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タイトル:公開特許公報(A)_カルシウム測定試薬及び測定方法
出願番号:2006155064
年次:2007
IPC分類:G01N 21/78,C09B 33/048


特許情報キャッシュ

坂本 由香 藤井 隆行 坪田 博幸 JP 2007322336 公開特許公報(A) 20071213 2006155064 20060602 カルシウム測定試薬及び測定方法 株式会社三菱化学ヤトロン 000138277 森田 憲一 100090251 山口 健次郎 100139594 坂本 由香 藤井 隆行 坪田 博幸 G01N 21/78 20060101AFI20071116BHJP C09B 33/048 20060101ALN20071116BHJP JPG01N21/78 ZC09B33/048 2 OL 16 2G054 2G054AA02 2G054CA10 2G054CD04 2G054CE01 2G054EA04 2G054EB01 2G054GA03 2G054GB01 本発明は、カルシウム測定試薬及び測定方法に関する。本発明は、生体試料(例えば、全血、血漿、血清、リンパ液、髄液、唾液、尿など)中のカルシウムを測定することが可能で、臨床的診断に有用である。 カルシウムは生体内中にある無機質のうち最も多量に含まれ、約1kg存在している。カルシウムはリン酸とともに骨組織の形成に利用されており、全カルシウムの量の99%が骨と歯、硬組織に含まれ、残りの1%が血液などの体液中に存在している。カルシウム低下では腎不全や副甲状腺機能低下症、骨疾患などの異常を示唆し、また逆にカルシウム増加では副甲状腺機能亢進症や多発性骨髄腫、悪性腫瘍(骨転移)などの異常を示唆するので、その測定は臨床上極めて重要とされている。 試料中のカルシウムの測定方法として、滴定法、比色定量法、原子吸光法があり、臨床検査に汎用されているのはキレート発色剤を用いた比色定量法である。キレート発色剤としては、アルカリ性でカルシウムとのキレート結合が安定するo−クレゾールフタレインコンプレクソン法(以下、o−CPC法と略称する)(例えば、特許文献1参照)や、pH5.0〜7.0で発色させるアルセナゾ−IIIを用いて、生体試料中のカルシウムを測定する方法で、キレート化剤(例えば、抗凝固剤であるEDTA)と結合しているカルシウムをバナジン酸イオンにより解離させて、キレート化剤の影響を受けずに正確に生体試料中のカルシウムを測定することができる試薬(例えば、特許文献2参照)や、クロロホスホナゾ−IIIをキレート発色剤として用い、カルシウム及びマグネシウムを同時に定量する試薬(特許文献3参照)、バナジン酸イオンの存在下でクロロホスホナゾ−IIIをキレート発色剤として用い、検体ブランクを抑えることにより測定範囲が広い試薬(特許文献4参照)、アルセナゾ−IIIと、マグネシウム隠蔽剤である8−ヒドロキシキノリンとを含み、マグネシウムによる干渉を排除してカルシウムのみを測定可能な試薬(特許文献5参照)などがある。特開昭54−36996号公報特開2005−300435号公報特開平04−120464号公報特開2006−23182号公報特表平6−505560号公報 しかし、o−CPC法においては高pHであるアルカリ性で発色させる為、空気中の炭酸ガスの吸収により使用時のpHの低下が大きく、また溶液状態で長時間保存すると試薬のpHが下がり、その結果、測定値が不正確になることもある。一方、アルセナゾ−IIIやクロロホスホナゾ−IIIを用いたカルシウム測定試薬はo−CPC法よりpHが低いのでその点は問題ないが、発色域が弱酸性域であるがために、従来のマグネシウム隠蔽剤としてもっとも知られている8−ヒドロキシキノリンによる隠蔽効果が弱かったり、8−ヒドロキシキノリンによりカルシウムとの反応性が低いという問題も出てくる。 従って、本発明の課題は、上記問題点を解決することのできる、保存性に優れ、マグネシウムの干渉作用を受けることなく、カルシウムを測定可能な試薬及び方法を提供することにある。 前記課題は、本発明による、(1)2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤、及び(2)一般式(I):[式中、基R1は、水素原子又はヌクレオシド残基であり、nは2以上の整数である]で表される化合物又はその塩を含む、カルシウム測定試薬により解決することができる。 また、本発明は、2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤を用いるカルシウム測定方法であって、一般式(I):[式中、基R1は、水素原子又はヌクレオシド残基であり、nは2以上の整数である]で表される化合物又はその塩の存在下で、被検試料と前記キレート発色剤との反応を実施することを特徴とする、前記カルシウム測定方法に関する。 本発明によれば、高pHに起因する炭酸ガス吸収の問題がなく、マグネシウムの干渉作用も受けずに正確にカルシウムを測定することができる。 本発明のカルシウム測定試薬又は測定方法は、キレート発色剤である2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤(以下、ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤と称する)を基質としてカルシウムを測定する際に、前記一般式(I)で表される化合物又はその塩を使用することを特徴とする。 本発明では、キレート発色剤として、2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤、すなわち、2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸骨格を有し、カルシウムイオンと結合して発色可能な化合物を用いる。本発明で用いることのできるキレート発色剤としては、pH3〜9で使用可能なキレート発色剤が好ましく、pH5〜9で使用可能なキレート発色剤がより好ましい。本発明で用いることのできるキレート発色剤としては、例えば、で表される2,7-ビス(2-アルソノフェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸(アルセナゾ−III)[CAS No. 1668-00-4]若しくはその塩、又は2,7-ビス(4-クロロ-2-ホスホノフェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸若しくはその塩、例えば、で表される2,7-ビス(4-クロロ-2-ホスホノフェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム塩(クロロホスホナゾ−III)[CAS No. 1914-99-4]などを挙げることができる。 本発明においては、前記ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤と共に、前記一般式(I)で表される化合物又はその塩を用いる。一般式(I)で表される化合物又はその塩は、マグネシウムとキレートし、カルシウムを測定する際のマグネシウムの干渉作用を防ぐことができる。 前記一般式(I)において、基R1におけるヌクレオシド残基とは、ヌクレオシドの糖部分の5位の水酸基を除いた残基である。前記ヌクレオシドとしては、例えば、リボヌクレオシド(例えば、アデノシン、グアノシン、シチジン、ウリジン、リボチミジン)、デオキシリボヌクレオシド(例えば、デオキシアデノシン、デオキシグアノシン、デオキシシチジン、デオキシウリジン、デオキシリボチミジン)を挙げることができ、好ましくはリボヌクレオシドであり、より好ましくはプリンリボヌクレオシド(アデノシン又はグアノシン)であり、特に好ましくはアデノシンである。 基R1がヌクレオシド残基である場合、一般式(I)で表される化合物は、例えば、ヌクレオシド二リン酸(n=2の場合)、ヌクレオシド三リン酸(n=3の場合)である。特に、基R1がアデノシン残基である場合、一般式(I)で表される化合物は、例えば、アデノシン二リン酸(ADP;n=2の場合)、アデノシン三リン酸(ATP;n=3の場合)である。同様に、一般式(I)で表される化合物は、基R1がグアノシン残基である場合、例えば、GDP、GTPであり、基R1がシチジン残基である場合、例えば、CDP、CTPであり、基R1がウリジン残基である場合、例えば、UDP、UTPであり、基R1がリボチミジン残基である場合、例えば、TDP、TTPである。 基R1がヌクレオシド残基である場合、nの数は2以上であり、好ましくは3である。 基R1が水素原子である場合、一般式(I)で表される化合物は、例えば、ピロリン酸(n=2)、トリポリリン酸(n=3)、ポリリン酸(n=4〜11)を挙げることができる。基R1が水素原子である場合、nの数は2以上であり、好ましくは3以上であり、より好ましくは4以上である。 一般式(I)で表される化合物の塩としては、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)を挙げることができる。 本発明においては、一般式(I)で表される化合物又はその塩として、1種類のみを単独で使用することもできるし、あるいは、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。 本発明のカルシウム測定方法は、測定対象化合物であるカルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤との反応の際に、一般式(I)で表される化合物又はその塩の存在下で実施すること以外は、前記キレート発色剤を用いる公知測定方法と同様にして実施することができる。 カルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤とを反応させる場合、反応系のpHは、通常、pH3.0〜9.0であり、好ましくはpH6.0〜8.0である。また、前記反応に基づく発色は、例えば、波長600nm〜700nmにおける吸光度を測定することにより定量することができる。本発明方法によりカルシウムを測定する場合、汎用の自動分析装置(例えば、日立7170S型)を使用可能である。 ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いる場合、クロロホスホナゾ−IIIの濃度は、カルシウムとの反応時の濃度として、好ましくは0.005〜1mmol/Lであり、より好ましくは0.01〜0.5mmol/Lである。 ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いる場合、アルセナゾ−IIIの濃度は、カルシウムとの反応時の濃度として、好ましくは0.005〜1mmol/Lであり、より好ましくは0.01〜0.5mmol/Lである。 一般式(I)で表される化合物又はその塩に関して、カルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤との反応時の濃度は、各種反応条件(例えば、用いる前記化合物若しくはキレート発色剤の種類、反応系のpH、発色の検出手段、又は被検試料の状態)に応じて最適濃度が変動する可能性があるため、特に限定されるものではないが、当業者であれば、例えば、実施例に示す手順を参考として、予備実験を行うことにより、実際の測定条件に応じた最適条件を設定することが可能である。 より具体的には、例えば、一般式(I)で表される化合物又はその塩の各種濃度存在下において、実際の測定条件に基づいて、実施例1又は2に記載の手順に従って、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液中のカルシウム濃度及びマグネシウム濃度(具体的には、例えば、吸光度変化)を測定する。カルシウム測定が可能であって、且つ、マグネシウム隠蔽効果が、例えば、80%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である濃度を、一般式(I)で表される化合物又はその塩の好適濃度範囲として選択することができる。 例えば、一般式(I)で表される化合物又はその塩としてADPを用いる場合には、カルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤との反応時の濃度として、好ましくは0.01%〜5%であり、より好ましくは0.05%〜2%である。 例えば、一般式(I)で表される化合物又はその塩としてATPを用いる場合には、カルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤との反応時の濃度として、好ましくは0.001%〜1.0%であり、より好ましくは0.01%〜0.5%である。 例えば、一般式(I)で表される化合物又はその塩としてピロリン酸を用いる場合には、カルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤との反応時の濃度として、好ましくは0.005%〜1.0%であり、より好ましくは0.01%〜0.5%である。 例えば、一般式(I)で表される化合物又はその塩としてトリポリリン酸を用いる場合には、カルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤との反応時の濃度として、好ましくは0.0005%〜1.0%であり、より好ましくは0.002%〜0.5%である。 例えば、一般式(I)で表される化合物又はその塩としてポリリン酸を用いる場合には、カルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤との反応時の濃度として、好ましくは0.0005%〜1.0%であり、より好ましくは0.001%〜0.5%である。 従来、o−CPC法のようなキレート発色法においては、それに用いる試薬は強アルカリ性、例えばpH10.0〜11.0であるので、長期間保存しておくと空気中の二酸化炭素を吸収し、試薬のpHが変動していき、その結果、測定値のバラツキが大きくなることもあった。それに対して、本発明において、pH3.0〜9.0で設定する場合、このようなpHの変動が起こりにくくなり、液体状態で長期間保存しておいてもカルシウムを正確に測定可能な液状試薬としても使用することができる。 本発明のカルシウム測定試薬は、本発明のカルシウム測定方法に使用することができる。本発明のカルシウム測定試薬は、1試薬系として構成することもできるし、2試薬系以上の構成とすることもできる。例えば、一般式(I)で表される化合物又はその塩を含む第一試薬と、2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤を含む第二試薬とから構成することができる。また、一般式(I)で表される化合物又はその塩と2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤を共存させた試薬においてもカルシウム測定試薬とすることができる。本発明のカルシウム測定試薬は、ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤及び一般式(I)で表される化合物又はその塩に加え、必要により、例えば、防腐剤(例えば、アジ化ナトリウム)、塩類(例えば、ナトリウム塩)、及び/又は各種界面活性剤などを適宜添加することができる。 以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。《実施例1:クロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系における一般式(I)で表される化合物の効果の確認》 本実施例では、キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを使用し、一般式(I)で表される化合物として、ADP、ATP、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸(n=4〜11)を下記試薬中に添加し、下記試料に含有されるカルシウム又はマグネシウムをそれぞれ測定した。なお、比較例として、カルシウムを測定する場合に一般的なキレート剤として使用されている8−ヒドロキシキノリンの効果も検討した。試料カルシウム10mg/dLを含む試料(カルシウム濃度として10mg/dLとなるように、塩化カルシウム2水和物を蒸留水に溶解して調製した試料。以下、「Ca STD」と称する)マグネシウム3mg/dLを含む試料(マグネシウム濃度として3mg/dLとなるように、塩化マグネシウム6水和物を蒸留水に溶解して調製した試料。以下、「Mg STD」と称する)試薬グッド緩衝液ACES(株式会社 同仁化学研究所) 50mmol/L,pH6.5クロロホスホナゾ−III(Na塩;株式会社 同仁化学研究所) 20μmol/L 測定は、以下の手順で行った。自動分析装置(日立7170S型)を用い、試料(Ca STD又はMg STD)2.0μLと試薬200μLとを37℃にて5分間混合し、発色反応させた。試薬ブランク対照の液の吸光度変化を660nmの測定波長前後で測定した。 結果を表1〜表6及び図1〜図6に示す。図1〜図6の横軸に示す化合物濃度は、発色反応時(すなわち、試料2.0μLと試薬200μLとを混合した時点)の濃度であり、縦軸の記号「Abs」は吸光度を意味する。また、表1〜表6の「Ca STD」欄及び「Mg STD」欄に示す数値は、吸光度変化(単位:×104)である。なお、一般式(I)で表される化合物を添加しない場合のCa STD又はMg STDの吸光度変化は、それぞれ、4266及び981(単位:×104)であった。《表1》 ADP濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 200 500 Ca STD 4346 4459 4118 3985 3585 2695Mg STD 636 498 260 128 69 10 《表2》 ATP濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 200 500 Ca STD 4198 3991 3492 2805 2007 1062Mg STD 192 83 0 -31 -39 -28 《表3》ピロリン酸濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 200 500 Ca STD 4389 4332 4042 3278 2580 1518Mg STD 335 158 48 2 -21 -16 《表4》トリポリリン酸濃度[% (×1/1000)] 1 2 5 10 20 50 100 200 500Ca STD 4414 4414 4315 4039 3673 2731 1738 1096 524Mg STD 537 304 123 2 -7 -35 -65 -64 -32《表5》ポリリン酸濃度[% (×1/1000)] 1 2 5 10 20 50 100 200 500Ca STD 4435 4496 4365 4063 3640 2790 1749 1089 503Mg STD 521 294 116 24 -7 -47 -23 -43 -27《表6》8−ヒドロキシキノリン濃度[% (×1/1000)] 10 20 Ca STD 3901 3791Mg STD 344 314 キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用い、ADP、ATP、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、8−ヒドロキシキノリン(従来法で一般的に使用)を添加した場合を比較検討してみると、8−ヒドロキシキノリンでは完全にマグネシウムの反応はなくならなかったが、ADP、ATP、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸を添加した場合では、マグネシウムとキレートして反応していないのに対し、カルシウムとは反応していることが判明した。 本実施例の条件下においてADPを用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.05〜5.0%であり、より好ましくは0.2〜2.0%であった。 本実施例の条件下においてATPを用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.01〜1.0%であり、より好ましくは0.05〜0.5%であった。 本実施例の条件下においてピロリン酸を用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.01〜1.0%であり、より好ましくは0.05〜0.5%であった。 本実施例の条件下においてトリポリリン酸を用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.002〜1.0%であり、より好ましくは0.005〜0.5%であった。 本実施例の条件下においてポリリン酸を用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.002〜1.0%であり、より好ましくは0.005〜0.5%であった。《実施例2:アルセナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系における一般式(I)で表される化合物の効果の確認》 試薬として下記試薬を用いること以外は、実施例1の操作を繰り返した。試薬グッド緩衝液EPPS(株式会社 同仁化学研究所) 50mmol/L,pH8.0アルセナゾ−III(酸型;株式会社 同仁化学研究所) 20μmol/L 結果を表7〜表12及び図7〜図12に示す。一般式(I)で表される化合物を添加しない場合のCa STD又はMg STDの吸光度変化は、表7〜表9に示す実験では、それぞれ、4737及び364(単位:×104)であり、表10〜表12に示す実験では、それぞれ、3746及び283(単位:×104)であった。キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いても、クロロホスホナゾ−IIIと同様の傾向を確認した。《表7》 ADP濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 200 500 Ca STD 4514 4240 3530 2703 1844 831Mg STD 213 138 68 37 17 0 《表8》 ATP濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 200 500 Ca STD 2555 1683 793 395 194 77Mg STD 35 7 0 -6 -1 -2 《表9》ピロリン酸濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 200 500 Ca STD 2206 1194 412 190 89 29Mg STD 36 -1 -4 -10 -10 -5 《表10》トリポリリン酸濃度[% (×1/1000)] 0.1 0.2 0.5 1 2 5 10 20 50 100 200 500Ca STD 3806 3651 3509 3072 2285 995 736 284 120 45 17 8Mg STD 250 264 300 237 105 20 -2 -3 2 -3 -9 -2《表11》ポリリン酸濃度[% (×1/1000)] 0.1 0.2 0.5 1 2 5 10 Ca STD 3692 3490 2818 1888 998 366 179Mg STD 284 306 176 68 15 3 -1 《表12》8−ヒドロキシキノリン濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 Ca STD 5083 5067 5068 4788Mg STD 349 314 230 121 本実施例の条件下においてADPを用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.01〜0.5%であり、より好ましくは0.05〜0.2%であった。 本実施例の条件下においてATPを用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.005〜0.1%であり、より好ましくは0.01〜0.05%であった。 本実施例の条件下においてピロリン酸を用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.005〜0.1%であり、より好ましくは0.01〜0.05%であった。 本実施例の条件下においてトリポリリン酸を用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.0005〜0.1%であり、より好ましくは0.01〜0.05%であった。 本実施例の条件下においてポリリン酸を用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.0005〜0.002%であり、より好ましくは0.001〜0.005%であった。《参考例1:o−クレゾールフタレインコンプレクソン(o−CPC)を用いるカルシウム測定系におけるADPの効果の確認》 一般式(I)で表される化合物としてADPを用いること、そして、試薬として下記試薬を用いること以外は、実施例1の操作を繰り返した。試薬2−アミノエタノール 1.5mol/Lほう酸 0.1mmol/LpH11.0o−CPC(株式会社 同仁化学研究所) 0.1mmol/L 結果を表13及び図13に示す。ADPを添加しない場合のCa STD又はMg STDの吸光度変化は、それぞれ、4668及び568(単位:×104)であった。キレート発色剤としてo−CPCを用いた場合、ADPは、マグネシウム隠蔽効果を示さなかった。《表13》 ADP濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 200 500 Ca STD 4538 4508 4383 4230 3970 3620Mg STD 588 570 579 571 563 583 《実施例3:クロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系におけるpHの検討》 一般式(I)で表される各化合物の濃度を、ATPで0.05%、ピロリン酸で0.1%、トリポリリン酸で0.01%、ポリリン酸で0.01%、8−ヒドロキシキノリンで0.1%としたこと、そして、試薬のpHを5段階(pH5.5、pH6.0、pH6.5、pH7.0、pH7.5)としたことを除き、実施例1の操作を繰り返した。 結果を図14〜図19に示す。 ATP、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸を添加した場合、pH5.5〜pH7.5のいずれのpHでも、マグネシウムの反応を抑え、かつカルシウムを測定することができることが判明した。また、これらの化合物を添加しなかったり、従来、一般的にマグネシウムのキレート剤として使用されている8−ヒドロキシキノリンを用いてもマグネシウムの反応を完全に抑えることができないことが確認された。 本発明は、臨床検査診断試薬分野におけるカルシウム測定の用途に適用することができる。本発明によれば、試薬を長時間保存しても安定であり、マグネシウムの干渉作用も抑えて正確にカルシウムを測定することが可能であり、臨床検査診断試薬分野で極めて有用である。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のADP存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のATP存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のピロリン酸存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のトリポリリン酸存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のポリリン酸存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度の8−ヒドロキシキノリン存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のADP存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のATP存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のピロリン酸存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のトリポリリン酸存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のポリリン酸存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度の8−ヒドロキシキノリン存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてo−クレゾールフタレインコンプレクソンを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のADP存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(570nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種pHにて、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系(0.05%ATP存在下)において、各種pHにて、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系(0.1%ピロリン酸存在下)において、各種pHにて、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系(0.01%トリポリリン酸存在下)において、各種pHにて、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系(0.01%ポリリン酸存在下)において、各種pHにて、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系(0.1%8−ヒドロキシキノリン存在下)において、各種pHにて、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。 (1)2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤、及び(2)一般式(I):[式中、基R1は、水素原子又はヌクレオシド残基であり、nは2以上の整数である]で表される化合物又はその塩を含む、カルシウム測定試薬。 2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤を用いるカルシウム測定方法であって、一般式(I):[式中、基R1は、水素原子又はヌクレオシド残基であり、nは2以上の整数である]で表される化合物又はその塩の存在下で、被検試料と前記キレート発色剤との反応を実施することを特徴とする、前記カルシウム測定方法。 【課題】保存性に優れ、マグネシウムの干渉作用を受けることなく、カルシウムを測定可能な試薬及び方法を提供する。【解決手段】前記カルシウム測定試薬は、2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤と、下記一般式(I)で表される化合物又はその塩(R1は水素原子又はヌクレオシド残基であり、nは2以上の整数)を含む。【化1】【選択図】なし


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特許公報(B2)_カルシウム測定試薬及び測定方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_カルシウム測定試薬及び測定方法
出願番号:2006155064
年次:2012
IPC分類:G01N 21/78,G01N 31/22,C09B 33/048


特許情報キャッシュ

坂本 由香 藤井 隆行 坪田 博幸 JP 4969920 特許公報(B2) 20120413 2006155064 20060602 カルシウム測定試薬及び測定方法 三菱化学メディエンス株式会社 591122956 森田 憲一 100090251 山口 健次郎 100139594 坂本 由香 藤井 隆行 坪田 博幸 20120704 G01N 21/78 20060101AFI20120614BHJP G01N 31/22 20060101ALI20120614BHJP C09B 33/048 20060101ALN20120614BHJP JPG01N21/78 ZG01N31/22C09B33/048 G01N 21/75−21/83 G01N 31/00 G01N 31/22 G01N 33/84 C09B 33/048 特開昭58−178256(JP,A) 特開2005−300435(JP,A) 特表平06−505560(JP,A) 特開2004−298083(JP,A) 特開平05−168498(JP,A) 特開2006−023182(JP,A) 特開昭54−036996(JP,A) 特開平04−120464(JP,A) 2 2007322336 20071213 15 20090501 伊藤 裕美 本発明は、カルシウム測定試薬及び測定方法に関する。本発明は、生体試料(例えば、全血、血漿、血清、リンパ液、髄液、唾液、尿など)中のカルシウムを測定することが可能で、臨床的診断に有用である。 カルシウムは生体内中にある無機質のうち最も多量に含まれ、約1kg存在している。カルシウムはリン酸とともに骨組織の形成に利用されており、全カルシウムの量の99%が骨と歯、硬組織に含まれ、残りの1%が血液などの体液中に存在している。カルシウム低下では腎不全や副甲状腺機能低下症、骨疾患などの異常を示唆し、また逆にカルシウム増加では副甲状腺機能亢進症や多発性骨髄腫、悪性腫瘍(骨転移)などの異常を示唆するので、その測定は臨床上極めて重要とされている。 試料中のカルシウムの測定方法として、滴定法、比色定量法、原子吸光法があり、臨床検査に汎用されているのはキレート発色剤を用いた比色定量法である。キレート発色剤としては、アルカリ性でカルシウムとのキレート結合が安定するo−クレゾールフタレインコンプレクソン法(以下、o−CPC法と略称する)(例えば、特許文献1参照)や、pH5.0〜7.0で発色させるアルセナゾ−IIIを用いて、生体試料中のカルシウムを測定する方法で、キレート化剤(例えば、抗凝固剤であるEDTA)と結合しているカルシウムをバナジン酸イオンにより解離させて、キレート化剤の影響を受けずに正確に生体試料中のカルシウムを測定することができる試薬(例えば、特許文献2参照)や、クロロホスホナゾ−IIIをキレート発色剤として用い、カルシウム及びマグネシウムを同時に定量する試薬(特許文献3参照)、バナジン酸イオンの存在下でクロロホスホナゾ−IIIをキレート発色剤として用い、検体ブランクを抑えることにより測定範囲が広い試薬(特許文献4参照)、アルセナゾ−IIIと、マグネシウム隠蔽剤である8−ヒドロキシキノリンとを含み、マグネシウムによる干渉を排除してカルシウムのみを測定可能な試薬(特許文献5参照)などがある。特開昭54−36996号公報特開2005−300435号公報特開平04−120464号公報特開2006−23182号公報特表平6−505560号公報 しかし、o−CPC法においては高pHであるアルカリ性で発色させる為、空気中の炭酸ガスの吸収により使用時のpHの低下が大きく、また溶液状態で長時間保存すると試薬のpHが下がり、その結果、測定値が不正確になることもある。一方、アルセナゾ−IIIやクロロホスホナゾ−IIIを用いたカルシウム測定試薬はo−CPC法よりpHが低いのでその点は問題ないが、発色域が弱酸性域であるがために、従来のマグネシウム隠蔽剤としてもっとも知られている8−ヒドロキシキノリンによる隠蔽効果が弱かったり、8−ヒドロキシキノリンによりカルシウムとの反応性が低いという問題も出てくる。 従って、本発明の課題は、上記問題点を解決することのできる、保存性に優れ、マグネシウムの干渉作用を受けることなく、カルシウムを測定可能な試薬及び方法を提供することにある。 前記課題は、本発明による、(1)2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤、及び(2)一般式(I):[式中、基R1は、水素原子又はヌクレオシド残基であり、nは2以上の整数である]で表される化合物又はその塩を含む、カルシウム測定試薬により解決することができる。 また、本発明は、2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤を用いるカルシウム測定方法であって、一般式(I):[式中、基R1は、水素原子又はヌクレオシド残基であり、nは2以上の整数である]で表される化合物又はその塩の存在下で、被検試料と前記キレート発色剤との反応を実施することを特徴とする、前記カルシウム測定方法に関する。 本発明によれば、高pHに起因する炭酸ガス吸収の問題がなく、マグネシウムの干渉作用も受けずに正確にカルシウムを測定することができる。 本発明のカルシウム測定試薬又は測定方法は、キレート発色剤である2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤(以下、ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤と称する)を基質としてカルシウムを測定する際に、前記一般式(I)で表される化合物又はその塩を使用することを特徴とする。 本発明では、キレート発色剤として、2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤、すなわち、2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸骨格を有し、カルシウムイオンと結合して発色可能な化合物を用いる。本発明で用いることのできるキレート発色剤としては、pH3〜9で使用可能なキレート発色剤が好ましく、pH5〜9で使用可能なキレート発色剤がより好ましい。本発明で用いることのできるキレート発色剤としては、例えば、で表される2,7-ビス(2-アルソノフェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸(アルセナゾ−III)[CAS No. 1668-00-4]若しくはその塩、又は2,7-ビス(4-クロロ-2-ホスホノフェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸若しくはその塩、例えば、で表される2,7-ビス(4-クロロ-2-ホスホノフェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム塩(クロロホスホナゾ−III)[CAS No. 1914-99-4]などを挙げることができる。 本発明においては、前記ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤と共に、前記一般式(I)で表される化合物又はその塩を用いる。一般式(I)で表される化合物又はその塩は、マグネシウムとキレートし、カルシウムを測定する際のマグネシウムの干渉作用を防ぐことができる。 前記一般式(I)において、基R1におけるヌクレオシド残基とは、ヌクレオシドの糖部分の5位の水酸基を除いた残基である。前記ヌクレオシドとしては、例えば、リボヌクレオシド(例えば、アデノシン、グアノシン、シチジン、ウリジン、リボチミジン)、デオキシリボヌクレオシド(例えば、デオキシアデノシン、デオキシグアノシン、デオキシシチジン、デオキシウリジン、デオキシリボチミジン)を挙げることができ、好ましくはリボヌクレオシドであり、より好ましくはプリンリボヌクレオシド(アデノシン又はグアノシン)であり、特に好ましくはアデノシンである。 基R1がヌクレオシド残基である場合、一般式(I)で表される化合物は、例えば、ヌクレオシド二リン酸(n=2の場合)、ヌクレオシド三リン酸(n=3の場合)である。特に、基R1がアデノシン残基である場合、一般式(I)で表される化合物は、例えば、アデノシン二リン酸(ADP;n=2の場合)、アデノシン三リン酸(ATP;n=3の場合)である。同様に、一般式(I)で表される化合物は、基R1がグアノシン残基である場合、例えば、GDP、GTPであり、基R1がシチジン残基である場合、例えば、CDP、CTPであり、基R1がウリジン残基である場合、例えば、UDP、UTPであり、基R1がリボチミジン残基である場合、例えば、TDP、TTPである。 基R1がヌクレオシド残基である場合、nの数は2以上であり、好ましくは3である。 基R1が水素原子である場合、一般式(I)で表される化合物は、例えば、ピロリン酸(n=2)、トリポリリン酸(n=3)、ポリリン酸(n=4〜11)を挙げることができる。基R1が水素原子である場合、nの数は2以上であり、好ましくは3以上であり、より好ましくは4以上である。 一般式(I)で表される化合物の塩としては、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)を挙げることができる。 本発明においては、一般式(I)で表される化合物又はその塩として、1種類のみを単独で使用することもできるし、あるいは、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。 本発明のカルシウム測定方法は、測定対象化合物であるカルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤との反応の際に、一般式(I)で表される化合物又はその塩の存在下で実施すること以外は、前記キレート発色剤を用いる公知測定方法と同様にして実施することができる。 カルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤とを反応させる場合、反応系のpHは、通常、pH3.0〜9.0であり、好ましくはpH6.0〜8.0である。また、前記反応に基づく発色は、例えば、波長600nm〜700nmにおける吸光度を測定することにより定量することができる。本発明方法によりカルシウムを測定する場合、汎用の自動分析装置(例えば、日立7170S型)を使用可能である。 ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いる場合、クロロホスホナゾ−IIIの濃度は、カルシウムとの反応時の濃度として、好ましくは0.005〜1mmol/Lであり、より好ましくは0.01〜0.5mmol/Lである。 ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いる場合、アルセナゾ−IIIの濃度は、カルシウムとの反応時の濃度として、好ましくは0.005〜1mmol/Lであり、より好ましくは0.01〜0.5mmol/Lである。 一般式(I)で表される化合物又はその塩に関して、カルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤との反応時の濃度は、各種反応条件(例えば、用いる前記化合物若しくはキレート発色剤の種類、反応系のpH、発色の検出手段、又は被検試料の状態)に応じて最適濃度が変動する可能性があるため、特に限定されるものではないが、当業者であれば、例えば、実施例に示す手順を参考として、予備実験を行うことにより、実際の測定条件に応じた最適条件を設定することが可能である。 より具体的には、例えば、一般式(I)で表される化合物又はその塩の各種濃度存在下において、実際の測定条件に基づいて、実施例1又は2に記載の手順に従って、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液中のカルシウム濃度及びマグネシウム濃度(具体的には、例えば、吸光度変化)を測定する。カルシウム測定が可能であって、且つ、マグネシウム隠蔽効果が、例えば、80%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である濃度を、一般式(I)で表される化合物又はその塩の好適濃度範囲として選択することができる。 例えば、一般式(I)で表される化合物又はその塩としてADPを用いる場合には、カルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤との反応時の濃度として、好ましくは0.01%〜5%であり、より好ましくは0.05%〜2%である。 例えば、一般式(I)で表される化合物又はその塩としてATPを用いる場合には、カルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤との反応時の濃度として、好ましくは0.001%〜1.0%であり、より好ましくは0.01%〜0.5%である。 例えば、一般式(I)で表される化合物又はその塩としてピロリン酸を用いる場合には、カルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤との反応時の濃度として、好ましくは0.005%〜1.0%であり、より好ましくは0.01%〜0.5%である。 例えば、一般式(I)で表される化合物又はその塩としてトリポリリン酸を用いる場合には、カルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤との反応時の濃度として、好ましくは0.0005%〜1.0%であり、より好ましくは0.002%〜0.5%である。 例えば、一般式(I)で表される化合物又はその塩としてポリリン酸を用いる場合には、カルシウムとナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤との反応時の濃度として、好ましくは0.0005%〜1.0%であり、より好ましくは0.001%〜0.5%である。 従来、o−CPC法のようなキレート発色法においては、それに用いる試薬は強アルカリ性、例えばpH10.0〜11.0であるので、長期間保存しておくと空気中の二酸化炭素を吸収し、試薬のpHが変動していき、その結果、測定値のバラツキが大きくなることもあった。それに対して、本発明において、pH3.0〜9.0で設定する場合、このようなpHの変動が起こりにくくなり、液体状態で長期間保存しておいてもカルシウムを正確に測定可能な液状試薬としても使用することができる。 本発明のカルシウム測定試薬は、本発明のカルシウム測定方法に使用することができる。本発明のカルシウム測定試薬は、1試薬系として構成することもできるし、2試薬系以上の構成とすることもできる。例えば、一般式(I)で表される化合物又はその塩を含む第一試薬と、2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤を含む第二試薬とから構成することができる。また、一般式(I)で表される化合物又はその塩と2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤を共存させた試薬においてもカルシウム測定試薬とすることができる。本発明のカルシウム測定試薬は、ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤及び一般式(I)で表される化合物又はその塩に加え、必要により、例えば、防腐剤(例えば、アジ化ナトリウム)、塩類(例えば、ナトリウム塩)、及び/又は各種界面活性剤などを適宜添加することができる。 以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。《実施例1:クロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系における一般式(I)で表される化合物の効果の確認》 本実施例では、キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを使用し、一般式(I)で表される化合物として、ADP、ATP、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸(n=4〜11)を下記試薬中に添加し、下記試料に含有されるカルシウム又はマグネシウムをそれぞれ測定した。なお、比較例として、カルシウムを測定する場合に一般的なキレート剤として使用されている8−ヒドロキシキノリンの効果も検討した。試料カルシウム10mg/dLを含む試料(カルシウム濃度として10mg/dLとなるように、塩化カルシウム2水和物を蒸留水に溶解して調製した試料。以下、「Ca STD」と称する)マグネシウム3mg/dLを含む試料(マグネシウム濃度として3mg/dLとなるように、塩化マグネシウム6水和物を蒸留水に溶解して調製した試料。以下、「Mg STD」と称する)試薬グッド緩衝液ACES(株式会社 同仁化学研究所) 50mmol/L,pH6.5クロロホスホナゾ−III(Na塩;株式会社 同仁化学研究所) 20μmol/L 測定は、以下の手順で行った。自動分析装置(日立7170S型)を用い、試料(Ca STD又はMg STD)2.0μLと試薬200μLとを37℃にて5分間混合し、発色反応させた。試薬ブランク対照の液の吸光度変化を660nmの測定波長前後で測定した。 結果を表1〜表6及び図1〜図6に示す。図1〜図6の横軸に示す化合物濃度は、発色反応時(すなわち、試料2.0μLと試薬200μLとを混合した時点)の濃度であり、縦軸の記号「Abs」は吸光度を意味する。また、表1〜表6の「Ca STD」欄及び「Mg STD」欄に示す数値は、吸光度変化(単位:×104)である。なお、一般式(I)で表される化合物を添加しない場合のCa STD又はMg STDの吸光度変化は、それぞれ、4266及び981(単位:×104)であった。《表1》 ADP濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 200 500 Ca STD 4346 4459 4118 3985 3585 2695Mg STD 636 498 260 128 69 10 《表2》 ATP濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 200 500 Ca STD 4198 3991 3492 2805 2007 1062Mg STD 192 83 0 -31 -39 -28 《表3》ピロリン酸濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 200 500 Ca STD 4389 4332 4042 3278 2580 1518Mg STD 335 158 48 2 -21 -16 《表4》トリポリリン酸濃度[% (×1/1000)] 1 2 5 10 20 50 100 200 500Ca STD 4414 4414 4315 4039 3673 2731 1738 1096 524Mg STD 537 304 123 2 -7 -35 -65 -64 -32《表5》ポリリン酸濃度[% (×1/1000)] 1 2 5 10 20 50 100 200 500Ca STD 4435 4496 4365 4063 3640 2790 1749 1089 503Mg STD 521 294 116 24 -7 -47 -23 -43 -27《表6》8−ヒドロキシキノリン濃度[% (×1/1000)] 10 20 Ca STD 3901 3791Mg STD 344 314 キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用い、ADP、ATP、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、8−ヒドロキシキノリン(従来法で一般的に使用)を添加した場合を比較検討してみると、8−ヒドロキシキノリンでは完全にマグネシウムの反応はなくならなかったが、ADP、ATP、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸を添加した場合では、マグネシウムとキレートして反応していないのに対し、カルシウムとは反応していることが判明した。 本実施例の条件下においてADPを用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.05〜5.0%であり、より好ましくは0.2〜2.0%であった。 本実施例の条件下においてATPを用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.01〜1.0%であり、より好ましくは0.05〜0.5%であった。 本実施例の条件下においてピロリン酸を用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.01〜1.0%であり、より好ましくは0.05〜0.5%であった。 本実施例の条件下においてトリポリリン酸を用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.002〜1.0%であり、より好ましくは0.005〜0.5%であった。 本実施例の条件下においてポリリン酸を用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.002〜1.0%であり、より好ましくは0.005〜0.5%であった。《実施例2:アルセナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系における一般式(I)で表される化合物の効果の確認》 試薬として下記試薬を用いること以外は、実施例1の操作を繰り返した。試薬グッド緩衝液EPPS(株式会社 同仁化学研究所) 50mmol/L,pH8.0アルセナゾ−III(酸型;株式会社 同仁化学研究所) 20μmol/L 結果を表7〜表12及び図7〜図12に示す。一般式(I)で表される化合物を添加しない場合のCa STD又はMg STDの吸光度変化は、表7〜表9に示す実験では、それぞれ、4737及び364(単位:×104)であり、表10〜表12に示す実験では、それぞれ、3746及び283(単位:×104)であった。キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いても、クロロホスホナゾ−IIIと同様の傾向を確認した。《表7》 ADP濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 200 500 Ca STD 4514 4240 3530 2703 1844 831Mg STD 213 138 68 37 17 0 《表8》 ATP濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 200 500 Ca STD 2555 1683 793 395 194 77Mg STD 35 7 0 -6 -1 -2 《表9》ピロリン酸濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 200 500 Ca STD 2206 1194 412 190 89 29Mg STD 36 -1 -4 -10 -10 -5 《表10》トリポリリン酸濃度[% (×1/1000)] 0.1 0.2 0.5 1 2 5 10 20 50 100 200 500Ca STD 3806 3651 3509 3072 2285 995 736 284 120 45 17 8Mg STD 250 264 300 237 105 20 -2 -3 2 -3 -9 -2《表11》ポリリン酸濃度[% (×1/1000)] 0.1 0.2 0.5 1 2 5 10 Ca STD 3692 3490 2818 1888 998 366 179Mg STD 284 306 176 68 15 3 -1 《表12》8−ヒドロキシキノリン濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 Ca STD 5083 5067 5068 4788Mg STD 349 314 230 121 本実施例の条件下においてADPを用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.01〜0.5%であり、より好ましくは0.05〜0.2%であった。 本実施例の条件下においてATPを用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.005〜0.1%であり、より好ましくは0.01〜0.05%であった。 本実施例の条件下においてピロリン酸を用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.005〜0.1%であり、より好ましくは0.01〜0.05%であった。 本実施例の条件下においてトリポリリン酸を用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.0005〜0.1%であり、より好ましくは0.01〜0.05%であった。 本実施例の条件下においてポリリン酸を用いる場合、その好適濃度は、好ましくは0.0005〜0.002%であり、より好ましくは0.001〜0.005%であった。《参考例1:o−クレゾールフタレインコンプレクソン(o−CPC)を用いるカルシウム測定系におけるADPの効果の確認》 一般式(I)で表される化合物としてADPを用いること、そして、試薬として下記試薬を用いること以外は、実施例1の操作を繰り返した。試薬2−アミノエタノール 1.5mol/Lほう酸 0.1mmol/LpH11.0o−CPC(株式会社 同仁化学研究所) 0.1mmol/L 結果を表13及び図13に示す。ADPを添加しない場合のCa STD又はMg STDの吸光度変化は、それぞれ、4668及び568(単位:×104)であった。キレート発色剤としてo−CPCを用いた場合、ADPは、マグネシウム隠蔽効果を示さなかった。《表13》 ADP濃度[% (×1/1000)] 10 20 50 100 200 500 Ca STD 4538 4508 4383 4230 3970 3620Mg STD 588 570 579 571 563 583 《実施例3:クロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系におけるpHの検討》 一般式(I)で表される各化合物の濃度を、ATPで0.05%、ピロリン酸で0.1%、トリポリリン酸で0.01%、ポリリン酸で0.01%、8−ヒドロキシキノリンで0.1%としたこと、そして、試薬のpHを5段階(pH5.5、pH6.0、pH6.5、pH7.0、pH7.5)としたことを除き、実施例1の操作を繰り返した。 結果を図14〜図19に示す。 ATP、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸を添加した場合、pH5.5〜pH7.5のいずれのpHでも、マグネシウムの反応を抑え、かつカルシウムを測定することができることが判明した。また、これらの化合物を添加しなかったり、従来、一般的にマグネシウムのキレート剤として使用されている8−ヒドロキシキノリンを用いてもマグネシウムの反応を完全に抑えることができないことが確認された。 本発明は、臨床検査診断試薬分野におけるカルシウム測定の用途に適用することができる。本発明によれば、試薬を長時間保存しても安定であり、マグネシウムの干渉作用も抑えて正確にカルシウムを測定することが可能であり、臨床検査診断試薬分野で極めて有用である。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のADP存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のATP存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のピロリン酸存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のトリポリリン酸存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のポリリン酸存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度の8−ヒドロキシキノリン存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のADP存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のATP存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のピロリン酸存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のトリポリリン酸存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のポリリン酸存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてアルセナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種濃度の8−ヒドロキシキノリン存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてo−クレゾールフタレインコンプレクソンを用いるカルシウム測定系において、各種濃度のADP存在下で、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(570nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系において、各種pHにて、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系(0.05%ATP存在下)において、各種pHにて、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系(0.1%ピロリン酸存在下)において、各種pHにて、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系(0.01%トリポリリン酸存在下)において、各種pHにて、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系(0.01%ポリリン酸存在下)において、各種pHにて、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。キレート発色剤としてクロロホスホナゾ−IIIを用いるカルシウム測定系(0.1%8−ヒドロキシキノリン存在下)において、各種pHにて、カルシウム標準水溶液及びマグネシウム標準水溶液の吸光度変化(660nm)を測定した結果を示すグラフである。 (1)2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤、及び(2)一般式(I):[式中、基R1は、水素原子又はヌクレオシド残基であり、nは2以上の整数である]で表される化合物又はその塩を含む、カルシウム測定試薬であって、被検試料と前記キレート発色剤と前記化合物又はその塩とを混合して得られる反応液中の前記化合物又はその塩の最終濃度が0.0005W/V%以上となる量で前記化合物又はその塩を含む、前記カルシウム測定試薬。 2,7-ビス(フェニルアゾ)-1,8-ジヒドロキシ-3,6-ナフタレンジスルホン酸系キレート発色剤を用いるカルシウム測定方法であって、一般式(I):[式中、基R1は、水素原子又はヌクレオシド残基であり、nは2以上の整数である]で表される化合物又はその塩の存在下で、被検試料と前記キレート発色剤との反応を実施し、この反応時の反応液中の前記化合物又はその塩の最終濃度が0.0005W/V%以上であることを特徴とする、前記カルシウム測定方法。


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