タイトル: | 公開特許公報(A)_歯科用樹脂材料及び歯科用成型体 |
出願番号: | 2006087118 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 6/08,A61C 13/00,A61C 5/08,A61C 13/08,A61C 13/267,A61C 7/00,A61K 6/083 |
仙波 健 明田 喜仁 北川 和男 JP 2007261970 公開特許公報(A) 20071011 2006087118 20060328 歯科用樹脂材料及び歯科用成型体 株式会社ニッシン 391011490 仙波 健 502085053 北川 和男 394024411 武石 靖彦 100068032 村田 紀子 100080333 徳岡 修二 100115222 重本 博充 100124796 大角 菜穂子 100125586 仙波 健 明田 喜仁 北川 和男 A61K 6/08 20060101AFI20070914BHJP A61C 13/00 20060101ALI20070914BHJP A61C 5/08 20060101ALI20070914BHJP A61C 13/08 20060101ALI20070914BHJP A61C 13/267 20060101ALI20070914BHJP A61C 7/00 20060101ALI20070914BHJP A61K 6/083 20060101ALI20070914BHJP JPA61K6/08 JA61C13/00 DA61C5/08A61C13/08 ZA61C13/267A61C7/00 ZA61K6/083 5 OL 9 4C052 4C059 4C089 4C052JJ09 4C059FF17 4C059GG04 4C059JJ15 4C059SS04 4C089AA03 4C089AA07 4C089BC05 4C089BE01 4C089CA06この発明は、吸水率が低く、口腔内で長期使用しても汚れが発生し難い特性を有することにより、義歯床、暫間被覆冠、人工歯等を製造するのに適した歯科用樹脂材料に関する。又、本発明は、このような歯科用樹脂材料を用いて成型された各種歯科用成型体(義歯床、暫間被覆冠、人工歯、歯科用矯正具及びクラスプ)に関するものでもある。 これまで歯科分野では、義歯床、暫間被覆冠、人工歯等を製造するための原料として、ポリカーボネート樹脂が使用されており、例えば下記の特許文献1には、歯科用ポリマーとして、丸みのある形状に形成されたポリカーボネート樹脂が開示されている。特開平7−88120号公報ポリカーボネート樹脂は、理工学的性質(機械的強度,耐熱性等)が優れており、透明樹脂であるため歯科材料(義歯床、暫間被覆冠、人工歯等)として必要な色に着色が可能であるとの特徴がある。しかし、その一方で、吸水率が約0.4%あり、長期間、口腔内で使用すると唾液などを吸水することが原因の一つとなって、汚れや臭いが発生するとの問題もあった。例えば、長期間使用しても汚れが発生しにくい義歯床を製造するのに適した歯科用樹脂材料の条件としては、1)透明性を有すること、2)高い機械的強度(曲げ弾性率が2500MPa以上)を有すること、3)低い吸水率(0.4%以下)を有すること、4)一般の歯科用補修材にて修理が可能であり、高い接着力(5.0MPa以上)を有すること等が挙げられる。 本発明は、上述の従来のポリカーボネート樹脂の欠点を解消し、理工学的性質を損なうことなく、吸水率が低く(0.4%以下)、口腔内で長期間使用しても汚れが発生し難い義歯床等を製造するのに適した歯科用樹脂材料を提供することを課題とする。 本発明者等は種々検討を行った結果、特許請求の範囲に規定される特殊な環状オレフィンポリマーが上記の歯科用樹脂材料の必要条件を全て満たし、義歯床の吸水率を低くするために、この環状オレフィンポリマーを用いて義歯床(歯科用成型体の1種)を作製したところ、その吸水量を0.4%以下にすることができ、このようなポリマーから成る義歯床を口腔内で長期間使用しても汚れが発生し難いことを見い出して、本発明を完成した。 本発明の歯科用樹脂材料は、下記の環状オレフィンポリマーA〜C:環状オレフィンポリマーA:ノルボルネンを開環メタセシス重合し、更に無水マレイン酸をグラフト重合することによって得られたポリマーであって、当該ポリマーのガラス転移点が100℃以上であり、吸水率が0.4%以下であり、曲げ弾性率が2300MPa以上である変性環状オレフィンポリマー、環状オレフィンポリマーB:ノルボルネンをα‐オレフィンと共重合させ、更に無水マレイン酸をグラフト重合することによって得られたコポリマーであって、当該コポリマーのガラス転移点が100℃以上であり、吸水率が0.4%以下であり、曲げ弾性率が2300MPa以上である変性ノルボルネンコポリマー、及び環状オレフィンポリマーC:下記のノルボルネン系骨格を有するコポリマーであって、当該コポリマーのガラス転移点が100℃以上であり、吸水率が0.4%以下であり、曲げ弾性率が2300MPa以上である変性トリシクロデカンコポリマーから成るグループより選ばれた環状オレフィンポリマーの少なくとも1種から成ることを特徴とする。 又、本発明は、上記の特徴を有した歯科用樹脂材料において、前記環状オレフィンポリマーAとBの混合物であり、当該混合物における前記環状オレフィンポリマーA:Bの重量割合が70〜90:30〜10であることを特徴とするものである。 更に本発明は、上記の特徴を有した歯科用樹脂材料において、歯科用途に適した着色剤が添加されていることを特徴とするものでもある。 又、本発明は、上記の歯科用樹脂材料のいずれかより成ることを特徴とする歯科用成型体でもある。 更に本発明は、前記歯科用成型体が、義歯床、暫間被覆冠、人工歯、歯科用矯正具及びクラスプから成るグループより選ばれたものであることを特徴とするものである。 本発明の歯科用樹脂材料は、優れた透明性を有し、機械的強度が高く、吸水率が低く、高い接着性を示し、従来のポリカーボネート樹脂の欠点を解決可能なものである。特に、吸水率が低いために(0.4%以下)、口腔内で長期間使用しても汚れが発生し難く、義歯床、暫間被覆冠、人工歯、歯科用矯正具、クラスプ等の歯科用成型体を製造するのに好適である。 まず、本発明の歯科用樹脂材料を構成する環状オレフィンポリマーA〜Cについて説明する。 本発明における環状オレフィンポリマーAは、ノルボルネン単量体をメタセシス開環重合して得られた生成物に、更に無水マレイン酸をグラフト重合することによって得られたポリマー(変性環状オレフィンポリマー)で、このポリマーは、100℃以上のガラス転移点を有し、しかも0.4%以下、特に0.01%以下の吸水率を有し、2300MPa以上の曲げ弾性率を有する。このような化学構造及び物性を有する環状オレフィンポリマーAは、例えば日本ゼオン社から市販されている環状オレフィンポリマー(商品名:Zeonor)をグラフト重合することによって合成でき、特に好ましいグレードとしては、ZEONOR 1020R,1060R,1410R,1420R等が挙げられる。 尚、上記の環状オレフィンポリマーに無水マレイン酸をグラフト重合させる際の重合方法としては公知の方法が利用でき、例えば環状オレフィンポリマー100重量部に対し,無水マレイン酸5部,2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン0.25部及びトリアリルイソシアヌレート0.25部を260℃の条件下において,インターナルミキサーもしくは二軸押出機を用いて反応させる方法が挙げられる。 又、本発明における環状オレフィンポリマーBは、ノルボルネンをα‐オレフィン(特にエチレン)と共重合させて得られた生成物に、更に無水マレイン酸をグラフト重合することによって得られたコポリマー(変性ノルボルネンコポリマー)で、このコポリマーも、前記の環状オレフィンポリマーAと同様、100℃以上のガラス転移点を有し、0.4%以下、特に0.01%以下の吸水率を有し、2300MPa以上の曲げ弾性率を有する。このような化学構造及び物性を有する環状オレフィンポリマーBを合成するには、無水マレイン酸によるグラフト重合を行う出発原料として、ポリプラスチックス社から市販されている環状オレフィンポリマー(商品名:Topas)が利用でき、特に好ましいグレードとしては、TOPAS 5013,6013,6015,6017等が挙げられる。グラフト重合方法については、前記の環状オレフィンポリマーAと同様である。 又、本発明における環状オレフィンポリマーCは、前記〔化1〕で表されるノルボルネン系骨格を有するコポリマー(変性トリシクロデカンコポリマー)で、前記〔化1〕中のR1が炭素数1〜10の炭化水素基、特に炭素数1〜10のアルキル基(例えばメチル基やエチル基)を示し、R2が炭素数1〜20の炭化水素基、特に炭素数1〜20のアルキル基を示し、このコポリマーのガラス転移点は100℃以上であり、吸水率は0.4%以下、特に0.2%以下であり、曲げ弾性率は2300MPa以上である。このような化学構造及び物性を有するものとしては、JSR社から市販されている環状オレフィンポリマー(商品名:Arton)が利用でき、特に好ましいグレードとしては、ARTON FX4726,FX4727,D4531,D4532,F5023等が挙げられる。 このように、本発明の歯科用樹脂材料を構成する環状オレフィンポリマーA〜Cはいずれも、100℃以上のガラス転移点を有し、0.4%以下の吸水率を有し、2300MPa以上の曲げ弾性率を有するが、これに対して、従来品である一般的なポリカーボネートの物性は、曲げ強度が95MPa〜130MPaであり、曲げ弾性率が2500MPa〜4550MPaであり、吸水率が0.4%で、接着強度は15MPaである。 従って、本発明における環状オレフィンポリマーA〜Cは、従来のポリカーボネートと同等の曲げ弾性率を有しながら、ポリカーボネートよりも吸水率が極めて小さく、このため、長期間、口腔内で使用された場合であっても、唾液などを吸水が少なく、汚れや臭いの発生が顕著に抑制されるという作用効果を発揮する。 本発明では、機械的強度を向上させ、曲げ強度、曲げ弾性率、耐衝撃性のバランスのとれた歯科用樹脂材料とするために、上記の環状オレフィンポリマーAとBとを混合することが好ましく、この際、環状オレフィンポリマーA:Bの重量割合は70〜90:30〜10であることが好ましい。尚、上記の本発明の歯科用樹脂材料には、歯科用途に適した着色剤、例えば、有機顔料等が添加されてもよく、又、曲げ強度及び曲げ弾性率を高める目的でフィラー、例えば繊維状強化剤が添加されてもよい。フィラーを添加する場合、上記環状オレフィンポリマー:フィラーの重量割合が90〜97:10〜3となるようにすることが好ましい。フィラーの配合割合が10重量%を超えると、曲げ強度と曲げ弾性率は大きくなるが、吸水性が増加して接着強度が低下する傾向となるので好ましくない。 次に、本発明の歯科用成型体について説明する。 この歯科用成型体は、上述の本発明の歯科用樹脂材料から成るものであり、具体的な形態としては、義歯床、暫間被覆冠、人工歯、歯科用矯正具、クラスプ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。 又、本発明の歯科用成型体を製造する際の方法についても特に限定されるものではないが、一般な射出成形機を用い、上述の環状オレフィンポリマーを250〜280℃程度のシリンダー温度にて溶融させ、加温された金型内に射出して成形を行う射出成形法が好ましい。上述の環状オレフィンポリマーA〜Cはいずれも成形加工性が良く、耐熱性、耐薬品性の点でも優れている。 以下、本発明の実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はここに挙げられているものに限定されるものではない。実施例1:本発明の歯科用樹脂材料を構成する環状オレフィンポリマーA,Bの合成例(環状オレフィンポリマーAの合成) 出発原料として、市販の環状オレフィンポリマー(日本ゼオン社製のZeonor 1420R(商品名))を用い、環状オレフィンポリマー100重量部に対し,無水マレイン酸5.0部,2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン0.25部及びトリアリルイソシアヌレート0.25部を260℃の条件下において,インターナルミキサーを用いて反応させた。(環状オレフィンポリマーBの合成) 出発原料として、ポリプラスチックス社のTopas 6015(商品名)を使用した以外は全て上記合成方法と同様にしてグラフト重合を行い、環状オレフィンポリマーBを合成した。実施例2:本発明の歯科用樹脂材料を構成する環状オレフィンポリマーA〜Cの物性比較 上記の合成方法により得た環状オレフィンポリマーA,Bの他に、JSR社から市販されているArton D4531(商品名)を環状オレフィンポリマーCとして準備した。又、比較用として、上記のグラフト重合を行う前の出発原料である日本ゼオン社製のZeonor 1420R(商品名))及びポリプラスチックス社のTopas 6015(商品名)を、環状オレフィンポリマーA’,B’として準備した。 そして、上記の各環状オレフィンポリマーについて、下記の試験方法に従って、曲げ強度、曲げ弾性率、接着強度、吸水率、耐衝撃強度を測定した。〔試験方法〕a)曲げ強度、曲げ弾性率測定(n=4) 上記の各環状オレフィンポリマーを用いて金型を用いた射出成形により、幅10mm、厚さ3mmの細長板状の各種試験体を成形した後、オートグラフAG−50B(島津製作所製)を使用し、支点間距離50mm、テストスピード5mm/minの条件にて曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。b)接着強度測定(n=4) 上記の各環状オレフィンポリマーを用いて金型を用いた射出成形により、20mm×20mm×3mmの大きさの試験体を製造し、このようにして製造した各成型体について、φ5mm開孔のマスキングテープを貼り、接着面積を規定した。次に、義歯床用補修レジンのリバース(商品名:(株)ニッシン社製)によりφ5mmのアクリル棒を植立した。試験体を3時間以上静地させた後、オートグラフAG−50B(島津製作所製)を使用し、支点間距離50mm、テストスピード2mm/minの条件にて引張試験を行い、接着強度を評価した。c)吸水率測定(n=3) 上記b)と同様にして、20mm×20mm×3mmの大きさに調整した各種成型体を、乾燥したシリカゲルが入っているデシケータ内に保管し、恒量にした。この時の試験片の乾燥重量をW1とする。 試験片が恒量になった後、37±1℃の水中に7日間浸漬し、7日後の重量を測定した。水中浸漬直後の試験片の重量をW2とする。 吸水率は次式によって求めた。 吸水率(%) =(W2−W1)/W1 ×100d)耐衝撃試験(n=5) 長さ80mm、厚さ10mm、幅3mmのサイズに調整した各種成型体について、2mmの切欠き深さを付与したものを試験体とし、切欠き部の反対側を衝撃するアイゾット衝撃試験方法により耐衝撃強度を測定した。 上記の試験方法に従って測定された結果を以下の表1に示す。 上記表1の実験結果から、環状オレフィンポリマーA,Bは、マレイン酸をグラフト重合する前の環状オレフィンポリマーA’,B’に比べて、曲げ強度、曲げ弾性率、吸水率の点ではほぼ同等であるが、0.01%未満の吸水率を示し、接着強度が著しく改善され、歯科用材料として問題のない接着性を有した材料であることがわかった。又、環状オレフィンポリマーCは、高い接着性を有し、環状オレフィンポリマーA,Bよりも大きい吸水率を示すが、従来品であるポリカーボネートの吸水率(0.4%)の半分であることが確認された。このような吸水率により、本発明の歯科用樹脂材料を構成する環状オレフィンポリマーA〜Cはいずれも、口腔内で長期間使用した場合であっても唾液の吸収が少なく、汚れや臭いが発生し難い材料であることもわかった。実施例3:環状オレフィンポリマーAと環状オレフィンポリマーBとの混合による効果 前記実施例1で得た環状オレフィンポリマーA及びBを、以下の表2に記載される混合割合(重量割合)で混合し、上記実施例2に記載される試験方法と同様にして、各混合ポリマー組成物の物性を測定した。 その結果を以下の表2に示す。 上記表2の実験結果から、環状オレフィンポリマーAに環状オレフィンポリマーBをブレンドすることにより機械的強度(曲げ強度、曲げ弾性率)を向上させることができるが、環状オレフィンポリマーBの割合を大きくすると耐衝撃性が低下する傾向が見られ、各種の歯科用成形体の実用強度を考慮すると、A:Bの混合割合は70〜90:30〜10の範囲が適当であると考えられる。実施例4:本発明の環状オレフィンポリマーへのフィラー添加の効果 上記実施例2で使用した環状オレフィンポリマーCに、市販のフィラー(繊維状強化材)を、以下の表3に記載される添加割合で添加し、上記実施例2に記載される試験方法と同様にして、各混合ポリマー組成物の物性を測定した。その結果を以下の表3に示す。 上記表3の実験結果から、表3に記載される範囲のフィラーを添加した場合には、吸水率、耐衝撃強度、接着強度をほとんど低下させることなく、曲げ強度及び曲げ弾性率を向上させることが可能であることがわかった。下記の環状オレフィンポリマーA〜C:環状オレフィンポリマーA:ノルボルネンを開環メタセシス重合し、更に無水マレイン酸をグラフト重合することによって得られたポリマーであって、当該ポリマーのガラス転移点が100℃以上であり、吸水率が0.4%以下であり、曲げ弾性率が2300MPa以上である変性環状オレフィンポリマー、環状オレフィンポリマーB:ノルボルネンをα‐オレフィンと共重合させ、更に無水マレイン酸をグラフト重合することによって得られたコポリマーであって、当該コポリマーのガラス転移点が100℃以上であり、吸水率が0.4%以下であり、曲げ弾性率が2300MPa以上である変性ノルボルネンコポリマー、及び環状オレフィンポリマーC:下記のノルボルネン系骨格を有するコポリマーであって、当該コポリマーのガラス転移点が100℃以上であり、吸水率が0.4%以下であり、曲げ弾性率が2300MPa以上である変性トリシクロデカンコポリマーから成るグループより選ばれた環状オレフィンポリマーの少なくとも1種から成ることを特徴とする歯科用樹脂材料。前記環状オレフィンポリマーAとBの混合物であり、当該混合物における前記環状オレフィンポリマーA:Bの重量割合が70〜90:30〜10であることを特徴とする請求項1に記載の歯科用樹脂材料。歯科用途に適した着色剤が添加されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯科用樹脂材料。請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯科用樹脂材料から成ることを特徴とする歯科用成型体。前記歯科用成型体が、義歯床、暫間被覆冠、人工歯、歯科用矯正具及びクラスプから成るグループより選ばれたものであることを特徴とする請求項4に記載の歯科用成型体。 【課題】従来のポリカーボネート樹脂の欠点を解決し、口腔内で長期間使用しても汚れが発生し難く、義歯床、暫間被覆冠、人工歯等の歯科用成型体を製造するのに適した歯科用樹脂材料を提供する。【解決手段】ノルボルネンを開環メタセシス重合し、更に無水マレイン酸をグラフト重合することによって得られた環状オレフィンポリマーA、ノルボルネンをα‐オレフィンと共重合させ、更に無水マレイン酸をグラフト重合することによって得られた環状オレフィンポリマーB、特定のノルボルネン系骨格を有する環状オレフィンポリマーCのうちの少なくとも1種から成り、これら環状オレフィンポリマーA〜Cはいずれも、ガラス転移点が100℃以上で、吸水率が0.4%以下で、曲げ弾性率が2300MPa以上である。本発明の歯科用成型体は、これらポリマーを用いた射出成形等により製造される。【選択図】なし