タイトル: | 公開特許公報(A)_腎臓機能改善剤 |
出願番号: | 2005301158 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | A61K 31/122,A61K 31/222,A61P 13/12 |
岡田 裕実春 村神 渚 JP 2006008720 公開特許公報(A) 20060112 2005301158 20051017 腎臓機能改善剤 ヤマハ発動機株式会社 000010076 南條 博道 100104673 岡田 裕実春 村神 渚 JP 2005197859 20050706 A61K 31/122 20060101AFI20051209BHJP A61K 31/222 20060101ALI20051209BHJP A61P 13/12 20060101ALI20051209BHJP JPA61K31/122A61K31/222A61P13/12 4 OL 8 4C206 4C206AA01 4C206AA02 4C206CB25 4C206DB06 4C206DB57 4C206NA14 4C206ZA81 本発明は、腎臓機能改善剤に関する。より詳細には、アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを含有する、腎臓機能改善剤、特に、糸球体濾過率または腎クリアランスの改善剤に関する。本発明はまた、腎臓機能障害の予防または治療剤に関する。 哺乳動物の腎臓系は、血流からの代謝排泄産物の除去、ならびに体内の体液および電解液平衡の維持の両方において重要な役割を担っている。したがって、腎不全は、代謝産物および他の毒素を蓄積して生命を脅かす状態であり、そして電解液もしくは体液の有意な不均衡の発生は、他の主要な器官系の不全を導く。 一般的に、腎不全は、「急性」または「慢性」に分類される。急性腎不全は、腎臓機能の突然の停止または実質的な低下として定義されており、その原因として、感染性疾患(例えば、種々の細菌、ウイルス、または寄生虫感染)、炎症性疾患(例えば、糸球体腎炎、全身性エリテマトーデス)、虚血(例えば、腎動脈閉塞)、毒性症候群(例えば、重金属中毒、抗微生物処置または化学療法の副作用)、直接的な外傷などが挙げられる。一方、慢性腎不全の原因には、慢性腎炎、糖尿病性腎症、高血圧症を含む生活習慣病などが知られており、ネフロンの有意および持続的な欠失による、糸球体濾過率(GFR)の漸進的、永久的、および有意な減少として定義される。慢性腎不全は、ネフロンが徐々に欠失し、そしてGFRが徐々に低下するという共通の徴候および症状を現す。腎臓機能におけるこのGFRの漸進的低下はゆっくりであり、代表的にはヒト患者において複数年または10年にわたる。糸球体濾過率(GFR)は、腎臓機能の指標の1つとして用いられており、クレアチニンクリアランス、イヌリンクリアランスなどのクリアランス試験によって測定される。尿素窒素(BUN)も腎臓機能を反映するが、外的因子の影響を受けない点で、クレアチニンクリアランスが腎臓機能の指標としてより優れている。また、古くからイヌリンクリアランスがGFRの標準測定法とされてきたが、イヌリンが日本では医薬品として認可されておらずかつ高価であり、さらにその測定法が煩雑なため、日本では、内因性クレアチニンクリアランスが一般的に用いられている。したがって、クレアチニンクリアランスの低下は腎臓機能の低下であり、腎臓機能障害の指標となる。 このような腎臓機能障害を治療するために有用な薬剤は少ない。例えば、急性の乏尿性腎臓疾患に対して利尿剤が用いられている。しかし、副作用があるため、一時的な薬剤としては有効であるが、長期間使用することは不可能である。 近年、アスタキサンチンが薬物障害に有効であることが報告されている(特許文献1)。特許文献1では、薬物障害のモデル動物として水銀誘発腎障害ラットを用いて、血液中の尿素窒素(BUN)およびクレアチニン(CRE)が低下したことを示している。しかし、慢性腎不全などの他の原因による腎臓機能障害に有効であるか、あるいは発症前状態の改善および予防に有効であるかどうかは不明である。特開2002−226367号公報 本発明は、腎臓機能を改善あるいは腎臓機能障害を予防または治療するための、長期使用可能な新たな安全性の高い薬剤を提供することを目的とする。 本発明は、アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを含有する、腎臓機能改善剤を提供する。 1つの実施態様では、上記腎臓機能改善は、糸球体濾過率または腎クリアランス値の改善である。 本発明はまた、アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを含有する、腎臓機能障害の予防または治療剤を提供する。 1つの実施態様では、上記腎臓機能障害は、感染性疾患、炎症性疾患、または虚血に起因する急性腎不全、あるいは糖尿病および高血圧症を含む生活習慣病などに起因する慢性腎不全である。 本発明によれば、腎臓機能を改善あるいは腎臓機能障害を予防または治療するために有用な、長期使用可能な新たな安全性の高い薬剤が提供される。本発明の腎臓機能改善剤は、腎臓機能障害の有無にかかわらず、糸球体濾過率または腎クリアランス値を改善し得る。また、本発明の腎臓機能障害の予防または治療剤は、感染性疾患、炎症性疾患、または虚血に起因する急性腎不全、あるいは糖尿病および高血圧症を含む生活習慣病などに起因する慢性腎不全に有効である。 本発明の腎臓機能改善剤あるいは腎臓機能障害の予防または治療剤に含まれるアスタキサンチンおよび/またはそのエステルは、以下の式:(ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または脂肪酸残基である)で示されるカロテノイドの一種である。アスタキサンチンのエステルとしては、特に限定されないが、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸、あるいはオレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ビスホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などの不飽和脂肪酸のモノエステルまたはジエステルが挙げられる。これらは単独でまたは適宜組み合わせて用いることができる。アスタキサンチンは、β−カロチンの骨格の両端にオキソ基とヒドロキシ基とを余分に有する構造であるため、β−カロチンとは異なり、分子の安定性が低い。これに対し、両端のヒドロキシ基が不飽和脂肪酸などでエステル化されたエステル体(例えば、オキアミ抽出物)はより安定である。 本発明に用いられるアスタキサンチンおよび/またはそのエステルは、化学的に合成されたものであっても、あるいは天然物由来のもののいずれであってもよい。後者の天然物としては、アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを含有する赤色酵母;ティグリオパス(赤ミジンコ)、オキアミなどの甲殻類の殻;緑藻類などの微細藻類などが挙げられる。本発明においては、アスタキサンチンおよび/またはそのエステルの特性を利用できるものであれば、どのような方法で生産されたアスタキサンチンおよび/またはそのエステルを含有する抽出物をも使用することができる。一般的には、これらの天然物からの抽出物が用いられ、抽出エキスの状態であっても、また必要により適宜精製したものであってもよい。本発明においては、このようなアスタキサンチンおよび/またはそのエステルを含有する粗抽出物や破砕粉体物、あるいは必要により適宜精製されたもの、化学合成されたものを、単独でまたは適宜組み合わせて用いることができる。体内での安定性を考慮すると、好ましくはエステル体が用いられる。 本発明の腎臓機能改善剤は、腎臓機能を改善し得る。特に、腎臓機能障害の有無にかかわらず、腎臓機能の指標である糸球体濾過率(GFR)または腎クリアランス値を改善し得る。本発明において、腎クリアランスは、臨床検査で通常採用されている種々の物質についてのクリアランス(清掃率)であり、特に限定されない。このような腎クリアランスの測定に用いられる物質としては、イヌリン、クレアチニン、尿素、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。GFRまたは腎クリアランス値の改善とは、GFRまたは腎クリアランス値が維持または上昇することをいい、これは、糸球体濾過機能が保たれることまたは良好になることを示す。 本発明の腎臓機能障害の予防または治療剤は、例えば、感染性疾患、炎症性疾患、または虚血に起因する急性腎不全、慢性腎炎、糖尿病性腎症、高血圧症などに起因する慢性腎不全などによる腎臓機能の障害の予防および治療に有効である。感染性疾患としては、例えば、種々の細菌、ウイルス、または寄生虫による感染症が挙げられる。炎症性疾患としては、例えば、糸球体腎炎、全身性瘡状エリテマトーデスが挙げられ、そして虚血としては、例えば、腎動脈閉塞が挙げられる。慢性腎不全は、その進行過程において、ネフロン(腎単位)として知られている個々の濾過ユニットの損傷のため、濾過機能の減少が一定速度で起こることが知られている。本発明の腎臓機能障害の予防または治療剤は、長期間投与可能であるため、このような慢性的な腎不全に対しても予防および治療の効果が期待される。 本発明の腎臓機能改善剤あるいは腎臓機能障害の予防または治療剤の投与経路は、経口投与または非経口投与のいずれであってもよい。その剤形は、投与経路に応じて適宜選択される。例えば、注射液、輸液、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、腸溶剤、トローチ、内用液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、外用液剤、湿布剤、軟膏剤、ローション剤、坐剤、経腸栄養剤などが挙げられる。これは、症状に応じてそれぞれ単独でまたは組み合わせて使用することができる。これらの製剤には、必要に応じて、賦形剤、結合剤、防腐剤、酸化安定剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤などの医薬の製剤技術分野において通常用いられる補助剤が用いられる。 本発明の腎臓機能改善剤あるいは腎臓機能障害の予防または治療剤の投与量は、投与の目的や投与対象者の状況(性別、年齢、体重など)に応じて異なる。通常、成人に対して、アスタキサンチンフリー体換算で、経口投与の場合、1日あたり0.1mg〜2g、好ましくは4mg〜500mg、一方、非経口投与の場合、1日あたり0.01mg〜1g、好ましくは0.1mg〜500mgで投与され得る。 本発明の腎臓機能改善剤は、上記のような医薬品としてだけでなく、医薬部外品、機能性食品、栄養補助剤、飲食物などとして使用することができる。医薬部外品として使用する場合、必要に応じて、医薬部外品または化粧品などの技術分野で通常用いられている種々の補助剤とともに使用され得る。あるいは、機能性食品、栄養補助剤、または飲食物として使用する場合、必要に応じて、例えば、甘味料、香辛料、調味料、防腐剤、保存料、殺菌剤、酸化防止剤などの食品に通常用いられる添加剤とともに使用してもよい。また、溶液状、懸濁液状、シロップ状、顆粒状、クリーム状、ペースト状、ゼリー状などの所望の形状で、あるいは必要に応じて成形して使用してもよい。これらに含まれる割合は、特に限定されず、使用目的、使用形態、および使用量に応じて適宜選択することができる。 (調製例1:アスタキサンチンの調製) アスタキサンチンを次のように調製した。ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pulvialis)K0084株を、25℃にて光照射条件下3%CO2を含むガスを通気しながら栄養ストレス(窒素源欠乏)をかけて培養し、シスト化した。シスト化した細胞を、当業者が通常用いる手段によって破砕し、エタノールでアスタキサンチンを含む油性画分を抽出した。抽出物を減圧濃縮してエタノールを留去し、アスタキサンチンをフリー体換算で9.9%含む抽出物を調製した。 (調製例2:アスタキサンチンモノエステルの調製) アスタキサンチンモノエステルを、次のように調製した。ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pulvialis)K0084株を、25℃にて光照射条件下3%CO2を含むガスを通気しながら栄養ストレス(窒素源欠乏)をかけて培養し、シスト化した。シスト化した細胞を、当業者が通常用いる手段によって破砕し、エタノールで油性画分を抽出した。抽出物は、アスタキサンチン類の他に、トリグリセリドなどの脂質を含んでいた。次いで、抽出物を、合成樹脂吸着剤を用いるカラムクロマトグラフィーにかけて、アスタキサンチンのモノエステルを含む精製物を得た。この精製物をHPLCによって分析し、このアスタキサンチンモノエステル精製物が、分子量858のモノエステルを主成分として含み、アスタキサンチンの遊離体およびジエステル体を含まず、わずかにジグリセリドを含んでいることを確認した。 (調製例3:アスタキサンチンカプセルの調製) 上記調製例1で得たアスタキサンチンを用いて、1カプセル当たり以下の表1に示す成分を内包するソフトカプセルを調製した。 得られたソフトカプセル1個当たりには、アスタキサンチンをフリー体換算で4mg含有する。 (実施例1:腎クリアランスに及ぼす効果) 上記調製例2で得たアスタキサンチンカプセルを、20歳代〜70歳代の男女18名の被験者に、1日1回1カプセルずつ12週間にわたり摂取させた。摂取開始日の朝食前および摂取終了日の翌日の朝食前に各被験者から採血し、血液中のクレアチニン量を測定した。同時に蓄尿時間および尿量を測定して採尿し、尿中クレアチニンおよび単位時間当たりの尿量を決定した。採取した血液中および尿中のクレアチニン濃度は、酵素法(クレアチナーゼ−ザルオキシダーゼ−POD法)によって測定した。 クレアチナーゼ−ザルオキシダーゼ−POD法は、クレアチニンをクレアチニナーゼによってクレアチンに、さらにクレアチンをクレアチナーゼによってザルコシンに加水分解し、次いでザルコシンからザルコシンオキシダーゼによって過酸化水素を生成させ、ペルオキシダーゼの共存下で各種色原体より生成するキノン色素を定量する方法である。本実施例では、色原体として、3−ヒドロキシ−2,4,6−トリヨード安息香酸および4−アミノアンチピリンを用いる方法(CRE−ENカイノス:株式会社カイノス)によって行った。 得られた血液中および尿中のクレアチニン濃度から、以下の式に従って腎クリアランスを算出した: 腎クリアランス(mL/分)= 尿中のクレアチニン濃度×単位時間あたりの尿量/血液中のクレアチニン濃度 アスタキサンチンカプセル摂取期間終了後に、被験者18人中、15人において腎クリアランス値が上昇した。一般に、腎臓機能低下と診断されるのは、腎クリアランス値が80以下の場合である。被験者のうち腎臓機能低下と推測される1名は腎クリアランス値が36.5から101.3と3倍近く上昇し、腎臓機能が著しく改善された。また、比較的値が低い86.0であった被験者も、摂取後は169.2へと2倍近く上昇した。 アスタキサンチンカプセル摂取前後の被験者の腎クリアランス平均値を図1に示す。図の縦軸の数値の単位はmL/分である。腎クリアランスの平均値は、12週後には32.7mL/分上昇し、摂取前の値と比較して24.5%増加した。このように、アスタキサンチンにより、未発症者および健常人においても腎クリアランスが上昇することが明らかになった。また、腎クリアランスまたは糸球体濾過率を改善するので、腎臓機能障害を予防し得ると考えられる。 (参考例1:HUVECに対する50%致死濃度の測定) ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)(ATCC CRL−1730)を、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから入手し、1%Antibiotic-Antimycotic(GIBCO BRL, USA)を添加した10%ウシ胎児血清含有Endothelial Cell Growth Medium(CELL APPLICATIONS, USA))中、5%CO2雰囲気下、37℃にて予備培養した。 Matrigelマトリックス(BD Biosciences, USA)を融解して氷上で4℃にて保持し、そして50μLのマトリックスを96ウェル組織培養プレートの各ウェルに移した。プレートを37℃にて少なくとも1時間インキュベートして、マトリックス溶液を固化させた。 一方、上記調製例2で得たアスタキサンチンモノエステルを、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、次いで蒸留水で希釈して、40(v/v)%DMSO中に25000、2500、250、25、および2.5μMのアスタキサンチンモノエステルを含むストック試験溶液を調製した。 100μLのHUVEC懸濁液(約2.5×103細胞/ウェル)を、5%CO2雰囲気下37℃にて96ウェルのMatrigelプレートに入れた。24時間後、100μLの増殖培地および上記の各ストック試験溶液またはベヒクル(40(v/v)%DMSO)2μLずつを、各2つのウェルに添加し、さらに72時間インキュベートした。DMSOおよびアスタキサンチンモノエステルの最終濃度は、250、25、2.5、0.25、および0.025μMであった。 インキュベーション終了後、20μLの90%alamarBlue試薬を個々のウェルに添加し、さらに6時間インキュベートした。次いで、各ウェルの蛍光強度を、Spectrafluor Plusプレートリーダーを用いて、励起波長530nmおよび発光波長590nmにて測定し、生存細胞数を計数した。これは、生存細胞が、alamarBlueを非蛍光性の酸化型(青)から蛍光性の還元型(赤)に変化させる能力に基づく。なお、50%致死濃度は、実験開始時の細胞数の50%になる濃度を算出した。 この結果、HUVECに対するアスタキサンチンモノエステルの50%致死濃度(LC50)は250μM(DMSOへの最大溶解濃度)以上であり、毒性が低いことがわかった。 本発明によれば、腎臓機能を改善あるいは腎臓機能障害を予防または治療するために有用な、長期使用可能な新たな安全性の高い薬剤が提供される。本発明の腎臓機能改善剤は、腎臓機能障害の有無にかかわらず、糸球体濾過率または腎クリアランス値を改善し得る。また、本発明の腎臓機能障害の予防または治療剤は、感染性疾患、炎症性疾患、または虚血に起因する急性腎不全、あるいは糖尿病および高血圧症を含む生活習慣病などに起因する慢性腎不全に有効である。安全性が高く長期使用が可能であるため、特に、慢性腎不全の予防または治療に有用であり得る。アスタキサンチンカプセル摂取前後の被験体の腎クリアランスの平均値を示すグラフである。 アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを含有する、腎臓機能改善剤。 前記腎臓機能改善が、糸球体濾過率または腎クリアランス値の改善である、請求項1に記載の腎臓機能改善剤。 アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを含有する、腎臓機能障害の予防または治療剤。 前記腎臓機能障害が、感染性疾患、炎症性疾患、または虚血に起因する急性腎不全、あるいは糖尿病および高血圧症を含む生活習慣病に起因する慢性腎不全である、請求項3に記載の腎臓機能障害の予防または治療剤。 【課題】腎臓機能を改善あるいは腎臓機能障害を予防または治療するための、長期使用可能な新たな安全性の高い薬剤を提供すること。【解決手段】本発明の腎臓機能改善剤および腎臓機能障害の予防または治療剤は、アスタキサンチンおよび/またはそのエステルを含有する。本発明の腎臓機能改善剤は、特に、糸球体濾過率または腎クリアランス値を改善する。また、本発明の腎臓機能障害の予防または治療剤は、安全性が高く長期使用が可能であるため、慢性腎不全の予防または治療に有用であり得る。【選択図】なし