生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_発毛剤および育毛剤
出願番号:2006078523
年次:2007
IPC分類:A61K 8/97,A61Q 7/00,A61Q 5/02


特許情報キャッシュ

幾島 淑美 幾島 平二 中杉 信三 伊藤 務 JP 2007254314 公開特許公報(A) 20071004 2006078523 20060322 発毛剤および育毛剤 幾島 平二 506097379 中杉 信三 505015886 伊藤 務 506097380 田中 政浩 100085109 幾島 淑美 幾島 平二 中杉 信三 伊藤 務 A61K 8/97 20060101AFI20070907BHJP A61Q 7/00 20060101ALI20070907BHJP A61Q 5/02 20060101ALI20070907BHJP JPA61K8/97A61Q7/00A61Q5/02 6 1 OL 7 4C083 4C083AA111 4C083AA112 4C083CC37 4C083CC38 4C083DD23 4C083DD27 4C083EE22 本発明は、抜け毛を防止し、発毛および育毛剤に関し、特に発毛・育毛効果に優れ、かつ長期間使用しても副作用のない安全性の高い発毛剤に関する。 様々なストレスや高齢化等の問題を抱える現代社会において、脱毛や薄毛を予防または治療し、さらに毛髪の伸長を促進しうるような発毛剤および育毛剤に対する関心が、性別や年齢に関わりなく高くなりつつある。 脱毛および薄毛は、その原因として、男性ホルモン分泌量低下による毛包機能の低下、毛包および毛球部の新陳代謝機能の低下、頭皮緊張による局所血流障害、栄養不良、ストレス、薬物の副作用、遺伝等が挙げられるが、未だそのメカニズムは完全に解明されてはいない。これまで開発されてきた有効成分のほとんどは、毛母細胞の増殖への直接的作用ではなく、頭皮の血行促進、毛根の刺激、毛包賦活等の作用により、二次的に毛髪関連の細胞を活性化させるものであった。一方、一般的に洗髪剤として使用されているシャンプーは、多量の界面活性剤を主成分とするため、連用による髪や頭皮のダメージや経皮吸収による体内蓄積に伴う生体毒性の原因として憂慮されるとともに、家庭排水からの水資源の汚染や水環境の洗剤汚染の拡大などの環境汚染源として問題であった。 開発されてきた有効成分としては、例えばヨクイニン、蚕砂等の天然化合物、または、ペンタデカン酸(特許文献1参照)、例えば2,3−ジアミノ−4−ピペリジノピリジン−1−オキシドであるミノキシジル(特許文献2参照)、ニコチン酸アミド(特許文献3参照)等の合成化合物がある。しかしながら、合成化合物の多くは、長期連用に対して発疹、かゆみ、かぶれ、ふけ等の副作用の問題がある。また天然化合物の場合も、発毛効果が低く、さらに塗布部分に痒み等を生じたり、べとつきがあったり、臭気が強い等、使用に際する不快感等の問題がある。効果の割には価格が高く、長期連用に際しては経済的負担が大きい。特開昭61−15815号特開平01−261321号公報特開平02−32007号公報 本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、頭髪の洗髪剤としての適用量で効果的に作用し、発毛および育毛を促進し、脱毛および薄毛に対して優れた改善効果を有し、かつ長期連用に際し安全性の高い発毛および育毛機能を有する新規な発毛剤および育毛剤を提供すると共に、適用に当たっては、界面活性剤を使用しないで洗髪効果を実現することである。 本発明の他の目的は、発毛、育毛および抗脱毛機能を有する洗髪剤を提供することにある。 そこで、本発明者らは、上記した課題を達成すべく鋭意研究した結果、竹炭灰から水溶性成分を抽出した竹炭灰の水抽出液を主剤として配合したもの、さらにはこれに竹灰から水溶性成分を抽出した竹灰の水抽出液を副剤として配合したものを洗髪に使用したところ、意外にも脱毛および薄毛の症状の改善に高い効果を有すると共に、洗髪機能についても充分であることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の内容を包含する。 すなわち、本発明の第1は、竹炭灰の水抽出液を有効成分として含有する発毛剤および育毛剤である。 本発明の第2は、竹炭灰の水抽出液が、竹炭の水抽出液と竹灰の水抽出液の混合液である発毛剤および育毛剤である。 本発明の第3は、竹炭灰抽出液を洗髪剤として加工した水性製剤である発毛剤および育毛剤である。 本発明の第4は、竹炭灰の水抽出液を有効成分として含有する抗脱毛剤である。 本発明の第5は、竹炭灰の水抽出液が、竹炭の水抽出液と竹灰の水抽出液の混合液である抗脱毛剤である。 本発明の第6は、竹炭灰抽出液を洗髪剤として加工した水性製剤である抗脱毛剤である。 本発明の発毛剤および育毛剤は、従来の合成化合物や天然化合物を用いた場合と同等の発毛および育毛効果を奏し、かつ、副作用および使用時の不快感の問題を解消できる。さらに実際の適用に於いては、一般的な洗髪(シャンプー)に置き換えて実施することによって日常生活の中で用いることが出来る。少用量で効果的に作用し、毛母細胞の増殖を直接的に活性化して発毛および育毛を促進する。本発明の発毛剤および育毛剤によって、脱毛および薄毛を治療、予防することができる。また、副次的に洗髪時の濯ぎが著しく簡素化できる。 本発明の発毛剤および育毛剤は、竹炭灰に水を加えて浸漬した後、不溶物を濾過、遠心分離等の固液分離操作によって除去して得た竹炭灰抽出液を主剤とし、あるいはこれに副剤として竹灰を水中で例えば、20〜50℃に30〜300分間加熱して水溶性成分を抽出して得た竹灰抽出液を配合したもので、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ケイ酸等のアルカリ性ミネラルを含む水溶液であることを特徴とするものである。具体的には、カリウム含量が500ppm以上、好ましくは5000ppm以上、カルシウム含量が1000ppm以上、好ましくは5000ppm以上、マグネシウム含量が500ppm以上、好ましくは5000ppm以上、マンガン含量が100ppm以上、好ましくは500ppm以上、ケイ酸含量が1000ppm以上、好ましくは10000ppm以上である天然のアルカリ性水溶液である。 竹炭を製造する際に生じる灰から水溶性成分を抽出した抽出液と、竹炭から水溶性成分を抽出した抽出液を混合し、これを衣類などの洗濯用洗剤として使用したときの肌着に於いては、肌に優しく環境に優しい洗剤で、合成界面活性剤、漂白剤を配合していないので、残留洗剤による副作用は全くない、アトピー性皮膚炎などの過敏な肌にもなんら問題のない、安全性の高い洗剤であり、さらに、台所用洗剤、入浴剤として利用することも知られている。「若竹の洗い水」(商品名、やまぐち竹炭の里環境事業協同組合製造、アイ・シード社販売)で市販されている。然るに、発毛剤および育毛剤として利用することは全く知られておらず、本発明者らの研究によって初めて明らかとなった。 本発明における発毛剤および育毛剤の使用態様は、例えば、上記方法で得られた抽出液を上水などによって希釈・調整したものを2倍〜1000倍、好ましくは10倍から100倍に適宜希釈し、洗髪剤として用いる。 本発明の発毛剤および育毛剤は、前記抽出液を、石鹸に配合した固形石鹸や液体石鹸として利用することができるが、これらの形態に限定されるものではない。 本発明の発毛剤および育毛剤を液剤とする場合には、前記抽出液を精製水、リン酸緩衝液等の適当な緩衝液、生理的食塩水、リンガー溶液、ロック溶液等の生理的塩類溶液、エタノール、グリセリン及び慣用される界面活性剤等と適当に組み合わせた滅菌された水溶液、非水溶液、懸濁液、リポソームまたはエマルジョンとして調製され、頭皮用液状製剤として局所的に投与される。またその際、上述の液状製剤を直接頭皮に塗布してもよく、スプレー等の射出ノズルを用いて塗布してもよい。この際、液状製剤は、生理学的なpH、好ましくは6〜8の範囲内のpHを有することが好ましい。 本剤を半固形製剤とする場合には、前記抽出液を、脂肪、脂肪油、ラノリン、ワセリン、パラフィン、蝋、硬膏剤、樹脂、プラスチック、グリコール類、高級アルコール、グリセリン、水、乳化剤、縣濁化剤等と混和して軟膏、クリーム等の外用として局所投与できる。 本剤を固形製剤とする場合には、前記抽出液を適当な添加剤と適宜混合して、散剤、粉剤等の外用剤として、または、溶剤に用時溶解または懸濁して頭皮に塗布するための固形製剤としてもよい。 上述したものの中で、好ましい投与形態や投与経路は、頭皮用液状製剤による局所投与である。 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 発毛・育毛試験例 (1)試験液 孟宗竹と真竹を1:1の重量比で仕込んだ竹を炭化して得た竹炭灰5kgに水30リットルを加えて、ステンレス製回転釜を用いて45℃で1時間加熱し、カーボンフィルターを用いて抽出液をを製造し試験液(原液)を得た。 (2)方法 試験者には抜け毛が気になりだした、又は禿げている高齢者を選んだ。発毛・育毛効果の判定は洗髪時の抜け毛を計数した。 A.62歳男性の洗髪時の使用例 原液20ミリリットルを、浄水器を通した水道水で10倍に希釈し容器に保存、洗髪時約20ミリリットルを頭髪部にふりかけ、約1分間マッサージした後39℃〜42℃のお湯で洗い流した。 1日おきに繰り返し洗髪し、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月に頭髪および頭皮を観察し、抜け毛を計数した。尚、この間シャンプー及びリンスは使用しなかった。 B.63歳女性の洗髪時の使用例 原液20ミリリットルを、浄水器を通した水道水で5倍に希釈し容器に保存、洗髪時30ミリリットルを頭髪部にふりかけ、約1分間マッサージした後、39〜42℃のお湯で洗い流した。 1日おきに繰り返し洗髪し、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月に頭髪および頭皮を観察し、抜け毛を計数した。尚、この間シャンプー及びリンスは使用しなかった。 C.65歳男性の使用例 原液を洗髪前に20ミリリットルを頭髪部にふりかけ、約2分間マッサージした後39℃〜42℃のお湯で洗い流した。 1日一回毎日繰り返し行い、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月に頭髪および頭皮を観察し、抜け毛を計数した。尚、この間シャンプー及びリンスは使用しなかった。 (3)結果 1)使用期間による抜け毛の変化(確認された抜け毛の数)は表1に示した通りで、抜け毛の本数が減少し、発毛・育毛効果のあることが明らかとなった。 2)使用3ヵ月後の各試験者の頭髪の写真を図1に示した。試験者A 使用3ヶ月の頭髪(写真−1)コメント・3〜4cmの新しい毛が多数認められる。・写真には写っていないが、頭部全体に短い毛の発毛が認められる。・頭皮の色素の回復が認められる。試験者B 使用3ヶ月の頭髪(写真−2)コメント・薄かった左右のこめかみ部分が、発毛によって前頭部と差が無くなった。試験者C 使用3ヶ月の頭髪(写真−3)コメント・前頭部分が著しく薄かったのが、発毛によって黒くなってきた。使用3ヵ月後の各試験者の頭髪を示した写真である。竹炭灰の水抽出液を有効成分として含有する発毛剤および育毛剤。前記竹炭灰の水抽出液が、竹炭の水抽出液と竹灰の水抽出液の混合液である請求項1記載の発毛剤および育毛剤。竹炭灰抽出液を洗髪剤として加工した水性製剤である請求項1または2記載の発毛剤および育毛剤。竹炭灰の水抽出液を有効成分として含有する抗脱毛剤。請求項4記載の竹炭灰の水抽出液が、竹炭の水抽出液と竹灰の水抽出液の混合液である抗脱毛剤。竹炭灰抽出液を洗髪剤として加工した水性製剤である請求項4または5記載の抗脱毛剤。 【課題】 頭髪の洗髪剤としての適用量で効果的に作用し、発毛および育毛を促進し、脱毛および薄毛に対して優れた改善効果を有し、かつ長期連用に際し安全性の高い発毛および育毛機能を有する新規な発毛剤および育毛剤を提供する。 【解決手段】 竹炭灰の水抽出液を有効成分として含有する発毛剤および育毛剤。【選択図】 図1


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