タイトル: | 公開特許公報(A)_歯周病予防剤とその製造法 |
出願番号: | 2006059190 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 36/73,A61P 1/02,A61K 8/97,A61Q 11/00 |
高橋 憲一 JP 2007031423 公開特許公報(A) 20070208 2006059190 20060306 歯周病予防剤とその製造法 高橋 憲一 505267360 首藤 俊一 100084076 高橋 憲一 JP 2005206150 20050620 A61K 36/73 20060101AFI20070112BHJP A61P 1/02 20060101ALI20070112BHJP A61K 8/97 20060101ALI20070112BHJP A61Q 11/00 20060101ALI20070112BHJP JPA61K35/78 HA61P1/02A61K8/97A61Q11/00 10 1 OL 7 4C083 4C088 4C083AA111 4C083AA112 4C083CC41 4C083DD17 4C083DD22 4C083EE33 4C083FF04 4C088AB51 4C088AB52 4C088AC04 4C088CA19 4C088CA25 4C088MA28 4C088MA43 4C088NA14 4C088ZA67 本発明は、歯周病予防剤とその製造法に関する。 従来の歯周病対策は、化学薬用成分を主体とした歯磨剤を用いてのブラッシングを主にした歯磨き方法が推奨されてきた。我国では、7歳から14歳の小学在校生は、校医による歯科検診制があることでも自明のとおり、歯の重要性は十分に認識されているにも拘わらず、平成11年度歯科患実態調査によれば、歯周病の初期症状である歯肉炎への罹患率は、15〜24歳で50%、歯肉炎と歯周病には35〜45歳で80%、45〜55歳では88%が罹患していると報告されている。これは個人差があるものの歯肉炎に始まり、歯槽膿漏など患部が悪化するまで見過ごされ放置された末、様々な切削加工や抜歯が安易に行われ、費用高額な義歯への交換やインプラントなどの治療が重視されるようになり、結果的に有効な歯磨剤の開発が遅れ、適切な歯磨き方が等閑視されて来たからである。更にこれらは、歯周病に起因する全身病が患者個人の身体的、経済的負担のみならず、国の医療保険制度にも悪影響をもたらしている(非特許文献1〜4参照)。我国の歯周病対策は、80歳までに20本の歯を残そうとの主旨に基づく「8020運動」に代表されるが、現状は上記のように、歯科検診と治療が主眼となっており、予防対策に乏しい。「歯槽膿漏」抜かずに直す 片山恒夫著 朝日新聞社刊「いい歯医者・悪い歯医者」林晋也・林裕之共著 株式会社ザ・マサダ刊「上手な歯医者のかかり方」勝島直行編著 現代書林刊「インプラントで安心」丸山賢・青木裕之・辻本仁志・亀井琢正共著 (社)農村漁村文化協会刊「梅の科学最新版 梅肉エキス驚異の16大効用」 松本紘斉著 創論社刊「五訂 日本食品成分表」食品成分研究調査会編 医歯薬出版株式会社特開昭56-22719号公報特開2000−300205号公報特開平8-104615号公報特開2002−308748号公報 本発明は、歯周病対策を罹患後の対策でしかない歯科検診や治療から、罹患させない予防対策へと転換させる歯周病予防剤とその製造方法の提供を目的とする。 請求項1の歯周病予防剤の発明は、梅干又は梅漬の梅肉を、歯と歯茎との間の歯周に唾液とともに浸入可能に微細化させたことを特徴とする。 請求項2の発明は、請求項1に記載の歯周病予防剤において、梅干又は梅漬の梅肉は、種、紫蘇及び梅酢が分離除去された梅肉のみであることを特徴とする。 請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、微細化は粒度100μm以下であることを特徴とする。 請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の歯周病予防剤において、梅干又は梅漬は、梅、紫蘇、食塩及び焼酎のみを用い、他の一切の添加物を加えないで生成されることを特徴とする。請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の歯周病予防剤において、梅肉の含水量に応じて、微細化された梅肉は粉状又はペースト状であることを特徴とする。 請求項6の歯周病予防剤の製造方法の発明は、梅干又は梅漬の梅肉を、歯と歯茎との間の歯周に浸入可能に微細化することを特徴とする。 請求項7の発明は、請求項6に記載の歯周病予防剤の製造方法において、梅干又は梅漬の梅肉は、種、紫蘇及び梅酢が分離除去された梅肉のみであることを特徴とする。 請求項8の発明は、微細化は粒度100μm以下とすることを特徴とする請求項6乃至請求項7の何れかに記載の歯周病予防剤の製造方法。 請求項9の発明は、請求項6乃至請求項8の何れかに記載の歯周病予防剤の製造方法において、梅干又は梅漬は、梅、紫蘇、食塩及び焼酎のみを用い、他の一切の添加物を加えないで生成することを特徴とする。請求項10の発明は、請求項6至請求項9の何れかに記載の歯周病予防剤において、梅肉の含水量に応じて、微細化された梅肉を粉状又はペースト状にすることを特徴とする。請求項1乃至請求項10の歯周病予防剤(以下、本剤ともいう)を適量、唾液とともに適宜口中に含ませること、微細化された梅肉が比較的容易に歯周に浸入でき、梅肉の状態で歯周内に長時間滞在させることができるので、梅肉に含まれている殺菌作用を持つ梅肉エキスを、歯周内に長時間に亘って継続的に作用させ続けることができる。従って、液状の梅肉エキスであれば、歯周への浸入が歯周を満している唾液に邪魔されたり、口中の唾液よって希釈されて殺菌作用が弱化するのに較べ、梅肉エキスによる殺菌作用をより効果的に発揮させることができるので、歯周病の罹患者の病状改善はもとより、常用することによって歯周病を効果的に予防することができる。又、本剤は、歯周病に限らず、口内細菌の殺菌等、口内洗浄をも効果的に行える。本発明による上記の効果は、ブラッシング後に本剤を口中に含ませることにより、一層に効果的となる。 歯周病の主たる原因は、不十分な歯磨きによる歯垢や歯石の残存箇所に増殖する病原性細菌にあり、歯肉炎によって歯と歯茎の間に歯周ポケットが形成されるとポケットに膿が溜まって悪臭を発生させ、遂には、歯根膜を逸失させ、歯槽骨を溶解させて、抜歯のやむなきに到ってしまう。従って、常日頃から口中の食べかすを払拭して歯垢の発生をなくすためのブラッシングが必要であり、ブラッシングの後に本剤を口中に含ませるとよい。本剤は、食用の梅が原料であり、他の化学薬用成分が一切使用されていないので副作用の心配は全く無く、誤飲されても無害である。 以下、本発明の歯周病予防剤を図1に示す製造法のフローに基づいて説明する。図1は粉状の歯周病予防剤の製造工程を示す。図中の符号1で示す第1工程(原料工程)において、先ず梅干又は梅漬を用意する。梅干又は梅漬は在来手法によって製造されたものでよい。漬け込み時の組成重量比は、例えば、梅1.0:紫蘇0.2:食塩0.08〜0.16:焼酎(甲類35度)0.05とする。焼酎の甲類35度を使用するのは黴の発生防止と消毒のためである。尚、塩分濃度は、梅の品質に合わせて塩辛さを適宜加減して調整する。図中の符号2で示す第2工程(選別工程)において、先ず、梅干や梅漬けの梅を紫蘇や梅酢(漬け汁)から分離し、更に、梅の種を抜いて梅肉のみとする。「梅肉のみ」とは肉眼での見た目において紫蘇や漬け汁が付着していなければよく、物理的な厳密さの100%という意味ではない。梅干や梅漬けは、元々食用であるから、紫蘇や梅酢(漬け汁)が付着していても実質的には差し支えないのである。図中の符号3で示す第3工程(乾燥工程)において、第2工程にて選別された梅肉を乾燥させる。この乾燥工程は、梅肉を乾燥させて微細化し粉末状の本剤を得るための工程である。この場合、例えば、乾燥機の庫内温度を40℃以上60℃以下とし、重量にして、梅干の梅肉は100分の40以下、梅漬の梅肉は100分の30以下になるように乾燥させる。尚、ペースト状の本剤を得るためには、上記の第3工程は不要である。第2工程にて選別された梅肉をそのまま後述の第4工程にて微細化処理する。図中の符号4で示す第4工程(微細化工程)において、粉末状の本剤を得るためには、上記の乾燥工程を経た梅肉を乾式の摩砕機によって摩砕し、微細化する。微細化の程度は、微細化された本剤が、唾液とともに口中に含まれた際に、歯と歯茎の間の歯周に浸入可能な粒度にまで微細化する。好ましくは、粒度100μm以下に摩砕する。尚、ペースト状の本剤を得るためには、第2工程にて選別された梅肉をそのまま本第4工程にて、湿式の摩砕機によって摩砕し、微細化する。この場合、微細化の程度は、上記の粉末状の本剤を得る場合と同様である。最後に、図中の符号5で示す第5工程(包装工程)において、微細化されて粉末状やペースト状となった梅肉(本剤)を、各々の性状に応じて適宜包装する。例えば、使用や携帯に便利なように粉末状の梅肉は缶や袋詰め等に、又、ペースト状の梅肉はチューブやパック詰め等に。尚、上記実施例で言う「摩砕」や「摩砕機」とは石臼状に溝を刻んだ砥石を回転させて微粒化する方法やその手段をいうが、本発明では梅肉の微細化手段は、このような摩砕や摩砕手段等に限らず、破砕や破砕手段或いは粉砕や粉砕手段等の用語に拘わらず、要は、梅肉が歯周や歯周ポケット等に浸入可能に加工(粒化や粉化を含む)する手段であればよい。又、微細化とはそのような広い意味でもある。上記実施例によれば、本剤は、梅、紫蘇、食塩及び焼酎の4種の原料を使用し、それぞれ特有の含有成分の効能を減じないよう添加剤を一切使用しないで作成された梅干或いは梅漬を原料とし、種や紫蘇や梅酢(漬け汁)等を適宜選別して分離除去された梅肉を、歯周への浸透性を確保するため微細化(実施例では微粒化)して、これを適宜唾液とともに口中に含ませて用いることにより、微粒化された梅肉が歯と歯茎の間即ち歯周に効率よく容易に浸入するので、歯周内に浸入した梅肉から殺菌作用を持つエキスを周りに浸透させて行くことができる。殊に、この場合、歯周に滞在する梅肉から直接に梅肉エキスが滲み出るので、唾液に希釈されていない、濃度の高いエキスを即歯周内に供給することができ、しかも、梅肉が滞在する間中、高濃度の梅肉エキスが供給され続けるので、歯周内における梅肉エキスの殺菌作用を効果的に発揮させることができる。従って、既に歯周ポケットが形成されている場合には、梅肉が極めて容易に歯周ポケットに落ち込むので、歯周病菌やその他の口内細菌に対して、梅肉エキスの持つ殺菌や除菌作用をより効果的に発揮させることができる。又、これにより、罹患者の病状改善はもとより、年少時より常用することで歯周病を予防することができる。しかも、本剤には化学薬用成分が使用されていないので、副作用の心配が無く、誤飲されても無害である。尚、梅肉エキスによる歯と歯茎の間の歯周に潜む細菌に対する殺菌力は、甚だ、確実且つ優れており、歯石が残存していても病原菌を殺菌する。本発明による上記の効果は、ブラッシング時に本剤を口中に含ませることにより、一層に効果的となる。 歯周病の主たる原因は、不十分な歯磨きによる歯垢や歯石の残存箇所に増殖する病原性細菌にあり、歯肉炎によって歯と歯茎の間に歯周ポケットが形成されるとポケットに膿が溜まって悪臭を発生させ、遂には、歯根膜を逸失させ、歯槽骨を溶解させて、抜歯のやむなきに到ってしまう。従って、常日頃から口中の食べかすを払拭して歯垢の発生をなくすためのブラッシングが必要であり、ブラッシングの後に口中に本剤を含んで用いると効果的である。このように、日常的に、本剤を用いることによって歯周病を効果的に予防することができ、歯痛や歯槽膿漏の悪臭等からも開放され、生涯にわたって永久歯を保存することができる。勿論、歯周病や虫歯等の罹患においても病状改善に大きく寄与することができる。 本発明は、歯周病の予防や改善のみならず、歯茎の健康維持や虫歯等口中細菌による疾病の予防や改善にも寄与できる。又、口中を洗浄するための洗浄剤としても広く利用できる。本剤の製造工程を示すフローチャート図である。符号の説明 1 第1工程 2 第2工程 3 第3工程 4 第4工程 5 第5工程 梅干又は梅漬の梅肉を、歯と歯茎との間の歯周に唾液とともに浸入可能に微細化させたことを特徴とする歯周病予防剤。 梅干又は梅漬の梅肉は、種、紫蘇及び梅酢が分離除去された梅肉のみであることを特徴とする請求項1に記載の歯周病予防剤。 微細化は粒度100μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の歯周病予防剤。 梅干又は梅漬は、梅、紫蘇、食塩及び焼酎のみを用い、他の一切の添加物を加えないで生成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の歯周病予防剤。梅肉の含水量に応じて、微細化された梅肉は粉状又はペースト状であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の歯周病予防剤。 梅干又は梅漬の梅肉を、歯と歯茎との間の歯周に浸入可能に微細化することを特徴とする歯周病予防剤の製造方法。 梅干又は梅漬の梅肉は、種、紫蘇及び梅酢が分離除去された梅肉のみであることを特徴とする請求項6に記載の歯周病予防剤の製造方法。 微細化は粒度100μm以下とすることを特徴とする請求項6乃至請求項7の何れかに記載の歯周病予防剤の製造方法。 梅干又は梅漬は、梅、紫蘇、食塩及び焼酎のみを用い、他の一切の添加物を加えないで生成することを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れかに記載の歯周病予防剤の製造方法。梅肉の含水量に応じて、微細化された梅肉を粉状又はペースト状にすることを特徴とする請求項6至請求項9の何れかに記載の歯周病予防剤。 【課題】 歯周病予防剤とその製造方法の提供。【解決手段】 本発明に係る歯周病予防剤は、梅干又は梅漬の梅肉を、歯と歯茎との間の歯周に唾液とともに浸入可能に微細化させたことを特徴とする。又、梅干又は梅漬の梅肉は、種、紫蘇及び梅酢が分離除去された梅肉のみであることを特徴とする。又、微細化は粒度100μm以下であることを特徴とする。梅干又は梅漬は、梅、紫蘇、食塩及び焼酎のみを用い、他の一切の添加物を加えないことを特徴とする。歯周病予防剤の製造方法は、梅干又は梅漬の梅肉を、歯と歯茎との間の歯周に浸入可能に微細化することを特徴とする。又、梅干又は梅漬の梅肉は、種、紫蘇及び梅酢が分離除去された梅肉のみであることを特徴とする。又、微細化は粒度100μm以下とすることを特徴とする。又、梅干又は梅漬は、梅、紫蘇、食塩及び焼酎のみを用い、他の一切の添加物を加えないで生成することを特徴とする。【選択図】図1