生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_Meiothermus属菌によるケラチン及び羽毛の分解処理
出願番号:2006204154
年次:2008
IPC分類:C12N 1/20,B09B 3/00


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茂里 康 渡部 邦彦 JP 2008029225 公開特許公報(A) 20080214 2006204154 20060727 Meiothermus属菌によるケラチン及び羽毛の分解処理 独立行政法人産業技術総合研究所 301021533 茂里 康 渡部 邦彦 C12N 1/20 20060101AFI20080118BHJP B09B 3/00 20060101ALI20080118BHJP JPC12N1/20 FB09B3/00 A 9 OL 11 4B065 4D004 4B065AA01X 4B065AC02 4B065AC20 4B065BA22 4B065BB02 4B065BB19 4B065BB23 4B065BC12 4B065CA55 4D004AA50 4D004AB10 4D004CA18 4D004CC07 4D004CC11 4D004DA03 4D004DA10 本発明は、ケラチン、羽毛、獣毛等の分解処理技術に関する。 国内の養鶏業、食肉加工業、皮革産業等において発生する羽毛及び獣毛は年間約9万トン以上にもなり、その一部については飼料等への再利用が試みられているが、その多くが焼却処理されている。しかし、焼却処理はCO2排出量などの面で環境に負荷をかけるため、環境負荷の少ない処理法への移行が望まれている。ところが、羽毛、獣毛はケラチンを多く含む。ケラチンは、生物体の毛、羽、爪、角などの主成分であり、物理的に安定な不溶性の難分解性タンパク質である。このため、羽毛、獣毛の処理においてはケラチンを分解することが重要である。ケラチンの機能的安定性と生化学的分解への抵抗性は、α−へリックスやβ−シート構造といったタンパク質鎖の緻密な折りたたみ構造とこれらの構造のジスルフィド結合によるにものであると考えられている。このような難分解性のケラチン、ケラチンを含有する羽毛、獣毛の分解に微生物を利用する方法、例えばChrysosporium keratinophilum(例えば、特許文献1参照)、Bacillus licheniformis(例えば、非特許文献1参照)、Streptomyces sp.(例えば、非特許文献2参照)、Lysobacter sp.(例えば、非特許文献3参照)、Aspergillus fumigatus(例えば、非特許文献4参照)の利用に関する技術が報告されている。特開2001−000956号公報Ramnani, P., Singh, R., and Gupta, R. (2005) Keratinolytic potential of Bacillus licheniformis RG1: structural and biochemical mechanism of feather degradation. Can. J. Microbiol. 51, 191-196Letourneau, F., Soussotte, V., Bressollier, P., Branland, P., and Verneuil, B. (1998) Keratinolytic activity of Streptomyces sp. S.K1-02: a new isolated strain. Lett. Appl. Microbiol. 26, 77-80Allpress JD, Mountain G, Gowland PC. (2002) Production, purification and characterization of an extracellular keratinase from Lysobacter NCIMB 9497. Lett. Appl. Microbiol. 34, 337-342Santos, RMDB., Firmino, AA., de Sa, CM., and Felix, CR.(1996) Keratinolytic activity of Aspergillus fumigatus fresenius. Curr. Microbiol. 33, 364-370 しかしながら、微生物を利用する場合、微生物の成育あるいは微生物によるケラチン分解性物質の分泌に適した温度に制御する、すなわち微生物醗酵に伴う熱を冷却する必要がある。このため、冷却に要するエネルギーを低減することが求められていた。 本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、好熱性細菌として知られていたMeiothermus sp. H328株がCa塩存在下において、ケラチン、羽毛、獣毛等の分解に利用できることを見出し、本発明を完成させた。 すなわち、本発明は、下記の方法及び分解処理剤を提供するものである。項1.Meiothermus属に属する微生物をCa塩及び分解処理対象物を含有する培養液中で培養することによってケラチン又はケラチン含有物質を分解する方法。項2.微生物がMeiothermus sp. H328株である項1に記載の方法。項3.培養液中のCa塩濃度が0.05〜10重量%である項1又は2に記載の方法。項4.ケラチン含有物質が羽毛である項1〜3のいずれかに記載の方法。項5.培養液中の処理対象物の含有量が1〜20重量%である項1〜4のいずれかに記載の方法項6.処理対象物が羽毛であって、羽毛が培養液の2〜6重量%である項5に記載の方法。項7.処理対象物がケラチンであって、ケラチンが培養液の4〜15重量%である項5に記載の方法。項8.Meiothermus属に属する微生物をCa塩を含有する培養液中で培養して得られる培養物を有効成分として含有するケラチン又はケラチン含有物質の分解処理剤。項9.前記培養液中のCa塩濃度が0.1〜2重量%である項8に記載の分解処理剤。 本発明は、Meiothermus属に属する微生物をケラチン、又は羽毛、獣毛等のケラチンを比較的多量に含有する物質の分解に利用するものである。 本発明のケラチン又はケラチン含有物質を分解する方法は、Meiothermus属に属する微生物をCa塩及び分解処理対象物を含有する培養液中で培養するものである。また、本発明の分解処理剤Meiothermus属に属する微生物をCa塩を含有する培養液中で培養して得られる培養物を有効成分として含有するものである。 Meiothermus sp. H328株は兵庫県の有馬温泉の土壌から単離された好熱性細菌であり、(独)産業技術総合研究所特許生物寄託センター(IPOD)に寄託されている(受領番号FERM AP-20950)。H328株は50℃程度でも生育可能であり、その菌体内物質及び培養物はケラチン、又は羽毛、獣毛等のケラチンを比較的多量に含有するタンパク質性物質を分解する活性を有する。本発明においては、H328株のみならずMeiothermus属に属する微生物が利用できる。 本発明においてMeiothermus属に属する微生物を培養する培養液は従来プロテアーゼ生産能を有する細菌の液体培養法において用いられる液体培地であればよい。例えば、培養液中の炭素源としてはグルコース、可溶性澱粉、スクロース、デキストリン、セルロース、グリセリン等、窒素源としては酵母エキス、脱脂大豆、大豆粉、ペプトン、肉エキス、ヌカ、カゼイン、ポリペプトン、グルテン等、無機塩としては、各種リン酸塩、硫酸塩、塩酸塩等が挙げられ、必要によりビタミン類、核酸等を適宜加えることもできる。本発明においては培養液中にカルシウム塩を含有することが好ましい。カルシウム塩としては塩化カルシウム、炭酸カルシウムが挙げられる。培養液における好ましいカルシウム塩の含有量は0.05〜10重量%、より好ましくは0.05〜8重量%であり、より一層好ましくは0.1〜2重量%である。また、培養液中に分解処理対象物を存在させる場合、培養液中のカルシウム塩の量は、分解処理対象物100gあたり、1〜40gが好ましく、5〜25gがより好ましく、10〜20gがより一層好ましい。なお、ここで、培養液とは、微生物及び培地成分(カルシウム塩を含む)を包含するが、分解処理対象物を包含しない。 本発明において培養に適した培養液は、酵母エキス0.5重量%及びスクロース0.5重量%を含有する液体培地(pH8)である。 本発明において微生物の培養はMeiothermus属に属する微生物を培養液に接種することにより行われる。また、必要に応じて、本培養に先立ち、予め前培養することが好ましい。培養条件は分解活性が得られる限りにおいて制限されないが、培養温度は50〜70℃が好ましく、55〜65℃がより好ましい。培養液のpHは6.8〜9.5が好ましく、7.2〜8.5がより好ましい。培養液中に分解処理対象物(ケラチン、又は羽毛、獣毛等のケラチンを含有する物質)の存在する条件で培養すると時間の経過に伴ってpHが上昇するため、必要に応じて微生物の生育に適したpHを維持するようpH調整を行うと良い。培養雰囲気は好気条件が好ましい。培養期間は1日〜10日が好ましく、2日〜6日がより好ましい。微生物培養時に培養液中に分解処理対象物を存在させる場合、分解処理対象物の量は、培養液全体量に対して1〜20重量%が好ましく、1〜15重量%がより好ましい。なお、分解処理対象物が羽毛の場合、分解処理対象物の量は、培養液全体量に対して1〜6重量%が好ましく、分解処理対象物がケラチンである場合は1〜15重量%が好ましい。なお、前述のように、培養液とは、微生物及び培地成分(カルシウム塩を含む)を包含するが、分解処理対象物を包含しない。 このようにして得られた培養物は、微生物菌体を含んだまま又は微生物菌体が除去されて、ケラチン、又は羽毛、獣毛等のケラチンを比較的多量に含有する物質の分解処理剤として供することができるが、分解効率を考慮すると微生物菌体を含んでいることが好ましい。培養物は必要に応じて希釈又は濃縮しても良いし、本発明の効果を奏する範囲において他の成分を添加しても良い。 本発明によれば、ケラチン、又は羽毛、獣毛等のケラチンを比較的多量に含有するタンパク質性物質を微生物により分解する技術において培養温度を従来方法より高い温度に設定可能である。このため、培養により生ずる熱を冷却するためのエネルギーを低減することが可能である。 以下、本発明を実施例等により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。 下記の試験条件で試験を行った。なお、特に明記しない限り、「%」は「重量%」を表す。試験条件(1)試薬 特記しない限り、試薬はナカライテスク社から購入して使用した。フェザーミール(以下、FMと称することがある)は、主として家畜の飼料や堆肥として利用されている鶏羽毛の加工製品であり、徳島化製協業組合より提供された。羽毛廃棄物(以下、NFと称することがある)は、かしわの川中(滋賀県大津市)より提供された。アゾケラチンはSigma Aldrich社製を使用した。(2)培地組成 スラント、プレートは液体培地に3.0%(w/v)の棒寒天を加えて調製した。pH調製は原則としてNaOH溶液で行った。培地は、特に明記しない限り液体培地である。(3)H328株の培養 前培養はYS培地5mlに、菌株を保存しているスラントから1白金耳分を植菌し、55℃で24h、振盪培養により行った。本培養は、培地体積の1%を前培養液から植菌し、0〜6日間、55℃、振盪培養で培養した。(4)培地の検討1 5 mlのFM、FM+Tris、FM+ホウ酸、FM+CaCO3(FM1)培地を調製し、前培養液を50μl植菌し本培養を行った。6日間培養し、菌の生育が見られ、かつFMが分解される培地を本培養に最適な培地条件として固定化した。なお、H328株は体内に赤い色素を有しているため培地の色の変化で生育状態を把握できることから、生育は目視により確認した。また、FMは黒っぽい粒状であるが分解されるとこの粒が小さくなって黒く見えなくなることから、FMの分解も目視により確認した。結果を表2に示す。 FM培地ではH328株は生育できなかった。そこで、培養6日後のFM培地のpHを測定したところ、培養前のそれよりもpHが下がる傾向にあり、H328株の至適生育pHであるpH6.8〜8.6を下回った。そこで、培地pHを至適生育pHの範囲内に保つために、緩衝能を持つ培地3種、FM1、FM+Tris、FM+ホウ酸培地を調製し培養を行った。その結果、培養6日後の培地pHは8.6を上回ったがFM1培地で菌の生育とFMの分解が観察された(表2)。一方、FM+Tris培地及びFM+ホウ酸培地は、FM+Tris、FM+ホウ酸培地共に、培地のpHは至適生育pHを保っていたにもかかわらず、菌の生育及びFMの分解が見られなかった。(5)羽毛存在下での培養の様子 H328株の前培養液をNF3培地に添加して6日間静置培養し、培養直前、2日後、4日後、6日後の羽毛の様子を観察した(植菌サンプル)。また、これとは別にNF3培地のみを6日間静置し同様に羽毛の様子を観察した(ブランク)。結果を図1に示す。次に、同様にして培養直前、2日後、4日後、6日後に培養液を吸引濾過し、濾紙に残った羽毛(不溶性残渣)の様子を観察した。結果を図2に示す。(6)アゾケラチン存在下での培養 50 ml AZ培地を調製し、前培養液を50μl植菌し本培養を行った。6日間培養し、培養後のアゾケラチンを光学顕微鏡で観察した。そして、培養前のアゾケラチン(図3上段)、及び同じ条件で植菌せずに培養したアゾケラチンとの比較を行った。植菌せずに55℃で6日間振盪を行っても、アゾケラチンに変化はなかった(図3中段)。しかし、植菌した培地中のアゾケラチンではその構造に変化が見られ、分解が生じていることが判明した(図3下段)。(7)培地の検討2 次に、培養に用いる培地を構成する成分をYS培地、FM及びCaCO3に固定し、FM濃度を様々に変化させた培地におけるFMの分解を評価した。また、FMをNFに代えて同様にしてNFの分解を評価した。なお、FMの分解量は、2, 4, 6日目のブランクの不溶性残渣重量(図4中の○)から2, 4, 6日目の植菌したサンプルの不溶性残渣重量(図4中の■)を差し引いたものとした。また、不溶性残渣重量の測定は次のようにして行った。あらかじめ使用する濾紙の100枚あたりの平均重量を求めた。培養物を吸引濾過し、濾紙上の不溶性残渣を乾燥させ、濾紙込みの重量を測定した。その値から平均濾紙重量を差し引いて不溶性残渣重量とした。結果を表3と図4に示す。(8)培養上清のアミノ酸分析 培養上清における遊離アミノ酸および培養上清の加水分解を行った後のアミノ酸量を、17種類のアミノ酸について分析した。FM3培地で培養し、培養0, 2, 4, 6日目の培養液を0.45 μmフィルターろ過したものを培養上清とし、アミノ酸分析に供した。結果を図5、図6及び表4に示す。図5は遊離のアミノ酸量を示し、図6は加水分解後のアミノ酸量を示す。時間の経過に伴って、遊離したアミノ酸および加水分解により生じたアミノ酸量は増加した。また遊離アミノ酸量より、加水分解後のアミノ酸量が多いため、培養上清には可溶性オリゴペプチドペプチドが多く含まれていることを示唆した。表4は、遊離アミノ酸および加水分解後アミノ酸のモル比を示す。また、分析結果とあわせて、文献(Nam, G.W., Lee, D.W., Lee, H.S., Lee, N.J., Kim, B.C., Choe, E.A., Hwang, J.K., Suhartono, M.T., and Pyun, Y.R. : Native-feather degradation by Fervidobacterium islandicum AW-1, a newly isolated keratinase-producing thermophilic anaerobe. Arch. Microbiol., 178, 538-547 (2002).)により報告されている羽毛のアミノ酸組成も示す。6日培養後のアミノ酸組成は、いずれも羽毛の文献データと近似していることから、遊離アミノ酸および加水分解後アミノ酸は、羽毛の分解産物であると判断された。 なお、アミノ酸分析の詳細は次のとおりである。(8-1) 遊離アミノ酸の分析(8-1-1) シスチン、メチオニン及びトリプトファンを除くアミノ酸の分析培養上清にスルホサリチル酸を10 w/v%で混合し、定容し、アミノ酸自動分析に供した(ニンヒドリン発色法:日立L-8800型アミノ酸分析計、カラム:イオン交換樹脂)。(8-1-2) トリプトファンの分析培養上清にスルホサリチル酸を10w/v%で混合し、定容し、3 mol/l 水酸化ナトリウム溶液を加え(微アルカリ性)、水で定容し、高速液体クロマトグラフ分析に供した(蛍光分析光度計、カラム:ODS−2)。(8-1-3) シスチン及びメチオニンの分析培養上清を過ギ酸化処理し、減圧濃縮乾固し、20%塩酸を加えて加水分解し、水で定容し、濃縮し、アミノ酸自動分析に供した(ニンヒドリン発色法、カラム:LCR−6)。(8-2)加水分解後のアミノ酸の分析(8-2-1) シスチン、メチオニン及びトリプトファンを除くアミノ酸の分析培養上清に20%塩酸を加えて脱気及び封入して加水分解し、水で定容し、濃縮し、(8-1-1)と同じアミノ酸自動分析に供した。(8-2-2) トリプトファンの分析培養上清に20%塩酸を加えて脱気及び封入して加水分解し、水で定容し、(8-1-2)と同じ高速液体クロマトグラフ分析に供した。(8-2-3) シスチン及びメチオニンの分析培養上清に20%塩酸を加えて脱気及び封入して加水分解し、水で定容し、濃縮し、(8-1-3)と同じアミノ酸自動分析に供した。 本発明はケラチン、羽毛、獣毛等の分解処理に関する分野に有用である。羽毛及びH328株を含むNF3培地(植菌サンプル)と羽毛を含みH328株を含まないNF3培地(ブランク)における羽毛の状態の写真である。羽毛及びH328株を含むNF3培地(植菌サンプル)と羽毛を含みH328株を含まないNF3培地(ブランク)における培養において、吸引濾過により得られた不溶性残渣の写真である。アゾケラチン存在下での培養前後のアゾケラチンの様子を示す光学顕微鏡写真である。上段は培養前のアゾケラチンを示し、中段は植菌せずに6日間振盪した後のアゾケラチンを示し、下段は植菌し6日間振盪培養した後のアゾケラチンを示す。不溶性残渣の重量と培養日数との関係を表すグラフである。縦軸は不溶性残渣重量(g)、横軸は培養時間(日)を示す。○はブランクの不溶性残渣重量、■は植菌したサンプルの不溶性残渣重量を示す。遊離しているアミノ酸分析結果を表すグラフである。縦軸はアミノ酸量(mmol/100mL-culture)を示す。加水分解後のアミノ酸分析結果を表すグラフである。縦軸はアミノ酸量(mmol/100mL-culture)を示す。Meiothermus属に属する微生物をCa塩及び分解処理対象物を含有する培養液中で培養することによってケラチン又はケラチン含有物質を分解する方法。微生物がMeiothermus sp. H328株である請求項1に記載の方法。培養液中のCa塩濃度が0.05〜10重量%である請求項1又は2に記載の方法。ケラチン含有物質が羽毛である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。培養液中の処理対象物の含有量が1〜20重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の方法処理対象物が羽毛であって、羽毛が培養液の2〜6重量%である請求項5に記載の方法。処理対象物がケラチンであって、ケラチンが培養液の4〜15重量%である請求項5に記載の方法。Meiothermus属に属する微生物をCa塩を含有する培養液中で培養して得られる培養物を有効成分として含有するケラチン又はケラチン含有物質の分解処理剤。前記培養液中のCa塩濃度が0.1〜2重量%である請求項8に記載の分解処理剤。 【課題】ケラチン、羽毛等の分解において微生物を利用する際に発生する醗酵熱の冷却を抑制した、ケラチン、羽毛等を分解する技術の提供。【解決手段】Meiothermus属に属する微生物(好適には、Meiothermus sp. H328株)をCa塩及び分解処理対象物を含有する培養液中で培養することによってケラチン又はケラチン含有物質を分解する方法、並びに、Meiothermus属に属する微生物をCa塩を含有する培養液中で培養して得られる培養物を有効成分として含有するケラチン又はケラチン含有物質の分解処理剤。【効果】Meiothermus sp. H328株は好熱性細菌であり、ケラチン分解性を有する従来の微生物より高温条件で培養及びケラチンを分解することができる。【選択図】なし20060822A1633000083 Meiothermus sp. H328株は兵庫県の有馬温泉の土壌から単離された好熱性細菌であり、(独)産業技術総合研究所特許生物寄託センター(IPOD)に寄託されている(受託番号FERM P-20950)。H328株は50℃程度でも生育可能であり、その菌体内物質及び培養物はケラチン、又は羽毛、獣毛等のケラチンを比較的多量に含有するタンパク質性物質を分解する活性を有する。本発明においては、H328株のみならずMeiothermus属に属する微生物が利用できる。


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特許公報(B2)_Meiothermus属菌によるケラチン及び羽毛の分解処理

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_Meiothermus属菌によるケラチン及び羽毛の分解処理
出願番号:2006204154
年次:2012
IPC分類:C12N 1/20,B09B 3/00


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茂里 康 渡部 邦彦 JP 4936363 特許公報(B2) 20120302 2006204154 20060727 Meiothermus属菌によるケラチン及び羽毛の分解処理 独立行政法人産業技術総合研究所 301021533 茂里 康 渡部 邦彦 20120523 C12N 1/20 20060101AFI20120426BHJP B09B 3/00 20060101ALI20120426BHJP JPC12N1/20 FB09B3/00 A C12N 1/00−1/38 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) PubMed 特開2004−339164(JP,A) 国際公開第2004/042049(WO,A1) 特表2006−510351(JP,A) 特開2003−284571(JP,A) 特開2003−070459(JP,A) 特開平06−046871(JP,A) 特表平07−504326(JP,A) 特表平03−504676(JP,A) 6 IPOD FERM P-20950 2008029225 20080214 11 20090128 伊達 利奈 本発明は、ケラチン、羽毛、獣毛等の分解処理技術に関する。 国内の養鶏業、食肉加工業、皮革産業等において発生する羽毛及び獣毛は年間約9万トン以上にもなり、その一部については飼料等への再利用が試みられているが、その多くが焼却処理されている。しかし、焼却処理はCO2排出量などの面で環境に負荷をかけるため、環境負荷の少ない処理法への移行が望まれている。ところが、羽毛、獣毛はケラチンを多く含む。ケラチンは、生物体の毛、羽、爪、角などの主成分であり、物理的に安定な不溶性の難分解性タンパク質である。このため、羽毛、獣毛の処理においてはケラチンを分解することが重要である。ケラチンの機能的安定性と生化学的分解への抵抗性は、α−へリックスやβ−シート構造といったタンパク質鎖の緻密な折りたたみ構造とこれらの構造のジスルフィド結合によるにものであると考えられている。このような難分解性のケラチン、ケラチンを含有する羽毛、獣毛の分解に微生物を利用する方法、例えばChrysosporium keratinophilum(例えば、特許文献1参照)、Bacillus licheniformis(例えば、非特許文献1参照)、Streptomyces sp.(例えば、非特許文献2参照)、Lysobacter sp.(例えば、非特許文献3参照)、Aspergillus fumigatus(例えば、非特許文献4参照)の利用に関する技術が報告されている。特開2001−000956号公報Ramnani, P., Singh, R., and Gupta, R. (2005) Keratinolytic potential of Bacillus licheniformis RG1: structural and biochemical mechanism of feather degradation. Can. J. Microbiol. 51, 191-196Letourneau, F., Soussotte, V., Bressollier, P., Branland, P., and Verneuil, B. (1998) Keratinolytic activity of Streptomyces sp. S.K1-02: a new isolated strain. Lett. Appl. Microbiol. 26, 77-80Allpress JD, Mountain G, Gowland PC. (2002) Production, purification and characterization of an extracellular keratinase from Lysobacter NCIMB 9497. Lett. Appl. Microbiol. 34, 337-342Santos, RMDB., Firmino, AA., de Sa, CM., and Felix, CR.(1996) Keratinolytic activity of Aspergillus fumigatus fresenius. Curr. Microbiol. 33, 364-370 しかしながら、微生物を利用する場合、微生物の成育あるいは微生物によるケラチン分解性物質の分泌に適した温度に制御する、すなわち微生物醗酵に伴う熱を冷却する必要がある。このため、冷却に要するエネルギーを低減することが求められていた。 本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、好熱性細菌として知られていたMeiothermus sp. H328株がCa塩存在下において、ケラチン、羽毛、獣毛等の分解に利用できることを見出し、本発明を完成させた。 すなわち、本発明は、下記の方法及び分解処理剤を提供するものである。項1.Meiothermus属に属する微生物をCa塩及び分解処理対象物を含有する培養液中で培養することによってケラチン又はケラチン含有物質を分解する方法。項2.微生物がMeiothermus sp. H328株である項1に記載の方法。項3.培養液中のCa塩濃度が0.05〜10重量%である項1又は2に記載の方法。項4.ケラチン含有物質が羽毛である項1〜3のいずれかに記載の方法。項5.培養液中の処理対象物の含有量が1〜20重量%である項1〜4のいずれかに記載の方法項6.処理対象物が羽毛であって、羽毛が培養液の2〜6重量%である項5に記載の方法。項7.処理対象物がケラチンであって、ケラチンが培養液の4〜15重量%である項5に記載の方法。項8.Meiothermus属に属する微生物をCa塩を含有する培養液中で培養して得られる培養物を有効成分として含有するケラチン又はケラチン含有物質の分解処理剤。項9.前記培養液中のCa塩濃度が0.1〜2重量%である項8に記載の分解処理剤。 本発明は、Meiothermus属に属する微生物をケラチン、又は羽毛、獣毛等のケラチンを比較的多量に含有する物質の分解に利用するものである。 本発明のケラチン又はケラチン含有物質を分解する方法は、Meiothermus属に属する微生物をCa塩及び分解処理対象物を含有する培養液中で培養するものである。また、本発明の分解処理剤Meiothermus属に属する微生物をCa塩を含有する培養液中で培養して得られる培養物を有効成分として含有するものである。 Meiothermus sp. H328株は兵庫県の有馬温泉の土壌から単離された好熱性細菌であり、(独)産業技術総合研究所特許生物寄託センター(IPOD)に寄託されている(受託番号FERM P-20950)。H328株は50℃程度でも生育可能であり、その菌体内物質及び培養物はケラチン、又は羽毛、獣毛等のケラチンを比較的多量に含有するタンパク質性物質を分解する活性を有する。本発明においては、H328株のみならずMeiothermus属に属する微生物が利用できる。 本発明においてMeiothermus属に属する微生物を培養する培養液は従来プロテアーゼ生産能を有する細菌の液体培養法において用いられる液体培地であればよい。例えば、培養液中の炭素源としてはグルコース、可溶性澱粉、スクロース、デキストリン、セルロース、グリセリン等、窒素源としては酵母エキス、脱脂大豆、大豆粉、ペプトン、肉エキス、ヌカ、カゼイン、ポリペプトン、グルテン等、無機塩としては、各種リン酸塩、硫酸塩、塩酸塩等が挙げられ、必要によりビタミン類、核酸等を適宜加えることもできる。本発明においては培養液中にカルシウム塩を含有することが好ましい。カルシウム塩としては塩化カルシウム、炭酸カルシウムが挙げられる。培養液における好ましいカルシウム塩の含有量は0.05〜10重量%、より好ましくは0.05〜8重量%であり、より一層好ましくは0.1〜2重量%である。また、培養液中に分解処理対象物を存在させる場合、培養液中のカルシウム塩の量は、分解処理対象物100gあたり、1〜40gが好ましく、5〜25gがより好ましく、10〜20gがより一層好ましい。なお、ここで、培養液とは、微生物及び培地成分(カルシウム塩を含む)を包含するが、分解処理対象物を包含しない。 本発明において培養に適した培養液は、酵母エキス0.5重量%及びスクロース0.5重量%を含有する液体培地(pH8)である。 本発明において微生物の培養はMeiothermus属に属する微生物を培養液に接種することにより行われる。また、必要に応じて、本培養に先立ち、予め前培養することが好ましい。培養条件は分解活性が得られる限りにおいて制限されないが、培養温度は50〜70℃が好ましく、55〜65℃がより好ましい。培養液のpHは6.8〜9.5が好ましく、7.2〜8.5がより好ましい。培養液中に分解処理対象物(ケラチン、又は羽毛、獣毛等のケラチンを含有する物質)の存在する条件で培養すると時間の経過に伴ってpHが上昇するため、必要に応じて微生物の生育に適したpHを維持するようpH調整を行うと良い。培養雰囲気は好気条件が好ましい。培養期間は1日〜10日が好ましく、2日〜6日がより好ましい。微生物培養時に培養液中に分解処理対象物を存在させる場合、分解処理対象物の量は、培養液全体量に対して1〜20重量%が好ましく、1〜15重量%がより好ましい。なお、分解処理対象物が羽毛の場合、分解処理対象物の量は、培養液全体量に対して1〜6重量%が好ましく、分解処理対象物がケラチンである場合は1〜15重量%が好ましい。なお、前述のように、培養液とは、微生物及び培地成分(カルシウム塩を含む)を包含するが、分解処理対象物を包含しない。 このようにして得られた培養物は、微生物菌体を含んだまま又は微生物菌体が除去されて、ケラチン、又は羽毛、獣毛等のケラチンを比較的多量に含有する物質の分解処理剤として供することができるが、分解効率を考慮すると微生物菌体を含んでいることが好ましい。培養物は必要に応じて希釈又は濃縮しても良いし、本発明の効果を奏する範囲において他の成分を添加しても良い。 本発明によれば、ケラチン、又は羽毛、獣毛等のケラチンを比較的多量に含有するタンパク質性物質を微生物により分解する技術において培養温度を従来方法より高い温度に設定可能である。このため、培養により生ずる熱を冷却するためのエネルギーを低減することが可能である。 以下、本発明を実施例等により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。 下記の試験条件で試験を行った。なお、特に明記しない限り、「%」は「重量%」を表す。試験条件(1)試薬 特記しない限り、試薬はナカライテスク社から購入して使用した。フェザーミール(以下、FMと称することがある)は、主として家畜の飼料や堆肥として利用されている鶏羽毛の加工製品であり、徳島化製協業組合より提供された。羽毛廃棄物(以下、NFと称することがある)は、かしわの川中(滋賀県大津市)より提供された。アゾケラチンはSigma Aldrich社製を使用した。(2)培地組成 スラント、プレートは液体培地に3.0%(w/v)の棒寒天を加えて調製した。pH調製は原則としてNaOH溶液で行った。培地は、特に明記しない限り液体培地である。(3)H328株の培養 前培養はYS培地5mlに、菌株を保存しているスラントから1白金耳分を植菌し、55℃で24h、振盪培養により行った。本培養は、培地体積の1%を前培養液から植菌し、0〜6日間、55℃、振盪培養で培養した。(4)培地の検討1 5 mlのFM、FM+Tris、FM+ホウ酸、FM+CaCO3(FM1)培地を調製し、前培養液を50μl植菌し本培養を行った。6日間培養し、菌の生育が見られ、かつFMが分解される培地を本培養に最適な培地条件として固定化した。なお、H328株は体内に赤い色素を有しているため培地の色の変化で生育状態を把握できることから、生育は目視により確認した。また、FMは黒っぽい粒状であるが分解されるとこの粒が小さくなって黒く見えなくなることから、FMの分解も目視により確認した。結果を表2に示す。 FM培地ではH328株は生育できなかった。そこで、培養6日後のFM培地のpHを測定したところ、培養前のそれよりもpHが下がる傾向にあり、H328株の至適生育pHであるpH6.8〜8.6を下回った。そこで、培地pHを至適生育pHの範囲内に保つために、緩衝能を持つ培地3種、FM1、FM+Tris、FM+ホウ酸培地を調製し培養を行った。その結果、培養6日後の培地pHは8.6を上回ったがFM1培地で菌の生育とFMの分解が観察された(表2)。一方、FM+Tris培地及びFM+ホウ酸培地は、FM+Tris、FM+ホウ酸培地共に、培地のpHは至適生育pHを保っていたにもかかわらず、菌の生育及びFMの分解が見られなかった。(5)羽毛存在下での培養の様子 H328株の前培養液をNF3培地に添加して6日間静置培養し、培養直前、2日後、4日後、6日後の羽毛の様子を観察した(植菌サンプル)。また、これとは別にNF3培地のみを6日間静置し同様に羽毛の様子を観察した(ブランク)。結果を図1に示す。次に、同様にして培養直前、2日後、4日後、6日後に培養液を吸引濾過し、濾紙に残った羽毛(不溶性残渣)の様子を観察した。結果を図2に示す。(6)アゾケラチン存在下での培養 50 ml AZ培地を調製し、前培養液を50μl植菌し本培養を行った。6日間培養し、培養後のアゾケラチンを光学顕微鏡で観察した。そして、培養前のアゾケラチン(図3上段)、及び同じ条件で植菌せずに培養したアゾケラチンとの比較を行った。植菌せずに55℃で6日間振盪を行っても、アゾケラチンに変化はなかった(図3中段)。しかし、植菌した培地中のアゾケラチンではその構造に変化が見られ、分解が生じていることが判明した(図3下段)。(7)培地の検討2 次に、培養に用いる培地を構成する成分をYS培地、FM及びCaCO3に固定し、FM濃度を様々に変化させた培地におけるFMの分解を評価した。また、FMをNFに代えて同様にしてNFの分解を評価した。なお、FMの分解量は、2, 4, 6日目のブランクの不溶性残渣重量(図4中の○)から2, 4, 6日目の植菌したサンプルの不溶性残渣重量(図4中の■)を差し引いたものとした。また、不溶性残渣重量の測定は次のようにして行った。あらかじめ使用する濾紙の100枚あたりの平均重量を求めた。培養物を吸引濾過し、濾紙上の不溶性残渣を乾燥させ、濾紙込みの重量を測定した。その値から平均濾紙重量を差し引いて不溶性残渣重量とした。結果を表3と図4に示す。(8)培養上清のアミノ酸分析 培養上清における遊離アミノ酸および培養上清の加水分解を行った後のアミノ酸量を、17種類のアミノ酸について分析した。FM3培地で培養し、培養0, 2, 4, 6日目の培養液を0.45 μmフィルターろ過したものを培養上清とし、アミノ酸分析に供した。結果を図5、図6及び表4に示す。図5は遊離のアミノ酸量を示し、図6は加水分解後のアミノ酸量を示す。時間の経過に伴って、遊離したアミノ酸および加水分解により生じたアミノ酸量は増加した。また遊離アミノ酸量より、加水分解後のアミノ酸量が多いため、培養上清には可溶性オリゴペプチドペプチドが多く含まれていることを示唆した。表4は、遊離アミノ酸および加水分解後アミノ酸のモル比を示す。また、分析結果とあわせて、文献(Nam, G.W., Lee, D.W., Lee, H.S., Lee, N.J., Kim, B.C., Choe, E.A., Hwang, J.K., Suhartono, M.T., and Pyun, Y.R. : Native-feather degradation by Fervidobacterium islandicum AW-1, a newly isolated keratinase-producing thermophilic anaerobe. Arch. Microbiol., 178, 538-547 (2002).)により報告されている羽毛のアミノ酸組成も示す。6日培養後のアミノ酸組成は、いずれも羽毛の文献データと近似していることから、遊離アミノ酸および加水分解後アミノ酸は、羽毛の分解産物であると判断された。 なお、アミノ酸分析の詳細は次のとおりである。(8-1) 遊離アミノ酸の分析(8-1-1) シスチン、メチオニン及びトリプトファンを除くアミノ酸の分析培養上清にスルホサリチル酸を10 w/v%で混合し、定容し、アミノ酸自動分析に供した(ニンヒドリン発色法:日立L-8800型アミノ酸分析計、カラム:イオン交換樹脂)。(8-1-2) トリプトファンの分析培養上清にスルホサリチル酸を10w/v%で混合し、定容し、3 mol/l 水酸化ナトリウム溶液を加え(微アルカリ性)、水で定容し、高速液体クロマトグラフ分析に供した(蛍光分析光度計、カラム:ODS−2)。(8-1-3) シスチン及びメチオニンの分析培養上清を過ギ酸化処理し、減圧濃縮乾固し、20%塩酸を加えて加水分解し、水で定容し、濃縮し、アミノ酸自動分析に供した(ニンヒドリン発色法、カラム:LCR−6)。(8-2)加水分解後のアミノ酸の分析(8-2-1) シスチン、メチオニン及びトリプトファンを除くアミノ酸の分析培養上清に20%塩酸を加えて脱気及び封入して加水分解し、水で定容し、濃縮し、(8-1-1)と同じアミノ酸自動分析に供した。(8-2-2) トリプトファンの分析培養上清に20%塩酸を加えて脱気及び封入して加水分解し、水で定容し、(8-1-2)と同じ高速液体クロマトグラフ分析に供した。(8-2-3) シスチン及びメチオニンの分析培養上清に20%塩酸を加えて脱気及び封入して加水分解し、水で定容し、濃縮し、(8-1-3)と同じアミノ酸自動分析に供した。 本発明はケラチン、羽毛、獣毛等の分解処理に関する分野に有用である。羽毛及びH328株を含むNF3培地(植菌サンプル)と羽毛を含みH328株を含まないNF3培地(ブランク)における羽毛の状態の写真である。羽毛及びH328株を含むNF3培地(植菌サンプル)と羽毛を含みH328株を含まないNF3培地(ブランク)における培養において、吸引濾過により得られた不溶性残渣の写真である。アゾケラチン存在下での培養前後のアゾケラチンの様子を示す光学顕微鏡写真である。上段は培養前のアゾケラチンを示し、中段は植菌せずに6日間振盪した後のアゾケラチンを示し、下段は植菌し6日間振盪培養した後のアゾケラチンを示す。不溶性残渣の重量と培養日数との関係を表すグラフである。縦軸は不溶性残渣重量(g)、横軸は培養時間(日)を示す。○はブランクの不溶性残渣重量、■は植菌したサンプルの不溶性残渣重量を示す。遊離しているアミノ酸分析結果を表すグラフである。縦軸はアミノ酸量(mmol/100mL-culture)を示す。加水分解後のアミノ酸分析結果を表すグラフである。縦軸はアミノ酸量(mmol/100mL-culture)を示す。マイオサーマス(Meiothermus)sp. H328株(受託番号FERM P-20950)をCa塩及び羽毛及び獣毛からなる群から選ばれるいずれかの分解処理対象物を含有する培養液中で培養することによって羽毛又は獣毛を分解する方法。培養液中のCa塩濃度が0.05〜10重量%である請求項1に記載の方法。培養液中の処理対象物の含有量が1〜20重量%である請求項1又は2に記載の方法処理対象物が羽毛であって、羽毛が培養液の2〜6重量%である請求項3に記載の方法。マイオサーマス(Meiothermus)sp. H328株(受託番号FERM P-20950)をCa塩を含有する培養液中で培養して得られる培養物を有効成分として含有する羽毛又は獣毛の分解処理剤。前記培養液中のCa塩濃度が0.1〜2重量%である請求項5に記載の分解処理剤。


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