タイトル: | 公開特許公報(A)_TGF−β受容体拮抗剤 |
出願番号: | 2005207048 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 36/60,A61K 36/00,A61P 1/16,A61P 13/12,A61P 17/14,A61P 43/00 |
松浦 大輔 森田 益史 平倉 一弘 田中 実希 JP 2007022957 公開特許公報(A) 20070201 2005207048 20050715 TGF−β受容体拮抗剤 株式会社ツムラ 000003665 小野 信夫 100086324 松浦 大輔 森田 益史 平倉 一弘 田中 実希 A61K 36/60 20060101AFI20070105BHJP A61K 36/00 20060101ALI20070105BHJP A61P 1/16 20060101ALI20070105BHJP A61P 13/12 20060101ALI20070105BHJP A61P 17/14 20060101ALI20070105BHJP A61P 43/00 20060101ALI20070105BHJP JPA61K35/78 DA61K35/78 XA61P1/16A61P13/12A61P17/14A61P43/00 111 8 1 OL 14 4C088 4C088AB34 4C088AC11 4C088BA08 4C088BA14 4C088CA03 4C088NA14 4C088ZA75 4C088ZA81 4C088ZA92 4C088ZC02 4C088ZC42 本発明は、TGF−β受容体拮抗剤に関し、さらに詳細には、育毛剤、腎炎治療剤、肝硬変治療剤等として使用することのできるTGF−β受容体拮抗剤に関する。 桑は古くから養蚕業においてカイコの飼料用に栽培されてきただけでなく、その果実は食用に、また、根、葉、果実、幼枝はそれぞれ薬用に用いられてきた。桑の根は、細根を除いて皮をはぎ取り、それを乾燥したものが生薬「桑白皮(ソウハクヒ)」として流通されている。このソウハクヒは、黄褐色の周皮(コルク皮)を除いた、白色〜淡黄色に近いものが良いとされている。ソウハクヒは、鎮咳・去痰薬として漢方処方に配合されたり、単独で尿量減少に用いられたりするが、育毛剤原料としても用いられ、ソウハクヒ抽出物を有効成分とする育毛剤が報告されている(特許文献1)。また、桑の根の中皮部分を用いた発毛補助液も報告されている(特許文献2)。しかしながら、これらの報告では、桑の根中のどの成分がいかなる機構によって育毛剤として作用するのか明らかにされていなかった。 一方、TGF−βは、様々な細胞の増殖調節、発生や分化等の様々な作用を有するサイトカインであり、肝臓や腎臓等臓器の線維化に深く関与していることが明らかになっている。このような線維化が原因となる疾患として、肝硬変、動脈硬化症、腎炎などが挙げられるが、これらの疾患に対する治療剤としてTGF−β受容体拮抗剤の研究が行われている。このTGF−βのうち、TGF−β2は毛髪退行期への移行を促進する効果を有し、ローマカミレツエキスやシモツケソウエキス等がTGF−βの作用を抑制するため、これらのエキスを養毛料として利用できることが報告されている(特許文献3)。しかしながら、この報告では、桑については触れられておらず、桑の根の抽出物がTGF−β受容体結合阻害作用を有しているか否かについてこれまで知られていなかった。特開平6−329517特開昭61−12607特開2000−342296 本発明は、天然物中からTGF−β受容体結合阻害作用を有する物質を見出し、これを有効成分とする新規なTGF−β受容体拮抗剤を提供することをその課題とする。 本発明者らは、TGF−β受容体結合阻害活性を有する天然物について鋭意検索を行った結果、桑の根の抽出物が、優れたTGF−β受容体結合阻害作用を有することを見出すとともに、当該抽出物のTGF−β受容体結合阻害作用は、これに含有されるクワノンE、G、H及びモルシン等のクワフラボノイド類が奏することを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち本発明は、桑の根の抽出物を有効成分とするTGF−β受容体拮抗剤である。 また本発明は、クワフラボノイド類を有効成分とするTGF−β受容体拮抗剤である。 更に本発明は、育毛剤、肝硬変治療剤、又は腎炎治療剤であるTGF−β受容体拮抗剤である。 本発明によれば、安全性が高く、優れたTGF−β受容体結合阻害作用を有するTGF−β受容体拮抗剤を得ることができる。 そして、本発明のTGF−β受容体拮抗剤は、TGF−βの産生過剰に起因する疾患、脱毛防止、養毛・育毛・発毛効果、腎炎および肝硬変の治療効果に優れた効果を有する。さらに、本発明の育毛剤は、非常に高い血流促進も有し、抜け毛の改善のみならず、髪にはり、こしを与え、傷んだ髪のダメージを回復させ、頭皮のかゆみを予防し、さらに安全性、溶解性および保存安定性も良好である。 本発明において用いられる桑とは、Morus alba Linneをはじめとするクワ科Morus属植物であり、同属植物としては、Morus bombycis Koidzumi、Morus multicaulis Perrottet、Morus mongolicaなどが挙げられる。 また、本発明に用いるクワフラボノイド類とは、桑中に含まれるフラボノイド構造を有する物質を称するものである。 本発明のTGF−β受容体拮抗剤は、上記桑の根を抽出することにより得られる。本発明で用いる桑の根としては、周皮を含む桑根皮、桑根周皮を取り除いたソウハクヒ、桑根周皮等のいずれをも用いることができるが、その中でもTGF−β受容体拮抗作用を有する成分の含量が高いことから、桑根皮又は桑根周皮が好ましく用いられる。 本発明に用いる桑の根の抽出物の製造は、上記桑の根を適当な溶媒により抽出することにより行われる。用いられる溶媒の好ましい例としては、水や、エタノール、メタノール、ブタノール等のアルコール;酢酸エチル、ヘキサン等の有機溶媒などが挙げられる。 本発明の桑の根の抽出物としては、上記桑の根を直接溶媒によって抽出して得られる抽出液の他、当該抽出液を、さらに液−液分配して得られる溶媒画分を利用することもできる。この液−液分配に使用される溶媒としては、ヘキサン、酢酸エチル、ブタノール等を挙げることができる。 上記桑の根の抽出物の好ましい例としては、濃度30〜100質量%(以下「%」と略記する)のエタノールにより抽出した抽出物や、この抽出物をさらに、酢酸エチルで液−液分配して得られる画分が挙げられる。これらのうち、液−液分配後の酢酸エチル画分は、TGF−β受容体結合阻害活性が高いため、特に好ましい。 上記した桑の根の抽出物は、そのままの液状で使用しても、また、必要により、公知の精製手段により精製したもの、更に必要により凍結乾燥などの手段で粉末化したものを用いても良い。 本発明のTGF−β受容体拮抗剤は、上記のようにして得られた桑の根の抽出物を有効成分とするものであるが、上記桑の根の抽出物中でのTGF−β受容体結合阻害活性を有する物質について検索を行ない、上記活性はクワノンE、クワノンG、クワノンH及びモルシン等のクワフラボノイド類が有するものであることを見出した。従って本発明のTGF−β受容体拮抗剤は、上記桑の根の抽出物を含むものの他、クワフラボノイド類を単に配合したものであってもよい。これらのクワフラボノイド類は、上記桑の根の抽出物から単離・精製したものであってもよく、また、桑の根以外の部位から抽出したものであっても、桑以外の植物から抽出したものであっても、さらには合成したものであってもよい。 クワフラボノイド類としては、クワノンE、クワノンG、クワノンH、モルシン、サンゲノンC、サンゲノンD等のプレニルフラボノイド類や、モリン、ジヒドロケンフェロール、クエルセチン等が挙げられる。その中でも式1〜4に示されるクワノンE、クワノンG、クワノンH、モルシンが好ましい。 上記のようにして得られた、本発明のTGF−β受容体拮抗剤は、TGF−βが関与する疾患の予防、治療に使用することができる。具体的には、育毛剤、腎炎治療剤及び肝硬変治療剤として用いることができる。 本発明のTGF−β受容体拮抗剤を育毛剤とするには、前記桑の根抽出物ないしその成分であるクワノンE、クワノンG、クワノンH、モルシン等のクワフラボノイド類を適宜育毛剤の基剤と組み合わせ、製剤化すれば良い。 育毛剤製造に当たっては、例えば、前記桑の根抽出物を、育毛剤全体に対して、乾燥物換算で0.00001〜1%配合することが好ましく、0.001〜0.5%が更に好ましく、0.01〜0.1%が特に好ましい。また、上記クワフラボノイド類を配合する場合は、これらのうち1種を単独で配合しても良いが、2種以上を組み合わせて配合しても良い。 上記育毛剤の基剤としては、育毛剤に常用されるもの、例えば水、エタノール等の1価アルコール類、グリセリン、エチレングリコール等の多価アルコール類、などを用いることができ、好ましくは、水とエタノールの混合溶液である。また、本発明の育毛剤は、更に、育毛剤に常用される成分、例えば、ホルモン類、ビタミン類、アミノ酸類、保湿剤、抗酸化剤、清涼剤、ゲル化剤、キレート剤、防腐剤、抗菌剤、pH調整剤、油分、色素、香料等の添加成分を配合することができる。具体的な例としては、エストラジオール、ニコチン酸アミド、アミノ酸エキス、大豆ペプチド、ビタミンE、エデト酸二ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、イソプロピルメチルフェノール、ジイソプロパノールアミン、l−メントール、パラオキシ安息香酸エステル、ホホバ油、色素、香料等が挙げられる。 さらに、本発明の育毛剤は、上記TGF−β受容体拮抗剤のみを有効成分として配合しても優れた育毛効果を有するものであるが、更に他の育毛成分と併用することもできる。かかる育毛成分の好ましい例として、ボタンピ抽出液、ニンジン抽出液、センブリ抽出液、ショウキョウチンキ、センキュウ抽出液、クジン抽出液、ベニバナ抽出液、トウガラシチンキ、ミカン抽出液、グリチルリチン酸又はその誘導体、セファランチン、トコフェロール類又はその誘導体、ヒノキチオール、サリチル酸、レゾルシン、D−パントテニルアルコール等が挙げられる。 なお、本発明の育毛剤の剤形は、特に限定されるものではなく、液剤、エアゾール製剤、軟膏、クリーム、ジェル、オイル、パック、シャンプー、リンス、トリートメント等とすることができる。これらのうち、液剤、エアゾール製剤が特に好ましい。 一方、本発明のTGF−β受容体拮抗剤を腎炎治療剤または肝硬変治療剤とするには、前記桑の根の抽出物もしくはクワフラボノイド類を常法により製剤化すればよい。その剤形としては、液剤、エリキシル剤、注射剤、錠剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤等が挙げられる。またその製剤用担体としては、例えば、エタノール、精製水、澱粉、乳糖、ブドウ糖、白糖、でんぷん、結晶セルロース等が挙げられる。 本発明のTGF−β受容体拮抗剤により育毛効果が得られる理由は、次のように考えられている。すなわち、分泌された男性ホルモンが毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体に結合するとTGF−βを産生するが、このTGF−βは、毛包細胞のTGF-β受容体に結合して、毛包細胞にアポトーシスを誘導するため、毛髪の退行が進行する。これに対し、TGF−β受容体結合阻害作用を有する成分を含む育毛剤を毛髪に投与すると、当該成分は毛包細胞に移行し、TGF−βと拮抗して、毛包細胞のアポトーシスを抑止する。このようなメカニズムにより、毛髪の退行が防止できると考えられる。 次に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。実 施 例 1 桑根皮エタノール抽出液の製造方法: 桑根皮を切裁し、桑根皮200gに対して1400gの70%エタノール水溶液を加え、30℃で約1日間攪拌した。不溶物を濾別し、濾液を4℃で約1日間静置した。再度、不溶物を濾別し、桑根皮70%エタノール抽出液1150gを得た。実 施 例 2 桑根皮抽出液分画方法(1): 実施例1で得られた桑根皮70%エタノール抽出液1100gを減圧下濃縮し、エタノールを留去した。残留物に水1Lおよびヘキサン500mLを加え、分液ロートにて攪拌後静置し、上層のヘキサン可溶部を採取した。その後残った水層に再度ヘキサン500mLを加えて分配する操作を2回繰り返し、上層の液を合わせて減圧乾固し、ヘキサン画分0.9gを得た。実 施 例 3 桑根皮抽出液分画方法(2): 実施例2のヘキサン可溶部を採取して残った下層の水溶液に酢酸エチル500mLを加え、分液ロートにて攪拌後静置し、上層の酢酸エチル可溶部を採取した。この操作を3回行い、上層の液を合わせて減圧乾固し、酢酸エチル画分8.8gを得た。実 施 例 4 桑根皮抽出液分画方法(3): 実施例3の酢酸エチル画分を採取して残った下層の水溶液に1−ブタノール500mLを加え、分液ロートにて攪拌後静置し、上層の1−ブタノール可溶部を採取した。この操作を3回行い、上層の液を合わせて減圧乾固し、1−ブタノール画分0.8gを得た。実 施 例 5 桑根皮抽出液分画方法(4): 実施例4の1−ブタノール可溶部を採取して残った下層の水溶液を凍結乾燥し、水画分18.8gを得た。試 験 例 1 TGF−β受容体結合阻害作用試験: 実施例1〜4で得られた抽出物ないし画分についてTGF−β受容体結合阻害作用試験を行った。試験は次のようにして行った。すなわち、TGF−β受容体をコーティングしたELISAプレートに、実施例1〜4で得られた抽出物ないし画分をそれぞれの所定の濃度で添加し、1時間後にTGF−βを4ng/mL加え、3時間室温でインキュベートした。洗浄用バッファーで洗浄後、ビオチン化抗TGF−β抗体を加え室温で2時間インキュベートした。洗浄後、アビジン標識ペルオキシダーゼを加え、30分室温でインキュベートし、各ウェルを洗浄し、発色基質であるABTSを加え、15分インキュベートした。反応停止液を添加後、405nmの吸光度を測定した。 結果は、実施例1〜4で得られた抽出物ないし画分のTGF−β受容体に対する結合阻害率を下記の式により算出した結合阻害率で示した。この結果を図1に示す。 結合阻害率(%)={1−(A−C)/(B−C)}×100 A:被検物質存在下における吸光度 B:被検物質非存在下における吸光度 C:TGF−β非存在下の吸光度実 施 例 6 実施例3で得られた酢酸エチル画分を、シリカゲルカラム(溶媒系:ヘキサン/酢酸エチル混液(1:0〜1:4))、セファデックスLH−20カラム(溶媒系:エタノール)、ODSカラム(TSK−gel80TsならびにYMC−PackODSSH;溶媒系:アセトニトリル/水混液(2:3〜1:1)またはメタノール/水混液(3:2〜7:3))を用いたカラムクロマトグラフィーに順次付すことにより、4つの化合物を得た。これらの化合物について、諸物理恒数および各種スペクトルデータにより、それぞれクワノンE、クワノンG、クワノンHおよびモルシンと同定した。試 験 例 2 実施例6で単離・精製して得た各化合物について、試験例1と同様にしてTGF−β受容体結合阻害作用試験を行った。結果を図2に示す。試 験 例 3 育毛試験: 被検育毛剤1として、実施例1で得られた桑の根の抽出物の1%溶液を用い、育毛試験を行った。まず、C57BLマウス(8週齢雄性)の背部をバリカンおよび除毛クリームにて除毛し、この除毛部分にエナント酸テストステロン5%溶液を週2回、100μL皮下投与した。その後、このマウスの除毛部分に被検物質を、1日1回100μL塗布した。試験は、各群10匹ずつとし、被検物質は21日間連日塗布した。対照品としては、オキセンドロン2%溶液を用いた。また、エナント酸テストステロンを投与せず、かつ被検物質を投与しない群をノーマルコントロール群、エナント酸テストステロンを投与するが被検物質を投与しない群をコントロール群とした。なお、オキセンドロンは、前立腺肥大治療薬として用いられるものであり、育毛に用いると副作用の懸念がある。 デジタルカメラを用いて経時的に撮影した各群のマウス背部皮膚の写真を画像解析ソフト(NIH image)を用いて解析し、個体別に、毛刈り部位全体の面積に対する毛再生域の面積の割合を毛再生率(%)として算出した。結果を図3及び4に示す。実 施 例 7 実施例1の桑根皮を桑根周皮に代えた以外は実施例1と同様にして、桑根周皮抽出液を得た。実 施 例 8 実施例1の桑根皮をソウハクヒに代えた以外は実施例1と同様にして、ソウハクヒ抽出液を得た。試 験 例 4 実施例1、7、及び8で得られた各抽出液について、試験例1と同様の方法によって、TGF−β受容体結合阻害作用試験を行った。その結果を図5に示す。試 験 例 5 実施例1、7、及び8で得られた抽出液中に含まれる、クワノンE、クワノンG、クワノンHおよびモルシンの含量(%)をHPLC分析により測定した。結果を図6に示す。実 施 例 9 ヘアートニック: 実施例1で得られた桑の根の抽出物を用いて、下記表1に示す処方のヘアートニックを常法により製造した。実 施 例 10 育毛用エアゾール製品: (原体処方) (%)実施例1の桑の根の抽出物 1.00エタノール 50.00D−パントテニルアルコール 0.50エデト酸ニナトリウム 0.03香料(l−メントール含む) 0.20防腐剤 0.10精製水 バランス (100とする) (製法) 上記成分を混合した原体90.0%に対し、ジメチルエーテルと窒素からなる噴射剤10.0%を加えてエアゾール製剤とし、これを噴射口径0.5mmのエアゾール缶に充填して、育毛用エアゾール製品を製造した(内圧:5.8kg/cm2、at25℃)。実 施 例 11 育毛用エアゾール製品: (原体処方) (%)ボタンピ抽出液 1.00ニンジン抽出液 2.00センブリ抽出液 2.00ショウキョウチンキ 1.00センキュウ抽出液 1.00クジン抽出液 1.00実施例1の桑の根の抽出物 1.00ベニバナ抽出液 0.10エタノール 21.00D−パントテニルアルコール 0.50エデト酸ニナトリウム 0.03カルボキシビニルポリマー2%水溶液 15.00中和剤 0.30香料(l−メントール含む) 0.20防腐剤 0.10精製水 バランス (100とする) (製法) 上記成分を混合した原体(粘度12,450cp)66.7%に対し、ジメチルエーテル33.3%を加えてエアゾール製剤とし、これを噴射口径0.5mmのエアゾール缶に充填して育毛用エアゾール製品を製造した(内圧:4.3kg/cm2、at25℃)。実 施 例 12 ヘアーリキッド: 下記処方のヘアーリキッドを常法により製造した。 (処方) (%)実施例1の桑の根の抽出物 0.50カンゾウ抽出物 0.10トウガラシ抽出物 0.50ミカン抽出物 1.00酢酸トコフェロール 0.20ミノキシジル 1.00ペンタデカン酸グリセリド 1.00ポリオキシプロピレン(35)ブチルエーテルリン酸 10.00ポリオキシプロピレン(40)ブチルエーテル 5.00ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体 0.50ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油 1.00エタノール 60.00オキシベンゾン 0.05水酸化ナトリウム 0.16オクチルドデカノール 0.50香料 0.05色素 0.005精製水 バランス (100とする)実 施 例 13 ヘアーシャンプー: 下記処方のヘアーシャンプーを常法により製造した。 (処方) (%)実施例1の桑の根の抽出物 0.05ボタンピ抽出物 1.00グリチルリチン酸ジカリウム 0.10ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム液 20.00N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン液 10.00ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液 10.00ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド 4.00ジステアリン酸エチレングリコール 2.00カチオン化セルロース 1.00カチオン化グァーガム 0.20ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル 1.00メチルポリシロキサン 0.50プロピレングリコール 5.00エデト酸ニナトリウム 0.30パラオキシ安息香酸エステル 0.40クエン酸 0.20香料 0.30精製水 バランス (100とする)実 施 例 14 ヘアートリートメント: 下記処方のヘアートリートメントを常法により製造した。 (処方) (%)実施例1の桑の根の抽出物 0.05ボタンピ抽出物 1.00ヒノキチオール 0.10塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.00塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.00塩化アルキルトリメチルアンモニウム 1.50ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 0.50モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 1.00セタノール 1.50ステアリルアルコール 1.50オクチルドデカノール 1.50ラノリン誘導体(ラノリン系カチオン) 0.50カチオン化セルロース 1.00カチオン化グァーガム 0.20シリコーンエマルション 1.00グリセリン 2.00ジグリセリン 4.00プロピレングリコール 1.00パラオキシ安息香酸エステル 0.20香料 0.30精製水 バランス (100とする) 本発明のTGF−β受容体拮抗剤は、TGF−βの産生過剰に起因する疾患、脱毛防止、養毛・育毛・発毛効果、腎炎および肝硬変の治療効果に優れた効果を有する。また、本発明の育毛剤は、非常に高い血流促進も有し、抜け毛の改善のみならず、髪にはり、こしを与え、傷んだ髪のダメージを回復させ、頭皮のかゆみを予防し、さらに安全性、溶解性および保存安定性も良好である。 本発明によれば、安全性が高く、優れたTGF−β阻害作用を有するTGF−β受容体拮抗剤を得ることができる。 また、本発明によるTGF−β受容体拮抗剤は、育毛剤として有用である。さらに、肝硬変や腎炎治療剤などのTGF−βが関与する疾患に対する治療薬として利用することができるものである。実施例1〜4で得られた桑の根の抽出物のTGF−β受容体結合阻害作用を 示す図である。実施例6で得られたクワノンE、G、H及びモルシンのTGF−β受容体結合 阻害作用を示す図である。実施例1で得られた桑の根の抽出物による各経過日数毎のマウスの毛の再生 率を示す図である。実施例1で得られた桑の根の抽出物による21日経過後のマウスの毛の再生 率を示す図である。実施例1、7及び8で得られた桑の根の各部位におけるTGF−β受容体結 合阻害作用を示す図である。実施例1、7及び8で得られた桑の根の各部位におけるクワノンE、G、H 及びモルシンの含有率を示す図である。 桑の根の抽出物を有効成分とするTGF−β受容体拮抗剤。 抽出物が、クワノンE、クワノンG、クワノンH及びモルシンからなる群より選ばれた化合物の1種又は2種以上を含むものである請求項1記載のTGF−β受容体拮抗剤。 桑の根が、桑根皮又は桑根周皮である請求項1又は2記載のTGF−β受容体拮抗剤。 クワフラボノイド類を有効成分とするTGF−β受容体拮抗剤。 クワフラボノイド類がクワノンE、クワノンG、クワノンH又はモルシンである請求項4記載のTGF−β受容体拮抗剤。 育毛剤である請求項1ないし5の何れかの項記載のTGF−β受容体拮抗剤。 腎炎治療剤である請求項1ないし5の何れかの項記載のTGF−β受容体拮抗剤。 肝硬変治療剤である請求項1ないし5の何れかの項記載のTGF−β受容体拮抗剤。 【課題】 天然物中からTCF−β受容体結合阻害作用を有する物質を見出し、これを有効成分とする新規なTGF−β受容体拮抗剤を提供すること。【解決手段】桑の根の抽出物を有効成分とするTGF−β受容体拮抗剤およびクワノンE、クワノンG、クワノンH及びモルシン等のクワフラボノイド類を有効成分とするTGF−β受容体拮抗剤。【選択図】図1