タイトル: | 公開特許公報(A)_チアミン類の安定化方法 |
出願番号: | 2005211545 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 31/51,A61K 47/26,A61K 9/16,A61K 9/20,A61K 31/192,A61P 3/02 |
角田 健司 井 紀孝 石田 克史 JP 2007023001 公開特許公報(A) 20070201 2005211545 20050721 チアミン類の安定化方法 第一三共ヘルスケア株式会社 306014736 矢口 敏昭 100115750 角田 健司 井 紀孝 石田 克史 A61K 31/51 20060101AFI20070105BHJP A61K 47/26 20060101ALI20070105BHJP A61K 9/16 20060101ALI20070105BHJP A61K 9/20 20060101ALI20070105BHJP A61K 31/192 20060101ALI20070105BHJP A61P 3/02 20060101ALI20070105BHJP JPA61K31/51A61K47/26A61K9/16A61K9/20A61K31/192A61P3/02 105 16 OL 13 4C076 4C086 4C206 4C076AA30 4C076AA31 4C076AA36 4C076AA54 4C076BB01 4C076CC23 4C076DD28 4C076DD38 4C076DD67 4C076DD68 4C076EE31 4C076EE53 4C076FF63 4C076FF65 4C086AA01 4C086BC83 4C086GA07 4C086GA10 4C086MA02 4C086MA03 4C086MA05 4C086MA07 4C086MA35 4C086MA37 4C086MA41 4C086MA43 4C086MA52 4C086NA03 4C086ZC25 4C206AA01 4C206DA24 4C206MA02 4C206MA03 4C206MA05 4C206MA10 4C206MA55 4C206MA57 4C206MA61 4C206MA63 4C206MA72 4C206NA03 4C206ZB11 本発明は、チアミン類の安定化方法およびチアミン類安定化剤、さらにチアミン類含有製剤およびその製造方法に関する。 ビタミン類は必須の栄養素であることはよく知られており、その中でも特にビタミンB1であるチアミンの欠乏症は、主に末梢神経系、消化器系および心血管系の障害として知られるいわゆる脚気の症状を呈することが知られている。また、チアミンは、特に糖のエネルギー代謝に必要であることが知られており、代謝率が上昇している甲状腺機能亢進症や、妊娠・授乳期のほか、感冒などによる肉体疲労の回復時には、より多くのチアミンの摂取が必要である。チアミンは通常の食品でも摂取できるものの、上記のような状況においては、チアミンおよびチアミン誘導体並びにこれらの塩(以下、チアミン類と称す)を含有する製剤(以下、チアミン類含有製剤と称す)、例えば、顆粒剤、液剤、錠剤などで摂取することができる。また、体力回復のためのドリンク剤やサプリメント、さらには総合感冒薬などで、チアミン類が他の薬効成分と共に配合された医薬品等が既に市販されている。 一方、チアミン類は安定性の確保が難しいことが知られている。一般的にビタミン類の安定性は、pH、光、熱、水分などの保存環境にも影響されるほか、各種添加剤や異種ビタミンなどの共存成分によっても含量低下を引き起こす。その為、チアミン類をドリンク剤などに配合する場合は、必要配合量よりも多めに配合することもある。チアミン類の安定化方法については既にいくつか報告されている。例えば、「チアミン類配合液剤」(特許文献1参照)は、アミノ酸の1種であるタウリンを配合すると、チアミン類の液剤中における安定性の向上を図れると記載されている。 また、志望を添加することにより、ビタミンB1類を安定化させる方法を記載した「ビタミンB1製剤の安定化方法」(特許文献2参照)や抗酸化剤等を添加する方法なども知られている。特開平11−60486号公報特開平9−12458号公報 上記の通り、チアミン類の安定化方法に関しては、様々な試みが為されているが、例えば、「チアミン類配合液剤」(特許文献1参照)は、対象製剤が液剤に限られていることと、チアミン類の42日後の残存率が、73.0%と充分に高いとはいえないという欠点がある。また、「ビタミンB1製剤の安定化方法」(特許文献2参照)は脂肪を製剤に配合するため、高脂血症を合併している患者に投与しにくい。また、抗酸化剤を添加する方法に関しても、安全性の面から好ましくない。 これらの事情から、チアミン類を長期的に安定化させる新しい方法の開発が望まれていた。 本発明は、新しいチアミン類の安定化方法およびチアミン類含有製剤を提供するものである。 本発明者らは鋭意研究の結果、チアミン類にトレハロースを組み合わせると、チアミン類の安定性が向上することを見出し、トレハロースをチアミン類の安定化に寄与するチアミン類安定化剤として用いることができることを見出した。また、イブプロフェンが、チアミン類の安定性に影響を与えることを見出し、チアミン類にトレハロースを配合すると、イブプロフェンのようなチアミン類の安定性に影響を及ぼす成分を配合しても、チアミン類の安定性が向上することを見出した。 すなわち本発明は、1.トレハロースを配合することを特徴とするチアミン類の安定化方法、2.チアミン類にトレハロースを配合することを特徴とするチアミン類含有製剤の安定化方法、3.トレハロースを含有することを特徴とするチアミン類安定化剤、4.トレハロースが、トレハロース2水和物またはトレハロース1/2水和物であることを特徴とする3に記載のチアミン類安定化剤、5.チアミン類が、チアミン、チアミンジスルフィド、フルスルチアミン、ビスチアミン、ジセチアミン、ビスベンチアミン、ビスイブチアミン、ベンフォチアミンおよびこれらの塩から選ばれる1種以上である3または4に記載のチアミン類安定化剤、6.チアミン類が、硝酸チアミンである3〜5のいずれか1に記載のチアミン類安定化剤、7.チアミン類、イブプロフェンおよびトレハロースを含有することを特徴とするチアミン類含有製剤、8.チアミン類およびトレハロースを含有する造粒物と、イブプロフェンを含有する造粒物を含むチアミン類含有製剤、9.トレハロースが、トレハロース2水和物またはトレハロース1/2水和物であることを特徴とする7または8に記載のチアミン類含有製剤、10.チアミン類が、チアミン、チアミンジスルフィド、フルスルチアミン、ビスチアミン、ジセチアミン、ビスベンチアミン、ビスイブチアミン、ベンフォチアミンおよびこれらの塩から選ばれる1種以上である7〜9のいずれか1に記載のチアミン類含有製剤、11.チアミン類が、硝酸チアミンである7〜10のいずれか1に記載のチアミン類含有製剤、12.剤形が錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤またはカプセル剤であることを特徴とする7〜11のいずれか1に記載のチアミン類含有製剤、13.チアミン類、イブプロフェン、およびトレハロースを含有するチアミン類含有製剤において、(A)チアミン類およびトレハロースを含有する混合物、(B)イブプロフェンを含有する混合物を、各々別に造粒することを特徴とするチアミン類含有製剤の製造方法、14.トレハロースが、トレハロース2水和物またはトレハロース1/2水和物であることを特徴とする13に記載のチアミン類含有製剤の製造方法、15.チアミン類が、チアミン、チアミンジスルフィド、フルスルチアミン、ビスチアミン、ジセチアミン、ビスベンチアミン、ビスイブチアミン、ベンフォチアミンおよびこれらの塩から選ばれる1種以上である13または14に記載のチアミン類含有製剤の製造方法、16.チアミン類が、硝酸チアミンである13〜15のいずれか1に記載のチアミン類含有製剤の製造方法、である。 本発明により、新しいチアミン類の安定化方法を提供することができ、この方法を利用してチアミン類含有製剤を製造し、長期安定性の優れたチアミン類含有製剤を提供することができる。 本発明にかかるチアミン類は、チアミン、チアミンジスルフィド、フルスルチアミン、ビスチアミン、ジセチアミン、ビスベンチアミン、ビスイブチアミン、ベンフォチアミンおよびこれらの塩などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。上記チアミン類の塩としては、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩などが挙げられる。本発明においては、硝酸チアミンが最も好ましい。これらのチアミン類は公知の化合物であり、市販のものを用いても良く、また公知の方法を用いて製造することも可能である。 本発明は、上記チアミン類を安定化させるために、トレハロースを配合することを特徴とする。このトレハロースは特に限定されないが、トレハロース1/2水和物、トレハロース2水和物が好ましい。これらトレハロースは公知の化合物であり、市販のものを用いても良く、公知の方法を用いて製造することも可能である。 本発明のチアミン類含有製剤は、上記のチアミン類およびトレハロースを含有されていれば良く、また、当該チアミン類含有製剤に含有されるチアミン類の量にも、特に制限はない。また、本発明のチアミン類含有製剤の投与量は、患者の病状に応じて適宜調節が可能であるが、例えば経口剤の場合、チアミン類の1日あたりの投与量として、通常0.1〜500mgであり、1〜50mgが好ましく、1〜25mgがより好ましい。 なお、チアミン類を安定化させるために必要なトレハロースの配合量は、チアミン類1重量部に対して、トレハロースを0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜50重量部である。 本発明のチアミン類含有製剤は、チアミン類以外の薬効成分を配合することができる。具体的には、アスピリン、アスピリンアルミニウム、サザピリン、エテンザミド、サリチルアミド、イブプロフェン、アセトアミノフェン、イソプロピルアンチピリン等の解熱鎮痛剤、カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等の中枢神経興奮薬、ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素等の鎮静剤、マレイン酸クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸カルビノキサミン、メキタジン、酒石酸アリメマジン、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸トリプロリジン、フマル酸クレマスチン等の抗ヒスタミン薬、塩化リゾチーム、ブロメライン、セラペプターゼ、セミアルカリプロティナーゼ、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルレチン酸、アズレンスルホン酸ナトリウム等の抗炎症薬、トラネキサム酸等の抗プラスミン剤、リン酸ジヒドロコデイン、リン酸コデイン、塩酸ノスカピン、ノスカピン、臭化水素酸デキストロメトルファン、デキストロメトルファンフェノールフタリン塩、リン酸ジメモルファン、ヒベンズ酸チペピジン、クエン酸チペピジン、塩酸エプラジノン、メチルエフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸メトキシフェナミン、塩酸トリメトキノール、塩酸フェニルプロパノールアミン等の鎮咳薬、塩酸L−エチルシステイン、グアヤコールスルホン酸カリウム、クレゾール酸カリウム、グアイフェネシン、塩酸ブロムヘキシン、カルボシステイン、塩酸アンブロキソール等の去痰薬、テオフィリン、アミノフィリン、ジプロフィリン等の気管拡張薬、ベラドンナ(総)アルカロイド、べラドンナエキス、ヨウ化イソプロパミド、臭化水素酸スコポラミン、ロートエキス、臭化ブチルスコポラミン、臭化メチルベナクチジウム、ピレンゼピン等の抗アセチルコリン薬、セチルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、ポビドンヨード、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、チモール、ヨウ素・ヨウ化カリウム、フェノール、塩酸クロルヘキシジン、クレオソート、塩化ベンゼトニウム等の酸化消毒剤、塩酸ジブカイン、アミノ安息香酸エチル、リドカイン、塩酸リドカイン、オキセサゼイン等の局所麻酔剤、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、アスコルビン酸カルシウム、ビタミンD、ビタミンE、コハク酸トコフェノールカルシウムなどのビタミン剤、パントテン酸、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、パンテチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、グルクロン酸、グルクロノラクトン、アミノエチルスルホン酸、ビオチン、γ−オリザノール等の代謝性成分、地竜、ケイヒ、ゴオウ、ショウキョウ、キキョウ、マオウ、カンゾウ、キョウニン、ハンゲ、シャゼンソウ、セネガ、サイコ、ブクリョウ、シンイ等の生薬およびこれら生薬の抽出物(エキス、チンキ等)等を挙げることができるが、これらに限定されるべきものではない。これらの薬効成分は、単一成分を配合しても良く、2種以上のものを組み合わせて配合しても良い。 本発明により製造されるチアミン類含有製剤の剤形は、固形製剤、特に錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤またはカプセル剤であることが好ましく、特に錠剤または顆粒剤が好ましい。 さらに、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲内で、製剤中に適当な添加物を加えることができる。具体的には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤などを挙げることができる。賦形剤としては、例えば、結晶セルロース、粉末セルロース、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素、沈降炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、乳酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、合成ケイ酸アルミニウム、乳糖、白糖、D−マンニトール、エリスリトール、ブドウ糖、果糖などを挙げることができる。 崩壊剤としては、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、アルギン酸、部分アルファー化デンプン、ベントナイト等を挙げることができる。 結合剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、マクロゴール、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ゼラチン、デキストリン、ペクチン、ポリアクリル酸ナトリウム、プルラン等を挙げることができる。 滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、硬化油等を挙げることができる。 これらの添加物は、1種または2種以上を組み合わせても良い。 本発明のチアミン類含有製剤は、上記成分を公知の製造方法にて製剤化することにより得ることができる。例えば、粉砕、混合、造粒、圧縮、乾燥などを必要に応じて行なうことができる。造粒の方法としては、例えば湿式造粒法、乾式造粒法、溶融造粒法などを挙げることができる。得られた造粒物は、必要に応じて圧縮処理を行ない、成型することができる。圧縮処理は一般的な成型機を用いて、所望の圧縮成型圧にて行なうことができる。 チアミン類またはトレハロースの安定性に影響を及ぼすような成分を、本発明の製剤に含有させる場合には、その製造工程において、チアミン類およびトレハロースを含有する混合物を造粒し、別にチアミン類またはトレハロースの安定性に影響を及ぼす成分を含有する混合物を造粒することが望ましい。チアミン類の安定性に影響を及ぼす成分の例として、イブプロフェンを挙げることができる。本発明のチアミン類含有製剤にイブプロフェンを含有させる際には、(A)チアミン類とトレハロースを含有する混合物、(B)イブプロフェンを含有する混合物を、各々別に造粒し、(A)を含有する造粒物と、(B)を含有する造粒物を含有する混合物を必要に応じて圧縮し、本発明の製剤を得ることができる。 以下に実施例を示して本発明を説明するが、本発明はこれのみに限定されるべきものではない。 (実施例1) 表1に記載されている成分を混合攪拌造粒後、解砕、乾燥後、さらに整粒して、A顆粒を得た。表1 表2に記載されている成分を、混合、溶融造粒後に冷却し、さらに整粒してB顆粒を得た。表2 表3に記載されている成分を混合、攪拌造粒後に解砕、乾燥し、さらに整粒してC顆粒を得た。表3 上記の工程により得られたA顆粒、B顆粒、C顆粒を混合、整粒し、表4に示した成分をあわせて、混合、次いで圧縮を行い、チアミン類含有錠剤を得た。表4 得られた錠剤をビン密栓にて50℃で保存し、保存開始から30日後の硝酸チアミンの残存率を測定した。結果を表aに示す。 (比較例1) 実施例1のA顆粒の成分中のトレハロース2水和物をエリスリトールに換えて、実施例1と同様の操作を行い、得られた錠剤をビン密栓にて50℃で保存し、保存開始から30日後の硝酸チアミンの残存率を測定した。結果を表aに示す。(比較例2) 下記の表5の成分から、実施例1に記載した方法と同様に各々D顆粒、E顆粒、F顆粒を製造した。表5 これらのD顆粒、E顆粒、F顆粒に下記の表6の成分を加え、実施例1と同様の方法にてチアミン類含有錠剤の素錠を得た。表6 さらに、表7の成分を用いて、得られた素錠をフィルムコーティングし、チアミン類含有錠剤を得た。表7 得られた錠剤をビン密栓にて50℃で保存し、保存開始から30日後の硝酸チアミンの残存率を測定した。結果を表aに示す。表a 表aの結果より、硝酸チアミンと同一の顆粒に配合する賦形剤をD−マンニトール、エリスリトール、トレハロース2水和物にて比較したところ、トレハロース2水和物が、硝酸チアミンを安定化させることを見出した。(試験例1) 下記の表8の成分から、実施例1に記載した方法と同様に各々G顆粒、H顆粒、I顆粒を製造した。表8 これらのG顆粒、H顆粒、I顆粒に下記の表9の成分を加え、実施例1と同様の方法にてチアミン類含有錠剤の素錠を得た。表9 さらに、表10の成分を用いて、得られた素錠をフィルムコーティングし、チアミン類含有錠剤を得た。表10 得られた錠剤をビン密栓にて40℃または50℃で保存し、保存開始から30日後の硝酸チアミンの残存率を測定した。結果を表bに示す。表b 硝酸チアミンに他の薬効成分を組み合わせ、賦形剤としてD―マンニトールを添加して造粒処理、次いで圧縮処理を行い、得られた錠剤を瓶に密閉し、長期安定性を検討した。40℃で30日間の密閉保存では、硝酸チアミンの残存率に影響は無かったものの、高温度下の50℃で30日間密閉保存を行なった場合、硝酸チアミンの残存率は71.5%と、硝酸チアミンの含量低下が認められた(試験例1)。 (参考例1) 硝酸チアミン0.5gに、表11に記載の各成分を加え、さらに結晶セルロースを加えて45.0gにしたものを70℃で5日間保存し、硝酸チアミンと各成分の配合変化試験を行なった。表11 結果を表cに示す。表c 表cから、イブプロフェンが硝酸チアミンの含量低下の起因物質であることが認められた。 本発明により、新しい地アミン類を安定化させる方法を提供することができ、本発明を利用して、チアミン類を含有する製剤、例えば、風邪薬や肉体疲労回復のための栄養補給剤などを提供することができる。トレハロースを配合することを特徴とするチアミン類の安定化方法。チアミン類にトレハロースを配合することを特徴とするチアミン類含有製剤の安定化方法。トレハロースを含有することを特徴とするチアミン類安定化剤。トレハロースが、トレハロース2水和物またはトレハロース1/2水和物であることを特徴とする請求項3に記載のチアミン類安定化剤。チアミン類が、チアミン、チアミンジスルフィド、フルスルチアミン、ビスチアミン、ジセチアミン、ビスベンチアミン、ビスイブチアミン、ベンフォチアミンおよびこれらの塩から選ばれる1種以上である請求項3または4に記載のチアミン類安定化剤。チアミン類が、硝酸チアミンである請求項3〜5のいずれか1項に記載のチアミン類安定化剤。チアミン類、イブプロフェンおよびトレハロースを含有することを特徴とするチアミン類含有製剤。チアミン類およびトレハロースを含有する造粒物と、イブプロフェンを含有する造粒物を含むチアミン類含有製剤。トレハロースが、トレハロース2水和物またはトレハロース1/2水和物であることを特徴とする請求項7または8に記載のチアミン類含有製剤。チアミン類が、チアミン、チアミンジスルフィド、フルスルチアミン、ビスチアミン、ジセチアミン、ビスベンチアミン、ビスイブチアミン、ベンフォチアミンおよびこれらの塩から選ばれる1種以上である請求項7〜9のいずれか1項に記載のチアミン類含有製剤。チアミン類が、硝酸チアミンである請求項7〜10のいずれか1項に記載のチアミン類含有製剤。剤形が錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤またはカプセル剤であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載のチアミン類含有製剤。チアミン類、イブプロフェン、およびトレハロースを含有するチアミン類含有製剤において、(A)チアミン類およびトレハロースを含有する混合物、(B)イブプロフェンを含有する混合物を、各々別に造粒することを特徴とするチアミン類含有製剤の製造方法。トレハロースが、トレハロース2水和物またはトレハロース1/2水和物であることを特徴とする請求項13に記載のチアミン類含有製剤の製造方法。チアミン類が、チアミン、チアミンジスルフィド、フルスルチアミン、ビスチアミン、ジセチアミン、ビスベンチアミン、ビスイブチアミン、ベンフォチアミンおよびこれらの塩から選ばれる1種以上である請求項13または14に記載のチアミン類含有製剤の製造方法。チアミン類が、硝酸チアミンである請求項13〜15のいずれか1項に記載のチアミン類含有製剤の製造方法。 【課題】 本発明は、新しいチアミン類の安定化方法、チアミン類安定化剤、さらに長期にわたり安定なチアミン類含有製剤およびその製造方法を提供するものである。【解決手段】 本発明は、チアミン類にトレハロースを組み合わせることにより、チアミン類の安定性が向上することを見出したものである。すなわち、本発明は、1.トレハロースを配合することを特徴とするチアミン類の安定化方法、2.トレハロースを含有することを特徴とするチアミン類安定化剤、3.チアミン類、イブプロフェンおよびトレハロースを含有することを特徴とするチアミン類含有製剤、4.チアミン類、イブプロフェン、およびトレハロースを含有するチアミン類含有製剤において、(A)チアミン類およびトレハロースを含有する混合物、(B)イブプロフェンを含有する混合物を、各々別に造粒することを特徴とするチアミン類含有製剤の製造方法、である。