タイトル: | 公開特許公報(A)_ホップエキス添加装置 |
出願番号: | 2005167246 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | C12C 13/00 |
益山 嘉章 JP 2006340629 公開特許公報(A) 20061221 2005167246 20050607 ホップエキス添加装置 アサヒビール株式会社 000000055 大塚 康徳 100076428 高柳 司郎 100112508 大塚 康弘 100115071 木村 秀二 100116894 永川 行光 100134175 益山 嘉章 C12C 13/00 20060101AFI20061124BHJP JPC12C13/00 4 1 OL 5 本発明は、ホップエキスを溶解させて煮沸釜に接続された管路に送り出すホップエキス添加装置に関する。 ビール製品や発泡酒製品は、一般的に、湯に麦芽の一部及び必要に応じて副原料(例えば、米、コーン・スターチ)を加えて仕込釜で煮た後に、仕込槽において残りの麦芽にお湯を加え、更に仕込釜で得られたものを加えてもろみを生成し、これをろ過した麦汁にホップエキスを加えて煮沸釜で煮沸し、それを発酵・熟成させた後にろ過して製造されうる。 ホップエキスは、室温においては非液体状態であり、50℃程度に加熱されることによって液体状態にされて煮沸釜に送られる。図2は、煮沸釜にホップエキスを添加するための設備を示す図である。ホップエキスが収容された容器5は、空調機210によって50℃程度に温調された温室200内に置かれる。容器5内のホップエキスは、温室200内に置かれてから10時間程度で液体状態に変化する。作業者は、ホップエキスが液体状態になった後にタンク230内に入れる。タンク230内に入ったホップエキスは、管路240を通して煮沸釜に供給される。 なお、本出願人は、本発明に関連する先行技術を認識していない。 図2を参照して説明したような設備においては、作業者は、加温されたホップエキスが放つ強烈な刺激臭を覚悟しなければならない。また、気化したホップエキスは、作業者の衣服や体に付着し、その作業者の周囲の者にも相当な不快感を与えうる。更に、上記のような構成の温室は、このような刺激臭で満たされるのみならず、約50℃という作業者にとって極めて過酷な環境であり、作業者の健康を阻害する可能性もある。 本発明は、上記のような課題認識を基礎としてなされたものであり、ホップエキスが放つ刺激臭の問題を緩和し、良好な作業環境を提供することを目的とする。 本発明のホップエキス添加装置は、ホップエキスを溶解させて煮沸釜に接続された管路に送り出すホップエキス添加装置であって、開口部を有するタンクと、前記タンクの少なくとも一部を取り囲むように配置されて前記タンクを加熱するヒーターと、前記開口部を塞ぐ蓋と、溶解したホップエキスを前記管路に送り出すように前記タンクに設けられたポートとを備え、これにより前記課題を解決する。 本発明の好適な実施形態によれば、前記ヒーターは、前記タンクによって支持されうる。 本発明の好適な実施形態射よれば、前記ホップエキス添加装置は、前記ヒーターを覆う断熱材を更に備えうる。 本発明の好適な実施形態によれば、前記蓋には、前記タンク内の状態を外から観察可能に配置された窓が設けられうる。 本発明によれば、ホップエキスが放つ刺激臭の問題を緩和し、良好な作業環境を提供することができる。 以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。 図1は、本発明の好適な実施形態のホップエキス添加装置の概略構成を示す図である。図1に示すホップエキス添加装置100は、ビール製品や発泡酒製品等の製造のために好適であり、非液体状態のホップエキスを溶解させて煮沸釜に接続された管路に送り出すように構成されている。なお、典型的には、ホップエキスは、煮沸釜に麦汁が注入された後に煮沸釜に供給されうるが、煮沸釜に接続された管路を流れている麦汁に対して添加されてもよい。 ホップエキス添加装置100は、開口部10aを有するタンク10と、開口部10aを塞ぐ蓋50とを有する。タンク10は、例えば、支持脚等の支持部材70によって床上等に支持されうる。ホップエキス添加装置100は、更に、タンク10の少なくとも一部を取り囲むように配置されてタンク10を加熱するヒーター(例えば、テープヒーター)20を備えている。ヒーター20は、タンク10によって支持されうる。ヒーター20は、断熱材60によって覆われていることが好ましい。断熱材60もまた、タンク10によって支持されうる。 タンク10内には、ホップエキスが収容された容器5を支持する支持部90が配置されている。支持部90上には、逆様の状態で容器5が載置される。支持部90上に容器5が載置され、タンク10に蓋50が取り付けられた状態において、ヒーター20を動作させてタンク10内を50℃程度に維持することによって、ホップエキスは、例えば10時間程度で完全に溶解しうる。溶解したホップエキスは、タンク10内の底部に滴り落ちる。タンク10の底部には、溶解したホップエキスを煮沸釜に接続された管路80に送り出すためのポート40が設けられている。 蓋50には、作業者がタンク10内の状態を外から観察可能に配置された窓(サイトグラス)54が設けられていることが好ましい。窓54は、タンク10の内部空間と外部空間とを仕切る透明な部材、例えばガラス等の部材で構成されうる。作業者は、蓋50がタンク10に取り付けられた状態で窓54を通してタンク10を観察することができる。したがって、観察のための蓋50の開閉に起因して周辺環境がホップエキスの刺激臭で汚染されることはない。蓋50には、操作のためのハンドル部52が設けられていることが好ましい。 本発明の好適な実施形態によれば、空調によってタンク10を加熱するのではなく、ヒーター20によってタンク10を直接加熱することによって、50℃等の高温環境下における作業から作業者を解放し、また、ホップエキスの溶解のための設備を大幅に小型化することができる。そして、タンク10の開口部10aを塞ぐための蓋50を設けることによってタンク10を密閉することができ、ホップエキスが放つ刺激臭が周囲に拡散することを劇的に低減することができる。本発明の好適な実施形態のホップエキス添加装置の概略構成を示す図である。煮沸釜にホップエキスを添加するための設備を示す図である。符号の説明5 ホップエキスが収容された容器10 タンク10a タンクの開口部20 ヒーター40 ポート50 蓋52 ハンドル54 窓60 断熱材70 支持部材80 管路100 ホップエキス添加装置 ホップエキスを溶解させて煮沸釜に接続された管路に送り出すホップエキス添加装置であって、 開口部を有するタンクと、 前記タンクの少なくとも一部を取り囲むように配置されて前記タンクを加熱するヒーターと、 前記開口部を塞ぐ蓋と、 溶解したホップエキスを前記管路に送り出すように前記タンクに設けられたポートと、 を備えることを特徴とするホップエキス添加装置。 前記ヒーターが前記タンクによって支持されていることを特徴とする請求項1に記載のホップエキス添加装置。 前記ヒーターを覆う断熱材を更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホップエキス添加装置。 前記蓋に、前記タンク内の状態を外から観察可能に配置された窓が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のホップエキス添加装置。 【課題】ホップエキスが放つ刺激臭の問題を緩和し、良好な作業環境を提供する。【解決手段】ホップエキス添加装置100は、容器5に収容されたホップエキスを溶解させて、煮沸釜に接続された管路80に送り出す。ホップエキス添加装置100は、開口部10aを有するタンク10と、タンク10の少なくとも一部を取り囲むように配置されてタンク10を加熱するヒーター20と、開口部10aを塞ぐ蓋50と、溶解したホップエキスを管路80に送り出すようにタンク10に設けられたポート40とを備える。【選択図】図1