙げられ、酸性物質としては、例えば、五酸化リン、リン酸、パラトルエンスルホン酸、SO2等が挙げられ、ホルマリン捕捉剤としては、例えば、ジシアンジアミド、メラミン等のアミノ化合物、尿素、バルビツール酸、セミカルバジッド塩酸塩等のアマイド類、グルタミン酸塩、グリシン、アラニン等のアミノ酸類等の含窒素化合物やリケンレヂン FC−100(三木理研社製))、リケンレヂン FC−12R((三木理研社製))などの有機アミド系樹脂等が挙げられる。これらのうち、得られる2−シアノアクリレートの品質を損なわないものを用いることができ、これらの中でもレゾルシノール、ピロガロール、1,2,4トリヒドロキシベンゼン、有機アミド系複合物が好ましく、有機アミド系複合物がさらに好ましい。 前記の式(1)で示されるヒドロキシ化合物、酸性物質、ホルマリン捕捉剤、BF3錯塩およびHBF4は必要により1種又は2種以上の混合物として用いることができ、用いる量は粗2−シアノアクリレートに対して、通常は0.0001〜1重量%であり、好ましくは、0.001〜0.1重量%である。これらの方法等を用いて得られたもののうち、硬化させた硬化塗膜から放散するホルムアルデヒド分の放散速度が3μg/m2・h以下となるものを選択して使用することができる。これらの2−シアノアクリレートを用いてホルムアルデヒドを実質的に含有もしくは発生しない公知の化合物と配合して得られた組成物についても硬化させた硬化塗膜から放散するホルムアルデヒド分の放散速度が3μg/m2・h以下となる。蒸留精製前もしくは蒸留精製工程後に処理する場合の温度は、通常5℃〜50℃であり、好ましくは、20℃〜40℃である。 処理に要する時間は、添加する化合物の種類や量により変化するが、通常1時間〜300時間であり、好ましくは、5時間〜100時間である。本発明の2−シアノアクリレート系接着剤組成物には、従来、2−シアノアクリレート系接着剤に添加して用いられている増粘剤を目的に応じ、本発明の2−シアノアクリレート系接着剤組成物の特性を阻害しない範囲で適宜、添加配合して使用することができる。増粘剤としては、例えば、ポリメタクリル酸アルキル単独重合体、異種のメタクリル酸エステルの共重合体、メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルの共重合体や、アクリルゴム、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、セルロースエステル、ポリアルキル−α−シアノアクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を併用しても良い。具体的な化合物としては、例えば、ポリメタクリル酸アルキル単独重合体としては、ポリメチルメタクリレート(PMMAと以下略記する。)、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等が挙げられる。異種のメタクリル酸エステルの共重合体、メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルの共重合体の原料として使用される化合物としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−iso−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−iso−ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−iso−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−iso−ブチル等が挙げられる。ポリメタクリル酸アルキル、異種のメタクリル酸エステルの共重合体、メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルの共重合体については、特に限定されないが、通常、重量平均分子量10万〜200万ものが用いられる。また、増粘剤の含有量はα−シアノアクリレ−ト100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部用いられ、好ましくは1〜30重量部用いられる。本発明の2−シアノアクリレート系接着剤組成物には、従来、2−シアノアクリレート系接着剤に添加して用いられている速硬化添加剤を目的に応じ、本発明の2−シアノアクリレート系接着剤組成物の特性を阻害しない範囲で適宜、添加配合して使用することができる。 速硬化添加剤としては、多価アルコール類、ポリアルキレンオキサイド誘導体、カリックスアレン化合物等が挙げられる。速硬化添加剤のうち、多価アルコール類として具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ポリブタジエンジオール、クロルプロピレングリコール、3−メチルペンタンジオール、2,2−ジエチルプロパンジオール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、2,5−ヘキサンジオールなどが挙げられ、これらの誘導体としては、そのアルキル、アルケニル、アリール、及びアラルキルエーテル、又はエステル、具体的には例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、テトラメチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコール酢酸エステル、エチレングリコールモノラウレート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、エチルセロソルブステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、セロソルブアクリレート、セロソルブメタクリレート、セロソルブクロトネートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。速硬化添加剤のうち、ポリアルキレンオキサイド誘導体としては、式(3)(式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換若しくは非置換のアルキル、アルケニル、アリール又はアラルキル基を示す。pは1以上の整数、qは2以上の整数を示し、末端は環形成されていてもよい。)なる繰り返し単位を有する化合物から選ばれた1種以上が挙げられる。ポリアルキレンオキサイド誘導体の具体的な例としては次の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。 トリオキサン重合体、ポリアルキレングリコール(例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(400、1000、etc )、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンオキシド、ポリ3,3−ビス(クロロメチル)ブチレンオキシド、ポリ1,3−ジオキソラン、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックポリマーなど。)、ポリアルキレングリコールモノエーテル(例えば、メチルカルビトール、カルビトール、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールベンジルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ポリエチレングリコールプロピルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールアリルエーテルなど。)、ポリアルキレングリコールジエーテル(例えば、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジステアリルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテルなど。)、ポリアルキレングリコールモノエステル(例えば、ジエチレングリコールモノプロピオネート、テトラエチレングリコールモノアセテート、トリプロピレングリコールモノ−n−ブチレート、ポリエチレングリコールモノアセテート、ポリエチレングリコールモノプロピオネート、ポリエチレングリコールラウレート、ポリエチレングリコールセバケート、ポリエチレングリコールステアレート、ポリエチレングリコールオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ジエチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、ジエチレングリコールクロトネートなど。)、ポリアルキレングリコールジエステル(例えば、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジステアレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジクロトネート、ポリエチレングリコールジアセテート、ポリエチレングリコールジ−n−ブチレート、ポリエチレングリコールジウラレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジクロトネート、ポリエチレングリコールジ−2−シアノアクリレート、ポリエチレングリコールステアリル−メタクリレート、ポリエチレングリコールラウリル−アクリレートなど。)、ポリアルキレングリコールモノエーテルモノエステル(例えば、メチルカルビトール、カルビトール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラオキシエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリオキシエチレングリコールモノラウリルエーテル、ポリオキシエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル等のグリコールモノエーテル化合物のアクリレート、メタクリレート、クロトネート、又は2−シアノアクリレートなど。)、その他ビスフェノールA−ポリアルキレンオキシド付加物、グリセリン−ポリアルキレンオキシド付加物、アジピン酸−ポリアルキレンオキシド付加物、トリメット酸−ポリアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。その他環状化合物としては例えば、18−クラウン−6−エーテル、15−クラウン−5−エーテル、18−クラウン−5−エーテル、ジチオ−15−クラウンエーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6−エーテル、 1.2−ナフト−15−クラウン−5−エーテル、 1.2−メチルベンゾ−18−クラウン−6−エーテルなども使用することができ、これらの添加剤は1種又は2種以上を使用してもよい。カリックスアレン化合物としては、従来公知のカリックスアレン化合物を用いることができ、具体的には式(4)(式中、R4は水素原子、更に置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシル基および置換されていてもよいアルキルオキシカルボニル基であり、R5はH又は置換されていてもよいアルキル基である。また、yは4,6又は8である。)で示されるカリックスアレン化合物があげられる。このようなカリックスアレン化合物としては、具体的には、5,11,17,23,29,35−ヘキサ−tert−ブチル−37,38,39,40,41,42−ヘキサヒドロオキシカリックス〔6〕アレン、37,38,39,40,41,42−ヘキサヒドロオキシカリックス〔6〕アレン、或いは例えば特開昭60−179428号公報に記載されている37,38,39,40,41,42−ヘキサ−(2−エトキシ−2−オキソエトキシ)−カリックス〔6〕アレン、25,26,27,28−テトラ−(2−エトキシ−2−オキソエトキシ)−カリックス〔4〕アレン等が好ましく用いられる。これら速硬化添加剤は本発明の2−シアノアクリレート系接着剤組成物の硬化速度をさらに速めるために添加される。本発明において速硬化添加剤の添加量は通常、2−シアノアクリレート100重量部に対して0.01〜2重量部、好ましくは0.005〜1重量部である。 また、本発明の2−シアノアクリレート系接着剤組成物には、従来、2−シアノアクリレート系接着剤に添加して用いられている安定剤(例えば、二酸化イオウ、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、三弗化ホウ素ジエチルエーテル、HBF4 、トリアルキルボレート等のアニオン重合禁止剤や、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、カテコール、ピロガロール等のラジカル重合禁止剤等)、可塑剤(フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソデシル等)、着色剤、香料、溶剤、強度向上剤、脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸等、目的に応じ、2−シアノアクリレートモノマーの安定性を阻害しない範囲で適宜、添加配合して使用することができる。 以下、実施例により本発明をさらに詳しく述べる。尚、以下の実施例においてシアノアクリレートの純度は下記条件のガスクロマトグラフィー分析により定量した。ガスクロマトグラフィーでの分析条件使用機器 :島津14Aカラム :シリコンXE−60カラム温度:190℃検出器 :FIDキャリヤー:N2(40ml/min)(粗シアノアクリレートの調製) 攪拌機、温度計、水分離器、滴下ロートを備えた三ツ口フラスコにパラホルムアルデヒド180部、トルエン600部、ピペリジン0.6部を仕込み、80〜90℃の温度に保ち、攪拌しながらシアノ酢酸エチルエステル678部を60分かけて滴下した。滴下終了後生成水を共沸分離しながら還流させ、理論量の水が留出するまで約6時間反応させ、ポリマーのトルエン溶液を得た。この溶液を常圧脱溶媒後、五酸化リン10部、ハイドロキノン3部を加えて、充分混合した。減圧脱溶媒した後、続いて1〜3mmHgの減圧下で150〜200℃に加熱して解重合を行い、粗エチル−2−シアノアクリレート636部を得た。(高純度シアノアクリレートの調製)前記の合成法によって得られた粗エチル−2−シアノアクリレート100gに対して重合禁止剤として、ハイドロキノン0.5g及び五酸化リン0.1g、BF3錯体0.1gをそれぞれ添加し、1〜3mmHgの減圧下、初留分を9g留去させた後、主留分として75gの精製エチル−2−シアノアクリレート(純度99.99%)を得た。この精製エチル−2−シアノアクリレート100重量部に対し、0.001重量部のホウフッ化水素酸と0.1重量部のハイドロキノンを添加した接着剤組成物を調製した。この接着剤組成物についてホルムアルデヒド分の放散速度をJIS A1901(2003)「小形チャンバー法」に準拠した方法で測定した結果を表1に示す。(ホルムアルデヒド分の放散速度の測定および算出)ホルムアルデヒド分の放散速度の測定はJIS A1901(2003)「小形チャンバー法」に準拠して、大きさ150mmX150mmのステンレススチール板に接着剤組成物0.24gを80cm2の広さに均一に塗布し、塗布後60分間アルミ箔/PE製包装材で密封保管したものについて小型チャンバー(カネカテクノリサーチ社製 ADPAC SYSTEM 20L)において28℃で1日保管後、0.167ml/minの速度で60分間チャンバー内のガスを採取(総容積10L)した。アセトニトリル5mlを抽出溶媒として、採取したガスからホルムアルデヒドを抽出し、HPLC(WATERS社製Alliance(2695型セパレーションモジュール)、検出器:2487型UV検出器、検出波長:360nm カラム:島津社製 LUNA C18(150mmX4.6mm)による測定結果からホルムアルデヒドの放散速度を算出した。実施例1の合成法によって得られた粗エチル−2−シアノアクリレート100gに対して重合禁止剤として、ハイドロキノン0.5g及び五酸化リン0.1g、BF3錯体0.1gをそれぞれ添加し、1〜3mmHgの減圧下、初留分を6g留去させた後、主留分として86gの精製エチル−2−シアノアクリレート(純度99.95%)を得た。この精製エチル−2−シアノアクリレートについて実施例1と同様に接着剤組成物を調製し、ホルムアルデヒド分の放散速度を測定した結果を表1に示す。実施例1の合成法によって得られた粗エチル−2−シアノアクリレート100gに対して重合禁止剤として、ハイドロキノン0.5g及び五酸化リン0.1g、BF3錯体0.1gをそれぞれ添加し、1〜3mmHgの減圧下、初留分を6g留去させた後、主留分として78gの精製エチル−2−シアノアクリレート(純度99.98%)を得た。この精製エチル−2−シアノアクリレートについて実施例1と同様に接着剤組成物を調製し、ホルムアルデヒド分の放散速度を測定した結果を表1に示す。実施例1の合成法によって得られた粗エチル−2−シアノアクリレート100gに対してレゾルシノール0.1gを添加し、40℃雰囲気下で2日保管した後、重合禁止剤として、ハイドロキノン0.5g及び五酸化リン0.1g、BF3錯体0.1gをそれぞれ添加し、1〜3mmHgの減圧下、初留分を3.0g留去させた後、主留分として81.0gの精製エチル−2−シアノアクリレート(純度99.98%)を得た。この精製エチル−2−シアノアクリレートについて実施例1と同様に接着剤組成物を調製し、ホルムアルデヒド分の放散速度を測定した結果を表1に示す。実施例1の合成法によって得られた粗エチル−2−シアノアクリレート100gに対して重合禁止剤として、ハイドロキノン0.5g及び五酸化リン0.1g、BF3錯体0.1gをそれぞれ添加し、1〜3mmHgの減圧下、初留分を3.0g留去させた後、主留分として81.0gの精製エチル−2−シアノアクリレート(純度99.98%)を得た。この精製エチル−2−シアノアクリレートについて、レゾルシノール0.1gを添加し、40℃雰囲気下で2日保管した後、実施例1と同様に接着剤組成物を調製し、ホルムアルデヒド分の放散速度を測定した結果を表1に示す。実施例1の合成法によって得られた粗エチル−2−シアノアクリレート100gに対してレゾルシノール0.1gを添加し、40℃雰囲気下で2日保管した後、重合禁止剤として、ハイドロキノン0.5g及び五酸化リン0.1g、BF3錯体0.1gをそれぞれ添加し、1〜3mmHgの減圧下、初留分を3.0g留去させた後、主留分として81.0gの精製エチル−2−シアノアクリレート(純度99.98%)を得た。この精製エチル−2−シアノアクリレートについて、レゾルシノール0.1gを添加し、40℃雰囲気下で2日保管した後、実施例1と同様に接着剤組成物を調製し、ホルムアルデヒド分の放散速度を測定した結果を表1に示す。実施例1の合成法によって得られた粗エチル−2−シアノアクリレート100gに対してピロガロール0.1gを添加し、40℃雰囲気下で2日保管した後、重合禁止剤として、ハイドロキノン0.5g及び五酸化リン0.1g、BF3錯体0.1gをそれぞれ添加し、1〜3mmHgの減圧下、初留分を2.0g留去させた後、主留分として82.0gの精製エチル−2−シアノアクリレート(純度99.98%)を得た。この精製エチル−2−シアノアクリレートについて実施例1と同様に接着剤組成物を調製し、ホルムアルデヒド分の放散速度を測定した結果を表1に示す。実施例1の合成法によって得られた粗エチル−2−シアノアクリレート100gに対してリケンレヂンFC−100(有機アミド系樹脂の10%水溶液) 0.1gを添加し、重合禁止剤として、ハイドロキノン0.5g及び五酸化リン0.1g、BF3錯体0.1gをそれぞれ添加し、1〜3mmHgの減圧下、初留分を2.0g留去させた後、主留分として82.0gの精製エチル−2−シアノアクリレート(純度99.98%)を得た。この精製エチル−2−シアノアクリレートについて実施例1と同様に接着剤組成物を調製し、ホルムアルデヒド分の放散速度を測定した結果を表1に示す。実施例1の合成法によって得られた粗エチル−2−シアノアクリレート100gに対してリケンレヂンFC−12R(有機アミド系樹脂15%水溶液) 0.1gを添加し、重合禁止剤として、ハイドロキノン0.5g及び五酸化リン0.1g、BF3錯体0.1gをそれぞれ添加し、1〜3mmHgの減圧下、初留分を1.0g留去させた後、主留分として83.0gの精製エチル−2−シアノアクリレート(純度99.98%)を得た。この精製エチル−2−シアノアクリレートについて実施例1と同様に接着剤組成物を調製し、ホルムアルデヒド分の放散速度を測定した結果を表1に示す。実施例1の合成法によって得られた粗エチル−2−シアノアクリレート100gに対して重合禁止剤として、ハイドロキノン0.5g及び五酸化リン0.1g、BF3錯体0.1gをそれぞれ添加し、1〜3mmHgの減圧下、初留分を1.0g留去させた後、主留分として83.0gの精製エチル−2−シアノアクリレート(純度99.98%)を得た。この精製エチル−2−シアノアクリレートについてリケンレヂンFC−12R(有機アミド系樹脂15%水溶液) 0.1gを添加して、実施例1と同様に接着剤組成物を調製し、ホルムアルデヒド分の放散速度を測定した結果を表1に示す。(比較例1)実施例1の合成法によって得られた粗エチル−2−シアノアクリレート100gに対して重合禁止剤として、ハイドロキノン0.5g及び五酸化リン0.1g、BF3錯体0.1gをそれぞれ添加し、1〜3mmHgの減圧下、初留分を2.0g留去させた後、主留分として82.0gの精製エチル−2−シアノアクリレート(純度99.98%)を得た。この精製エチル−2−シアノアクリレートについて実施例1と同様に接着剤組成物を調製し、ホルムアルデヒド分の放散速度を測定した結果を表1に示す。2−シアノアクリレートを主成分とした接着剤組成物であって、該接着剤組成物を硬化させた硬化塗膜から放散するホルムアルデヒド分の放散速度が3μg/m2・h以下であることを特徴とする2−シアノアクリレート系接着剤組成物。ホルムアルデヒド分の放散速度がJIS A1901(2003)「小形チャンバー法」に準拠した方法で測定した値であることを特徴とする請求項1記載の2−シアノアクリレート系接着剤組成物。少なくともホルムアルデヒドを原料として用いて2−シアノアクリレートを製造する方法において、式(1)で示されるヒドロキシ化合物、酸性物質、ホルマリン捕捉剤、BF3錯塩またはHBF4からなる群から選ばれる少なくとも1種で、処理する工程を含む2−シアノアクリレートの製造方法。(式中、mは1から5の整数を表し、R2は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、アルコキシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表し、nは1〜5の整数を表す。)請求項3記載の製造方法により得られた2−シアノアクリレートを用いることを特徴とする請求項1または2記載の2−シアノアクリレート系接着剤組成物。 【課題】本発明の目的は、2−シアノアクリレート系接着剤を硬化させた硬化物から空間内に放散される気体ホルムアルデヒドが実質的に皆無となる2−シアノアクリレート系接着剤組成物を提供することにある。【解決手段】2−シアノアクリレートを主成分とした接着剤組成物であって、該接着剤組成物を硬化させた硬化塗膜から放散するホルムアルデヒド分の放散速度を3μg/m2・h以下とすることにより、2−シアノアクリレート系接着剤を硬化させた硬化物から空間内に放散される気体ホルムアルデヒドが実質的に皆無となる2−シアノアクリレート系接着剤組成物が得られる。【選択図】なし