タイトル: | 公開特許公報(A)_熱硬化性樹脂、その製造方法及び該樹脂を含む熱硬化性組成物、並びにそれから得られる成形体及び該成形体を含む電子機器 |
出願番号: | 2005350421 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | C08G 73/06,C07D 265/14 |
江口 勇司 土山 和夫 石田 初男 JP 2007154018 公開特許公報(A) 20070621 2005350421 20051205 熱硬化性樹脂、その製造方法及び該樹脂を含む熱硬化性組成物、並びにそれから得られる成形体及び該成形体を含む電子機器 積水化学工業株式会社 000002174 稲葉 良幸 100079108 大賀 眞司 100093861 大貫 敏史 100109346 江口 勇司 土山 和夫 石田 初男 C08G 73/06 20060101AFI20070525BHJP C07D 265/14 20060101ALI20070525BHJP JPC08G73/06C07D265/14 21 OL 19 4C056 4J043 4C056AA02 4C056AB01 4C056AC02 4C056AD03 4C056AE01 4C056DA01 4C056DB01 4C056DC02 4J043PA02 4J043QB15 4J043QB44 4J043QB45 4J043RA51 4J043SA06 4J043SA42 4J043TA03 4J043UA032 4J043UA042 4J043UA122 4J043UA132 4J043UA142 4J043UA232 4J043UA262 4J043UB022 4J043UB062 4J043ZB47 本発明は、誘電特性、特に誘電率と誘電体損失が従来に比して更に改善された熱硬化性樹脂、その製造方法及び該樹脂を含む熱硬化性組成物、並びにそれから得られる成形体及び該成形体を含む電子機器に関する。 従来から、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂は、その熱硬化性という性質に基づき、耐水性、耐薬品性、耐熱性、機械強度、信頼性等が優れているので広い産業分野で使用されている。 しかし、フェノール樹脂及びメラミン樹脂は硬化時に揮発性の副生成物を発生する、エポキシ樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂は難燃性が劣る、ビスマレイミド樹脂は非常に高価である等の欠点がある。 これらの欠点を解消するために、ジヒドロベンゾキサジン環が開環重合反応し、問題となるような揮発分の発生を伴わずに熱硬化するジヒドロベンゾキサジン化合物(以下、ベンゾキサジン化合物と略する)が研究されてきた。ベンゾキサジン化合物は、上記のような熱硬化性樹脂が有する基本的な特徴に加え、保存性に優れており、溶融時には比較的低粘度であり、分子設計の自由度が広い等の様々な利点を有する樹脂である。 また、近年の電子機器・部品の高密度化(小型化)、及び伝達信号の高速化に対応すべく、誘電特性の改善(低誘電率化及び低誘電体損失化)による信号伝達速度や高周波特性の向上が求められている。 このような優れた誘電特性を有する熱硬化性樹脂の原料材料として、下記式(1)や式(2)で表されるジヒドロベンゾオキサジン化合物が知られている(例えば、非特許文献1及び2参照)。 かかるジヒドロベンゾオキサジン化合物のベンゾオキサジン環が開環重合して得られる樹脂は、熱硬化時に揮発成分の発生を伴うこともなく、また、難燃性や耐水性にも優れるものである。 しかし、上記従来のジヒドロベンゾオキサジン化合物は、上述の如く、熱硬化性樹脂のなかでは誘電特性に優れるものの、最近の更なる電子機器・部品の高性能化に応じて更に高い誘電特性が望まれている。例えば、メモリや論理プロセッサ等のICのパッケージを構成する多層基板の樹脂材料に対しては、環境温度23℃での100MHz及び1GHzにおける特性として、誘電率が3.5以下、並びに、同条件での誘電体損失がその指標である誘電正接の値で0.015以下であることが要求されている。 また、今後予想される技術動向からすれば、更に低い誘電体損失が要求される傾向にある。すなわち、誘電体損失は、通常、周波数と材料の誘電正接に比例する傾向にある一方で、電子機器・部品で用いられる周波数はますます高くなる傾向にあるため、誘電正接が低い材料への要求が更に高くなっている。 また、非特許文献3には、ビスフェノールと、ジアミンと、ホルムアルデヒドの反応により、溶解性のある高分子量ポリベンゾオキサジン前駆体が調製できることが開示されている。そして、ここで用いるジアミンとしては脂肪族ジアミンが一例として挙げられている。しかしながら、上記文献においては、脂肪族ジアミンと記述されているものの、更に具体的な例示がなされていない。また、電気特性に関しては全く記述がなされていない。 本発明者らは、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンなどの一般的な直鎖状脂肪族ジアミンは、目的とする重合体を合成後単離すると、溶媒に不溶化することが多く、その後の成型加工適性に劣ることを確認している。ただし、硬化体は誘電特性に優れるものである。小西化学工業株式会社ホームページ[2005年11月24日検索]、インターネット<URL:http://www.konishi-chem.co.jp/cgi-data/jp/pdf/pdf_2.pdf>四国化成工業株式会社ホームページ[2005年11月24日検索]、インターネット<URL:http://www.shikoku.co.jp/products/benzo.html>APME-6, International Symposium on Advanced Polymers via Macromolecular Engineering L-42,August,2005 本発明が解決しようとする課題の一つは、前記の問題点である。 そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、誘電特性、特に誘電率と誘電体損失が従来に比して更に改善された熱硬化性樹脂、及びそれを含む組成物、並びにそれから得られる成形体を提供することを目的とする。 また、本発明は、優れた誘電特性と溶剤溶解性等の優れた加工適性を兼ね備えた熱硬化性樹脂、及びそれを含む組成物、並びにそれから得られる成形体を提供することを他の目的とする。 本発明者らは、鋭意検討した結果、分岐を有する鎖状脂肪族ジアミンを使用して得られるジヒドロベンゾキサジン環構造を主鎖中に有する重合体が、単離後の取り扱い性もよく、しかも誘電特性が良好であり、前記目的を達成し得ることの知見を得た。 本発明はかかる知見に基づくものである。すなわち本発明の構成は以下の通りである。 1.下記一般式(I)で示される、ジヒドロベンゾキサジン環構造を主鎖中に有する重合体からなる熱硬化性樹脂。〔式(I)において、 Ar1は、4価の芳香族基を示し、 R1は、分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基であり、 nは、2〜500の整数を示す。〕 2.R1が主鎖の炭素数3〜20の分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基である、前記1に記載の熱硬化性樹脂。 3.R1が下記(i)または(ii)で示される基である、前記1に記載の熱硬化性樹脂。〔式中、*印は前記式(I)におけるNへの結合部位を示す。〕 4.R1が下記(iii)で示される基である、前記1に記載の熱硬化性樹脂。〔式中、*印は前記式(I)におけるNへの結合部位を示す。〕 5.前記式(I)におけるAr1が、下記(iv)、(v)、(vi)のいずれかの構造で示される、前記1〜4の何れかに記載の熱硬化性樹脂。〔各式中、*印は式(I)における酸素原子への結合部位、もう一方はオキサジン環4位のメチレン基への結合部位を示す。 また、各芳香環の水素は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基あるいは脂環式炭化水素基、置換もしくは無置換フェニル基で置換されていてもよい。 式(iv)におけるXは、直接結合手(原子もしくは原子団が存在しない)、またはヘテロ元素もしくは官能基を含んでいても良い脂肪族、脂環式もしくは芳香族の炭化水素基を示す。〕 6.前記式(I)におけるAr1が、上記(iv)の構造で示される、前記5に記載の熱硬化性樹脂。 7.前記式(I)におけるAr1が前記構造(iv)であり、該構造(iv)中のXが、下記群Aから選択される少なくとも一つである、前記5に記載の熱硬化性樹脂。 〔式中、*印は前記構造(iv)における芳香環への結合部位を示す。〕 8.前記式(I)におけるAr1が前記構造(iv)であり、該構造(iv)中のXが、下記群Bから選択される少なくとも一つである、前記5に記載の熱硬化性樹脂。 〔式中、*印は前記構造(iv)における芳香環への結合部位を示す。〕 9.前記式(I)におけるAr1が、下記群Cより選択される少なくとも一つである、前記1に記載の熱硬化性樹脂。〔各式中、*印は式(I)における酸素原子への結合部位、もう一方はオキサジン環4位のメチレン基への結合部位を示す。 また、各芳香環の水素は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基あるいは脂環式炭化水素基、置換もしくは無置換フェニル基で置換されていてもよい。〕 10.R1が前記(i)または(ii)で示される基である、前記9に記載の熱硬化性樹脂。 11.R1が前記(iii)で示される基である、前記9に記載の熱硬化性樹脂。 12.フェノール化合物と、分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基を有するジアミン化合物と、アルデヒド化合物とを、溶媒中で加熱してなる熱硬化性樹脂。 13.前記溶媒が、芳香族系溶媒、ハロゲン系溶媒、又はエーテル系溶媒である、前記12記載の熱硬化性樹脂。 14.温度30〜110℃で、20分〜9時間反応させてなる、前記12または13に記載の熱硬化性樹脂。 15.フェノール化合物と、分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基を有するジアミン化合物と、アルデヒド化合物とを、溶媒中で加熱する、熱硬化性樹脂の製造方法。 16.前記1〜14の何れかに記載の熱硬化性樹脂を少なくとも含む熱硬化性組成物。 17.分子内に少なくとも一つのジヒドロベンゾキサジン構造を有する化合物を含む、前記16記載の熱硬化性組成物。 18.前記1〜14の何れかに記載の熱硬化性樹脂または前記16もしくは17に記載の熱硬化性組成物より得られる成形体。 19.前記1〜14の何れかに記載の熱硬化性樹脂または前記16もしくは17に記載の熱硬化性組成物を硬化させて得られる硬化体。 20.前記18記載の成形体を硬化させて得られる硬化成形体。 21.前記18記載の成形体、前記19記載の硬化体、または前記20記載の硬化成形体を含む電子機器。 本発明によれば、誘電特性、特に誘電率と誘電体損失が従来に比して更に改善された熱硬化性樹脂、その製造方法及び該樹脂を含む組成物、並びにそれから得られる成形体及び該成形体を含む電子機器が提供される。 また、本発明によれば、優れた誘電特性と優れた加工適性を兼ね備えた熱硬化性樹脂、その製造方法及び該樹脂を含む組成物、並びにそれから得られる成形体及び該成形体を含む電子機器が提供される。 以下、本発明について、その好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。 〔熱硬化性樹脂〕 本発明の熱硬化性樹脂は、下記一般式(I)で示される、ジヒドロベンゾキサジン環構造を主鎖中に有する重合体からなるものである。〔式(I)において、Ar1は、4価の芳香族基を示し、R1は、分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基であり、nは、2〜500の整数を示す。〕 本発明の熱硬化性樹脂は、かかる構成からなるため、R1が通常の直鎖状脂肪族のものよりも溶剤溶解性等の加工適性に優れ、かつ芳香族のものよりも誘電特性に優れるものである。本発明の熱硬化性樹脂は、前記の通りの重合体からなるものであるため、フィルムやシート等への加工性に優れ、硬化前にも十分な成形性を有する。また、本発明の熱硬化性樹脂は、そのジヒドロベンゾキサジンの開環重合反応により、有害な揮発性物質を伴わずに硬化させることが可能である。 前記式(I)において、Ar1は、4価の芳香族基を示し、特に、入手の容易さ、反応性の点から、下記(iv)、(v)、(vi)のいずれかの構造で示されるものが好ましい。〔式中、*印は式(I)における酸素原子への結合部位、もう一方はオキサジン環4位のメチレン基への結合部位を示す。また、各芳香環の水素は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基あるいは脂環式炭化水素基、置換もしくは無置換フェニル基で置換されていてもよい。式(iv)におけるXは、直接結合手(原子もしくは原子団が存在しない)、またはヘテロ元素もしくは官能基を含んでいても良い脂肪族、脂環式もしくは芳香族の炭化水素基を示す。〕 また、中でも式(iv)で示される構造であると、要求特性に応じた樹脂の構造設計が容易であるためにさらに好ましい。 前記式(I)におけるAr1が前記構造(iv)である場合において、該構造(iv)中のXが、下記群Aから選択される少なくとも一つであるとさらに好ましい。 このような構造のものであると、入手が容易であり、重合体の機械的、電気的特性等が優れるため非常に好ましい。〔式中、*印は前記構造(iv)における芳香環への結合部位を示す。〕 また、群Aの中でも特に下記群Bで示される構造のものは、電気特性、耐熱性に優れるため特に好ましい。 〔式中、*印は前記構造(iv)における芳香環への結合部位を示す。〕 前記式(I)において、R1は、本発明の効果を発現し得る点で、分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基が使用される。 ここで、R1が示す分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基としては、入手の容易さ、反応速度、得られる重合体および最終的な硬化体の電気特性、加工適性の観点から、主鎖の炭素数3〜20、特に主鎖の炭素数5または6の分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基等が好ましく、該分岐の基としては炭素数1〜6の炭化水素基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、フェニル基等の分岐の基を有する鎖状脂肪族炭化水素基、中でも、2,4,4−トリメチルヘキサメチレン基、または2,2,4−トリメチルヘキサメチレン基、2−メチルペンタメチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基等が好ましい。 特に、上記R1は、下記(i)または(ii)で示される基であると入手の容易さ、原料の反応性、硬化体の電気特性の点から好ましい。〔式中、*印は前記式(I)におけるNへの結合部位を示す。〕 また、上記R1は、下記(iii)で示される基であると、入手の容易さ、原料の反応性、硬化体の電気特性の点から好ましい。〔式中、*印は前記式(I)におけるNへの結合部位を示す。〕 前記式(I)において、4価の芳香族基を示すAr1は、特に、入手の容易さ、硬化体の電気特性および耐熱性の点から、下記群Cより選択される少なくとも一つの構造で示されるものも好ましい。〔各式中、*印は式(I)における酸素原子への結合部位、もう一方はオキサジン環4位のメチレン基への結合部位を示す。 また、各芳香環の水素は炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基あるいは脂環式炭化水素基、置換もしくは無置換フェニル基で置換されていてもよい。] Ar1が上記群Cより選択される少なくとも一つである場合にも、Ar1が前記(iv)、(v)、(vi)のいずれかの構造で示される場合と同様に、同様の理由から、分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基を示すR1は、前記(i)または(ii)で示される基、または前記(iii)で示される基が好ましい。 前記式(I)におけるnは、重合体の重合度を示す値であり、重合体の重量平均分子量を繰り返し構造単位の分子量で除することにより算出される値で、2〜500の整数を示し、特に成形時の流動性の点から、2〜100であることが好ましい。 本発明の熱硬化性樹脂を構成する前記一般式(I)の重合体の合成方法は特に限定されるものではないが、例えば、フェノール化合物、特定のジアミン化合物およびアルデヒド化合物を適当な溶媒中で加熱して反応させる合成方法が一例として挙げられる。 前記例の合成方法に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、原料のフェノール化合物やアミン化合物及び生成物である重合体の溶解性が良好なものの方が高重合度のものが得られやすい。このような溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒、等が挙げられる。 反応温度、反応時間についても特に限定されないが、通常、室温から120℃程度の温度で数十分から数時間反応させればよい。本発明においては、特に30〜110℃で、20分〜9時間反応させれば、本発明に係る熱硬化性樹脂としての機能を発現し得る重合体へと反応は進行するため好ましい。 また、反応時に生成する水を系外に取り除くのも反応を進行させる有効な手法である。反応後の溶液に、例えば多量のメタノール等の貧溶媒を加えることで重合体を析出させることができ、これを分離、乾燥すれば目的の重合体が得られる。 また、前記例の合成方法に用いられるフェノール化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、分子内に2個のフェノール性水酸基を有する化合物等が挙げられる。該分子内に2個のフェノール性水酸基を有する化合物は、好ましくは前記式(I)におけるAr1の好ましい前記構造(iv)〜(vi)の構造において、*印にOH基が結合し、もう一方の結合手にHが結合したような化合物である。 このような化合物の具体例としては、(iv)の構造:4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスフェノール(三井化学製 ビスフェノールP、東京化成では「α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン」の化合物名で販売)、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスフェノール(三井化学製 ビスフェノールM)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、2,6−ビス((2−ヒドロキシフェニル)メチル)フェノール等のように、連結部Xを除いて、分子内にベンゼン環を二つ有し、ベンゼン環一つに対してOH基が一つ結合している化合物、(v)の構造:1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、のように、分子内に一つのナフタレン環を有し、ナフタレン環に対して二つのOH基が結合した化合物、(vi)の構造:1,2−ジヒドロキシベンゼン(カテコール)、1,3−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン)のように分子内に一つのベンゼン環を有し、ベンゼン環に対してOH基が二つ結合した化合物、等が挙げられる。 上記の例示としてはOH基の結合している芳香環において、OH基と連結部X((iv)の構造の場合)以外は無置換のものを挙げたが、いずれもOH基のオルト位のいずれか一つが置換可能なHであればよく、芳香環のその他の部位は種々の置換基、たとえば炭素数1〜10の直鎖状あるいは分岐を含む脂肪族炭化水素基や脂環式炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族基で置換されていてもよい。また、連結部Xに芳香環を含む場合においても、この芳香環は種々の置換基、たとえば炭素数1〜10の直鎖状あるいは分岐を含む脂肪族炭化水素基や脂環式炭化水素基等で置換されていてもよい。 芳香環が置換されたものの簡単な例示としては、(iv)の構造:2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、(v)の構造:2−メチルレゾルシノール、2,5−ジメチルレゾルシノール等が挙げられるが、当然これに限定されるものではない。 なお、前記一般式(I)の重合体の合成に際して、得ようとする本発明の熱硬化性樹脂の特性を損なわない範囲で、単官能フェノール化合物や3官能フェノール化合物を使用することもできる。単官能フェノールを使用すると重合度を調節することができ、3官能フェノールを使用すると、分岐のある重合体が得られることになる。これらは2官能フェノール化合物と同時に使用することも可能であるが、反応の順序を考慮して後で反応系に添加して反応させることもできる。 また、前記例の合成方法に用いられるジアミン化合物は、分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基を有するジアミン化合物である。該ジアミン化合物としては、分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基と2個の1級アミノ基を有する化合物等が挙げられる。このような化合物の具体例としては、例えば、トリメチルヘキサメチレンジアミン(通常2,4,4−トリメチル体と2,2,4−トリメチル体の混合物、デグサ社製「VESTAMIN TMD」等がある)、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン等が挙げられる。これらは単独で用いられても複数を併用してもよい。 なお、本発明の熱硬化性樹脂の特性を損なわない範囲で、単官能アミン化合物や三官能アミン化合物、また他のジアミン化合物を使用することもできる。単官能アミンを使用すると重合度を調節することができ、三官能アミンを使用すると、分岐のある重合体が得られることになる。また他のジアミン化合物の併用により、物性を調整することができる。これらは本発明に必須のジアミン化合物と同時に使用することも可能であるが、反応の順序を考慮して後で反応系に添加して反応させることもできる。 また、前記例の合成方法に用いられるアルデヒド化合物としては、特に限定されるものではないが、ホルムアルデヒドが好ましく、該ホルムアルデヒドとしては、その重合体であるパラホルムアルデヒドや、水溶液の形であるホルマリン等の形態で使用することが可能である。パラホルムアルデヒドを使用するほうが反応の進行は穏やかである。また、その他のアルデヒド化合物としてアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等も用いることができる。 前述のようにして得られる重合体からなる本発明の熱硬化性樹脂は、特に誘電特性の点で非常に優れた特性を有するが、その他、耐水性、耐薬品性、機械強度、信頼性、等に優れ、硬化時における揮発性副生成物やコストの面でも問題がなく、また保存性に優れており、分子設計の自由度が広い等の様々な利点を有する樹脂であり、フィルムやシート等にも容易に加工することができる。 〔熱硬化性組成物〕 本発明の熱硬化性組成物は、前述した熱硬化性樹脂を少なくとも含むものである。本発明に係る熱硬化性組成物は、前記熱硬化性樹脂を好ましくは主成分として含むものであり、例えば、主成分として前記熱硬化性樹脂を含み、且つ、副成分として、他の熱硬化性樹脂を含むものが挙げられる。 副成分としての他の熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド系樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、アニリン樹脂等が挙げられる。これらのなかでは、この組成物から形成される成形体の耐熱性をより向上させ得る観点から、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂がより好ましい。これらの他の熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。 また、本発明に係る熱硬化性組成物には、分子内に少なくとも1つのジヒドロベンゾキサジン環を有する化合物を副成分として用いることが好ましい。この場合には、ベンゾキサジン樹脂の有する優れた特徴を最大限に発現するのに効果的である。このような化合物は、分子内にフェノール性水酸基を有し、かつそのオルト位の一つがHであるような化合物と、分子内に1級アミノ基を有する化合物とホルムアルデヒドとの縮合反応により得ることができる。このとき、フェノール性水酸基を分子内に複数有する化合物を用いる場合には、1級アミノ基を分子内に一つのみ有する化合物を使用し、1級アミノ基を分子内に複数有する化合物を使用する場合には、フェノール性水酸基を分子内に一つのみ有する化合物を使用する。この分子内に少なくとも1つのジヒドロベンゾキサジン環を有する化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上が併用されてもよい。 また、本発明に係る熱硬化性組成物は、必要に応じて、難燃剤、造核剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃助剤、帯電防止剤、防曇剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、着色剤等の各種添加剤を含有していてもよい。これらはそれぞれ単独で用いられてもよく、2種以上が併用して用いられても構わない。また本発明に係る熱硬化性組成物を調製する際に、反応性あるいは非反応性の溶剤を使用することもできる。 〔成形体〕 本発明に係る成形体は、前述した熱硬化性樹脂、又はそれを含む熱硬化性組成物によって得られるものである。本発明の成形体としては、前述した熱硬化性樹脂が硬化前にも成形性を有しているため、いったん硬化前に成形した後に熱をかけて硬化させたもの(硬化成形体)でも、成形と同時に硬化させたもの(硬化体)でもよい。また、その寸法や形状は特に制限されず、例えば、シート状(板状)、ブロック状等が挙げられ、さらに他の部位(例えば粘着層)を備えていてもよい。 その硬化方法としては、従来公知の任意の硬化方法を用いることができ、一般には120〜260℃程度で数時間加熱すればよいが、加熱温度がより低かったり、加熱時間が不足したりすると、場合によっては、硬化が不十分となって機械的強度が不足することがある。また、加熱温度がより高すぎたり、加熱時間が長すぎたりすると、場合によっては、分解等の副反応が生じて機械的強度が不都合に低下することがある。よって、用いる熱硬化性化合物の特性に応じた適正な条件を選択することが望ましい。 また、硬化を行う際に、適宜の硬化促進剤を添加してもよい。この硬化促進剤としては、ジヒドロベンゾキサジン化合物を開環重合する際に一般的に使用されている任意の硬化促進剤を使用でき、例えば、カテコール、ビスフェノールA等の多官能フェノール類、p−トルエンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸等のスルホン酸類、安息香酸、サリチル酸、シュウ酸、アジピン酸等のカルボン酸類、コバルト(II)アセチルアセトネート、アルミニウム(III) アセチルアセトネート、ジルコニウム(IV)アセチルアセトネート等の金属錯体、酸化カルシウム、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化鉄等の金属酸化物、水酸化カルシウム、イミダゾール及びその誘導体、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等の第三級アミン及びこれらの塩、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン・ベンゾキノン誘導体、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボロン塩、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のリン系化合物及びその誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。 硬化促進剤の添加量は特に限定されないが、添加量が過多となると、成形体の誘電率や誘電正接が上昇して誘電特性が悪化したり、機械的物性に悪影響を及ぼしたりする場合があるので、一般に、前記熱硬化性樹脂100重量部に対し硬化促進剤を好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下の割合で用いることが望ましい。 前述の如く、こうして得られる、前記熱硬化性樹脂または前記熱硬化性組成物よりなる本発明の成形体は、重合体構造中に基R1で表されるような分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基よりなるので、主として分子間隙の増大による低密度化により、極めて優れた誘電特性を実現することができる。加えて、分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素を用いたため、高分子の結晶性が低くなり、流動性が高まり、ひいては塗工性において良好な特性を与える。 また本発明の成形体は、硬化前の状態で重合体構造を有するベンゾキサジン化合物を使用するため、その硬化体は、一般的に使用されている二官能等の低分子量ベンゾキサジン化合物より得られる硬化体よりも耐熱性に優れる。 また、本発明の成形体は、前記熱硬化性樹脂または前記熱硬化性組成物の有する熱硬化性という性質に基づいて信頼性、難燃性、成形性、美観性等に優れており、しかもガラス転移温度(Tg)が高いので、応力がかかる部位や可動部にも適用することが可能であり、且つ、重合時に揮発性の副生成物を発生しないので、そのような揮発性の副生成物が成形体中に残存せず衛生管理上も好ましい。 本発明の成形体は、電子部品・機器及びその材料、特に優れた誘電特性が要求される多層基板、積層板、封止剤、接着剤等の用途に好適に用いることができ、その他、航空機部材、自動車部材、建築部材、等の用途にも使用することができる。 以下に本発明における代表的な実施例を示すが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。 クロロホルム中に、ビスフェノールA(東京化成製、99%)23.06g(0.10mol)、トリメチルヘキサメチレンジアミン(東京化成製、98%、2,2,4−トリメチル体と2,4,4−トリメチル体の混合物)16.15g(0.10mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)13.42g(0.42mol)を投入し、還流下で6時間反応させた。反応スキームを以下に示す(ジアミン化合物については代表として2,4,4−体を示すが、2,2,4−体も存在している)。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて重合体を析出させた。その後、ろ別により重合体を分離し、メタノールで洗浄した。その後、減圧乾燥により、下記構造を有する重合体を得た。形状は白色粉末であった。GPCによる分子量の測定では、標準ポリスチレン換算で重量平均分子量は5,400であった。また重合体のTHF、クロロホルムへの溶解性は良好であった。 実施例1で得られた重合体を熱プレス法によりシート状に成形し、140℃、160℃、180℃で各1時間保持し、0.5mmtのシート状の硬化成形体を得た。 得られた成形体について、誘電率測定装置(AGILENT社製、商品名「RFインピーダンス/マテリアル アナライザ E4991A」)を用いて容量法により、23℃、100MHz及び1GHzにおける誘電率及び誘電正接を測定した。結果を表1に示す。 実施例2の硬化成形体は、誘電率が3.0以下であり、誘電正接も0.01以下と良好な誘電特性を示した。 また得られたシートを細かく裁断し、島津製作所製、商品名「DTG−60」を用いてTGA法により、10℃/minの昇温速度で10%重量減少温度(Td10)を評価した。実施例2の硬化成形体はTd10が314℃と良好な値を示した。[比較例1] 実施例1において、1,8−ジアミノオクタン(東京化成製、95%)15.19g(0.1mol)をトリメチルヘキサメチレンジアミンの代わりに使用した以外は、実施例1と同様にして重合体を合成した。反応終了後は、均一な溶液であった。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて重合体を析出させ、ろ別により重合体を分離し、メタノールで洗浄した。その後、減圧乾燥により、重合体を単離した。得られた重合体はTHFに不溶であった。またクロロホルムへの溶解性も悪く、3wt%の組成では1夜かかっても完全には溶解せず、しかもその後放置しておくと溶液はゲル化した。 クロロホルム中に、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)22.98g(0.065mol)、2−メチルペンタメチレンジアミン(東京化成製、98%)7.71g(0.065mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)8.72g(0.27mol)を投入し、還流下で6時間反応させた。反応スキームを以下に示す。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて重合体を析出させた。その後、ろ別により重合体を分離し、メタノールで洗浄した。その後、減圧乾燥により、下記構造を有する重合体を得た。形状は白色粉末であった。GPCによる分子量の測定では、標準ポリスチレン換算で重量平均分子量は8,200であった。また重合体のTHF、クロロホルムへの溶解性は良好であった。 本発明は、誘電特性、特に誘電率と誘電体損失が従来に比して更に改善された熱硬化性樹脂、その製造方法及び該樹脂を含む熱硬化性組成物、並びにそれから得られる成形体及び該成形体を含む電子機器として、産業上の利用可能性を有する。 下記一般式(I)で示される、ジヒドロベンゾキサジン環構造を主鎖中に有する重合体からなる熱硬化性樹脂。〔式(I)において、 Ar1は、4価の芳香族基を示し、 R1は、分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基であり、 nは、2〜500の整数を示す。〕 R1が主鎖の炭素数3〜20の分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂。 R1が下記(i)または(ii)で示される基である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂。〔式中、*印は前記式(I)におけるNへの結合部位を示す。〕 R1が下記(iii)で示される基である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂。〔式中、*印は前記式(I)におけるNへの結合部位を示す。〕 前記式(I)におけるAr1が、下記(iv)、(v)、(vi)のいずれかの構造で示される、請求項1〜4の何れかに記載の熱硬化性樹脂。〔各式中、*印は式(I)における酸素原子への結合部位、もう一方はオキサジン環4位のメチレン基への結合部位を示す。 また、各芳香環の水素は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基あるいは脂環式炭化水素基、置換もしくは無置換フェニル基で置換されていてもよい。 式(iv)におけるXは、直接結合手(原子もしくは原子団が存在しない)、またはヘテロ元素もしくは官能基を含んでいても良い脂肪族、脂環式もしくは芳香族の炭化水素基を示す。〕 前記式(I)におけるAr1が、上記(iv)の構造で示される、請求項5に記載の熱硬化性樹脂。 前記式(I)におけるAr1が前記構造(iv)であり、該構造(iv)中のXが、下記群Aから選択される少なくとも一つである、請求項5に記載の熱硬化性樹脂。 〔式中、*印は前記構造(iv)における芳香環への結合部位を示す。〕 前記式(I)におけるAr1が前記構造(iv)であり、該構造(iv)中のXが、下記群Bから選択される少なくとも一つである、請求項5に記載の熱硬化性樹脂。 〔式中、*印は前記構造(iv)における芳香環への結合部位を示す。〕 前記式(I)におけるAr1が、下記群Cより選択される少なくとも一つである、請求項1に記載の熱硬化性樹脂。〔各式中、*印は式(I)における酸素原子への結合部位、もう一方はオキサジン環4位のメチレン基への結合部位を示す。 また、各芳香環の水素は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基あるいは脂環式炭化水素基、置換もしくは無置換フェニル基で置換されていてもよい。〕 R1が前記(i)または(ii)で示される基である、請求項9に記載の熱硬化性樹脂。 R1が前記(iii)で示される基である、請求項9に記載の熱硬化性樹脂。 フェノール化合物と、分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基を有するジアミン化合物と、アルデヒド化合物とを、溶媒中で加熱してなる熱硬化性樹脂。 前記溶媒が、芳香族系溶媒、ハロゲン系溶媒、又はエーテル系溶媒である、請求項12記載の熱硬化性樹脂。 温度30〜110℃で、20分〜9時間反応させてなる、請求項12または13に記載の熱硬化性樹脂。 フェノール化合物と、分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基を有するジアミン化合物と、アルデヒド化合物とを、溶媒中で加熱する、熱硬化性樹脂の製造方法。 請求項1〜14の何れかに記載の熱硬化性樹脂を少なくとも含む熱硬化性組成物。 分子内に少なくとも一つのジヒドロベンゾキサジン構造を有する化合物を含む、請求項16記載の熱硬化性組成物。 請求項1〜14の何れかに記載の熱硬化性樹脂または請求項16もしくは17に記載の熱硬化性組成物より得られる成形体。 請求項1〜14の何れかに記載の熱硬化性樹脂または請求項16もしくは17に記載の熱硬化性組成物を硬化させて得られる硬化体。 請求項18記載の成形体を硬化させて得られる硬化成形体。 請求項18記載の成形体、請求項19記載の硬化体、または請求項20記載の硬化成形体を含む電子機器。 【課題】本発明は、誘電特性に優れ、特に誘電率と誘電体損失が従来に比して更に改善された熱硬化性樹脂、及びそれを含む組成物、並びにそれから得られる成形体を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、下記一般式(I)で示される、ジヒドロベンゾキサジン環構造を主鎖中に有する重合体からなる熱硬化性樹脂、その製造方法及び該樹脂を含む熱硬化性組成物、並びにそれから得られる成形体及び該成形体を含む電子機器を提供する。〔式(I)において、Ar1は、4価の芳香族基を示し、R1は、分岐を有する鎖状脂肪族炭化水素基であり、nは、2〜500の整数を示す。〕【選択図】なし