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タイトル:公開特許公報(A)_光輝性顔料
出願番号:2005335066
年次:2007
IPC分類:C09C 1/00,C09C 3/06,C09C 3/12,C09D 201/00,C09D 11/00,C08L 101/00,C08K 9/00,A61K 8/25


特許情報キャッシュ

猪野 寿一 木村 悠介 北村 武昭 JP 2007138053 公開特許公報(A) 20070607 2005335066 20051119 光輝性顔料 日本板硝子株式会社 000004008 伊藤 俊哉 100128152 猪野 寿一 木村 悠介 北村 武昭 C09C 1/00 20060101AFI20070511BHJP C09C 3/06 20060101ALI20070511BHJP C09C 3/12 20060101ALI20070511BHJP C09D 201/00 20060101ALI20070511BHJP C09D 11/00 20060101ALI20070511BHJP C08L 101/00 20060101ALI20070511BHJP C08K 9/00 20060101ALI20070511BHJP A61K 8/25 20060101ALI20070511BHJP JPC09C1/00C09C3/06C09C3/12C09D201/00C09D11/00C08L101/00C08K9/00A61K8/25 12 1 OL 16 4C083 4J002 4J037 4J038 4J039 4C083AB431 4C083AB432 4C083BB23 4C083BB25 4C083CC01 4C083DD21 4C083EE07 4C083FF01 4J002AA011 4J002AA021 4J002FB076 4J002FB106 4J002FB136 4J002FB146 4J002FD096 4J002GL02 4J037AA22 4J037AA30 4J037CA19 4J037CA24 4J037CB13 4J037CB16 4J037CB23 4J037EE03 4J037EE04 4J037EE14 4J037EE17 4J037FF15 4J037FF22 4J038CB001 4J038CG141 4J038CH001 4J038DA041 4J038DA141 4J038DB001 4J038DD001 4J038HA346 4J038HA486 4J038KA08 4J039AB02 4J039AB04 4J039AB08 4J039AB09 4J039AB10 4J039AD03 4J039AD06 4J039AD09 4J039AD10 4J039AD12 4J039AD14 4J039AE02 4J039AE06 4J039BA18 4J039BA21 4J039BA25 4J039BA35 4J039EA34 4J039GA02 4J039GA03 4J039GA21 4J039GA26 本発明は、光輝性顔料に関する。さらには、この光輝性顔料を含有する塗料、樹脂組成物、インキ組成物、人造大理石成型品、塗被紙および化粧料に関する。 従来から光輝性顔料として、フレーク状のアルミニウム粉末,二酸化チタンまたは酸化鉄などの金属酸化物で被覆された雲母片粒子またはグラファイト片粒子,α−酸化鉄結晶粒子を主成分とする酸化鉄粒子などが知られている。これらの光輝性顔料は、外部からの入射光をその表面で反射してキラキラと輝き、塗料に配合されれば塗装面に、インキであれば描線または印刷面に、あるいは樹脂組成物であれば樹脂成型品の表面に、それら各種素地の色調と相俟って、変化に富んだ美粧性に優れた独特の外観を与える。 美粧性の向上を目的として、自動車,オートバイ,OA機器,携帯電話,家庭電化製品,各種印刷物または筆記用具類など各種用途に光輝性顔料は広く利用されている。これらの中でも、特に、屋外で利用される自動車,オートバイにおいては、顔料に高い耐候性が求められている。紫外線に曝されると、顔料に含まれる二酸化チタンによる光触媒活性により、分解や変色が加速されるためである。 これら顔料による分解や変色を防ぐため、例えば、特開平1−292067号公報では金属酸化物被覆雲母フレーク表面に、次亜リン酸の存在下でジルコニウム化合物を加水分解させて生成する含水酸化ジルコニウムと、コバルト,マンガン,セリウム等の含水酸化物とを付着させた顔料が開示されている。 特開平7−268241号公報では、二酸化チタンまたは酸化鉄で被覆した雲母状真珠光沢顔料を、水和セリウムと酸化アルミニウムでコーティングすることが開示されている。 特表2000−505833号公報では、マイカに二酸化チタンまたは酸化鉄を被覆した真珠光沢顔料を、水和酸化Alまたは水和酸化Ceと水和酸化Alで被覆し、さらにシランカップリング剤で処理することが開示されている。 特開2002−194247号公報では、薄片基材にAlまたはSiの水酸化物を形成し、さらにAl,Si,Ce,Zrの少なくとも一種以上の水酸化物層を形成し、さらに有機疎水性カップリング剤の第3層からなる真珠光沢顔料が開示されている。特開平1−292067号公報特開平7−268241号公報特表2000−505833号公報特開2002−194247号公報 しかし、従来の光輝性顔料は二酸化チタン顔料がアナターゼ型二酸化チタンを含み、また耐候性を向上させるための被膜も各種の複合物となるため、組成の安定化が難しく、また耐候性も充分でなかった。さらに、複合物を被覆する工程が煩雑で工業的にコストが高くなるものであった。 そこで、本発明は、以上のような問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、より簡単な組成にて安定して製造することができ、塗料や樹脂組成物などに配合され屋外などで使用される過酷な環境においても高い耐候性を示し、さらに樹脂との接着性を向上させた光輝性顔料を安価に提供することにある。さらには、この光輝性顔料を用いた塗料や樹脂組成物などを提供することにある。 上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、鱗片状ガラスの表面上にルチル型二酸化チタン膜が被覆された光輝性顔料において、 前記光輝性顔料に、水酸化セリウムと無定形シリカとがこの順に被覆され、さらにその表面にカップリング剤が被覆処理されたことを要旨とする。 請求項2に記載の発明は、鱗片状ガラスの表面上にルチル型二酸化チタン膜が被覆された光輝性顔料において、 前記光輝性顔料に、無定形シリカと水酸化セリウムとがこの順に被覆され、さらにその表面にカップリング剤が被覆処理されたことを要旨とする。 請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の光輝性顔料において、前記光輝性顔料における前記水酸化セリウムの含有率が0.1質量%〜10.0質量%であることを要旨とする。 請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の光輝性顔料において、前記光輝性顔料における前記無定形シリカの含有率が0.1質量%〜30.0質量%であることを要旨とする。 請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の光輝性顔料において、前記光輝性顔料における前記カップリング剤の含有率が0.01質量%〜5.0質量%であることを要旨とする。 請求項6に記載の発明は、請求項2または5に記載の光輝性顔料において、前記カップリング剤がエポキシシランおよび/またはアミノシランであることを要旨とする。 請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光輝性顔料を含有する塗料であることを要旨とする。 請求項8に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光輝性顔料を含有する樹脂組成物であることを要旨とする。 請求項9に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光輝性顔料を含有するインキ組成物であることを要旨とする。 請求項10に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光輝性顔料を含有する人造大理石成型品であることを要旨とする。 請求項11に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光輝性顔料を含有する塗被紙であることを要旨とする。 請求項12に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光輝性顔料を含有する化粧料であることを要旨とする。 本発明の光輝性顔料は、表面平滑な鱗片状ガラスを基材とし、その表面に光触媒活性の弱いルチル型二酸化チタンを被覆し、さらに水酸化セリウムと無定形シリカを被覆し、さらにカップリング剤を被覆処理することで、意匠性が良好でかつ耐候性の高い光輝性顔料を提供することができる。さらに、工程が簡易なため、耐候性の高い光輝性顔料を安価に提供することができる。 この耐候性の高い光輝性顔料を用いることにより、素地の色調を損なうことなく、高い意匠性でかつ耐候性の高い塗料,樹脂組成物,インキ組成物,人造大理石成型品,塗被紙および化粧料が従来と同様の手段により得られる。特に、屋外で利用される自動車,オートバイに好適に用いることができる。 図1は本発明による光輝性顔料100の断面図を模式的に示したものである。図1に示すように、光輝性顔料100には、基材となる鱗片状ガラス10側から順に、ルチル型二酸化チタン膜20,水酸化セリウム被覆30,無定形シリカ被覆40が設けられており、無定形シリカ被覆40の表面に、カップリング剤50が被覆処理されている。ここで、水酸化セリウム被覆と無定形シリカ被覆とは順序を入れ替えてもよく、無定形シリカ被覆上に水酸化セリウム被覆が設けられる際には、水酸化セリウム被覆の表面にカップリング剤が被覆処理される。 本発明では、基材として、表面の平滑性が高く、かつ透明性の高い鱗片状ガラスを用いている。この鱗片状ガラスに二酸化チタンを被覆することにより、干渉色を呈することができる。 本発明に用いられる鱗片状ガラスは、ブロー法で製造されるとよい。ブロー法とは、原料カレットを熔融し、熔けたガラスを円形スリットから連続的に取り出し、そのときに円形スリットの内側に設けられたブローノズルから空気等の気体を吹き込んで、熔けたガラスを膨らませながら引っ張ってバルーン状とし、厚みの薄くなったガラスを粉砕して、鱗片状ガラスを得る方法である。 このように製造された鱗片状ガラスの表面は、熔融成形時の火造り面における平滑性を維持している。このため、滑らかな表面を有しているので、光をよく反射する。この鱗片状ガラスを、塗料や樹脂組成物等に配合すると、高い光輝感が得られるので好ましい。このような鱗片状ガラスとしては、例えば、日本板硝子(株)より、マイクログラス(登録商標)Rガラスフレーク(登録商標)Rシリーズ(RCF−160,REF−160,RCF−015,REF−015)が市販されている。 鱗片状ガラスを被覆する二酸化チタンは、ルチル型二酸化チタンである。二酸化チタンは、アナターゼ型,ブルーカイト型,ルチル型の3種類の結晶型を有する。この中で工業的に製造されているのは、アナターゼ型とルチル型である。アナターゼ型二酸化チタンは、強い光触媒活性を持つため、樹脂や塗料の分解や変色が加速される。一方、ルチル型二酸化チタンはアナターゼ型二酸化チタンと比較すると10分の1程度の光触媒活性であり、塗料や樹脂に顔料として使用する場合に適している。さらに、光輝性顔料の被膜としては屈折率が高く、また緻密かつ均一なほど発色性がよくなるため、本発明ではルチル型二酸化チタンを用いる。 ルチル型二酸化チタンの製造方法としては、特開2001−31421号公報に開示されているように、温度55〜85℃,pH1.3以下の条件下で、チタン含有溶液から中和反応により析出する方法が例示できる。この方法を用いると、結晶型転移のための加熱を本質的に必要とせず、耐熱性の低い基材に対してもルチル型二酸化チタンを容易に定着させることができる。本発明の光輝性顔料におけるルチル型二酸化チタンの厚みは、20nm〜200nmが好ましい。 これら鱗片状ガラスにルチル型二酸化チタンが被覆され干渉色を呈するものとしては、例えば、日本板硝子(株)より、メタシャイン(登録商標)RRCシリーズ(MC5090RS,MC5090RY,MC5090RR,MC5090RB,MC5090RG,MC1080RS,MC1080RY,MC1080RR,MC1080RB,MC1080RG,MC1040RS,MC1040RY,MC1040RR,MC1040RB,MC1040RG,MC1020RS,MC1020RY,MC1020RR,MC1020RB,MC1020RG)が市販されている。 ルチル型二酸化チタンで被覆された光輝性顔料の形状は、使用用途によって異なり、特に限定されない。一般的には、平均粒径1μm〜500μm、かつ平均厚さが0.5μm〜10μmであることが好ましい。その粒径が大きすぎる場合には、光輝性顔料を塗料や樹脂組成物に配合する際に、鱗片状ガラスが破砕される。特に、二酸化チタンが被覆された鱗片状ガラスでは、その断面が露出するので、ガラスに含まれるアルカリ成分が拡散する虞がある。 一方、その粒径が小さすぎると、塗膜や樹脂組成物中で光輝性顔料の平面がランダムな方向を向いてしまい、また、個々の粒子が放つ反射光が弱くなる。このため、光輝感が損なわれる虞がある。 インキに用いる場合には、粒径の小さい光輝性顔料が好ましく、平均粒径が1〜40μmで、平均厚さが0.5〜3μmあることが好ましい。 さらに、耐候性を向上させるために、水酸化セリウムおよび無定形シリカを被覆する。なお、被覆の順序としては、水酸化セリウムを被覆した後に無定形シリカを被覆してもよいし、無定形シリカを被覆した後に水酸化セリウムを被覆してもよい。このうち、前者の方が耐候性を向上させるためにより効果的であり、好ましい。 光輝性顔料における水酸化セリウムの含有率は、0.1質量%〜10.0質量%であることが好ましい。0.1質量%より少ない場合、充分な耐候性が得られない。一方、10.0質量%を超えると水酸化セリウムによる着色が見られ、意匠性を損ない、さらには工業的生産性が低下しコスト高になる。 光輝性顔料における無定形シリカの含有率は、0.1質量%〜30.0質量%であることが好ましい。0.1質量%より少ない場合、金属イオンの溶出防止機能が不十分になり易くなるため、充分な耐候性が得られない。一方、30.0質量%を超えると、金属酸化膜にクラックが入るため剥がれ易くなり、また工業的生産性が低下しコスト高になる。 水酸化セリウムおよび無定形シリカを被覆する方法は、特に限定されるものではなく、金属塩から酸化物を粉体表面に析出させる方法、ゾルゲル法、CVD法またはLPD法など紛状体に薄膜を形成する公知の方法を用いることができる。 水酸化セリウムの被覆法としては、以下の方法が例示できる。まず、ルチル型二酸化チタン粒子の水性スラリーを形成する。次に、そのスラリーに硫酸セリウム、塩化セリウムもしくは硝酸セリウム等の鉱酸塩の水溶液を添加し、さらに水酸化アルカリ金属等のアルカリと反応させることにより水酸化セリウムを析出させる。 無定形シリカの被覆法として、以下の方法が挙げられる。 まず、特公昭46−9555号公報に示されたように、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)をアルカリ環境下で粉状体スラリーに添加し、粉状体表面にシリカを析出させる方法(金属塩法)がある。また、特公昭48−32415号公報や特開平3−54126号公報に示されたように、粉状体とテトラアルコキシシランとの混合物を塩基性溶液中またはアルカリ性溶液中に投入し、テトラアルコキシシランの加水分解により粉状体表面にシリカの被膜を成形する方法(ゾルゲル法)がある。また、特開平3−066764号公報に示されたように、ケイフッ化水素酸溶液中に粉状体を懸濁させ、ホウ酸やアルミニウムを添加したり温度を上昇させたりして平衡をずらし、粉状体にシリカ被膜を成形する方法(LPD法)などがある。 また、塗料や樹脂との親和性を高めるために、水酸化セリウムおよび無定形シリカを被覆した光輝性顔料に、カップリング剤を被覆処理する。カップリング剤の代表的な例として、シランカップリング剤を挙げることができる。シランカップリング剤は使用する樹脂によって異なるが、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリロキシシランおよびアミノシランが好ましく、これらシランカップリング剤は単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。 ビニルシランとしては、ビニルトリクロルシラン,ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン等が例示できる。 エポキシシランとしては、2-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルロリメトキシシラン,3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン,3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等がが例示できる。 メタクリロキシシランとしては、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン,3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン,3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が例示できる。 アミノシランとしては、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン,N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン,3-アミノプロピルトリメトキシシラン,3-アミノプロピルトリエトキシシラン,3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン,N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等が例示できる。 光輝性顔料におけるシランカップリング剤の含有率は、0.01質量%〜5.0質量%であることが好ましい。0.01質量%より少ない場合、塗料や樹脂との充分な親和性が得られない。一方、5.0質量%を超えると、カップリング剤同士の反応が起こり、それらが基材と塗料や樹脂との親和性を損ない、またコストが高くなる。 この光輝性顔料は、従来の光輝性顔料と同様に、溶液や樹脂中に適量配合され、また、他の着色顔料と併用されて、塗料,樹脂組成物,インキ組成物,人造大理石成型品,塗被紙および化粧料などの各種用途に利用される。 例えば、塗料中に配合する場合には、母材樹脂に熱硬化性樹脂として、アクリル樹脂,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂,尿素樹脂,フッ素樹脂,ポリエステル−ウレタン硬化系樹脂,エポキシ−ポリエステル硬化系樹脂,アクリル−ポリエステル系樹脂,アクリル−ウレタン硬化系樹脂,アクリル−メラミン硬化系樹脂,ポリエステル−メラミン硬化系樹脂などを使用する。また、熱可塑性樹脂として、ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,石油樹脂,熱可塑性ポリエステル樹脂,熱可塑性フッ素樹脂などを使用する。また、硬化剤に、ポリイソシアネート,アミン,ポリアミド,多塩基酸,酸無水物,ポリスルフィド,三フッ化硼素酸,酸ジヒドラジド,イミダゾールなどを使用することが好ましい。 塗料中における光輝性顔料の含有率は、乾燥硬化後の塗膜において、0.1質量%〜30質量%となるように調整することが好ましい。より好ましい含有率は、1質量%〜20質量%である。光輝性顔料の含有率が0.1質量%よりも少ない場合には、塗膜に充分な光輝性がない。一方、30質量%よりも多いと、含有率の割には光輝性の向上が小さくなり、却って素地の色調を損なってしまう虞が生じる。 この光輝性顔料は、素地の色調を損なうことがないので、あらゆる色の塗料に利用することができる。例えば、赤,青,緑,黒などの原色に加え、色調の調整が困難なパステルカラーなどにも使用できる。 樹脂組成物中に配合する場合には、母材樹脂に上記の各種熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を利用することができる。特に、熱可塑性樹脂に使用すれば、射出成形が可能となるため、複雑な形状の成型品を得ることができる。この光輝性顔料は、基材がガラス粒子であるため、マイカのような劈開性がなく、射出成型においても一定の粒径を維持することができる。 インキ組成物に配合する場合には、光輝性顔料として、平均厚さ0.2μm〜2μm、平均粒径120μm以下の鱗片状ガラスを基材とするものを使用することが好ましい。平均厚さが2μm以上では、筆跡の外観上、光輝性顔料が飛び出したようになり、滑らかさが損なわれる。また、平均粒径が120μmを超える場合も筆跡の滑らかさが損なわれる。 インキ組成物には、各種ボールペン,サインペンなどの筆記具用インキならびにグラビアインキ,オフセットインキなどの印刷インキがある。この光輝性顔料は、いずれのインキ組成物にも配合することができる。 筆記具用インキのビヒクルの例としては、アクリル樹脂,スチレン−アクリル共重合体,ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸塩,アクリル酢酸ビニル共重合体,ザンサンガムなどの微生物産性多糖類、グアーガムなどの水溶性植物性多糖類などと、溶剤として水,アルコール,炭化水素,エステルなどからなるものが挙げられる。 グラビアインキ用ビヒクルの例としては、ガムロジン,ウッドロジン,トール油ロジン,ライムロジン,ロジンエスエル,マレイン酸樹脂,ポリアミド樹脂,ビニル樹脂,ニトロセルロース,酢酸セルロース,エチルセルロース,塩化ゴム,環化ゴム,エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂,ウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,アルキド樹脂,ギルソナイト,ダンマルもしくはセラックなどの樹脂混合物、上記樹脂の混合物、上記樹脂を水溶化した水溶性樹脂または水性エマルション樹脂と、炭化水素,アルコール,エーテル,エステルまたは水などの溶剤からなるものが挙げられる。 オフセットインキ用ビヒクルの例としては、ロジン変性フェノール樹脂,石油樹脂,アルキド樹脂またはこれらの乾性変性樹脂などの樹脂と、アマニ油,桐油または大豆油などの植物油と、n−パラフィン,イソパラフィン,アロマテック,ナフテン,α−オレフィンまたは水などの溶剤とからなるものが挙げられる。 なお、上記の各種ビヒクル成分には、染料,顔料,各種界面活性剤,潤滑剤,消泡剤,レベリング剤などの慣用の添加剤を適宜選択して配合してもよい。 人造大理石成型品にこの光輝性顔料を配合する場合には、最表層に透明ゲルコート層、その内部に光輝性顔料を含む中間層、その中間層の下に着色された骨材を含む人造大理石層の3層構造とすることが好ましい。この3層構成であれば、最表層が透明ゲルコート層であるため、その内部が外観に反映され、中間層の発する強い反射光と人造大理石層の模様とが相俟って、キラキラとした高い光輝感を有する大理石調の外観が形成される。 透明ゲルコート層の厚さは、奥行き感と可視光透過率の低減とを勘案して、0.3mm〜0.7mmとすることが好ましい。透明ゲルコート層の成分は、特に限定されないが、取り扱い易さや加工成形性の高さから熱硬化性樹脂が好ましい。具体的には、不飽和ポリエステル樹脂,ビニルエステル樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,フェノール樹脂またはこれらの混合物もしくは変性物(例えば、不飽和ポリエステル樹脂の末端基をアクリル系に変えた変性物)などが挙げられる。特に、不飽和ポリエステル樹脂は、透明性が高く、安価で入手し易いので好ましい。 中間層は、大理石調の外観に高い光輝感を与えるためのものであり、人造大理石層の模様を覆い隠すものであってはならない。そのため、少なくとも可視光透過性を備える必要がある。ただし、その主成分に最表層の透明ゲルコートと同一のものを使用する必要はない。なお、外観が損なわれない限り、透明ゲルコート層と人造大理石層との間に、上記中間層以外の層をさらに設けてもよい。具体的には、可視光透過性の高い色付きフイルムを配置することにより、人造大理石成型品の色調を簡便に調整することができる。 中間層は、厚さが0.05mm〜1mmの範囲が好ましく、その構成成分として可視光透過性の高い熱硬化性樹脂が好適である。また、光輝性顔料の他に、硬化剤や促進剤を含有してもよい。必要に応じて増粘剤,揺変剤,消泡剤または特性向上剤が配合されてもよい。さらに、着色顔料,その他の金属顔料(アルミニウム顔料や酸化鉄顔料など),干渉色顔料(金属酸化物で被覆したマイカなど)から選ばれた1種または2種以上が素地の色調を著しく損なわない範囲で配合されてもよい。 人造大理石層は、厚さ3mm〜25mmが好ましく、その主成分は熱硬化性樹脂であり、その他の成分として骨材,促進剤,硬化剤および着色剤を含有する。この熱硬化性樹脂には、上記透明ゲルコート層の熱硬化性樹脂を利用できる。例えば、不飽和ポリエステル樹脂である。骨材としては、ガラスフリット,寒水石,水酸化アルミニウム,炭酸カルシウムまたはシリカ粉体などの無機材料、あるいは熱可塑性ポリエステル樹脂などの有機材料が使用できる。さらに、必要に応じて強化材としてガラス繊維を含有してもよい。 中間層における光沢顔料の配合率が過度に低い場合には、光輝感と奥行き感が得られ難くなり、一方過度に高いとコスト面および物性面などで問題が生じる。そこで、中間層における光輝性顔料の配合率は、熱硬化性樹脂100質量部に対し0.01質量部〜10質量部が好ましい。 人造大理石成型品に強度が求められる場合には、人造大理石層の背面に、繊維強化プラスチック(以下、FRPと略す)層を設けてもよい。この場合、FRP層は人造大理石層の背面に配置されるため、人造大理石成型品の光輝感は損なわれない。FRP層は、例えば、チョップドストランドグラスマットに不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂またはエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂を含浸させ、加熱硬化することによって得られる。また、FRP層に着色剤を添加すれば、人造大理石成型品に彩りを与えたり、背面からの光線を遮蔽することができる。 人造大理石成型品の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来の方法をそのまま利用できる。例えば、浴槽のように複雑な形状のものを製造する場合には、注型法やプレス成形法などの方法を利用できる。また、FRP層を備えた浴槽を製造する場合には、人造大理石層を形成させた後、チョップドストランドグラスを含有する熱硬化性樹脂を人造大理石層の表面に、スプレーガンで吹き付ける方法(スプレーアップ法)を用いることができる。また、熱硬化性樹脂を含浸させたチョップドストランドグラスマットを、人造大理石層の表面にハドレイアップ法により取り付けた後に、50℃で1時間キュアリングする方法なども用いることができる。あるいは、人造大理石層を成形する前に、上記のスプレーアップ法またはハンドレイアップ法により、浴槽の裏型材の表面に予めFRP層を形成させてもよい。 人造大理石成型品に使用する光輝性顔料の形状は、鱗片状ガラスを基材とする場合、平均粒径0.01mm〜2mm、平均厚さ0.5μm〜30μmが好ましい。平均粒径が2mmを超える場合には、中間層の成形加工過程において割れが生じ易くなる。一方、平均粒径が0.01mm未満になると、光輝感の低下が著しくなる。また、平均厚さが0.5μm未満のものは破砕され易い。一方、平均厚さが30μmを超えると、中間層における光輝性顔料の粒子数が少なく光輝感が乏しくなり、外観不良が生じ易くなる。 塗被紙に配合する場合には、ステアリン酸,ラウリル酸のアルカリ塩,共重合ラテックスもしくは澱粉などからなる接着剤、界面活性剤および水などの溶媒に、必要に応じて酸化防止剤,紫外線吸収剤,耐水化剤,防腐防黴剤,殺菌剤,消泡剤,香料および/または染料を配合して得られる溶液を、ブレードコーター,エアナイフコーター,ロールコーター,カーテンコーター,バーコーター,グラビアコーターまたはサイズプレスコーターなどの塗被装置で原紙上に片面または両面に、単層または二層以上塗被することで、キラキラと輝く塗被紙が得られる。 以下に、実施例および比較例を示してこの発明をより詳細に説明するが、この発明の要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。(実施例1) ルチル型二酸化チタンが被覆され干渉色を呈する光輝性顔料として、日本板硝子(株)製メタシャイン(登録商標)MC1020RBを用いた。この光輝性顔料は、平均粒径20μm、平均厚み1.3μmであり、青色光沢の干渉色を呈している。この光輝性顔料50gを精製水0.5Lに懸濁させ、ウォーターバスで75℃に保ち、そこにケイ酸ナトリウム溶液(シリカ固形分37.1%、和光純薬社製)を5g秤量し、精製水で10倍に希釈したものをゆっくりと添加した。この際、3.5質量%塩酸で、懸濁液のpHを9.2〜9.4に保ちながら進めた。添加後、75℃で30分間攪拌を続けた。その後、懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し水洗して、無定形シリカ膜が被覆された光輝性顔料を得た。 続いて、硝酸セリウム6水和物0.6gの20質量%水溶液を作製した。前記シリカ膜が被覆された光輝性顔料約50gを精製水0.5Lに懸濁させ、ウォーターバスで75℃に保ち、そこに作製した硝酸セリウム水溶液と1N水酸化ナトリウム水溶液2.0gを10分かけてゆっくり添加した。添加後、75℃で30分間攪拌を続けた。その後、懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し水洗して、水酸化セリウムが被覆された光輝性顔料を得た。 さらに、シランカップリング剤として、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−403)0.5gを準備し、イオン交換水49.5gに投入して攪拌し、加水分解させた。前記水酸化セリウムが被覆された光輝性顔料約50gを精製水0.5Lに懸濁させ、そこに加水分解させたシランカップリング剤を添加した。30分攪拌した後、懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し120℃で2時間乾燥した。この場合のシランカップリング剤添加量は1質量%である。このようにして、シランカップリング剤が被覆処理された光輝性顔料を得た。 また分析の結果、得られた光輝性顔料のシリカ付着量は約1質量%で、水酸化セリウム付着量は約0.3質量%であった。(実施例2) ルチル型二酸化チタンが被覆され干渉色を呈する光輝性顔料日本板硝子(株)製メタシャイン(登録商標)MC1020RBに、実施例1と同様の方法にて、まず水酸化セリウムを被覆し、続いて無定形シリカを被覆した。さらに実施例1と同様の方法にて、シランカップリング剤の被覆処理を行い、濾過固形物を取り出し120℃で2時間乾燥した。この場合のシランカップリング剤の添加量は1質量%である。このようにして、シランカップリング剤が被覆処理された光輝性顔料を得た。 また、分析の結果、得られた光輝性顔料の水酸化セリウム付着量は約0.3質量%で、シリカ付着量は約1質量%であった。(実施例3) ルチル型二酸化チタンが被覆され干渉色を呈する光輝性顔料として日本板硝子(株)製メタシャイン(登録商標)MC1020RBを用いた。この光輝性顔料50gを精製水0.5Lに懸濁させ、ウォーターバスで75℃に保ち、そこにケイ酸ナトリウム溶液(シリカ固形分37.1%、和光純薬社製)を5g秤量し精製水で10倍に希釈したものをゆっくりと添加した。この際、3.5質量%塩酸で、懸濁液のpHを9.2〜9.4に保ちながら進めた。添加後、75℃で30分間攪拌を続けた。その後、懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し水洗して、無定形シリカが被覆された光輝性顔料を得た。 続いて、塩化セリウム7水和物0.6gの10質量%水溶液を作製した。前記シリカ膜が被覆された光輝性顔料50gを精製水0.5Lに懸濁させ、ウォーターバスで75℃に保ち、そこに作製した塩化セリウム水溶液を添加し、さらに3.5質量%塩酸で懸濁液のpHを1.5に調整した。この後、懸濁液のpHが7になるよう、1mol/cm3(1N)水酸化ナトリウム水溶液をゆっくり添加した。その後、懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し水洗して水酸化セリウムが被覆された光輝性顔料を得た。 さらに、シランカップリング剤として、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−403)0.5gを準備し、イオン交換水49.5gに投入して攪拌し、加水分解させた。前記水酸化セリウムが被覆された光輝性顔料約50gを精製水0.5Lに懸濁させ、そこに加水分解させたシランカップリング剤を添加した。30分攪拌した後、懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し、120℃で2時間乾燥した。この場合のシランカップリング剤添加量は1質量%である。このようにして、シランカップリング剤が被覆処理された光輝性顔料を得た。 また、分析の結果、得られた光輝性顔料のシリカ付着量は約1質量%で、水酸化セリウム付着量は約0.25質量%であった。(比較例1) ルチル型二酸化チタンが被覆され干渉色を呈する光輝性顔料として日本板硝子(株)製メタシャイン(登録商標)MC1020RBを用いた。この光輝性顔料50gを精製水0.5Lに懸濁させ、ウォーターバスで75℃に保ち、そこにケイ酸ナトリウム溶液(シリカ固形分37.1%、和光純薬社製)を5g秤量し精製水で10倍に希釈したものをゆっくりと添加した。この際、3.5質量%塩酸で、懸濁液のpHを9.2〜9.4に保ちながら進めた。添加後、75℃で30分間攪拌を続けた。その後、懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し水洗して、無定形シリカが被覆された光輝性顔料を得た。 続いて、オキシ塩化ジルコニウム8水和物2.88gの10質量%水溶液に、室温で次亜リン酸ナトリウム水和物1.88gの1質量%水溶液を、白沈が出ないようにゆっくり加えて透明な溶液とした。その後、3.5質量%の塩酸30gを加えてオキシ塩化ジルコニウムと次亜リン酸ナトリウムの混合溶液を調整した。 別にシリカが被覆された光輝性顔料50gを精製水0.5Lに懸濁させ、ウォーターバスで75℃に保ち、3.5質量%の塩酸を加えてpH3に調整した。その後、塩化セリウム7水和物0.6gの1質量%水溶液を加えた後、前記オキシ塩化ジルコニウムと次亜リン酸ナトリウムの混合溶液を毎分4mlの速さで添加しながら、水酸化ナトリウムの1質量%水溶液を用いて、懸濁液のpHを3に維持した。混合液の全量を滴下終了後、75℃で30分間攪拌を続け、次いで、水酸化ナトリウムの1質量%水溶液を毎分2.4mlの速さで滴下してpH7.2まで上昇させ、75℃で30分間攪拌を続けた。その後、懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し水洗した。 さらに、シランカップリング剤として、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−403)0.5gを準備し、イオン交換水49.5gに投入して攪拌し、加水分解させた。前記水酸化セリウムが被覆された光輝性顔料約50gを精製水0.5Lに懸濁させ、そこに加水分解させたシランカップリング剤を添加した。30分攪拌した後、懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し120℃で2時間乾燥した。この場合のシランカップリング剤の添加量は1質量%である。このようにして、シランカップリング剤が被覆処理された光輝性顔料を得た。 また、分析の結果、得られた光輝性顔料のシリカ付着量は約1質量%で、酸化ジルコニウム付着量は約1質量%、水酸化セリウム付着量は0.3質量%であった。(比較例2) ルチル型二酸化チタンが被覆され干渉色を呈する光輝性顔料として、日本板硝子(株)製メタシャイン(登録商標)MC1020RBを用いた。この光輝性顔料50gを精製水0.5Lに懸濁させ、ウォーターバスで75℃に保ち、そこにケイ酸ナトリウム溶液(シリカ固形分37.1%、和光純薬社製)を5g秤量し精製水で10倍に希釈したものをゆっくりと添加した。この際、3.5質量%塩酸で、懸濁液のpHを9.2〜9.4に保ちながら進めた。添加後、75℃で30分間攪拌を続けた。その後、懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し水洗して、無定形シリカが被覆された光輝性顔料を得た。 続いて、前記シリカが被覆された光輝性顔料50gを500mlの水に分散させて75℃に加熱し、希釈硝酸を使ってpHを6になるよう調節した。その後、硝酸セリウム6水和物0.6gの10質量%水溶液を作製し、これと硝酸アルミニウム9水和物4.2gを精製水60mlに溶解して作った0.5%硝酸アルミニウム水溶液を10分間かけて添加した。同時に1mol/cm3(1N)水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを6に維持した。30分間攪拌した後、懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し水洗した。 さらに、シランカップリング剤として、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−403)0.5gを準備し、イオン交換水49.5gに投入して攪拌し、加水分解させた。前記水酸化セリウムが被覆された光輝性顔料約50gを精製水0.5Lに懸濁させ、そこに加水分解させたシランカップリング剤を添加した。30分攪拌した後、懸濁液を濾紙で濾過し、濾過固形物を取り出し120℃で2時間乾燥した。この場合のシランカップリング剤添加量は1質量%である。このようにして、シランカップリング剤が被覆処理された光輝性顔料を得た。 また、分析の結果、得られた光輝性顔料のシリカ付着量は約1質量%で、酸化アルミニウム付着量は約0.7質量%、水酸化セリウム付着量は0.3質量%であった。(比較例3) シランカップリング剤処理を行わなかった以外は実施例1同様の処理を行い、シリカと水酸化セリウムが被覆された光輝性顔料を得た。分析の結果、得られた光輝性顔料のシリカ付着量は約1質量%で、水酸化セリウム付着量は約0.3質量%であった。〔光輝性顔料の光触媒活性評価〕 実施例および比較例で得られた光輝性顔料について、以下の方法によって光触媒活性を評価した。 まず、色素としてRhodamine Bを準備し、これを0.25質量%の水溶液とした。一方、実施例および比較例で得られた光輝性顔料を1.0g計量し、シャーレに取り、前記0.25質量%Rhodamine B水溶液を0.3g計量して添加、さらにイソプロピルアルコール4gを添加して均一になるように混合し、シャーレ一面に斑なく塗布した。その後、イソプロピルアルコールをホットプレートにて乾燥させた。このシャーレにブラックライトを用いて、1時間紫外線を均一に照射した。紫外線の強さは、紫外線強度計 MINOLTA UV RADIOMETER UM−10で測定したところ1.0mW/cm2であった。 続いて、評価塗膜を作製した。測定基準用の塗膜として、実施例および比較例で得られ、紫外線を照射していない光輝性顔料1.0gと、0.25質量%Rhodamine B水溶液0.3gとを、アクリル樹脂(日本ペイント社製:アクリルオートクリアースーパー)に混ぜ、その混合液を0.23mm(9ミル)のアプリケーターを用いて隠蔽測定紙上に塗布して塗膜を成形した。この混合液は、アクリル樹脂9g(固形分質量)に光輝性顔料1gをペイントシェーカーで充分に攪拌混合したものである。同様に、前記紫外線を照射した光輝性顔料についても、アクリル樹脂9g(固形分質量)に光輝性顔料1gをペイントシェーカーで充分に攪拌混合し、この混合液を0.23mm(9ミル)のアプリケーターを用いて、隠蔽測定紙上に塗布して塗膜を成形した。 紫外線を照射していない光輝性顔料の塗膜と紫外線を照射した光輝性顔料の塗膜について、それぞれ色彩色差計(ミノルタ社製:CR−300)でその明度(L値)と彩度(a値、b値)を測定した。紫外線を照射していない光輝性顔料の塗膜に対する紫外線を照射した光輝性顔料の塗膜の変化で、二酸化チタンの光触媒活性の抑制効果を評価した。塗膜の色差はΔEで表され、紫外線を照射した光輝性顔料の塗膜の明度をL*、彩度をa*、b*、紫外線を照射していない光輝性顔料の塗膜の明度をL、彩度をa、bとした場合に、下記(1)式より算出される。色差が大きいほど、対比塗膜の色調からずれた色調であること、すなわち光触媒光を抑制できていないことが示される。 ΔE=((L*−L)2+ (a*−a)2+(b*−b)2)1/2 (1) 評価結果を表1に示す。 上記実施例および比較例の結果を検討することにより、以下のことが分かる。 実施例1〜3と比較例1および2の対比から、本発明による光輝性顔料の方が、紫外線を照射する前の光輝性顔料を用いた塗膜に対して紫外線を照射した光輝性顔料を用いた塗膜の色差が小さいことが分かる。このことは本発明による処理の方が、光触媒活性がより抑制され混合した色素が分解されずに残っていることを示している。すなわち、屋外使用等において本発明による光輝性顔料の方が高い耐候性があることが分かる。〔光輝性顔料の耐候性評価〕 実施例および比較例で得られた光輝性顔料について以下の方法によって耐候性を評価した。 まず、塗装板として、日本ルートサービス株式会社製D−7(中塗り色 N=2.0)を用い、その上にスプレーガンを用いて20μmのベース層を形成し、さらに40μmのクリヤー層を形成した。ベース層には、日本ペイント(株)製マルチ280補修用DXクリヤーを用い、クリヤー層には、日本ペイント(株)製マルチクリヤーハイポクリヤーを用いた。光輝性顔料はベース層に含有させ、その固形分含有量を3質量%とした。その後、遠赤外線ヒーターを用いて140℃で30分間焼き付けし、評価用塗装板を作製した。 作製した評価用塗装板を、スガ試験機(株)製スーパーキセノンウェザーメーターにて評価した。評価条件は、放射照度180W/m2、ブラックパネル温度63℃、水噴霧サイクルを120分中18分とした。1460時間評価後、前記色彩色差計(ミノルタ社製:CR−300)でその明度(L値)と彩度(a値、b値)を測定し、評価前の塗装板における明度(L値)と彩度(a値、b値)と比較し、色差を求めた。また、評価前後の塗装板について株式会社村上色彩技術研究所製鏡面光沢計 True Gloss GM−26PROにて60゜鏡面光沢度を測定し、光沢残存率を求めた。光沢残存率は評価前の光沢度に対して評価後の光沢度がどの程度残っているかを示し、次の(2)式によって求めた。 光沢残存率=(評価後の光沢度)/(評価前の光沢度) (2) 色差の結果を表2に、光沢度の結果を表3に示す。 実施例1〜3と比較例1〜3の対比から、本発明による光輝性顔料の方がスーパーキセノンウェザーメーター評価において色変化が少なく、高い耐候性を備えていることが分かる。 上記実施例および比較例の結果を検討することにより、以下のことが分かる。 比較例1および2は実施例1〜3と対比して、若干光沢残存率が低下している。このことから、本発明による光輝性顔料の方が、スーパーキセノンウェザーメーター評価において光沢度の変化が少なく、高い耐候性を備えていることが分かる。また実施例1と比較例1の対比において、比較例1では光沢度が大きく低下しており、カップリング剤処理を行うことにより、高い耐候性を得られることが分かる。本発明による光輝性顔料の断面図の一例である。符号の説明100 光輝性顔料10 鱗片状ガラス20 ルチル型二酸化チタン膜30 無定形シリカ被覆40 水酸化セリウム被覆50 カップリング剤被覆 鱗片状ガラスの表面上にルチル型二酸化チタン膜が被覆された光輝性顔料において、 前記光輝性顔料に、水酸化セリウムと無定形シリカとがこの順に被覆され、さらにその表面にカップリング剤が被覆処理されたことを特徴とする光輝性顔料。 鱗片状ガラスの表面上にルチル型二酸化チタン膜が被覆された光輝性顔料において、 前記光輝性顔料に、無定形シリカと水酸化セリウムとがこの順に被覆され、さらにその表面にカップリング剤が被覆処理されたことを特徴とする光輝性顔料。 前記光輝性顔料における前記水酸化セリウムの含有率が、0.1質量%〜10.0質量%である請求項1または2に記載の光輝性顔料。 前記光輝性顔料における前記無定形シリカの含有率が、0.1質量%〜30.0質量%である請求項1または2に記載の光輝性顔料。 前記光輝性顔料における前記カップリング剤の含有率が、0.01質量%〜5.0質量%である請求項1または2に記載の光輝性顔料。 前記カップリング剤がエポキシシランおよび/またはアミノシランである請求項2または5に記載の光輝性顔料。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光輝性顔料を含有する塗料。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光輝性顔料を含有する樹脂組成物。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光輝性顔料を含有するインキ組成物。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光輝性顔料を含有する人造大理石成型品。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光輝性顔料を含有する塗被紙。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光輝性顔料を含有する化粧料。 【課題】 簡単な組成にて安定して製造することができ、塗料や樹脂組成物などに配合され屋外などで使用される過酷な環境においても高い耐候性を示し、さらに樹脂との接着性を向上させた光輝性顔料を安価に提供する。さらには、この光輝性顔料を用いた塗料や樹脂組成物などを提供する【解決手段】 鱗片状ガラスをルチル型二酸化チタンで被覆し、さらに、この二酸化チタンを水酸化セリウムおよび無定形シリカを有する被覆膜で被覆し、さらにこの被覆膜の表面をカップリング剤で処理して光輝性顔料を作製する。この光輝性顔料におけるこの水酸化セリウムの含有率が0.1質量%〜10.0質量%であり、無定形シリカの含有率が0.1質量%〜30.0質量%である。【選択図】 図1


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