生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_加速度計を用いた小型FWDの計測精度向上方法
出願番号:2006216222
年次:2008
IPC分類:G01N 3/00,G01N 3/303,E02D 1/00


特許情報キャッシュ

呉 佳曄 海野 忠行 JP 2008020424 公開特許公報(A) 20080131 2006216222 20060712 加速度計を用いた小型FWDの計測精度向上方法 株式会社セントラル技研 594051655 呉 佳曄 海野 忠行 G01N 3/00 20060101AFI20080104BHJP G01N 3/303 20060101ALI20080104BHJP E02D 1/00 20060101ALI20080104BHJP JPG01N3/00 DG01N3/303 ZE02D1/00 1 1 書面 9 2D043 2G061 2D043AA03 2D043AB02 2D043BA10 2G061AA13 2G061AB04 2G061CA06 2G061CB20 2G061DA12 2G061EA09 2G061EC02 2G061EC06 発明の詳細な説明 本発明は,地盤や舗装の品質や剛性の計測に関するものである。さらに詳しくは,その剛性に対して、簡易な測定又は推測方法に関するものである。 盛土の施工や道路の舗装などにおいては、その剛性を正確的に、かつ効率よく測ることが要求されている。従来の手法としては、平板載荷試験やCBR試験があるが、作業時間がかかることや反力設備が別途必要となる不便さがある。 近年来、小型FWDを代表とする動的載荷方法に注目が集まっている(図2は、その概念を示す)。小型FWDは、人力またはキャリアで持ち運びができる程度の大きさで、重錘を人力または簡易な装置で持ち上げ、落下により衝撃荷重を発生させ、この時に発生する衝撃荷重と載荷点直下のたわみ量(沈下量)とを測定し、その衝撃荷重とたわみ量を用いて、地盤や舗装の剛性を推定する手法である。 現在、小型FWDの試験手順は、次のとおりである。 (イ) 地盤面は、表面のルーズな材料を取り除き、できるだけ平滑にする。 (ロ) 測定位置の地盤上に小型FWDを設置する。 (ハ) 重錘を所定の高さから自由落下させ、この時生じる最大荷重Piと荷重中心の最大沈下量δiを記録する。 (ニ) 1測点での重錘落下高さは、3段階以上に設定する。 (ホ) 落下高さの低い順に試験を行う。 (ヘ) 同じ落下高さから5回以上重錘を落下させる。 上述した手順で得られた荷重と沈下量を、落下高さごとに平均し、荷重P、載荷板面積Aと沈下量δから、地盤係数KFWDを求める。 実際の計算においては、各落下高での計測値(最大荷重及び最大沈下)を用い、回帰することで地盤係数を求めるのがほとんどである。 発明が解決しようとする課題 但し,上記した小型FWDの計測においては、大きな問題点が潜んでいる。すなわち、ロードセルで測った衝撃力Pと、実際の地盤に対する衝撃力PSとの間においては、ずれが生じていることである。そのために、計測精度に悪影響を与えていると考えている。 重錘、載荷板及び地盤との間の力の関係は、図3のようになる(衝撃力に比べ、自重が無視できる)。載荷板による地盤に対する衝撃力FPSは、で得られる。ただし、:重錘と載荷板の間の衝撃力である。:載荷板の慣性力である。M2とa2(t)は、それぞれ載荷板の質量と加速度である。 静的載荷試験の場合には、載荷板の加速度a2(t)はゼロに限りなく近い、従って、:すなわちロードセルで計測した力は、地盤に対する圧縮力と等しい。 ただし、動的載荷の場合は、載荷板の加速度a2(t)がかなり高い値となるために、M2a2(t)すなわち載荷板の慣性力が無視できなくなっている。この場合に、:いわば、ロードセルで計測した衝撃力と、実際の地盤に伝わった衝撃力との間には、大きなズレが生じかねない。 したがって、より正確的に地盤の剛性を測るためには、載荷板の慣性力を修正しなければならない。 課題を解決するための手段 数6に示したように、載荷板と重錘との衝撃力FHP(t)と、載荷板の慣性力M2a2(t)を精度よく計測することができれば、地盤に対する衝撃力FPSを測ることができる。本発明は、其の二つの力を測定する手法である。 その加速度a2(t)を測定するために、たわみセンサーのかわりに、加速度センサーを用いることにする(図1)。 この時、時刻t+Δtにおける載荷板の沈下量δP,t+Δtは、本時刻の加速度a2(t+Δt)および前時刻tにおける加速度とa2(t)で求められる。 ただし、νtは時刻tにおける載荷板の速度であり、で得られる。 初期時刻(t=0)では、載荷板の沈下や速度がゼロであることから、数6と数7によって、各時刻の載荷板の沈下量を測ることができる。なお、載荷板の剛性が、地盤の剛性よりはるかに大きい場合には、載荷板の沈下量δPと地盤の沈下量δはほぼ同じである。なお、実際の積分処理においては、センサーやチャージアンプの不安定性(特に圧縮と引張り特性に差がある)などのために、僅かながら揺らいだり、ずれたりする。したがって,計測した加速度信号を積分して,速度信号に転換する際には,その基線は時間と共にずれていく現象が起こる。すなわち,実際の振動が終わっても,計算した速度は未だ残ってしまう。ゆえに,これを補正しなければならない。 この問題を解決するには、計測した加速度に修正を加えることが必要となってで表されると仮定する。そこに、次の二つ条件を導入する。 (イ)修正した加速度で積分した速度の終了値は、ゼロとなる。 (ロ)修正した加速度で積分した沈下過程は、修正前の沈下過程に最もよく似ている(最小二乗和が最小となる)。 これによれば、上記数9〜数10の修正係数β1とβ0は、つぎのようになる。が得られる。 その修正係数β1とβ0を用いて、計測した加速度及び積分した沈下量などを修正することができる。 一方、慣性力M2a2(t)を求める際には、従来の仕様によれば、ロードセルや周辺の枠等の質量を考慮しなければならない。しかし、これらの加速度過程は、必ずしも載荷板の加速度過程とは一致していない。したがって、これらを修正して精度良くM2を確定することは、容易なことではない。 本発明は,ロードセルのかわりに、重錘にもう一つの加速度センサーをつけることで(図1の)、その問題の解決を図ることに特徴を持つ。 ロードセルをなくすことにより、載荷板の構造がかなり簡素化になった。この場合、慣性力の質量M2は、載荷板の質量と加速度センサーの質量のみとなる。なお、加速度センサーの質量は、載荷板よりはるかに小さいために、無視しても差し支えない。 一方、FHP(t)(重錘と載荷板の間の衝撃力)については、ニュートンの第3法則により、重錘が受ける衝撃力とは値的に等しいが、符号が逆である。すなわち、ただし、M1、a1(t)は、重錘(プラス内蔵加速度センサー)の質量と得られた加速度である。 ここで、地盤係数を求めるために必要となる各ファクタが揃ったことになる。本発明は、従来の方法に比べ、次のような特徴を持っている。 (イ)載荷板の慣性力を補正できる:本発明は,載荷板が衝撃を受ける際に発生した慣性力を補正することで、小型FWDの測定精度の向上に大いに寄与できる。 (ロ)構造が簡素化できる:本発明は、重錘と載荷板にそれぞれ一つずつの加速度センサーを設けることで、大規模なロードセルを省くことが出来る。 本発明の方法を用いて地盤や舗装の剛性を測定する場合には,次の順序で行う。 (イ)地盤面は、表面のルーズな材料を取り除き、できるだけ平滑にする。 (ロ)測定位置の地盤上に本設備(EH−FWD)を設置する。 (ハ)重錘を所定の高さから自由落下させ、この時生じる各時刻での加速度(重錘及び載荷板)を計測する。 (ニ)計測した加速度に対しては、数9〜13で補正する。 (ホ)補正した加速度を用い、数7〜9で各時刻の荷重P(t)と沈下量P(t)を計算する。 (ヘ)重錘の落下高(3段階以上に設定する)を変えて、各落下高さから5回以上重錘を落下させる。 各測定回の荷重P(t)と沈下量P(t)で直接的に地盤係数KFWDを計算することができるが、計測の固有誤差を低減するためには、各測定回の最大荷重と最大沈下量を用い、回帰して地盤係数を求めた方が良い(図4参照)。 この打撃過程の各情報を採取するために,信号採取・処理システムを開発した。システムには,ノイズを低減させる処理機能が備わっている。その探査及び解析の流れは,図6のようになる。 発明した本システムを検証するために,現地試験を行った。落下高を調整して、衝撃過程を記録した。図5は、その計測した波形の一例を示した。図中のCh0は、落下球体に埋めたセンサーで計測した加速度信号であり、Ch1は、載荷板に固定されたセンサーでの計測信号である。 各探査回での最大沈下量と最大衝撃力を、まとめて回帰することで地盤係数を求める。その結果は図4に示すようになった。 これらの検証試験の結果によれば,次のようなことが分かってきた。 (イ) 開発した測定設備は、順調に作動している。 (ロ) 計測した地盤係数も合理的である。 発明の効果 以上,詳しく説明した通り,本発明を用いて地盤材料や舗装の変形特性(剛性)を調査する場合には,効率的に精度よく測定することが可能であることが分った。従来の動的載荷設備にある問題点、すなわち載荷板の慣性力については、上述した修正を行うことで、測定精度の向上が図られた。 本発明による地盤材料剛性迅速測定の小型FWDの構造概要 従来の小型FWDの構造概要 載荷板の力状況 解析出力図形例 計測した加速度信号例 計測・処理の流れ 小型FWDの載荷板の上で、従来のたわみセンサーとロードセルの代わりに、加速度計を設置する。衝撃力と載荷板の沈下量を数値解析で求めるとともに、従来手法で問題となっている載荷板の慣性力を修正する。これにより、小型FWDの計測精度を向上することが期待できる。 【課題】従来の小型FWDでは、構造的な問題で、計測した結果にプレート等の慣性力の影響があるため、計測精度の低下を招いてしまう。【解決手段】 従来のたわみ計やロードセルの代わりに、加速度計を設置する。計測した加速度によって、衝撃力と沈下が求められ、プレートの慣性力が補正できる。これにより、計測の精度向上が期待できる。【選択図】図1


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