生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_非破壊糖度計および非破壊糖度測定方法
出願番号:2005206217
年次:2007
IPC分類:G01N 21/35


特許情報キャッシュ

山野 研城 JP 2007024652 公開特許公報(A) 20070201 2005206217 20050714 非破壊糖度計および非破壊糖度測定方法 株式会社ワイドテクノ 505268356 須田 篤 100095359 山野 研城 G01N 21/35 20060101AFI20070105BHJP JPG01N21/35 Z 2 1 OL 7 2G059 2G059AA01 2G059BB11 2G059CC20 2G059DD13 2G059EE01 2G059FF02 2G059GG10 2G059HH01 2G059JJ03 2G059MM01 2G059MM12 2G059NN02 本発明は、非破壊糖度計および非破壊糖度測定方法に関する。 従来、青果物の糖度の測定は、被測定青果物を切断して、搾汁し、得られた溶液の糖度を屈折糖度計で測定することにより行われていた。しかし、この測定方法は、サンプリングによる抜き取り検査に使用できても、市場に出荷する青果物の全数検査には使用することができない。このため、糖度について統計的な推測しかできず、ある確率で糖度の低い青果物を出荷することになり、市場からクレームが寄せられる可能性があるという問題があった。また、精度をあげるためにサンプリング個数を増やす方法が考えられるが、完全ではなく、破壊的に糖度を測定するため、経済的な負担も大きくなるという問題があった。別な方法として、サンプリングにより推測した糖度より多少低めの糖度として出荷することにより糖度の保証を行う方法も実施されているが、糖度が高い青果物でも糖度が低い製品の価格でしか販売できないという問題があった。 これらの問題を解決するために、近年、近赤外分光分析による非破壊糖度測定方法の研究が盛んに行われている。その非破壊糖度測定方法として、被測定青果物に近赤外線を照射し、その反射光または透過光を受け、受けた反射光または透過光の吸光度を算出して、被測定青果物の糖度を求める方法がある(例えば、特許文献1、2、3、4、5、6、7または8参照)。 ところで、図3に示すように、例えば、屈折糖度計で測定したメロンの断面の糖度分布から、青果物の糖度は、部位によりかなりばらつきがあることがわかる。図3のメロンの例では、表面付近では糖度が小さく、中心に向かって糖度が大きくなっており、中心付近の糖度が表面付近の糖度の2〜3倍程度になっている。また、表面付近での糖度も、場所によっては、2倍近く異なっている。特開平1−216265号公報特開平1−235850号公報特開平2−147940号公報特開平4−104041号公報特開平4−208842号公報特開平5−34281号公報特開平5−172549号公報特開平6−15236号公報 特許文献1乃至8記載の従来の方法では、例えばメロン、スイカのように皮の厚い青果物では内部まで近赤外線が届かず、表面付近からの反射光による情報で糖度を算出している。このため、被測定青果物全体の糖度を精度良く測定することはできないという課題があった。 これに対し、被測定青果物の内部を透過した透過光で糖度を算出する方法がある。一般的に近赤外線の光源としてハロゲンランプが使用されているが、透過光で糖度を算出するためには、近赤外線が被測定青果物の内部に到達するよう光源のエネルギーを大きくすればよい。しかし、光源のエネルギーを大きくすると、糖度計内部が高温になり糖度の測定誤差が大きくなるという課題があった。 本発明は、このような課題に着目してなされたもので、温度による測定誤差を抑え、被測定物全体の糖度を精度良く測定可能な非破壊糖度計および非破壊糖度測定方法を提供することを目的としている。 上記目的を達成するために、本発明に係る非破壊糖度計は、被測定物に近赤外線を照射し、その被測定物を透過した近赤外線の透過光を受け、受けた透過光の特定波長の吸光度に基づき前記被測定物の糖度を求める非破壊糖度計であって、前記透過光の特定波長成分を受光して電圧に変換する光電変換部と、前記光電変換部で変換した電圧の値を求める数値算出部と、前記光電変換部付近の温度を測定する温度測定部と、前記数値算出部により求められた値を、予め設定された補正条件に基づき、前記温度測定部により測定された温度に応じて補正する補正部と、前記補正部により補正された値に基づいて吸光度を求め、求めた吸光度から前記被測定物の糖度を求める演算部とを、有することを特徴とする。 本発明に係る非破壊糖度測定方法は、被測定物に近赤外線を照射し、その被測定物を透過した近赤外線の透過光を光電変換部で受光して電圧に変換し、その変換した電圧の値を求め、前記光電変換部付近の温度を測定し、その測定した温度に応じて、予め設定された補正条件に基づき前記電圧の値を補正し、その補正した値に基づいて吸光度を求め、求めた吸光度から被測定物の糖度を求めることを、特徴とする。 本発明に係る非破壊糖度計および非破壊糖度測定方法は、被測定物を透過した近赤外線の透過光を光電変換部で受光して電圧に変換し、その変換した電圧の値を、予め設定された補正条件に基づき、測定した光電変換部付近の温度に応じて補正するため、光電変換部付近の温度により生じる測定誤差を抑えることができる。このため、被測定物の内部を透過させるために近赤外線の照射エネルギーを大きくした場合でも、光電変換部付近が高温になることによる測定誤差を抑えて、被測定物の糖度を精度良く測定することができる。また、近赤外線の照射エネルギーを増減させることにより、被測定物の表面から中心まで、被測定物全体の糖度を精度良く測定することができる。なお、温度測定部により温度を測定される光電変換部付近は、高温による光電変換部の測定誤差を抑えるのに利用できる位置であれば、光電変換部の内部や表面に限るものではなく、その位置を問わない。 本発明によれば、温度による測定誤差を抑え、被測定物全体の糖度を精度良く測定可能な非破壊糖度計および非破壊糖度測定方法を提供することができる。 以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。 図1および図2は、本発明の実施の形態の非破壊糖度計を示している。 図1に示すように、非破壊糖度計10は、載置台11と2つの光源12と光電変換部13と数値算出部14と温度測定部(図示せず)と制御演算部15と表示部16とを有している。 載置台11は、上に被測定物1を載せるようになっている。載置台11は、その被測定物1を透過した近赤外線の透過光を、下方に透過可能になっている。載置台11は、その上に載せられた被測定物1を検出する重力センサ(図示せず)と、重力センサが検出したとき検出信号を出力する検出信号出力部(図示せず)とを有している。被測定物1は、例えば、メロン、トマト、リンゴ、ナシ、モモなどの青果物である。 各光源12は、ハロゲンランプから成り、載置台11を間に挟むよう載置台11の両脇に設置されている。各光源12は、電源21により電力が供給され、載置台11の上の被測定物1に、同一の強さの近赤外線を照射するようになっている。なお、電源21は、非破壊糖度計10に内蔵されているが、外部から供給してもよい。 光電変換部13は、載置台11の下方に設けられ、受光部(図示せず)とバンドパスフィルタ(図示せず)と光電変換素子(図示せず)とを有している。受光部は、載置台11を透過してきた近赤外線の透過光を受ける部材である。バンドパスフィルタは、複数から成ってそれぞれ異なる帯域を有し、受光部で受けた透過光の特定波長の光のみを通過させるようになっている。光電変換素子は、各バンドパスフィルタを通過した複数の特定波長の光を、それぞれ電圧に変換して出力する部材である。 なお、各光源12から照射された近赤外線は、被測定物1を透過するとき、糖度と相関の高い複数の特定波長成分が吸収される。この吸収される複数の特定波長成分の吸光度から糖度を計算するために、各バンドパスフィルタが通過させる特定波長の帯域として、その複数の特定波長を選定する。実際には、予め屈折糖度計により測定した糖度から、糖度と相関の高い特定波長を各バンドパスフィルタの通過波長帯域として選定しておく。 数値算出部14は、増幅部22とアナログデジタル変換部23とを有している。増幅部22は、光電変換部13から出力された電圧の信号を、各特定波長ごとに増幅するようになっている。アナログデジタル変換部23は、増幅部22により増幅された各特定波長の電圧の信号をアナログ/デジタル変換して、電圧の値を求めるようになっている。 温度測定部は、光電変換部13の温度を測定し、その測定温度を出力可能な構成を有している。 制御演算部15は、補正部(図示せず)と演算部(図示せず)と制御部(図示せず)とを有している。補正部は、温度測定部による測定温度を受信し、数値算出部14により求められた電圧の値を、予め設定された補正条件に基づき、受信した測定温度に応じて補正するようになっている。 なお、補正条件は、以下のようにして設定される。まず、表1に示すように、予め光電変換部13の温度を変えて、温度測定部の測定温度と増幅部22の出力電圧(アナログデジタル変換部23によるデジタル変換後の値)とを実測することにより、増幅部22の出力電圧の温度変動特性を求める。図2に示すように、求められた温度変動特性をグラフにプロットし、最小二乗法によりその近似直線を求める。求められた近似直線の式を、 y=m・Ta+b …(1)とする。ここで、 y :増幅部22の出力電圧の近似値 m :近似曲線の傾き Ta:温度測定部の測定温度 b :定数である。mは、温度測定部の測定温度の範囲内において、増幅部22の出力電圧の大きさにかかわらず、ほぼ一定であると考えてよい。 (1)式より、25℃を標準温度とした場合の、増幅部22の出力電圧の温度補正値Vは、 V=Va−m・(Ta−25) …(2)となる。ここで、 Va:増幅部22の出力電圧の実測値である。図2および表1に示すように、(2)式を用いることにより、増幅部22の出力電圧を、標準温度25℃における電圧値に精度良く補正することができる。 補正部は、温度測定部の測定温度および増幅部22の出力電圧(アナログデジタル変換部23によるデジタル変換後の値)を、(2)式に代入することにより、標準温度25℃における電圧値に補正するようになっている。 演算部は、補正部により補正された値に基づいて各特定波長ごとに吸光度を求め、求めた吸光度から被測定物1の糖度を求めるようになっている。制御部は、電源21を制御可能になっている。制御部は、載置台11の検出信号出力部からの検出信号を受信可能であり、その検出信号を受信したとき、電源21を制御して各光源12の照射を開始させるよう構成されている。 表示部16は、演算部により求められた被測定物1の糖度を表示可能になっている。 非破壊糖度計10により、以下のとおり非破壊糖度測定方法を実施することができる。 まず、載置台11に被測定物1を載せると、重力センサが被測定物1を検出し、検出信号出力部が検出信号を出力する。制御演算部15の制御部が、その検出信号を受信し、電源21を制御して各光源12の照射を開始させる。 各光源12が、被測定物1に近赤外線を照射する。光電変換部13の受光部により、その被測定物1を透過した近赤外線の透過光を受け、各バンドパスフィルタにより、受光部で受けた透過光の各特定波長の光のみを通過させ、光電変換素子により、その各特定波長の光をそれぞれ電圧に変換して出力する。その出力された電圧の信号を、増幅部22により各特定波長ごとに増幅し、アナログデジタル変換部23によりデジタルに変換して電圧の値を求める。 温度測定部により光電変換部13の温度を測定する。制御演算部15の補正部により、アナログデジタル変換部23により求められた値を、予め設定された(2)式の補正条件に基づき、温度測定部による測定温度に応じて補正する。制御演算部15の演算部により、その補正値に基づいて各特定波長ごとに吸光度を計算し、その吸光度から被測定物1の糖度を求める。このとき、予め屈折糖度計で測定した糖度との相関により算出した係数と、各特定波長ごとの吸光度との積を求め、その和を求めることにより、糖度を算出する。求められた糖度を、表示部16により表示する。 非破壊糖度計10は、被測定物1を透過した近赤外線の透過光を光電変換部13で受光して電圧に変換し、その変換した電圧の値を、予め設定された補正条件に基づき、測定した光電変換部13の温度に応じて補正するため、光電変換部13の温度により生じる測定誤差を抑えることができる。このため、被測定物1の内部を透過させるために近赤外線の照射エネルギーを大きくした場合でも、光電変換部13が高温になることによる測定誤差を抑えて、被測定物1の糖度を精度良く測定することができる。また、近赤外線の照射エネルギーを増減させることにより、被測定物1の表面から中心まで、被測定物1全体の糖度を精度良く測定することができる。本発明の実施の形態の非破壊糖度計を示すブロック図である。図1に示す非破壊糖度計の増幅部の出力電圧の温度変動特性および温度補正結果を示すグラフである。符号の説明 1 10 非破壊糖度計 11 載置台 12 光源 13 光電変換部 14 数値算出部 15 制御演算部 16 表示部 21 電源 22 増幅部 23 アナログデジタル変換部 被測定物に近赤外線を照射し、その被測定物を透過した近赤外線の透過光を受け、受けた透過光の特定波長の吸光度に基づき前記被測定物の糖度を求める非破壊糖度計であって、 前記透過光の特定波長成分を受光して電圧に変換する光電変換部と、 前記光電変換部で変換した電圧の値を求める数値算出部と、 前記光電変換部付近の温度を測定する温度測定部と、 前記数値算出部により求められた値を、予め設定された補正条件に基づき、前記温度測定部により測定された温度に応じて補正する補正部と、 前記補正部により補正された値に基づいて吸光度を求め、求めた吸光度から前記被測定物の糖度を求める演算部とを、 有することを特徴とする非破壊糖度計。 被測定物に近赤外線を照射し、その被測定物を透過した近赤外線の透過光を光電変換部で受光して電圧に変換し、その変換した電圧の値を求め、前記光電変換部付近の温度を測定し、その測定した温度に応じて、予め設定された補正条件に基づき前記電圧の値を補正し、その補正した値に基づいて吸光度を求め、求めた吸光度から被測定物の糖度を求めることを、特徴とする非破壊糖度測定方法。 【課題】温度による測定誤差を抑え、被測定物全体の糖度を精度良く測定可能な非破壊糖度計および非破壊糖度測定方法を提供する。【解決手段】光源12が、載置台11の上の被測定物1に、近赤外線を照射する。光電変換部13が、近赤外線の透過光の特定波長成分を受光して電圧に変換する。数値算出部14が、増幅部22とアナログデジタル変換部23とを有し、光電変換部13で変換した電圧の値を求める。温度測定部が、光電変換部13付近の温度を測定する。制御演算部15の補正部が、数値算出部14により求められた値を、予め設定された補正条件に基づき、温度測定部により測定された温度に応じて補正する。制御演算部15の演算部が、補正部により補正された値に基づいて吸光度を求め、求めた吸光度から被測定物1の糖度を求める。【選択図】図1


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る