生命科学関連特許情報

タイトル:再公表特許(A1)_吸着多孔体の製造法
出願番号:2006080312
年次:2008
IPC分類:A61K 31/50,A61K 47/02,A61K 9/14,A61P 37/00,A61P 29/00,A61P 9/10


特許情報キャッシュ

三浦 博志 春田 純江 竹内 洋文 JP WO2006080312 20060803 JP2006301061 20060124 吸着多孔体の製造法 興和株式会社 000163006 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 的場 ひろみ 100101317 大野 詩木 100134935 三浦 博志 春田 純江 竹内 洋文 JP 2005016308 20050125 A61K 31/50 20060101AFI20080523BHJP A61K 47/02 20060101ALI20080523BHJP A61K 9/14 20060101ALI20080523BHJP A61P 37/00 20060101ALI20080523BHJP A61P 29/00 20060101ALI20080523BHJP A61P 9/10 20060101ALI20080523BHJP JPA61K31/50A61K47/02A61K9/14A61P37/00A61P29/00A61P9/10 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20080619 2007500520 13 4C076 4C086 4C076AA31 4C076AA36 4C076BB01 4C076CC04 4C076CC07 4C076CC11 4C076DD27 4C076DD29 4C076FF01 4C076FF70 4C076GG01 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC41 4C086MA02 4C086MA05 4C086NA02 4C086NA20 4C086ZA36 4C086ZB07 4C086ZB11 本発明は、溶出性に優れた2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン吸着多孔体の製造法に関する。 2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンは、優れたインターロイキン−1β産生抑制作用を有し、免疫系疾患、炎症性疾患、虚血性疾患等の予防及び治療薬として有用であることが知られている(特許文献1)。しかし、この化合物は極めて水に溶け難く、それを含有する製剤からの溶出性が悪く、溶出性の改善が求められていた。 難水溶性薬物の溶出性改善法として、薬物の微細化や誘導体の作製等の技術が知られている。しかし、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンは、微細化では溶出性は改善されず、誘導体にすると薬効が変化するため好ましくない。 また、薬剤の製剤からの溶出性を改善する方法として、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン等の超難水溶性薬物及び多孔体を含有する組成物を、二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体を用いて処理する方法(特許文献2)が知られているが、二酸化炭素を超臨界状態又は亜臨界状態にするため、耐圧性の容器、装置等を使用する必要があって、また製造方法が煩雑となるので好ましくない。特開平12−198776号公報WO2004/096280号公報 本発明の目的は、溶出性が優れた2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン製剤の簡便な製造法を提供することにある。 本発明者等は、溶出性が優れた2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンを含有する製剤の簡便な製造法について鋭意検討した結果、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンをハロゲン系有機溶媒に溶解した溶液で、多孔体を処理すると、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンが多孔体に吸着し、その溶出性が優れていることを見出し、本発明を完成した。 すなわち、多孔体を、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンを溶解したハロゲン系有機溶媒で処理することを特徴とする2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン吸着多孔体の製造法を提供するものである。 また、本発明は上記製造法で製造した2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン吸着多孔体及びそれを含有する医薬組成物を提供するものである。 更に、本発明は2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンをハロゲン系有機溶媒に溶解し、これを用いて多孔体を処理することを特徴とする2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンの溶出性向上方法を提供するものである。 本発明によれば、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン吸着多孔体を簡便に製造することができ、得られた吸着多孔体は2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンの溶出性に優れる。 本発明の2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン吸着多孔体(以下、本発明吸着多孔体と記載することがある)中の2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン(以下、化合物Aと記載することがある)の占める割合は、0.1〜91質量%が好ましく、1〜67質量%が更に好ましく、2〜50質量%が特に好ましい。 本発明で使用する多孔体は、炭素多孔体、アルミニウム多孔体、ケイ素多孔体等が挙げられる。多孔体は、本発明吸着多孔体中の9〜99.9質量%が好ましく、33〜99質量%が更に好ましく、50〜98質量%が特に好ましい。 炭素多孔体としては、例えば、粉末活性炭、粒状活性炭、分子篩炭、ビーズ状活性炭、繊維状活性炭、高表面積活性炭、成形活性炭、ハニカム活性炭等が挙げられる。 アルミニウム多孔体としては、例えば、アルミナ、酸化アルミニウム、活性アルミナ、ベーマイトゲル、ゼオライト等が挙げられる。 ケイ素多孔体としては、例えば、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、軽質無水ケイ酸含有ヒドロキシプロピルセルロース、ケイソウ土、合成ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース、合成ケイ酸マグネシウムナトリウム、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム、ゼオライト等のシリカ多孔体が挙げられる。 本発明で使用する多孔体としては、ケイ素多孔体が好ましい。更にケイ素多孔体としては軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム等が好ましい。具体的には、市販のサイリシア250、サイリシア320、サイリシア350、サイリシア530、サイリシア740(富士シリシア化学株式会社製)、アドソリダー101、アドソリダー102(フロイント産業株式会社製)、カープレックス♯67(塩野義製薬株式会社製)、アエロジル200、アエロジル300(日本アエロジル株式会社製)、サンスフェアH-51(旭硝子株式会社製)、フローライトRE(エーザイ株式会社製)等が挙げられる。 本発明で使用する多孔体は、平均細孔直径が1〜1000nmであるのが好ましく、2〜500nmが更に好ましく、2〜200nmが特に好ましい。なお、平均細孔直径は、例えばガス吸着法により測定することができる。 本発明で使用する多孔体は、比表面積が1〜2000m2/gであるのが好ましく、100〜1800m2/gが更に好ましく、200〜1500m2/gが特に好ましい。なお、比表面積は、例えばガス吸着法により測定することができる。 本発明で使用する化合物Aと多孔体の配合質量比は、1:0.1〜1000が好ましく、1:0.5〜100が更に好ましく、1:1〜50が特に好ましい。 本発明で使用するハロゲン系有機溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等が挙げられ、特にジクロロメタンが好ましい。これらのハロゲン系有機溶媒は、単独又は混合して用いることができる。ハロゲン系有機溶媒に化合物Aを溶解した溶液で多孔体を処理して本発明吸着多孔体とすることにより、該吸着多孔体からの化合物Aの溶出性が向上する。 本発明で使用する化合物Aとハロゲン系有機溶媒との質量比は1:0.1〜1000000が好ましく、1:5〜100000が更に好ましく、1:10〜50000が特に好ましい。 ハロゲン系有機溶媒に化合物Aを溶解した液による処理時間は0.1分〜24時間が好ましく、0.5分〜12時間が更に好ましく、1分〜8時間が特に好ましい。また、処理温度は、−100〜85℃が好ましく、0〜65℃が更に好ましく、10〜40℃が特に好ましい。 ハロゲン系有機溶媒に化合物Aを溶解した液で多孔体を処理する製造工程は特に限定されないが、例えば、(1)化合物Aにハロゲン系有機溶媒を加え、化合物Aを完全に溶解した溶液に、多孔体を加えて撹拌することにより懸濁液を得た後、ハロゲン系有機溶媒を減圧留去、常圧蒸留、減圧蒸留、放置乾燥、加温乾燥、凍結乾燥、ろ過、遠心分離等で除去し、次いで、残渣を乾燥することにより吸着多孔体を回収する製造法、(2)化合物Aにハロゲン系有機溶媒を加え、化合物Aを完全に溶解した溶液に、多孔体を加えて撹拌することにより懸濁液を得た後、懸濁液を噴霧乾燥させることにより吸着多孔体を回収する製造法等が挙げられる。 このようにして製造された本発明吸着多孔体は、通常、平均粒子径が1μm以上が好ましく、1〜2000μmが更に好ましく、3〜500μmが特に好ましい。なお、平均粒子径はレーザー回折法等で測定することができる。 本発明の化合物Aを溶解したハロゲン系有機溶媒で多孔体を処理する際に、本発明の効果を妨げない限り、医薬品の添加物として許容される各種成分を所望に応じて添加することが可能であり、例えば、高分子化合物、界面活性剤等が挙げられる。 高分子化合物としては、プルラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カラギーナン、寒天、ゼラチン等が挙げられる。 界面活性剤としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、モノステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の陽イオン性界面活性剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤等が挙げられる。 本発明吸着多孔体は、そのままで医薬組成物として使用できるが、通常医薬組成物に使用される添加剤を加えて経口用医薬組成物及び非経口用医薬組成物にすることもできる。医薬組成物中には、本発明吸着多孔体は、0.1〜100質量%含有するのが好ましく、0.1〜90質量%が更に好ましく、0.1〜80質量%が特に好ましい。 経口用医薬組成物の添加剤としては、乳糖、結晶セルロース、白糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム等の賦形剤;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、プルラン等の結合剤;クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤;タール色素、三二酸化鉄等の着色剤;ステビア、アスパルテーム、香料等の矯味剤等が挙げられる。 非経口用医薬組成物の添加剤としては、ベンジルアルコール等の一価アルコール、濃グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、アジピン酸ジイソプロピル、トリアセチン、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類、クロタミトン等のケトン類、オレイン酸、ヒマシ油等の油脂類等の溶媒;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、白糖、β−シクロデキストリン等の多糖類、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコール類、カルボキシビニルポリマー、ゼラチン、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成高分子等の水溶性高分子;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の陽イオン性界面活性剤、モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤等の界面活性剤;L−メントール、dL−カンフル等のテルペン類、オレイン酸等の高級脂肪酸等の吸収促進剤;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル等のフェノール性物質、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール等の中性物質、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の逆性石けん、ビタミンE、ブチルヒドロキシアニソール等の抗酸化剤、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤、クエン酸又は酒石酸及びその塩、レシチン、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸)等のキレート剤等の安定化剤;リン酸、酢酸、ホウ酸、コハク酸、フタル酸及びその塩、グリシン、水酸化ナトリウム等のpH調整剤等が挙げられる。 本発明の医薬組成物の形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤等の経口用製剤や注射剤、坐剤、膣剤、舌下剤、インプラント剤、点眼剤、スプレー剤等の非経口用製剤が挙げられる。 本発明を、実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例1 化合物A150mgにジクロロメタン100mLを加えて完全に溶解した溶液に、軽質無水ケイ酸(サイリシア350、平均粒子径:4μm、平均細孔直径:21nm、比表面積:300m2/g;富士シリシア化学株式会社製)1500mgを加え、これを撹拌(温度:25℃、時間:10分)して懸濁液を得た。その後、エバポレーターを使用して懸濁液より減圧下ジクロロメタンを除去し、残渣を真空乾燥機で乾燥して本発明吸着多孔体1を得た。比較例1〜3 ジクロロメタンをアセトン(比較例1)、エタノール(比較例2)、アセトン/エタノール混液(1:1)(比較例3)として、実施例1と同様にして、比較例の吸着多孔体1〜3を得た。<溶出性試験> 本発明吸着多孔体1及び比較例の吸着多孔体1〜3について、溶出性試験を行なった。溶出性試験は、日局一般試験法、溶出試験法第2法(パドル法)に従って行なった。吸着多孔体55mgを、試験液(0.3質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液)900mLに投入し、温度37±1℃、パドル回転数50r/minの条件で行なった。5、30、60、120分後の試験液に溶出した化合物Aを、逆相系カラム(Inertsil ODS−2、ジーエルサイエンス社製)を用いた液体クロマトグラフにより定量し、化合物A5mgに対する溶出率(%)を算出した。 その結果を表1に示す。 本発明吸着多孔体1(実施例1)は、化合物Aの溶出性が劇的に向上した。一方、ジクロロメタンに代えてアセトン(比較例1)、エタノール(比較例2)又はアセトン/エタノール混液(1:1)(比較例3)を使用して製造した吸着多孔体から化合物Aは、ほとんど溶出しなかった。<多孔体への吸着実験> 化合物A1.5mgにジクロロメタン1.5mLを加えて完全に溶解した溶液に多孔体(軽質無水ケイ酸(サイリシア350、富士シリシア化学株式会社製)又は二酸化ケイ素(サイリシア530、富士シリシア化学株式会社製))15mgを分散させ、Roter RT−50(TAITEC)を使用して2時間振とうし、メンブランフィルター(0.45μm PTFE)でろ過したろ液の吸光度(280 nm)を測定することにより、軽質無水ケイ酸又は二酸化ケイ素に単純吸着した化合物A量(μg/mg多孔体)を算出した。なお、軽質無水ケイ酸又は二酸化ケイ素に単純吸着した化合物A量(μg/mg多孔体)は、以下の計算式より算出した。 ろ液中の化合物A濃度(μg/mL)=ABS÷検量線の傾き×希釈率 ここで、ABSは、吸光度を表わす。 吸着した化合物A量(μg/mg多孔体)=(多孔体分散前の化合物A濃度(μg/mL)−ろ液中の化合物A濃度(μg/mL))×化合物A溶液量(mL)÷多孔体質量(mg) また、比較としてジクロロメタンに換えてエタノールを使用し同様に算出を行った。その結果を表2に示す。 その結果、ジクロロメタンを使用した場合は、化合物Aは多孔体である軽質無水ケイ酸及び二酸化ケイ素に吸着したのに対し、エタノールを使用した場合は、軽質無水ケイ酸及び二酸化ケイ素に吸着しなかった。また、ジクロロメタンを使用した場合は、示差走査熱量分析の結果、化合物Aは非晶質状態として存在していた。製造例1 実施例1で製造した本発明吸着多孔体150gを1mmφ口径のスクリーンを取り付けたニュースピードミル(ND−02、岡田精工株式会社製)で整粒した。整粒した本発明吸着多孔体110g、乳糖(100メッシュ乳糖、DMV社製)42g、結晶セルロース(アビセルPH−102、旭化成株式会社製)100g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC(LH−11)、信越化学工業株式会社製)45gをV型混合機にて10分混合した後、この混合物にステアリン酸マグネシウム3gを加えて、更に5分混合した。これを打錠機(AP−38、畑鐵工所製)を用いて打錠し、1錠300mg(化合物A 10mg含有)の錠剤を製造した。 多孔体を、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンを溶解したハロゲン系有機溶媒で処理することを特徴とする2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン吸着多孔体の製造法。 多孔体が、炭素多孔体、アルミニウム多孔体又はケイ素多孔体である請求項1記載の吸着多孔体の製造法。 多孔体が、ケイ素多孔体である請求項1記載の吸着多孔体の製造法。 ケイ素多孔体が、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素又はケイ酸カルシウムである請求項3記載の吸着多孔体の製造法。 ハロゲン系有機溶媒が、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンから選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜4のいずれか1項記載の吸着多孔体の製造法。 ハロゲン系有機溶媒が、ジクロロメタンである請求項5記載の吸着多孔体の製造法。 請求項1〜6のいずれか1項記載の吸着多孔体の製造法で製造した2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン吸着多孔体。 請求項7記載の2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン吸着多孔体を含有する医薬組成物。 2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンをハロゲン系有機溶媒に溶解し、これを用いて多孔体を処理することを特徴とする2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンの溶出性向上方法。 本発明は、多孔体を、2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンを溶解したハロゲン系有機溶媒で処理することを特徴とする2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オン吸着多孔体の製造法に関する。 本発明の製造法は簡便であって、得られた吸着多孔体は2−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−6−[4−(メチルチオ)フェニル]−2H−ピリダジン−3−オンの溶出性に優れる。


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