タイトル: | 公開特許公報(A)_油性化粧料 |
出願番号: | 2005235543 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 8/18,A61Q 1/02,A61K 8/02 |
富田 弥生 JP 2007023014 公開特許公報(A) 20070201 2005235543 20050720 油性化粧料 大東化成工業株式会社 391015373 富田 弥生 A61K 8/18 20060101AFI20070105BHJP A61Q 1/02 20060101ALI20070105BHJP A61K 8/02 20060101ALI20070105BHJP JPA61K7/02 PA61K7/00 P 3 書面 8 4C083 4C083AA122 4C083AB232 4C083AB242 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC352 4C083AC372 4C083AC392 4C083AC422 4C083AC442 4C083AC482 4C083AC792 4C083AC852 4C083AC861 4C083AC862 4C083AD152 4C083AD261 4C083AD262 4C083AD512 4C083AD662 4C083CC01 4C083CC13 4C083DD30 4C083EE01 4C083FF01 本発明は、赤色226号を配合しても経時安定性が高く、折損強度の低下を起こしにくい油性化粧料に関する。 従来、特許文献1に示すように赤色226号を配合した油性化粧料が硬度の低下を起こし、経日安定性が悪くなることが知られている。 特開平7−316015号公報 しかしながら、赤色226号を表面処理することにより、油剤と赤色226号との相互作用を減らすことは経日安定性の向上に大きく寄与するものの、元来有機化合物である赤色226号はローラーミルなどで分散すると破断面が発生しやすい問題があり、粉砕力を弱くするなどの対応が必要となる。その結果、表面処理赤色226号を用いた場合は、発色性が落ちるなどの問題を抱えていた。 そこで、本発明人は鋭意検討した結果、赤色226号を3〜70質量%その内部に含有した赤色着色球状セルロースを油性化粧料に配合することで、経時安定性が高く、折損強度の低下を起こしにくい油性化粧料が得られることを見いだした。さらに、この油性化粧料は球状セルロースの効果で感触に優れ、発色にも優れていた他、化粧持ちも良かった。 すなわち、本発明は、赤色226号を3〜70質量%含有した赤色着色球状セルロースを配合した油性化粧料にある。 第2の本発明は、前記赤色着色球状セルロースの含有量が化粧料の総量に対して0.01〜10質量%の範囲にあることを特長とする前記の油性化粧料にある。 第3の本発明は、油性化粧料が棒状の形態を持つものであることを特長とする前記の油性化粧料にある。 以上説明するように、本発明は、赤色226号を3〜70質量%含有した赤色着色球状セルロースを配合することにより、経時安定性が高く、折損強度の低下を起こしにくく、かつ感触に優れ、発色、化粧持ちに優れた油性化粧料が得られることは明らかである。 以下、上記本発明を詳細に説明する。 本発明の油性化粧料で用いる赤色226号を3〜70質量%含有した赤色着色球状セルロースとは、球状セルロースの内部、または内部及び表面に赤色226号を含有していることを特長としている。赤色着色球状セルロースの製造方法としては、例えば以下の方法を用いることができる。(1)赤色226号を含有するビスコースを作成する。(2)ビスコースと水溶性のアニオン性高分子の水溶液とを混合して、赤色226号を含有したビスコースの微粒子分散液を生成する。(3)上記分散液を過加熱し、該分散液中のビスコースを凝固させ、次いで酸で中和して顔料を含有したセルロースの微粒子を生成させる。(4)該セルロースの微粒子を母液から分離し、そして必要により水洗および乾燥する。 ここで、ビスコースはセルロースの原料であり、ガンマ価30〜100質量%、アルカリ濃度4〜10質量%のものが好適に用いられる。また、前記水溶性のアニオン性高分子としては、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸ソーダ等が挙げられる。本発明で用いる赤色着色球状セルロースは、さらに各種の表面処理、例えば従来公知の表面処理が行われていても構わない。表面処理の例としては、例えばフッ素化合物処理(パーフルオロアルキルリン酸エステル処理やパーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理など)、シリコーン処理(メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理など)、シリコーン樹脂処理(トリメチルシロキシケイ酸処理など)、ペンダント処理(気相法シリコーン処理後にアルキル鎖などを付加する方法)、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、アルミニウムカップリング剤処理、シラン処理(アルキル化シランやアルキル化シラザン処理など)、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理(ステアリン酸塩やミリスチン酸塩処理など)、アクリル樹脂処理、金属酸化物処理などが挙げられ、またこれらの処理を複数組み合わせて用いることも可能である。 また、本発明で用いる赤色着色球状セルロースの球状とは、真球状から略球状までの形態を含む。球状であると、油性化粧料に配合した際の感触の改善効果に優れるメリットがある。また、粒子径としては、一次粒子径として平均一次粒子径が1〜50μmの範囲にあり、最大粒径が100μm以下であることが好ましく、特に平均一次粒子径が7〜15μmの範囲にあり、粒子個数の90%以上の粒子の一次粒子径が3〜30μmの範囲にあることが好ましい。この範囲であると、感触に優れ、また発色性にも優れ、さらに油性化粧料の安定性改善にも優れているメリットがある。尚、粒子径の測定方法としては、電子顕微鏡観察した写真から画像的に抽出、判定する方法と、レーザー回折式粒度分布計などの粒度分布測定装置を用いて測定する方法などが挙げられるが、電子顕微鏡観察によるものがより好ましい。 本発明の油性化粧料では、上記赤色着色球状セルロースを化粧料の質量に対して0.01〜25質量%の範囲で配合することが可能であるが、より好ましくは0.01〜10質量%の範囲が挙げられる。 本発明で用いる赤色226号とは、一般名ヘリンドンピンクCNと言われる有機色素であり、CAS No.は2379−74−0であり、D&C Red No.30に該当する。 本発明の油性化粧料では、通常、化粧料に用いられる油剤、界面活性剤、顔料、防腐剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、樹脂、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。 油剤の例としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等;炭化水素油として、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グワセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、ビフェニルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、アルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン等が挙げられる。また、グリセリン、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン、マルチトール、マルビット液などの多価アルコールも挙げられる。この内、ワックス類、ポリブテン系油剤は本発明の油性化粧料の安定性に大変有用であり、配合が好ましい成分として挙げられる。 顔料とは、従来公知の顔料が使用でき、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料等があげられ、具体的には、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、アクリルパウダー、アクリルエラストマー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、微粒子酸化チタン、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化亜鉛等の微粒子粉体、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等から選ばれる粉体が挙げられる。また、タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる顔料が挙げられる。これらの粉体は前記同様に各種の表面処理がされていてもいなくても構わない。 本発明の油性化粧料では、上記赤色着色球状セルロースをシリコーンエラストマーと組み合わせて用いることも好ましい。ここで言うシリコーンエラストマーとしては、一次粒子径として1〜100μmの球状粉末からなるオルガノシロキサンエラストマー(例えば東レ・ダウコーニング・シリコーン社製トレフィルEシリーズが挙げられる。)や、無定形状シリコーンペースト(例えば信越化学工業社製KSGシリーズが挙げられる。)が挙げられる。 本発明の油性化粧料としては、口紅、リップグロス、チーク、コンシーラー、ファンデーション、マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、デオドラント、サンスクリーン、育毛剤、ヘアカラー、ヘアチックなどが挙げられる。本発明の油性化粧料の剤型としては、スティックタイプ、流し込みタイプ、クリーム状、ローラー、乳液状などの形態が挙げられるが、特にスティックタイプ(棒状)の形態を持つものに対して特に有効である。 以下に実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 〔実施例1〕 赤色226号33質量%含有着色球状セルロースの製造 赤色226号10質量部とビスコース(セルロース濃度10質量%、ガンマ価50、アルカリ濃度5質量%)200質量部をホモミキサーで回転数3000rpmで混合し、赤色226号含有ビスコースを得た後、10分間かけて80℃に昇温し、さらに30分間、80℃にて混合し、凝固粒子を得た。ガラスフィルターにてこの凝固粒子をろ別し、0.5質量%塩酸にて中和し、さらに過剰の水とメタノールで洗浄した後、減圧下に乾燥し、赤色226号含有着色球状セルロース(パウダー)を得た。得られた粒子を走査型電子顕微鏡を用いて解析した結果、その形状は略球状であり、平均一次粒子径が10μmで、一次粒子径が3〜25μmの範囲に分布していた。図1に走査型電子顕微鏡を用いて粒子の観察を行った例を示す。 〔実施例2、比較例1〜5〕実施例1で製造した赤色226号33質量%含有着色球状セルロースと、未処理の赤色226号、および平均一次粒子径が10μmで、一次粒子径が3〜25μmの範囲に分布している顔料を含有していない球状セルロースパウダーを用いて、表1の処方と製造方法にて棒状口紅を試作し、その強度をレオテック社製レオメーターNRM−2002J型を用いて、2cm/粉の測定条件にて折損強度の測定を実施した。結果(5回測定の平均値)を同じく表1に示す。 製造方法 油性成分を電子レンジを用いて均一に溶解した。ここに粉体成分を加え、3本ローラーにて分散混合した後、再度加熱し、金型に充填し、金型ごと冷却して口紅試料を得た。尚、表1で使用した口紅ベースの処方を表2に示す。 表1の結果から、実施例1の折損強度は赤色226号を配合していない場合の例と同等であり、かつ赤色226号を配合したいずれの比較例よりも高い強度を示していることが判る。比較例1はセルロース系パウダーを配合せず、赤色226号を配合した場合の例であるが、赤色226号未配合の比較例4と比較して折損強度が大幅に低下していることが判る。比較例2は赤色226号と赤色226号を含んでいない球状セルロースパウダーを配合した例であるが、やはり大幅な折損強度の低下が認められている。比較例3は赤色226号を含んでいない球状セルロースパウダーのみを配合した場合の例であるが、折損強度の低下は見られない。比較例4は赤色226号、セルロース系粉末を配合していない場合の例であるが、折損強度は高いことが判る。 また、本試作品を口紅容器にセットし、女性パネラー10名に使用感のテストをしてもらったところ、実施例1は塗布感がなめらかで、発色が良く、化粧持ちにも優れていることが判った。これに対して比較例1は容器から口紅が脱落する、多くつきすぎるなどの問題があり、比較例2は塗布しにくい問題があり、比較例3は色が異なるが塗布感はなめらかで優れていた。また、比較例4は塗布時のなめらかさに欠ける問題があった。 実施例1で製造した赤色226号33質量%含有着色球状セルロースパウダーの走査型電子顕微鏡写真の例 赤色226号を3〜70質量%含有した赤色着色球状セルロースを配合した油性化粧料。 前記赤色着色球状セルロースの含有量が化粧料の総量に対して0.01〜10質量%の範囲にあることを特長とする請求項1に記載の油性化粧料。 油性化粧料が棒状の形態を持つものであることを特長とする請求項1または2のいずれかに記載の油性化粧料。 【課題】赤色226号を配合しても経時安定性が高く、折損強度の低下を起こしにくく、かつ感触に優れ、発色、化粧持ちに優れた油性化粧料を提供すること。【解決手段】赤色226号を3〜70質量%含有した赤色着色球状セルロースを配合した油性化粧料。【選択図】なし