タイトル: | 公開特許公報(A)_ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の製造方法 |
出願番号: | 2005247500 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | C07C 303/24,C07C 305/10,C07B 61/00 |
吉屋 昌久 山田 剛 近藤 房男 安藤 秀男 根岸 大介 JP 2006104188 公開特許公報(A) 20060420 2005247500 20050829 ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の製造方法 ライオン株式会社 000006769 志賀 正武 100064908 高橋 詔男 100108578 渡邊 隆 100089037 青山 正和 100101465 鈴木 三義 100094400 西 和哉 100107836 村山 靖彦 100108453 吉屋 昌久 山田 剛 近藤 房男 安藤 秀男 根岸 大介 JP 2004259510 20040907 C07C 303/24 20060101AFI20060324BHJP C07C 305/10 20060101ALI20060324BHJP C07B 61/00 20060101ALN20060324BHJP JPC07C303/24C07C305/10C07B61/00 300 5 OL 9 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AC60 4H006BA50 4H006BD60 4H006BE43 4H039CA80 4H039CD10 4H039CD90 本発明は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の製造方法に関する。 ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の製造方法として、種々の方法が知られている。一般に、ポリオキシエチレン(以下、「POE」という場合がある)アルキルエーテルを、硫酸化剤を用いて硫酸化し、得られた硫酸化物を中和することにより、POEアルキルエーテル硫酸塩を得る方法が用いられている。 このようにして製造されたPOEアルキルエーテル硫酸塩には、意図しない臭気があることから、従来、POEアルキルエーテル硫酸塩製造の臭気低減を図った製造方法が提案されている。 特許文献1には、中和を経て得られたPOEアルキルエーテル硫酸塩を減圧処理する方法が提案されている。 また、特許文献2には、薄膜反応方式で特定の条件下にて硫酸化を行い、臭気の低減を図る方法が示されている。 また、特許文献3においては、POEエーテルを、アミド基を有する化合物の存在下で硫酸化する方法が開示されている。 また、硫酸化に係る技術として以下の様な提案がある。 特許文献4には、安定化したフェノール類エトキシサルフェートの製造方法として、フェノール類エトキシレートに乳酸および/または乳酸塩を含有させて硫酸化する方法が開示されている。 特許文献5には、臭気が改良されたエトキシサルフェートの製造方法として、硫酸化に先立ち、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、これらグリコールのメチルエーテル及びエチルエーテルから選ばれたヒドロキシ化合物を、前記のエトキシレート100重量部当り0.5〜10重量部の量で、前記のエトキシレートに添加する方法が記載されている。特開昭57−16097号公報特開昭64−19055号公報特開平7−247258号公報特開昭62−255468号公報特開昭56−138163号公報 ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の製造において、最終生成物の臭気の低減は、依然として重要な課題である。よって、臭気低減を実現するような、さらに新たなポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩製造方法が求められる。 なお、特許文献4に記載された方法は、経時変化による臭気の発生が極めて少なくなる作用を発揮するというものであるが、臭気の原因の一つであるジオキサンは、中和後に発生することは無く、特許文献4に記載されている臭気はジオキサン以外の物質によるものであり、特許文献4に記載された方法は、ジオキサン由来の臭気を低減できる技術ではない。 本発明者らは、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸化を、カルボキシ基を有する化合物の存在下に行うことで、得られるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の臭気を低減できることを見出した。 すなわち、本発明のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の製造方法は、下記一般式(I)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルと、硫酸化剤とを、カルボキシ基を有する化合物の存在下に反応させる第一工程、及び、該第一工程の反応生成物を中和処理する第二工程を有することを特徴とする。RO(CH2CH2O)nH ・・・(I)(式中、Rは直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示し、nは1〜20の整数を示す。) また、前記化合物は、下記一般式(II)で示されるものであることが好ましい。(式中、R’はフェニレン基、または炭素数8〜16の飽和炭化水素基を示し、Xは水素原子、アミノ基またはヒドロキシ基を示す。) また、前記化合物は、安息香酸、アミノ安息香酸、および2−ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)から選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることが好ましい。 また、前記硫酸化剤は、三酸化硫黄であることが好ましい。 また、前記第一工程において、前記反応を、薄膜硫酸化反応装置を使用して行うことが好ましい。 本発明のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の製造方法によれば、得られるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の臭気を低減することができる。 本発明のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(POEアルキルエーテル硫酸塩)の製造方法は、上記一般式(I)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル(POEアルキルエーテル)と、硫酸化剤とを、カルボキシ基を有する化合物の存在下に反応させる第一工程、及び、該第一工程の反応生成物を中和処理する第二工程を有することを特徴とする。<第一工程> 前記第一工程では、上記一般式(I)で示されるPOEアルキルエーテルと、硫酸化剤とを、カルボキシ基を有する化合物の存在下に反応させる。 第一工程により、POEアルキルエーテルが硫酸化され、POEアルキルエーテルの硫酸化物を含む反応生成物が生成する。(POEアルキルエーテル) 上記一般式(I)において、Rは直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示し、nは1〜20の整数を示す。nは、エチレンオキサイドの平均付加モル数を示す。この平均付加モル数は、POEアルキルエーテルの水酸基価を測定することで求めることができる。 前記POEアルキルエーテルとしては、公知の物質を利用することができる。 本発明の製造方法において、前記POEアルキルエーテルは、Rの炭素数が単一の、1種のPOEアルキルエーテルからなってもよい。また、互いにRの炭素数および/またはnの値が異なる2種以上のPOEアルキルエーテルを含んでいてもよい。 前記POEアルキルエーテルにおいて、前記アルキル基Rの平均炭素数は8〜20が好ましい。またRの平均炭素数は10〜16がさらに好ましい。 前記POEアルキルエーテルにおいて、nは1〜10であることが好ましく、1〜5であることがさらに好ましい。 前記アルキル基Rのうち、直鎖状のものとしては、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等が挙げられる。また、分岐鎖状のものとしては、エチルヘキシル、ジメチルヘキシル、トリメチルヘキシル、メチルヘプチル、ジメチルヘプチル、トリメチルヘプチル、テトラメチルヘプチル、エチルヘプチル、メチルオクチル、メチルノニル、メチルデシル、メチルウンデシル、メチルドデシル、メチルトリデシル、メチルテトラデシル、メチルペンタデシル、メチルヘキサデシル、メチルヘプタデシル、メチルオクタデシル、メチルノナデシル等が挙げられる。 前記POEアルキルエーテルは、例えば、アルキル基Rを有する脂肪族アルコールを含むアルコール成分に、エチレンオキサイドを付加させることにより、製造することができる。 脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールや、第2級アルコールが例示される。好ましい脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが使用される。 アルコール成分としては、市販の天然アルコールや、合成アルコールを使用することができる。このような市販のアルコールの例として、Shell社製「Neodol」、Sasol社製「Safol」、三菱化学社製「Diadol」(いずれも製品名)などが挙げられる。(硫酸化剤) 硫酸化剤としては、公知の物を使用でき、例えば、クロルスルホン酸、濃硫酸、三酸化硫黄等が挙げられる。このうち、収率、コストなどの工業的な観点から、三酸化硫黄が特に好ましい。(カルボキシ基を有する化合物) 本発明では、カルボキシ基を有する化合物を用いることにより、臭気が改善できる。前記化合物が臭気改善に有効である理由については定かでないが、該化合物のカルボキシ基が硫酸化剤あるいは硫酸化物と錯形成し、臭気劣化を招く反応、例えば1,4−ジオキサンの生成を抑制しているものと推定される。 そのため、カルボキシ基を有する化合物は、カルボキシ基を有するものであれば特に制限されないが、該化合物において、カルボキシ基の数は1〜3、好ましくは1である。 カルボキシ基を有する化合物において、カルボキシ基を除いた構造(以下、便宜上「基本構造」と称する)は、芳香族でも、脂肪族でも、脂環式基でもよいが、炭化水素基が好ましい。基本構造の炭素数は、6〜24が好ましい。これは、臭気低減の点で、より有利なためである。 カルボキシ基を有する化合物としては、さらに、上記一般式(II)で示されるものが好ましい。 上記一般式(II)において、R’はフェニレン基、または炭素数8〜16の飽和炭化水素基を示す。この炭化水素基としては、鎖状または分岐鎖状のアルキル基、環状アルキル基等が挙げられる。 R’が前記炭化水素基の場合、その炭素数は、さらには10〜16が好ましい。 また、上記一般式(II)において、Xは水素原子、アミノ基またはヒドロキシ基を示す。 カルボキシ基を有する化合物として、具体的には、安息香酸、アミノ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)、ラウリン酸等が挙げられ、安息香酸、アミノ安息香酸、および2−ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)から選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることが好ましい。(反応) カルボキシ基を有する化合物の存在下に前記POEアルキルエーテルと前記硫酸化剤とを反応させるには、例えば、薄膜式硫酸化装置にPOEアルキルエーテル及び前記化合物の混合物を導入するとともに、該装置に硫酸化剤を供給すればよい。 反応装置は特に限定しないが、薄膜硫酸化反応装置を用いることが好ましい。薄膜硫酸化反応装置としては、温度制御が比較的容易な装置が好ましく、このような装置として、例えば、「T.O.−Reactor」(製品名;ライオン社製)や「Falling Film Reactor」(製品名;バレストラ社製)が挙げられる。 カルボキシ基を有する化合物の使用量は、前記POEアルキルエーテルに対して、好ましくは0.1〜50モル%である。第二工程を経て得られるPOEアルキルエーテル硫酸塩の純度を考慮すると、0.1〜10モル%がさらに好ましく、0.5〜5モル%が特に好ましい。 硫酸化剤の使用量は、前記POEアルキルエーテルに対し、好ましくは0.9〜1.05モル%、さらに好ましくは0.95〜0.99モル%である。0.9モル%未満では、反応率が低下する場合があり、1.05モル%を超えると品質の劣化を招く場合がある。 なお、硫酸化剤として三酸化硫黄を使用する場合には、空気、窒素などで希釈したガス状の三酸化硫黄を用いることが一般的である。この場合、工業的にはコストの面から空気で希釈することが好ましい。またこの場合、使用される三酸化硫黄濃度は、1.0体積%〜4.0体積%が好ましい。 硫酸化反応温度は、好ましくは10〜70℃、さらに好ましくは20〜60℃である。 また、硫酸化反応時間は、好ましくは5〜60秒、さらに好ましくは5〜30秒である。 なお、反応には、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテルとともに、ポリオキシプロピレン(POP)アルキルエーテルを用いても構わない。その場合は、硫酸化剤の使用量等は、POEアルキルエーテル及びPOPアルキルエーテルの合計量に対して調整することが好ましい。POPアルキルエーテルとしては、例えば、上述の好ましいPOEアルキルエーテルにおいて、エチレンオキサイドに代えてプロピレンオキサイドを付加させた物が用いられる。<第二工程> 第二工程では、第一工程の反応生成物を中和処理する。 この第二工程により、該反応生成物に含まれるPOEアルキルエーテルの硫酸化物が中和され、該硫酸化物に対応するPOEアルキルエーテル硫酸塩が生成する。 塩に中和するための中和剤は、塩基性物質であれば特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アルカリ金属の炭酸塩;アルカリ土類金属の炭酸塩;低級アルキルアミン;低級ヒドロキシアミン;等が挙げられる。 特に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムあるいは低級アルカノールアミン等が、反応性や入手性の面で好ましい。 第二工程の反応条件について、反応温度は、好ましくは20〜80℃、より好ましくは20〜60℃である。 中和後のpHは、5〜8とすることが好ましい。 本発明のPOEアルキルエーテル硫酸塩の製造方法によれば、最終生成物は、POEアルキルエーテル硫酸塩を主成分とし、かつ、問題となるような臭気を感じさせないものとなる。 一般に、POEアルキルエーテルを単に硫酸化剤と反応させた場合、POEアルキルエーテルの硫酸化物の他に、副生物として、例えば1,4−ジオキサンが生成する。この1,4−ジオキサン等が、中和を経た最終生成物の中に残留して、代表的な臭気成分として問題となる。 これに対し、本発明では、カルボキシ基を有する化合物の存在下で硫酸化反応を行うことにより、POEアルキルエーテル硫酸塩以外の臭気を感じさせない反応生成物が得られる。 さらに、本発明のPOEアルキルエーテル硫酸塩の製造方法は、以下の点でも優れた効果を発揮する。 例えば、本発明では、特許文献1に記載の方法のように特別の処理装置を必要とすることはなく、多量のエネルギーが必要になることもなく、また臭気成分を含む流出液等を発生するおそれがない。したがって、コスト面で優れている。 また、特許文献3に記載の方法のように、効果を得るために多量の添加剤を加える必要がなく、カルボキシ基を有する化合物の添加量が少量であっても、充分な臭気低減効果が得られる。さらに、該化合物自体に由来する臭気の問題がない。 そして、1,4−ジオキサンの量を充分に低くすることができるので、第二工程の後に別途精製操作を行う必要がなく、簡便である。 以上本発明の製造方法で得られたPOEアルキルエーテル硫酸塩は、シャンプーや食器用洗浄剤組成物または衣料用洗浄剤組成物等の用途に好適に用いられる。 以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、%は質量%、比率は質量比を示す。(実施例1) 炭素数12及び13の脂肪族アルコールを含む合成アルコール(Shell社製「Neodol」)にエチレンオキサイドを平均付加モル数3モルとなるように付加し、数平均分子量326、水酸基価172のPOEアルキルエーテルを得た。 なお、エチレンオキサイドの平均付加モル数は、脂肪族アルコール及び得られたPOEアルキルエーテルの水酸基価から求めた。 このPOEアルキルエーテル100に対し、カルボキシ基を持つ化合物として安息香酸を0.375混合し、安息香酸がPOEアルキルエーテルに対して1モル%になるように混合物を調製した。 この混合物を、薄膜式硫酸化反応器(内径6mm、長さ1.2m)に導入した。ここで、POEアルキルエーテルは998.6g/時(3.06モル/時)で、安息香酸は3.74g/時(POEアルキルエーテルに対して、1モル%)で導入した。 上記混合物の導入と同時に、薄膜流下式硫酸化反応器に、硫酸化剤として三酸化硫黄を240g/時(3モル/時、POEアルキルエーテルに対して0.98倍モル)を、空気で8体積%に希釈し、三酸化硫黄ガスと原料との間に更に空気を導入し、最終的に2体積%として反応を行なった。 硫酸化反応温度は、40〜50℃とした。 反応器後の経時による影響を避けるため、反応物を、水酸化ナトリウム水溶液により、pH6〜8になるように即座に中和して、最終生成物を得た。 上記で得られた最終生成物について、臭気成分として1,4−ジオキサンの定量を行った。定量は、ガスクロマトグラフを用い、検量線法により行い、1,4−ジオキサンの「界面活性剤に対する濃度(ppm)」を求めた。 また、官能試験を行い、異臭の有無を判定した。臭気成分を蒸発操作等で除去したものをブランクとし、○:ブランクと同じ、△:異臭がし、ブランクよりやや劣る、×:異臭がし、ブランクより明らかに劣る。として判定を行った。(実施例2) カルボキシ基を有する化合物として、ラウリン酸を使用し、この化合物を6.13g/時(POEアルキルエーテルに対して1モル%)で、薄膜式硫酸化反応器に導入した以外は、実施例1と同様にしてPOEアルキルエーテル硫酸塩を製造した。(実施例3) カルボキシ基を有する化合物として、ミリスチン酸を使用し、この化合物を6.99g/時(エトキシレートに対して1モル%)で、薄膜式硫酸化反応器に導入した以外は、実施例1と同様にしてPOEアルキルエーテル硫酸塩を製造した。(実施例4) カルボキシ基を有する化合物として、アミノ安息香酸(東京化成工業製 特級)を使用し、この化合物を4.20g/時(POEアルキルエーテルに対して1モル%)で、薄膜式硫酸化反応器に導入した以外は、実施例1と同様にしてPOEアルキルエーテル硫酸塩を製造した。(実施例5) カルボキシ基を有する化合物として、サリチル酸(2−ヒドロキシ安息香酸)(純正化学製 特級)を使用し、この化合物を4.23g/時(POEアルキルエーテルに対して1モル%)で、薄膜式硫酸化反応器に導入した以外は、実施例1と同様にしてPOEアルキルエーテル硫酸塩を製造した。(実施例6) カルボキシ基を有する化合物として、サリチル酸(純正化学製 特級)を使用し、この化合物を21.15g/時(POEアルキルエーテルに対して5モル%)で、薄膜式硫酸化反応器に導入した以外は、実施例1と同様にしてPOEアルキルエーテル硫酸塩を製造した。(比較例1) カルボキシ基を有する化合物を使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてPOEアルキルエーテル硫酸塩を製造した。 結果を、表1にまとめて示す。なお、表1に示す反応率は、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)による未反応原料分析より算出した。 表1に示されるように、本発明に係る実施例では、臭気成分の代表である1,4−ジオキサン量が少なく、また、官能性試験の結果はブランクと同様であり、良好であった。 これに対し、比較例1では、1,4−ジオキサン量が多く、また、官能性試験の結果、異臭があり、ブランクより劣る結果となった。 下記一般式(I)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルと、硫酸化剤とを、カルボキシ基を有する化合物の存在下に反応させる第一工程、及び、 該第一工程の反応生成物を中和処理する第二工程を有することを特徴とするポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の製造方法。RO(CH2CH2O)nH ・・・(I)(式中、Rは直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示し、nは1〜20の整数を示す。) 前記化合物は、下記一般式(II)で示される請求項1に記載のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の製造方法。(式中、R’はフェニレン基、または炭素数8〜16の飽和炭化水素基を示し、Xは水素原子、アミノ基またはヒドロキシ基を示す。) 前記化合物は、安息香酸、アミノ安息香酸、および2−ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)から選ばれる少なくとも1種以上の化合物である請求項2に記載のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の製造方法。 前記硫酸化剤は、三酸化硫黄である請求項1〜3のいずれかに記載のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の製造方法。 前記第一工程において、前記反応を、薄膜硫酸化反応装置を使用して行う請求項1〜4のいずれかに記載のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の製造方法。 【課題】 臭気低減を実現するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の製造方法を提供する。【解決手段】 下記一般式(I)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテルと、硫酸化剤とを、カルボキシ基を有する化合物の存在下に反応させる第一工程、及び、 該第一工程の反応生成物を中和処理する第二工程を有することを特徴とするポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の製造方法。RO(CH2CH2O)nH ・・・(I)(式中、Rは直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示し、nは1〜20の整数を示す。)【選択図】 なし