タイトル: | 公開特許公報(A)_被膜の密着性評価方法 |
出願番号: | 2006111709 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | G01N 19/04 |
山川 昌哉 JP 2007285795 公開特許公報(A) 20071101 2006111709 20060414 被膜の密着性評価方法 凸版印刷株式会社 000003193 山川 昌哉 G01N 19/04 20060101AFI20071005BHJP JPG01N19/04 B 2 3 OL 7 本発明は、ブラックマトリクス、R,G,B等の着色フィルタ層、オーバーコート層及び透明電極等が形成されたカラーフィルタ基板の各被膜と基板との密着性を評価するための被膜の密着性評価方法に関するものである。 最近カラー液晶ディスプレイパネルの構成部材として、ガラス等の透明基板上にブラックマトリクス、R,G,B等の着色フィルタ層、オーバーコート層及び透明電極等が形成されたカラーフィルタ基板とガラス等の透明基板上に液晶駆動ドライバーを備えた液晶駆動用基板とが使用されている。 カラーフィルタ基板と液晶駆動用基板とは、カラーフィルタ基板と液晶駆動用基板の周辺部をシール材により貼り合わせ、シールしてセルを作製し、セル内に液晶を注入し、封止することでカラー液晶ディスプレイパネルを作製している。 上記カラーフィルタ基板と液晶駆動用基板の周辺部をシール剤により貼り合わせ、シールしてセルを作製する際、シール剤とカラーフィルタ基板との密着性が要求され、カラーフィルタ基板と液晶駆動用基板とのシール部では所定のシール強度が要求される。 上記のシール剤とカラーフィルタ基板との密着性を評価するためには、まず、ガラス等の透明基板上にブラックマトリクス、R,G,B等の着色フィルタ層、オーバーコート層及び透明電極等が形成されたカラーフィルタ基板の各被膜と透明基板との密着性を定量的に把握する必要性がでてくる。 被膜と基板との密着性を評価する評価方法の一つとして、テープ剥離試験というのがある。これは、基板上に形成された被膜を横、縦に1mm間隔でカッティング溝を入れて100個の升目を作り、その上からセロファンテープを貼り付け、引き剥がして100個の升目の内セロファンテープに取られた升目の数を勘定して、レジスト膜と基板の密着性を評価する方法である(例えば、非特許文献1参照)。 上記の被膜と基板の密着性の評価方法では、被膜と基板の密着性が有る程度弱い場合には、それなりに定量評価が可能であるが、最近の被膜は基板に対する密着性が向上しており、上記のテープ剥離試験方法では、被膜と基板との密着性を定量的に評価することが難しくなっているという問題を有している。JIS K 5600−5−6 塗料一般試験方法−塗膜の機械的性質−付着性(クロスカット法) 本発明は、上記問題点に鑑み考案されたもので、ガラス等の基板上にブラックマトリクス、R,G,B等の着色フィルタ層、オーバーコート層及び透明電極等の各被膜が形成されたカラーフィルタ基板の各被膜と基板との密着性を定量的に評価するための被膜の密着性評価方法を提供することを目的とする。 本発明に於いて上記課題を達成するために、まず、請求項1では、基板上に少なくとも遮光層、R,G,B等の着色フィルタ層、オーバーコート層、透明電極等の各被膜が形成されカラーフィルタ基板を一定のサイズに切り出した測定サンプル基板と対向基板とを熱硬化性接着剤にて貼り合わせた測定評価用基板を作製し、前記測定評価用基板の接着部分に荷重を加えることにより被膜と基板との剥離状態及び剥離強度を測定することを特徴とする被膜の密着性評価方法としたものである。 また、請求項2では、前記測定評価用基板を一定の間隔を有する2個の測定用治具上に載置し、前記測定評価用基板の接着部分が測定用治具間の中心にくるようにして、荷重試験機により前記測定評価用基板の接着部分に荷重を加え、前記測定評価用基板の測定サンプル基板と対向基板とが剥離する際のピーク数値及び接着面積を測定することにより、単位面積あたりの剥離強度を算出することを特徴とする請求項1記載の被膜の密着性評価方法としたものである。 本発明の被膜と基板との密着性評価方法によると、被膜−基板間の密着性を定量的に評価することにより、被膜と基板間相互の密着強度及び各被膜の密着性比較が可能となる。このため、より密着性の高い被膜を形成するための各種被膜材料、プロセスの開発が可能となる。 以下、本発明の実施の形態につき説明する。図1は、本発明の被膜と基板との密着性評価方法で使用する測定評価用基板の一例を示す模式構成概略図である。図3は、測定評価用基板を加重試験機にかけて、被膜と基板との剥離強度を測定している状態を示す説明図である。 本発明の被膜と基板との密着性評価方法は、まず、図2に示すような、被膜形成領域に遮光層、R,G,B等の着色フィルタ層、オーバーコート層、透明電極等の各被膜が形成されカラーフィルタ基板を所定サイズに加工して測定用サンプル基板10を作製する。測定用サンプル基板10のサイズは、70mm×5mm程度である。 次に、スライドガラス等からなる基板を所定サイズに加工して対向基板20を作製する。対向基板20のサイズは、70mm×5mm程度である。 次に、測定用サンプル基板10もしくは対向基板20のいずれかの基板端部に熱硬化性接着剤を塗布し、測定用サンプル基板10と対向基板20とを貼り合わせ、加熱硬化して図1(a)及び(b)に示すような測定用サンプル基板10と対向基板20の端部が接着層31で貼り合わされた測定評価用基板100を作製する。 接着層31の面積、膜厚は剥離強度に直接影響するので、接着剤の量、粘度、貼り合わせ方法、作業環境(温度、湿度)をなるべく一定にして、一定の面積、膜厚になるようにして、接着層31の面積、膜厚を精度良く測定する。接着層31の面積はどうしてもバラツキが発生するため、単位面積当たりの剥離強度(kg/mm2)に換算することにより、接着層の面積を配慮せずに各被膜の剥離強度の比較ができる。 次に、測定評価用基板100を図3に示すような荷重試験機に設けた測定評価用基板の載置治具41上に載置し、測定評価用基板100の貼り合わせ部の接着層31が測定評価用基板の載置治具41間の中心にくるようにして、荷重を加えることにより被膜が基板から剥離するときの剥離強度(kg)を測定し、測定評価用基板100の剥離強度を測定する。ここで、測定された剥離強度(kg)を接着層31の面積で除して、単位面積当たりの剥離強度(kg/mm2)に換算することにより、接着層の面積を配慮せずに各被膜の剥離強度の比較ができる。また、測定評価用基板の載置治具41は銅、鉄、真鍮等の金属材を加工することにより容易に作製することができる。 以下に、本考案の具体的実施例について説明する。 まず、0.7mm厚の低膨張ガラスからなる基板上にアクリル系樹脂にカーボンブラックを分散した黒色感光性樹脂溶液をスピンナー等により塗布、乾燥して、黒色感光性樹脂層を形成し、所定のパターンが形成されたフォトマスクを用いてパターン露光、現像等のパターニング処理を行って、基板の所定位置にブラックマトリクスを形成した。 次に、アクリル系の感光性樹脂に赤色顔料(例えば、ジアントラキノン系顔料)を分散した赤色感光性樹脂溶液をブラックマトリクスが形成された基板上にスピンナー等を用いて塗布して赤色感光性樹脂層を形成し、所定のパターンが形成されたフォトマスクを用いてパターン露光、現像等のパターニング処理を行って、基板の所定位置に1.5μm厚の赤色フィルタを形成した。 次に、アクリル系の感光性樹脂に緑色顔料(例えば、フタロシアニングリーン系顔料)を分散した緑色感光性樹脂溶液をブラックマトリクス及び赤色フィルタが形成された基板上にスピンナー等を用いて塗布して緑色感光性樹脂層を形成し、所定のパターンが形成されたフォトマスクを用いてパターン露光、現像等のパターニング処理を行って、基板の所定位置に1.5μm厚の緑色フィルタを形成した。 次に、アクリル系の感光性樹脂に青色顔料(例えば、フタロシアニンブルー系顔料)を分散した青色感光性樹脂溶液をブラックマトリクス、赤色フィルタ及び緑色フィルタが形成された基板上にスピンナー等を用いて塗布して青色感光性樹脂層を形成し、所定のパターンが形成されたフォトマスクを用いてパターン露光、現像等のパターニング処理を行って、基板の所定位置に1.5μm厚の青色フィルタを形成した。 次に、酸化インジウム錫系の合金ターゲットをスパッタリングして、ブラックマトリクス、赤色フィルタ、緑色フィルタ及び青色フィルタが形成された基板上にITO膜からなる透明導電膜を成膜して透明電極を形成し、基板上にブラックマトリクス、赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタ及び透明電極の各被膜が形成されたカラーフィルタ基板を作製した(図2参照)。 次に、カラーフィルタ基板を切断加工して70mm×25mmサイズの測定用サンプル基板10を作製した。 次に、1.5mm厚の低膨張ガラスを切断加工して70mm×25mmサイズの対向基板20を作製した。 次に、測定用サンプル基板10の端部に加熱硬化性接着剤(ストラクトボンド)を塗布し、対向基板20を貼り合わせ、加熱硬化して、測定用サンプル基板10と対向基板20とが接着層31で貼り合わされた測定評価用基板100を作製した(図1(a)及び(b)参照)。ここで、接着層31の面積は20mm2、膜厚は0.1mmであった。 次に、測定評価用基板100を図3に示すような荷重試験機に設けた測定評価用基板の載置治具41上に載置し、測定評価用基板100の貼り合わせ部の接着層31が測定評価用基板の載置治具41間の中心にくるようにして、荷重を加えることにより被膜が基板から剥離するときの剥離強度を測定した。剥離強度は、40kgで、単位面積当たりの剥離強度は2.0kg/mm2であった。 上記したように、被膜の密着性評価方法を用いて被膜と基板との剥離強度を測定することにより、基板上に形成された各種被膜の密着強度を容易に、精度良く測定することができる。(a)及び(b)は、本発明の被膜の密着性評価方法で使用する測定評価用基板の一例を示す模式構成概略図である。本発明の被膜の密着性評価方法で使用するカラーフィルタ基板の一例を示す説明図である。測定評価用基板を荷重試験機にかけて、被膜と基板との剥離強度を測定している状態を示す模式構成概略図である。符号の説明10……測定用サンプル基板20……対向基板31……接着層41……測定評価用基板の載置治具100……測定評価用基板 基板上に少なくとも遮光層、R,G,B等の着色フィルタ層、オーバーコート層、透明電極等の各被膜が形成されカラーフィルタ基板を一定のサイズに切り出した測定サンプル基板と対向基板とを熱硬化性接着剤にて貼り合わせた測定評価用基板を作製し、前記測定評価用基板の接着部分に荷重を加えることにより被膜の剥離状態及び剥離強度を測定することを特徴とする被膜の密着性評価方法。 前記測定評価用基板を一定の間隔を有する2個の測定評価用基板の載置治具上に載置し、前記測定評価用基板の接着部分が測定評価用基板の載置治具間の中心にくるようにして、荷重試験機により前記測定評価用基板の接着部分に荷重を加え、前記測定評価用基板の測定サンプル基板と対向基板とが剥離する際のピーク数値及び接着面積を測定することにより、単位面積あたりの剥離強度を算出することを特徴とする請求項1記載の被膜の密着性評価方法。 【課題】ガラス等の基板上にブラックマトリクス、R,G,B等の着色フィルタ層、オーバーコート層及び透明電極等の各被膜が形成されたカラーフィルタ基板の各被膜と基板との密着性を定量的に評価するための被膜の密着性評価方法を提供することを目的とする。【解決手段】熱硬化性接着剤にて測定用サンプル基板10と対向基板20とを貼り合わせ、加熱硬化して、測定用サンプル基板10と対向基板20の端部が接着層31で貼り合わされた測定評価用基板100を作製し、荷重試験機に設けた測定評価用基板の載置治具41上に載置し、測定評価用基板100の貼り合わせ部の接着層31が測定評価用基板の載置治具41間の中心にくるようにして、荷重を加えることにより被膜が基板から剥離するときの剥離強度(kg)を測定し、接着層31の面積で除して、単位面積当たりの剥離強度(kg/mm2)に換算する。【選択図】図3