タイトル: | 公開特許公報(A)_シャンプー剤組成物 |
出願番号: | 2005315367 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 8/00,A61Q 5/02 |
瀬戸島 大輔 JP 2007099742 公開特許公報(A) 20070419 2005315367 20050930 シャンプー剤組成物 エステートケミカル株式会社 397031304 瀬戸島 大輔 A61K 8/00 20060101AFI20070323BHJP A61Q 5/02 20060101ALI20070323BHJP JPA61K7/075 6 書面 8 4C083 4C083AC172 4C083AC312 4C083AC581 4C083AC582 4C083AC641 4C083AC642 4C083AC661 4C083AC662 4C083AC711 4C083AC712 4C083AC791 4C083AC792 4C083AD131 4C083AD132 4C083AD411 4C083AD412 4C083AD431 4C083AD432 4C083BB07 4C083CC38 4C083DD23 4C083DD27 4C083DD33 4C083DD38 4C083EE06 4C083EE07 本発明は、泡立ちがよく指通りが滑らかですすぎやすい等優れた感触と、毛髪にハリ・コシとボリュームを付与するためのシャンプー剤組成物に関する。 シャンプー本来の目的は頭髪及び頭皮の洗浄であるが、現在の消費者の多くは毛髪を損傷するおそれのある洗浄力に優れたものより、泡立ちがよく、指通りが滑らかで、すすぎやすい等感触面に優れたものを好む傾向が強く、さらに個々の髪質や嗜好によっては、湿潤性や柔軟性を付与したり、あるいはブリーチやカラーによる損傷を補修したり、スタイリングしやすいようにハリ・コシやボリュームのアップ等、要求は多種多様である。 これらの要求にこたえるべく様々な研究がなされ、例えば特許文献1ではアシル化ペプチドとトリアルキルアミンオキサイド又はアルキルベタイン系界面活性剤を、特許文献2では動物性蛋白質加水分解物のアシル化物と動物性蛋白質加水分解物の第4級アンモニウム誘導体を組み合わせた感触がよく刺激が少ないシャンプーが提示されている。 また特許文献3では特定のスルホコハク酸モノエステルとアシル化ペプチド及び/又はN−アシルアミノ酸との組み合わせで泡立ち、すすぎ性及び乾燥後の感触を向上させている。さらに特許文献4では植物蛋白誘導ペプチドの第4級アンモニウム誘導体及び/又は植物蛋白誘導ペプチドのエステルと、アミノ酸系アニオン界面活性剤と、カチオン性界面活性剤又はカチオン性ポリマーとを組み合わせた感触の良好なダメージの少ないシャンプーが提示されている。 ところが、これらの組成物ではハリ・コシの付与やボリュームのアップの効果について言及されておらず、特に特許文献1及び3ではペプチドの由来についての記述が明確でないため、効果の類推も困難であった。 一方、ハリ・コシ及び/又はボーリュームアップに関して、第4級セルロース誘導体等のカチオン性ポリマー、脱アミドコラーゲン等の水溶性コラーゲン誘導体及びポリシロキサンからなるシャンプーが特許文献5に提示されているが、記載の水溶性コラーゲン誘導体は市販されていないか或いは極端に少量のため入手が困難な上、製造も容易でない。 以上のように汎用の原料で構成される従来の組成物においては、使用時の良好な感触とハリ・コシ及びボリュームを付与できるシャンプー組成物は存在しなかった。 特開昭60−222410号公報 特開昭61−69714号公報 特開昭62−109897号公報 特開平4−139115号公報 特開平5−194156号公報 本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、泡立ちがよく指通りが滑らかですすぎやすい等優れた感触と、毛髪にハリ・コシとボリュームを付与するための汎用の原料で構成されるシャンプー剤組成物を提供することにある。 次の成分(A)、(B)及び(C)を含有することを特徴とする。(A)アシル化ペプチド。(B)両性界面活性剤。(C)アミノ酸系及び/又はスルホコハク酸系界面活性洗浄剤。 本発明によるシャンプー剤組成物は、泡立ちがよく指通りが滑らかですすぎやすい等優れた感触と、毛髪にハリ・コシとボリュームを付与する優れたシャンプー剤組成物である。 本発明に用いるアシル化ペプチドは加水分解蛋白質のアシル化物で、蛋白質としては動物性のコラーゲン、エラスチン、ケラチン、カゼイン及びシルク等や植物性の大豆、小麦、米及び胡麻等があり、通常これらを酸、アルカリ又は酵素を用いて概ね分子量約300〜約30,000に分解した後、アルカリ下で炭素数12〜24の脂肪酸のハロゲン化物を付加した後、必要に応じて脱塩して製品とされる。 これらのアシル化ペプチドとしてはコラーゲン、ケラチン、シルク、大豆及び小麦等の分子量約500〜約3,000のペプチドをラウリン酸やヤシ油脂肪酸等でアシル化したものが扱いやすい上、市販品で入手できるので好ましい。 さらにはコラーゲン及び大豆ペプチドのアシル化物がよりハリ・コシを付与できるので特に好ましい。具体的には成和化成社製のプロモイス(登録商標:以下(R)と表す)ECP(ヤシ油脂肪酸アシル加水分解コラーゲンカリウム塩)及び同ESCP(ヤシ油脂肪酸アシル加水分解大豆蛋白カリウム塩)等が挙げられる。なお、コラーゲンについては昨今のBSE問題でイメージが良くないので、安全性の有無に関わらず、大豆蛋白のものがより好ましい。 アシル化ペプチドの配合量としては0.1重量%〜20重量%が好ましく、1重量%〜10重量%がより好ましい。0.1重量%未満では良好なハリ・コシ及びボリュームが得られず、20重量%を超えると洗髪時の指通りが悪くなるので好ましない。 本発明に用いる両性界面活性剤は、高級脂肪酸アミドプロピルベタイン型、イミダゾリニウムベタイン型及びアミノ酢酸ベタイン型等が挙げられ全て有効である。具体的にはデヒトン(R)K(コグニスジャパン社製)及びレボン(R)2000(三洋化成工業社製)等のヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、アンホレックス(R)LB−2(ミヨシ油脂社製)等のラウリン酸アミドプロピルベタイン、NIKKOL(R)MIRANOL ULTRA C32(日光ケミカルズ社製)、オバゾリン(R)662N(東邦化学工業社製)及びアンホレックス(R)35N(ミヨシ油脂社製)等の2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、オバゾリン(R)LB(東邦化学工業社製)等のラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等市販品も多いので入手が容易である。 これらの両性界面活性剤の内、高級脂肪酸アミドプロピルベタイン型のものが比較的安価のため好ましい。配合量は0.1重量%〜10重量%が好ましく、0.5重量%〜5重量%がより好ましい。0.1重量%未満であると洗髪時の指通りが悪くなり、10重量%を超えて配合しても効果はあまり変わらないので不経済である。 本発明に用いるアミノ酸系界面活性剤及びスルホコハク酸系界面活性剤は何れもダメージの少ないシャンプーの洗浄基剤として知られている。具体的には例えばアミソフト(R)CT−12S(味の素社製)及びアミノサーファクト(R)CMT−L(旭化成ケミカルズ社製)等のヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン、アミソフト(R)CK−22(味の素社製)等のヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、アミソフト(R)CS−11(味の素社製)等のヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、アミソフト(R)LS−11(味の素社製)等のラウロイルグルタミン酸ナトリウム、アミライト(R)ACT−12(味の素社製)等のヤシ油脂肪酸アシルアラニントリエタノールアミン、アラノン(R)ACE(川研ファインケミカル社製)等のヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム、アラノン(R)ALE(川研ファインケミカル社製)等のラウロイルメチルアラニンナトリウム、ネオスコープCN−30(東邦化学工業社製)及びアンホレックス(R)AM−1(ミヨシ油脂社製)等のヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、MMT(日光ケミカルズ社製)等のミリストイルメチルタウリンナトリウム、アミライト(R)GCK−12(味の素社製)等のヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、ビューライト(R)ESS(三洋化成工業社製)等のポリオキシエチレンアルキル(12〜14)スルホコハク酸二ナトリウム、テキサポン(R)SB−3(コグニスジャパン社製)等のポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、コハクール(R)NL−400(東邦化学工業社製)等のスルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミド二ナトリウム、コハクール(R)L−40(同社製)等のスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム等が市販されているのでこれらの1種又は2種以上を組み合わせて洗浄基剤として使用できる。 以上のアミノ酸系界面活性剤及びスルホコハク酸系界面活性剤のうち、洗浄力、泡立ち、指通り及びすすぎ性の点で、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸塩、ラウロイルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)スルホコハク酸二ナトリウム及びポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウムが特に好ましい。 これらの洗浄基剤の配合量は概ね2重量%〜20重量%が好ましく、6重量%〜15重量%がより好ましい。2重量%未満であるとシャンプーとしての洗浄力が乏しく、20重量%より多く配合しても洗浄力はあまり変わらないので、不経済である。 本発明におけるシャンプー剤組成物には、さらにコンディショニング剤としてカチオン化セルロース及び/又は発泡補助剤として高級脂肪酸のアルカノールアミドを配合することができる。カチオン化セルロースは洗浄基剤のアニオン性界面活性剤と錯塩を形成するのですすぎ後も毛髪に留まるため、乾燥後のサラサラ感を付与することが知られている。また、高級脂肪酸のアルカノールアミドが泡の安定性を向上するため洗浄基剤の泡立ちを増強することも公知である。 具体的なカチオン化セルロースとしては、レオガード(R)GP、同MGP(以上ライオン社製)、カチナールHC−100、同HC−200(以上東邦化学工業社製)及びポリマーJR−400、同JR−30M(以上ユニオン・カーバイド社製)等の塩化O−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕ヒドロキシエチルセルロースが一般的であり、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いる。 これらのカチオン化セルロースは、その粘性により種々の品種があり、特に1重量%水溶液の25℃における粘度が概ね100cps〜5,000cpsのものが取り扱いやすく、また適度にシャンプー剤組成物の粘性を付与するので好ましい。配合量としては、上述の品番や所望の粘性にもよるが概ね0.01重量%〜10重量%が好ましく、0.1重量%〜5重量%がより好ましい。0.01重量%未満では効果を発揮せず、10重量%を超えて配合すると粘性が高くなり製品化に困難をきたすおそれがある。 一方、高級脂肪酸のアルカノールアミドとしては主に炭素数12〜24の高級脂肪酸及びこれらを含む天然由来のヤシ油脂肪酸やパーム核油脂肪酸のモノエタノールアミド及びジエタノールアミドが一般的である。具体的な例として、ニッコール(R)PMEA(日光ケミカルズ社製)等のパルミチン酸モノエタノールアミド、アミゾール(R)CME(川研ファインケミカル社製)等のヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、アミコールLDE(ミヨシ油脂社製)等のラウリン酸ジエタノールアミド、アミゾール(R)SDE(川研ファインケミカル社製)等のステアリン酸ジエタノールアミド、COMPERLAN(R)KD(コグニスジャパン社製)、アミコールCDE−1(ミヨシ油脂社製)及びトーホールN−220XM(東邦化学工業社製)等のヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、アミゾール(R)KD−1(川研ファインケミカル社製)等のパーム核油脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられ、これらより1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。 このような高級脂肪酸のアルカノールアミドの内、特に泡の安定性及び経済性でヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドが好ましく、配合量としては0.1重量%〜10重量%が好ましく、1重量%〜6重量%がより好ましい。0.1重量%未満であると効果を発揮せず、10重量%を超えて配合しても効果はあまり変わらないだけでなく、シャンプー剤組成物が分離するおそれがあるので好ましくない。 本発明によるシャンプー剤組成物には、目的の効果が損なわれない範囲で通常のシャンプー剤に用いられる任意の成分を配合することができる。例えば、ノニオン活性剤等の可溶化を補助する活性剤、安息香酸塩、パラベン等の防腐剤、フェノキシエタノール、多価アルコール、キレート剤等の防腐補助剤の他pH調整剤、増粘剤、着色剤、着香剤、酸化防止剤、抗炎症剤、紫外線防止剤、シリコーン化合物等が挙げられる。 次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、配合量は重量%とする。 本発明の実施例及び比較例を表1及び表2に示した。また評価方法については以下に示した。(評価方法)長さ約25cmの毛束(川村かつら社製)約5gを温水洗後、実施例及び比較例に記載の各シャンプー剤組成物で洗髪する時の泡立ちを目視で評価する。次に温水洗し、ここですすぎ時の指通りとすすぎ性(泡切れの良さ)を触感と目視で評価した後、タオルドライの後ヘアドライヤーで乾燥し、ハリ・コシ及びボリュームアップ感並びに乾燥後のサラサラ感を評価する。なおこれらの評価は目視と手触りによる官能試験により優・良・可・不可で評価する。 実施例及び比較例で使用した各成分を以下に示した。アシル化大豆ペプチド:プロモイス(R)ESCP(成和化成社製)アシル化コラーゲンペプチド:プロモイス(R)ECP(同社製)コラーゲンペプチド:プロモイス(R)W−32R(同社製)アミドプロピルベタイン型両性界面活性剤:デヒトン(R)K(コグニスジャパン社製)イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤:アンホレックス(R)35N(ミヨシ油脂社製)アミノ酢酸型両性界面活性剤:オバゾリン(R)LB(東邦化学工業社製)アミノ酸系界面活性剤:アミソフト(R)CT−12S(味の素社製)スルホコハク酸系界面活性剤:テキサポン(R)SB−3(コグニスジャパン社製)カチオン化セルロース:レオガード(R)GP(ライオン社製)アルカノールアミド:アミコールCDE−1(ミヨシ油脂社製)フェノキシエタノール:フェニルグリコール(日本乳化剤社製)安息香酸ナトリウム:大塚化学社製 実施例1〜3は、それぞれ成分(A)、(B)及び(C)を全て含む組成物で、泡立ち、すすぎ時の指通り、すすぎ性、ハリ・コシ、ボリューム及び乾燥後のサラサラ感の全てにおいて良好であった。 実施例4は、実施例1の組成物にさらにカチオン化セルロースを加えたもので、すすぎ時の指通りと乾燥後のサラサラ感が実施例1よりも優れていた。 実施例5は、実施例1の組成物にさらにアルカノールアミドを加えたもので、泡立ちが実施例1よりも優れていた。 比較例1は、実施例1のアシル化大豆ペプチドをコラーゲンペプチドに置き換えたもので成分(A)を含まず、泡立ち及び乾燥後のサラサラ感が実施例1より劣りすすぎ時の指通りが悪く、ハリ・コシ及びボリュームがなかった。 比較例2は、実施例1のアミノ酸系界面活性剤を両性界面活性剤に置き換えたもので成分(C)を含まず、ハリ・コシ及びボリュームがなく、泡立ちが悪かった。 比較例3は、実施例3の両性界面活性剤をアミノ酸系界面活性剤及びスルホコハク酸系界面活性剤に置き換えたもので成分(B)を含まず、すすぎ時の指通り、すすぎ性、ハリ・コシ及びボリュームが実施例3より劣り、乾燥後のサラサラ感が悪かった。 以上のように実施例1〜5に示す本発明による各シャンプー剤組成物は、いずれも良好な泡立ちとすすぎ時の指通りを与え、すすぎ性も良く、乾燥後のサラサラ感に加え、毛髪にハリ・コシとボリュームを付与することができる優れたシャンプー剤組成物であった。 次の成分(A)、(B)及び(C)を含有することを特徴とするシャンプー剤組成物。(A)アシル化ペプチド。(B)両性界面活性剤。(C)アミノ酸系界面活性剤及びスルホコハク酸系界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上からなる洗浄基剤。 (A)成分のアシル化ペプチドが大豆蛋白及び/又はコラーゲン蛋白由来である請求項1に記載のシャンプー剤組成物。 (B)成分の両性界面活性剤が炭素数12〜24の高級脂肪酸アミドプロピルベタインである請求項1又は請求項2に記載のシャンプー剤組成物。 (C)成分のアミノ酸系界面活性洗浄剤が炭素数12〜24の高級脂肪酸アシルグルタミン酸塩である請求項1〜請求項3に記載のシャンプー剤組成物。 (C)成分のスルホコハク酸系界面活性洗浄剤が炭素数12〜24のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩である請求項1〜請求項4に記載のシャンプー剤組成物。 さらにコンディショニング剤としてカチオン化セルロース及び/又は発泡補助剤として高級脂肪酸のアルカノールアミドを含有する請求項1〜請求項5に記載のシャンプー剤組成物。 【課題】 泡立ちがよく指通りが滑らかですすぎやすい等優れた感触と、毛髪にハリ・コシとボリュームを付与するための汎用の原料で構成されるシャンプー剤組成物を提供すること。【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C)を含有することを特徴とするシャンプー剤組成物。(A)アシル化ペプチド。(B)両性界面活性剤。(C)アミノ酸系界面活性剤及びスルホコハク酸系界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上からなる洗浄基剤。【選択図】なし